画像表示装置及び画像表示方法
【課題】耳障りな音を発生させることなく好適な振動を発生させて粒子を移動しやすくさせ、画質の劣化を防止することができる画像表示装置及び画像表示方法を提供する。
【解決手段】 画像表示側である透明な表示基板36と、表示基板36と対向し所定間隙を隔てて配置される背面基板38とを備えた画像表示媒体15であって、該一対の基板間に印加される電圧に応じて該基板間を移動可能な粒子群(正に帯電した黒粒子48と負に帯電した白粒子50)を基板間に封入した画像表示媒体15の裏面に振動子13を設ける。制御装置11は、画像表示媒体15を振動させるように振動子13に交番電圧を印加した後に、該交番電圧の印加を停止して画像情報に応じた画像用電圧を該基板間に印加する。
【解決手段】 画像表示側である透明な表示基板36と、表示基板36と対向し所定間隙を隔てて配置される背面基板38とを備えた画像表示媒体15であって、該一対の基板間に印加される電圧に応じて該基板間を移動可能な粒子群(正に帯電した黒粒子48と負に帯電した白粒子50)を基板間に封入した画像表示媒体15の裏面に振動子13を設ける。制御装置11は、画像表示媒体15を振動させるように振動子13に交番電圧を印加した後に、該交番電圧の印加を停止して画像情報に応じた画像用電圧を該基板間に印加する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示装置及び画像表示方法に関し、特に、基板間に電圧を印加することにより基板間に封入された着色粒子を移動させて画像表示する繰り返し書換えが可能な画像表示媒体に画像を表示する画像表示装置及び該画像表示装置の画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体として、着色粒子を用いた画像表示媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような画像表示媒体は、例えば少なくとも一方が透光性を有する一対の基板を備えており、該基板間には色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群或いは同一の帯電特性を有する単色の粒子群が該基板間に印加される電圧に応じて移動可能に封入されている。そして、画像に応じた電圧を該一対の基板間に印加することにより粒子を移動させ、画像を表示する。
【0003】
このような画像表示媒体で、画像の書き換え(粒子駆動)を繰り返し行うと、粒子と基板との間で非静電的な付着力が強まり、外部電界のみで粒子が移動せず、いわゆる焼き付き画素が発生して画質が低下する、という問題が生じていた。
【0004】
このような問題を解決するために、画像表示媒体を振動させる振動手段を設け、該振動手段によって画像表示駆動よりも前に基板に振動を加えることによって粒子を移動しやすくする画像表示装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2001−312225号公報
【特許文献2】特開2004−361695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記画像表示装置の振動手段を、偏心カムをモータにより回転駆動することによって振動を発生させる構成とした場合には、細やかな制御ができず、効果的に振動させることが困難であったり、モータ駆動によって音波が発生して耳障りな雑音が生じたり、といった問題が生じる。
【0006】
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、耳障りな音を発生させることなく好適な振動を容易に発生させて粒子を移動しやすくさせ、画質の劣化を防止することができる画像表示装置及び画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の画像表示装置は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板を備え、前記一対の基板間に印加される電圧に応じて該基板間を移動可能な粒子群を該基板間に封入した画像表示媒体と、前記一対の基板間に電圧を印加する第1電圧印加手段と、前記画像表示媒体を振動させる振動子と、前記振動子を振動させるための交番電圧を前記振動子に印加する第2電圧印加手段と、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加されるように前記第1電圧印加手段を制御すると共に、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に前記画像表示媒体が振動するように前記第2電圧印加手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0008】
このように、画像表示媒体を振動させる振動子を設け、画像情報に応じた画像用電圧が画像表示媒体の一対の基板間に印加される前に、振動子に交番電圧を印加することによって振動子を振動させて画像表示媒体を振動させるようにしたため、メカ的に振動させる場合に比べて耳障りな音を発生させることなく、交番電圧によって好適な振動を容易に発生させて粒子を移動しやすくさせることができ、画質の劣化を防止することができる。
【0009】
なお、粒子を封入する基板間は液体、気体のいずれで満たされていてもよく、また、粒子群は、色や帯電特性が異なる複数種類の粒子群であってもよいし、同一の帯電特性を有する単色の粒子群であってもかわまない。
【0010】
なお、振動子を、前記画像表示媒体の裏面に設けることができる。これにより、確実に振動子の振動を画像表示媒体に伝搬させることができる。
【0011】
また、振動子を、前記一対の基板の一方の基板の中央部または画像表示領域外に設けることもできる。振動子を基板の中央部に設けることによって、振動子の振動が画像表示媒体の全体にほぼ等しく行き渡るため、小さい振動エネルギーで画像表示媒体全体を振動させることができる。なお、振動子による振動が強すぎるような場合には画像表示媒体によっては粒子がその部分だけ飛び散ってしまう可能性があるが、その場合には振動子を画像表示領域外に設けることによって、画像を乱さないようにすることができる。
【0012】
第2電圧印加手段は、前記振動子が振動するときの振動周波数が可聴域外の周波数となるように前記交番電圧を印加することができる。
【0013】
このように、振動子の振動周波数を可聴域外の周波数とすることによって、振動発生時でも耳障りな音は発生しない。
【0014】
第2電圧印加手段は、前記振動子が振動するときの振動周波数が前記画像表示媒体の固有振動数の倍数となるように前記交番電圧を印加することができる。
【0015】
このように、振動子の振動周波数を画像表示媒体の固有振動数そのもの(1倍)、あるいは2倍、3倍、、、の周波数となるように振動させることによって、画像表示媒体を効率的に振動させることができる。
【0016】
第2電圧印加手段は、前記振動子が振動するときの振動周波数が所定範囲内でスイープするように前記交番電圧を印加することができる。
【0017】
画像表示媒体の固有振動数は、画像表示媒体の製造ばらつきや経時変化によって若干ばらつく。従って、振動子を振動させるときにその振動周波数を所定範囲内でスイープさせることによって、画像表示媒体の固有振動数を特定できなくても最適な周波数で振動させることができる。なお、所定範囲内は、画像表示媒体の固有振動数の倍数が含まれると想定される周波数帯域とすることができる。
【0018】
制御手段は、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に前記一対の基板間に予め定められた極性の電圧が印加されるように前記第1電圧印加手段を制御すると共に、前記一対の基板間に前記予め定められた極性の電圧が印加されている期間中、少なくとも1回以上前記振動子が振動するように前記第2電圧印加手段を制御することができる。
