画像表示装置及び方法並びにプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】全体画像のうちの一部の部分画像同士を簡便に比較する。
【解決手段】フイルムストリップエリア67から比較対象の画像A,Bを選択する。選択された画像A,Bは、画像比較エリア54に重ねて表示される。自動ボタン61を選択することで、上位画像Bのデータに記録されている特徴情報に基づいて、上位画像Bに対して特定範囲70が自動的に設定される。表示制御手段は、上位画像Bに対して特定範囲70外を透過処理して透過範囲を作成し、透過範囲を通して下位画像Aの一部を上位画像Bに混合して表示する。マウス操作で特定範囲70の移動を指示すると、表示制御手段は、特定範囲70に表示されている画像Bが特定範囲70と一緒に移動するように表示する。
【解決手段】フイルムストリップエリア67から比較対象の画像A,Bを選択する。選択された画像A,Bは、画像比較エリア54に重ねて表示される。自動ボタン61を選択することで、上位画像Bのデータに記録されている特徴情報に基づいて、上位画像Bに対して特定範囲70が自動的に設定される。表示制御手段は、上位画像Bに対して特定範囲70外を透過処理して透過範囲を作成し、透過範囲を通して下位画像Aの一部を上位画像Bに混合して表示する。マウス操作で特定範囲70の移動を指示すると、表示制御手段は、特定範囲70に表示されている画像Bが特定範囲70と一緒に移動するように表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較観察をするために複数の画像を同一画面上に表示する画像表示装置、及び方法、並びにプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の表示画像のそれぞれに基準点を指定して表示画像同士を関連付けして同期表示を行うことで精細な比較観察を可能にした画像表示方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−298467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した画像表示方法では、比較画像を左右に個別に並べた2つの固定ウィンドウにそれぞれ表示している。このため、互いの画像を固定ウィンドウの間隔未満に近づけることができないため、部分画像同士の比較が判断し難い。特に画像全体の中の一部の部分画像同士を比較したい場合には、離れすぎているため、細かな比較が行えないおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、全体画像のうちの一部の部分画像同士を簡便に比較することができる画像表示装置、及び方法、並びにプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上位画像に記録されている特徴情報に基づいて特定範囲を設定する範囲設定手段と、上位画像に対して特定範囲又は特定範囲外を透過処理して透過範囲を作成する透過処理手段と、透過範囲を通して下位画像の一部を上位画像に混合して表示する表示制御手段と、を備えたものである。
【0007】
下位画像を上位画像に入れ替えたい場合がある。この場合には、下位画像を最前面に表示する画像入替え表示制御手段を設け、範囲設定手段は、最前面に表示される画像に対して特定範囲を抽出するのが好適である。
【0008】
画像データには、カメラで撮影したときのフォーカスポイントの情報が埋め込まれているものがある。この情報を特徴情報として利用して特定範囲を決めるのが好適である。また、画像には、顔画像が写っているものがある。そこで、顔画像検出手段を設け、上位画像に写っている顔画像の領域を特徴情報として検出し、検出した顔画像領域に基づいて特定範囲を決めてもよい。
【0009】
特定範囲設定手段は、上位画像に対して特徴情報を含む上位画像特徴範囲の画像を切り出すための切出し用の特定範囲と、上位画像特徴範囲の画像を切り抜くための切抜き用の特定範囲とのうちのいずれか一方の特定範囲を特徴情報に基づいて選択する選択手段を有している。この場合、透過処理手段は、切出し用の特定範囲の場合には特定範囲外を透過処理し、また切抜き用の特定範囲の場合には、特定範囲内を透過処理する。
【0010】
特定範囲は、上位画像の特徴情報の数に応じて選択してもよい。この場合、一つの場合には、切出し用の特定範囲を、複数の場合には切り抜き用の特定範囲を選択する。
【0011】
また、上位画像の特徴情報のばらつきの度合いに応じて選択してもよい。この場合、画像の基準位置から各特徴情報の位置までの距離、又は各特徴情報の位置の間隔を各々調べて、各距離又は間隔のばらつきの度合い(標準偏差)を算出し、算出した値が予め決めた閾値未満の場合には切出し用の特定範囲を、超える場合には切抜き用の特定範囲を選択すればよい。これによれば、特徴情報が複数ある場合でも、切出し用の特定範囲を選ぶことができる。
【0012】
切抜き用の特定範囲は、上位画像の特徴情報を含む上位画像特徴範囲外で、かつ下位画像が重なる範囲に設定するのが望ましい。さらに、上位画像特徴範囲外で、かつ下位画像の特徴情報を含む下位画像特徴範囲と重なる範囲に設定するのが好適である。
【0013】
画像比較エリアで下位画像特徴範囲が上位画像特徴範囲に重なって表示されている場合には、比較対象の部分画像を同時に表示することができない。そこで、前記2つの特徴範囲が重ならないように、上位画像と下位画像とを画像比エリア内で相対的に移動させる手段を備えるのが好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、画像に記録されている特徴情報に基づいて特定範囲を設定する特定範囲設定手段を備え、上位画像に対して設定した特定範囲又は特定範囲外を透過処理して透過範囲を作成し、作成した透過範囲を通して下位画像の一部を上位画像に混合して表示するため、全体画像の中の比較対象となる部分画像同士を自動的に並べて表示することができ、よって、画像の比較を簡便にかつ確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像表示装置の電気的概略を示すブロック図である。
【図2】プログラムを起動することで生成されるアプリケーションソフト部の概略を示すブロック図である。
【図3】GUI画面(ウィンドウ)を示す説明図である。
【図4】選択した画像を画像比較エリアに表示した状態を示す説明図である。
【図5】フォーカスポイントに基づいて切出し用の特定範囲が選択されたときの表示形態を示す説明図である。
【図6】切抜き用の特定範囲が選択されたときの表示形態を示す説明図である。
【図7】画像比較作業の手順を示すフローチャートである。
【図8】切出し用の特定範囲が選択されたときの描画部のマスク処理を示す説明図であり、(A)は上位画像Bに対してマスク処理を施す範囲を、(B)は下位画像Aに対してマスク処理を施す範囲をそれぞれ説明している。
【図9】図8で説明した特定範囲に対して移動を実行した時の描画部のマスク処理を示す説明図であり、(A)は上位画像Bと特定範囲の移動後の位置を、(B)は下位画像Aに対する特定範囲の移動位置を、(C)は、下位画像Aの特定範囲に対してマスク処理を施す範囲を、(D)は下位画像Aのマスク処理の範囲に、上位画像Bの特定範囲の画像を混合した状態をそれぞれ示している。
【図10】図9で説明した移動処理後のGUI画面を示す説明図である。
【図11】切抜き用の特定範囲が選択されたときの描画部のマスク処理を示す説明図であり、(A)は上位画像Bに対してマスク処理を施す範囲を、(B)は下位画像Aに対してマスク処理を施す範囲をそれぞれ説明している。
【図12】図11で説明した特定範囲に対して移動を実行した時の描画部のマスク処理を示す説明図であり、(A)は下位画像Aと特定範囲の移動後の位置を、(B)は上位画像Bに対する特定範囲の移動位置を、(C)は、下位画像Aに対してマスク処理を施す範囲を、(D)は上位画像Bのマスク処理の範囲に、下位画像Aの特定範囲の画像を混合した状態をそれぞれ示している。
【図13】図12で説明した移動処理後のGUI画面を示す説明図である。
【図14】顔画像領域の情報に基づいて特定範囲を設定する別の実施形態の画像比較作業の手順を示すフローチャートである。
【図15】顔画像に基づいて切出し用の特定範囲が選択されたときの表示形態を示す説明図である。
【図16】顔画像に基づいて切抜き用の特定範囲が選択されたときの表示形態を示す説明図である。
【図17】顔画像の散らばり度合いに基づいて切出し用と切抜き用との特定範囲を選択する実施形態のアプリケーションソフト部の概略を示すブロック図である。
【図18】図18で説明したアプリケーションソフト部を実行したときの画像比較作業の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態である画像表示装置を説明する。画像表示装置10は、図1に示すように、CPU11、メモリ12、フレームメモリ13、表示制御部14、表示部15、入力部16、I/F(インターフェース)17,18、及びハードディスク19等で構成され、これらはバス20により接続されている。
【0017】
CPU11は、各部を統括的に制御する。メモリ12は、CPU11により利用され得る作業用メモリ空間を提供する。表示制御部14は、画素を定めるLUT(ルックアップテーブル)を有しており、フレームメモリ13に格納されている表示データを、LUTを参照しながらモニタ用の表示信号に変換して表示部15に送る。
【0018】
表示部15は、CRTモニタ、又は液晶ディスプレイ等になっており、表示制御部14から得られる表示信号に基づいて画像を表示する。ハードディスク19は、本発明の画像表示装置を実現可能にするためのプログラムをインストールする記録媒体、また画像データを保存しておく記録媒体、さらにはその他の各種情報を記録する記録媒体であり、I/F17を介してバス20に接続されている。フレームメモリ13は、表示部15に表示する表示データを格納する。
【0019】
