説明

画像記録装置

【課題】紙ジャムが発生した場合の装置本体の内外の2つの搬送ガイド体42、43の開放作業を簡便化してジャム処理の手間を少なくし、且つジャムした用紙に損傷を与えないで、第2搬送路34を開放する。
【解決手段】装置本体に固定された第1搬送ガイド体41とその外周側の第2搬送ガイド体42とにより、上段給紙カセット上の用紙PをU字状に記録部12へ搬送案内する第1搬送路23が形成され、第2搬送ガイド体42とその外周側の第3搬送ガイド体43とにより、下段給紙カセット上の用紙P1を同じくU字状に搬送案内する第2搬送路34が形成され、第2及び第3搬送ガイド体は、下側を中心にして後面開口部35に対して開閉回動に装着され、第2搬送ガイド体に設けられたフック体58が第2搬送路34を挟んで第3搬送ガイド体の被係合部63に係合し、且つ第2搬送路を通過する用紙P1の先端にてフック体58を押し上げて係合を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体に対して上下複数段の給紙カセットを備え、各給紙カセットからの給紙動作時に発生する虞れのある紙詰まり、いわゆる紙ジャムに容易に対処できるようにした画像記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コピー装置やプリンタ装置等の画像記録装置であって、装置本体内に、上段の給紙カセットと、下段の給紙カセットとがそれぞれ挿抜可能に配置された画像記録装置が製品化されている。このような画像記録装置の中には、上段の給紙カセットの上方に記録部が設けられ、給紙カセットの挿抜方向の奥側には、Uターン状の搬送体が配置されたものがある。このような画像記録装置において、このUターン状の搬送路で紙ジャムが発生した場合の処理する構成が、従来から種々案出されている。そのうち、例えば特許文献1では、装置本体内に、各給紙カセットの上方に、上下方向に揺動するアームを設け、そのアームの先端に給紙ローラを備えた給送手段が配設されている。そして、上段給紙カセットより上側に配置された記録部において、その用紙搬送方向における上流側に、レジストローラが配置されている。
【0003】
上段給紙カセットから分離された用紙を上方へ反転給送するための横向きUターン状の第1搬送路と、下段給紙カセットから分離された用紙を上方へ反転給送するための横向きUターン状の第3搬送路とは、その給送下流側端で合流し、レジストローラに向かう1つの搬送路に接続されている。
【0004】
その場合、第1搬送路の湾曲部の外側に第2搬送路が形成される。そして、第2搬送路は、装置本体の最奥側(取り外し用の開口部)に位置する第1搬送ガイド体の内周と第2搬送ガイド体の外周との間に形成される。第1搬送ガイド体と第2搬送ガイド体とが結合されたガイド部材は、取り外し用の開口部に対して着脱可能となっている。なお、第2搬送ガイド体の内周と第3搬送ガイド体の外周との間に第1搬送路が形成され、第3搬送ガイド体は装置本体のメインフレームに固定されている。
【0005】
特許文献1の構成では、上記ガイド部材を取り外し用の開口部から取り外すことで、上記第1搬送路または第2搬送路中で発生した紙ジャムの紙を取り除くが、第1搬送ガイド体と第2搬送ガイド体とが結合されていて、第2搬送路がその搬送経路に沿って開放できないため、詰まった紙を取り除く作業が困難になることがあった。特に、第2搬送路を通過中の用紙の先端側がレジストローラに挟持され、用紙の後端側が給紙ローラ側に挟持されている状態では、上記ガイド部材を取り外し用の開口部から外する作業中に、湾曲した第2搬送路の狭い隙間内の用紙が破れるなどしてきれいに紙ジャム処理できなくなる。
【0006】
他方、特許文献2では、装置本体内の上下中途部に、感光体とトナー転写部と、熱定着部とからなる画像形成装置が配置され、この画像形成装置の下方に上下2段の給紙カセットが配置されている。そして、画像形成装置の熱定着部より排出された用紙を装置本体上方の排紙台に導くUターン状の第2搬送路と、その反対側に用紙を搬送する第1搬送路とが形成され、第1搬送路と第2搬送路との分岐部には、2つの分岐爪を有する経路切換機構が設けられている。
【0007】
上記第2搬送路の排出端には排出口及び排出ローラが設けられている。一旦排出口方向に搬送された用紙の後端が排出口と一方の分岐爪の間に達した時、排出ローラを逆転させると共に2つの分岐爪の状態を切換えて、表面に記録済みの用紙の搬送方向を逆転(スイッチバック)させてUターン状の第1搬送路(両面複写用搬送ユニット)に搬送し、再度画像形成装置を通過させると、1つの用紙の裏面にも画像が記録される。両面記録済みの用紙は第2搬送路を介して上記排紙台に導かれるように構成されたものである。