【0019】
すなわち、画像表示媒体の一対の基板に封入されている粒子群が同一の帯電特性を有する単色の粒子群である場合には、該粒子群を移動させることができる予め定められた極性の電圧を印加すれば、画像表示媒体の基板に該粒子群を移動・付着させることができる。粒子が基板に付着した状態で画像表示媒体を振動させることにより、粒子と基板との衝突が促進され、粒子を移動させやすくでき、画像表示に欠陥が生じるのを防ぐことができる。
【0020】
制御手段は、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に前記一対の基板間に極性の異なる電圧が交互に印加されるように前記第1電圧印加手段を制御すると共に、前記一対の基板間に前記極性の異なる電圧が交互に印加されている期間中、各極性毎に少なくとも1回以上前記振動子が振動するように前記第2電圧印加手段を制御することができる。
【0021】
すなわち、画像表示媒体の一対の基板に封入されている粒子群が色や帯電特性が異なる複数種類の粒子群である場合には、一対の基板間に極性の異なる電圧を交互に印加することによって、振動子の振動が伝達される基板に色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群を交互に移動・付着させることができる。粒子が基板に付着した状態で画像表示媒体を振動させることにより、粒子と基板との衝突が促進され、粒子を移動させやすくでき、画像表示に欠陥が生じるのを防ぐことができる。また、各極性毎に少なくとも1回以上振動子を振動させるため、全ての粒子を移動させやすくできる。
【0022】
制御手段は、前記振動子を振動させた後で且つ画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に、前記振動子を振動させない状態で前記一対の基板間に極性の異なる電圧が交互に印加されるように、または前記一対の基板間に予め定められた極性の電圧が印加されるように、前記第1電圧印加手段及び第2電圧印加手段を制御することができる。
【0023】
これにより、振動子による振動で乱れた粒子の状態を整える(均一化する)ことができる。
【0024】
本発明の画像表示方法は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板を備え、前記一対の基板間に印加される電圧に応じて該基板間を移動可能な粒子群を該基板間に封入した画像表示媒体と、前記画像表示媒体を振動させる振動子とを有する画像表示装置の画像表示方法であって、前記画像表示媒体が振動するように前記振動子に交番電圧を印加して前記振動子を振動させた後に、該交番電圧の印加を停止して画像情報に応じた画像用電圧を前記一対の基板間に印加する。
【0025】
これにより、画像情報に応じた画像用電圧を印加する前に、振動子に交番電圧を印加して振動させ画像表示媒体を振動させることができるため、耳障りな音を発生させることなく、好適な振動を容易に発生させて粒子を移動しやすくさせることができ、画質の劣化を防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明の画像表示装置及び画像表示方法によれば、耳障りな音を発生させることなく好適な振動を容易に発生させて粒子を移動しやすくさせ、画質の劣化を防止することができる、という優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
本実施の形態は、単純マトリクス駆動により画像を表示する画像表示装置に本発明を適用したものである。
【0029】
図1は、本実施の形態に係る画像表示媒体15の断面図を示した図である。画像表示媒体15は、画像表示側である透明な表示基板36と、当該表示基板36と対向し所定間隙を隔てて配置される背面基板38とを備えている。図2(A)は、表示基板36の平面図であり、図2(B)は、背面基板38の平面図である。
【0030】
図1及び図2に示すように、表示基板36の背面基板38との対向面には複数のライン状の列電極40が設けられ、同様に、背面基板38の表示基板36との対向面にも複数のライン状の行電極42が設けられている。
【0031】
表示基板36と背面基板38とは、互いに設けられた列電極40と行電極42とが直交するように対峙して配置され、列電極40と行電極42との交差位置が各画素を構成する。なお、図1は行電極42の長手方向に沿った画像表示媒体15の断面図である。なお、列電極40の長手方向に沿った画像表示媒体15の断面図の図示は省略する。
【0032】
また、表示基板36の列電極40側には絶縁層44が形成され、背面基板38の行電極42側にも絶縁層46が各々形成されている。絶縁層44、46は例えばポリカーボネート等で構成される。
【0033】
表示基板36と背面基板38との間には、互いに帯電特性の異なる粒子群であって、正に帯電した黒粒子48と負に帯電した白粒子50とが封入されている。また、表示基板36と背面基板38との間には間隙部材52が設けられ、これにより表示基板36と背面基板38との間が一定間隔に保たれる。
【0034】
このような画像表示媒体15では、粒子が移動開始する所定電圧が列電極40と行電極42との間に印加されることにより、黒粒子48及び白粒子50が基板間を移動する。例えば、行電極42に対して列電極40に正の所定電圧が印加された場合には、表示基板36側の黒粒子48は背面基板38側へ移動し、背面基板38側の白粒子50は表示基板36側へ移動する。一方、行電極42に対して列電極40に負の所定電圧が印加された場合には、表示基板36側の白粒子50は背面基板38側へ移動し、背面基板38側の黒粒子48は表示基板36側へ移動する。
【0035】
従って、表示すべき画像に応じて列電極40と行電極42との間に電圧を印加することにより画像に応じて粒子を移動させることができ、任意の画像を表示することができる。なお、電圧の印加が停止された後も、鏡像力等により黒粒子48又は白粒子50は表示基板36又は背面基板38に付着したままとなり、画像表示は維持される。
【0036】
また、本実施の形態の画像表示媒体15の背面基板38の表示基板36との対向面の裏側の面(すなわち、画像表示媒体15の裏面)には、振動子13が接着されている。振動子13は、交番電圧が印加されることにより振動する。振動子としては、ピエゾ素子を用いることができる。
【0037】
図3は、画像表示装置10の概略構成を示したブロック図である。図3に示すように、画像表示装置10は、制御装置11、駆動電源12、画像表示媒体15、振動子13を備えている。
【0038】
制御装置11は、パーソナルコンピュータ(PC)14からの画像の書き換え指示信号及び画像情報を受け、画像表示媒体15の表示を書き換える制御ルーチンを実行する。駆動電源12は、画像表示装置10が動作するために必要な電源電圧を供給する。
【0039】
PC14は、書き換え指示装置16及び画像情報格納装置17を含んで構成されている。書き換え指示装置16は、画像表示媒体15に表示する画像を書き換える書き換え指示信号を出力する。画像情報格納装置17には画像表示媒体15に表示する画像の画像情報が記憶されている。制御装置11には、書き換え指示装置16から出力された書き換え指示信号と画像情報格納装置17に記憶された画像情報とが入力される。
【0040】
図4は、制御装置11の詳細な構成を示したブロック図である。図4に示すように、制御装置11は、電源供給部20、振動子駆動回路22、駆動電圧回路24、画像情報伝達装置26、及びシーケンス制御回路28を備えている。
【0041】
電源供給部20は、駆動電源12からの電源電圧を所定のレベルに調整して、振動子駆動回路22及び駆動電圧回路24に供給する。
【0042】
振動子駆動回路22は、シーケンス制御回路28からの制御信号に応じて所定周波数の交番電圧を振動子13に印加する回路であり、周知の発振回路を含んで構成されている。振動子13を振動させることによって、画像表示媒体15に振動が加えられ、粒子の凝集を解くことが可能となる。
