説明

画像表示装置

【課題】階調数が増加しても表示駆動制御回路を小型且つ安価とすることができる画像表示方法および装置を提供する。
【解決手段】多階調を表す表示データDが、それを構成するビット列のうち連続しない順位の複数のビットを含む第1ビット群と、そのビット列のうちその第1ビット群を構成するビットを除く複数ビットを含む第2ビット群とに分割されて入力端子に交互に供給され、所定の発光体22に繰り返し割り当てられる発光制御区間内に設定された第1区間K1において、第1ビット群に対応する輝度階調で所定の発光体22を発光させ、さらに、発光制御区間内の第2区間K2において、第2ビット群に対応する相対的に細かな輝度階調でその所定の発光体22を発光させる。階調数が増加しても表示駆動制御回路30を小型且つ安価なものとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光表示管、PDP、LCD等の制御電極と発光点電極群がX−Yマトリックスを構成する表示装置において、輝度階調表示を行うための画像表示方法および画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数の画素をそれぞれ構成するために一面に多数配列された発光体と、その発光体を発光させるために供給される表示データのビット数に対応する複数の入力端子およびその入力端子に対応する複数の並列信号処理回路を有して表示データが示す輝度階調に対応したパルス幅で発光体を駆動する表示駆動制御回路とを備え、その表示データが示す輝度階調を有する画像を蛍光表示管に表示させるパルス幅変調階調表示方法が知られている。たとえば、特許文献1に記載されたものがそれである。
【特許文献1】特開2003−131621号公報
【0003】
上記パルス幅変調階調表示方法によれば、重み付けした期間により1表示周期当たりのデータ転送回数が大幅に減少し、制御回路の負担が軽減されるなどの特徴がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来のパルス幅変調階調表示方法に用いられる回路では、輝度階調を示す表示データを入力させるためにその表示データを構成するビット数に対応する数の入力端子と、それに続く複数の並列信号処理回路とを含む表示駆動制御回路が備えられている。しかしながら、表示データが示す輝度階調が増加してそのビット数が多くなるにしたがって、上記入力端子およびそれに続く複数の並列信号処理回路の数が比例的に増加することから、表示駆動制御回路の回路規模が大きくなるとともに、コストが高くなるという不都合があった。たとえば、8階調の表示データは3ビットで構成されるので、入力端子およびそれに続く複数の並列信号処理回路の数は3組あればよいのであるが、64階調の表示データとなると6ビットで構成されるので、入力端子およびそれに続く複数の並列信号処理回路は6組必要となり、表示駆動制御回路の規模が約2倍となる。
【0005】
また、上記表示駆動制御回路が集積回路( IC) 化される場合、多品種に対応できないためにそれぞれの階調数に応じた品種のための表示駆動制御回路を集積回路化しなければならず、この点においても、コストが高くなるという不都合があった。
【0006】
上記に対し、多階調を表す表示データたとえば上記64階調の輝度階調を表す表示データを構成する複数のビットすなわち6ビットを上位3ビットの上位ビット群と下位3ビットの下位ビット群とに2分して上記入力端子へ交互に入力させ、第1区間で上位ビット群に対応する相対的に粗い階調で表示させ、第2区間で下位ビット群に対応する相対的に細かな階調で表示させることにより、表示駆動制御回路の規模やコストを増加させないで、64階調の輝度階調を表示させることが、未公知技術ではあるが考えられ得る。しかし、この場合には、第2区間が第1区間に比較して、64階調で表示周期の1/8と短くなることから、この第2区間内に下位3ビットの表示データを送るための時間が不足するので、その第2区間を表示データを受け入れるために第2区間に続く付加期間を設けて下位3ビットの表示データを入力させざるを得ないが、その付加期間は発光に寄与しない無駄な時間となって、画像表示装置の輝度を低下させるという問題がある。なお、上記第2区間を表示させるための表示データを第2区間内に供給するためにクロックを高い周波数に設定することも考えられるが、このような場合には部品が高価となり、コストが高くなる。
【0007】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、階調数が増加しても画像表示装置の輝度を低下させることがなくしかも表示駆動制御回路を小型且つ安価とすることができる画像表示方法およびその方法を実施するための画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1に係る方法発明の要旨とするところは、(a) 多数の画素をそれぞれ構成するために一面に多数配列された発光体と、その発光体を発光させるために供給される表示データが入力される複数の入力端子およびその入力端子に対応する並列信号処理回路を有してその表示データが示す輝度階調に対応した時間割合でその発光体を駆動する表示駆動制御回路とを備え、その表示データが示す輝度階調を有する画像を表示する画像表示方法であって、(b) 前記入力端子の数に対応するビット数で表される階調数よりも多い階調を表す表示データを、その表示データを構成するビット列のうち連続しない順位の複数のビットを含む第1ビット群と、その表示データを構成するビット列のうち該第1ビット群を構成するビットを除く複数ビットを含む第2ビット群とに2分割して前記入力端子に交互に供給し、(c) 前記多数の発光体のうちの所定の発光体に繰り返し割り当てられる発光制御区間内に設定された第1区間において、前記表示データの第1ビット群を前記入力端子に供給してその第1ビット群に対応する輝度階調でその所定の発光体を発光させ、(d) 前記発光制御区間内において前記第1区間に続いて設定された第2区間において、前記表示データの第2ビット群を前記入力端子に供給してその第2ビット群に対応する輝度階調で該所定の発光体を発光させることにある。
【0009】