【0008】
そして、特許文献2では、上記第2搬送路を形成するための第2カバー(第2搬送ガイド体)は、第1搬送路を形成するための第1カバー(第1搬送ガイド体)よりも、上方に配置されており、第2カバーを開き回動させるとき、第1カバーを開き回動させる開放連動機構を設けて、第1搬送路または第2搬送路のいずれで紙ジャムが発生しているかの判断が困難な場合には、第2カバー(装置本体奥側)と第1カバー(装置本体外側)とを同時に開放させて、紙ジャムを処理するものであった。
【特許文献1】特開2006−103954号公報(図2〜図11参照)
【特許文献2】特開平11−272144号公報(第2図〜第4図参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の構成のような、第1搬送路と第2搬送路とがほぼ同じ高さ位置に形成されたものに対して、特許文献2のような第2カバーを開き回動させるとき、第1カバーを開き回動させる開放連動機構を設ける構成を直接的に採用することができない。また、特許文献1の構成のような、第1搬送路と第2搬送路とがほぼ同じ高さ位置に形成されたものであって、内外両搬送ガイド体(第1搬送ガイド体と第2搬送ガイド体)の下端部をそれぞれ装置本体に対して回動可能に枢着した場合に、第2搬送路で紙ジャムが発生したときに、内外両搬送ガイド体を同時に開くと、第2搬送路中の用紙が内側の搬送ガイド体で押されて、用紙が破れるという問題がある。これを回避しようとすると、第1搬送ガイド体と第2搬送ガイド体と別々に開放回動させる操作が必要で、ジャム処理に手間が掛かるという問題があった。
【0010】
さらに、特許文献1の構成のように、第1搬送路と第2搬送路とがほぼ同じ高さ位置にある場合、取り外し用の開口部を塞いで元の状態に戻すためには、装置本体奥側の第2カバーを装着した後、装置本体外側の第1カバーを装着するというように、2つのカバーを別々に取り扱う必要があり、回復作業が面倒であった。
【0011】
本発明は、上記課題を解消するものであり、第1に紙ジャムが発生した場合の装置本体の内外の2つの搬送ガイド体(カバー体)の開放作業を簡便化してジャム処理の手間を少なくし、且つジャムした用紙に損傷を与えないで、搬送路を開放すること、第2に上記2つの搬送ガイド体(カバー体)を元の姿勢に戻す操作を簡便にできることを解決課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明における画像記録装置は、装置本体の収容部に、上下に2段の第1及び第2給紙カセットがそれぞれ挿抜可能に配置され、前記収容部の上方に配置された記録部を有し、前記各給紙カセットに堆積状態で収容させた被記録媒体のうち1の被記録媒体を、それぞれ所定の搬送向きに給送して分離する給紙手段を備えた画像記録装置であって、前記装置本体のうち前記搬送向きの奥側に配置された第1搬送ガイド体の外周部とその外周側に配置された第2搬送ガイド体の内周部とにより、前記第1給紙カセットから給送された被記録媒体を前記記録部に案内する第1搬送路と、前記第2搬送ガイド体の外周部とその外周側に配置された第3搬送ガイド体の内周部とにより、前記第2給紙カセットから給送された被記録媒体を前記記録部に案内する第2搬送路と、が形成され、前記第2搬送ガイド体及び第3搬送ガイド体は、それぞれ、被記録媒体の案内向きの上流側端部を中心にして前記装置本体の前記搬送向きの奥側の開口部に対して開閉回動に装着され、前記第2搬送ガイド体又は前記第3搬送ガイド体のいずれか一方に配置された係合手段が、常には前記第2搬送路を挟んで前記第2搬送ガイド体又は前記第3搬送ガイド体のうち他方の被係合部に係合し、且つ前記第2搬送路を被記録媒体が通過するとき、被記録媒体の先端により、前記係合手段が前記被係合部に対する係合を解除されるように構成されているものである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像記録装置において、前記係合手段が前記被係合部に係合した状態では、前記開口部を開放するために前記第3搬送ガイド体を開く向きに回動させるとき、前記第2搬送ガイド体も同時に開く向きに回動するものである。