【0043】
駆動電圧回路24は、シーケンス制御回路28からの制御信号に応じた電圧を画像表示媒体15の表示基板36の列電極40及び背面基板38の行電極42に印加する回路である。
【0044】
画像情報伝達装置26には、画像情報格納装置17から送信された画像情報が入力される。画像情報伝達装置26は、入力された画像情報に応じた画像信号をシーケンス制御回路28に伝達する。
【0045】
シーケンス制御回路28には、書き換え指示装置16から送信された書き換え指示信号が入力される。シーケンス制御回路28は、書き換え指示信号の入力に応じて、画像表示媒体15を初期化するための制御信号を振動子駆動回路22及び駆動電圧回路24に出力する。初期化後は、画像情報伝達装置26から伝達された画像信号に応じた電圧が画像表示媒体15の表示基板36の列電極40及び背面基板38の行電極42に印加されるように制御信号を出力する。
【0046】
次に、制御装置11で実行される制御ルーチンについて、図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図5に示す制御ルーチンは、画像表示装置10に電源が投入されると実行される。
【0047】
ステップ100で、画像書き換え指示信号がPC14からシーケンス制御回路28に入力されると、ステップ102で、シーケンス制御回路28から初期化処理を行うための制御信号を振動子駆動回路22及び駆動電圧回路24に出力する。これにより、ステップ104aの処理及びステップ104bの処理が同期して実行される。
【0048】
ステップ104aでは、シーケンス制御回路28からの制御信号を受けた駆動電圧回路24が、全ての列電極40及び行電極42に所定周波数の交番電圧(以下、初期化電圧)を所定時間印加する。これにより、異なる極性の電圧が交互に印加されるため、図7に示すように、表示基板36側に黒粒子48が移動し且つ背面基板38側に白粒子が移動した状態と、表示基板36側に白粒子50が移動し且つ背面基板38側に黒粒子48が移動した状態とが交互に繰り返される。表示基板36側から見ると、図6(A)に示すように、画像表示媒体15の画像表示領域が全面黒表示と全面白表示とに交互に切り替わる。このように、黒表示と白表示との切り替えを少なくとも1サイクル以上行う。このとき、粒子が頻繁に基板間を移動することで粒子同士や粒子と基板との衝突が促進され、動きにくくなっていた粒子も移動しやすくなり、画像表示に欠陥が生じるのを防ぐことができる。
【0049】
ステップ104bでは、シーケンス制御回路28からの制御信号を受けた振動子駆動回路22が、図8の模式図で示すように、所定周波数の交番電圧(以下、振動電圧)を振動子13に印加し、振動子13を振動させる。振動子13の振動により画像表示媒体15が振動する。この振動により粒子と基板との衝突が促進され、更に粒子を移動させやすくでき、画像表示に欠陥が生じるのを防ぐことができる。
【0050】
なお、振動子13は、図9に示すように背面基板38の裏面の中央部付近に接着されている。これにより、振動子13の振動が画像表示媒体15の全体にほぼ等しく行き渡るため、小さい振動エネルギーで画像表示媒体15全体を振動させることができる。
【0051】
また、振動子駆動回路22は、上記の如く画像表示媒体15に初期化電圧を印加している期間において、黒表示状態と白表示状態の各々の状態で少なくとも1回は振動電圧を印加して振動子13を振動させる。例えば黒表示状態と白表示状態の各々において所定期間連続させて振動させてもよいし、断続的に振動させてもよい。また、黒表示状態と白表示状態の切り替わりに拘わらず、初期化電圧印加期間中連続して振動子13を振動させ続けることもできる。
【0052】
振動子13は背面基板38側に接着されているため、その振動は特に背面基板38側に伝達しやすい。従って、上記の如く、画像表示媒体15において黒表示と白表示とを交互に切り替えることによって、黒粒子48と白粒子50とを背面基板38側に交互に移動させて付着させ、各粒子と基板との衝突を促進することができる。
【0053】
また、振動子駆動回路22は、振動子13が振動するときの振動周波数が画像表示媒体15の固有振動数の倍数(1倍を含む)となるような振動電圧を振動子13に印加する。これにより小さな振動エネルギーで画像表示媒体15全体を効率的に振動させることができる。
【0054】
また、振動子13の振動周波数が可聴域外の周波数となるように振動電圧を印加すればなお好ましい。これにより、耳障りな音が発生することを防ぐことができる。なお、可聴域は、人間が音として認識できる領域であって、一般的には20kHz程度が上限といわれている。従って、例えば振動子13の振動周波数が20kHzより小さい場合には、20kHzを超えるように振動電圧を印加すればよい。
【0055】
なお、振動子13の振動周波数は画像表示媒体15の固有振動数が好ましいが、例えば、画像表示媒体15の固有振動数が15kHzの場合には、振動子13の振動周波数が該固有振動数15kHzの2倍の周波数(30kHz)となるように、振動電圧を印加すればよい。これにより、効率的に画像表示媒体15を振動させることができると共に、可聴域外で振動させることができるため、耳障りな音の発生も防止できる。
【0056】
なお、画像表示媒体15の固有振動数は、予め実験等により求めておくことができる。
【0057】
次のステップ106では、振動子駆動回路22に制御信号を出力して振動子13の振動を停止させる。振動子13の振動を停止した状態で、駆動電圧回路24から、所定周波数の交番電圧(以下、粒子均一化電圧)を所定時間、少なくとも交番電圧1周期の長さだけ印加する。これにより、図10(A)に示すように振動子13による振動で乱れた粒子の状態を、図10(B)に示すように整える(均一化する)ことができる。
【0058】
なお、ここでは、少なくとも1周期の交番電圧を粒子均一化電圧として印加するようにしたが、正または負いずれか一方の電圧を印加するようにしてもよい。
【0059】
また、初期化電圧と粒子均一化電圧を連続的に印加してもよい。このように連続的に印加する場合であっても、上記と同様に、粒子均一化電圧印加期間中は振動子13に振動電圧が印加されないようにする。
【0060】
ステップ108では、駆動電圧回路24に制御信号を出力して粒子均一化電圧の印加を停止させ、画像表示媒体15の初期化を完了する。
【0061】
制御装置11では、ステップ102からステップ108までの画像表示媒体15の初期化処理に平行して、画像情報格納装置17から入力された画像情報に基づいて制御信号が生成される。具体的には、ステップ110で、画像情報伝達装置26が画像情報格納装置17から画像情報を入力すると、入力した画像情報に応じて画素毎に画像信号を生成し、シーケンス制御回路28に伝達する。
【0062】
ステップ112では、シーケンス制御回路28では画像情報伝達装置26から伝達された画像信号に基づいて制御信号を生成し、該制御信号を駆動電圧回路24に出力する。
【0063】
ステップ114では、駆動電圧回路24はシーケンス制御回路28からの制御信号に応じて画像表示用の駆動電圧(以下、表示駆動電圧)を発生させる。なお、表示駆動電圧は本発明の画像用電圧に相当する。ステップ116では、駆動電圧回路24は発生した表示駆動電圧を画像表示媒体15の表示基板36の列電極40及び背面基板38の行電極42に印加する。これにより、図7(B)に示すように画像表示媒体15の画像表示領域に画像情報に応じた画像が表示される。図7(B)では、一例として‘123’の文字が表示されている。
【0064】
ステップ118では、必要に応じてあるいは電源停止要求に応じて電源供給を停止する。
【0065】