また、上記方法発明を好適に実施するための請求項2に係る装置発明の要旨とするところは、(a) 多数の画素をそれぞれ構成するために一面に多数配列された発光体と、その発光体を発光させるために供給される表示データが入力される複数の入力端子およびその入力端子に対応する並列信号処理回路を有してその表示データが示す輝度階調に対応した時間割合でその発光体を駆動する表示駆動制御回路とを備え、その表示データが示す輝度階調を有する画像を表示する画像表示装置であって、(b) 前記入力端子の数に対応するビット数で表される階調数よりも多い階調を表す表示データを、その表示データを構成するビット列のうち連続しない順位の複数のビットを含む第1ビット群と、その表示データを構成するビット列のうち該第1ビット群を構成するビットを除く複数ビットを含む第2ビット群とに2分割して前記入力端子に交互に供給する表示データ供給手段と、(c) 前記多数の発光体のうちの所定の発光体に繰り返し割り当てられる発光制御区間内に設定された第1区間において、前記第1ビット群の表示データを前記入力端子に供給してその第1ビット群に対応する輝度階調でその所定の発光体を発光させる第1区間発光制御手段と、(d) 前記発光制御区間内において前記第1区間に続いて設定された第2区間において、前記第2ビット群の表示データを前記入力端子に供給してその第2ビット群に対応する輝度階調でその所定の発光体を発光させる第2区間発光制御手段とを、含むことにある。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明、および請求項2に係る発明によれば、入力端子の数に対応するビット数で表される階調数よりも多い階調を表すためにその入力端子の数に対応するビット数よりも多いビット数から成る表示データが、その表示データを構成するビット列のうち連続しない順位の複数のビットを含む第1ビット群と、その表示データを構成するビット列のうち該第1ビット群を構成するビットを除く複数ビットを含む第2ビット群とに2分割されて前記入力端子に交互に供給され、前記多数の発光体のうちの所定の発光体に繰り返し割り当てられる発光制御区間内に設定された第1区間において、前記第1ビット群の表示データに対応する輝度階調で該所定の発光体を発光させ、前記発光制御区間内において前記第1区間の前或いは後に続いて設定された第2区間において、前記第2ビット群の表示データに対応する輝度階調で該所定の発光体を発光させることから、上記表示データの階調数を示すビット数よりも少ない数の入力端子およびそれに続く信号処理回路とを含む表示駆動制御回路でよいので、階調数が増加しても表示駆動制御回路を小型且つ安価なものとすることができる。また、第1区間の輝度階調を制御する第1ビット群は表示データを構成する複数のビットのうちのそのビット列のうち連続しない順位の複数のビットを含んで構成され、第2区間の輝度階調を制御する第2ビット群は表示データを構成する複数のビットのうち第1ビット群を構成するビットを除く複数ビットを含んで構成されることから、第2区間は、第2ビット群が表示データを構成する複数のビットのうちの下位ビット群で構成される場合に比較して、時間が長くなって第1表示区間の長さに近づくので、画像表示装置の輝度を低下させたり、その第2区間を表示させるための表示データを供給するためにクロックを高い周波数としたりする必要がなく、一層、表示駆動制御回路を小型且つ安価なものとすることができる。
【0011】
ここで、好適には、第1区間の輝度階調を制御する第1ビット群は表示データを構成する複数のビットのうちの最上位ビットおよび最下位ビットを含んで構成され、第2区間の輝度階調を制御する第2ビット群は表示データを構成する複数のビットのうち第1ビット群を構成するビットに挟まれた中間位の複数ビットを含んで構成されることから、第2区間は、第2ビット群が表示データを構成する複数のビットのうちの下位ビット群で構成される場合に比較して、時間が長くなって第1表示区間の長さに近づくので、画像表示装置の輝度を低下させたり、その第2区間を表示させるための表示データを供給するためにクロックを高い周波数としたりする必要がなく、一層、表示駆動制御回路を小型且つ安価なものとすることができる。
【0012】
また、好適には、(a) 前記第1区間発光制御手段は、前記第1区間内において時間経過とともに段階的に減少するタイミングを表す第1GCP信号を出力するものであり、(b) 前記第2区間発光制御手段は、前記第2区間内において時間経過とともに段階的に減少するタイミングを表す第2GCP信号を出力するものであり、(c) 前記表示駆動制御回路は、前記第1区間内において前記第1GCP信号と前記第1ビット群とを比較して該第1GCP信号が該第1ビット群が示す値以下となると比較信号を出力するとともに、前記第2区間において前記第2GCP信号と前記第2ビット群とを比較してその第2GCP信号がその第2ビット群が示す値以下となると比較信号を出力する発光パルス幅制御回路と、その発光パルス幅制御回路の比較信号の出力に応答して前記発光素子を点灯させる駆動回路とを、備えるものである。このようにすれば、第1区間において比較信号が出力されてからその第1区間が終了するまでの間と、第2区間において比較信号が出力されてからその第2区間が終了するまでの間とが加えられた区間が、前記発光素子の点灯区間となるので、表示データが示す階調数の表示が得られる。
【0013】
また、好適には、(a) 前記第1区間発光制御手段は、前記第1区間内において時間経過とともに段階的に増加するタイミングを表す第1GCP信号を出力するものであり、(b) 前記第2区間発光制御手段は、前記第2区間内において時間経過とともに段階的に増加するタイミングを表す第2GCP信号を出力するものであり、(c) 前記表示駆動制御回路は、前記第1区間内において前記第1GCP信号と前記第1ビット群とを比較して該第1GCP信号が該第1ビット群が示す値を超えると比較信号を出力するとともに、前記第2区間において前記第2GCP信号と前記第2ビット群とを比較して該第2GCP信号が該第2ビット群が示す値を超えると比較信号を出力する発光パルス幅制御回路と、該発光パルス幅制御回路の比較信号の出力に応答して前記発光素子を消灯させる駆動回路とを、備えるものである。このようにすれば、第1区間においてその第1区間の開始から比較信号が出力されるまでの間と、第2区間においてその第2区間の開始から比較信号が出力されるまでの間とが加えられた区間が、前記発光素子の点灯区間となるので、表示データが示す階調数の表示が得られる。
【0014】
また、好適には、(a) 前記多数配列された発光体は、蛍光表示管の陽極上に設けられてその蛍光表示管のカソードから発生し且つ複数の制御グリッドのいずれかを通して加速された電子が衝突させられることにより発光する蛍光体であり、(b) 前記所定の発光体に割り当てられた発光制御区間は、前記制御グリッドのうち該所定の発光体を覆う制御グリッドに加速電圧が印加される区間であり、(c) 前記複数の制御グリッドに制御電圧パルスを順次且つ繰り返し印加して前記多数配列された発光体のうちの発光可能な発光体を順次選択するグリッド切換手段をさらに含むものである。このようにすれば、蛍光表示管の蛍光体が、表示データの階調数を示すビット数よりも少ない数の入力端子およびそれに続く信号処理回路とを含む表示駆動制御回路を用いて、その表示データの階調数で表示される。
【0015】
また、好適には、前記グリッド切換手段は、前記第1区間とそれに続く第2区間とに対応する時間幅の1つの制御電圧パルスを前記複数の制御グリッドに順次且つ繰り返し印加するものである。このようにすれば、発光体が、表示データの階調数を示すビット数よりも少ない数の入力端子およびそれに続く信号処理回路とを含む表示駆動制御回路を用いて、その表示データの階調数で表示される。
【0016】
