説明

画像表示装置

【課題】基板を損傷することなく安定して強度向上を図ることができ、信頼性の向上した画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置の外囲器10を構成した背面基板12には、外囲器を補強した補強フレーム30が取り付けられている。補強フレームは、背面基板の外面に固定され背面基板と対向した板状のフレーム本体31と、フレーム本体の背面基板と反対側の面に固定された枠部材32、34とを有している。枠部材は、フレーム本体に当接した第1層と、第1層に積層されフレーム本体と反対側に位置しているとともに、第1層よりも熱膨張量が小さい第2層と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像表示装置に係り、特に、補強フレームを備えた平面型の画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、陰極線管(以下、CRTと称する)に代わる次世代の軽量、薄型の表示装置として様々な平面型の画像表示装置が開発されている。このような画像表示装置には、液晶の配向を利用して光の強弱を制御する液晶ディスプレイ(以下、LCDと称する)、プラズマ放電の紫外線により蛍光体を発光させるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)、電界放出型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させるフィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDと称する)、表面伝導型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させる表面伝導電子放出ディスプレイ(以下、SEDと称する)などがある。
【0003】
例えばFEDやSEDは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は周辺部同士を互いに接合することにより外囲器を構成している。前面基板の内面には蛍光体層が形成され、背面基板の内面上には、蛍光体層を励起する複数の電子放出素子が設けられている。画像を表示する場合、蛍光体層にアノード電圧が印加され、電子放出素子から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体層へ衝突させることにより、蛍光体が発光して画像を表示する。
【0004】
このようなFEDやSEDでは、外囲器の厚さを数mm程度にまで薄くすることができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されているCRTと比較して、軽量化、薄型化を達成することができるとともに、省電力化を達成することができる。
【0005】
近年、画像表示装置の大型化に伴い、外囲器を構成する基板も大型となっている。しかし、大型化に伴い、外囲器の強度低下、共振周波数の低下、重量増大等が問題となる。そこで、外囲器の機械的強度を上げる目的で、ガラス基板からなる背面基板の裏面側に補強用のフレームを取り付けた構造が提案されている。このようなフレームとしては、背面基板とほぼ同じ大きさを有した金属板を背面基板の裏面全体に貼り付けた構造、あるいは、矩形枠状の金属フレームを背面基板の外面周縁部に沿って固定した構造が提案されている(例えば、特許文献1および2)。
【特許文献1】特開2000−10493号公報
【特許文献2】特開平11−146305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したFEDやSEDでは、表示時、前面基板に設けられた蛍光体層に電子ビームを照射して発光させる。そのため、前面基板の温度が背面基板の温度よりも高くなり、熱膨張による伸び量は背面基板よりも前面基板の方が大きくなる。そのため、補強フレームにより拘束されていない前面基板は、前面側に凸となる反りを生じる。
【0007】
しかしながら、外囲器の背面基板には補強フレームが固定され、外囲器の延び、変形が拘束されている。そのため、外囲器は自由に反ることができず、外囲器には熱応力が発生する。このような熱応力が大きくなると、外囲器の破壊、あるいは前面基板と背面基板とのアライメントずれが発生する虞がある。従って、表示装置の信頼性および表示品位が低下する。
【0008】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、外囲器の強度向上を図ることができ、信頼性および表示品位の向上した画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の態様に係る画像表示装置は、表示面を有した前面基板およびこの前面基板に対向配置された背面基板を備えた外囲器と、前記背面基板の外面側に固定され、前記外囲器を補強した補強フレームと、を備え、前記補強フレームは、前記背面基板の外面に固定された板状のフレーム本体を有し、前記フレーム本体は、前記背面基板に対向した第1層と、前記第1層に積層され前記背面基板と反対側に位置しているとともに、前記第1層よりも熱膨張量が小さい第2層と、を有している。