入力部16は、各種指示を入力するためのキーボードやマウス等で構成される。I/F18は、接続端子21に接続される接続ケーブル22を介して、外部機器、例えば電子カメラ23等に格納されている画像データをハードディスク19に取り込むためのインターフェースである。
【0020】
CPU11は、ハードディスク19にインストールされているプログラム(アプリケーションソフト)を実行することで、図2に示すように、GUI(グラフィカル・ユーザーインターフェース)対応のアプリケーションソフト部25を生成する。アプリケーションソフト部25は、大別して、ウィンドウ描画情報管理部26、各種処理内容を指示するための入力部27、及び入力部27から指示に従って生成するウィンドウ内容をフレームメモリ13に格納する描画部28とで構成される。
【0021】
入力部27は、画像読出し指示部30、解除指示部31、全解除指示部32、取り消し指示部33、自動指示部34、入替え指示部36、移動指示部37、連動指示部38、拡大・縮小指示部39、及び選択部40等で構成され、これら指示部30〜39及び選択部40はGUIを構成する各種ボタン(画面上にグラフィック表示されるボタン)に関連付けされている。
【0022】
ウィンドウ描画情報管理部26は、アプリケーションソフトのウィンドウや画像やサムネイル画像等を表示するための画像ウィンドウの描画情報、及びボタンの描画情報等が格納されている。描画部28は、入力部27から入力されるイベントに対応して、画像ウィンドウに表示する画像を処理するための画像処理部42、特定範囲設定部35、透過処理部43、及びウィンドウ描画処理部41等を備えている。
【0023】
ウィンドウ描画処理部41は、ウィンドウ描画情報管理部26に格納されている情報に基づいてウィンドウ内容を生成する。
【0024】
画像処理部42では、画像の移動や拡大又は縮小、あるいは合成等の処理を行って、処理済みの画像をウィンドウ内容に組み込んで最終的な表示用ウィンドウ内容を生成し、表示用ウィンドウ内容をフレームメモリ13に格納する。
【0025】
特定範囲設定部35は、特徴情報抽出手段35a、特定範囲選択手段35b、及び特定範囲設定手段35cを有している。特徴情報抽出手段35aは、画像ファイルを読み出してフォーカスポイント情報を抽出する。特定範囲選択手段35bは、抽出したフォーカスポイント49の数が単数の場合、上位画像Bに対してフォーカスポイント49を含む範囲に切出し用の特定範囲70を選択する。また、複数の場合には、下位画像Aに対してフォーカスポイント49を含む範囲で、かつ上位画像Bに重なる最大範囲に、切抜き用の特定範囲70を選択する。特定範囲設定手段35cは、選択された方の特定範囲を上位画像に対して設定する。
【0026】
透過処理部43は、切出し用の特定範囲70を設定した場合にはその範囲70外に、切抜き用の特定範囲70を設定した場合にはその範囲70に、マスクパターン格納部44に格納した特定のマスクパターンに従ってマスク処理して透過範囲を作成し、この透過範囲の情報を画像処理部42に送る。画像処理部42は、下位画像のうちの透過範囲に覆い隠されている一部を上位画像の透過範囲に合成する処理を行う。
【0027】
ウィンドウ内容は、図3に示すように、タイトルバー50、メニューバー51、及びツールバー52等をもつウィンドウ53とそのウィンドウ53内を仕切った複数のフレーム54〜56とを表示するとともに、各イベントを実行するためのボタン(アイコン)57〜66をツールバー52に表示する内容になっている。
【0028】
なお、図3では、図面の複雑化を省くために、タイトルバー50に表示するアプリケーションソフト名、及びメニューバー51に表示するメニュー名等を省略している。また、図4以降の操作画面の図では、図面の複雑化を省くために、タイトルバー50、及びメニューバー51の記載を省略している。
【0029】
複数のフレーム54〜56は、画像比較エリア54、対象画像エリア55、及びフイルムストリップエリア56等で構成されている。フイルムストリップエリア56は、ハードディスク19等の記録手段のうちの予め指定したアドレスに格納されている画像ファイルをサムネイル画像67a〜67zとして複数並べて表示するエリアである。なお、画像ファイルには、フォーカスポイント情報や本画像のデータの他に、サムネイル画像が格納されている。また、画像ファイルにサムネイル画像が格納されていない場合には、本画像を読み出してサムネイル画像を作成して表示する。
【0030】
画像比較エリア54は、図4に示すように、フイルムストリップエリア56の中で選択されるサムネイル画像67c,67dに対応する画像データの本画像A,Bを画像ウィンドウ45,46にそれぞれ表示するためのエリアである。画像比較エリア54には、画像同士の比較が簡便に行えるように、先に選択した画像Aが下位画像として、後選択のものを上位画像Bとして2つの画像A,Bが一部を重ねた状態でずれて表示される。なお、画像ウィンドウ45,46を上位と下位とで色分けして表示すると、把握し易いので好適である。画像比較エリア54には、図5に示すように、画像の切出し又は切抜き範囲を表す特定範囲70が表示される。
【0031】
対象画像エリア55は、選択した2つの画像A,Bを縮小した縮小画像A,Bを画像ウィンドウ47,48にそれぞれ表示するエリアである。この対象画像エリア55には、特定範囲70に対応するマーク70aが画像比較エリア54での画像全体に対する位置、及び大きさを同じにして表示される。
【0032】
比較対象の画像の選択は、サムネイル画像67をフイルムストリップエリア56から画像比較エリア54にマウスでドラッグ・アンド・ドロップ操作をすることで行える。この画面操作は、画像読出し指示部30を構成しており、画像読出し指示部30は、選択したサムネイル画像67に対応する本画像を読み出して画像比較エリア54に表示する指示を描画部28に対して行う。
【0033】
AUTOボタン61は、画像データに埋め込まれているフォーカスポイントの情報に基づいて自動的に特定範囲70を設定するボタンであり、図2で説明した自動指示部34を構成している。AUTOボタン61をクリック操作すると、上位画像Bに対してフォーカスポイント49の数を確認し、数が単数の場合には、フォーカスポイント49を含む範囲を切出し用の特定範囲に設定し、図5に示すように、その特定範囲70外を透過して、透過した範囲を通して下位画像Aの一部を表示する。
【0034】
また、フォーカスポイント49が複数の場合には、図6に示すように、上位画像Bに対してフォーカスポイント49を含む範囲(上位画像特徴範囲)外で、かつ下位画像Aに重なる範囲に、切抜き用の特定範囲70を設定し、上位画像Bに対して特定範囲70内を通して下位画像Aの一部を表示する。
【0035】
なお、切抜き用の特定範囲70としては、下位画像Aのフォーカスポイント49を含む範囲(下位画像特徴範囲)と重なる範囲に設定するのがより望ましい。
【0036】
特定範囲70は、画像比較エリア54内で例えば、矩形枠等で表示される。特定範囲70は、矩形枠の角部を対角線方向にマウスのドラッグ操作をすることで大きさを、また矩形枠を構成する上下左右辺のいずれかをマウスでドラッグ操作することで位置を変えることができる。なお、特定範囲70を表す枠としては、矩形に限らず、円形や楕円形、三角形等にしてもよい。この場合、マーク70aも特定範囲70に合わせるのが望ましい。
【0037】
入替えボタン60は、下位画像Aを最前面に表示するように指示するボタンであり、図2で説明した入替え指示部36を構成している。選択ボタン59は、2つの画像A,Bのうちのいずれか一方をマウスのクリック操作により選択することで、選択した画像をアクティブの画像にする。アクティブな画像は、画像比較エリア54内で常に最前面に表示される。
【0038】
スライドボタン64は、マウス操作でノブ64aをスライドバー64bに沿って移動させることで、その移動量及び移動方向に応じて、アクティブな画像に対して画像の拡大又は縮小を指示するボタンであり、図2で説明した拡大・縮小指示部39を構成する。
【0039】
移動ボタン63は、マウスのドラッグ操作によりアクティブな画像を画像比較エリア54内で自由に移動させるボタンであり、図2で説明した移動指示部37を構成している。この移動ボタン63を使用することで、例えば下位画像Aの特徴情報を含む範囲(下位画像特徴範囲)が、上位画像Bに設定される切抜き用の特定範囲70に表示されていない場合、表示されるように下位画像Aを移動させることができる。
【0040】
連動ボタン66は、図2に示す連動指示部38を構成しており、マウスのクリック操作をする毎に表示が「ON」と「OFF」に切り替わる。「ON」の表示にしている時には、上位画像B及び下位画像Aを連動させ、また「OFF」の表示にしている時には、前記連動を解除する。この連動ボタン66は、移動ボタン63やスライドボタン64と組み合わせて使用される。移動ボタン63と組み合わせて使用すると、上位画像B及び下位画像Aを一緒に移動させることができ、また、スライドボタン64と組み合わせて使用することで、上位画像B及び下位画像Aを一緒に拡大又は縮小することができる。
【0041】
取り消しボタン65は、「×」ボタンで表示されており、特定範囲70の指定等直前の指示を取り消すボタンであり、図2で説明した取り消し指示部33を構成する。解除ボタン58は、アクティブの画像の選択を解除してその画像の表示を画像比較エリア54から削除するボタンであり、図2で説明した解除指示部31を構成する。全解除ボタン57は、選択した画像を解除して画像比較エリア54から2つの画像A,Bの表示を削除するボタンであり、図2で説明した全解除指示部32を構成する。
【0042】
次に、前述したGUIを構成する操作画面を使用して画像比較作業の全体的な手順を説明する。最初に任意の2つの画像を選択して画像比較エリア54に表示し、2つの画像内に写る特徴的な部分画像について、ピント、被写体ぶれ、及びコントラスト等の要件を満足するか否かを視認より判断し、満足する方の画像を画像比較エリア54に残し、満足しない方の画像を画像比較エリア54から削除する。その後、新たな画像を選択して、新たな画像と前記満足した画像とを再び比較する。このようにして満足する画像に対して新たな画像を順に比較していき、最終的に一番満足する画像を探す。