また、好適には、前記グリッド切換手段は、前記第1区間に対応する時間幅の第1制御電圧パルスを前記複数の制御グリッドに順次印加し、それに続いて前記第2区間に対応する時間幅の第2制御電圧パルスを前記複数の制御グリッドに順次印加することを、繰り返し行うものである。このようにしても、発光体が、表示データの階調数を示すビット数よりも少ない数の入力端子およびそれに続く信号処理回路とを含む表示駆動制御回路を用いて、その表示データの階調数で表示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施例の画像表示装置を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の一実施例の画像表示装置10が、単純マトリックス駆動にて画像表示が行われる代表的な蛍光表示管12を備えた例を示している。図1において、蛍光表示管12は、画像表示器として機能するものであり、カソード電源14にトランスを介して接続された電子源である図示しないカソードと、複数本のグリッド用リード線16に接続された複数のグリッドGnと、複数本のアノード用リード線18に接続された複数のアノードとを、たとえば一対のガラス板がスペーサを介して結合されることにより構成された図示しない真空容器内に備えている。図2において、一対のガラス板の一方であるガラス基板20には、多数のアノード電極パターン上に形成された蛍光体層からなるドット状の多数の発光素子22が一面に配設されている。その発光素子22の上に所定の間隙を隔てた縦方向の複数のグリッドGnがガラス基板20に固着されており、それら複数のグリッドGnの上に所定の間隙を隔てたカソードが交差する方向に架設されている。上記ガラス基板20には、多数の発光素子22のうち、横方向に配列されたものの中で所定の間隔に位置するもの、たとえば図2のaに示す複数のものに接続されたアノード端子A1a、図2のbに示す複数のものに接続されたアノード端子A1b、図2のcに示す複数のものに接続されたアノード端子A1c等が、発光素子22の横一列毎に設けられている。制御電圧が印加されたグリッドGnの下に位置する発光素子22の中で加速( アノード) 電圧が印加されたものが発光するようになっている。上記画像表示器として機能する蛍光表示管12では、1つの発光素子22が1つの表示画素として機能している。
【0019】
図1に戻って、表示制御装置26は、CPU、RAM、ROM、入出力I/Fを備えた所謂マイクロコンピュータから成る電子制御装置であり、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、表示制御サイクルの切換タイミングで僅かな時間区間の表示を禁止するためのBK(ブランキング)信号、表示データDが表す多段階の輝度階調に対応した発光時間( パルス幅)を形成するために時間経過に伴ってたとえば「35」から「0」に向かって段階的に減少するタイミングパルスを示すGCP( グレースケールコントロールパルス)信号、LAT(ラッチ)信号、複数のグリッドGnに予め設定された周波数且つ印加時間で制御( 加速) 電圧を順次且つ周期的に印加するグリッドスキャンを行うグリッド信号等を出力する。上記表示データDは、蛍光表示管12に表示させる画像が記憶される1フレームの画像メモリ内の1画素の輝度階調を示すデータであり、各発光素子22毎に時分割で供給される。
【0020】
表示駆動制御回路30は、アノード端子A1a、A1b、A1c等毎にそれぞれ設けられるものであるが、図3では、アノード端子A1aに接続されたものを示している。図3において、表示駆動制御回路30は、64階調の輝度を発光素子22に表示させるためのものであり、加速電圧Vccをアノード端子A1aに印加するためにそのアノード端子A1aに接続されたドライバ( トランジスタ)32と、そのドライバ32を駆動制御するためのIC化された制御回路( ドライバIC)34とを備えている。
【0021】
制御回路34は、たとえば64階調の輝度の発光を表す6ビットb5 〜b0 から構成される表示データDから2分された、最上位ビットb5 および最下位ビットb0 を含む第1ビット群たとえばb5 、b1 、b0 と、それら第1ビット群を構成するビットb5 、b1 、b0 に挟まれた中間位の複数ビットb4、b3、b2を含む第2ビット群とが交互に並列入力される3つの第1入力端子36、第2入力端子38、第3入力端子40と、それら第1入力端子36、第2入力端子38、第3入力端子40にそれぞれ供給された信号をCLK1(クロック)信号に応答して順次記憶するための第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46と、それら第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46の出力信号をLAT信号に応答して所定時間ラッチする第1ラッチ回路48、第2ラッチ回路50、第3ラッチ回路52と、GCP信号を3ビットパラレル信号に変換するパルス幅制御信号発生回路( GCPデコーダ) 54と、その3ビットパラレル信号に変換されたGCP信号と上記3つの第1ラッチ回路48、第2ラッチ回路50、第3ラッチ回路52からの3つのビット信号とを比較し、GCP信号の値がその3つのビット信号が示す値以下となると比較出力( オン出力) をブランキング回路58を介してドライバ32へ出力する発光パルス幅変調回路56とを備えている。ブランキング回路58は、BK(ブランキング)信号に応答して発光パルス幅変調回路56からドライバ32へ供給される信号を遮断し、その間はドライバ32を優先的にオフ状態とする。
【0022】
図3において、タイミング制御手段60、グリッド切換手段62、表示データ供給手段64、発光制御手段66は、前述の表示制御装置26の制御機能の要部を説明するための各機能ブロックである。図4は、表示データ供給手段64の構成例を示す図である。図5は、タイミング制御手段60の一部を構成する2進カウンタ60a と、発光制御手段66の第1区間発光制御手段68および第2区間発光制御手段70との構成を詳しく例示する図である。
【0023】
図4において、表示データ供給手段64は、発光データDを構成する6ビットの信号のうちビットb5 、b4、b1 、b3、b0 、b2が並列的に供給される6個の入力端子64a 、64b 、64c 、64d 、64e 、64f と、第1入力端子36、第2入力端子38、第3入力端子40にそれぞれ接続された出力端子64g 、64h 、64i とを備え、タイミング制御手段60からのタイミング信号に応答して出力端子64i を入力端子64a 又は64b に、出力端子64h を入力端子64c 又は64d に、出力端子64g を入力端子64e 又は64f にそれぞれ切換ることにより、6ビットの発光データDをその最上位ビットb5 および最下位ビットb0 を含む第1ビット群b5 、b1 、b0 と、それら第1ビット群を構成するビットb5 、b1 、b0 に挟まれた中間位の複数ビットb4、b3、b2を含む第2ビット群とに分割してそれを交互に並列出力する。
【0024】
