説明

画像表示装置

【課題】液晶ディスプレイ等の平面型ディスプレイを具えた画像表示装置であって屋外に設置可能な画像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る画像表示装置は、防水構造を有する筐体12の内部に、収容室121が形成されると共に、該収容室121の外側に、筐体12の外部に通じる通気路122が形成されている。収容室121の内部には、筐体12の表面側から視認可能な画面を有する画像表示パネル11が配備され、該画像表示パネル11の背面111側には1又は複数のヒートパイプ13が配備されている。そして、ヒートパイプ13は、収容室121を形成する側面壁121a,121bを貫通して該収容室121の内部から通気路122の内部に延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関し、特に屋外設置用の画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像表示用のモニターとして、特許文献1に開示されている液晶ディスプレイなどの平面型ディスプレイが多く使用されている。従来の液晶ディスプレイのほとんどは、屋内に設置することを前提とした設計になっており、風雨やダストなどから液晶ディスプレイを保護する対策は施されていない。このため、従来の液晶ディスプレイを屋外に常設することは困難であった。
【0003】
しかし近年、液晶ディスプレイを屋外に常設することが望まれている。その理由として、液晶ディスプレイは厚みが小さいこと、及び画像の解像度が高いことなどが挙げられる。厚みが小さいと、建物の外壁へのディスプレイの設置や、バス停留所などの狭い場所へのディスプレイの設置が可能となる。又、解像度が高いと、表示画面が小さくても画像を鮮明に映し出すことが可能となる。
【0004】
そこで、液晶ディスプレイを風雨やダストから保護すべく、防水構造を有する収容室の内部に、液晶ディスプレイ、特に液晶ディスプレイのうち風雨やダストによって破損しやすい画像表示パネルを配備することが考えられている。
【特許文献1】特開2005−286987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、画像表示パネルを収容室の内部に配備して防水すると、収容室の内部から外部への熱の逃げ道がなくなるため、画像表示パネルを自然空冷することが出来ない。このため、動作時に画像表示パネルから発生する熱や太陽光などによって、画像表示パネルの温度が高くなり、液晶の本来の機能が低下して画像表示が不能になるといった現象(ブラックアウト)が生じてしまう。
【0006】
そこで本発明の目的は、液晶ディスプレイ等の平面型ディスプレイを具えた画像表示装置であって屋外に設置可能な画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像表示装置は、防水構造を有する筐体(12)の内部に、収容室(121)が形成されると共に、該収容室の外側に、該筐体の外部に通じる通気部(122)が形成されており、前記収容室(121)の内部には、前記筐体(12)の表面側から視認可能な画面を有する画像表示パネル(11)が配備され、該画像表示パネルの背面(111)側には1又は複数のヒートパイプ(13)が配備され、該ヒートパイプは、前記収容室(121)を形成する側面壁(121a,121b)を貫通して該収容室の内部から前記通気部(122)の内部に延びている。
【0008】
具体的な構成において、前記ヒートパイプ(13)は、前記画像表示パネル(11)の背面に固定されている。
【0009】
上記画像表示装置によれば、防水構造を有する筐体の収容室の内部に画像表示パネルを配備することにより、画像表示装置を屋外に設置したときに風雨やダストから該画像表示パネルを保護することが出来る。
しかも、ヒートパイプは、画像表示パネルから発生した熱を収容室の内部で回収して該収容室の外側に導き、そして、その熱を通気部の内部に放出する。通気部の内部に放出された熱は、通気部を通って筐体の外部に発散される。よって、画像表示パネルの温度上昇が抑制され、その結果、画像表示パネルの機能は良好な状態に維持されることとなる。
【0010】
上記画像表示装置の具体的構成において、前記ヒートパイプ(13)には、前記通気部(122)の内部において放熱部材(14)が接続されている。
該具体的構成によれば、ヒートパイプから通気部の内部への放熱効率が高まる。
【0011】
上記画像表示装置の更に具体的な構成において、前記放熱部材(14)は、前記ヒートパイプ(13)を両側から挟む第1放熱部(141)と第2放熱部(142)によって構成されており、前記第1放熱部(141)と第2放熱部(142)には一対の溝(141c,142c)が形成され、該一対の溝には、該第1放熱部と第2放熱部によって前記ヒートパイプ(13)を両側から挟んだときに該ヒートパイプが嵌合する。
該具体的構成によれば、第1放熱部と第2放熱部によってヒートパイプを両側から挟んで該ヒートパイプを一対の溝に嵌合させるだけで、放熱部材を形成しながら該放熱部材をヒートパイプに接続することが出来る。よって、ヒートパイプへの放熱部材の接続が容易である。
【0012】
上記画像表示装置の更に又、具体的な構成において、前記画像表示パネル(11)の背面(111)側には、前記放熱部材(14)が接続された複数のヒートパイプ(13)が鉛直方向に並んで配備され、該複数のヒートパイプのそれぞれに対応する複数の第1放熱部(141)は、ヒートパイプに対して前記筐体(12)の表面側に配置されると共に一体に形成され、該複数のヒートパイプのそれぞれに対応する複数の第2放熱部(142)は、ヒートパイプに対して前記筐体(12)の背面側に配置されると共に一体に形成されている。
該具体的構成によれば、複数のヒートパイプのそれぞれに対応する複数の第1放熱部が一体に形成されると共に、該複数のヒートパイプのそれぞれに対応する複数の第2放熱部も一体に形成されているので、複数のヒートパイプを第1放熱部と第2放熱部で挟むという一回の作業で、該複数のヒートパイプの全てに放熱部材を取り付けることが出来る。その結果、複数のヒートパイプへの放熱部材の取付けが簡略化されることとなる。
【0013】
上記画像表示装置の他の具体的構成において、前記放熱部材(14)には、前記通気部(122)の内部において前記ヒートパイプが嵌合すべき溝が形成されている。
