説明

画像表示装置

【課題】画像を表示する表示用画素がそれぞれ複数の視差画像を表示する複数の視差画像用画素から構成されていても、画質が劣化するのを防止することを可能にする。
【解決手段】一実施形態によれば、画像を表示する表示用画素がそれぞれ複数の視差画像を表示する複数の視差画像用画素を有する画像表示装置であって、複数の視差画像を含む画像信号に対して中間階調を生成する中間階調生成パターンを視差画像毎に用意し、前記中間階調生成パターンと前記画像信号とを用いて前記視差画像毎に中間階調を付加する処理を行う中間階調処理部と、前記中間階調処理部によって中間階調が付加された前記視差画像を表示する画像表示部と、を備えている画像表示装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶パネルなどの画像表示装置においては、表現できる階調は限られてしまう。このため、ランプ信号のような映像を表示すると、段差のあるランプ信号となり滑らかさに欠けた映像となる。そこで、空間的及び時間的に階調を擬似的に増やす方法(FRC(フレームレートコントロール)方式およびディザ法)を用いて、滑らかな映像を表現することが知られている。
しかし、画像を表示する一つの表示用画素が複数の視差画像(多視差画像)を表示する複数の視差画像用画素の集まりから構成されている画像表示装置(例えば裸眼方式の3次元画像表示装置)に、上述したFRC方式およびディザ法をそのまま適用すると、一般に隣り合う表示用画素間の境界に接する2つの視差画像用画素に表示される視差画像信号は異なる視差の画像信号であるため、画質が劣化してしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−265584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、画像を表示する表示用画素がそれぞれ複数の視差画像を表示する複数の視差画像用画素から構成されていても、画質が劣化するのを防止することのできる画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の画像表示装置は、画像を表示する表示用画素がそれぞれ複数の視差画像を表示する複数の視差画像用画素を有する画像表示装置であって、複数の視差画像を含む画像信号に対して中間階調を生成する中間階調生成パターンを視差画像毎に用意し、前記中間階調生成パターンと前記画像信号とを用いて前記視差画像毎に中間階調を付加する処理を行う中間階調処理部と、前記中間階調処理部によって中間階調が付加された前記視差画像を表示する画像表示部と、を備えていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1実施形態による画像表示装置を示すブロック図。
【図2】第1実施形態に係る画像表示部の表示画面を示す図。
【図3】中間階調生成パターンの一具体例を示す図。
【図4】図4(a)乃至図4(c)は、中間階調生成パターンの使用方法を説明する図。
【図5】図5(a)乃至図5(d)は第1実施形態の画像表示装置における中間階調を生成する方法を説明する図。
【図6】図6(a)乃至図6(c)は第2実施形態の画像表示装置における中間階調を生成する方法を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0008】
(第1実施形態)
第1実施形態による画像表示装置を図1に示す。この第1実施形態の画像表示装置は、中間階調処理部10と、画像表示部100と、備えている。中間階調処理部10は、入力として複数の視差画像信号を含む画像信号を受け、この画像信号に関する連続する16個のフレーム(第1乃至第16フレーム)を一組として、上記画像信号と中間階調生成パターン(例えば4×4の中間階調生成パターン)とを用いて、各フレームに対して画像信号の中間階調を生成し、付与する。そして、画像表示部100は、中間階調が付与された第1乃至第16フレームの画像信号を用いて画像を表示する。
【0009】
この画像表示部100は、図2に示すように、水平方向に複数の視差画像(図2では9個の視差画像)を1組として表示する表示用画素が並列して配置されている。したがって、上記表示用画素は、視差画像を表示する9個の視差画像用画素から構成されている。図2において、第1行の表示用画素102aおよびこの表示用画素102aの右隣りの表示用画素102bはそれぞれ9個の視差画像用画素を有している。そして、表示用画素102bの左から1番目の視差画像用画素(数字10で表示)が表示する視差画像は、表示用画素102aの左から1番目の視差画像用画素(数字1で表示)が表示する視差画像と同じ画像となっている。すなわち、表示用画素が9個の視差画像用画素から構成されている場合には、図2に示すように、画像表示部100の表示面における水平方向に配列された視差画像用画素に左から順に番号を付した場合、mを0以上の整数、iを1以上8以下の整数とすると、9m+iの番号が付された視差画像用画素は、同じ視差画像を表示する。なお、本実施形態においては、視差画像は、水平方向には視差があるが、垂直方向には視差が無いものとする。