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像記録装置において、前記係合手段は、前記第2搬送路を通過する被記録媒体の搬送方向と交差する方向のうち、被記録媒体の幅方向の中央寄り部位に設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像記録装置において、前記開口部を閉塞するために前記第3搬送ガイド体を閉じる向きに回動させるとき、前記第3搬送ガイド体の内周部に設けられた摺接部が、前記第2搬送ガイド体の外周部に摺接して、当該第2搬送ガイド体を閉じる向きに回動させるものである。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像記録装置において、前記第3搬送ガイド体には、装置本体に係脱することにより、前記開口部を閉塞する姿勢を保持するロック手段が備えられているものである。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像記録装置において、前記第2搬送ガイド体及び第3搬送ガイド体により閉塞する第1開口部が前記装置本体の一方の側面に設けられ、前記各給紙カセットは、前記第1開口部と対峙する側面に設けられた第2開口部から前記収納部へと挿入可能に構成されているものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、第2搬送ガイド体及び第3搬送ガイド体は、それぞれ、被記録媒体の搬送方向上流側端部を中心にして前記装置本体の前記挿抜方向の奥側の開口部に対して開閉回動に装着され、前記第2搬送ガイド体又は前記第3搬送ガイド体のいずれか一方に配置された係合手段が、常には前記第2搬送路を挟んで前記第2搬送ガイド体又は前記第3搬送ガイド体のうち他方の被係合部に係合し、且つ前記第2搬送路を被記録媒体が通過するとき、被記録媒体の先端により、前記係合手段が前記被係合部に対する係合を解除されるものであるから、第2搬送路を通過する被記録媒体が紙ジャムを起こしたときには、第3搬送ガイド体のみを開くことができる。従って、内外2つの搬送ガイド体を開き回動するときに発生する被記録媒体の損傷を確実に防止することができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、前記係合手段が前記被係合部に係合した状態では、前記開口部を開く向きに前記第3搬送ガイド体を回動させるとき、前記第2搬送ガイド体も同時に開く向きに回動できるように構成されているものであるので、請求項1に記載の発明による効果に加えて、被記録媒体が第2搬送路を通過していなければ、第3搬送ガイド体を開き回動させると係合手段を介してし第2搬送ガイド体も同時に開くことができる。従って、前記第2搬送路よりも内側の第1搬送路で紙ジャムが発生したときには、2つの搬送ガイド体を別々に取り扱う必要がなく、一挙に第1搬送路を開放できて、迅速な紙ジャム処理を実行できる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、前記係合手段は、前記第2搬送路を通過する被記録媒体の搬送方向と交差する方向のうち、被記録媒体の幅方向の中央寄り部位に設けられているので、通過する被記録媒体の先端縁のうち剛性が高い被記録媒体の幅方向の中央寄り部位にて簡単に係合手段を解除方向に押すことができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、開口部を閉塞するように前記第3搬送ガイド体を閉じる向きに回動させるとき、前記第3搬送ガイド体の内周部に設けられた摺接部が、前記第2搬送ガイド体の外周部に摺接して、当該第2搬送ガイド体を閉じる向きに回動させるように構成したものであるから、紙ジャム処理が終わって、第3搬送ガイド体を元の姿勢(閉止姿勢)に戻す操作だけで、第2搬送ガイド体も円滑に元の閉止姿勢に戻せるので、操作性が向上する。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、第3搬送ガイド体には、装置本体に係脱することにより、前記開口部を閉塞する姿勢を保持するロック手段が備えられているので、第2搬送路を通過する被記録媒体により押圧される第3搬送ガイド体がガタつくことを防止して紙ジャムが発生し難い状態に保持できる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、第2搬送ガイド体及び第3搬送ガイド体により閉塞する第1開口部が前記装置本体の一方の側面に設けられ、前記各給紙カセットは、前記第1開口部と対峙する側面に設けられた第2開口部から前記収納部へと挿入可能に構成されているので、紙ジャムが発生したときに各給紙カセットを装置本体から引き出しても、被記録媒体が損傷しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。