図5において、タイミング制御手段60の一部を構成する2進カウンタ60a からは4 ビットの並列信号である2進カウンタ出力ビットc3 、c2 、c1 、c0 が出力され、その上位3ビットである2進カウンタ出力ビットc3 、c2 、c1 が第1区間発光制御手段68へ供給される。この第1区間発光制御手段68は、2進カウンタ出力ビットc3 、c2 、c1 がそれぞれ入力されるOR素子L1および第1NAND素子L2と、それらOR素子L1および第1NAND素子L2の出力が入力される第2NAND素子L3とを備え、供給された2進カウンタ出力ビットc3 、c2 、c1 から、35乃至32の階調および3乃至0の階調に対応して7段階に減少するタイミングを示すパルスである第1区間K1用の第1GCP信号SG1をパルス幅制御信号発生回路54へ出力する。上記2進カウンタ出力ビットc3 、c2 、c1 、c0 のうちの下位2ビットである2進カウンタ出力ビットc1 、c0 がNOR素子L4を経て切換器L5へ供給される。この切換器L5は、タイミング信号にしたがって第1区間K1では第2NAND素子L3側へ切換えられ、第2区間K2ではNOR素子L4側へ切り換えられる。このNOR素子L4からは、28〜0の階調に対応して4階調毎の等間隔で7段階に減少するタイミングを示すパルスである第2区間用の第2GCP信号SG2を出力するゲート信号が出力されるので、NOR素子L4は第2区間発光制御手段70に対応している。これにより、切換器L5からは、第1区間K1において第1GCP信号SG1を出力するゲート信号が出力され、第2区間K2において第2のGCP信号SG2を出力するゲート信号が出力されて、CLK信号CLK2のゲートを開くAND素子L6を通してそれぞれパルス幅制御信号発生回路54へ供給される。
【0025】
以下、各機能ブロックを図6のタイムチャートを用いて説明する。図6は、複数のグリッドGnに一通り順次グリッド電圧が印加される1表示サイクル内の、3縦列の発光素子22を発光させるために1単位( 1個または隣り合う2個) のグリッドに制御電圧が印加される1つの発光制御区間において、上記各信号のタイミングや発光制御作動を示すタイムチャートを示している。この1つの発光制御区間内において、表示データDの最上位ビットb5 および最下位ビットb0 を含む第1ビット群b5 、b1 、b0 が表す階調を形成するためのドライバパルス幅を形成する第1スキャンが行われる第1区間K1(t3 時点乃至t10時点)と、それら第1ビット群を構成するビットb5 、b1 、b0 に挟まれた中間位の複数ビットb4、b3、b2を含む第2ビット群が表す階調を形成するためのドライバパルス幅を形成する第2スキャンが行われる第2区間K2(t12時点乃至t19時点)とがBK信号パルスを挟んで隣接するように設けられている。
【0026】
タイミング制御手段60は、図6のタイムチャートに示すように、1つの発光制御区間毎に、BK信号、LAT信号、CLK信号CLK1を制御回路34へそれぞれ出力するとともに、グリッド切換手段62、表示データ供給手段64、発光制御手段66に対してそれらの作動開始等を制御するタイミング信号を供給する。
【0027】
タイミング制御手段60は、グリッド切換毎に実行される所定の発光素子22の発光制御区間において、所定パルス幅の第1BK信号SB1を第1区間K1(t3 時点乃至t10時点)に先立つt1 時点で発生させ、第1BK信号SB1と同じパルス幅の第2BK信号SB2を第1区間K1の終了点すなわち第2区間K2(t12時点乃至t19時点)に先立つt10時点において発生させる。
【0028】
前回の発光制御区間内の上記第1区間K1内では、表示データ供給手段64は、今回の発光制御区間内において所定の発光素子22の64階調の点灯輝度を示す6ビットの発光データDを、その最上位ビットb5 および最下位ビットb0 を含む第1ビット群b5 、b1 、b0 と、それら第1ビット群を構成するビットb5 、b1 、b0 に挟まれた中間位の複数ビットb4、b3、b2を含む第2ビット群とに分割し、先ず第2ビット群b4、b3、b2の信号を第1入力端子36、 第2入力端子38、第3入力端子40にそれぞれ供給する。供給された第2ビット群b4、b3、b2の信号は、第1表示データ供給区間TD1におけるCLK信号CLK1の供給に同期して第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46に記憶される。次いで、前回の発光制御区間の第2区間K2では、表示データ供給手段64は、残りの第1ビット群b5、b1、b0の信号を第1入力端子36、第2入力端子38、第3入力端子40にそれぞれ供給する。供給された第1ビット群b5、b1、b0の信号は第2表示データ供給区間TD2におけるCLK信号CLK1の供給に同期して第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46内に上記第2ビット群b4、b3、b2の信号の次に記憶される。今回の発光制御区間内では、表示データ供給手段64は、同様にして、次の発光制御区間内で点灯させるための発光データDを分割し、第1区間K1内では第2ビット群b4、b3、b2を、第2区間K2内では第1ビット群b5 、b1 、b0 を、それぞれ順次第1入力端子36、第2入力端子38、第3入力端子40にそれぞれ供給し、第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46内に順次記憶させる。
【0029】
タイミング制御手段60は、上記第1BK信号SB1の発生中において第1LAT信号SL1を発生させ( t2 時点) 、上記第2BK信号SB2の発生中において第2LAT信号SL2を発生させる( t11時点) 。この第1LAT信号SL1の発生により、第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46内に記憶された発光データDの第1ビット群b5 、b1 、b0 が第1ラッチ回路48、第2ラッチ回路50、第3ラッチ回路52にラッチされ、それら第1ラッチ回路48、第2ラッチ回路50、第3ラッチ回路52により保持された発光データDの第1ビット群b5 、b1 、b0 が第2LAT信号SL2が供給されるまで発光パルス幅制御回路56に供給される。また、この第2LAT信号SL2の発生により、第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46内に記憶された発光データDの第2ビット群b4、b3、b2が第1ラッチ回路48、第2ラッチ回路50、第3ラッチ回路52にラッチされ、それら第1ラッチ回路48、第2ラッチ回路50、第3ラッチ回路52により保持された発光データDの第2ビット群b4、b3、b2が次の第1LAT信号SL1が供給されるまで発光パルス幅制御回路56に供給される。
【0030】
