説明

画像表示装置及び画像表示方法

【課題】読影効率の向上を図る。
【解決手段】医用画像を表示させる際に、医用画像を構成する2方向の両方において、医用画像の表示対象領域に対して画素を間引いた後の画素数が、表示部の表示領域の画素数より大きいか否かの判定を行う(ステップS6)。判定条件を満たす場合には(ステップS6;YES)、医用画像から画素を間引いて間引き画像のビットマップデータを生成し(ステップS7)、間引き画像を表示する(ステップS9)。その後、医用画像から画素を間引かずにオリジナル画像のビットマップデータを生成し(ステップS11)、表示部に表示されている間引き画像をオリジナル画像に切り替える(ステップS12)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PACS(Picture Archiving and Communication System)の普及により、CR(Computed Radiography)、CT(Computed Tomography)、MR(Magnetic Resonance)等のモダリティで撮影された医用画像は、デジタル画像として画像サーバに保存されている。画像サーバに保存される画像は、各種モダリティによって解像度が異なる。また、マンモグラフィ画像では、7080×9480といった非常に画素数の多い画像(1画像130MB程度)も存在する。
【0003】
画像サーバとネットワークを介して接続されたクライアント端末において、画像サイズが大きい画像を表示する場合には、画像の読み込みに時間がかかってしまう。また、通常の読影時には、最初は画像全体を把握するため、画像をモニタサイズに合わせて表示している(枠サイズ表示)。
そこで、まずは低解像度の画像を表示し、より高解像度の画像に変更可能である場合に、高解像度の画像を表示する画像表示システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−66306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、全ての画像に対して、高解像度の画像の表示に先立って低解像度の画像を表示することとすると、表示対象画像の画素数がモニタが表示可能な画素数より小さい場合にも低解像度の画像から表示してしまい、診断情報が欠落してしまうという問題があった。このように、ある程度の画質を確保したいという要求がある一方で、画像が表示されるまでに長く時間がかかると、読影効率が低下するおそれがあった。
【0006】
本発明は上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、読影効率の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、医用画像を表示する表示手段と、前記医用画像を構成する互いに直交する2方向における画素数と前記表示手段の表示領域を構成する前記2方向に対応する各方向における画素数とに基づいて、前記医用画像から画素を間引いた間引き画像のビットマップデータを生成するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記間引き画像のビットマップデータを生成すると判定された場合に、前記医用画像から前記間引き画像のビットマップデータを生成して当該間引き画像を前記表示手段に表示させ、前記医用画像から画素を間引かずにオリジナル画像のビットマップデータを生成した後に、前記表示手段に表示されている前記間引き画像を前記オリジナル画像に切り替える表示制御手段と、を備える画像表示装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示装置において、前記判定手段は、前記2方向の両方において、前記医用画像の表示対象領域に対して画素を間引いた後の画素数が、前記表示手段の表示領域の画素数より大きい場合に、前記間引き画像のビットマップデータを生成すると判定する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、表示手段に医用画像を表示させる画像表示方法であって、前記医用画像を構成する互いに直交する2方向における画素数と前記表示手段の表示領域を構成する前記2方向に対応する各方向における画素数とに基づいて、前記医用画像から画素を間引いた間引き画像のビットマップデータを生成するか否かを判定する判定工程と、前記判定工程において前記間引き画像のビットマップデータを生成すると判定された場合に、前記医用画像から前記間引き画像のビットマップデータを生成して当該間引き画像を前記表示手段に表示させ、前記医用画像から画素を間引かずにオリジナル画像のビットマップデータを生成した後に、前記表示手段に表示されている前記間引き画像を前記オリジナル画像に切り替える表示制御工程と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、3に記載の発明によれば、間引き画像のビットマップデータを生成する場合には、最初の画像が表示されるまでの時間が短縮されるので、読影効率の向上を図ることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、医用画像の表示対象領域に対して画素を間引いた後の画素数が、表示手段の表示領域の画素数より大きい場合には、最初に表示する画像は間引き画像で十分であると考えられるため、間引き画像を表示させることにより、読影効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】医用画像表示システムのシステム構成図である。