【0010】
この発明の他の態様に係る画像表示装置は、表示面を有した前面基板およびこの前面基板に対向配置された背面基板を備えた外囲器と、前記背面基板の外面側に固定され、前記外囲器を補強した補強フレームと、を備え、前記補強フレームは、前記背面基板の外面に固定され背面基板と対向した板状のフレーム本体と、それぞれ前記フレーム本体の背面基板と反対側の面に固定された枠部材とを具備し、前記枠部材は、前記フレーム本体に当接した第1層部と、前記第1層部に積層され前記フレーム本体と反対側に位置しているとともに、前記第1層部よりも熱膨張量が小さい第2層部と、を有している。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、補強フレームを熱膨張量の異なる第1層および第2層によって2層構造とすることにより、外囲器に発生する熱応力を低減することができる。これにより、外囲器を損傷することなく強度向上を図ることができ、信頼性の向上した画像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る画像表示装置をSEDに適用した実施の形態について詳細に説明する。
図1および図2に示すように、SEDは、絶縁基板としてそれぞれ矩形状のガラス基板からなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜2mmの隙間を置いて対向配置されている。前面基板11および背面基板12は矩形の枠状部材13を介して周縁部同士が接合され、前面基板11、背面基板12、枠状部材13で囲まれた空間内部が真空状態に維持された偏平な矩形状の外囲器10を構成している。前面基板11の内面周縁部と枠状部材13との間、および背面基板12の内面周縁部と枠状部材13との間は、例えば、インジウムあるいはインジウム合金等の低融点金属封着材、フリットガラス等の低融点封着材により接合されている。
【0013】
図2に示すように、外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数の板状のスペーサ14が設けられている。これらのスペーサ14は、外囲器10の長辺と平行な方向に配置されているとともに、短辺と平行な方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。なお、スペーサ14の形状については、特にこれに限定されるものではなく、例えば、柱状のスペーサ等を用いることもできる。
【0014】
前面基板11の内面側には表示面として機能する蛍光体スクリーン15が設けられている。この蛍光体スクリーン15は、赤、緑、青に発光する蛍光体層16およびマトリクス状の黒色光吸収層17を有している。蛍光体スクリーン15上には、アルミニウム等からなるメタルバック20が形成され、更に、メタルバック20に重ねて図示しないゲッター膜が形成されている。
【0015】
背面基板12の内面側には、蛍光体層16に電子を衝突させて励起する電子放出源として多数の表面伝導型の電子放出素子18が設けられている。電子放出素子18は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列され、それぞれの蛍光体層16と対向して位置している。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、図1に示すように、背面基板12の内面上には、電子放出素子18を駆動する多数の配線21がマトリックス状に形成され、その端部は背面基板12の周縁部に引出されている。
【0016】
上記のように構成されたSEDにおいて、画像を表示する場合、メタルバック20にアノード電圧が印加され、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーン15へ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16が励起されて発光し、画像を表示する。
【0017】
図2ないし図5に示すように、SEDは、背面基板12の外面側に取付けられ外囲器10を補強した補強フレーム30を備えている。ここで、前面基板11の内面側および背面基板12の内面側とは、前面基板11と背面基板12とが対向する内側を示し、前面基板11の外面側および背面基板12の外面側とは、前面基板11と背面基板12とが対向する内側と反対側をそれぞれ示している。
【0018】