【0043】
図7を参照しながら具体的に説明すると、プログラムを起動すると(S−1)、ウィンドウ53が開き、図3で説明した操作画面表示される。このウィンドウ53のフイルムストリップエリア56には、ハードディスク19等の記憶手段のうちの予め指定したアドレスに格納されている画像ファイルのサムネイル画像67a〜67zが表示される。
【0044】
なお、全てのサムネイル画像をフイルムストリップエリア56に表示することができない場合には、フイルムストリップエリア56の下部又は右端にスクロールバーが現れる。全てのサムネイル画像は、スクロールバーをマウス操作により移動することで、フイルムストリップエリア56に順に表示される。
【0045】
比較対象の2つの画像を、フイルムストリップエリア56から画像比較エリア54にマウス操作でドラッグ・アンド・ドロップする(S−2)。画像読出し指示部30は、ドラッグ・アンド・ドロップ操作に基づいて、読み込み画像のアドレスを描画部28に指示する。
【0046】
描画部28は、選択された画像を読み込み、図4に示すように、先にドロップ操作をした画像Aが下位画像として、後にドロップ操作をした画像Bが上位画像Bとして、一部が重なる状態で画像比較エリア54に2つの画像A,Bをずらして表示する。また、これらの画像A,Bの縮小画像を対象画像エリア55に個別に表示する。このとき、画像A,Bの画像ウィンドウ45,46の位置、及び大きさ、すなわち重なり度合いの情報は、ウィンドウ描画処理部41によって予め決められている。
【0047】
ここで、最前面に表示する画像を入れ替えたい場合には、入替えボタン60をマウスでクリック操作をすることで、下位画像Aが最前面に表示される(S−3、S−4)。なお、図4では、例えば、走行する電車を同じ場所で連写撮影した複数の画像のうちの連続する類似画像A,Bを選択した例を示している。
【0048】
画像比較を行う場合には、AUTOボタン61を操作する(S−5)。この操作に応答して特定範囲設定部35が、上位画像Bの画像データに埋め込まれているフォーカスポイント情報を読み出し、上位画像Bに対してフォーカスポイント49の個数を判別する(S―6)。ここで、特定範囲設定部35は、単数と判断した場合、フォーカスポイント49を含む範囲に、切出し用の特定範囲70を自動的に設定する(S−7)。この情報は、透過処理部43に送られる。
【0049】
なお、上位画像Bのフォーカスポイントの検出に加えて、下位画像Aのフォーカスポイントの検出を行い、上位画像Bと下位画像Aとでフォーカスポイント49を含む範囲同士が画像比較エリア54内で重なる場合には、重ならないように、上位画像Bと下位画像Aとをずらして表示するのが好適である。
【0050】
透過処理部43は、図8(A)に示すように、上位画像Bに対して特定範囲70外をマスク処理して透過範囲71を作成する(S−8)。また、同図(B)に示すように、下位画像Aに対して特定範囲70に重複する範囲(ハッチィングを施した範囲)を透過処理して透過範囲72を作成する(S−9)。画像処理部42は、上位画像Bの透過範囲71の画像に、下位画像Aのうちの透過範囲72以外の画像を混合して表示する(S−10)。これにより、図5に示すように、上位画像Bのうちの特定範囲70内の画像が下位画像Aに重ねて表示される。
【0051】
なお、対象画像エリア55に表示されている縮小画像Bには、特定範囲70の指定に応答して、特定範囲70と画像全体に対する位置、大きさを同じにしたマーク70aが表示される。このマーク70aを対象画像エリア55に表示することで、画像比較エリア54で画像の拡大や縮小をした時等に、画像全体に対する特定範囲70の位置、大きさを簡便に把握することができる。
【0052】
下位画像Aのうちの比較対象である部分画像aに対して、上位画像Bのうちの特定範囲70の部分画像bを比較する。しかしながら、互いの部分画像a,bが離れている場合には比較し難い。そこで、特定範囲70の部分画像bを、下位画像Aの部分画像に接近して表示したい時には、特定範囲70の部分画像bを移動させればよい(S−12)。
【0053】
この場合には、連動ボタン66をマウス操作でクリックして「OFF」の表示を選択しておく。その後、移動ボタン63をマウス操作でクリックして、例えば、図9(A)に示すように、特定範囲70内をマウスでクリック操作し、そのまま任意の位置、例えば符号70‘の位置にドラッグする。これにより、特定範囲70に表示されている部分画像bを含む上位画像Bは、同図(B)に示すように、特定範囲70と一緒に移動される。
【0054】
特定範囲70‘の画像比較エリア54に対する位置が決まると、同図(C)に示すように、下位画像Aに対して特定範囲70’に重なる範囲に対して、前述したと同じに透過処理を施して透過範囲75を生成し、同図(D)に示すように、上位画像Bの特定範囲70の部分画像bを、下位画像Aの透過範囲75に混合表示する。
【0055】
図10は、前述した移動手順により、上位画像Bの特定範囲70の部分画像bが下位画像Aの部分画像の横に表示された状態を示している。このように、下位画像Aに対して上位画像Bの特定範囲70に表示される部分画像bを比較し易い位置に移動することで、互いの部分画像a,bの比較作業(S−12)を簡便に行うことができる。このとき、対象画像エリア55に表示されるマーク70aも、特定範囲70の移動と同じに移動する。
【0056】
なお、連動ボタン66を「ON」表示にして移動ボタン63を選択し、前述したと同様にマウス操作で移動を行うと、下位画像Aと上位画像Bとが画像比較エリア54内で位置関係及び大きさを保ったまま一緒に移動する。また、連動ボタン66を「ON」表示にしてスライドボタン64のノブ64aをスライド操作すると、下位画像Aと特定範囲70に表示される部分画像bとが同じ尺度で拡大、又は縮小される。この操作により、細かい部分を簡便な操作で比較することができる。
【0057】
画像の比較作業を完了した後、画像に対して評価を付与したい場合がある。この場合には、レーティング作業を行う(S−13)。この作業は、例えばフイルムストリップエリア56にて評価を付けるサムネイル画像67をマウス操作で選択し、マウスの右クリックメニューから評価マークを選んで付与する。評価マークは、フイルムストリップエリア56のサムネイル画像67の上に、例えば「○」の印で表示され、またその情報は、対応する画像ファイルに格納される。このようにすれば、後から評価マークを付与した画像だけを選別することができ、また評価マークを付与した画像だけをフイルムストリップエリア56に表示することもできる。
【0058】
画像比較を終了する場合には、プログラムを終了する(S−14)。引き続き画像の比較作業を行う場合には、満足しない方の画像をアクティブにしておき、解除ボタン58をマウス操作でクリックするこことで、満足しない方の画像の表示を画像比較エリア54から削除し、新たな画像をフイルムストリップエリア56から選択して表示する。なお、2つの画像を削除する場合には、全解除ボタン57をマウスでクリック操作すればよい(S−15)。
【0059】
次に、図7で説明した(S−6)での判断で、フォーカスポイント49が複数ある場合について説明する。この場合、特定範囲設定部35は、上位画像Bに対してフォーカスポイント49を含む範囲(上位画像特徴範囲)外で、かつ下位画像Aに重なる範囲に、特定範囲70を設定する。なお、上位画像特徴範囲外で、かつ下位画像Aのフォーカスポイント49を含む範囲(下位画像特徴範囲)と重なる範囲に、特定範囲70を設定するのがより好ましい。
【0060】
透過処理部43は、図11(A)に示すように、上位画像Bに対して特定範囲70をマスク処理して透過範囲77を作成する(S−17)。また、同図(B)に示すように、下位画像Aに対して上位画像Bに重なる範囲のうちの特定範囲70内を除く範囲を透過処理して透過範囲(ハッチィングで示した範囲)78を作成する(S−18)。 画像処理部42は、上位画像Bの透過範囲77に、下位画像Aのうちの透過範囲78以外の画像を混合して表示する(S−19)。これにより、図6に示すように、上位画像Bのうちの特定範囲70内に、下位画像Aのうちの特定範囲70に重なる部分画像aが透過して表示される。
【0061】
なお、対象画像エリア55に表示されている縮小画像Aには、特定範囲70の指定に応答して、特定範囲70と画像全体に対する位置、大きさを同じにしたマーク70aが表示され、また、縮小画像Bには、特定範囲70の画像を表示する位置を表すマーク70bが表示される。これらマーク70a,70bは、例えば点線と実線というように異なるマークにすれば把握し易いので好適である。
【0062】
部分画像aを比較し易い位置に移動する場合には、連動ボタン66をマウス操作でクリックして「OFF」の表示を選択しておく。その後、移動ボタン63をマウス操作でクリックして、例えば、図12(A)に示すように、特定範囲70内をマウスでクリック操作し、そのまま任意の位置、例えば符号「70‘」で示す位置にドラッグする。これにより、特定範囲70に表示されている部分画像aを含む下位画像Aは、特定範囲70と一緒に移動される。
【0063】
特定範囲70‘の画像比較エリア54に対する移動位置が決まると、同図(B)に示すように、上位画像Bに対して特定範囲70’に重なる範囲を、前述したと同じに透過処理を施して透過範囲80を生成し、また、同図(C)に示すように、下位画像Aに対して上位画像Bに重複する範囲のうちの特定範囲70内を除く範囲を透過処理して透過範囲81を作成する。
【0064】
そして、同図(D)に示すように、上位画像Bの透過範囲80に、下位画像Aのうちの透過範囲81以外の画像を混合して表示する。これにより、図13に示すように、上位画像Bの部分画像の右上に、下位画像Aの部分画像aを表示することができる。このとき、対象画像エリア55には、縮小画像Bに表示されているマーク70bが、図6で説明したマーク70bと比べて、前述した特定範囲70の移動と同じに移動される。
【0065】