該具体的構成によれば、ヒートパイプへの放熱部材の取付けを簡略化することが出来る。
【0014】
上記画像表示装置の他の具体的構成において、前記通気部(122)の内部には、該通気部に沿って空気を流す送風手段(15,16)が配備されている。
該具体的構成によれば、ヒートパイプから通気部の内部に放出された熱を、筐体の外部に効率良く発散することが出来る。
【0015】
上記画像表示装置の更に具体的な構成において、前記通気部(122)は鉛直方向に延び、前記送風手段(15,16)は該通気部内の空気を下から上に流す。
該具体的構成によれば、送風手段によって通気部内の空気を下から上に流すことによって、通気部内に放出された熱によって温まった空気は上昇するという空気の性質と相俟って、通気部内の空気は効率良く下から上に流れることとなる。よって、通気部内に放出された熱を効率良く筐体の外部に発散することが出来る。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る画像表示装置によれば、屋外に設置することが可能であり、且つ表示パネルの機能を良好な状態に維持することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る画像表示装置を搭載した画像表示システムにつき、図面に沿って具体的に説明する。
1.画像表示システムの概要
画像表示システムは、図1に示されるような扁平な直方体状の外観を呈しており、図2に示されるように、画像表示装置1、土台2、背板3、カバー4、照明器具5、及び通気用プレート6を具えている。
画像表示装置1は、画像表示システムの表面101に映像を映し出す装置であり、図5に示される様に、液晶ディスプレイ10を具えている。尚、画像表示装置1の詳細については、「2.画像表示装置について」で説明する。
【0018】
土台2には、画像表示装置1及び背板3を取り付けるためのフレーム部21が形成されており、フレーム部21は、画像表示装置1及び背板3を嵌め込むことが可能な構成を有する。
【0019】
背板3は、広告物を貼付するための設置台であり、画像表示装置1の背面側においてフレーム部21に設置されている。広告物は、背板3の表面31、即ち画像表示システムの背面102側の面に貼付される。
ここで、背板3は、照明器具5から発せられた光を透過すべく、光透過性を有する材質から形成されている。又、背板3に貼付される広告物も、照明器具5から発せられた光を透過すべく、光透過性を有する材質から形成されている。尚、光透過性を有する材質から形成された広告部を、以下では広告フィルムという。
【0020】
カバー4は、土台2に取り付けられ、広告物が貼付された背板3の表面31を覆っている。これにより、広告物がカバー4によって保護されている。
又、カバー4のうち背板3の表面31と対向する部分は、光透過性を有する材質によって形成されている。これにより、画像表示システムの背面102側から広告物を視認することが可能になっている。
【0021】
照明器具5は、背板3の表面31に貼付された広告フィルムを照明するための器具であり、略鉛直方向に延びた複数の蛍光灯によって構成されている。そして、照明器具5は、画像表示装置1と背板3との間に位置にて、土台2のフレーム部21に取り付けられている。
照明器具5によって広告フィルムを照らすことにより、夜間でも広告フィルムに印刷された文字等を視認することが可能である。
【0022】
通気用プレート6は、画像表示装置1の下方位置にて、画像表示システムの前面101と背面102のそれぞれに配備されている。通気用プレート6には、画像表示システムの内部と外部とを連通する複数の通気口61が形成されている。
【0023】
上記画像表示システムは、例えば図3に示される様にバス停留所に設置される。このとき、画像表示システムは、表面101がバス停留所の内側に向き、背面102がバス停留所の外側に向くように設置される。
これにより、バス停留所内に待機している利用者に対して、種々の情報を静止画や動画によって提供することが出来、バス停留所の外側を通る者に対しても種々の情報を提供することが出来る。又、画像表示システムを有線又は無線で遠隔操作することにより、画像表示装置1によって表面101に映し出す情報を容易に更新するが可能になる。更に、複数のバス停留所のそれぞれに設置された画像表示システムを、一括して管理することが可能になる。
【0024】
画像表示システムの上記設置状態によれば、画像表示システムの表面101がバス停留所の内側に向けられているので、バス停留所近辺を通る自動車等の運転者には、表面101が見えにくい。よって、表面101に動画を映し出した場合でも、運転者の注意は動画に向きにくくなる。
【0025】
2.画像表示装置について
画像表示装置1は、図4及び図5に示されるように、液晶ディスプレイ10、筺体12、複数のヒートパイプ13、循環用ファン18、放熱フィン14、通気用ファン15,16、及び集熱フィン17を具える。更に図11に示される様に、画像表示装置1には、空気調和機19、循環用ファン181、及び断熱部材7も具えられている。
【0026】
<液晶ディスプレイ10>
液晶ディスプレイ10は平面型ディスプレイであり、図5に示される様に、画像表示パネル11と、画像表示パネル11を制御するための回路基板11eとを具える。画像表示パネル11は、後述する収容室121の内部に配備されると共に、回路基板11eは、該収容室121を形成する背面壁125の外面に配置されている。
【0027】
画像表示パネル11には、用途に応じて種々の形状のものを用いることが出来る。本実施の形態では、バス停留所などの狭い場所に画像表示システムを設置することが可能となるように、画像表示パネル11として、縦長の長方形状のものが用いられている。尚、画像表示パネル11は、特に表示画面112近傍の部分が発熱しやすく高温になりやすい。
【0028】
<筺体12>
(収容室について)
筺体12は防水構造を有し、図4に示される様に筐体12の内部には、収容室121が形成されている。収容室121の内部には、図12に示されるように画像表示パネル11が、表示画面112を画像表示システムの表面101の方に向けて配備されている。
【0029】