この実施形態では、画像記録装置として、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する多機能装置(MFD:Multi Function Device)1を例示するが、画像記録装置は、スキャナ装置、コピー装置、ファクシミリ装置等の単機能の装置であってもよい。
【0025】
図1及び図2は、実施形態の多機能装置1の外観斜視図であり、図1は前面開口部(給紙カセット挿抜用開口部、請求項にいう第2開口部である)14を斜め上方から見た前面斜視図であり、図2は、後述する第3搬送ガイド体43と、第3搬送ガイド体43にて開閉される後面開口部(請求項にいう第1開口部である)35を斜め上方から見た後面斜視図である。
【0026】
多機能装置1の装置本体2における前側板2aには、図1に示すように、前面開口部14が設けられていて、上段給紙カセット(請求項の第1給紙カセットに相当)20と下段給紙カセット(請求項の第2給紙カセットに相当)30がいずれも、装置本体2内の記録部12よりも下方に設けられた収容部に対して、前面開口部14から挿抜可能(実質上水平方向に出し入れ可能)に配置されている。前面開口部14と反対側、つまり、装置本体2における背面である後側板2bには、図2に示すように、第3搬送ガイド体43にて塞がれる後面開口部35が形成されている。以下、合成樹脂製の装置本体2の前面開口部14がある側を前(手前)といい、これを基準に装置の後(奥、背面)、左右、という。また、多機能装置1の前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向とする。
【0027】
多機能装置1は、その合成樹脂製の装置本体(ハウジング)2の上部に、コピー機能やファクシミリ機能における原稿読み取りなどのための画像読取装置(スキャナ部)3が配置されている。画像読取装置3は、原稿を読み取って画像データ(写真データや文書データ等も含む)を作成する(スキャナ機能)。
【0028】
多機能装置1はそのコピー機能を用いて、画像読取装置3で作成した画像データを、被記録媒体の一例である用紙に、画像(写真、文書)として記録することができる。また多機能装置1はそのファクシミリ機能を用いて、画像読取装置3で作成した画像データを、電話通信網を介して他のファクシミリ装置等の外部通信装置に送信することができる。さらに、多機能装置1は、画像読取装置3で作成した画像データを、ケーブル等を介して接続したパーソナルコンピュータ等に送信することもできる。
【0029】
本実施形態では、画像読取装置3は、所謂フラットベッドスキャナとして構成されている。多機能装置1は、その天板として開閉自在に設けられた原稿カバー4の下側に、原稿読取用ガラス及びイメージセンサ(共に図示せず)が設けられている。イメージセンサは、X軸方向(図1参照)に長いCIS(Contact Image Sensor) を採用しているが、CCD(Charge Coupled Devise)を用いてもよい。読取用ガラスに、画像を読み取られるべき原稿が載置され、読取用ガラスの下方をイメージセンサがY軸方向(図1参照)に往復移動することにより、画像の読み取りが行なわれる。
【0030】
原稿カバー4には、自動原稿搬送機構であるオート・ドキュメント・フィーダ(ADF;Auto Document Feeder)7が設けられている。ADF7は、原稿トレイ8(図1では閉じた状態を図示)に載置された原稿を1枚ずつ読取用ガラス上に搬送し、読取用ガラス5の下方に静置させたイメージセンサで原稿の読み取りを行う。読み取られた原稿は、原稿用排出トレイ9に排出される。多機能装置1の前面上部には、各種動作を指令するために、操作ボタンや液晶表示部を備える操作パネル10が設けられている(図1参照)。
【0031】
多機能装置1の内部構成について説明する。装置本体2内の収容部の上部には記録部12が備えられている。記録部12はインクジェット式の記録ヘッド13を搭載したキャリッジ15を備えている。そして、装置本体2の内部に収納された図示しないインクカートリッジから、可撓性を有するインク供給管(チューブ)を介して、各色のインクがそれぞれ独立して記録ヘッド13に供給される。
