説明

画像表示装置

【課題】仮想空間は、空間特性を活かした活用が望ましく、リアルな空間に類似させることのできる特性を極力活かして、なお且つ、仮想世界ならではの工夫を行うこと。
【解決手段】図10に示されるように、カメラ10bから送信された画像を受け取った画像表示装置50では、指定情報に従って画像を切り替えて表示する。例えば、送られた画像の数が1枚の場合には、当該画像を額縁61aやフォトフレーム61bを使って表示する。また、画像が複数枚の場合には、本62やアルバムを使って表示する。画像の切り替えの詳細は、上述した図4及び図5のフローチャートと同様である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現実の空間を模した仮想空間にて、写真を鑑賞する時の画像表示装置の改良技術に関するものであって、より詳しくは、ユーザが仮想空間のどこに行けばどの写真が見られるかを直感的に判断することができるようにした仮想空間を利用した画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータグラフィック技術の発展と、コンピュータやグラフィックエンジンの速度の高速化によって、3次元(3D)空間的な表示が容易になってきている。
【0003】
また、近年、コンピュータグラフィックで作られた仮想の空間が、ネットワークを通じてアクセス可能になったサービスが普及しており、それまでのネットを通じたデータアクセスとは異なった、フレンドリーなユーザインターフェースにて、ユーザをネットの向こうの世界に誘うのに効果を発揮している。
【0004】
こうした空間に於いては、リアルな空間と同様の疑似体験が可能であるし、これまでのネットサービスのうち、単純なデータストア1つを置き換えるとしても、その空間特性を活かしたテーマ分類等も可能である。
【0005】
このように、仮想空間を利用する技術としては、下記特許文献1のようなものが知られている。
【特許文献1】特開2005−174024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の装置は、仮想空間でアノテーション(注釈)を、体験者の位置で切り替えるものである。しかしながら、この特許文献1には、仮想空間のどこに行けばどの画像を見ることができるかといった、ユーザにとって分かりやすい展示方法、また、画像の内容によって好きな場所に画像を掲載することまでは記載されていない。
【0007】
こうして形成した仮想空間は、空間特性を活かした活用が望ましく、リアルな空間に類似させることのできる特性を極力活かして、なお且つ、仮想世界ならではの工夫を行うことが重要である。
【0008】
例えば、現実空間での画像収容量の感覚と仮想空間に於ける画像集容量の感覚との関係は、同じようにしておいた方が好ましく、アルバムよりもダンボールの方が写真の収容量が多いといった感覚は、仮想空間にも応用した方がよい。つまり、ここでは、ユーザが、仮想空間で見ることができるようにしたコンテンツを、仮想空間上で違和感のない表示方法(現実空間に似たアイテムの利用)で表示する。そして、仮想空間上の訪問者が不自然さを感じることなく、その空間を利用する人の自身の戸惑いをなくす画像表示を行うことが望まれている。
【0009】
したがって本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザが、仮想空間で見ることができるようにしたコンテンツを、仮想空間上で違和感のない表示方法で表示して、仮想空間上の訪問者が不自然さを感じることなく、その空間を利用する人の自身の戸惑いをなくす画像表示を行うことができる画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち請求項1に記載の発明は、仮想空間内で画像を整理するのに適したアイテムを含む上記仮想空間を表示する仮想空間表示部と、送信されてきた画像と上記アイテムとの関連付けを行う画像群化手段と、上記アイテムは、表示面を有する表示用アイテムと表示面を有さない保管用アイテムからなり、上記画像群化手段は、上記送信されてきた画像の関連付けを、上記表示用アイテムから上記保管用アイテムに順次変更することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記仮想空間は上記表示用アイテムを複数有し、上記画像群化手段は、上記画像の送信に従って、上記表示用アイテムの変更を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記仮想空間は、アバターの仮想空間内の移動によって、上記送信されてきた記録画像の画面切り換えを行うことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記表示用アイテムは、少なくとも額縁、フォトスタンド、CDケースのうち1つであることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明に於いて、上