説明

画像記録装置

【課題】画像記録装置に入力された画像と静止画像とが合成された画像を容易に把握することができる画像記録装置を得る。
【解決手段】使用者により入力画像にフレーム画像を付加する機能が選択されると、処理が開始される。ステップS30では、画面に入力画像を覆うようにフレーム画像が表示される。このとき、フレーム画像の透過率は50%である。ステップS31においてシャッターボタンが半押しされると、ステップS32でオートフォーカス動作が実行される。オートフォーカス動作によりレンズが合焦されると画面にはピントが正確に合った入力画像が表示される。ステップS33では、フレーム画像の透過率が0%に変更され、フレーム画像は入力画像を透過しなくなる。これにより、画面には実際に撮影される入力画像が表示されて、使用者は撮影画像を的確に把握することができる。ステップS36で全押しされるとレリーズ動作が行われて画像が撮影される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像記録装置、特に画面に表示される画像に関する。
【背景技術】
【0002】
画像記録装置、例えばデジタルカメラは、レンズから入射した被写体像を撮像素子に結像させ、得られた画像を画面に表示する。画像は一定時間毎に更新され、動画として表示される。
【0003】
また、デジタルカメラとして、装飾を目的として撮影画像領域の外縁に静止画像(以下、装飾画像という)を付加する機能を有するものが知られている。撮影時において装飾画像は撮像素子にて撮像される入力画像と共に画面に表示され、使用者は静止画像と入力画像とが適切な位置関係にあるよう調節しながら撮影を行って装飾画像が付加された画像を得る。装飾画像と入力画像との位置関係を調節するとき、装飾画像は入力画像の上に配置されるため入力画像の一部が覆われて視認されなくなり、静止画像と画像との位置関係を把握することが困難になる。一方、画像の中に装飾を目的として静止画像を付加し、撮影前に静止画像を半透明にする構成が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−312162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、撮影において装飾画像が常に半透明で画面に表示されると、使用者は装飾画像の形状等を把握することが難しくなり、装飾画像が付加された画像を的確に予測することが困難になる。これにより使用者は望む画像を得られず、撮影のやり直しが必要となり、デジタルカメラの利便性が低下する。
【0005】
本発明は、使用者が装飾画像と画像との位置関係を的確に把握して、装飾画像における任意の位置に画像を付加し、画像記録装置の利便性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による画像記録装置は、入力される入力画像を一定時間毎に更新して画面に表示すると共に、入力画像の外縁周辺を覆う装飾画像を画面に表示する画像表示手段と、被写体にレンズを自動的に合焦させるオートフォーカス手段とを備え、画像表示手段は、装飾画像を透過して、装飾画像により覆われた入力画像の部分を表示し、オートフォーカス手段により被写体にレンズを合焦させたときには、装飾画像により覆われた入力画像の部分を表示しないことを特徴とする。
【0007】
画像表示手段は、装飾画像を透過して装飾画像により覆われた入力画像の部分を表示するか否かを使用者が選択可能であってもよい。
【0008】
画像記録装置はデジタルカメラであることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像記録装置に入力された画像と静止画像とが合成された画像を容易に把握することができる画像記録装置を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、画像記録装置を有するデジタルカメラの構成を示すブロック図である。以下に一実施形態について説明する。
【0011】
デジタルカメラは、レンズから入射した被写体像をCCDによりデジタル信号に変換して、DSPにより処理を行う。DSPは、入力されたRawデータに対し、ステップS10から18で画素補間、カラーマトリクス変換、γ補正、RGB/YUV変換、エッジ強調の処理を行い、入力画像データを出力する。ステップS20では、画像データに使用者の選択によって装飾画像、つまりフレーム画像が付加される。
【0012】
フレーム画像は、画像の外縁周辺に連続して、又は断続的に設けられる。例えば額縁状や窓状をなすものがある。また、外縁の一部に設けられることもある。すなわち、画像の上端部、下端部、左端部、右端部、又は隅角部のいずれか、又はこれらを組み合わせた位置に配置される。例えば四隅に花を配したものがある。
【0013】
図2を用いて画面に表示されたフレーム画像と入力画像とについて説明する。
【0014】
図2(a)はフレーム画像22が透過されずに表示された画面42である。使用者が入力画像20にフレーム画像22を付加する機能を選択すると、画面42には入力画像20とフレーム画像22が表示される。フレーム画像22は入力画像20の外縁を覆うように付加される。フレーム画像22の入力画像20に占める面積が大きくなると、フレーム画像22の内側部分における画像の範囲が小さくなる。フレーム画像22は入力画像20を透過せず入力画像20は表示されないため、使用者は被写体像21とフレーム画像22との位置関係を的確に認識して撮影画像を把握することが困難になる。