上記実施形態では、特徴情報としてフォーカスポイントの情報を利用しているが、本発明ではこれに限らず、顔画像の領域を検出して検出した顔画像領域の情報を利用してもよい。例えば図2で説明した特徴情報抽出手段35aは、顔画像検出部を備え、画像ファイルを読み出して上位画像から顔画像領域をテンプレートマッチング法により検出する。特定範囲選択手段35bは、図14に示すように、上位画像Bに対して顔画像領域の数を確認し(S−6)、単数の場合には、顔画像領域を含む範囲に切出し用の特定範囲70を自動的に設定する(S−7)。そして、図8で説明したように、上位画像Bに対して特定範囲70外をマスク処理して透過範囲71を作成し(S−8)、また、下位画像Aに対しては特定範囲70内をマスク処理して透過範囲72を作成し(S−9)、上位画像Bの透過範囲71の画像に、下位画像Aのうちの透過範囲72以外の画像を混合して表示する(S−10)。これにより。図16に示したように、上位画像Bのうちの特定範囲70に写る部分画像bが、下位画像Aの部分画像aの隣に表示される。
【0066】
なお、上位画像Bの顔画像領域の検出に加えて、下位画像Aの顔画像領域の検出を行い、上位画像Bと下位画像Aとで顔画像領域を含む範囲が画像比較エリア54内で重なる場合には、重ならないように、上位画像Bと下位画像Aとをずらして表示するのが好適である。
【0067】
また、複数の顔画像領域を検出した場合には、図16に示すように、上位画像Bに対して顔画像領域を含む範囲外で、かつ下位画像Aと重なる範囲に特定範囲70を設定する。なお、顔画像領域を含む範囲外で、かつ下位画像Aの顔画像領域を含む範囲と重なる範囲に特定範囲70を設定するのがより好ましい。その後は、図11で説明したと同じ処理を行う。
【0068】
なお、フォーカスポイント情報に基づいて特定範囲を設定するボタンと、顔画像領域に基づいて特定範囲を設定するボタンとをツールバー52に設け、使用者に択一的に選択することができるように構成してもよい。
【0069】
上記各実施形態では、特定範囲設定部68で検出した顔画像領域の数が複数の場合に、切抜き用の特定範囲70を設定する方を必ず選択するようにしているが、本発明ではこれに限らず、複数であっても、顔画像領域のばらつきの度合いに基づいて特定範囲を選択するようにしてもよい。
【0070】
例えば、図17に示すように、特定範囲設定部68の特徴情報抽出手段(顔画像領域検出手段)で顔画像の領域を検出し、検出した顔画像領域に対して顔画像領域のばらつきの度合いを顔画像ばらつき度合い算出部85で算出し、図18に示すように、特定範囲設定部68で算出したばらつき度合いと閾値とを比較して(S−5)、閾値未満(ばらつき度合いが小さい)の場合には、切出し用の特定範囲の設定を選択し(S−7)、また、閾値を超える(ばらつき度合いが大きい)場合には、切抜き用の特定範囲の設定を選択する(S−16)。
【0071】
ばらつきの度合いは、例えば予め決めた基準位置から顔領域までの距離、又は各顔領域間の距離を調べ、各距離の値に基づいて分散(標準偏差)を算出し、算出した分散と予め決めた閾値と比較して、ばらつきの度合いの大小を判定すればよい。基準位置としては、画像全体の中心位置、又は画像の四隅の位置のうちのいずれかの位置とすればよい。
【0072】
なお、顔画像領域のばらつき度合いを算出する場合には、例えば検出される顔画像領域が最も大きい領域を基準位置にしてもよい。又は予め顔画像が登録されている場合には、検出された顔画像領域の特徴量と、登録される顔画像の特徴量とを比較して、登録された顔画像があれば、その顔画像領域を基準位置にすればよい。なお、顔画像領域の情報の代わりに、フォーカスポイントの情報を用いても良い。
【符号の説明】
【0073】
10 画像表示装置
25 アプリケーションソフト部
27 入力部
28 描画部
35,68 特定範囲設定部
49 フォーカスポイント
54 画像比較エリア
55 対象画像エリア
61 AUTOボタン
70 特定範囲
A 下位画像
B 上位画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較観察をするために複数の画像を同一画面上に表示する画像表示装置、及び方法、並びにプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の表示画像のそれぞれに基準点を指定して表示画像同士を関連付けして同期表示を行うことで精細な比較観察を可能にした画像表示方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−298467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した画像表示方法では、比較画像を左右に個別に並べた2つの固定ウィンドウにそれぞれ表示している。このため、互いの画像を固定ウィンドウの間隔未満に近づけることができないため、部分画像同士の比較が判断し難い。特に画像全体の中の一部の部分画像同士を比較したい場合には、離れすぎているため、細かな比較が行えないおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、全体画像のうちの一部の部分画像同士を簡便に比較することができる画像表示装置、及び方法、並びにプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上位画像に記録されている特徴情報に基づいて特定範囲を設定する範囲設定手段と、上位画像に対して特定範囲又は特定範囲外を透過処理して透過範囲を作成する透過処理手段と、透過範囲を通して下位画像の一部を上位画像に混合して表示する表示制御手段と、を備えたものである。
【0007】
下位画像を上位画像に入れ替えたい場合がある。この場合には、下位画像を最前面に表示する画像入替え表示制御手段を設け、範囲設定手段は、最前面に表示される画像に対して特定範囲を抽出するのが好適である。
【0008】
画像データには、カメラで撮影したときのフォーカスポイントの情報が埋め込まれているものがある。この情報を特徴情報として利用して特定範囲を決めるのが好適である。また、画像には、顔画像が写っているものがある。そこで、顔画像検出手段を設け、上位画像に写っている顔画像の領域を特徴情報として検出し、検出した顔画像領域に基づいて特定範囲を決めてもよい。
【0009】
特定範囲設定手段は、上位画像に対して特徴情報を含む上位画像特徴範囲の画像を切り出すための切出し用の特定範囲と、上位画像特徴範囲の画像を切り抜くための切抜き用の特定範囲とのうちのいずれか一方の特定範囲を特徴情報に基づいて選択する選択手段を有している。この場合、透過処理手段は、切出し用の特定範囲の場合には特定範囲外を透過処理し、また切抜き用の特定範囲の場合には、特定範囲内を透過処理する。
【0010】
特定範囲は、上位画像の特徴情報の数に応じて選択してもよい。この場合、一つの場合には、切出し用の特定範囲を、複数の場合には切り抜き用の特定範囲を選択する。
【0011】
また、上位画像の特徴情報のばらつきの度合いに応じて選択してもよい。この場合、画像の基準位置から各特徴情報の位置までの距離、又は各特徴情報の位置の間隔を各々調べて、各距離又は間隔のばらつきの度合い(標準偏差)を算出し、算出した値が予め決めた閾値未満の場合には切出し用の特定範囲を、超える場合には切抜き用の特定範囲を選択すればよい。これによれば、特徴情報が複数ある場合でも、切出し用の特定範囲を選ぶことができる。
【0012】
切抜き用の特定範囲は、上位画像の特徴情報を含む上位画像特徴範囲外で、かつ下位画像が重なる範囲に設定するのが望ましい。さらに、上位画像特徴範囲外で、かつ下位画像の特徴情報を含む下位画像特徴範囲と重なる範囲に設定するのが好適である。
【0013】
画像比較エリアで下位画像特徴範囲が上位画像特徴範囲に重なって表示されている場合には、比較対象の部分画像を同時に表示することができない。そこで、前記2つの特徴範囲が重ならないように、上位画像と下位画像とを画像比エリア内で相対的に移動させる手段を備えるのが好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、画像に記録されている特徴情報に基づいて特定範囲を設定する特定範囲設定手段を備え、上位画像に対して設定した特定範囲又は特定範囲外を透過処理して透過範囲を作成し、作成した透過範囲を通して下位画像の一部を上位画像に混合して表示するため、全体画像の中の比較対象となる部分画像同士を自動的に並べて表示することができ、よって、画像の比較を簡便にかつ確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像表示装置の電気的概略を示すブロック図である。
【図2】プログラムを起動することで生成されるアプリケーションソフト部の概略を示すブロック図である。
【図3】GUI画面(ウィンドウ)を示す説明図である。
【図4】選択した画像を画像比較エリアに表示した状態を示す説明図である。
【図5】フォーカスポイントに基づいて切出し用の特定範囲が選択されたときの表示形態を示す説明図である。
【図6】切抜き用の特定範囲が選択されたときの表示形態を示す説明図である。
【図7】画像比較作業の手順を示すフローチャートである。
【図8】切出し用の特定範囲が選択されたときの描画部のマスク処理を示す説明図であり、(A)は上位画像Bに対してマスク処理を施す範囲を、(B)は下位画像Aに対してマスク処理を施す範囲をそれぞれ説明している。
【図9】図8で説明した特定範囲に対して移動を実行した時の描画部のマスク処理を示す説明図であり、(A)は上位画像Bと特定範囲の移動後の位置を、(B)は下位画像Aに対する特定範囲の移動位置を、(C)は、下位画像Aの特定範囲に対してマスク処理を施す範囲を、(D)は下位画像Aのマスク処理の範囲に、上位画像Bの特定範囲の画像を混合した状態をそれぞれ示している。
【図10】図9で説明した移動処理後のGUI画面を示す説明図である。
【図11】切抜き用の特定範囲が選択されたときの描画部のマスク処理を示す説明図であり、(A)は上位画像Bに対してマスク処理を施す範囲を、(B)は下位画像Aに対してマスク処理を施す範囲をそれぞれ説明している。
【図12】図11で説明した特定範囲に対して移動を実行した時の描画部のマスク処理を示す説明図であり、(A)は下位画像Aと特定範囲の移動後の位置を、(B)は上位画像Bに対する特定範囲の移動位置を、(C)は、下位画像Aに対してマスク処理を施す範囲を、(D)は上位画像Bのマスク処理の範囲に、下位画像Aの特定範囲の画像を混合した状態をそれぞれ示している。