記保管用アイテムは、仮想空間上の本棚に載置されたアルバムであることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明に於いて、上記保管用アイテムのアルバムの表紙デザインは、上記画像群化手段によって、上記画像をグループ分けした結果に従って変更されることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明に於いて、上記画像は、グループ分けするために、時間情報に基づくメタ情報を有することを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明に於いて、上記画像は、グループ分けするために、位置情報に基づくメタ情報を有することを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、前記画像は、カメラから送信された撮影画像であることを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明に於いて、上記カメラから送られて来た画像が複数である場合、画像群化手段は、上記送信された画像の枚数に応じてアイテムとの関連付けを変更することを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明に於いて、上記送信された複数の画像の枚数に応じて関連を変更されるアイテムは、アルバム、本、またはダンボール箱であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザが、仮想空間で見ることができるようにしたコンテンツを、仮想空間上で違和感のない表示方法で表示して、仮想空間上の訪問者が不自然さを感じることなく、その空間を利用する人の自身の戸惑いをなくす画像表示を行うことが可能な画像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るカメラ全体の概略構成を示すブロック図、(b)は画像群化部16で分類される撮影日時と画像数との関係の一例を表した図である。
【0024】
図1(a)に於いて、本実施形態に於けるカメラ10は、制御部11と、撮影部12と、画像記録部13と、時計部15と、画像群化部16と、仮想空間表示部17及び操作部18とから構成される。
【0025】
制御部11は、ユーザの操作に従った制御を行うもので、本カメラ10の全体の制御を司るものであると共に、画像群化部16で関連付けられた上記仮想空間表示部17上のアイテムで該仮想空間表示部17に画像を表示する表示制御手段としての機能を有している。撮影部12は、ユーザの操作によって図示されない被写体に対応した画像を撮影(撮像)する撮像手段である。画像記録部13は、この撮影部12で撮影された画像の保存を行うものである。
【0026】
上記時計部15は、撮影した画像の時間情報を取得する。画像群化部16は、撮影した画像のメタ情報として、その画像と枚数と時計部15からの時間情報に従ってグループ化し、分類する。また、画像群化部16では、仮想空間表示部17で画像を観賞するために、画像に関連付けられたメタ情報と、該メタ情報に基づいて分類されたグループと、当該グループに属する画像の枚数に応じて、上記仮想空間表示部上のアイテムと関連付けが行われて、画像枚数によって表示の切り替えが行われる。
【0027】
また、仮想空間表示部17は、仮想空間を表示可能なもので、上記画像群化部16にてグループ化された画像を表示して鑑賞するためのものである。尚、グループ化された画像とは、そのグループに属する画像のことを指している。操作部18は、カメラ10の種々の入力や操作等を行うためのもので、モード切り替え釦、シャッタ釦、十字キー等がこれに相当する。
【0028】
次に、図1(b)を参照して、画像群化部16で分類される撮影日時と画像数との関係について説明する。
【0029】
撮影部12で撮影された画像は、時計部15から得られる時間情報である撮影日時に基づいて、グループ化される。このグループ化は、画像群化部16に於いて、撮影された日時と撮影された画像数に基づいて行われる。
【0030】
例えば、図1(b)は、同じ日付で撮影されたものをグループ化した例が示されている。この場合、9月20日には撮影なし、9月21日には18枚、22日には2枚、23日には9枚、24日には8枚、25日には9枚撮影した例が示されている。これは、時計部15で取得した撮影時間から、一度撮影した時間から次に撮影した時間の間隔を判断して画像のグループ化が行われる。この時間の間隔については、ユーザの操作等により、適宜変更が可能である。
【0031】
次に、カメラの仮想表示の概略について説明する。
【0032】
仮想空間表示部17により、カメラ10のモニタを通して仮想空間を表示することができる。図2(a)は、撮影した画像を仮想空間に表示する例を示している。仮想空間20には、画像を飾ったり保管できるアイテムとして、額縁21a、フォトスタンド21b、CDケース21c、アルバム22a、ダンボール23a等が用意されている。