【0032】
キャリッジ15は、収容部のメインフレーム16に設けられた一対のガイドレール板(図示せず)に沿ってY軸方向(図1参照)に往復移動する。その際に、画像データに基づいて記録ヘッド13からインクを選択的に吐出することにより、メインフレーム16に固定されたプラテン17上の被記録媒体である用紙P(P1)に画像を記録する。
【0033】
上段給紙カセット20(請求項にいう第1給紙カセット)及び下段給紙カセット30(請求項にいう第2給紙カセット)は、いずれも被記録媒体である用紙P,P1を多数枚、堆積状態で収容できるように構成されている。上段及び下段給紙カセット20,30は、収容されている用紙の給送方向と一致するように前面開口部14を介して多機能装置1の収容部に対して挿入される。また、上段及び下段給紙カセット20,30は、用紙の給送方向と逆方向に前面開口部14を介して収容部から引き出すことができる。上段及び下段給紙カセット20,30の挿抜方向(X軸方向)の奥側が、用紙の給送方向の下流側となる。なお、下段給紙カセット30は上段給紙カセット20に比べて、収容できる用紙の枚数が多く、大容量タイプの給紙カセットである。換言すれば、上段給紙カセット20は下段給紙カセット30に比べて高さ(厚み)が低く形成されている。
【0034】
上段給紙カセット20の奥側(図3(A)の右側)には、上段傾斜分離板21が設けられている。上段給紙カセット20の底面における奥側寄りの位置に対向して、上段給紙アーム22の先端に軸支された上段給紙ローラ23が配置されている。上段給紙アーム22は下向きに付勢されていて、上段給紙カセット20に堆積状態で収容されている用紙の最上面に、上段給紙ローラ23が当接するようになっている。これが請求項にいう給紙手段である。図示しない駆動源から駆動力が上段給紙ローラ23に伝達されて回転すると、上段傾斜分離板21との公知の協働作用によって、最上層の用紙Pが1枚ずつ分離されて、後述する上方の上段用紙搬送路24(請求項にいう第1搬送路)に案内される。
【0035】
上段用紙搬送路24は、上段傾斜分離板21から上方に向かった後、多機能装置1の前面側へ曲がるUターン形状に形成されている。従って、用紙Pは記録部12で画像記録が行われた後に、上段給紙カセット20の上面に配置された排紙トレイ体40上に排出される。上段給紙アーム22は、上段給紙カセット20を挿抜する動作に伴って、昇降動作するように構成されていて、上段給紙ローラ23が上段傾斜分離板21と衝突することを回避できる。
【0036】
下段給紙カセット30も基本的に上段給紙カセット20と同様に形成されていて、その奥側(図3(B)の右側)には、下段傾斜分離板31が設けられている。また、下段給紙カセット30の底面における奥側寄りの位置に対向して、下段給紙アーム32の先端に軸支された下段給紙ローラ33が配置されている。下段給紙アーム32は下向きに付勢されていて、下段給紙カセット30に堆積状態で収容されている用紙P1の最上面に、下段給紙ローラ33が当接するようになっている。図示しない駆動源から駆動力が下段給紙ローラ33に伝達されて回転すると、下段傾斜分離板31との公知の協働作用によって、最上層の用紙P1が1枚ずつ分離されて、後述する上方の下段用紙搬送路34(請求項にいう第2搬送路)に案内される。
【0037】
下段用紙搬送路34は、上段用紙搬送路24よりも湾曲半径の外側に設けられていて、下段傾斜分離板31から上方に向かった後、多機能装置1の前面側へ曲がるUターン形状(上段用紙搬送路24よりも大きな円弧状)に形成されている。上段用紙搬送路24と下段用紙搬送路34とは、後述するように、記録部12よりも用紙の搬送方向上流側において合流している。従って、下段用紙搬送路34を経て搬送された用紙P1は記録部12で画像記録が行われた後に、同じく排紙トレイ体40上に排出される。下段給紙アーム32は、下段給紙カセット30を挿抜する動作に伴って、昇降動作するように構成されていて、下段給紙ローラ33が下段傾斜分離板31と衝突することを回避できる。なお、使用者は排紙トレイ体40上の用紙P、P1を、前面開口部14から装置本体2の前面側に取り出すことができる。
【0038】