【0010】
また、1つの表示用画素における視差画像が全て同じである場合、それを1画素単位とした映像表示となる。
【0011】
また、本実施形態における画像表示部100に対して、各表示用画素に対応した位置に光学系を配置することで、裸眼方式の3次元画像表示装置となる。
【0012】
本実施形態の画像表示装置に用いられる中間階調生成パターンの一具体例を図3に示す。この中間階調生成パターンは4×4のマトリクスで表される中間階調生成パターンであって、第1乃至第16フレームのそれぞれに対して16種類の中間階調、すなわち1/16階調乃至16/16階調を生成するパターンを有している。そして、図3に示す中間階調生成パターンは、斜線が引かれている正方形(要素ともいう)は値(要素値ともいう)が「0」で、斜線が引かれていない正方形(要素)は要素値が「1」を表している。例えば図3の第1行の中間階調生成パターンは、第1乃至第16フレームのそれぞれに対して1/16階調を与えるパターンであり、この1/16階調を与える第1フレーム用の中間階調生成パターンは、第2行第1列の要素値が「1」であり、他の要素値が「0」である。そして、図3の第1行の16個の中間階調生成パターンは、要素値が「1」となる要素の位置がすべて異なっている。また、図3の第2行の中間階調生成パターンは、第1フレーム乃至第16フレームのそれぞれに対して2/16階調を与えるパターンであり、各パターンは、2つの要素値が「1」であり、他の要素値が「0」である。そして、2/16階調を与える16個の中間階調生成パターンはそれぞれ、要素値が「1」となる2つの要素の配置位置が異なっているとともに、上記16個の中間階調生成パターンの同一の位置における要素のうち、要素値が「1」である要素の個数は2となっている。同様に、iを1乃至15の任意の整数とするとき、i/16階調を与える中間階調生成パターンのそれぞれは、16個の要素のうちi個の要素は要素値が「1」であり、残りの要素は要素値が「0」である。そして、要素値が「1」であるi個の要素の配置が、第1乃至第16フレーム用の中間階調生成パターンのそれぞれにおいて異なっているとともに、上記16個の中間階調生成パターンの同一の位置における要素のうち、要素値が「1」である要素の個数はiとなっている。また、図示はしていないが16/16階調を与える中間階調生成パターンのそれぞれは、すべての要素は要素値が「0」とする。なお、第1乃至第16フレームに対して用いられる中間階調生成パターンは、図3に示すパターンに限られるものではなく、同じ階調を与えるパターンは、第1乃至第16フレーム間で入れ替えることができる。
【0013】
次に、図4(a)乃至4(c)を参照して、中間階調生成パターンの使用方法を、1画素が1画像信号で表される画像を表示する画像表示部200を例にとって説明する。図4(a)に示すように、この画像表示部200はフルHD(Full High Definition)のような通常の表示パネルであり、ラインごとに順番に画素が並んでいる。
【0014】
そして、図4(b)に示すように、縦および横に連続する4×4画素を単位として、空間的にかつ時間的に中間階調を与えるパターンを変える。この中間階調を与えるパターンとして、例えば図3に示す中間階調生成パターンが用いられる。図4(b)は、画像表示部200の第1行乃至第4行でかつ第1列乃至第4列における4×4画素を示す図であり、画像表示装置に順次入力される画像信号が上記4×4画素のうちのどの画素に表示されるかを示している。入力される画像信号が表示される画素の位置は数字を丸で囲んで示している。例えば、図4(b)の左端の4×4画素は第1行第1列における画素の数字「1」が丸で囲まれており、この位置の画素に表示される画像信号が入力されたことを示している。
【0015】
図4(c)は、第1乃至第16フレームに対して1/16階調を与える中間階調生成パターンを示しており、図3に示す、1/16階調を与える中間階調生成パターンと同じパターンである。
【0016】
次に、図4(a)に示す画像表示部200を有する画像表示装置における中間階調を生成する方法について説明する。
【0017】
まず、連続した第1乃至第16フレームのそれぞれに対して16種類の中間階調、すなわち1/16階調乃至16/16階調を与える、例えば図3に示すような中間階調生成パターンを16×16個用意し、メモリに格納する。
【0018】
画像表示装置に、連続した第1乃至第16フレームの画像信号が入力されると、これらの第1乃至第16フレームのそれぞれのフレームに対して、4×4画素を単位として中間階調を以下のように生成する。なお、上記第1乃至第16フレームは、対応する画素の画素値は同じものであるとする。
【0019】