【0033】
撮影された画像は、画像群化部16で関連付けられた、上述したようなアイテムに自動的に表示される。上記仮想空間20に於いて、ユーザが操作部18を操作することにより、図2(b)、(c)に示されるように、ユーザの分身となるような仮想のキャラクタであるアバター25が移動して、上述したアイテムに表示されている画像を見ることができる。
【0034】
例えば、図2(b)に示されるように、アバター25を移動させてダンボール23aに近付けると、ダンボール23aに保管してある画像を探して見ることができる。また、アバター25を移動させて仮想空間20上の本棚に載置されたアルバム22aに近付けると、当該アルバム22aを取り出して、図2(c)に示されるように、アルバム22aに格納された画像を観賞することができる。この画像鑑賞の際は、アバター25を表示させたまま画像を表示しても良く、或いは画像のみの表示に切り替えるようにしても良い。
【0035】
尚、ここではユーザが操作部18を操作してアバター25を移動させて画像を選択するようにしているが、アバター25を表示させず、例えばカーソルを表示して上述したアイテムを直接クリックするようにしても良い。この場合は、クリックされたアイテム、例えばアルバム22aに画像が表示される。
【0036】
次に、図3及び図4のフローチャートを参照して、カメラ10の動作について説明する。
【0037】
図3は、上述したカメラ10をユーザが操作する場合の基本的な動作を説明するためのフローチャートである。この制御動作は、主に制御部11によって行われる。 ステップS1に於いて、先ず、このカメラ10が撮影モードであるか否かが判断される。ここで、撮影モードであると判断された場合はステップS2へ移行し、そうではない、すなわち再生モードであると判断された場合は後述するステップS5に移行する。
【0038】
ステップS2では、操作部18内のシャッタ釦によるレリーズ操作がなされたか否かが判断される。ここで、レリーズされない場合は、上記ステップS1に戻る。一方、レリーズされる場合は、ステップS3に移行して撮影が行われる。この撮影動作は周知のものであるので、ここでは説明は省略する。
【0039】
次いで、ステップS4にて、撮影された画像が、時計部15によって取得された撮影時間と共に、画像記録部13に記録される。その後、本シーケンスが終了する。
【0040】
再生モードである場合は、ステップS5に於いて、撮影された画像を再生するか否かが判断される。ここで、再生する場合はステップS6に移行し、再生しない場合はステップS14に移行する。
【0041】
ステップS14では、画像がグループ化されているか否か(未分類画像の有無)が判断される。画像がグループ化されていない(未分類画像が有る)場合はステップS15に移行し、グループ化されている(未分類画像が無い)場合は上記ステップS1に戻る。
【0042】
ステップS15では、前回の撮影と次の撮影との間が所定時間以上経過しているか否かが判断される。ここで、撮影がされずに所定時間が経過している場合は、ステップS16に移行して、前回の撮影と次の撮影で取得された画像は別のグループであると判断される。つまり、前回に撮影された画像を1つのグループ、次の撮影で撮影された画像は別のグループというように、グループ化されて整理される。
【0043】
その後、ステップS17にて、グループ化された画像の数を判定処理され、続くステップS18にて、グループ枚数によって、表示するのに適したアイテムや、どのアイテムに順番に表示させるかといった関連付けが行われる。このステップS18で行われる画像数とアイテムの関連付けの詳細については、図4のフローチャートを用いて後述する。
【0044】
上記ステップS5にて再生すると判断された場合は、ステップS6に於いて、仮想表示するか否かが判断される。ここで、仮想表示が行われない場合はステップS7へ移行し、仮想表示が行われる場合はステップS11に移行する。
【0045】
このステップS11では、ユーザにより表示されるアイテムが選択されて、画像が選択されたアイテム上に表示される。ユーザは、移行操作により画像を他のアイテムにも表示させることができる。したがって、ステップS12にてアイテムの変更が行われるか否かが判断される。その結果、アイテムの変更が無い場合は本シーケンスが終了する。一方、アイテムが変更される場合は、ステップS13にて、詳細を後述するアイテムの変更処理が行われる。その後、本シーケンスが終了する。
【0046】
上記ステップS6にて、仮想表示が行われないと判断された場合は、ステップS7に移行して、仮想空間表示部17に画像のサムネイル表示が行われる。次いで、ステップS8にて、サムネイル画像の中から、ユーザが興味のある画像を見つけたならば、操作部18が操作されて該当する画像が指定されて、その画像が拡大される。
【0047】
その後、ステップS9に於いて、仮想空間に移行するかどうかが選択される。ここで、移行しない場合は本シーケンスが終了する。一方、移行する場合は、ステップS10に移行してユーザにより画像を表示するアイテムの選択が行われる。その後、本シーケンスが終了する。