タイミング制御手段60が第1BK信号SB1を立ち下げると( t3 時点) 、グリッド切換手段62は、次の発光制御区間が開始されるまで所定の発光素子22を点灯させるためのグリットGに制御電圧を印加するための信号をグリッドドライバに供給する。同時に、発光制御手段66の第1区間発光制御手段68が、第1GCP信号SG1をパルス幅制御信号発生回路54へ供給を開始し、そのパルス幅制御信号発生回路54から第1GCP信号SG1を3ビットの並列信号に変換させて発光パルス幅制御回路56に供給させる。この第1GCP信号SG1は、前記第1区間K1内において輝度が35、34、33、32、3、2、1、0の階調に対応して減少段階番号「7」、「6」、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」、「0」という7段階で減少するタイミングを示すパルスである第1区間K1用の第1GCP信号SG1を出力する。図6に示す例では、発光データDが示す階調は「37」であり、第1ビット群b5 、b1 、b0 の信号は「1,0,1」、第2ビット群b4、b3、b2は「0,0,1」である場合を示しているので、時刻t5 に至ると、発光パルス幅制御回路56で比較される第1GCP信号SG1と発光データDの第1ビット群b5 、b1 、b0 との間では、第1ビット群b5 、b1 、b0 が示す数が「5」となり、第1GCP信号SG1の減少段階番号5を上まわらなくなってすなわち第1GCP信号SG1の減少段階番号5が第1ビット群b5 、b1 、b0 が示す値「5」以下となって比較信号が出力され、その比較信号に同期してドライバ32が第2BK信号SB2が立ち上がるまでオン状態とされる。このドライバ32のオン区間は64階調の輝度のうちの33に相当する。
【0031】
タイミング制御手段60が第2BK信号SB2を立ち上げ( t10時点) 、その第2BK信号SB2の発生中において第2のLAT信号を発生させる( t11時点) と、この第2のLAT信号の発生により、第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46内に記憶された発光データDの第2ビット群b4、b3、b2の信号が第1ラッチ回路48、第2ラッチ回路50、第3ラッチ回路52にラッチされ、それら第1ラッチ回路48、第2ラッチ回路50、第3ラッチ回路52により保持された発光データDの第2ビット群b4、b3、b2の信号が次の発光制御区間の第1のLAT信号が供給されるまで発光パルス幅制御回路56に供給される。同時に、発光制御手段66の第2区間発光制御手段70が、第2GCP信号SG2をパルス幅制御信号発生回路54へ供給し、そのパルス幅制御信号発生回路54から第2GCP信号SG2を3ビットの並列信号に変換させて発光パルス幅制御回路56に供給させる。この第2GCP信号SG2は、前記第2区間K2内を等分に7分割した時間毎に、輝度が28、24、20、16、12、8、4、0の階調の等減少幅で減少段階番号「7」、「6」、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」、「0」という7段階に第2区間K2内で値を減少させるタイミングを示すパルスである。図6に示す例では、発光データDが示す階調は「37」でありその第2ビット群b4、b3、b2の信号は「0,0,1」で減少段階番号「1」である場合を示しているので、時刻t18に至ると、発光パルス幅制御回路56で比較される第2GCP信号SG2 の減少段階番号と発光データDの第2ビット群b4、b3、b2の信号との間では、第2ビット群b4、b3、b2が示す数が第2GCP信号SG2を上まわらなくなってすなわち第2GCP信号SG2が第2ビット群b4、b3、b2が示す値以下となって比較信号が出力され、その比較信号に同期してドライバ32が第2区間K2が終了するまでオン状態とされる。このドライバ32のオン区間は64階調の輝度のうちの4に相当する。
【0032】
発光素子22には、上記第1区間K1のドライバ32のオン状態と第2区間K2のドライバ32のオン状態とに対応する発光パルスである駆動電圧が印加されるので、その発光素子22は上記発光データDが示す、第1区間K1の階調「33」と第2区間k2の階調「4」の和である階調「37」に対応するデューティ比で駆動され、その発光データDが示す階調「37」に対応する輝度で発光させられる。
【0033】
図7は、表示制御装置26の制御機能の要部を説明するためのフローチャートである。図7において、タイミング制御手段60に対応するステップS1( 以下、ステップを省略する) およびS2では、一定時間幅の第1BK信号SB1が出力されるとともに、その第1BK信号SB1の発生中に第1のLAT信号が出力される( 図6のt1 時点乃至t2 時点) 。次いで、グリッド切換手段62に対応するS3では、第1区間K1において発光素子22を発光させるためのグリッドに制御電圧が印加される。続いて、第1区間発光制御工程或いは前記第1区間発光制御手段68に対応するS4において、第1GCP信号SG1が出力され、この第1区間K1に先立つ前回の発光制御区間の第2区間K2において第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46内に記憶され第1ビット群b5 、b1 、b0 が示すパルス幅のドライバ32の駆動パルス、発光パルスが得られるように第1スキャンが行われる( 図6のt3 時点乃至t10時点) 。
【0034】
上記S4と同時進行的に、表示データ供給工程或いは前記表示データ供給手段64に対応するS5においては、上記第1区間K1において、次の発光制御区間K2において使用される表示データDである第2ビット群b4、b3、b2が第1入力端子36、第2入力端子38、第3入力端子40に供給され、第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46内に記憶されるようにする。上記第2ビット群b4、b3、b2の供給は、図6の第1区間K1内すなわちt3 時点とt10時点との間の第1表示データ供給区間TD1において実行される。
【0035】
このようにして第1区間K1が終了すると、タイミング制御手段60に対応するステップS6およびS7では、一定時間幅の第2BK信号SB2が出力されるとともに、その第2BK信号SB2の発生中に第2のLAT信号が出力される( 図6のt10 時点乃至t11時点) 。そして、第2区間発光制御工程或いは前記第2区間発光制御手段70に対応するS8では、第2区間K2において、第2GCP信号SG2が出力され、上記第1区間において第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46内に記憶された発光データDのうちの第2ビット群b4、b3、b2が示すパルス幅のドライバ32の駆動パルス、発光パルスが得られるように第2スキャンが行われる( 図6のt12時点乃至t19時点) 。そして、上記S8と同時進行的に、表示データ供給工程或いは前記表示データ供給手段64に対応するS9においては、上記第2区間K2において、次の第1区間K1において使用される表示データDである第1ビット群b5、b1、b0が第1入力端子36、第2入力端子38、第3入力端子40に供給され、第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46内に記憶されるようにする。この第1ビット群b5、b1、b0の供給は、図6の第2区間K2内すなわちt12時点とt19時点との間の第2表示データ供給区間TD2において実行される。ここで、たとえば、蛍光表示管12の縦方向の発光素子22の数を64個( ドット)であるとすると、発光素子22の1個当たりの輝度を示すために3ビット必要であるので、発光素子22の縦1列当たり合計492ビットの表示データが第1区間K1内或いは第2区間K2内において供給される。