本実施形態においては、下段給紙カセット30も上段給紙カセット20と同様に、装置本体2に対して挿抜可能、すなわち取り外しが可能に構成されているが、上下段給紙カセット20,30共に、装置本体2に対して進退動可能のみであってもよい。すなわち各段給紙カセット20、30のほとんどの部分を装置本体2から引き出せるものの、装置本体2から取り外すことができない構成であってもよい。
【0039】
上段給紙カセット20(第1給紙カセット)上の用紙Pを記録部12にU字状に搬送案内する上段用紙搬送路24(第1搬送路)は、装置本体2のうち挿抜方向の奥側であって装置本体2の背面である後側板2bに穿設された後面開口部35よりも内側に配置された第1搬送ガイド体41とその外周側に配置された第2搬送ガイド体42の内周側とにより形成される。第1搬送ガイド体41は、装置本体2のメインフレーム16に固定されている。
【0040】
上段用紙搬送路24と下段用紙搬送路34との搬送下流側端での合流部と、キャリッジ15とプラテン17とによる記録部12の搬送上流部との間には、搬送された用紙P(P1)の斜行を修正して記録部12へ用紙P(P1)を間欠的に搬送するためのレジストローラ対27が設けられている。記録部12を挟んで搬送下流側には、記録済みの用紙P(P1)を、上段給紙カセット20の上面に設けられた排紙トレイ40上に搬送するための排紙ローラ対28が配置されている(図3参照)。レジストローラ対27は用紙P(P1)を挟む下側のローラが従動ローラであり、上側のローラが駆動ローラとして構成されている。排紙ローラ対28は、用紙P(P1)の上面(記録面)に接する拍車ローラと下面(被記録面)側の排紙ローラとからなる。
【0041】
下段給紙カセット30(第2給紙カセット)上の用紙P1を記録部12にU字状に搬送案内する下段用紙搬送路(第2搬送路)34は、第2搬送ガイド体42の外周側とその外周側に配置された第3搬送ガイド体43の内周側とにより形成される。上段用紙搬送路24と下段用紙搬送路34との搬送下流側端での合流部の高さ位置はほぼ同じである。そして、第2搬送ガイド体42及び第3搬送ガイド体43は、それぞれ、用紙P(P1)の搬送方向上流側端部(装置本体2の下側寄り部位)の横軸44、45を中心にして装置本体2の後側板2bに形成された後面開口部35に対して開閉回動に装着されている(図5(A)、図5(B)参照)。
【0042】
第3搬送ガイド体43の回動部の詳細は、図3(A)〜図5(B)に示すように、装置本体2の後側板2bの左右両側から後面開口部35の左右両側縁に沿って後外向きにフランジ板部46aを有する枠部46が突出形成されている。第3搬送ガイド体43の背面板43a左右両側には一対の鰭部43bが、その内面とフランジ板部46aの外面とが対面して沿うように形成されている。そして、各鰭部43bに横軸45が突設され、フランジ板部46aに設けられている図示しない軸受にて横軸45を回動自在に軸支している。
【0043】
第2搬送ガイド体42の外周部及び第3搬送ガイド体43の内周部には、用紙Pの幅方向(Y軸方向)に適宜間隔にて多数のリブ板50、51が一体的に形成されている。リブ板50の外周縁及びリブ板51の内周縁は、Y軸方向に沿って見る側面視で、下段用紙搬送路34(第2搬送路)の湾曲部を形成するように構成されている(図5(A)、図5(B)など 参照)。
【0044】
第3搬送ガイド体43の背面板43aのうち、左右中央部位の上側の把手用装着凹部52には、ロック手段である左右一対の爪部53bが備えられた把手53が配置され、把手53から横向きに突出する横軸53aは把手用装着凹部52の近傍の凹溝状の軸受52aに回動可能に嵌め入れられている。そして、上向きに突出された各爪部53bが装置本体2のフレームに設けられた係合部54に下方から係合する方向に付勢されるように、把手53がバネ55にて連結されている(図8参照)。従って、第3搬送ガイド体43を装置本体2の後側板2bの後面開口部35を塞ぐ(閉じる)ように回動させると、一対の爪部53bが係合部54に下方から係合し、バネ55にて自動的に係合状態を保持できる。
【0045】
第2搬送ガイド体42に配置された係合手段としてのフック体58は、常には下段用紙搬送路34を挟んで第3搬送ガイド体43に設けられた被係合部63に係合している。そして、下段用紙搬送路34を用紙P1が通過するとき、用紙P1の先端により、フック体58が突き上げられ、第3搬送ガイド体43の被係合部63に対するフック体58の係合が解除されるように構成されている(図5(A)、図5(B)参照)。
【0046】