【0048】
図4は、図3のフローチャートのステップS18に於けるサブルーチン「グループ枚数、順番によってアイテム関連付け」の詳細な動作を説明するフローチャートである。ここでは、グループの画像枚数と、表示するアイテムの順番によるアイテムの関連付けについて説明する。
【0049】
本サブルーチンに入り、先ず、ステップS21に於いて、グループ化された画像の枚数が1枚であるか否かが判断される。ここで、グループ化された画像の枚数が1枚の場合は、ステップS22に移行して、詳細を後述するアイテム変更処理が行われる。
【0050】
また、上記ステップS21にて、グループ化された画像の枚数が1枚ではない場合は、ステップS23にてグループ化された画像が100枚未満であるか否かが判断される。ここで、グループ化された画像が100枚未満である場合は、ステップS24に移行して、画像がアルバム22aに格納される。また、グループ化された画像が100枚以上の場合は、ステップS25に移行して、画像がダンボールに移される。
【0051】
尚、ステップS23にてアルバムとダンボールに分ける画像の枚数を100枚としたが、これに限られるものでないことは勿論である。
【0052】
図5は、図3のフローチャートのステップS13及び図4のフローチャートのステップS22のサブルーチン「アイテム変更」の詳細な処理動作を説明するためのフローチャートである。
【0053】
本サブルーチンに入ると、先ず、ステップS31にて、当該画像が額縁21aに表示される。このように、額縁21aに新しい画像が入ってきた場合は、ステップS32にて、上記ステップS31の前に額縁21aに表示されていた画像は、フォトスタンド21bの表示に切り替えられる。
【0054】
次に、フォトスタンドに新しい画像が入ってきた場合、ステップS33にて、上記ステップS32の前にフォトスタンド21bに表示されていた画像が、CDケース21cへの表示に切り替えられる。更に、CDケース21cに新しい画像が入ってきた場合は、ステップS34にて、上記ステップS33の前にCDケース21cに表示されていた画像が、アルバム22aに移される。
【0055】
このように画像の枚数が1枚の場合は、順次、自動的に画像を切り替えて表示させることができる。1枚の画像でも自動的に表示するアイテムを変えて表示させることで、ユーザが、より画像観賞を楽しむことができる。
【0056】
尚、上記ステップS31〜S34にて変更される画像の表示位置は、上述したものに限られるものではなく、また、その順序もこの限りではない。
【0057】
このようにして、複数の画像がある場合でも、画像を自動的に整理することができる。
【0058】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0059】
尚、以下に述べる第2の実施形態に於いて、カメラの基本的な構成及び動作は、図1乃至図5に示された第1の実施形態と同様であるので、異なる構成及び動作についてのみ説明し、その他の同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略する。
【0060】
図6(a)は、本発明の第2の実施形態に係るカメラ全体の概略構成を示すブロック図、(b)は位置判定部で判定される位置の例を示した図、(c)は画像群化部16で分類される撮影日時と画像数との関係の一例を表した図である。
【0061】
図6(a)に於いて、本実施形態に於けるカメラ10aは、制御部11と、撮影部12と、画像記録部13と、時計部15と、画像群化部16と、仮想空間表示部17及び位置判定部31とから構成される。上記位置判定部31は、撮影部12で撮影(撮像)された画像の位置情報を取得するための位置情報判定手段であり、例えばGPS等により構成される。この位置判定部31によって取得された位置情報が、画像群化部16に於いて、撮影した画像に付加されてグループ化が可能となる。
【0062】
図6(b)に示される世界地図35に於いて、例えば、星印36a、36b、36cの位置で撮影したという情報が表されている。これらの星印36a、36b、36cの位置は、位置判定部31によって表される。これらの情報を基に、撮影された日時と撮影された位置が判断されて画像のグループ化が行われる。
【0063】
図6(c)では、同じ都市内と同じ日付で撮影された画像をグループ化した例が示されている。この場合、5月4日に上記星印36aのパリで8枚、10月30日に星印36bのカイロで7枚、12月10日に星印36cのニューヨークで9枚撮影された例が示されている。
【0064】
仮想空間表示部17で画像を観賞するために、画像群化部16では、グループ化された画像とアイテムの関連付けが行われて、撮影位置情報と画像枚数によって表示の切り替えが行われる。
【0065】
次に、カメラの仮想表示の概略について説明する。
【0066】