【0036】
上述のように、本実施例によれば、入力端子36、38、40の数に対応する3ビットで表される階調数「8」よりも多い階調「64」を表す表示データDが第1ビット群b5 、b1 、b0 と第2ビット群b4、b3、b2とに分割されて第1入力端子36、第2入力端子38、第3入力端子40に交互に供給され、多数の発光素子のうちの所定の発光素子22に繰り返し割り当てられる発光制御区間内に設定された第1区間K1において、第2区間K2で記憶された第1ビット群b5 、b1 、b0 の表示データに対応する輝度階調で所定の発光素子22を発光させ、さらに、その第1区間K1に続く第2区間K2において、その第1区間K1で記憶された第2ビット群b4、b3、b2の表示データに対応する輝度階調でその所定の発光素子22を発光させることから、上記表示データDの階調数を示すビット数よりも少ない数の入力端子36、38、40およびそれに続く並列信号処理回路( 第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46、および第1ラッチ回路48、第2ラッチ回路50、第3ラッチ回路52)とを含む表示駆動制御回路30でよいので、階調数が増加しても表示駆動制御回路30を小型且つ安価なものとすることができる。
【0037】
また、本実施例によれば、第1区間K1において輝度階調を制御する第1ビット群b5 、b1 、b0 は表示データDを構成する複数のビットのうちの最上位ビットb5 および最下位ビットb0 を含んで構成され、第2区間K2において輝度階調を制御する第2ビット群b4、b3、b2は表示データDを構成する複数のビットのうち第1ビット群を構成するビットb5 、b1 、b0 に挟まれた中間位の複数ビットb4、b3、b2を含んで構成されることから、第2区間K2は、第2ビット群b4、b3、b2が表示データDを構成する複数のビットのうちの下位ビット群b2、b1 、b0 で構成される場合に比較して、時間が長くなって第1区間K1の長さに近づくので、画像表示装置10の輝度を低下させたり、その第2区間K2を表示させるための表示データDを供給するためにクロックを高い周波数としたりする必要がなく、一層、表示駆動制御回路30を小型且つ安価なものとすることができる。
【0038】
因みに、表示駆動制御回路30において、表示データDが上位ビット群b5 、b4、b3と下位ビット群b2、b1 、b0 とに2分割されて第1入力端子36、第2入力端子38、第3入力端子40へ交互に入力されるように構成されている場合は、輝度階調を表現するために下位ビット群b2、b1 、b0 が表す輝度階調幅は小さくなることから、輝度階調表示制御に関しては第2BK信号SB2と第1BK信号SB1との間の第2区間K2が64階調で表示周期の1/8と短くなる一方で、その第2区間K2内に下位ビット群b2、b1 、b0 を第1入力端子36、第2入力端子38、第3入力端子40を経て第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46内に順次記憶されるように供給しようとすると、比較的長い図6に示す第2表示データ供給区間TD2と同様の期間を必要とする。しかし、クロック等を高い周波数の置換しない限りその第2表示データ供給区間TD2は上記第2BK信号SB2と第1BK信号SB1との間の時間幅よりも大きくなることから、図8に示すように、下位ビット群b2、b1 、b0 を供給するための付加期間TFを第2区間K2に続けて設けて第2表示データ供給区間TD2を確保する必要があった。この付加期間TFは、上位ビット群b5、b4、b3を第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46へ供給するための期間であって蛍光表示管12の発光に何ら寄与するものではないので、発光素子22の発光デューティを低下させ、蛍光表示管12の輝度を低下させていたのである。
【0039】
また、本実施例によれば、(a) 第1区間発光制御手段68は、第1区間K1内において時間経過とともに段階的に減少するタイミングを表す第1GCP信号SG1を出力するものであり、(b) 第2区間発光制御手段70は、第2区間K2内において時間経過とともに段階的に減少するタイミングを表す第2GCP信号SG2を出力するものであり、(c) 表示駆動制御回路30は、第1区間K1内において第1GCP信号SG1が示す減少段階番号と第1ビット群b5 、b1 、b0 とを比較してその第1GCP信号SG1が示す減少段階番号がその第1ビット群b5 、b1 、b0 が示す値以下となると比較信号を出力するとともに、第2区間K2において第2GCP信号SG2が示す減少段階番号と第2ビット群b4、b3、b2とを比較してその第2GCP信号SG2が示す減少段階番号がその第2ビット群b4、b3、b2が示す値以下となると比較信号を出力する発光パルス幅制御回路56と、その発光パルス幅制御回路56からの比較信号の出力に応答して発光素子22を点灯させる発光パルスを出力するドライバ( 駆動回路) 32とを、備えるものである。このため、第1区間K1において比較信号が出力されてからその第1区間K1が終了するまでの間と、第2区間K2において比較信号が出力されてからその第2区間2が終了するまでの間とが加えられた区間が、発光素子22の点灯区間となるので、表示データDが示す階調数の表示が得られる。
【0040】
また、本実施例によれば、(a) 多数配列された発光素子22は、蛍光表示管12の陽極上に設けられてその蛍光表示管12のカソードから発生し且つ複数の制御グリッドGnのいずれかを通して加速された電子が衝突させられることにより発光する蛍光体であり、(b) 所定の発光素子22に割り当てられた発光制御区間は、制御グリッドGnのうち所定の発光素子22を覆う制御グリッドGに加速電圧が印加される区間であり、(c) 複数の制御グリッドGnに制御電圧パルスを順次且つ繰り返し印加して多数配列された発光素子22のうちの発光可能な発光素子22を順次選択するグリッド切換手段62をさらに含むものである。このため、蛍光表示管12の蛍光体が、表示データDの階調数を示すビット数よりも少ない数の第1入力端子36、第2入力端子38、第3入力端子40およびそれに続く並列信号処理回路( 第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46、および第1ラッチ回路48、第2ラッチ回路50、第3ラッチ回路52)とを含む表示駆動制御回路30を用いて、その表示データDの階調数で表示される。
【0041】