【図2】画像サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】クライアント端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】クライアント端末において実行される医用画像表示処理を示すフローチャートである。
【図5】2面構成の各モニタに2枚ずつ医用画像を表示する場合の例である。
【図6】医用画像を枠サイズで表示する場合の判定例を説明するための図である。
【図7】医用画像を枠サイズの2倍で表示する場合の判定例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
図1に、医用画像表示システム100のシステム構成を示す。図1に示すように、医用画像表示システム100は、画像サーバ10と、画像表示装置としてのクライアント端末20とが、LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。ネットワークNは、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格が適用されている。
【0014】
画像サーバ10は、PACSにより構成され、各種モダリティにより生成された医用画像の画像データのファイル(以下、画像ファイルという。)等を保存し、クライアント端末20等の外部機器からの要求に応じて画像ファイル等を提供する。
【0015】
図2に、画像サーバ10の機能的構成を示す。図2に示すように、画像サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、操作部12、表示部13、通信部14、ROM(Read Only Memory)15、RAM(Random Access Memory)16、記憶部17を備えて構成され、各部はバス18により接続されている。
【0016】
CPU11は、画像サーバ10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU11は、操作部12から入力される操作信号又は通信部14により受信される指示信号に応じて、ROM15に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM16内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0017】
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU11に出力する。
【0018】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、CPU11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0019】
通信部14は、クライアント端末20等の外部機器との間でデータの送受信を行うインターフェースである。
【0020】
ROM15は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0021】
RAM16は、CPU11により実行制御される各種処理において、ROM15から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0022】
記憶部17は、ハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。具体的に、記憶部17には、画像DB171が記憶されている。画像DB171には、複数の画像ファイルと、各画像ファイルに関する画像情報とが対応付けられて記憶されている。画像ファイルとして、例えば、位相コントラスト技術を用いて乳房をX線撮影して得られたPCM(Phase Contrast Mammography)画像の画像ファイル等が挙げられる。
【0023】
画像情報には、画像ファイルのファイルパス、医用画像を構成する横方向(X方向)及び縦方向(Y方向)の画素数、各種LUT情報(モダリティLUT、VOI LUT)、その他画像を生成する際に使用するパラメータ(格納ビット、割り当てビット、高位ビット、光度測定解釈、面構成、画素表現等)等が含まれる。
【0024】
CPU11は、クライアント端末20から画像ファイル又は画像情報の取得要求があった場合に、要求された画像ファイル又は画像情報を記憶部17の画像DB171から読み出し、クライアント端末20に送信する。
【0025】
クライアント端末20は、画像サーバ10から取得した画像ファイルに基づいて医用画像を表示させ、当該医用画像の読影を行うための装置であって、PC(Personal Computer)等から構成される。
【0026】
図3に、クライアント端末20の機能的構成を示す。図3に示すように、クライアント端末20は、CPU21、操作部22、表示部23、通信部24、ROM25、RAM26、記憶部27を備え、各部はバス28により接続されている。
【0027】
CPU21は、クライアント端末20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU21は、操作部22から入力される操作信号又は通信部24により受信される指示信号に応じて、ROM25に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM26内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0028】