仮想空間表示部17により、カメラ10のモニタを通して仮想空間を表示することができる。図7(a)は、撮影した画像を仮想空間に表示する例を示している。上述した図2(a)と同様に、仮想空間20には、画像を飾ったり保管できるアイテムとして、額縁21a、フォトスタンド21b、CDケース21c、アルバム22a、ダンボール23a等が用意されている。
【0067】
図7(b)は、撮影位置情報を付加されたアイテムに関連付けられてグループ化された画像を、アルバム22aで表示している例を示している。このとき、撮影位置情報によって、アイテム22aのデザインを変化させることができる。例えば、パリで撮影した時にグループ化した画像群は、アルバムの表紙が「エッフェル塔」のデザインになる。また、カイロで撮影した時にグループ化した画像群は、アルバムの表紙が「ピラミッドとスフィンクス」のデザインになる。ニューヨークで撮影した時にグループ化した画像群は、アルバムの表紙が「自由の女神」のデザインになる。
【0068】
尚、アルバム22a以外の他のアイテムである額縁21aやフォトスタンド21b、CDケース21c、ダンボール23a等でも、撮影位置情報によってデザインを変化させることができる。各デザインは、画像群化部16でアイテムに関連付けられる時に適したものが選択され、仮想空間表示部17で仮想空間に表示される。
【0069】
次に、図8のフローチャートを参照して、カメラ10aの動作について説明する。
【0070】
図8は、第2の実施形態に於けるカメラ10aをユーザが操作する場合の基本的な動作を説明するためのフローチャートである。
【0071】
尚、この図8のフローチャートに於けるステップS41〜S43、S45〜S56の処理動作は、上述した第1の実施形態に於ける図3のフローチャートのステップS1〜S3、S5〜S16の処理動作と同じであるので、対応するステップの処理動作を参照するものとして説明は省略する。
【0072】
ステップS41〜S43に於いて撮影が行われると、続くステップS44にて、撮影された画像が撮影時間及び撮影位置と共に記録される。その後、本シーケンスが終了する。
【0073】
また、再生モードにて画像がグループ化されていない(未分類画像が有る)場合で、所定の時間、撮影がされていない場合は、ステップS56にて画像のグループ化が行われて画像が整理される。その後、ステップS57にて、グループ化された画像の数と位置情報が判定処理され、続くステップS58にて、グループ枚数、撮影位置によって、表示するのに適したアイテムや、どのアイテムに順番に表示させるかといった関連付けが行われる。
【0074】
例えば、撮影位置によって関連付けられる場合は、図7(b)に示されるように、その撮影位置毎のアルバムに分類される等が考えられる。
【0075】
その後、本シーケンスが終了する。
【0076】
このようにして、複数の画像がある場合でも、画像を自動的に整理することができる。
【0077】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0078】
上述した第1及び第2の実施形態では、カメラ単独で使用した例を説明したが、この第3の実施形態では、インターネットを使用したカメラと画像表示装置によるカメラシステムの例について説明する。
【0079】
尚、以下に述べる第3の実施形態に於いて、カメラの基本的な構成及び動作は、図1乃至図8に示された第1及び第2の実施形態と同様であるので、異なる構成及び動作についてのみ説明し、その他の同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略する。
【0080】
図9は、本発明の第3の実施形態に係るカメラシステムの概略構成を示すブロック図である。
【0081】
図9に於いて、本カメラシステムは、カメラ10bと、ホットスポット(Hot Spot)41、インターネット45を介して接続される画像表示装置50とにより構成される。
【0082】
カメラ10bは、制御部11と、撮影部12と、画像記録部13と、仮想空間表示部17と、操作部18と、指定部32及び通信部33とから構成される。尚、この図8のカメラ10bに於いては図示されていないが、上述した時計部15、画像群化部16を有していても良い。
【0083】
上記指定部32は、画像記録部13に記録されていて送信したい画像を選択するためのものであり、また、時間情報や位置情報を入力するものであってもよく、例えば十字キーや決定釦等から構成される。また、通信部33は、指定部32で選択された画像を、画像表示装置50に送信することができるように、ホットスポット41等を使用してワイヤレスLAN40でインターネット45に接続できるようにするものである。
【0084】