以上説明したように、画像表示媒体15を振動させる振動子13を設け、画像表示媒体15に振動が加えられるように振動子13に交番電圧(振動電圧)を印加した後に、該交番電圧の印加を停止して画像情報に応じた電圧(表示駆動電圧)を画像表示媒体15の表示基板36の列電極40及び背面基板38の行電極42に印加するようにしたため、耳障りな音を発生させることなく好適な振動を容易に発生させて粒子を移動しやすくさせ、画質の劣化を防止することができる。
【0066】
なお、上記実施の形態では、振動子13を、背面基板38の裏面の中央部付近に接着した例について説明したが、これに限定されず、例えば、図11に示すように、振動子13を画像表示媒体15の画像形成領域外に設けるようにしてもよい。これにより、振動子13の強すぎる振動で画像を乱さないようにすることができる。
【0067】
また、上記実施の形態では、振動子13の振動周波数が画像表示媒体15の固有振動数の倍数となるように振動電圧を印加する例について説明したが、これに限定されず、例えば、振動子13の振動周波数が所定範囲内でスイープするように振動電圧を印加するようにしてもよい。例えば、画像表示媒体15の製造ばらつきや経時変化により、現時的な固有振動数を決定することが困難なことがある。従って、例えば予め実験等により暫定的に求めた固有振動数の倍数が含まれる所定範囲内で振動周波数がスイープするようにして振動電圧を印加すれば、現時的な固有振動数で振動させることができる。振動周波数をスイープさせる場合には、駆動電圧回路24に掃引回路を含めて構成する。
【0068】
また、上記実施の形態では、画像表示を行う度に画像表示媒体15に振動を加える例について説明したが、これに限定されず、画像表示媒体15の寿命が短縮しないように所定画像表示回数毎に振動を発生させるように制御することもできる。
【0069】
また、上記では画像表示媒体15の初期化処理時に所定周波数の交番電圧を印加して黒表示、白表示を交互に繰り返す例について説明したが、異なる極性の電圧を交互に印加することができれば、これに限定されない。例えば、異なる極性の電圧を発生させる電圧発生回路を複数設け、該複数の電圧発生回路を交互に駆動することによっても極性の異なる電圧を交互に印加することができる。なお、粒子均一化電圧についても同様である。
【0070】
また、上記実施の形態では、基板間に封入された粒子群を、色や帯電特性が異なる複数種類の粒子群(黒粒子48、白粒子50)として説明したが、これに限定されず、同一の帯電特性を有する単色の粒子群としてもよい。この場合には、該粒子群と異なる色の基板を背面基板38上に設ければ粒子群による画像を視認できる。さらにまた、該粒子群を用いる場合には、上記初期化電圧は、交番電圧でなくとも背面基板38に粒子を付着させることができる極性の電圧を印加すればよい。また、粒子均一化電圧も同様に、交番電圧でなくとも予め定められた極性の電圧を印加すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像表示媒体の断面図を示した図である。
【図2】(A)は画像表示媒体の表示基板の平面図であり、図2(B)は、背面基板の平面図である。
【図3】画像表示装置の概略構成を示したブロック図である。
【図4】画像表示装置の制御装置の詳細な構成を示したブロック図である。
【図5】制御装置で実行される制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】(A)は初期化処理時の画像表示媒体の表示状態を示す図、(B)は画像情報に応じた画像が表示された状態を示す図である。
【図7】画像表示媒体における初期化処理時の黒粒子及び白粒子の移動状態を模式的に示す図である。
【図8】振動子を振動させる様子を模式的に示す図である。
【図9】振動子の設置位置の一例を示す図である。
【図10】初期化処理時に振動子による振動で乱れた粒子の状態を、画像表示媒体の基板間に粒子均一化電圧を印加することによって整える様子を模式的に示した図である。
【図11】振動子の設置位置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
10 画像表示装置
11 制御装置
12 駆動電源
13 振動子
15 画像表示媒体
20 電源供給部
22 振動子駆動回路
24 駆動電圧回路
26 画像情報伝達装置
28 シーケンス制御回路
36 表示基板
38 背面基板
48 黒粒子
50 白粒子
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示装置及び画像表示方法に関し、特に、基板間に電圧を印加することにより基板間に封入された着色粒子を移動させて画像表示する繰り返し書換えが可能な画像表示媒体に画像を表示する画像表示装置及び該画像表示装置の画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体として、着色粒子を用いた画像表示媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような画像表示媒体は、例えば少なくとも一方が透光性を有する一対の基板を備えており、該基板間には色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群或いは同一の帯電特性を有する単色の粒子群が該基板間に印加される電圧に応じて移動可能に封入されている。そして、画像に応じた電圧を該一対の基板間に印加することにより粒子を移動させ、画像を表示する。
【0003】
このような画像表示媒体で、画像の書き換え(粒子駆動)を繰り返し行うと、粒子と基板との間で非静電的な付着力が強まり、外部電界のみで粒子が移動せず、いわゆる焼き付き画素が発生して画質が低下する、という問題が生じていた。
【0004】
このような問題を解決するために、画像表示媒体を振動させる振動手段を設け、該振動手段によって画像表示駆動よりも前に基板に振動を加えることによって粒子を移動しやすくする画像表示装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2001−312225号公報
【特許文献2】特開2004−361695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記画像表示装置の振動手段を、偏心カムをモータにより回転駆動することによって振動を発生させる構成とした場合には、細やかな制御ができず、効果的に振動させることが困難であったり、モータ駆動によって音波が発生して耳障りな雑音が生じたり、といった問題が生じる。
【0006】
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、耳障りな音を発生させることなく好適な振動を容易に発生させて粒子を移動しやすくさせ、画質の劣化を防止することができる画像表示装置及び画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の画像表示装置は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板を備え、前記一対の基板間に印加される電圧に応じて該基板間を移動可能な粒子群を該基板間に封入した画像表示媒体と、前記一対の基板間に電圧を印加する第1電圧印加手段と、前記画像表示媒体を振動させる振動子と、前記振動子を振動させるための交番電圧を前記振動子に印加する第2電圧印加手段と、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加されるように前記第1電圧印加手段を制御すると共に、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に前記画像表示媒体が振動するように前記第2電圧印加手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0008】