操作部22は、ユーザによる操作指示を受け付ける機能部である。操作部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU21に出力する。
【0029】
表示部23は、LCDにより構成される高精細モニタ装置であり、CPU21から入力される表示データ(ビットマップデータ)に基づいて各種画面を表示する。例えば、表示部23は、読影対象となる医用画像を表示する。
【0030】
通信部24は、画像サーバ10等の外部機器との間でデータの送受信を行うインターフェースである。
【0031】
ROM25は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0032】
RAM26は、CPU21により実行制御される各種処理において、ROM25から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。具体的には、RAM26には、画像サーバ10から取得した画像ファイル等が記憶される。
【0033】
記憶部27は、ハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。記憶部27には、表示部23に画像を表示させる際に用いる表示設定情報が記憶されている。表示設定情報は、画面の分割数(画面上に表示される画像の数)、医用画像を表示する領域の左上座標、各表示領域のサイズ(各表示領域を構成する横方向(X方向)及び縦方向(Y方向)の画素数)、表示倍率(枠サイズ、枠サイズの2倍等)等を含む。表示設定情報は、ユーザの操作部12からの操作により、変更可能である。枠サイズとは、医用画像を表示部23の表示領域いっぱいに表示させるサイズである。枠サイズの2倍とは、医用画像をX方向、Y方向それぞれについて表示部23の表示領域の2倍のサイズに拡大して表示させるサイズである。
【0034】
CPU21は、通信部24を介して、画像サーバ10に対して、記憶部17に記憶されている医用画像の画像ファイル又は画像情報の取得要求を送信し、画像サーバ10から医用画像の画像ファイル又は画像情報を取得する。
【0035】
CPU21は、医用画像を構成する互いに直交する2方向(X方向、Y方向)における画素数と、表示部23の表示領域を構成する前記2方向に対応する各方向(X方向、Y方向)における画素数と、に基づいて、医用画像から予め定められた間引き率で画素を間引いた間引き画像のビットマップデータを生成するか否かを判定する。なお、医用画像のX方向及びY方向の画素数は、画像サーバ10から取得される画像情報に含まれる。また、表示部23の表示領域のX方向及びY方向の画素数は、記憶部27に記憶されている表示設定情報に含まれる。また、本実施の形態では、間引き率が1/2の場合(画素の半分を間引く場合)を例にする。
【0036】
具体的に、CPU21は、X方向、Y方向の両方において、医用画像の表示対象領域に対して画素を間引いた後の画素数が、表示部23の表示領域の画素数より大きい場合に、間引き画像のビットマップデータを生成すると判定する。なお、医用画像の表示対象領域のX方向及びY方向の画素数は、画像情報に含まれる医用画像のX方向及びY方向の画素数と、表示設定情報に含まれる表示倍率に基づいて算出される。
例えば、表示倍率が1倍(枠サイズ表示を1倍又は100%とする。)の場合には、医用画像の表示対象領域のX方向及びY方向の画素数は、医用画像全体のX方向及びY方向の画素数と一致する。また、表示倍率が2倍(200%)の場合には、医用画像の表示対象領域のX方向及びY方向の画素数は、医用画像全体のX方向及びY方向の画素数の1/2の値になる。
【0037】
CPU21は、間引き画像のビットマップデータを生成すると判定された場合に、医用画像から画素を間引いた間引き画像のビットマップデータを生成して当該間引き画像を表示部23に表示させる。その後、CPU21は、医用画像から画素を間引かずにオリジナル画像のビットマップデータを生成した後に、表示部23に表示されている間引き画像をオリジナル画像に切り替える。
【0038】
次に、動作について説明する。
図4は、クライアント端末20において実行される医用画像表示処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU21とROM25に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0039】
まず、ユーザの操作部22からの操作により、画像の表示が指示されると(ステップS1;YES)、CPU21により、画面の構築が行われる(ステップS2)。具体的には、CPU21により、記憶部27に記憶されている表示設定情報が読み出され、画面の分割数、医用画像を表示する領域の左上座標、各表示領域のサイズ、表示倍率が決定される。
【0040】
例えば、図5は、表示部23が2面構成のモニタである場合に、各モニタに2枚ずつ、合計4枚の医用画像が枠サイズで表示される場合の例である。各領域31〜34は、実際に医用画像が表示される領域である。
【0041】
次に、CPU21により、画像サーバ10に対して、通信部24を介して画像情報の取得要求が送信される(ステップS3)。
画像サーバ10では、通信部14により画像情報の取得要求が受信され、CPU11により、当該取得要求に応じた画像情報が画像DB171から読み出され、読み出された画像情報が通信部14を介してクライアント端末20に送信される。
【0042】