画像表示装置50は、受信部51、仮記録部52、指定情報判定部53及び表示切替制御部54、第2の仮想空間表示部としての仮想空間表示部55とを有して構成される。画像表示装置50内の受信部51では、カメラ10bから、インターネット45を通じて送られた画像が受信される。この受信部51で受信された画像は、仮記録部52にて記録される。指定情報判定部53では、カメラ10bから送られた画像の枚数により、仮想空間で画像をどのように表示させるかを判定する。すなわち、師弟情報判定部53は、カメラ10bから送信された画像の枚数に応じて、仮想空間内のどのアイテム(額縁61a、本62など)と送信された画像を関連付けるかを判定し、それに関する情報を出力する。そして、この指定情報判定部53で判定された情報に従い、表示制御手段である表示切替制御部54で仮想空間に表示させる画像の切り替えが行われる。これにより、仮想空間表示部55を通して、カメラから送信された画像がアイテムを利用して仮想空間に表示され、これを使用者が見ることができる。
【0085】
次に、画像表示装置50に於ける仮想空間表示の概要について説明する。
【0086】
図10に示されるように、カメラ10bから送信された画像を受け取った画像表示装置50では、指定情報に従って画像を切り替えて表示する。例えば、送られた画像の数が1枚の場合には、当該画像を額縁61aやフォトフレーム61bを使って表示する。また、画像が複数枚の場合には、本62やアルバムを使って表示する。画像の切り替えの詳細は、上述した図4及び図5のフローチャートと同様であるので、説明は省略する。
【0087】
次に、図11のフローチャートを参照して、第3の実施形態に於けるカメラ10bの基本的な動作を説明する。
【0088】
先ず、ステップS61にて、ユーザが撮影をするか否かが判断される。その結果、撮影が行われる場合は、ステップS62に移行して撮影が行われる。その後、本シーケンスが終了する。一方、上記ステップS61にて撮影しないと判断された場合は、ステップS63に移行して再生するか否かが判断される。そして、再生であると判断された場合は、ステップS64に移行して再生が行われた後、本シーケンスが終了する。
【0089】
上記ステップS63にて再生しないと判断された場合は、ステップS65に移行して、指定部32の操作により画像表示装置50に送信したい画像が選択される。そして、ステップS66にて、選択された画像が画像表示装置50に送信される。その後、本シーケンスが終了する。
【0090】
このようにして、ユーザはカメラ10bから画像を、画像表示装置50に送信することができる。
【0091】
次に、図12のフローチャートを参照して、画像表示装置50の基本的な動作について説明する。
【0092】
本シーケンスに入ると、先ず、ステップS71に於いて、受信部51によりカメラ10bから画像を受信しているか否かが判断される。ここで、画像を受け取っている場合はステップS72に移行して、受け取った画像が仮記録部52に仮記録される。その後、ステップS73にて、指定情報判定部53がユーザにより指定されたアイテムおよび画像の枚数に応じて、アイテムと画像の関連付けを判定する。そして、その判定に基づいて例えば額縁61aなどに画像が表示される。この表示された画像は、仮想空間表示部55を通して見ることができる。その後、本シーケンスが終了する。
【0093】
一方、上記ステップS71に於いて、画像を受信していない場合は、ステップS74に移行して、既に画像表示装置50内に記録してある画像を見たり、記録アバターの移動に従って画面の切り替えが行われる等、画像表示装置50に対する操作が行われる。
【0094】
これにより、仮想空間で見ることができるコンテンツを、仮想空間上で違和感のない表示方法(現実空間に似たアイテムの利用)で表示して、訪問者が不自然さを感じることなく、その空間を利用する人の自身の戸惑いをなくす画像表示を行うことができる。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0096】
更に、前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係るカメラ全体の概略構成を示すブロック図、(b)は画像群化部16で分類される撮影日時と画像数との関係の一例を表した図である。
【図2】(a)は撮影した画像を仮想空間に表示する例を示した図、(b)はアバター25がダンボール23aに格納されている画像を見る例を示した図、(c)はアバター25がアルバム22aに表示されている画像を見る例を示した図である。
【図3】第1の実施形態に於けるカメラ10をユーザが操作する場合の基本的な動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートのステップS18に於けるサブルーチン「グループ枚数、順番によってアイテム関連付け」の詳細な動作を説明するフローチャートである。
【図5】図3のフローチャートのステップS13及び図4のフローチャートのステップS22のサブルーチン「アイテム変更」の詳細な処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】(a)は本発明の第2の実施形態に係るカメラ全体の概略構成を示すブロック図、(b)は位置判定部で判定される位置の例を示した図、(c)は画像群化部16で分類される撮影日時と画像数との関係の一例を表した図である。
【図7】(a)は撮影した画像を仮想空間に表示する例を示した図、(b)は撮影位置情報を付加されたアイテムに関連付けられてグループ化された画像を、アルバム22aで表示している例を示した図である。