各フレームにおいて、入力された画像信号を表示する表示画素の位置、すなわち4×4画素中における上記表示画素に対応する位置が決定されるとともに、上記画像信号の下位4ビットが表す10進数をiとするとき第1乃至第16フレームのそれぞれに対してi/16階調を与える16個の中間階調生成パターンが上記メモリから読み出される。続いて、上記表示画素に対応する第1乃至第16フレームそれぞれの画素に対して、読み出された中間階調生成パターンの対応する要素値が「1」であるときは、上記フレームの画素の画素値の最下位ビットとして「1」を追加する修正を行い、上記要素値が「0」であるときは、上記フレームの画素の画素値の最下位ビットとして「0」を追加する修正を行う。なお、画素値の最下位ビットとして「0」を追加することは、上記画素値に対してなにも修正を加えないことを意味する。このようにして、第1乃至第16フレームの画素値に階調増加のための修正が加えられる。続いて、修正が加えられた第1乃至第16フレームを用いて、画像表示部200によって画像を表示する。
【0020】
例えば、入力された画像信号を表示する表示画素が画像表示部200の第2行第1列の画素であり、上記画像信号の下位4ビットが「0001」(10進数で「1」)であるとすると仮定する。すると、上記表示画素の4×4画素中における位置は第2行第1列の画素であると決定される(図4(b))とともにメモリから1/16階調を与える図4(c)に示す16個の中間階調生成パターンが読み出される。そして、図4(c)からわかるように、上記表示画素の位置に対応する、第1フレームに用いられる中間階調生成パターンの要素の要素値は「1」となり、他のフレームに用いられる中間階調生成パターンの要素の要素値は「0」となる。これにより、上記表示画素に対応する第1フレームの画素の画素値の最下位ビットとして「1」が追加される修正が行われ、上記表示画素に対応する第2乃至第16フレームの画素の画素値にはなにも修正が加えられない。このように修正された第1乃至第16フレームを用いて画像表示部200によって表示すると、上記表示画素は、第1乃至第16フレーム中で1回表示されるので、16個のフレームを平均すると、1/16の階調で表示されたことになる。
【0021】
しかし、入力画像の順に中間階調を生成する上述の方法は、第1実施形態の画像表示装置には、適用することができない。これは、第1実施形態の画像表示装置は、図2に示すように、表示用画素が複数の視差画像(図2においては9個の視差画像)を表示する視差画像用画素の集まりから構成されており、一般に隣り合う表示用画素間の境界に接する視差画像用画素は異なる視差画像を表示するので、上記方法を用いて中間階調を生成すると、階調が減少し、画質が劣化する可能性がある。
【0022】
そこで、第1実施形態では、4×4画素を構成する画素として、図4で説明した場合のように連続する画素を用いるのではなく、図5(a)、(b)に示すように、同じ視差画像を表示する視差画像用画素を用いて処理する。例えば、第1視差画像の4×4画素は、画像表示部100の表示面における第1、第10、第19、第28番の視差画像用画素で構成して処理する。その他の視差画像に対しても同様である。
【0023】
次に、第1実施形態の画像表示装置における中間階調を生成する方法について説明する。この中間階調生成処理は、図1に示す中間階調処理部10において行われる。
【0024】
まず、第1乃至第16フレームのそれぞれに対して16種類の中間階調(1/16階調乃至16/16階調)を与える、例えば図3に示すような中間階調生成パターンを、各視差画像に対して用意し、メモリに格納する。すなわち、各視差画像に対して、16×16個の中間階調生成パターンを用意し、メモリに格納する。このメモリは画像表示装置に含まれているが、中間階調処理部10に含まれていてもよい。
【0025】
画像表示装置に連続した16フレーム分、すなわち第1乃至第16フレームの画像信号が入力されると、このとき、第1乃至第16フレームの対応する視差画像用画素は同じ画素値を有している。これらの第1乃至第16フレームに対して、同じ視差画像を表示する視差画像用画素から構成される4×4画素を単位として同じ視差画像ごとに中間階調を以下のように生成する。
【0026】
入力された視差画像信号を表示する視差画像用画素(以下、表示画素ともいう)の位置、すなわち上記4×4画素中における上記表示画素に対応する位置が決定されるとともに、上記視差画像信号の下位4ビットが表す10進数をiとするとき第1乃至第16フレームのそれぞれに対してi/16階調を与える16個の中間階調生成パターンが上記メモリから読み出される。続いて、上記表示画素に対応する第1乃至第16フレームのそれぞれの視差画像用画素に対して、読み出された中間階調生成パターンの対応する要素値が「1」であるときは、上記フレームの視差画像用画素の画素値の最下位ビットとして「1」を追加する修正を行い、上記要素値が「0」であるときは、上記フレームの視差画像用画素の画素値の最下位ビットとして「0」を追加する修正を行う。なお、画素値の最下位ビットとして「0」を追加することは、上記画素値に対してなにも修正を加えないこと意味する。この中間階調を付与する処理を、同じ視差画像を表示する視差画像用画素に対して上記4×4画素を単位として行うとともに、すべての視差画像に対して、各視差画像に対して用意した中間階調生成パターンを用いて行う。すなわち、本実施形態においては、視差画像ごとに階調が増えた処理を行う。