このように、画像表示媒体を振動させる振動子を設け、画像情報に応じた画像用電圧が画像表示媒体の一対の基板間に印加される前に、振動子に交番電圧を印加することによって振動子を振動させて画像表示媒体を振動させるようにしたため、メカ的に振動させる場合に比べて耳障りな音を発生させることなく、交番電圧によって好適な振動を容易に発生させて粒子を移動しやすくさせることができ、画質の劣化を防止することができる。
【0009】
なお、粒子を封入する基板間は液体、気体のいずれで満たされていてもよく、また、粒子群は、色や帯電特性が異なる複数種類の粒子群であってもよいし、同一の帯電特性を有する単色の粒子群であってもかわまない。
【0010】
なお、振動子を、前記画像表示媒体の裏面に設けることができる。これにより、確実に振動子の振動を画像表示媒体に伝搬させることができる。
【0011】
また、振動子を、前記一対の基板の一方の基板の中央部または画像表示領域外に設けることもできる。振動子を基板の中央部に設けることによって、振動子の振動が画像表示媒体の全体にほぼ等しく行き渡るため、小さい振動エネルギーで画像表示媒体全体を振動させることができる。なお、振動子による振動が強すぎるような場合には画像表示媒体によっては粒子がその部分だけ飛び散ってしまう可能性があるが、その場合には振動子を画像表示領域外に設けることによって、画像を乱さないようにすることができる。
【0012】
第2電圧印加手段は、前記振動子が振動するときの振動周波数が可聴域外の周波数となるように前記交番電圧を印加することができる。
【0013】
このように、振動子の振動周波数を可聴域外の周波数とすることによって、振動発生時でも耳障りな音は発生しない。
【0014】
第2電圧印加手段は、前記振動子が振動するときの振動周波数が前記画像表示媒体の固有振動数の倍数となるように前記交番電圧を印加することができる。
【0015】
このように、振動子の振動周波数を画像表示媒体の固有振動数そのもの(1倍)、あるいは2倍、3倍、、、の周波数となるように振動させることによって、画像表示媒体を効率的に振動させることができる。
【0016】
第2電圧印加手段は、前記振動子が振動するときの振動周波数が所定範囲内でスイープするように前記交番電圧を印加することができる。
【0017】
画像表示媒体の固有振動数は、画像表示媒体の製造ばらつきや経時変化によって若干ばらつく。従って、振動子を振動させるときにその振動周波数を所定範囲内でスイープさせることによって、画像表示媒体の固有振動数を特定できなくても最適な周波数で振動させることができる。なお、所定範囲内は、画像表示媒体の固有振動数の倍数が含まれると想定される周波数帯域とすることができる。
【0018】
制御手段は、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に前記一対の基板間に予め定められた極性の電圧が印加されるように前記第1電圧印加手段を制御すると共に、前記一対の基板間に前記予め定められた極性の電圧が印加されている期間中、少なくとも1回以上前記振動子が振動するように前記第2電圧印加手段を制御することができる。
【0019】
すなわち、画像表示媒体の一対の基板に封入されている粒子群が同一の帯電特性を有する単色の粒子群である場合には、該粒子群を移動させることができる予め定められた極性の電圧を印加すれば、画像表示媒体の基板に該粒子群を移動・付着させることができる。粒子が基板に付着した状態で画像表示媒体を振動させることにより、粒子と基板との衝突が促進され、粒子を移動させやすくでき、画像表示に欠陥が生じるのを防ぐことができる。
【0020】
制御手段は、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に前記一対の基板間に極性の異なる電圧が交互に印加されるように前記第1電圧印加手段を制御すると共に、前記一対の基板間に前記極性の異なる電圧が交互に印加されている期間中、各極性毎に少なくとも1回以上前記振動子が振動するように前記第2電圧印加手段を制御することができる。
【0021】
すなわち、画像表示媒体の一対の基板に封入されている粒子群が色や帯電特性が異なる複数種類の粒子群である場合には、一対の基板間に極性の異なる電圧を交互に印加することによって、振動子の振動が伝達される基板に色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群を交互に移動・付着させることができる。粒子が基板に付着した状態で画像表示媒体を振動させることにより、粒子と基板との衝突が促進され、粒子を移動させやすくでき、画像表示に欠陥が生じるのを防ぐことができる。また、各極性毎に少なくとも1回以上振動子を振動させるため、全ての粒子を移動させやすくできる。
【0022】
制御手段は、前記振動子を振動させた後で且つ画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に、前記振動子を振動させない状態で前記一対の基板間に極性の異なる電圧が交互に印加されるように、または前記一対の基板間に予め定められた極性の電圧が印加されるように、前記第1電圧印加手段及び第2電圧印加手段を制御することができる。
【0023】
これにより、振動子による振動で乱れた粒子の状態を整える(均一化する)ことができる。
【0024】
本発明の画像表示方法は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板を備え、前記一対の基板間に印加される電圧に応じて該基板間を移動可能な粒子群を該基板間に封入した画像表示媒体と、前記画像表示媒体を振動させる振動子とを有する画像表示装置の画像表示方法であって、前記画像表示媒体が振動するように前記振動子に交番電圧を印加して前記振動子を振動させた後に、該交番電圧の印加を停止して画像情報に応じた画像用電圧を前記一対の基板間に印加する。
【0025】
これにより、画像情報に応じた画像用電圧を印加する前に、振動子に交番電圧を印加して振動させ画像表示媒体を振動させることができるため、耳障りな音を発生させることなく、好適な振動を容易に発生させて粒子を移動しやすくさせることができ、画質の劣化を防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明の画像表示装置及び画像表示方法によれば、耳障りな音を発生させることなく好適な振動を容易に発生させて粒子を移動しやすくさせ、画質の劣化を防止することができる、という優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
本実施の形態は、単純マトリクス駆動により画像を表示する画像表示装置に本発明を適用したものである。
【0029】
図1は、本実施の形態に係る画像表示媒体15の断面図を示した図である。画像表示媒体15は、画像表示側である透明な表示基板36と、当該表示基板36と対向し所定間隙を隔てて配置される背面基板38とを備えている。図2(A)は、表示基板36の平面図であり、図2(B)は、背面基板38の平面図である。
【0030】
図1及び図2に示すように、表示基板36の背面基板38との対向面には複数のライン状の列電極40が設けられ、同様に、背面基板38の表示基板36との対向面にも複数のライン状の行電極42が設けられている。
【0031】
表示基板36と背面基板38とは、互いに設けられた列電極40と行電極42とが直交するように対峙して配置され、列電極40と行電極42との交差位置が各画素を構成する。なお、図1は行電極42の長手方向に沿った画像表示媒体15の断面図である。なお、列電極40の長手方向に沿った画像表示媒体15の断面図の図示は省略する。
【0032】
また、表示基板36の列電極40側には絶縁層44が形成され、背面基板38の行電極42側にも絶縁層46が各々形成されている。絶縁層44、46は例えばポリカーボネート等で構成される。
【0033】
表示基板36と背面基板38との間には、互いに帯電特性の異なる粒子群であって、正に帯電した黒粒子48と負に帯電した白粒子50とが封入されている。また、表示基板36と背面基板38との間には間隙部材52が設けられ、これにより表示基板36と背面基板38との間が一定間隔に保たれる。