【図13】図12で説明した移動処理後のGUI画面を示す説明図である。
【図14】顔画像領域の情報に基づいて特定範囲を設定する別の実施形態の画像比較作業の手順を示すフローチャートである。
【図15】顔画像に基づいて切出し用の特定範囲が選択されたときの表示形態を示す説明図である。
【図16】顔画像に基づいて切抜き用の特定範囲が選択されたときの表示形態を示す説明図である。
【図17】顔画像の散らばり度合いに基づいて切出し用と切抜き用との特定範囲を選択する実施形態のアプリケーションソフト部の概略を示すブロック図である。
【図18】図18で説明したアプリケーションソフト部を実行したときの画像比較作業の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態である画像表示装置を説明する。画像表示装置10は、図1に示すように、CPU11、メモリ12、フレームメモリ13、表示制御部14、表示部15、入力部16、I/F(インターフェース)17,18、及びハードディスク19等で構成され、これらはバス20により接続されている。
【0017】
CPU11は、各部を統括的に制御する。メモリ12は、CPU11により利用され得る作業用メモリ空間を提供する。表示制御部14は、画素を定めるLUT(ルックアップテーブル)を有しており、フレームメモリ13に格納されている表示データを、LUTを参照しながらモニタ用の表示信号に変換して表示部15に送る。
【0018】
表示部15は、CRTモニタ、又は液晶ディスプレイ等になっており、表示制御部14から得られる表示信号に基づいて画像を表示する。ハードディスク19は、本発明の画像表示装置を実現可能にするためのプログラムをインストールする記録媒体、また画像データを保存しておく記録媒体、さらにはその他の各種情報を記録する記録媒体であり、I/F17を介してバス20に接続されている。フレームメモリ13は、表示部15に表示する表示データを格納する。
【0019】
入力部16は、各種指示を入力するためのキーボードやマウス等で構成される。I/F18は、接続端子21に接続される接続ケーブル22を介して、外部機器、例えば電子カメラ23等に格納されている画像データをハードディスク19に取り込むためのインターフェースである。
【0020】
CPU11は、ハードディスク19にインストールされているプログラム(アプリケーションソフト)を実行することで、図2に示すように、GUI(グラフィカル・ユーザーインターフェース)対応のアプリケーションソフト部25を生成する。アプリケーションソフト部25は、大別して、ウィンドウ描画情報管理部26、各種処理内容を指示するための入力部27、及び入力部27から指示に従って生成するウィンドウ内容をフレームメモリ13に格納する描画部28とで構成される。
【0021】
入力部27は、画像読出し指示部30、解除指示部31、全解除指示部32、取り消し指示部33、自動指示部34、入替え指示部36、移動指示部37、連動指示部38、拡大・縮小指示部39、及び選択部40等で構成され、これら指示部30〜39及び選択部40はGUIを構成する各種ボタン(画面上にグラフィック表示されるボタン)に関連付けされている。
【0022】
ウィンドウ描画情報管理部26は、アプリケーションソフトのウィンドウや画像やサムネイル画像等を表示するための画像ウィンドウの描画情報、及びボタンの描画情報等が格納されている。描画部28は、入力部27から入力されるイベントに対応して、画像ウィンドウに表示する画像を処理するための画像処理部42、特定範囲設定部35、透過処理部43、及びウィンドウ描画処理部41等を備えている。
【0023】
ウィンドウ描画処理部41は、ウィンドウ描画情報管理部26に格納されている情報に基づいてウィンドウ内容を生成する。
【0024】
画像処理部42では、画像の移動や拡大又は縮小、あるいは合成等の処理を行って、処理済みの画像をウィンドウ内容に組み込んで最終的な表示用ウィンドウ内容を生成し、表示用ウィンドウ内容をフレームメモリ13に格納する。
【0025】
特定範囲設定部35は、特徴情報抽出手段35a、特定範囲選択手段35b、及び特定範囲設定手段35cを有している。特徴情報抽出手段35aは、画像ファイルを読み出してフォーカスポイント情報を抽出する。特定範囲選択手段35bは、抽出したフォーカスポイント49の数が単数の場合、上位画像Bに対してフォーカスポイント49を含む範囲に切出し用の特定範囲70を選択する。また、複数の場合には、下位画像Aに対してフォーカスポイント49を含む範囲で、かつ上位画像Bに重なる最大範囲に、切抜き用の特定範囲70を選択する。特定範囲設定手段35cは、選択された方の特定範囲を上位画像に対して設定する。
【0026】
透過処理部43は、切出し用の特定範囲70を設定した場合にはその範囲70外に、切抜き用の特定範囲70を設定した場合にはその範囲70に、マスクパターン格納部44に格納した特定のマスクパターンに従ってマスク処理して透過範囲を作成し、この透過範囲の情報を画像処理部42に送る。画像処理部42は、下位画像のうちの透過範囲に覆い隠されている一部を上位画像の透過範囲に合成する処理を行う。
【0027】
ウィンドウ内容は、図3に示すように、タイトルバー50、メニューバー51、及びツールバー52等をもつウィンドウ53とそのウィンドウ53内を仕切った複数のフレーム54〜56とを表示するとともに、各イベントを実行するためのボタン(アイコン)57〜66をツールバー52に表示する内容になっている。
【0028】
なお、図3では、図面の複雑化を省くために、タイトルバー50に表示するアプリケーションソフト名、及びメニューバー51に表示するメニュー名等を省略している。また、図4以降の操作画面の図では、図面の複雑化を省くために、タイトルバー50、及びメニューバー51の記載を省略している。
【0029】
複数のフレーム54〜56は、画像比較エリア54、対象画像エリア55、及びフイルムストリップエリア56等で構成されている。フイルムストリップエリア56は、ハードディスク19等の記録手段のうちの予め指定したアドレスに格納されている画像ファイルをサムネイル画像67a〜67zとして複数並べて表示するエリアである。なお、画像ファイルには、フォーカスポイント情報や本画像のデータの他に、サムネイル画像が格納されている。また、画像ファイルにサムネイル画像が格納されていない場合には、本画像を読み出してサムネイル画像を作成して表示する。
【0030】
画像比較エリア54は、図4に示すように、フイルムストリップエリア56の中で選択されるサムネイル画像67c,67dに対応する画像データの本画像A,Bを画像ウィンドウ45,46にそれぞれ表示するためのエリアである。画像比較エリア54には、画像同士の比較が簡便に行えるように、先に選択した画像Aが下位画像として、後選択のものを上位画像Bとして2つの画像A,Bが一部を重ねた状態でずれて表示される。なお、画像ウィンドウ45,46を上位と下位とで色分けして表示すると、把握し易いので好適である。画像比較エリア54には、図5に示すように、画像の切出し又は切抜き範囲を表す特定範囲70が表示される。
【0031】
対象画像エリア55は、選択した2つの画像A,Bを縮小した縮小画像A,Bを画像ウィンドウ47,48にそれぞれ表示するエリアである。この対象画像エリア55には、特定範囲70に対応するマーク70aが画像比較エリア54での画像全体に対する位置、及び大きさを同じにして表示される。
【0032】
比較対象の画像の選択は、サムネイル画像67をフイルムストリップエリア56から画像比較エリア54にマウスでドラッグ・アンド・ドロップ操作をすることで行える。この画面操作は、画像読出し指示部30を構成しており、画像読出し指示部30は、選択したサムネイル画像67に対応する本画像を読み出して画像比較エリア54に表示する指示を描画部28に対して行う。
【0033】
AUTOボタン61は、画像データに埋め込まれているフォーカスポイントの情報に基づいて自動的に特定範囲70を設定するボタンであり、図2で説明した自動指示部34を構成している。AUTOボタン61をクリック操作すると、上位画像Bに対してフォーカスポイント49の数を確認し、数が単数の場合には、フォーカスポイント49を含む範囲を切出し用の特定範囲に設定し、図5に示すように、その特定範囲70外を透過して、透過した範囲を通して下位画像Aの一部を表示する。
【0034】
また、フォーカスポイント49が複数の場合には、図6に示すように、上位画像Bに対してフォーカスポイント49を含む範囲(上位画像特徴範囲)外で、かつ下位画像Aに重なる範囲に、切抜き用の特定範囲70を設定し、上位画像Bに対して特定範囲70内を通して下位画像Aの一部を表示する。
【0035】
なお、切抜き用の特定範囲70としては、下位画像Aのフォーカスポイント49を含む範囲(下位画像特徴範囲)と重なる範囲に設定するのがより望ましい。
【0036】
特定範囲70は、画像比較エリア54内で例えば、矩形枠等で表示される。特定範囲70は、矩形枠の角部を対角線方向にマウスのドラッグ操作をすることで大きさを、また矩形枠を構成する上下左右辺のいずれかをマウスでドラッグ操作することで位置を変えることができる。なお、特定範囲70を表す枠としては、矩形に限らず、円形や楕円形、三角形等にしてもよい。この場合、マーク70aも特定範囲70に合わせるのが望ましい。
【0037】
入替えボタン60は、下位画像Aを最前面に表示するように指示するボタンであり、図2で説明した入替え指示部36を構成している。選択ボタン59は、2つの画像A,Bのうちのいずれか一方をマウスのクリック操作により選択することで、選択した画像をアクティブの画像にする。アクティブな画像は、画像比較エリア54内で常に最前面に表示される。
【0038】
スライドボタン64は、マウス操作でノブ64aをスライドバー64bに沿って移動させることで、その移動量及び移動方向に応じて、アクティブな画像に対して画像の拡大又は縮小を指示するボタンであり、図2で説明した拡大・縮小指示部39を構成する。