具体的には、筐体12は、画像表示パネル11の表示画面112側に位置する表面壁124と、画像表示パネル11の背面111側に位置する背面壁125と、画像表示パネル11の両側面側に位置する側面壁121a,121bとを有する。又、土台2のフレーム部21は、画像表示パネル11の上端面113側に位置する上端部と、画像表示パネル11の下端面114側に位置する下端部とを有する。
そして、収容室121は、表面壁124、背面壁125、及び側面壁121a,121bと、フレーム部21の上端部及び下端部とから構成され、密閉又はほぼ密閉された状態で維持されている。
【0030】
このように、画像表示パネル11を、密閉又はほぼ密閉された状態に維持された収容室121の内部に配備することによって、画像表示装置1を屋外に設置した場合でも、風雨やダストから画像表示パネル11を保護することが出来る。
【0031】
尚、背面壁125は、画像表示パネル11と背板3との間に位置に配置されている。
又、表面壁124は、表面壁124のうち画像表示パネル11の表示画面112と対向する部分が、光透過性を有する材質、具体的にはガラス材によって形成されており、収容室121を形成すると共に、画像表示システムの表面101をも形成している。これにより、筐体12の表面側、即ち画像表示システムの表面101側から、画像表示パネル11の表示画面112を視認することを可能にしている。
【0032】
(循環流路について)
収容室121の内部には、図11及び図12に示される様に、画像表示パネル11を包囲する循環流路92が形成されている。尚、図11及び図12では、循環流路92を明確にすべく、ヒートパイプ13及び集熱フィン17の図示を省略しており、後述する図13及び図14においても同様である。
【0033】
本実施の形態では循環流路92は、4つの流路部11a〜11dによって構成されている。流路部11aは、収容室121を形成する表面壁124と画像表示パネル11の表示画面112との間に形成され、表示画面112に沿って略鉛直方向に延びている。流路部11bは、フレーム2を構成するフレーム部21の上端部と画像表示パネル11の上端面113との間に形成されている。流路部11cは、収容室121を形成する背面壁125と画像表示パネル11の背面111との間に形成され、背面111に沿って略鉛直方向に沿って延びている。流路部11dは、フレーム部21の下端部と画像表示パネル11の下端面114との間に形成されている。
そして、流路部11a〜11dは、画像表示パネル11の周囲でこの順に環状に繋がって、画像表示パネル11を包囲している。即ち、流路部11aと流路部11cは、それぞれの上端部と下端部で、流路部11b及び流路部11dによって互いに連通している。
【0034】
循環流路92内の空気は、後述するように循環用ファン18,181によって画像表示パネル11の周囲を循環する。よって、画像表示パネル11の表示画面112近傍の部分で発生した熱は、循環流路92内の空気を媒体として、画像表示パネル11の背面111側へ移動することとなる。
【0035】
(通気路について)
筐体12の内部には、収容室121の外側の位置に、筐体12の外部に通じる通気路122,123が形成されている。具体的には図4に示されるように、通気路122は、収容室121を形成する一方の側面壁121aに沿って略鉛直方向に延び、通気路123は、収容室121を形成する他方の側面壁121bに沿って延びている。
このように、収容室121の両側に通気路122,123を形成することにより、画像表示装置1が厚み方向に大型化することを回避することが出来る。
【0036】
通気路122の上端部122aは、図6に示されるようにクランク状に曲がっており、土台2のフレーム部21の上面21aに設けられた通気口62(図8参照)を介して、筐体12の外部に通じている。通気路123の上端部123aについても同様である。
通気路122の下端部122bは、図7に示されるように、画像表示装置1の下方に設置されている通気用プレート6の通気口61を介して、筐体12の外部に通じている。
【0037】
<ヒートパイプ13>
複数のヒートパイプ13は、循環流路92の流路部11c内に配備されている。具体的には複数のヒートパイプ13は、図4に示されるように画像表示パネル11の背面111に、略鉛直方向に所定間隔で繰り返し配列された状態で固定されている。そして、本実施の形態では、このように配列されたヒートパイプ13が、背面111の中心線111aの両側に1組ずつ配備されている。
【0038】
中心線111aに対して通気路122側に配列されたヒートパイプ13は、図9に示される様に、収容室121を形成する一方の側面壁121aを貫通して、収容室121の内部から通気路122の内部に延びている。具体的には、ヒートパイプ13は、画像表示パネル11の背面111から通気路122の方へと延び、一方の側面壁121aを貫通して通気路122の内部に突出している。
【0039】
尚、収容室121を形成する側面壁121aには、ヒートパイプ13が貫通する貫通孔が形成されており、該貫通孔は、ヒートパイプ13が貫通した状態でシリコンゴムなどによりシールされる。これにより、収容室121の内部は密閉された状態のまま維持される。
【0040】
中心線111aに対して通気路123側に配列されたヒートパイプ13は、通気路122に延びたヒートパイプ13と同様に、収容室121を形成する他方の側面壁121bを貫通して、収容室121の内部から通気路123の内部に延びている(図5参照)。
【0041】
上記ヒートパイプ13によれば、画像表示パネル11から発生した熱を収容室121の内部で回収することが出来る。即ち、ヒートパイプ13によって、循環流路92を流れる空気から熱を回収し、また画像表示パネル11の熱を背面111から直接回収することが出来る。そして、回収された熱は、ヒートパイプ13によって収容室121の外側に導かれ、通気路122,123の内部に放出される。つまり、ヒートパイプ13は、画像表示装置1に具えられた熱交換手段として機能する。
【0042】
ヒートパイプ13から通気路122,123の内部に放出された熱は、通気路122,123を通って筺体12の外部に発散される。よって、画像表示パネル11の温度上昇が抑制され、その結果、液晶ディスプレイ10の機能は良好な状態に維持されることとなる。
【0043】
又、本実施の形態においては、ヒートパイプ13は、画像表示パネル11の背面111に所定間隔で繰り返し配列されているので、循環流路92の流路部11c全体から熱を回収し、また液晶ディスプレイの背面111全体から熱を回収することが出来る。これにより、画像表示装置1の冷却効率が高くなる。