【0015】
図2(b)は、フレーム画像26が透過されて表示された画面42を示した図である。フレーム画像26は透過的に表示され、使用者は入力画像20及び被写体像28を視認することができる。すなわち、フレーム画像26を半透過にして表示することにより、フレーム画像26に覆われた被写体像28とフレーム画像26の位置関係を使用者が的確に認識して撮影画像を把握することが可能になる。これにより、使用者は容易にフレーム画像26と被写体像28との位置関係を調節することができる。
【0016】
図3を用いて本実施形態における処理について説明する。
【0017】
使用者により入力画像20にフレーム画像26を付加する機能が選択されると、この処理が開始される。ステップS30では、画面42に入力画像20を覆うようにフレーム画像が表示される。このとき、フレーム画像の透過率は50%(半透過)である。ステップS31では、レリーズボタンが半押しされたか否かが判断される。レリーズボタンが半押しされると、ステップS32でオートフォーカス動作が実行される。オートフォーカス動作はレンズを被写体に自動的に合焦させる動作である。
【0018】
オートフォーカス動作によりレンズが合焦されると画面42には露出やピントが正確に合った入力画像20が表示される。ステップS33では、フレーム画像の透過率が0%(無透過)に変更され、フレーム画像は入力画像20を透過しなくなる。これにより、画面42には実際に撮影される画像が表示されて、使用者は撮影画像を的確に把握することができる。ステップS34ではレリーズボタンが半押しされているか否かが判断されて、半押しされているときにはステップS35においてレリーズボタンが全押しされたか否かが判断される。全押しされているときにはステップS36でレリーズ動作が行われて画像が撮影される。
【0019】
以上から、使用者は、撮影直前のフレーム画像と入力画像20との合成画像を画面42で確認し、撮影画像を容易に予測及び把握することができる。
【0020】
図4を用い、フレーム画像の透過方法の選択について説明する。図4はデジタルカメラの画面42及び操作ボタン44を有する操作部を示した図である。
【0021】
使用者は撮影前に、フレーム画像の透過方法をあらかじめ選択することができる。操作ボタン44を操作すると、フレーム画像が透過的に表示されるか否かを選択するためのダイアログ46が画面42に表示される。使用者はダイアログ46に表示された、半透過、無透過、及び自動切替の選択肢からいずれか1つを選択する。半透過を選択すると、フレーム画像は画面42に表示される間、常に半透過で表示され、オートフォーカス動作が実行された後でも無透過となることはない。無透過を選択すると、フレーム画像は画面42に表示される間、常に無透過で表示されて、フレーム画像に覆われた部分の入力画像20を使用者が視認することはできなくなる。自動切替を選択すると、オートフォーカス動作が実行される前にはフレーム画像は半透過で表示され、オートフォーカス動作が実行された後には無透過となる。
【0022】
これにより、使用者はフレーム画像が入力画像20を透過して表示されるか否かを選択することが可能になり、デジタルカメラの利便性が向上する。
【0023】
なお、フレーム画像の透過率は50%でなくてもよく、覆われた画像を使用者が視認できるような透過率であれば良い。
【0024】
また、ダイアログ46に表示される選択肢は半透過、無透過、自動切替に限定されず、透過率により分けられても良い。使用者は好みに応じた透過率を選択して撮影画像を的確に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】画面を示した図である。
【図3】本実施形態による処理を示したフローチャートである。
【図4】デジタルカメラの背面を示した図である。
【符号の説明】
【0026】
20 入力画像
26 フレーム画像(装飾画像)
40 デジタルカメラ
42 画面
44 操作ボタン
46 ダイアログ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される入力画像を一定時間毎に更新して画面に表示すると共に、前記入力画像の外縁周辺を覆う装飾画像を前記画面に表示する画像表示手段と、
被写体にレンズを自動的に合焦させるオートフォーカス手段とを備える画像記録装置であって、
前記画像表示手段は、前記装飾画像を透過して、前記装飾画像により覆われた前記入力画像の部分を表示し、前記オートフォーカス手段により被写体に前記レンズを合焦させたときには、前記装飾画像により覆われた前記入力画像の部分を表示しないことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記画像表示手段が、前記装飾画像を透過して前記装飾画像により覆われた前記入力画像の部分を表示するか否かを使用者が選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記画像記録装置はデジタルカメラであることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−34917(P2008−34917A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202927(P2006−202927)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】