【0039】
移動ボタン63は、マウスのドラッグ操作によりアクティブな画像を画像比較エリア54内で自由に移動させるボタンであり、図2で説明した移動指示部37を構成している。この移動ボタン63を使用することで、例えば下位画像Aの特徴情報を含む範囲(下位画像特徴範囲)が、上位画像Bに設定される切抜き用の特定範囲70に表示されていない場合、表示されるように下位画像Aを移動させることができる。
【0040】
連動ボタン66は、図2に示す連動指示部38を構成しており、マウスのクリック操作をする毎に表示が「ON」と「OFF」に切り替わる。「ON」の表示にしている時には、上位画像B及び下位画像Aを連動させ、また「OFF」の表示にしている時には、前記連動を解除する。この連動ボタン66は、移動ボタン63やスライドボタン64と組み合わせて使用される。移動ボタン63と組み合わせて使用すると、上位画像B及び下位画像Aを一緒に移動させることができ、また、スライドボタン64と組み合わせて使用することで、上位画像B及び下位画像Aを一緒に拡大又は縮小することができる。
【0041】
取り消しボタン65は、「×」ボタンで表示されており、特定範囲70の指定等直前の指示を取り消すボタンであり、図2で説明した取り消し指示部33を構成する。解除ボタン58は、アクティブの画像の選択を解除してその画像の表示を画像比較エリア54から削除するボタンであり、図2で説明した解除指示部31を構成する。全解除ボタン57は、選択した画像を解除して画像比較エリア54から2つの画像A,Bの表示を削除するボタンであり、図2で説明した全解除指示部32を構成する。
【0042】
次に、前述したGUIを構成する操作画面を使用して画像比較作業の全体的な手順を説明する。最初に任意の2つの画像を選択して画像比較エリア54に表示し、2つの画像内に写る特徴的な部分画像について、ピント、被写体ぶれ、及びコントラスト等の要件を満足するか否かを視認より判断し、満足する方の画像を画像比較エリア54に残し、満足しない方の画像を画像比較エリア54から削除する。その後、新たな画像を選択して、新たな画像と前記満足した画像とを再び比較する。このようにして満足する画像に対して新たな画像を順に比較していき、最終的に一番満足する画像を探す。
【0043】
図7を参照しながら具体的に説明すると、プログラムを起動すると(S−1)、ウィンドウ53が開き、図3で説明した操作画面表示される。このウィンドウ53のフイルムストリップエリア56には、ハードディスク19等の記憶手段のうちの予め指定したアドレスに格納されている画像ファイルのサムネイル画像67a〜67zが表示される。
【0044】
なお、全てのサムネイル画像をフイルムストリップエリア56に表示することができない場合には、フイルムストリップエリア56の下部又は右端にスクロールバーが現れる。全てのサムネイル画像は、スクロールバーをマウス操作により移動することで、フイルムストリップエリア56に順に表示される。
【0045】
比較対象の2つの画像を、フイルムストリップエリア56から画像比較エリア54にマウス操作でドラッグ・アンド・ドロップする(S−2)。画像読出し指示部30は、ドラッグ・アンド・ドロップ操作に基づいて、読み込み画像のアドレスを描画部28に指示する。
【0046】
描画部28は、選択された画像を読み込み、図4に示すように、先にドロップ操作をした画像Aが下位画像として、後にドロップ操作をした画像Bが上位画像Bとして、一部が重なる状態で画像比較エリア54に2つの画像A,Bをずらして表示する。また、これらの画像A,Bの縮小画像を対象画像エリア55に個別に表示する。このとき、画像A,Bの画像ウィンドウ45,46の位置、及び大きさ、すなわち重なり度合いの情報は、ウィンドウ描画処理部41によって予め決められている。
【0047】
ここで、最前面に表示する画像を入れ替えたい場合には、入替えボタン60をマウスでクリック操作をすることで、下位画像Aが最前面に表示される(S−3、S−4)。なお、図4では、例えば、走行する電車を同じ場所で連写撮影した複数の画像のうちの連続する類似画像A,Bを選択した例を示している。
【0048】
画像比較を行う場合には、AUTOボタン61を操作する(S−5)。この操作に応答して特定範囲設定部35が、上位画像Bの画像データに埋め込まれているフォーカスポイント情報を読み出し、上位画像Bに対してフォーカスポイント49の個数を判別する(S―6)。ここで、特定範囲設定部35は、単数と判断した場合、フォーカスポイント49を含む範囲に、切出し用の特定範囲70を自動的に設定する(S−7)。この情報は、透過処理部43に送られる。
【0049】
なお、上位画像Bのフォーカスポイントの検出に加えて、下位画像Aのフォーカスポイントの検出を行い、上位画像Bと下位画像Aとでフォーカスポイント49を含む範囲同士が画像比較エリア54内で重なる場合には、重ならないように、上位画像Bと下位画像Aとをずらして表示するのが好適である。
【0050】
透過処理部43は、図8(A)に示すように、上位画像Bに対して特定範囲70外をマスク処理して透過範囲71を作成する(S−8)。また、同図(B)に示すように、下位画像Aに対して特定範囲70に重複する範囲(ハッチィングを施した範囲)を透過処理して透過範囲72を作成する(S−9)。画像処理部42は、上位画像Bの透過範囲71の画像に、下位画像Aのうちの透過範囲72以外の画像を混合して表示する(S−10)。これにより、図5に示すように、上位画像Bのうちの特定範囲70内の画像が下位画像Aに重ねて表示される。
【0051】
なお、対象画像エリア55に表示されている縮小画像Bには、特定範囲70の指定に応答して、特定範囲70と画像全体に対する位置、大きさを同じにしたマーク70aが表示される。このマーク70aを対象画像エリア55に表示することで、画像比較エリア54で画像の拡大や縮小をした時等に、画像全体に対する特定範囲70の位置、大きさを簡便に把握することができる。
【0052】
下位画像Aのうちの比較対象である部分画像aに対して、上位画像Bのうちの特定範囲70の部分画像bを比較する。しかしながら、互いの部分画像a,bが離れている場合には比較し難い。そこで、特定範囲70の部分画像bを、下位画像Aの部分画像に接近して表示したい時には、特定範囲70の部分画像bを移動させればよい(S−12)。
【0053】
この場合には、連動ボタン66をマウス操作でクリックして「OFF」の表示を選択しておく。その後、移動ボタン63をマウス操作でクリックして、例えば、図9(A)に示すように、特定範囲70内をマウスでクリック操作し、そのまま任意の位置、例えば符号70‘の位置にドラッグする。これにより、特定範囲70に表示されている部分画像bを含む上位画像Bは、同図(B)に示すように、特定範囲70と一緒に移動される。
【0054】
特定範囲70‘の画像比較エリア54に対する位置が決まると、同図(C)に示すように、下位画像Aに対して特定範囲70’に重なる範囲に対して、前述したと同じに透過処理を施して透過範囲75を生成し、同図(D)に示すように、上位画像Bの特定範囲70の部分画像bを、下位画像Aの透過範囲75に混合表示する。
【0055】
図10は、前述した移動手順により、上位画像Bの特定範囲70の部分画像bが下位画像Aの部分画像の横に表示された状態を示している。このように、下位画像Aに対して上位画像Bの特定範囲70に表示される部分画像bを比較し易い位置に移動することで、互いの部分画像a,bの比較作業(S−12)を簡便に行うことができる。このとき、対象画像エリア55に表示されるマーク70aも、特定範囲70の移動と同じに移動する。
【0056】
なお、連動ボタン66を「ON」表示にして移動ボタン63を選択し、前述したと同様にマウス操作で移動を行うと、下位画像Aと上位画像Bとが画像比較エリア54内で位置関係及び大きさを保ったまま一緒に移動する。また、連動ボタン66を「ON」表示にしてスライドボタン64のノブ64aをスライド操作すると、下位画像Aと特定範囲70に表示される部分画像bとが同じ尺度で拡大、又は縮小される。この操作により、細かい部分を簡便な操作で比較することができる。
【0057】
画像の比較作業を完了した後、画像に対して評価を付与したい場合がある。この場合には、レーティング作業を行う(S−13)。この作業は、例えばフイルムストリップエリア56にて評価を付けるサムネイル画像67をマウス操作で選択し、マウスの右クリックメニューから評価マークを選んで付与する。評価マークは、フイルムストリップエリア56のサムネイル画像67の上に、例えば「○」の印で表示され、またその情報は、対応する画像ファイルに格納される。このようにすれば、後から評価マークを付与した画像だけを選別することができ、また評価マークを付与した画像だけをフイルムストリップエリア56に表示することもできる。
【0058】
画像比較を終了する場合には、プログラムを終了する(S−14)。引き続き画像の比較作業を行う場合には、満足しない方の画像をアクティブにしておき、解除ボタン58をマウス操作でクリックするこことで、満足しない方の画像の表示を画像比較エリア54から削除し、新たな画像をフイルムストリップエリア56から選択して表示する。なお、2つの画像を削除する場合には、全解除ボタン57をマウスでクリック操作すればよい(S−15)。
【0059】
次に、図7で説明した(S−6)での判断で、フォーカスポイント49が複数ある場合について説明する。この場合、特定範囲設定部35は、上位画像Bに対してフォーカスポイント49を含む範囲(上位画像特徴範囲)外で、かつ下位画像Aに重なる範囲に、特定範囲70を設定する。なお、上位画像特徴範囲外で、かつ下位画像Aのフォーカスポイント49を含む範囲(下位画像特徴範囲)と重なる範囲に、特定範囲70を設定するのがより好ましい。
【0060】
透過処理部43は、図11(A)に示すように、上位画像Bに対して特定範囲70をマスク処理して透過範囲77を作成する(S−17)。また、同図(B)に示すように、下位画像Aに対して上位画像Bに重なる範囲のうちの特定範囲70内を除く範囲を透過処理して透過範囲(ハッチィングで示した範囲)78を作成する(S−18)。 画像処理部42は、上位画像Bの透過範囲77に、下位画像Aのうちの透過範囲78以外の画像を混合して表示する(S−19)。これにより、図6に示すように、上位画像Bのうちの特定範囲70内に、下位画像Aのうちの特定範囲70に重なる部分画像aが透過して表示される。