【0027】
これにより、第1乃至第16フレームの視差画像用画素の画素値に階調増加のための修正が加えられる。続いて、修正が加えられた第1乃至第16フレームを用いて、画像表示部200によって画像を表示する。
【0028】
例えば、入力された第1視差画像信号を表示する表示画素が画像表示部100の第2行第1列の画素であり、上記第1視差画像信号の下位4ビットが「0001」(10進数で「1」)であるとすると仮定する。すると、上記表示画素の4×4画素中における位置は第2行第1列の画素であると決定される(図5(c))とともにメモリから1/16階調を与える図5(d)に示す16個の中間階調生成パターンが読み出される。そして、図5(d)からわかるように、上記表示画素の位置に対応する、第1フレームに用いられる中間階調生成パターンの要素の要素値は「1」となり、他のフレームに用いられる中間階調生成パターンの要素の要素値は「0」となる。これにより、上記表示画素に対応する第1フレームの視差画像用画素の画素値の最下位ビットとして「1」が追加される修正が行われ、上記表示画素に対応する第2乃至第16フレームの視差画像用画素の画素値にはなにも修正が加えられない。このように修正された第1乃至第16フレームを用いて画像表示部100によって表示すると、上記表示画素は、第1乃至第16フレーム中で1回表示されるので、第1乃至第16フレームを平均すると、1/16の階調で表示されたことになる。
【0029】
以上説明したように、本実施形態によれば、画像を表示する表示用画素がそれぞれ複数の視差画像を表示する複数の視差画像用画素から構成されていても、画質が劣化するのを防止することができる。
【0030】
なお、中間階調の生成処理は、ハードウェアで実現することもできるし、ソフトウェアで実現することもできる。さらに、16フレームを用いて16階調を実現しているが、それ以外の階調、例えば、上記視差画像信号の下位2ビットで、4フレームを用いた4階調を実現するなど、同様な方法で他の階調を実現しても構わない。
【0031】
また、第1実施形態は、静止画および動画の両方に適用することができる。動画に適用する場合は、動画の静止領域に適用することが好ましい。
【0032】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態による画像表示装置について図6(a)乃至図6(c)を参照して説明する。この第2実施形態の画像表示装置は、図1に示す第1実施形態の画像表示装置とは、中間階調処理の単位となる4×4画素の構成が異なっている。図6(a)に示すように、例えば、9個の視差画像用画素を1表示用画素としており、中間階調の生成は、図6(b)に示すように、9個の視差画像用画素を、中間階調処理の単位となる4×4画素を構成する1画素として処理を行う。すなわち、画像表示部100の第1行、第1列〜第9列の9個の視差画像用画素は、上記4×4画素の第1行、第1列の画素として処理され、画像表示部100の第1行、第10列〜第18列の9個の視差画像用画素は、上記4×4画素の第1行、第2列の画素として処理される。これは、9視差画像信号が全て同じ画像信号であるときに用いられる。すなわち、2次元画像と3次元画像とを表示できる画像表示装置において、2次元画像を表示する際に用いられる。
【0033】
この第2実施形態における中間階調処理は、以下のようにして行う。
【0034】
まず、第1乃至第16フレームのそれぞれに対して16種類の中間階調(1/16階調乃至16/16階調)を与える、例えば図3に示すような中間階調生成パターンを16×16個用意し、メモリに格納する。
【0035】
続いて、入力された視差画像信号を表示する表示画素の位置、すなわち上記4×4画素中における上記表示画素に対応する位置が決定されるとともに、上記視差画像信号の下位4ビットが表す10進数をiとするとき第1乃至第16フレームのそれぞれに対してi/16階調を与える16個の中間階調生成パターンが上記メモリから読み出される。なお、本実施形態においては、4×4画素中の1つの画素に対応する9個の視差画像用画素によって表示される9個の視差画像信号は全て同じ視差画像信号となっているので、9個の視差画像信号の下位4ビットは同じ値となっている。
【0036】
続いて、上記表示画素に対応する第1乃至第16フレームのそれぞれの視差画像用画素に対して、読み出された中間階調生成パターンの対応する要素値が「1」であるときは、上記フレームの視差画像用画素の画素値の最下位ビットとして「1」を追加する修正を行い、上記要素値が「0」であるときは、上記フレームの視差画像用画素の画素値の最下位ビットとして「0」を追加する修正を行う。なお、画素値の最下位ビットとして「0」を追加することは、上記画素値に対してなにも修正を加えないこと意味する。このようにして、第1乃至第16フレームの画素値に階調増加のための修正が加えられる。続いて、修正が加えられた第1乃至第16フレームを用いて、画像表示部100によって画像を表示する。なお、図6(c)は、1/16階調を生成する際に第1乃至第16フレームに用いられる中間階調生成パターンを示す図である。