また、本実施例によれば、グリッド切換手段62は、第1区間K1とそれに続く第2区間K2とに対応する時間幅の1つの制御電圧パルスを複数の制御グリッドGnに順次且つ繰り返し印加するものであることから、発光素子22が、表示データDの階調数を示すビット数よりも少ない数の第1入力端子36、第2入力端子38、第3入力端子40およびそれに続く並列信号処理回路( 第1シフトレジスタ42、第2シフトレジスタ44、第3シフトレジスタ46、および第1ラッチ回路48、第2ラッチ回路50、第3ラッチ回路52)とを含む表示駆動制御回路30を用いて、表示データDの階調数で表示される。
【0042】
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はの他の態様でも実施できる。
【0043】
たとえば、前述の実施例では、1回のグリッドスキャン内において所定の発光素子22を発光させるための1単位のグリッドに制御電圧が印加される発光制御区間において、表示データDの第1ビット群b5 、b1 、b0 が示す階調に対応する発光パルスを発生させる第1スキャンを行う第1区間K1と、表示データDの第2ビット群b4、b3、b2が示す階調に対応する発光パルスを発生させる第2スキャンを行う第2区間K2とが設けられていたが、上位スキャンを行う第1区間K2が1画面分実行された後、下位スキャンを行う第2区間K2が1画面分実行されるようにしてもよい。
【0044】
また、前述の実施例では、1つの発光制御区間においては図6に示されるように第1区間K1の後に続いて第2区間K2が設けられていたが、第2区間K2の後に続いて第1区間K1が設けられていてもよい。
【0045】
また、前述の実施例では、64階調を表示するための表示データDが3ビット構成の第1ビット群b5 、b1 、b0 と3ビット構成の第2ビット群b4、b3、b2とに分割される例が示されていたが、たとえば、128段階の階調を表示するための表示データDが3ビット構成の第1ビット群b6、b1 、b0 と4ビット構成の第2ビット群b5、b4、b3、b2とに分割されてもよい。表示データDとして機能するビットは第1ビット群と第2ビット群とは必ずしも同じビット数でなくてもよい。
【0046】
また、前述の実施例では、表示データDが、その表示データDを構成するビット列b5 、b4、b3、b2、b1 、b0 の順のうちの最上位ビットb5 および最下位ビットb0 を含む3ビット構成の第1ビット群b5 、b1 、b0 と、最上位ビットおよび最下位ビットの中間ビットを含む第2ビット群b4、b3、b2とに分割されていたが、第1ビット群はb5 、b2、b0 から構成され、第2ビット群はb4、b3、b1から構成されてもよいし、第1ビット群はb5 、b3、b0 から構成され、第2ビット群はb4、b2、b1から構成されてもよい。要するに、第1ビット群は第1区間K1内において第1表示データ供給区間TD1を確保でき、第2ビット群は第2区間K2内において第2表示データ供給区間TD2を確保できるビット構成であればよい。このため、表示データDは、それを構成するビット列のうち連続しない順位の複数のビットを含む第1ビット群と、その表示データを構成するビット列のうちその第1ビット群を構成するビットを除く複数ビットを含む第2ビット群とに2分割されればよい。
【0047】
また、前述の実施例では、蛍光表示管12が画像表示器として画像表示装置10に備えられた例が示されていたが、基板の一面に多数のLEDチップが配列されてそれらが単純マトリックス駆動で画像表示されるLED画像表示装置であってもよい。また、画像表示器として、単純マトリックス駆動で画像表示されるLCD画像表示装置であってもよい。
【0048】
また、前述の実施例では、第1区間発光制御手段68が第1区間K1内において時間経過とともに段階的に減少する第1GCP信号SG1を出力し、第2区間発光制御手段70が第2区間K2内において時間経過とともに段階的に減少する第2GCP信号SG2を出力するとともに、発光パルス幅制御回路56が、第1区間K1内において、上記時間経過とともに段階的に減少する第1GCP信号SG1と前記第1ビット群b5 、b1 、b0 とを比較してその第1GCP信号SG1がその第1ビット群b5 、b1 、b0 が示す値以下となると比較信号を出力し、第2区間K2内において、上記時間経過とともに段階的に減少する第2GCP信号SG2と前記第2ビット群b4、b3、b2とを比較してその第2GCP信号SG2がその第2ビット群b4、b3、b2が示す値以下となると比較信号を出力していた。しかし、第1区間発光制御手段68が第1区間K1内において時間経過とともに段階的に増加する第1GCP信号SG1を出力し、第2区間発光制御手段70が第2区間K2内において時間経過とともに段階的に増加する第2GCP信号SG2を出力するとともに、発光パルス幅制御回路56が、第1区間K1内において、上記時間経過とともに段階的に増加する第1GCP信号SG1と前記第1ビット群b5 、b1 、b0 とを比較してその第1GCP信号SG1がその第1ビット群b5 、b1 、b0 が示す値を超えると比較信号を出力し、第2区間K2内において、上記時間経過とともに段階的に増加する第2GCP信号SG2と前記第2ビット群b4、b3、b2とを比較してその第2GCP信号SG2がその第2ビット群b4、b3、b2が示す値を超えると比較信号を出力するものであってもよい。この場合には、ドライバ( 駆動回路) 32はその比較信号の出力に応答して発光素子22を消灯させることにより、第1区間K1においてその第1区間K1の開始から比較信号が出力されるまでの間と、第2区間K2においてその第2区間K1の開始から比較信号が出力されるまでの間とが加えられた区間が、前記発光素子の点灯区間となるので、表示データが示す階調数の表示が得られる。
【0049】
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施例の画像表示装置の構成を概略説明する図である。
【図2】図1の実施例の画像表示装置に備えられた蛍光表示管内の構成を説明する図である。
【図3】図1の実施例の画像表示装置に備えられた表示駆動制御回路の構成を説明する回路図である。
【図4】図3の表示データ供給手段の回路構成例を説明する回路図である。
【図5】図3のタイミング制御手段の一部および発光制御手段の回路構成例を説明する回路図である。
【図6】図1の実施例の画像表示装置に備えられた表示駆動制御回路および表示制御装置の機能および作動を説明するタイムチャートである。
【図7】図1の実施例の画像表示装置に備えられた表示制御装置の作動の要部を説明するフローチャートである。
【図8】表示データが上位ビットで構成された上位ビット群と下位ビットで構成された下位ビット群とに分割された場合における、表示駆動制御回路および表示制御装置の機能および作動を説明するタイムチャートであり、図6に相当する図である。
【符号の説明】
【0051】
10:画像表示
12:蛍光表示管( 画像表示器)
22:発光素子( 発光体、画素)
30:表示駆動制御回路
36:第1入力端子、38:第2入力端子、40:第3入力端子( 入力端子)
42:第1シフトレジスタ( 並列信号処理回路)
44:第2シフトレジスタ( 並列信号処理回路)