補強フレーム30は、背面基板12とほぼ同一の大きさの矩形板状に形成されたフレーム本体31と、それぞれフレーム本体31の外面に固定された細長い一対の第1枠部材32および細長い一対の第2枠部材34と、を有している。
【0019】
フレーム本体31は、背面基板12側に位置した第1層31aと、反対側に位置した第2層31bとを積層した2層構造を有している。第1層31aは、第2層31bよりも線熱膨張係数の大きい金属により形成されているとともに、第2層31bよりも厚く形成されている。第1層31aの線熱膨張係数は、第2層31bの線熱膨張係数の約1.2〜5倍に設定されている。本実施形態において、第1層31aは板厚1.0mmのアルミニウム板により形成され、第2層31bは板厚0.5mmの鋼板により形成されている。第1層31aおよび第2層31bは、接着あるいは溶接等によって互いに固定されている。これにより、フレーム本体30は、全体として板厚1.5mmに形成されている。
【0020】
第1枠部材32および第2枠部材34は、それぞれ矩形状の横断面を有した中空の棒状に構成されている。第1枠部材32は、それぞれフレーム本体31の長辺と間隔を置いてこの長辺と平行に延びている。第2枠部材34は、それぞれフレーム本体31の短辺と間隔を置いてこの短辺と平行に延びている。図2および図3に示すように、各第2枠部材34の両端部はそれぞれ第1枠部材32に固定され、第1枠部材を互いに連結している。これにより、第1および第2枠部材32、34は、全体としてほぼ井形状に形成されている。
【0021】
第1枠部材32は、外囲器10の背面基板12側、つまり、フレーム本体31側に位置した第1層部32aと、反対側に位置した第2層部32bとを積層した2層構造を有している。第1層部32aの線熱膨張係数は、第2層部32bの線熱膨張係数の約1.2〜5倍に設定されている。本実施形態において、第1層部32aはアルミニウムを押し出し成形して形成され、第2層部32bは、例えば、鋼板を板金することにより形成されている。第1層部32aおよび第2層部32bは、接着あるいは溶接等によって互いに固定されている。
【0022】
同様に、第2枠部材34は、外囲器10の背面基板12側、つまり、フレーム本体31側に位置した第1層部34aと、反対側に位置した第2層部34bとを積層した2層構造を有している。第1層部34aの線熱膨張係数は、第2層部34bの線熱膨張係数の約1.2〜5倍に設定されている。本実施形態において、第1層部34aはアルミニウムを押し出し成形して形成され、第2層部34bは、例えば、鋼板を板金することにより形成されている。第1層部34aおよび第2層部34bは、接着あるいは溶接等によって互いに固定されている。
【0023】
第1および第2枠部材32、34が取り付けられている部分を除いて、フレーム本体31の複数箇所には後述するスタッドが埋め込まれ、フレーム本体31の表面から外方に突出している。
【0024】
図4および図5に示すように、各第1枠部材32は矩形の横断面形状に形成され、フレーム本体31に当接した底壁33a、この底壁33aと直交して延びた一対の側壁33b、底壁と対向した隔壁33cを有している。各第1枠部材32は、側壁33bの下端から底壁33aと平行に、つまり、フレーム本体31の表面に沿ってそれぞれ延出した延出部36を有している。第1枠部材32の各壁および延出部36は、例えば、1.5mmの板厚に形成されている。各延出部36の延出端は肉厚に形成され、部品取り付け部38を構成している。この部品取り付け部38は、フレーム本体31の表面と直交する方向に対して付帯部品をねじ止め可能な厚さ、例えば、5mmに形成され、また、幅5mmに形成されている。部品取り付け部38を一体に備えた各延出部36は、第1枠部材32の全長に渡って延びている。
【0025】
図5に示すように、第1枠部材32の各延出部36は、その複数箇所がリベット41によってフレーム本体31にリベット止めされている。これにより、第1枠部材32は、底壁33aおよび延出部36がフレーム本体31の表面、つまり、第2層31bの表面に当接した状態でフレーム本体に固定されている。
【0026】
図4および図5に示すように、各第2枠部材34は矩形の横断面形状に形成され、フレーム本体31に当接する底壁35a、この底壁35aと直交して延びた一対の側壁35b、および底壁35aと対向した隔壁35cを有している。各第2枠部材34は、側壁35bの下端から底壁35aと平行に、つまり、フレーム本体31の第2層31b表面に沿ってそれぞれ延出した延出部36を有している。第2枠部材34の各壁および延出部36は、例えば、1.5mmの板厚に形成されている。各延出部36の延出端は肉厚に形成され、部品取り付け部38を構成している。この部品取り付け部38は、フレーム本体31の表面と直交する方向に対して付帯部品をねじ止め可能な厚さ、例えば、5mmに形成され、また、幅5mmに形成されている。部品取り付け部38を一体に備えた各延出部36は、第2枠部材34の全長に渡って延びている。