【0034】
このような画像表示媒体15では、粒子が移動開始する所定電圧が列電極40と行電極42との間に印加されることにより、黒粒子48及び白粒子50が基板間を移動する。例えば、行電極42に対して列電極40に正の所定電圧が印加された場合には、表示基板36側の黒粒子48は背面基板38側へ移動し、背面基板38側の白粒子50は表示基板36側へ移動する。一方、行電極42に対して列電極40に負の所定電圧が印加された場合には、表示基板36側の白粒子50は背面基板38側へ移動し、背面基板38側の黒粒子48は表示基板36側へ移動する。
【0035】
従って、表示すべき画像に応じて列電極40と行電極42との間に電圧を印加することにより画像に応じて粒子を移動させることができ、任意の画像を表示することができる。なお、電圧の印加が停止された後も、鏡像力等により黒粒子48又は白粒子50は表示基板36又は背面基板38に付着したままとなり、画像表示は維持される。
【0036】
また、本実施の形態の画像表示媒体15の背面基板38の表示基板36との対向面の裏側の面(すなわち、画像表示媒体15の裏面)には、振動子13が接着されている。振動子13は、交番電圧が印加されることにより振動する。振動子としては、ピエゾ素子を用いることができる。
【0037】
図3は、画像表示装置10の概略構成を示したブロック図である。図3に示すように、画像表示装置10は、制御装置11、駆動電源12、画像表示媒体15、振動子13を備えている。
【0038】
制御装置11は、パーソナルコンピュータ(PC)14からの画像の書き換え指示信号及び画像情報を受け、画像表示媒体15の表示を書き換える制御ルーチンを実行する。駆動電源12は、画像表示装置10が動作するために必要な電源電圧を供給する。
【0039】
PC14は、書き換え指示装置16及び画像情報格納装置17を含んで構成されている。書き換え指示装置16は、画像表示媒体15に表示する画像を書き換える書き換え指示信号を出力する。画像情報格納装置17には画像表示媒体15に表示する画像の画像情報が記憶されている。制御装置11には、書き換え指示装置16から出力された書き換え指示信号と画像情報格納装置17に記憶された画像情報とが入力される。
【0040】
図4は、制御装置11の詳細な構成を示したブロック図である。図4に示すように、制御装置11は、電源供給部20、振動子駆動回路22、駆動電圧回路24、画像情報伝達装置26、及びシーケンス制御回路28を備えている。
【0041】
電源供給部20は、駆動電源12からの電源電圧を所定のレベルに調整して、振動子駆動回路22及び駆動電圧回路24に供給する。
【0042】
振動子駆動回路22は、シーケンス制御回路28からの制御信号に応じて所定周波数の交番電圧を振動子13に印加する回路であり、周知の発振回路を含んで構成されている。振動子13を振動させることによって、画像表示媒体15に振動が加えられ、粒子の凝集を解くことが可能となる。
【0043】
駆動電圧回路24は、シーケンス制御回路28からの制御信号に応じた電圧を画像表示媒体15の表示基板36の列電極40及び背面基板38の行電極42に印加する回路である。
【0044】
画像情報伝達装置26には、画像情報格納装置17から送信された画像情報が入力される。画像情報伝達装置26は、入力された画像情報に応じた画像信号をシーケンス制御回路28に伝達する。
【0045】
シーケンス制御回路28には、書き換え指示装置16から送信された書き換え指示信号が入力される。シーケンス制御回路28は、書き換え指示信号の入力に応じて、画像表示媒体15を初期化するための制御信号を振動子駆動回路22及び駆動電圧回路24に出力する。初期化後は、画像情報伝達装置26から伝達された画像信号に応じた電圧が画像表示媒体15の表示基板36の列電極40及び背面基板38の行電極42に印加されるように制御信号を出力する。
【0046】
次に、制御装置11で実行される制御ルーチンについて、図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図5に示す制御ルーチンは、画像表示装置10に電源が投入されると実行される。
【0047】
ステップ100で、画像書き換え指示信号がPC14からシーケンス制御回路28に入力されると、ステップ102で、シーケンス制御回路28から初期化処理を行うための制御信号を振動子駆動回路22及び駆動電圧回路24に出力する。これにより、ステップ104aの処理及びステップ104bの処理が同期して実行される。
【0048】
ステップ104aでは、シーケンス制御回路28からの制御信号を受けた駆動電圧回路24が、全ての列電極40及び行電極42に所定周波数の交番電圧(以下、初期化電圧)を所定時間印加する。これにより、異なる極性の電圧が交互に印加されるため、図7に示すように、表示基板36側に黒粒子48が移動し且つ背面基板38側に白粒子が移動した状態と、表示基板36側に白粒子50が移動し且つ背面基板38側に黒粒子48が移動した状態とが交互に繰り返される。表示基板36側から見ると、図6(A)に示すように、画像表示媒体15の画像表示領域が全面黒表示と全面白表示とに交互に切り替わる。このように、黒表示と白表示との切り替えを少なくとも1サイクル以上行う。このとき、粒子が頻繁に基板間を移動することで粒子同士や粒子と基板との衝突が促進され、動きにくくなっていた粒子も移動しやすくなり、画像表示に欠陥が生じるのを防ぐことができる。
【0049】
ステップ104bでは、シーケンス制御回路28からの制御信号を受けた振動子駆動回路22が、図8の模式図で示すように、所定周波数の交番電圧(以下、振動電圧)を振動子13に印加し、振動子13を振動させる。振動子13の振動により画像表示媒体15が振動する。この振動により粒子と基板との衝突が促進され、更に粒子を移動させやすくでき、画像表示に欠陥が生じるのを防ぐことができる。
【0050】
なお、振動子13は、図9に示すように背面基板38の裏面の中央部付近に接着されている。これにより、振動子13の振動が画像表示媒体15の全体にほぼ等しく行き渡るため、小さい振動エネルギーで画像表示媒体15全体を振動させることができる。
【0051】
また、振動子駆動回路22は、上記の如く画像表示媒体15に初期化電圧を印加している期間において、黒表示状態と白表示状態の各々の状態で少なくとも1回は振動電圧を印加して振動子13を振動させる。例えば黒表示状態と白表示状態の各々において所定期間連続させて振動させてもよいし、断続的に振動させてもよい。また、黒表示状態と白表示状態の切り替わりに拘わらず、初期化電圧印加期間中連続して振動子13を振動させ続けることもできる。
【0052】
振動子13は背面基板38側に接着されているため、その振動は特に背面基板38側に伝達しやすい。従って、上記の如く、画像表示媒体15において黒表示と白表示とを交互に切り替えることによって、黒粒子48と白粒子50とを背面基板38側に交互に移動させて付着させ、各粒子と基板との衝突を促進することができる。
【0053】
また、振動子駆動回路22は、振動子13が振動するときの振動周波数が画像表示媒体15の固有振動数の倍数(1倍を含む)となるような振動電圧を振動子13に印加する。これにより小さな振動エネルギーで画像表示媒体15全体を効率的に振動させることができる。
【0054】
また、振動子13の振動周波数が可聴域外の周波数となるように振動電圧を印加すればなお好ましい。これにより、耳障りな音が発生することを防ぐことができる。なお、可聴域は、人間が音として認識できる領域であって、一般的には20kHz程度が上限といわれている。従って、例えば振動子13の振動周波数が20kHzより小さい場合には、20kHzを超えるように振動電圧を印加すればよい。
【0055】