より詳しく説明すると、1つのフック体58は、下段用紙搬送路34を通過する用紙P1の搬送方向と交差する方向のうち、用紙P1の幅方向の中央寄り部位に設けられている。さらに詳述すると、樹脂製などの重量の軽く形成されたフック体58は、第2搬送ガイド体42の外周側の多数のリブ板50のうち用紙P1の幅方向の中央寄り部位に位置する一対のリブ板50の間に配置されている。そして、フック体58の基部の枢軸59は一対のリブ板50に支持されている(図6参照)。枢軸59に中途部が巻回された捩じりバネ60の一端はフック体58の上面に係止され、捩じりバネ60の他端は第2搬送ガイド体42の外周側の適宜個所に係止されている。この構成により、フック体58の係合爪58aが下向き方向(被係合部63に係合する方向)に付勢されている(図5(A)参照)。
【0047】
被係合部63は、第3搬送ガイド体43の内周側の一対のリブ板51の間に設けられている。係合爪58aの幅寸法W1に対して、被係合部63の幅寸法W2を小さく設定する(図7(B)参照)。
【0048】
上記捩じりバネ60の付勢力は、下段用紙搬送路34を下方から通過する用紙P1の先端によりフック体58を突き上げると、フック体58の係合爪58aが被係合部63から外れてフック体58が上向き回動(図7(A)の反時計周りの回動)する程度の小さい力である。
【0049】
下段用紙搬送路34を下方から通過する用紙P1の先端により、捩じりバネ60の付勢力に抗してフック体58が突き上げられるとき、当該用紙P1の先端がフック体58の係合爪58aに引っ掛かって、紙ジャムになるのを防止するため、係合爪58aを挟んでフック体58の左右両側面に用紙に対する滑りの良い樹脂板61が接着剤などにて固定されている。また、樹脂板61の下端縁61aが被係合部63の最下端よりも下方に位置すると共に、下端縁61aに当接した用紙P1の先端がフック体58の係合爪58a側(自由端側)に滑り易いように平滑に形成されていることが好ましい。
【0050】
上記の構成によれば、画像記録装置1への画像記録指令があり、その用紙サイズが指定されると、該当するサイズの用紙が堆積収容された上段給紙カセット20または下段給紙カセット30のいずれかが選択される。上記選択指令により上段給紙ローラ23が駆動すると、上段給紙カセット20上の用紙Pのうち最上位の1枚の用紙Pが上段傾斜分離板21との協働作用にて分離されて、当該用紙Pは上段用紙搬送路24に送り出され、レジストローラ対27を介して記録部12へ搬送される。
【0051】
下段給紙ローラ33が駆動するときには、下段給紙カセット30上の用紙P1のうち最上位の1枚の用紙P1が下段傾斜分離板31との協働作用にて分離されて、当該用紙P1は下段用紙搬送路34に送り出され、レジストローラ対27を介して記録部12へ搬送される。
【0052】
上段用紙搬送路24にて紙ジャムが発生した場合(下段用紙搬送路34中に用紙P1が存在しない場合)の処理では、第2搬送ガイド体42と第3搬送ガイド体43とが係合手段であるフック体58にて連結されたままの状態である。このため、把手53を回動させてロック手段(爪部53b)のフック解除により、第3搬送ガイド体43を図3(A)にて時計方向に回動させると、第2搬送ガイド体42も共に回動する。第3搬送ガイド体43の開き角度が大きくなると、第2搬送ガイド体42における横軸44の高さ位置が第3搬送ガイド体43における横軸45の高さ位置よりも高い位置にある(偏心している)ため、フック体58が第3搬送ガイド体43の被係合部63から外れる。第2搬送ガイド体42の重心位置が横軸44よりも外にあるため、第2搬送ガイド体42は自然に大きく開き、第3搬送ガイド体43も大きく開くことができる(図4(A)参照)。これにて、第3搬送ガイド体43の開き操作だけで、装置本体2の背面側の後面開口部35を大きく開放することができる。
【0053】
上段用紙搬送路24中の用紙Pの先端がレジストローラ対27にニップされた状態で、上段用紙搬送路24にて紙ジャムが発生したときであっても、上述のように、内外両搬送ガイド体42、43を一度に開くことで、紙ジャム処理が迅速にできる。
【0054】
下段用紙搬送路34にて搬送される用紙P1の先端がフック体58の位置を越えて搬送下流側にあって、紙ジャムが発生した場合には、上述のように、フック体58が突き上げられ、被係合部63との係合が解除される(図3(B)及び図5(B)参照)。この状態で、把手53を回動させてロック手段(爪部53b)のロックを解除すると、下段用紙搬送路34のみを大きく開き回動できる(図4(B)参照)。従って、下段用紙搬送路34中の用紙P1を簡単に除去できる。紙ジャム時の用紙P1の先端がレジストローラ対27にニップされ、且つ当該用紙P1の後側が下段給紙ローラ33にてニップされているときでも、下段用紙搬送路34のための外径側の第3搬送ガイド体43のみを開くので、用紙P1が破損することはない。