【0027】
第2枠部材34の各延出部36は、その複数箇所が図示しないリベットによってフレーム本体31にリベット止めされている。これにより、第2枠部材34は、底壁35aおよび延出部36がフレーム本体31の第2層31b表面に当接した状態でフレーム本体に固定されている。
【0028】
図2および図5に示すように、補強フレーム30のフレーム本体31は、接着剤51、両面テープ52等により背面基板12の外面側に複数箇所を貼付することにより外囲器10に固定されている。この際、フレーム本体31の第1層31aが背面基板12側に位置した状態で固定されている。接着剤51、両面テープ52の部分を除いて、フレーム本体31は僅かな隙間を置いて背面基板12と対向している。接着剤51の厚さは、スペーサとしても機能する両面テープ52により一定の厚さに制御されている。外囲器10に固定した状態において、フレーム本体31は背面基板12全体を覆っているとともに、その長辺および短辺は背面基板の長辺および短辺とほぼ平行に延びている。
【0029】
一対の第1枠部材32はそれぞれ背面基板12の長辺とほぼ平行に延び、一対の第2枠部材34はそれぞれ背面基板の短辺とほぼ平行に延びている。各第1枠部材32は、背面基板12の対応する長辺から所定間隔だけ離間して配置され、同様に、各第2枠部材34は、背面基板12の対応する短辺から所定間隔だけ離間して配置されている。
【0030】
図2ないし図5に示すように、補強フレーム30のフレーム本体31上には、メイン電源50a、高圧電源50b、Xドライバ基板50c、Yドライバ基板50d、アナログ基板50e、制御基板50f等を含む種々の付帯部品50が取り付けられている。付帯部品50の大部分は、第1あるいは第2枠部材32、34の部品取り付け部38とフレーム本体31に埋め込まれたスタッド54とに跨って取り付けられている。
【0031】
例えば、付帯部品50としてのアナログ基板50eは、平坦な支持板56上に固定されている。この支持板56は、その一側縁部が第1枠部材32の部品取り付け部38上に載置され複数のねじ60により部品取り付け部38にねじ止めされている。支持板56の反対側の側縁部は、その複数箇所が、フレーム本体31に埋め込まれた複数のスタッド54にねじ止めされている。各スタッド54の高さは部品取り付け部38の厚さとほぼ等しく形成されている。これにより、支持板56は、フレーム本体31とほぼ平行に対向した状態で、部品取り付け部38およびスタッド54に固定されている。
【0032】
なお、支持板56を用いることなく、アナログ基板50eを直接、部品取り付け部38およびスタッド54にねじ止め固定しても良く、あるいは、部品取り付け部38のみに固定してもよい。他の付帯部品50も同様に、第1あるいは第2枠部材32、34の部品取り付け部38およびスタッド54に直接、あるいは支持板56を介して取り付けられている。
【0033】
上記のように構成されたSEDによれば、大画面化に伴い外囲器10が大型化した場合でも、補強フレーム30を設けることにより充分な強度を維持することができる。そして、必要最小限の最適な補強フレームとし、SED全体の軽量化および薄型化を図りながら、装置の機械的強度向上および共振防止を実現することができる。アルミニウムで形成されたフレーム本体31を背面基板12の全面と対向配置することにより、SEDの電磁シールドを兼ねることができる。
【0034】
SEDの動作中において、外囲器10および補強フレーム30が加熱された場合、外囲器の前面基板11および背面基板12は、前面側に凸となる反りを生じる。また、補強フレーム30のフレーム本体31は、2層構造を有し、外囲器10側の第1層31aが反対側に位置した第2層31bよりも熱膨張量が大きくなるように形成されている。そのため、フレーム本体31は加熱されると、バイメタル効果により、外囲器10側に凸となる反りを生じる。同様に、第1および第2枠部材32、34は、それぞれ2層構造を有し、外囲器10側の第1層部32a、34aが外囲器と反対側に位置した第2層部32b、34bよりも熱膨張量が大きくなるように形成されている。そのため、第1および第2枠部材32、34は加熱されると、バイメタル効果により、外囲器10側に凸となる反りを生じる。補強フレーム30の反り量は、2層構造を構成している第1および第2層、あるいは、第1層部および第2層部の材質、あるいは、厚さを変えることにより適宜調整することができる。
【0035】
このように、外囲器10が熱膨張により変形した場合でも、これに併せて補強フレーム30が熱変形するため、外囲器の熱変形に対する補強フレームの拘束力を弱め、外囲器に作用する熱応力を低減することができる。従って、外囲器10が熱膨張した場合でも、外囲器の損傷、および前面基板と背面基板とのアライメントずれを防止することができする。これにより、外囲器の強度向上を図り、信頼性の向上したSEDが得られる。同時に、アライメントずれによるが画像劣化を防止し、表示品位の向上したSEDが得られる。