なお、振動子13の振動周波数は画像表示媒体15の固有振動数が好ましいが、例えば、画像表示媒体15の固有振動数が15kHzの場合には、振動子13の振動周波数が該固有振動数15kHzの2倍の周波数(30kHz)となるように、振動電圧を印加すればよい。これにより、効率的に画像表示媒体15を振動させることができると共に、可聴域外で振動させることができるため、耳障りな音の発生も防止できる。
【0056】
なお、画像表示媒体15の固有振動数は、予め実験等により求めておくことができる。
【0057】
次のステップ106では、振動子駆動回路22に制御信号を出力して振動子13の振動を停止させる。振動子13の振動を停止した状態で、駆動電圧回路24から、所定周波数の交番電圧(以下、粒子均一化電圧)を所定時間、少なくとも交番電圧1周期の長さだけ印加する。これにより、図10(A)に示すように振動子13による振動で乱れた粒子の状態を、図10(B)に示すように整える(均一化する)ことができる。
【0058】
なお、ここでは、少なくとも1周期の交番電圧を粒子均一化電圧として印加するようにしたが、正または負いずれか一方の電圧を印加するようにしてもよい。
【0059】
また、初期化電圧と粒子均一化電圧を連続的に印加してもよい。このように連続的に印加する場合であっても、上記と同様に、粒子均一化電圧印加期間中は振動子13に振動電圧が印加されないようにする。
【0060】
ステップ108では、駆動電圧回路24に制御信号を出力して粒子均一化電圧の印加を停止させ、画像表示媒体15の初期化を完了する。
【0061】
制御装置11では、ステップ102からステップ108までの画像表示媒体15の初期化処理に平行して、画像情報格納装置17から入力された画像情報に基づいて制御信号が生成される。具体的には、ステップ110で、画像情報伝達装置26が画像情報格納装置17から画像情報を入力すると、入力した画像情報に応じて画素毎に画像信号を生成し、シーケンス制御回路28に伝達する。
【0062】
ステップ112では、シーケンス制御回路28では画像情報伝達装置26から伝達された画像信号に基づいて制御信号を生成し、該制御信号を駆動電圧回路24に出力する。
【0063】
ステップ114では、駆動電圧回路24はシーケンス制御回路28からの制御信号に応じて画像表示用の駆動電圧(以下、表示駆動電圧)を発生させる。なお、表示駆動電圧は本発明の画像用電圧に相当する。ステップ116では、駆動電圧回路24は発生した表示駆動電圧を画像表示媒体15の表示基板36の列電極40及び背面基板38の行電極42に印加する。これにより、図7(B)に示すように画像表示媒体15の画像表示領域に画像情報に応じた画像が表示される。図7(B)では、一例として‘123’の文字が表示されている。
【0064】
ステップ118では、必要に応じてあるいは電源停止要求に応じて電源供給を停止する。
【0065】
以上説明したように、画像表示媒体15を振動させる振動子13を設け、画像表示媒体15に振動が加えられるように振動子13に交番電圧(振動電圧)を印加した後に、該交番電圧の印加を停止して画像情報に応じた電圧(表示駆動電圧)を画像表示媒体15の表示基板36の列電極40及び背面基板38の行電極42に印加するようにしたため、耳障りな音を発生させることなく好適な振動を容易に発生させて粒子を移動しやすくさせ、画質の劣化を防止することができる。
【0066】
なお、上記実施の形態では、振動子13を、背面基板38の裏面の中央部付近に接着した例について説明したが、これに限定されず、例えば、図11に示すように、振動子13を画像表示媒体15の画像形成領域外に設けるようにしてもよい。これにより、振動子13の強すぎる振動で画像を乱さないようにすることができる。
【0067】
また、上記実施の形態では、振動子13の振動周波数が画像表示媒体15の固有振動数の倍数となるように振動電圧を印加する例について説明したが、これに限定されず、例えば、振動子13の振動周波数が所定範囲内でスイープするように振動電圧を印加するようにしてもよい。例えば、画像表示媒体15の製造ばらつきや経時変化により、現時的な固有振動数を決定することが困難なことがある。従って、例えば予め実験等により暫定的に求めた固有振動数の倍数が含まれる所定範囲内で振動周波数がスイープするようにして振動電圧を印加すれば、現時的な固有振動数で振動させることができる。振動周波数をスイープさせる場合には、駆動電圧回路24に掃引回路を含めて構成する。
【0068】
また、上記実施の形態では、画像表示を行う度に画像表示媒体15に振動を加える例について説明したが、これに限定されず、画像表示媒体15の寿命が短縮しないように所定画像表示回数毎に振動を発生させるように制御することもできる。
【0069】
また、上記では画像表示媒体15の初期化処理時に所定周波数の交番電圧を印加して黒表示、白表示を交互に繰り返す例について説明したが、異なる極性の電圧を交互に印加することができれば、これに限定されない。例えば、異なる極性の電圧を発生させる電圧発生回路を複数設け、該複数の電圧発生回路を交互に駆動することによっても極性の異なる電圧を交互に印加することができる。なお、粒子均一化電圧についても同様である。
【0070】
また、上記実施の形態では、基板間に封入された粒子群を、色や帯電特性が異なる複数種類の粒子群(黒粒子48、白粒子50)として説明したが、これに限定されず、同一の帯電特性を有する単色の粒子群としてもよい。この場合には、該粒子群と異なる色の基板を背面基板38上に設ければ粒子群による画像を視認できる。さらにまた、該粒子群を用いる場合には、上記初期化電圧は、交番電圧でなくとも背面基板38に粒子を付着させることができる極性の電圧を印加すればよい。また、粒子均一化電圧も同様に、交番電圧でなくとも予め定められた極性の電圧を印加すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像表示媒体の断面図を示した図である。
【図2】(A)は画像表示媒体の表示基板の平面図であり、図2(B)は、背面基板の平面図である。
【図3】画像表示装置の概略構成を示したブロック図である。
【図4】画像表示装置の制御装置の詳細な構成を示したブロック図である。
【図5】制御装置で実行される制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】(A)は初期化処理時の画像表示媒体の表示状態を示す図、(B)は画像情報に応じた画像が表示された状態を示す図である。
【図7】画像表示媒体における初期化処理時の黒粒子及び白粒子の移動状態を模式的に示す図である。
【図8】振動子を振動させる様子を模式的に示す図である。
【図9】振動子の設置位置の一例を示す図である。
【図10】初期化処理時に振動子による振動で乱れた粒子の状態を、画像表示媒体の基板間に粒子均一化電圧を印加することによって整える様子を模式的に示した図である。
【図11】振動子の設置位置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
10 画像表示装置
11 制御装置
12 駆動電源
13 振動子
15 画像表示媒体
20 電源供給部
22 振動子駆動回路
24 駆動電圧回路
26 画像情報伝達装置
28 シーケンス制御回路
36 表示基板
38 背面基板
48 黒粒子
50 白粒子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が透光性を有する一対の基板を備え、前記一対の基板間に印加される電圧に応じて該基板間を移動可能な粒子群を該基板間に封入した画像表示媒体と、
前記一対の基板間に電圧を印加する第1電圧印加手段と、
前記画像表示媒体を振動させる振動子と、
前記振動子を振動させるための交番電圧を前記振動子に印加する第2電圧印加手段と、
画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加されるように前記第1電圧印加手段を制御すると共に、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に前記画像表示媒体が振動するように前記第2電圧印加手段を制御する制御手段と、