【0044】
ヒートパイプ13の内部には熱交換用の冷媒(水など)が充填されているので、ヒートパイプ13の熱交換効率を高めるという観点からは、ヒートパイプ13を、図4に示される様に斜めに配置することが好ましい。つまり、斜めに配置されたヒートパイプ13は、収容室121の内部から通気路122,123の内部へ斜め上に向かって延びている。
【0045】
これにより、ヒートパイプ13のうち、通気路122,123の内部に位置する部分(低温部分)が、収容室121の内部に位置する部分(高温部分)よりも、略鉛直方向において高くなる。よって、ヒートパイプ13内の冷媒は、高温部分で気化されて低温部分へ向かって上昇し、そして、低温部分で液化されて高温部分に向かって流れ落ち、再び高温部分で気化される。
このように、ヒートパイプ13を斜めに配置することにより、冷媒がヒートパイプ13内を効率良く循環し、ヒートパイプ13の熱交換効率が高められることとなる。
【0046】
更に、本実施の形態においては、画像表示パネル11の背面111にヒートパイプ13が配備されているので、ヒートパイプ13の配備によって生じる表示画面112への制限、例えば表示画面112の縮小や、画像表示装置1の大型化などを回避することが出来る。
【0047】
ヒートパイプ13の配置についてさらに説明すると、上記ヒートパイプ13は何れも、画像表示パネル11の背面111からの熱の回収効率を高めるという観点から、画像表示パネル11の背面111に沿って配置されている。
【0048】
本実施の形態では、画像表示パネル11の取付け位置と、画像表示装置1に搭載される電子部品や回路基板11eの取付け位置との関係から、画像表示パネル11の背面111には、図5及び図10に示されるように段差が形成されている。このような段差がある場合でも、図5及び図10に示される様に、ヒートパイプ13が画像表示パネル11の背面111に沿うように、段差の部分でヒートパイプ13がクランク状に曲げられている。
これにより、ヒートパイプ13の配備によって生じる無駄なスペースを縮小することが出来る。又、画像表示パネル11の背面111との接触面積が増え、その結果、ヒートパイプ13と画像表示パネル11との熱交換効率が高まる。
【0049】
更に、本実施の形態では、ヒートパイプ13は何れも、図4に示されるように略鉛直方向に所定間隔で繰り返し配置されており、隣接するヒートパイプ13との距離を所定間隔に保ったまま通気路122,123の内部まで延びている。このため、通気路122の内部においても、ヒートパイプ13は、略鉛直方向へ所定間隔で繰り返し並んでいる。
よって、ヒートパイプ13で回収した熱を、通気路122,123の内部において分散して放出することが出来、その結果、通気路122,123の内部でのヒートパイプ13の熱交換(放熱)効率が高まることとなる。
【0050】
<空気調和機19>
空気調和機19は、図2並びに図10〜図12に示されるように、熱交換器である蒸発器191と凝縮器192とから構成され、蒸発器191によって熱を回収し、回収した熱を凝縮器192によって放出することが出来る。
【0051】
蒸発器191は、図11及び図12に示される様に、収容室121の内部において、画像表示パネル11の背面111側であって、且つ画像表示パネル11の下端面114近傍の位置に配備されている。即ち、蒸発器191は、循環流路92の流路部11cの下端部に配置されている。このように、蒸発器191を画像表示パネル11の背面111側に配置することにより、画像表示装置1が高さ方向に大型化することを回避することが出来る。
又、蒸発器191を、画像表示パネル11の下端面114側ではなく、背面111側に配置することにより、循環流路92を短くすることが出来る。
【0052】
凝縮器192は、図11及び図12に示される様に、筐体12の内部であって、且つ収容室121の外側の位置に配備されている。具体的には、凝縮器192は、収容室121の下方位置、即ち画像表示パネル11の下方位置に配置されている。そして、凝縮器192は、通気用プレート6に対向して配置されている。
【0053】
上記空気調和機19によれば、蒸発器191及び凝縮器192の何れにおいても熱交換効率が高いので、循環流路92内を流れる空気から熱を蒸発器191によって効率良く回収し、そして凝縮器192によって、通気用プレート6に形成された複数の通気口61から筐体12の外部に、熱を効率良く放出することが出来る。よって、画像表示パネル11で発生した熱が、空気調和機19によって回収されることとなり、画像表示パネル11の温度上昇が抑制され、その結果、画像表示パネル11の機能は良好な状態に維持されることとなる。
つまり、空気調和機19は、画像表示装置1に具えられた熱交換手段として機能する。
【0054】
本実施の形態では、循環流路92内の空気から熱を回収するための熱交換手段として空気調和機19を用いたが、空気調和機19に替えて他の熱交換手段を採用してもよい。
【0055】
<循環用ファン18,181>
循環用ファン18,181は、循環流路92内の空気を循環流路92に沿って循環させるためのファンである。循環用ファン18は、図11及び図12に示される様に、画像表示パネル11の背面111側であって、且つ画像表示パネル11の上端面113近傍の位置に配備されている。即ち、循環用ファン18は、循環流路92の流路部11cの上端部に配備されている。
そして、循環用ファン18は、図13に示される様に、循環流路92の流路部11c内の空気を下方に向けて流している。
【0056】
循環用ファン181は、収容室121の内部において、画像表示パネル11の背面111側であって、且つ蒸発器191の近傍に配備されている。本実施の形態では、図11及び図12に示される様に、循環流路92の流路部11cの下端部において、蒸発器191の上方位置に配備されている。
そして、循環用ファン181は、図14に示される様に、蒸発器191に向けて風を送り込んでいる。
【0057】
これにより、循環流路92内の空気は、図13及び図14に示される様に、画像表示パネル11の周囲を実線矢印の方向へ循環することとなる。
即ち、循環用ファン18,181を駆動することによって、画像表示パネル11の表示画面112に沿う流路部11a内の空気は、図13に示される様に、略鉛直方向において下から上へ流れ、そして画像表示パネル11の上端面113に沿う流路部11bを通って、背面111に沿う流路部11cへ流れ込む。流路部11c内に流れ込んだ空気は、図14に示される様に、流路部11cに沿って上から下へ流れ、そして画像表示パネル11の下端面114に沿う流路11dを通って流路部11aに戻る。