【0036】
この発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0037】
例えば、フレーム本体および枠部材の2層構造において、材質は、アルミニウムと鋼板との組み合わせに限らず、外囲器側に位置する第1層、あるいは第1層部の熱膨張量が第2層あるいは第2層部よりも大きくなる組み合わせであれば、他の材料を用いてもよい。 第1層、第1層部の熱膨張量がそれぞれ第2層、第2層部の熱膨張量よりも大きい場合、必ずしも
第1層の熱膨張係数>第2層の熱膨張係数、
第1層厚さ>第2層厚さ
第1層部の熱膨張係数>第2層部の熱膨張係数、
の関係を満たさなくてもよい。
【0038】
また、上述した実施形態では、フレーム本体および第1、第2枠部材の両方を2層構造としたが、フレーム本体のみ、あるいは第1、第2枠部材のみを2層構造としてもよい。この場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
この発明は、FEDやSEDに限らず、例えば、PDPのような他の平面型画像表示装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、この発明の実施形態に係るSEDの外観を示す斜視図。
【図2】図2は、図1の線A−Aに沿ったSEDの断面図。
【図3】図3は、前記SEDの背面側および補強フレームを示す斜視図。
【図4】図4は、前記補強フレームの一部を拡大して示す斜視図。
【図5】図5は、前記補強フレームにおける枠部材とフレーム本体との取り付け構造、および付帯部品の取り付け構造を示す断面図。
【符号の説明】
【0040】
10…外囲器、 11…前面基板、 12…背面基板、 15…蛍光体スクリーン、
18…電子放出素子、 30…補強フレーム、 31…フレーム本体、
31a…第1層、 31b…第2層、 32…第1枠部材、
32a、34a…第1層部、 32b、34b…第2層部、 34…第2枠部材、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面を有した前面基板およびこの前面基板に対向配置された背面基板を備えた外囲器と、前記背面基板の外面側に固定され、前記外囲器を補強した補強フレームと、を備え、
前記補強フレームは、前記背面基板の外面に固定された板状のフレーム本体を有し、前記フレーム本体は、前記背面基板に対向した第1層と、前記第1層に積層され前記背面基板と反対側に位置しているとともに、前記第1層よりも熱膨張量が小さい第2層と、を有している画像表示装置。
【請求項2】
前記本体フレームの第1層および第2層は、前記背面基板とほぼ等しい形状および寸法に形成され、前記第1層は前記背面基板の外面に貼付されている請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記補強フレームは、それぞれ前記フレーム本体の背面基板と反対側の面に固定された複数の細長い枠部材を備え、各枠部材は、前記フレーム本体に当接した第1層部と、前記第1層部に積層され前記フレーム本体と反対側に位置しているとともに、前記第1層部よりも熱膨張量が小さい第2層部と、を有している請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記枠部材は、前記フレーム本体に固定され、それぞれ上記背面基板の長辺に沿って延びた一対の第1枠部材と、前記フレーム本体に固定され、それぞれ上記背面基板の短辺に沿って延びているとともに前記一対の第1枠部材を連結した一対の第2枠部材と、を含んでいる請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
表示面を有した前面基板およびこの前面基板に対向配置された背面基板を備えた外囲器と、前記背面基板の外面側に固定され、前記外囲器を補強した補強フレームと、を備え、
前記補強フレームは、前記背面基板の外面に固定され背面基板と対向した板状のフレーム本体と、前記フレーム本体の背面基板と反対側の面に固定された枠部材とを具備し、前記枠部材は、前記フレーム本体に当接した第1層部と、前記第1層部に積層され前記フレーム本体と反対側に位置しているとともに、前記第1層部よりも熱膨張量が小さい第2層部と、を有している画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−215193(P2006−215193A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−26623(P2005−26623)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】