【0061】
なお、対象画像エリア55に表示されている縮小画像Aには、特定範囲70の指定に応答して、特定範囲70と画像全体に対する位置、大きさを同じにしたマーク70aが表示され、また、縮小画像Bには、特定範囲70の画像を表示する位置を表すマーク70bが表示される。これらマーク70a,70bは、例えば点線と実線というように異なるマークにすれば把握し易いので好適である。
【0062】
部分画像aを比較し易い位置に移動する場合には、連動ボタン66をマウス操作でクリックして「OFF」の表示を選択しておく。その後、移動ボタン63をマウス操作でクリックして、例えば、図12(A)に示すように、特定範囲70内をマウスでクリック操作し、そのまま任意の位置、例えば符号「70‘」で示す位置にドラッグする。これにより、特定範囲70に表示されている部分画像aを含む下位画像Aは、特定範囲70と一緒に移動される。
【0063】
特定範囲70‘の画像比較エリア54に対する移動位置が決まると、同図(B)に示すように、上位画像Bに対して特定範囲70’に重なる範囲を、前述したと同じに透過処理を施して透過範囲80を生成し、また、同図(C)に示すように、下位画像Aに対して上位画像Bに重複する範囲のうちの特定範囲70内を除く範囲を透過処理して透過範囲81を作成する。
【0064】
そして、同図(D)に示すように、上位画像Bの透過範囲80に、下位画像Aのうちの透過範囲81以外の画像を混合して表示する。これにより、図13に示すように、上位画像Bの部分画像の右上に、下位画像Aの部分画像aを表示することができる。このとき、対象画像エリア55には、縮小画像Bに表示されているマーク70bが、図6で説明したマーク70bと比べて、前述した特定範囲70の移動と同じに移動される。
【0065】
上記実施形態では、特徴情報としてフォーカスポイントの情報を利用しているが、本発明ではこれに限らず、顔画像の領域を検出して検出した顔画像領域の情報を利用してもよい。例えば図2で説明した特徴情報抽出手段35aは、顔画像検出部を備え、画像ファイルを読み出して上位画像から顔画像領域をテンプレートマッチング法により検出する。特定範囲選択手段35bは、図14に示すように、上位画像Bに対して顔画像領域の数を確認し(S−6)、単数の場合には、顔画像領域を含む範囲に切出し用の特定範囲70を自動的に設定する(S−7)。そして、図8で説明したように、上位画像Bに対して特定範囲70外をマスク処理して透過範囲71を作成し(S−8)、また、下位画像Aに対しては特定範囲70内をマスク処理して透過範囲72を作成し(S−9)、上位画像Bの透過範囲71の画像に、下位画像Aのうちの透過範囲72以外の画像を混合して表示する(S−10)。これにより。図16に示したように、上位画像Bのうちの特定範囲70に写る部分画像bが、下位画像Aの部分画像aの隣に表示される。
【0066】
なお、上位画像Bの顔画像領域の検出に加えて、下位画像Aの顔画像領域の検出を行い、上位画像Bと下位画像Aとで顔画像領域を含む範囲が画像比較エリア54内で重なる場合には、重ならないように、上位画像Bと下位画像Aとをずらして表示するのが好適である。
【0067】
また、複数の顔画像領域を検出した場合には、図16に示すように、上位画像Bに対して顔画像領域を含む範囲外で、かつ下位画像Aと重なる範囲に特定範囲70を設定する。なお、顔画像領域を含む範囲外で、かつ下位画像Aの顔画像領域を含む範囲と重なる範囲に特定範囲70を設定するのがより好ましい。その後は、図11で説明したと同じ処理を行う。
【0068】
なお、フォーカスポイント情報に基づいて特定範囲を設定するボタンと、顔画像領域に基づいて特定範囲を設定するボタンとをツールバー52に設け、使用者に択一的に選択することができるように構成してもよい。
【0069】
上記各実施形態では、特定範囲設定部68で検出した顔画像領域の数が複数の場合に、切抜き用の特定範囲70を設定する方を必ず選択するようにしているが、本発明ではこれに限らず、複数であっても、顔画像領域のばらつきの度合いに基づいて特定範囲を選択するようにしてもよい。
【0070】
例えば、図17に示すように、特定範囲設定部68の特徴情報抽出手段(顔画像領域検出手段)で顔画像の領域を検出し、検出した顔画像領域に対して顔画像領域のばらつきの度合いを顔画像ばらつき度合い算出部85で算出し、図18に示すように、特定範囲設定部68で算出したばらつき度合いと閾値とを比較して(S−5)、閾値未満(ばらつき度合いが小さい)の場合には、切出し用の特定範囲の設定を選択し(S−7)、また、閾値を超える(ばらつき度合いが大きい)場合には、切抜き用の特定範囲の設定を選択する(S−16)。
【0071】
ばらつきの度合いは、例えば予め決めた基準位置から顔領域までの距離、又は各顔領域間の距離を調べ、各距離の値に基づいて分散(標準偏差)を算出し、算出した分散と予め決めた閾値と比較して、ばらつきの度合いの大小を判定すればよい。基準位置としては、画像全体の中心位置、又は画像の四隅の位置のうちのいずれかの位置とすればよい。
【0072】
なお、顔画像領域のばらつき度合いを算出する場合には、例えば検出される顔画像領域が最も大きい領域を基準位置にしてもよい。又は予め顔画像が登録されている場合には、検出された顔画像領域の特徴量と、登録される顔画像の特徴量とを比較して、登録された顔画像があれば、その顔画像領域を基準位置にすればよい。なお、顔画像領域の情報の代わりに、フォーカスポイントの情報を用いても良い。
【符号の説明】
【0073】
10 画像表示装置
25 アプリケーションソフト部
27 入力部
28 描画部
35,68 特定範囲設定部
49 フォーカスポイント
54 画像比較エリア
55 対象画像エリア
61 AUTOボタン
70 特定範囲
A 下位画像
B 上位画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を単一の画像比較エリアに重ねて表示する画像表示装置において、
前記画像に記録されている特徴情報に基づいて、上位画像に特定範囲を設定する特定範囲設定手段と、
前記上位画像に対して前記特定範囲又は特定範囲外を透過処理して透過範囲を作成する透過処理手段と、
前記透過範囲を通して下位画像の一部を前記上位画像に混合して表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記特徴情報は、顔画像領域、又はフォーカスポイントの情報になっていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像表示装置において、
前記特定範囲設定手段は、前記上位画像に対して特徴情報を含む上位画像特徴範囲の画像を切り出すための切出し用の特定範囲と、前記上位画像特徴範囲の画像を切り抜くための切抜き用の特定範囲とのうちのいずれか一方を、前記特徴情報に基づいて選択する選択手段を有し、
前記透過処理手段は、前記切出し用の特定範囲が選択されている場合には前記特定範囲外を透過処理し、また前記切抜き用の特定範囲が選択されている場合には、前記特定範囲を透過処理することを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像表示装置において、
前記上位画像を読み込んで特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、
前記上位画像の特徴情報の数を判別する判別手段と、を備え、
前記選択手段は、前記特徴情報の数が単数の場合に前記切出し用の特定範囲を選択し、複数の場合には、前記切抜き用の特定範囲を選択することを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像表示装置において、
前記上位画像を読み込んで特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、
前記上位画像に対して特徴情報のばらつきの度合いを算出する算出手段と、
前記ばらつきの度合いを閾値と比較する比較手段と、を備え、
前記選択手段は、ばらつきの度合いが閾値未満の場合に前記切出し用の特定範囲を選択し、閾値を超える場合には、前記切抜き用の特定範囲を選択することを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項3ないし5いずれか1項記載の画像表示装置において、
前記切抜き用の特定範囲は、前記上位画像特徴範囲外で、かつ下位画像が重なる範囲に設定されることを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
請求項3ないし5いずれか1項記載の画像表示装置において、
下位画像の特徴情報を抽出する手段を有し、
前記切抜き用の特定範囲は、前記上位画像特徴範囲外で、かつ前記下位画像の特徴情報を含む下位画像特徴範囲と重なる範囲に設定されることを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像表示装置において、
前記下位画像の特徴情報を含む下位画像特徴範囲が前記上位画像特徴範囲に重なる場合には、前記2つの特徴範囲が重ならないように、前記上位画像と前記下位画像とを前記画像比エリア内で相対的にずらして表示させる手段を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項9】
複数の画像を単一の画像比較エリアに重ねて表示する画像表示方法において、
前記画像に記録されている特徴情報に基づいて、上位画像に特定範囲を設定する範囲設定ステップと、
前記上位画像に対して前記特定範囲又は特定範囲外を透過処理して透過範囲を作成する透過処理ステップと、
前記透過範囲を通して下位画像の一部を前記上位画像に混合して表示するステップと、を含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項10】