を備えた画像表示装置。
【請求項2】
前記振動子を、前記画像表示媒体の裏面に設けた請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記振動子を、前記一対の基板の一方の基板の中央部または画像表示領域外に設けた請求項1または請求項2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第2電圧印加手段は、前記振動子が振動するときの振動周波数が可聴域外の周波数となるように前記交番電圧を印加する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記第2電圧印加手段は、前記振動子が振動するときの振動周波数が前記画像表示媒体の固有振動数の倍数となるように前記交番電圧を印加する請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第2電圧印加手段は、前記振動子が振動するときの振動周波数が所定範囲内でスイープするように前記交番電圧を印加する請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記制御手段は、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に前記一対の基板間に予め定められた極性の電圧が印加されるように前記第1電圧印加手段を制御すると共に、前記一対の基板間に前記予め定められた極性の電圧が印加されている期間中、少なくとも1回以上前記振動子が振動するように前記第2電圧印加手段を制御する請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記制御手段は、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に前記一対の基板間に極性の異なる電圧が交互に印加されるように前記第1電圧印加手段を制御すると共に、前記一対の基板間に前記極性の異なる電圧が交互に印加されている期間中、各極性毎に少なくとも1回以上前記振動子が振動するように前記第2電圧印加手段を制御する請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記振動子を振動させた後で且つ画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に、前記振動子を振動させない状態で前記一対の基板間に極性の異なる電圧が交互に印加されるように、または前記一対の基板間に予め定められた極性の電圧が印加されるように、前記第1電圧印加手段及び第2電圧印加手段を制御する請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項10】
少なくとも一方が透光性を有する一対の基板を備え、前記一対の基板間に印加される電圧に応じて該基板間を移動可能な粒子群を該基板間に封入した画像表示媒体と、前記画像表示媒体を振動させる振動子とを有する画像表示装置の画像表示方法であって、
前記画像表示媒体が振動するように前記振動子に交番電圧を印加して前記振動子を振動させた後に、該交番電圧の印加を停止して画像情報に応じた画像用電圧を前記一対の基板間に印加する画像表示方法。
【請求項1】
少なくとも一方が透光性を有する一対の基板を備え、前記一対の基板間に印加される電圧に応じて該基板間を移動可能な粒子群を該基板間に封入した画像表示媒体と、
前記一対の基板間に電圧を印加する第1電圧印加手段と、
前記画像表示媒体を振動させる振動子と、
前記振動子を振動させるための交番電圧を前記振動子に印加する第2電圧印加手段と、
画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加されるように前記第1電圧印加手段を制御すると共に、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に前記画像表示媒体が振動するように前記第2電圧印加手段を制御する制御手段と、
を備えた画像表示装置。
【請求項2】
前記振動子を、前記画像表示媒体の裏面に設けた請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記振動子を、前記一対の基板の一方の基板の中央部または画像表示領域外に設けた請求項1または請求項2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第2電圧印加手段は、前記振動子が振動するときの振動周波数が可聴域外の周波数となるように前記交番電圧を印加する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記第2電圧印加手段は、前記振動子が振動するときの振動周波数が前記画像表示媒体の固有振動数の倍数となるように前記交番電圧を印加する請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第2電圧印加手段は、前記振動子が振動するときの振動周波数が所定範囲内でスイープするように前記交番電圧を印加する請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記制御手段は、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に前記一対の基板間に予め定められた極性の電圧が印加されるように前記第1電圧印加手段を制御すると共に、前記一対の基板間に前記予め定められた極性の電圧が印加されている期間中、少なくとも1回以上前記振動子が振動するように前記第2電圧印加手段を制御する請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記制御手段は、画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に前記一対の基板間に極性の異なる電圧が交互に印加されるように前記第1電圧印加手段を制御すると共に、前記一対の基板間に前記極性の異なる電圧が交互に印加されている期間中、各極性毎に少なくとも1回以上前記振動子が振動するように前記第2電圧印加手段を制御する請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記振動子を振動させた後で且つ画像情報に応じた画像用電圧が前記一対の基板間に印加される前に、前記振動子を振動させない状態で前記一対の基板間に極性の異なる電圧が交互に印加されるように、または前記一対の基板間に予め定められた極性の電圧が印加されるように、前記第1電圧印加手段及び第2電圧印加手段を制御する請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項10】
少なくとも一方が透光性を有する一対の基板を備え、前記一対の基板間に印加される電圧に応じて該基板間を移動可能な粒子群を該基板間に封入した画像表示媒体と、前記画像表示媒体を振動させる振動子とを有する画像表示装置の画像表示方法であって、
前記画像表示媒体が振動するように前記振動子に交番電圧を印加して前記振動子を振動させた後に、該交番電圧の印加を停止して画像情報に応じた画像用電圧を前記一対の基板間に印加する画像表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−52245(P2007−52245A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237445(P2005−237445)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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