46:第3シフトレジスタ( 並列信号処理回路)
48:第1ラッチ回路( 並列信号処理回路)
50:第2ラッチ回路( 並列信号処理回路)
52:第3ラッチ回路( 並列信号処理回路)
60:タイミング制御手段
62:グリッド切換手段
64:表示データ供給手段
68:第1区間発光制御手段
70:第2区間発光制御手段
D:表示データ
K1:第1区間
K2:第2区間
TD1:第1表示データ供給区間
TD2:第2表示データ供給区間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の画素をそれぞれ構成するために一面に多数配列された発光体と、該発光体を発光させるために供給される表示データが入力される複数の入力端子および該入力端子に対応する並列信号処理回路を有して該表示データが示す輝度階調に対応した時間割合で該発光体を駆動する表示駆動制御回路とを備え、該表示データが示す輝度階調を有する画像を表示する画像表示方法であって、
前記入力端子の数に対応するビット数で表される階調数よりも多い階調を表す表示データを、該表示データを構成するビット列のうち連続しない順位の複数のビットを含む第1ビット群と、該表示データを構成するビット列のうち該第1ビット群を構成するビットを除く複数ビットを含む第2ビット群とに2分割して前記入力端子に交互に供給し、
前記多数の発光体のうちの所定の発光体に繰り返し割り当てられる発光制御区間内に設定された第1区間において、前記表示データの第1ビット群に対応する輝度階調で該所定の発光体を発光させ、
前記発光制御区間内において前記第1区間に続いて設定された第2区間において、前記表示データの第2ビット群に対応する輝度階調で該所定の発光体を発光させる
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項2】
多数の画素をそれぞれ構成するために一面に多数配列された発光体と、該発光体を発光させるために供給される表示データが入力される複数の入力端子および該入力端子に対応する並列信号処理回路を有して該表示データが示す輝度階調に対応した時間割合で該発光体を駆動する表示駆動制御回路とを備え、該表示データが示す輝度階調を有する画像を表示する画像表示装置であって、
前記入力端子の数に対応するビット数で表される階調数よりも多い階調を表す表示データを、該表示データを構成するビット列のうち連続しない順位の複数のビットを含む第1ビット群と、該表示データを構成するビット列のうち該第1ビット群を構成するビットを除く複数ビットを含む第2ビット群とに2分割して前記入力端子に交互に供給する表示データ供給手段と、
前記多数の発光体のうちの所定の発光体に繰り返し割り当てられる発光制御区間内に設定された第1区間において、前記第1ビット群の表示データに対応する輝度階調で該所定の発光体を発光させる第1区間発光制御手段と、
前記発光制御区間内において前記第1区間に続いて設定された第2区間において、前記第2ビット群の表示データに対応する輝度階調で該所定の発光体を発光させる第2区間発光制御手段と
を、含むことを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
前記第1ビット群は表示データの最上位ビットおよび最下位ビットを含むものであり、前記第2ビット群は、該第1ビット群を構成するビットに挟まれた中間位の複数ビットを含むものである請求項2の画像表示装置。
【請求項4】
前記第1区間発光制御手段は、前記第1区間内において時間経過とともに段階的に減少するタイミングを表す第1GCP信号を出力するものであり、
前記第2区間発光制御手段は、前記第2区間内において時間経過とともに段階的に減少するタイミングを表す第2GCP信号を出力するものであり、
前記表示駆動制御回路は、前記第1区間内において前記第1GCP信号と前記第1ビット群とを比較して該第1GCP信号が該第1ビット群が示す値以下となると比較信号を出力するとともに、前記第2区間において前記第2GCP信号と前記第2ビット群とを比較して該第2GCP信号が該第2ビット群が示す値以下となると比較信号を出力する発光パルス幅制御回路と、該発光パルス幅制御回路の比較信号の出力に応答して前記発光素子を点灯させる駆動回路とを、備える
ことを特徴とする請求項2または3の画像表示装置。
【請求項5】
前記第1区間発光制御手段は、前記第1区間内において時間経過とともに段階的に増加するタイミングを表す第1GCP信号を出力するものであり、
前記第2区間発光制御手段は、前記第2区間内において時間経過とともに段階的に増加するタイミングを表す第2GCP信号を出力するものであり、
前記表示駆動制御回路は、前記第1区間内において前記第1GCP信号と前記第1ビット群とを比較して該第1GCP信号が該第1ビット群が示す値を超えると比較信号を出力するとともに、前記第2区間において前記第2GCP信号と前記第2ビット群とを比較して該第2GCP信号が該第2ビット群が示す値を超えると比較信号を出力する発光パルス幅制御回路と、該発光パルス幅制御回路の比較信号の出力に応答して前記発光素子を消灯させる駆動回路とを、備える
ことを特徴とする請求項2または3の画像表示装置。
【請求項6】
前記多数配列された発光体は、蛍光表示管の陽極上に設けられて該蛍光表示管のカソードから発生し且つ複数の制御グリッドのいずれかを通して加速された電子が衝突させられることにより発光する蛍光体であり、
前記所定の発光体に割り当てられた発光制御区間は、前記制御グリッドのうち該所定の発光体を覆う制御グリッドに加速電圧が印加される区間であり、
前記複数の制御グリッドに制御電圧パルスを順次且つ繰り返し印加して前記多数配列された発光体のうちの発光可能な発光体を順次選択するグリッド切換手段を、さらに含むことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1の画像表示装置。
【請求項7】
前記グリッド切換手段は、前記第1区間とそれに続く第2区間とに対応する時間幅の1つの制御電圧パルスを前記複数の制御グリッドに順次且つ繰り返し印加するものであることを特徴とする請求項6の画像表示装置。
【請求項8】
前記グリッド切換手段は、前記第1区間に対応する時間幅の第1制御電圧パルスを前記複数の制御グリッドに順次印加し、それに続いて前記第2区間に対応する時間幅の第2制御電圧パルスを前記複数の制御グリッドに順次印加することを、繰り返し行うものであることを特徴とする請求項6の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−180928(P2009−180928A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19757(P2008−19757)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000004293)株式会社ノリタケカンパニーリミテド (449)
【出願人】(000117940)ノリタケ伊勢電子株式会社 (38)
【Fターム(参考)】