【0058】
上記循環用ファン18,181によれば、画像表示パネル11の表示画面112に沿う流路部11a内の空気を、背面111に沿う流路部11cに効率良く導くことが出来る。よって、画像表示パネル11の表示画面112近傍の部分で発生した熱は、画像表示パネル11の背面111側に配備されているヒートパイプ13及び蒸発器191によって効率良く回収されることとなる。即ち、循環流路92内の空気を用いて、画像表示パネル11、特に画像表示パネル11の表示画面112を空冷することが出来る。
よって、画像表示パネル11の温度上昇が抑制され、その結果、画像表示パネルの機能は良好な状態に維持されることとなる。
尚、循環用ファン18,181、ヒートパイプ13、及び蒸発器191によって画像表示パネル11を空冷されることに鑑みれば、循環用ファン18,181、ヒートパイプ13、及び蒸発器191によって冷却機構が構成されていると把握することが出来る。
【0059】
本実施の形態においては、循環用ファン181によって蒸発器191に向けて風が送り込まれているので(図14参照)、循環流路92内の空気を、流路部11cで停滞させることなく蒸発器191に送り込むことが出来る。よって、蒸発器191によって熱を効率良く回収することが可能となる。
【0060】
又、本実施の形態においては、循環用ファン18,181が流路部11cの上端部と下端部のそれぞれに配備されているので、空気が循環流路92に沿って流れやすくなると共に、流速が大きくなる。従って、画像表示パネル11を均一に冷却することが可能となり、その結果、画像表示パネル11のうち蒸発器191近傍の部分だけが冷えるということがなくなる。
【0061】
但し、循環流路92内を流れる空気の流速を大きくし過ぎると、蒸発器191での熱交換効率が低下する。よって、本実施の形態では、図4に示される様に流路部11cの上端部に10個の循環用ファン18を配備する一方、流路部11cの下端部には、図15及び図16に示される様に3個の循環用ファン181を配備することが好ましい。
【0062】
更に、本実施の形態においては、画像表示パネル11の表示画面112に沿う流路部11a内の空気が、略鉛直方向において下から上に流れるので、熱によって温まった空気は上昇するという空気の性質と相俟って、流路部11a内の空気は効率良く下から上へ流れることとなる。
よって、循環流路92に沿って空気が循環しやすくなり、画像表示パネル11の表示画面112近傍の部分で発生した熱を、効率良くヒートパイプ13及び蒸発器191に導くことが出来る。その結果、ヒートパイプ13及び蒸発器191での熱交換(集熱)効率が高まり、以って画像表示装置1の冷却効率がより高まる。
【0063】
更に又、本実施の形態においては、循環用ファン18が、循環流路92の流路部11cの上端部、即ち画像表示パネル11の上端面113に沿う流路部11b近傍の位置に配備されているので、循環流路92内の空気を効率良く循環させることが出来る。理由は以下のとおりである。
【0064】
循環流路92のうち、空気の流れる方向において循環流路92が拡がる部分においては、流路抵抗が低くなる。具体的には循環流路92は、図13に示されるように流路部11bでは狭く、流路部11bから流路部11cに入るところで拡がっている。このため、流路部11b内の空気は流路部11cへ導かれやすい状態となっている。
よって、循環用ファン18を流路部11cの上端部に配置することにより、流路部11b内の空気を、効率良く流路部11cへ導くことが出来る。その結果、循環流路92内の空気が効率良く循環されることとなる。
【0065】
尚、流路部11aから流路部11bに入るところで循環流路92が拡がっている場合には、上述したのと同じ理由から、流路部11aから空気が流れ出る位置またはその近傍に、循環用ファン18を配置してもよい。
【0066】
上述したように、循環用ファン18,181は、画像表示パネル11の背面111側に配置されているので、画像表示装置1が高さ方向に大型化することを回避することが出来る。
【0067】
本実施の形態では、循環流路92内の空気を循環させるための循環手段として、循環用ファン18,181を用いたが、循環用ファン18,181に替えて他の循環手段を採用してもよい。
【0068】
<放熱フィン14>
放熱フィン14は、図9に示されるように通気路122の内部に配備されており、ヒートパイプ13のうち通気路122の内部に突出した突出部131に接続されている。本実施の形態では、放熱フィン14は、アルミニウムによって形成されている。
【0069】
具体的には、放熱フィン14は、ヒートパイプ13の突出部131を両側から挟む第1放熱部141と第2放熱部142によって構成されている。第1放熱部141は、基部141aと、基部141aに対して垂直に連結されたフィン部141bとを有し、ヒートパイプ13の突出部131に対して筐体12の表面、即ち画像表示システムの表面101側に配置されている。
第2放熱部142は、基部142aと、基部142aに対して垂直に連結されたフィン部142bとを有し、ヒートパイプ13の突出部131に対して筐体12の背面、即ち画像表示システムの背面102側に配置されている。
【0070】
そして、第1放熱部141と第2放熱部142のそれぞれには、図17及び図18に示される様に、基部141a,142aに一対の溝141c,142cが形成されており、該一対の溝141c,142cには、第1放熱部141と第2放熱部142によってヒートパイプ13の突出部131を両側から挟んだときに該突出部131が嵌合する。
より具体的には、一対の溝141c,142cは半円筒状に形成されており、第1放熱部141と第2放熱部142によってヒートパイプ13の突出部131を両側から挟んだときに、一対の溝141c,142cによって円筒状の穴が形成され、ヒートパイプ13の突出部131は該円筒状の穴に嵌合する。
【0071】
本実施の形態では、画像表示パネル11の背面111に、複数のヒートパイプ13が略鉛直方向に並んで配備されると共に(図4参照)、通気路122の内部には、複数のヒートパイプ13のそれぞれに対応する複数の放熱フィン14が略鉛直方向に配備されている。