クライアント端末20では、CPU21により、画像サーバ10から、通信部24を介して画像情報が取得される(ステップS4)。取得された画像情報は、CPU21により、RAM26に格納される。
【0043】
次に、CPU21により、取得された画像情報に含まれるファイルパスに基づいて、通信部24を介して画像サーバ10から画像ファイルが読み込まれ、RAM26にロードされる(ステップS5)。具体的には、CPU21により、通信部24を介して、画像サーバ10に対して、医用画像の画像ファイルの取得要求が送信され、画像サーバ10から医用画像の画像ファイルが取得される。
【0044】
ここで、CPU21により、画像DB171から取得された画像情報、及び、記憶部27に記憶されている表示設定情報に基づいて、予め定められた判定条件を満たすか否かが判定される(ステップS6)。本実施の形態では、CPU21により、医用画像のX方向、Y方向における画素数と表示部23の表示領域のX方向、Y方向における画素数とに基づいて、医用画像から画素を間引いた間引き画像のビットマップデータを生成するか否かが判定される。
【0045】
具体的に、CPU21により、ステップS4で取得された画像情報から医用画像のX方向及びY方向の画素数が取得され、記憶部27に記憶されている表示設定情報から表示部23の表示領域のX方向及びY方向の画素数と、表示倍率とが取得される。そして、CPU21により、医用画像のX方向及びY方向の画素数と、表示倍率とに基づいて、医用画像の表示対象領域のX方向及びY方向の画素数が算出される。そして、CPU21により、X方向、Y方向の両方において、医用画像の表示対象領域に対して画素を間引いた後の画素数が、表示部23の表示領域の画素数より大きい場合に、間引き画像のビットマップデータを生成すると判定される。
【0046】
判定条件を満たす場合(ステップS6;YES)、すなわち、X方向、Y方向の両方において、医用画像の表示対象領域に対して画素を間引いた後の画素数が、表示部23の表示領域の画素数より大きい場合には、CPU21により、医用画像の画像ファイルに基づいて、画素が間引かれて間引き画像のビットマップデータが生成される(ステップS7)。間引きの方式はJPEG2000形式でもよい。
【0047】
一方、ステップS6において、判定条件を満たさない場合(ステップS6;NO)、すなわち、X方向、Y方向のいずれかにおいて、医用画像の表示対象領域に対して画素を間引いた後の画素数が、表示部23の表示領域の画素数以下である場合には、CPU21により、医用画像の画像ファイルに基づいて、画素が間引かれずにオリジナル画像のビットマップデータが生成される(ステップS8)。
【0048】
ステップS7又はステップS8の後、CPU21により、間引き画像のビットマップデータ又はオリジナル画像のビットマップデータに基づいて、表示部23に間引き画像又はオリジナル画像が表示される(ステップS9)。
【0049】
次に、CPU21により、表示部23に間引き画像が表示されているか否かが判断される(ステップS10)。間引き画像が表示されている場合には(ステップS10;YES)、CPU21により、スレッド処理により、医用画像の画像ファイルに基づいて、画素が間引かれずにオリジナル画像のビットマップデータが生成される(ステップS11)。そして、CPU21により、オリジナル画像のビットマップデータに基づいて、表示部23にオリジナル画像が表示される(ステップS12)。すなわち、CPU21により、表示部23に表示されている間引き画像がオリジナル画像に切り替えられる。
【0050】
ステップS10において、表示部23に間引き画像が表示されていない場合には(ステップS10;NO)、そのまま処理が終了する。
以上で、医用画像表示処理が終了する。
【0051】
図6(a)〜(c)を参照して、医用画像を画面の分割数1×1、枠サイズで表示する場合について説明する。
図6(a)に、7080画素(X方向)×9480画素(Y方向)のPCM画像の例を示す。枠サイズ表示においては、医用画像の表示対象領域は、画像のサイズ(7080画素×9480画素)と一致する。
図6(b)に、図6(a)に示すPCM画像に対してX方向及びY方向のそれぞれについて1/2の画素を間引いた1/2間引き画像の例を示す。1/2の画素を間引くことにより、3540画素(X方向)×4740画素(Y方向)となる。
表示部23の表示領域は、図6(c)に示すように、X方向に2048画素、Y方向に2560画素であることとする。
【0052】
1/2間引き画像のX方向の画素数(3540画素)と、表示部23の表示領域のX方向の画素数(2048画素)と、を比較すると、1/2間引き画像のX方向の画素数の方が大きい。
また、1/2間引き画像のY方向の画素数(4740画素)と、表示部23の表示領域のY方向の画素数(2560画素)と、を比較すると、1/2間引き画像のY方向の画素数の方が大きい。
したがって、図6(a)〜(c)に示す例では、X方向、Y方向の両方において、医用画像の表示対象領域に対して画素を間引いた後の画素数が、表示部23の表示領域の画素数より大きいから、まず、1/2間引き画像が表示され、その後、オリジナル画像と切り替えられる。
【0053】
次に、図7(a)〜(c)を参照して、医用画像を画面の分割数1×1、枠サイズの2倍で表示する場合について説明する。
図7(a)に、7080画素(X方向)×9480画素(Y方向)のPCM画像の例を示す。枠サイズの2倍で表示するため、医用画像の表示対象領域は、3540画素(X方向)×4740画素(Y方向)となる。