請求項9に記載の画像表示方法において、
前記特徴情報は、顔画像領域、又はフォーカスポイントの情報になっていることを特徴とする画像表示方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の画像表示方法において、
前記範囲設定ステップは、前記上位画像に対して特徴情報を含む上位画像特徴範囲の画像を切り出すための切出し用の特定範囲と、前記上位画像特徴範囲の画像を切り抜くための切抜き用の特定範囲とのうちのいずれか一方を、前記特徴情報に基づいて選択する選択ステップを含み、
前記透過処理ステップは、前記切出し用の特定範囲を選択した場合に前記特定範囲外を透過処理し、また前記切抜き用の特定範囲を選択した場合には、前記特定範囲を透過処理することを特徴とする画像表示方法。
【請求項12】
請求項11に記載の画像表示方法において、
前記上位画像を読み込んで特徴情報を抽出する特徴情報抽出ステップと、
前記特徴情報の数を判別する判別ステップと、を含み、
前記選択ステップは、前記特徴情報の数が単数の場合には前記切出し用の特定範囲を選択し、複数の場合には前記切抜き用の特定範囲を選択することを特徴とする画像表示方法。
【請求項13】
請求項11に記載の画像表示方法において、
前記上位画像を読み込んで特徴情報を抽出する特徴情報抽出ステップと、
前記上位画像に対する特徴情報のばらつきの度合いを算出する算出ステップと、
前記ばらつきの度合いを閾値と比較する比較ステップと、を含み、
前記選択ステップは、ばらつきの度合いが閾値未満の場合には前記切出し用の特定範囲を選択し、閾値を超える場合には前記切抜き用の特定範囲を選択することを特徴とする画像表示方法。
【請求項14】
請求項11ないし13いずれか1項記載の画像表示方法において、
前記切抜き用の特定範囲は、上位画像の特徴情報を含む範囲外で、かつ下位画像が重なる範囲に設定されることを特徴とする画像表示方法。
【請求項15】
請求項11ないし13いずれか1項記載の画像表示方法において、
下位画像の特徴情報を抽出するステップを含み、
前記切抜き用の特定範囲は、前記上位画像特徴範囲外で、かつ前記下位画像の特徴情報を含む下位画像特徴範囲と重なる範囲に設定されることを特徴とする画像表示方法。
【請求項16】
請求項15記載の画像表示方法において、
前記下位画像の特徴情報を含む下位画像特徴範囲が前記上位画像特徴範囲に重なる場合には、前記2つの特徴範囲が重ならないように、前記上位画像と前記下位画像とを前記画像比エリア内で相対的にずらして表示させるステップを含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項17】
請求項9ないし16いずれか1項記載の画像表示方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
複数の画像を単一の画像比較エリアに重ねて表示する画像表示装置において、
前記画像に記録されている特徴情報に基づいて、上位画像に特定範囲を設定する特定範囲設定手段と、
前記上位画像に対して前記特定範囲又は特定範囲外を透過処理して透過範囲を作成する透過処理手段と、
前記透過範囲を通して下位画像の一部を前記上位画像に混合して表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記特徴情報は、顔画像領域、又はフォーカスポイントの情報になっていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像表示装置において、
前記特定範囲設定手段は、前記上位画像に対して特徴情報を含む上位画像特徴範囲の画像を切り出すための切出し用の特定範囲と、前記上位画像特徴範囲の画像を切り抜くための切抜き用の特定範囲とのうちのいずれか一方を、前記特徴情報に基づいて選択する選択手段を有し、
前記透過処理手段は、前記切出し用の特定範囲が選択されている場合には前記特定範囲外を透過処理し、また前記切抜き用の特定範囲が選択されている場合には、前記特定範囲を透過処理することを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像表示装置において、
前記上位画像を読み込んで特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、
前記上位画像の特徴情報の数を判別する判別手段と、を備え、
前記選択手段は、前記特徴情報の数が単数の場合に前記切出し用の特定範囲を選択し、複数の場合には、前記切抜き用の特定範囲を選択することを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像表示装置において、
前記上位画像を読み込んで特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、
前記上位画像に対して特徴情報のばらつきの度合いを算出する算出手段と、
前記ばらつきの度合いを閾値と比較する比較手段と、を備え、
前記選択手段は、ばらつきの度合いが閾値未満の場合に前記切出し用の特定範囲を選択し、閾値を超える場合には、前記切抜き用の特定範囲を選択することを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項3ないし5いずれか1項記載の画像表示装置において、
前記切抜き用の特定範囲は、前記上位画像特徴範囲外で、かつ下位画像が重なる範囲に設定されることを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
請求項3ないし5いずれか1項記載の画像表示装置において、
下位画像の特徴情報を抽出する手段を有し、
前記切抜き用の特定範囲は、前記上位画像特徴範囲外で、かつ前記下位画像の特徴情報を含む下位画像特徴範囲と重なる範囲に設定されることを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像表示装置において、
前記下位画像の特徴情報を含む下位画像特徴範囲が前記上位画像特徴範囲に重なる場合には、前記2つの特徴範囲が重ならないように、前記上位画像と前記下位画像とを前記画像比エリア内で相対的にずらして表示させる手段を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項9】
複数の画像を単一の画像比較エリアに重ねて表示する画像表示方法において、
前記画像に記録されている特徴情報に基づいて、上位画像に特定範囲を設定する範囲設定ステップと、
前記上位画像に対して前記特定範囲又は特定範囲外を透過処理して透過範囲を作成する透過処理ステップと、
前記透過範囲を通して下位画像の一部を前記上位画像に混合して表示するステップと、を含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項10】
請求項9に記載の画像表示方法において、
前記特徴情報は、顔画像領域、又はフォーカスポイントの情報になっていることを特徴とする画像表示方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の画像表示方法において、
前記範囲設定ステップは、前記上位画像に対して特徴情報を含む上位画像特徴範囲の画像を切り出すための切出し用の特定範囲と、前記上位画像特徴範囲の画像を切り抜くための切抜き用の特定範囲とのうちのいずれか一方を、前記特徴情報に基づいて選択する選択ステップを含み、
前記透過処理ステップは、前記切出し用の特定範囲を選択した場合に前記特定範囲外を透過処理し、また前記切抜き用の特定範囲を選択した場合には、前記特定範囲を透過処理することを特徴とする画像表示方法。
【請求項12】
請求項11に記載の画像表示方法において、
前記上位画像を読み込んで特徴情報を抽出する特徴情報抽出ステップと、
前記特徴情報の数を判別する判別ステップと、を含み、
前記選択ステップは、前記特徴情報の数が単数の場合には前記切出し用の特定範囲を選択し、複数の場合には前記切抜き用の特定範囲を選択することを特徴とする画像表示方法。
【請求項13】
請求項11に記載の画像表示方法において、
前記上位画像を読み込んで特徴情報を抽出する特徴情報抽出ステップと、
前記上位画像に対する特徴情報のばらつきの度合いを算出する算出ステップと、
前記ばらつきの度合いを閾値と比較する比較ステップと、を含み、
前記選択ステップは、ばらつきの度合いが閾値未満の場合には前記切出し用の特定範囲を選択し、閾値を超える場合には前記切抜き用の特定範囲を選択することを特徴とする画像表示方法。
【請求項14】
請求項11ないし13いずれか1項記載の画像表示方法において、
前記切抜き用の特定範囲は、上位画像の特徴情報を含む範囲外で、かつ下位画像が重なる範囲に設定されることを特徴とする画像表示方法。
【請求項15】
請求項11ないし13いずれか1項記載の画像表示方法において、
下位画像の特徴情報を抽出するステップを含み、
前記切抜き用の特定範囲は、前記上位画像特徴範囲外で、かつ前記下位画像の特徴情報を含む下位画像特徴範囲と重なる範囲に設定されることを特徴とする画像表示方法。
【請求項16】
請求項15記載の画像表示方法において、
前記下位画像の特徴情報を含む下位画像特徴範囲が前記上位画像特徴範囲に重なる場合には、前記2つの特徴範囲が重ならないように、前記上位画像と前記下位画像とを前記画像比エリア内で相対的にずらして表示させるステップを含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項17】
請求項9ないし16いずれか1項記載の画像表示方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−63833(P2012−63833A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205471(P2010−205471)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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