そして、図17及び図18に示される様に、複数のヒートパイプ13のそれぞれに対応する複数の第1放熱部141が一体に形成されると共に、該複数のヒートパイプ13のそれぞれに対応する複数の第2放熱部142も一体に形成されている。
【0072】
通気路122の内部に配備された上記放熱フィン14と同様に、通気路123の内部にも放熱フィン14が配備されている(例えば図4参照)。
【0073】
上記放熱フィン14によれば、ヒートパイプ13から通気路122,123の内部への放熱効率が高まり、その結果、画像表示装置1の冷却効率が高まることとなる。
【0074】
本実施の形態においては、放熱フィン14が第1放熱部141と第2放熱部142によって構成され、第1放熱部141と第2放熱部142には一対の溝141c,142cが形成されているので、第1放熱部141と第2放熱部142によってヒートパイプ13を両側から挟んで該ヒートパイプ13を一対の溝141c,142cに嵌合されるだけで、放熱フィン14を形成しながら該放熱フィン14をヒートパイプ13に接続することが出来る。よって、ヒートパイプ13への放熱フィン14の接続が容易である。
【0075】
又、本実施の形態においては、複数のヒートパイプ13のそれぞれに対応する複数の第1放熱部141が一体に形成されると共に、該複数のヒートパイプ13のそれぞれに対応する複数の第2放熱部142も一体に形成されているので、複数のヒートパイプ13を第1放熱部141と第2放熱部142で挟むという一回の作業で、該複数のヒートパイプ13の全てに放熱フィン14を取り付けることが出来る。その結果、複数のヒートパイプ13への放熱フィン14の取付けが簡略化されることとなる。
【0076】
本実施の形態では、図17に示される様に第1放熱部141において、複数のフィン部141bが基部141aに垂直に連結されており、複数のフィン部141bの間に隙間が形成されている。第2放熱部142においても同様である。そして、通気路122,123内を流れる空気は、上記隙間を通って流れる。
【0077】
尚、図17では第1放熱部141において、複数のフィン部141bの先端が、連結部によって互いに連結されており、上記隙間はフィン部141b、基端部141a及び連結部によって囲まれている。第2放熱部142においても同様である。この場合、通気路122,123内の空気を該隙間だけに通すことによって、放熱フィン14を、ダクトとしても機能するダクトフィンとすることが出来る。もちろん、隙間及び該隙間の外側の両方に、通気路122,123内の空気を流してもよい。
【0078】
本実施の形態では、ヒートパイプ13から通気路122,123の内部への放熱効率を高めるための放熱部材として、放熱フィン14を用いたが、放熱フィン14に替えて他の放熱部材を採用してもよい。
【0079】
<通気用ファン15,16>
通気用ファン15,16は、図4に示される様に通気路122の内部に配備されており、
通気用ファン15は、通気路122の上端部122aに配置され、通気用ファン16は、通気路122の下端部122bに配置されている。
【0080】
通気用ファン15,16は、通気路122内の空気を通気路122に沿って同じ方向に流す。具体的には通気用ファン15は、図6に示される様に、通気路122内の空気を通気口62から筺体12の外部へ排出することにより、通気路122内の空気を略鉛直方向において下から上に流す。通気用ファン16は、図7に示される様に、筺体12の外部の空気を通気口61から通気路122の内部へ吸入することにより、通気路122内の空気を略鉛直方向において下から上に流す。尚、図6及び図7では、空気の流れが実線矢印によって示されている。
【0081】
通気路123の内部にも、通気路122と同様に、通気用ファン15,16が配備されており(図4参照)、通気用ファン15,16によって、通気路123内の空気が略鉛直方向において下から上に流される。
【0082】
上記通気用ファン15,16によれば、ヒートパイプ13から通気路122,123の内部に放出された熱を、筐体12の外部に効率良く発散することが出来る。よって、通気路122の内部においてヒートパイプ13及び放熱フィン14の放熱効率が高まる。
【0083】
そして、本実施の形態においては、通気路122,123内の空気が下から上に流れるので、通気路122,123内に放出された熱によって温まった空気は上昇するという空気の性質と相俟って、通気路122,123内の空気は効率良く下から上に流れることとなる。よって、通気路122,123内に放出された熱を効率良く筐体12の外部に発散することが出来る。
【0084】
本実施の形態では、通気路122,123内の空気を筐体12の外部に排出する送風手段として、通気用ファン15,16を用いたが、通気用ファン15,16に替えて他の送風手段を採用してもよい。
【0085】
<集熱フィン17>
集熱フィン17は、図4に示されるように、収容室121の内部において複数のヒートパイプ13に跨って接続されている。具体的には集熱フィン17は、図9に示されるように、基部171とフィン部172とから構成されている。基部171は、複数のヒートパイプ13に跨って延びると共に、該複数のヒートパイプ13に接触している。フィン部172は、基部171の表面に垂直に連結され、基部171の長手方向に基部171の一端から他端まで延びている。
【0086】
上記集熱フィン17によれば、画像表示パネル11から循環流路92内に放たれた熱を、効率良く回収してヒートパイプ13に導くことが出来る。これにより、熱交換手段としてのヒートパイプ13の機能が高まり、その結果、画像表示装置1の冷却効率が高まることとなる。
【0087】
尚、図4では、集熱フィン17は、中心線111aに対して通気路122側のヒートパイプ13にのみ接続されているが、実際は通気路123側のヒートパイプ13にも同様に接続されている。
【0088】
本実施の形態では、循環流路92内を流れる空気から集熱する集熱部材として、集熱フィン17を用いたが、集熱フィン17に替えて他の集熱部材を採用してもよい。
【0089】
<断熱部材7>
断熱部材7は、図14に示される様に、蒸発器191と画像表示パネル11との間に介在している。具体的には、蒸発器191は、画像表示パネル11の背面111側に配置されており、断熱部材7は、画像表示パネル11の背面111と蒸発器191の前面191aとの間に配置されている。断熱部材7の材質には、例えばウレタンやシリコン系のゴムなどが用いられる。