【図8】第2の実施形態に於けるカメラ10aをユーザが操作する場合の基本的な動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るカメラシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図10】画像表示装置50に於ける仮想空間表示の概要について説明するための図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に於けるカメラ10bの基本的な動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態に於ける画像表示装置50の基本的な動作について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0098】
10、10a、10b…カメラ、11…制御部、12…撮影部、13…画像記録部、15…時計部、16…画像群化部、17、55…仮想空間表示部、18…操作部、20…仮想空間、21a、61a…額縁、21b、61b…フォトスタンド、21c…CDケース、22a…アルバム、23a…ダンボール、25…アバター、31…位置判定部、32…指定部、33…通信部、35…世界地図、36a、36b、36c…星印、40…ワイヤレスLAN、41…ホットスポット(Hot Spot)、45…インターネット、50…画像表示装置、51…受信部、52…仮記録部、53…指定情報判定部、54…表示切替制御部、62…本。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内で画像を整理するのに適したアイテムを含む上記仮想空間を表示する仮想空間表示部と、
送信されてきた画像と上記アイテムとの関連付けを行う画像群化手段と、
上記アイテムは、表示面を有する表示用アイテムと表示面を有さない保管用アイテムからなり、上記画像群化手段は、上記送信されてきた画像の関連付けを、上記表示用アイテムから上記保管用アイテムに順次変更することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
上記仮想空間は上記表示用アイテムを複数有し、上記画像群化手段は、上記画像の送信に従って、上記表示用アイテムの変更を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
上記仮想空間は、アバターの仮想空間内の移動によって、上記送信されてきた記録画像の画面切り換えを行うことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
上記表示用アイテムは、少なくとも額縁、フォトスタンド、CDケースのうち1つであることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項5】
上記保管用アイテムは、仮想空間上の本棚に載置されたアルバムであることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項6】
上記保管用アイテムのアルバムの表紙デザインは、上記画像群化手段によって、上記画像をグループ分けした結果に従って変更されることを特徴とする請求項5の画像表示装置。
【請求項7】
上記画像は、グループ分けするために、時間情報に基づくメタ情報を有することを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
上記画像は、グループ分けするために、位置情報に基づくメタ情報を有することを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記画像は、カメラから送信された撮影画像であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項10】
上記カメラから送られて来た画像が複数である場合、画像群化手段は、上記送信された画像の枚数に応じてアイテムとの関連付けを変更することを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
上記送信された複数の画像の枚数に応じて関連を変更されるアイテムは、アルバム、本、またはダンボール箱であることを特徴とする請求項10に記載の画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−252716(P2012−252716A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−173672(P2012−173672)
【出願日】平成24年8月6日(2012.8.6)
【分割の表示】特願2008−143652(P2008−143652)の分割
【原出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】