【0037】
この第2実施形態は、第1実施形態において、全ての視差画像に対して同じ中間階調生成パターンを用いて中間階調を生成した場合と同じになる。
【0038】
以上説明したように、第2実施形態によれば、画像を表示する表示用画素がそれぞれ複数の視差画像を表示する複数の視差画像用画素から構成されていても、画質が劣化するのを防止することができる。
【0039】
この第2実施形態も第1実施形態と同様に、16フレームを用いて16階調を実現しているが、それ以外の階調、例えば、上記視差画像信号の下位2ビットで、4フレームを用いた4階調を実現するなど、同様な方法で他の階調を実現しても構わない。
【0040】
また、第2実施形態は、静止画および動画の両方に適用することができる。動画に適用する場合は、動画の静止領域に適用することが好ましい。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0042】
10 中間階調処理部
100 画像表示部
200 画像表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示用画素がそれぞれ複数の視差画像を表示する複数の視差画像用画素を有する画像表示装置であって、
複数の視差画像を含む画像信号に対して中間階調を生成する中間階調生成パターンを視差画像毎に用意し、前記中間階調生成パターンと前記画像信号とを用いて前記視差画像毎に中間階調を付加する処理を行う中間階調処理部と、
前記中間階調処理部によって中間階調が付加された前記視差画像を表示する画像表示部と、
を備えていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記中間階調処理部は、
前記画像信号に関する連続した複数のフレームに対して前記中間階調生成パターンを与え、前記複数のフレームに対して前記視差画像毎に中間階調を付加する処理を行うことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記中間階調を付加する処理は、前記複数の視差画像に対して同一の中間階調生成パターンを用いて行うことを特徴とする請求項1または2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記中間階調を付加する処理は、Nを2以上の整数とするとき、N×N個の視差画像用画素を単位として行うことを特徴とする請求項2または3記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記中間階調生成パターンはN×Nのマトリクスであり、前記マトリクスを構成する要素は「1」または「0」の値を有し、同一の中間階調を付与する前記中間階調生成パターンは値が「1」である要素の個数が同一であることを特徴とする請求項4記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記複数のフレームの個数はN×N個であって、各フレームに対して与えられる同一の中間階調を付与する前記中間階調生成パターンは、値が「1」である要素の配置が異なっていることを特徴とする請求項5記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記中間階調を付加する処理は、前記複数のフレームのうちの一つのフレームにおける前記視差画像用画素の画素値に基づいて同一階調を与える前記中間階調生成パターンを選択して各フレームに対応付け、前記複数のフレームのうちの任意の一つのフレームにおける視差画像用画素は、前記フレームに対応する中間階調生成パターンにおける前記視差画像用画素に対応する要素の値が「1」である場合には、前記視差画像用画素の画素値の最下位ビットに「1」が追加される修正が行われ、前記フレームに対応する中間階調生成パターンにおける前記視差画像用画素に対応する要素の値が「0」である場合には、前記視差画像用画素の画素値は修正されないことを特徴とする請求項6記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記中間階調を付加する処理は、4×4個の視差画像用画素を単位として行うことを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−133009(P2012−133009A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283336(P2010−283336)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【特許番号】特許第4929395号(P4929395)
【特許公報発行日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】