【0090】
上述したように、画像表示パネル11で発生した熱は、循環流路92内を流れる空気を媒体として蒸発器191に導かれ、そして蒸発器191によって回収される。上記断熱部材7によれば、蒸発器191によって熱を回収する過程で、画像表示パネル11のうち蒸発器191の近傍位置の部分が冷え過ぎることを防止することが出来る。よって、画像表示パネル11の温度分布が均一となり、その結果、画像表示パネル11の機能は良好な状態に維持されることとなる。
【0091】
3.照明器具の配置について
収容室121を形成する背面壁125は、図12に示される様に、鉛直壁部125aと、傾斜壁部125b,125cとを具えている。鉛直壁部125aは、画像表示パネル11の背面111に沿って拡がっている。傾斜壁部125bは、鉛直壁部125aの上端から背板3側に屈曲して斜め上方向に延びる一方、傾斜壁部125cは、鉛直壁部125aの下端から背板3側に屈曲して斜め下方向に延びている。
【0092】
これにより、背面壁125と画像表示パネル11の背面111との間に、傾斜壁部125b,125cの表面のそれぞれに沿う第1収容空間12b,12cが形成されることとなる。即ち、循環流路92の流路部11cの上端部と下端部のそれぞれに、第1収容空間12b,12cが形成されている。
又、背面壁125と背板3との間には、鉛直壁部125aの背面に沿う第2収容空間12aが形成されることとなる。
【0093】
そして、一方の第1収容空間12bには、図12及び図13に示される様に、循環用ファン18が配置され、他方の第1収容空間12cには、図12及び図14に示される様に、循環用ファン181と蒸発器191が配置されている。
又、第2収容空間12aには、図12に示される様に、広告フィルムを照明するための照明器具5が配置されている。具体的には、照明器具5を構成する複数の蛍光灯が、第2収容空間12aの内部において、鉛直壁部125aに沿って水平方向に並んでいる。
【0094】
上述したように収容室121を形成する背面壁125に傾斜壁部125b,125cを設けることによって、循環用ファン18,181及び蒸発器191が配置される第1収容空間12b,12cが収容室121の内部に形成されると共に、照明器具5が配置される第2収容空間12aが、循環用ファン18のほぼ下方位置であって、且つ循環用ファン181及び蒸発器191のほぼ上方位置にて、収容室121の外側に形成される。即ち、第2収容空間12aは、鉛直方向又はほぼ鉛直方向において第1収容空間12b,12cの間に介在することとなる。
よって、循環用ファン18,181及び蒸発器191と、照明器具5とを鉛直方向又はほぼ鉛直方向に並べて配置することが可能となり、その結果、画像表示装置1が厚み方向に大型化することが回避される。
【0095】
3.変形例
3−1.変形例1
上述した画像表示装置1では、複数のヒートパイプ13は略鉛直方向へ所定間隔で繰り返し配列されているが(図4参照)が、これに限らず他の態様であってもよい。例えば、異なる間隔でヒートパイプ13を配列してもよい。
但し、画像表示装置1の冷却効率を高めるという観点からは、上述した画像表示装置1のように画像表示パネル11の背面111全体に亘ってヒートパイプ13が配設されることが好ましい。これにより、画像表示パネル11の背面111全体から熱を回収することが可能になる。
【0096】
3−2.変形例2
上述した画像表示装置1では、通気路122,123内の空気を、通気用ファン15,16によって下から上に向かって流しているが、上から下に向かって流してもよい。例えば、画像表示装置1を搭載した画像表示システムの設置場所における環境等を考慮した場合、通気路122,123内の空気を上から下に流した方がよいことがある。
【0097】
又、上述した画像表示装置1では、通気路122,123に、通気用ファンが2つずつ配備されているが、通気路122,123に配備する通気用ファンの数は、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
【0098】
更に、上述した画像表示装置1では、通気用ファン15を通気路122,123の上端部122a,123aに配置し、通気用ファン16を通気路122,123の下端部122b,123bに配置しているが、これに限らず他の位置に配置してもよい。但し、通気路122,123内の空気を筐体12の外部に排出することが可能な配置にする必要がある。
【0099】
3−3.変形例3
上述した画像表示装置1では、循環流路92は、表示画面112に沿う流路部11a、上端面113に沿う流路部11b、背面111に沿う流路部11c、及び下端面114に沿う流路部11dから構成されているが、収容室121の内部において画像表示パネル11を包囲する他の経路を循環流路92としてもよい。
例えば、画像表示パネル11の側面と、収容室121を形成する側面壁121a,121bとの間に流路部を形成し、該流路部と流路部11a,11cとによって循環流路92を形成してもよい。
【0100】
又、上述した画像表示装置1では、循環用ファン18によって、表示画面112に沿う流路部11a内の空気を下から上に向かって流しているが、上から下に向かって流してもよい。この場合、循環用ファン18は、画像表示パネル11の下端面114近傍の位置に設置することが好ましい。尚、循環用ファン18の位置は、画像表示パネル11の上端面113または下端面114近傍の位置に限定されるものではなく、他の位置であってもよい。
【0101】
3−4.変形例4
上述した画像表示装置1では、循環用ファン181は、循環流路92の流路部11cの下端部において蒸発器191の上方位置に配置されているが、循環用ファン181を、蒸発器191の下方位置に配置してもよい。
【0102】
かかる態様によれば、循環用ファン181は蒸発器191から空気を吸い込むので、蒸発器191に対して上方から空気が送り込まれることとなる。よって、蒸発器191によって熱を効率良く回収することが可能となる。
【0103】
3−5.変形例5
上述した画像表示装置1では、通気路122の内部に配備されている放熱フィン14を第1放熱部141と第2放熱部142によって構成し、ヒートパイプ13の突出部131を一対の溝141c,142cに嵌合させた状態で、第1放熱部141と第2放熱部142によって突出部131を両側から挟んでいたが、例えば、放熱フィン14を第1放熱部141のみで構成し、第1放熱部141に形成されている溝141cにヒートパイプ13の突出部131を嵌合させることによって、放熱フィン14をヒートパイプ13の突出部131に取り付けてもよい。