図7(b)に、図7(a)に示すPCM画像に対してX方向及びY方向のそれぞれについて1/2の画素を間引いた1/2間引き画像(3540画素(X方向)×4740画素(Y方向))の例を示す。1/2の画素を間引くことにより、表示対象領域は、1770画素(X方向)×2370画素(Y方向)となる。
表示部23の表示領域は、図7(c)に示すように、X方向に2048画素、Y方向に2560画素であることとする。
【0054】
1/2間引き画像の表示対象領域のX方向の画素数(1770画素)と、表示部23の表示領域のX方向の画素数(2048画素)と、を比較すると、表示部23の表示領域のX方向の画素数の方が大きい。
また、1/2間引き画像の表示対象領域のY方向の画素数(2370画素)と、表示部23の表示領域のY方向の画素数(2560画素)と、を比較すると、表示部23の表示領域のY方向の画素数の方が大きい。
したがって、図7(a)〜(c)に示す例では、X方向、Y方向のいずれにおいても、医用画像の表示対象領域に対して画素を間引いた後の画素数が、表示部23の表示領域の画素数以下であるから、間引き画像は生成されずに、最初からオリジナル画像が表示される。
【0055】
以上説明したように、本実施の形態における医用画像表示システム100のクライアント端末20よれば、間引き画像のビットマップデータを生成する場合には、最初の画像が表示されるまでの時間が短縮されるので、読影効率の向上を図ることができる。
【0056】
また、医用画像の表示対象領域に対して画素を間引いた後の画素数が、表示部23の表示領域の画素数より大きい場合には、最初に表示する画像は間引き画像で十分であると考えられるため、間引き画像を表示させることにより、読影効率の向上を図ることができる。
【0057】
また、医用画像の表示対象領域に対して画素を間引いた後の画素数が、表示部23の表示領域の画素数以下である場合には、間引き画像を表示すると画質が劣化してしまうので、始めからオリジナル画像を表示させることにより、画質の維持を図ることができる。
【0058】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像表示装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0059】
例えば、上記実施の形態では、間引き率が1/2の場合について説明したが、これに限定されない。
【0060】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10 画像サーバ
11 CPU
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 ROM
16 RAM
17 記憶部
18 バス
20 クライアント端末
21 CPU
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 ROM
26 RAM
27 記憶部
28 バス
100 医用画像表示システム
171 画像DB
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像を表示する表示手段と、
前記医用画像を構成する互いに直交する2方向における画素数と前記表示手段の表示領域を構成する前記2方向に対応する各方向における画素数とに基づいて、前記医用画像から画素を間引いた間引き画像のビットマップデータを生成するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記間引き画像のビットマップデータを生成すると判定された場合に、前記医用画像から前記間引き画像のビットマップデータを生成して当該間引き画像を前記表示手段に表示させ、前記医用画像から画素を間引かずにオリジナル画像のビットマップデータを生成した後に、前記表示手段に表示されている前記間引き画像を前記オリジナル画像に切り替える表示制御手段と、
を備える画像表示装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記2方向の両方において、前記医用画像の表示対象領域に対して画素を間引いた後の画素数が、前記表示手段の表示領域の画素数より大きい場合に、前記間引き画像のビットマップデータを生成すると判定する、
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
表示手段に医用画像を表示させる画像表示方法であって、
前記医用画像を構成する互いに直交する2方向における画素数と前記表示手段の表示領域を構成する前記2方向に対応する各方向における画素数とに基づいて、前記医用画像から画素を間引いた間引き画像のビットマップデータを生成するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記間引き画像のビットマップデータを生成すると判定された場合に、前記医用画像から前記間引き画像のビットマップデータを生成して当該間引き画像を前記表示手段に表示させ、前記医用画像から画素を間引かずにオリジナル画像のビットマップデータを生成した後に、前記表示手段に表示されている前記間引き画像を前記オリジナル画像に切り替える表示制御工程と、
を含む画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−196295(P2012−196295A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61887(P2011−61887)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】