【0104】
かかる態様によれば、ヒートパイプ13への放熱フィン14の取付けを簡略化することが出来る。
【0105】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、液晶ディスプレイに限らず、プラズマディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの平面型ディスプレイを具えた画像表示装置についても、上述した技術を適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】画像表示装置を搭載した画像表示システムを示す斜視図である。
【図2】該画像表示システムの分解斜視図である。
【図3】該画像表示システムの使用例を示した斜視図である。
【図4】図2に示されるIV‐IV線に沿う断面図である。
【図5】図4に示されるV‐V線に沿う断面図である。
【図6】図4に示されるVI‐VI線に沿う断面図である。
【図7】図4に示されるVII‐VII線に沿う断面図である。
【図8】該画像表示システムの平面図である。
【図9】図5に示されるIX領域の拡大図である。
【図10】図4に示されるX‐X線に沿って一部を破断した斜視図である。
【図11】図4に示されるXI‐XI線に沿って一部を破断した斜視図である。
【図12】図4に示されるXI‐XI線に沿う断面図である。
【図13】図12に示されるXIII領域の拡大図である。
【図14】図12に示されるXIV領域の拡大図である。
【図15】収容室を形成する背面壁を背面側下方から見た斜視図である。
【図16】該背面壁を背面側上方から見た斜視図である。
【図17】放熱フィンの分解斜視図である。
【図18】放熱フィンを構成する第2放熱部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0107】
1 画像表示装置
10 液晶ディスプレイ(平面型ディスプレイ)
11 画像表示パネル
111 背面
112 表示画面(表面)
113 上端面
114 下端面
11e 回路基板
12 筺体
121 収容室
121a,121b 側面壁
122,123 通気路(通気部)
124 表面壁
125 背面壁
125a 鉛直壁部
125b,125c 傾斜壁部
12b,12c 第1収容空間
12a 第2収容空間
13 ヒートパイプ(熱交換手段)
14 放熱フィン(放熱部材)
141 第1放熱部
142 第2放熱部
141c,142c 一対の溝
15,16 通気用ファン(送風手段)
17 集熱フィン(集熱部材)
18,181 循環用ファン(循環手段)
19 空気調和機(熱交換手段)
191 蒸発器
191a 前面
192 凝縮器
92 循環流路
11a 流路部(第1流路部)
11c 流路部(第2流路部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水構造を有する筐体(12)の内部に、収容室(121)が形成されると共に、該収容室の外側に、該筐体の外部に通じる通気部(122)が形成されており、前記収容室(121)の内部には、前記筐体(12)の表面側から視認可能な画面を有する画像表示パネル(11)が配備され、該画像表示パネルの背面(111)側には1又は複数のヒートパイプ(13)が配備され、該ヒートパイプは、前記収容室(121)を形成する側面壁(121a,121b)を貫通して該収容室の内部から前記通気部(122)の内部に延びている画像表示装置。
【請求項2】
前記ヒートパイプ(13)には、前記通気部(122)の内部において放熱部材(14)が接続されている請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記放熱部材(14)は、前記ヒートパイプ(13)を両側から挟む第1放熱部(141)と第2放熱部(142)によって構成されており、前記第1放熱部(141)と第2放熱部(142)には一対の溝(141c,142c)が形成され、該一対の溝には、該第1放熱部と第2放熱部によって前記ヒートパイプ(13)を両側から挟んだときに該ヒートパイプが嵌合する請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記画像表示パネル(11)の背面(111)側には、前記放熱部材(14)が接続された複数のヒートパイプ(13)が鉛直方向に並んで配備され、該複数のヒートパイプのそれぞれに対応する複数の第1放熱部(141)は、ヒートパイプに対して前記筐体(12)の表面側に配置されると共に一体に形成され、該複数のヒートパイプのそれぞれに対応する複数の第2放熱部(142)は、ヒートパイプに対して前記筐体(12)の背面側に配置されると共に一体に形成されている請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記放熱部材(14)には、前記通気部(122)の内部において前記ヒートパイプが嵌合すべき溝が形成されている請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記通気部(122)の内部には、該通気部に沿って空気を流す送風手段(15,16)が配備されている請求項1乃至請求項5の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記通気部(122)は鉛直方向に延び、前記送風手段(15,16)は該通気部内の空気を下から上に流す請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記ヒートパイプ(13)は、前記画像表示パネル(11)の背面に固定されている請求項1乃至請求項7の何れかに記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−85782(P2010−85782A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255680(P2008−255680)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】