【0055】
次に、後面開口部35を閉塞する場合に、第2搬送ガイド体42と第3搬送ガイド体43とをこの順序で別々に閉じる作業を行なうことなく、第3搬送ガイド体43の閉じ操作だけで、第2搬送ガイド体42も閉じる方向に回動させる構成について説明する。
【0056】
図9(A)〜図9(E)に示すように、後面開口部35を閉塞するように第3搬送ガイド体43を内向き(図9(A)〜図9(E)に示すように時計廻り)に回動させるとき、第3搬送ガイド体43の内周側に設けられた摺接案内部65が、第2搬送ガイド体42の外周の被案内部67に摺接して、当該第2搬送ガイド体42を内向きに回動させるように構成したものである。左右一対の摺接案内部65は、第2搬送ガイド体42における用紙P1が摺接通過しうる全てのリブ板50よりも左右両外側に配置された板66外周端面に形成されている。同じく左右一対の被案内部67は左右一対の摺接案内部65と対面する位置であり、第3搬送ガイド体43における全てのリブ板50よりも左右両外側に配置され、且つ各鰭部43bよりも内側に配置された板68の内周端面に形成されるものである。
【0057】
第2搬送ガイド体42の横軸44が第3搬送ガイド体43の横軸45よりも装置本体2の高い位置にあるので、図9(A)〜図9(E)を観察して理解できるように、第3搬送ガイド体43が大きく開いた角度(略水平状)から、横軸45を中心にして立ち上がり回動するにつれて、第2搬送ガイド体42における摺接案内部65の被案内部67に対する摺接位置が第3搬送ガイド体43の自由端側(上側)に順次移動することになる。
【0058】
従って、上向き回動する第3搬送ガイド体43の内周面の摺接案内部65で第2搬送ガイド体42を掬い上げながら、両搬送ガイド体42、43を一挙に閉塞回動させることができる。
【0059】
第3搬送ガイド体43には、後面開口部35を閉塞する姿勢を保持するために、装置本体2に係脱するロック手段(爪部53b)が備えられているから、下段用紙搬送路34を通過する用紙P1により第3搬送ガイド体43が押されても、ガタつくことがない。
【0060】
第2搬送ガイド体42及び第3搬送ガイド体43により閉塞する後面開口部35が装置本体の一方の側面に設けられ、各給紙カセット20、30は、後面開口部35と対峙する側面に設けられた前面開口部14から収納部へと挿入可能に構成されている場合には、紙ジャム発生時に、各給紙カセット20、30を前面開口部14から引き出しても、各用紙P(P1)が損傷することが少ない。
【0061】
本発明では、第3搬送ガイド体43に係合手段であるフック体58を設ける一方、第2搬送ガイド体42に被係合部63を設けるように構成しても良い。その場合も、下段用紙搬送路34を下方から通過する用紙P1の先端により、捩じりバネ60の付勢力に抗してフック体58が突き上げられて、被係合部63から係合解除される構成であることはいうまでもない。また、フック体58が被係合部63に係合している状態では、把手53を回動させてロック手段(爪部53b)のフック解除により、第3搬送ガイド体43を図3(A)にて時計方向に回動させると、第2搬送ガイド体42も共に回動するものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】画像記録装置の実施形態としての多機能装置の前側から見た斜視図である。
【図2】同じく背面側から見た斜視図である。
【図3】(A)は図2の IIIA −IIIA線矢視側断面において上段給紙カセット20からの給紙動作を示し、(B)は同じ側断面図における下段給紙カセット30からの給紙動作を示す。
【図4】(A)は第2搬送ガイド体42及び第3搬送ガイド体43を連動して開き回動させた状態の側断面図、(B)は第3搬送ガイド体43のみを開き回動させた状態の側断面図である。
【図5】(A)は第2搬送ガイド体42と第3搬送ガイド体43とがフック体58にて連結されている状態の側断面図、(B)はフック体58の係合が解除されている状態の側断面図である。
【図6】フック体58の斜視図である。
【図7】(A)はフック体58の作用を示す要部拡大断面図、(B)は図7(A)のVIIB−VIIB線矢視側断面である。
【図8】第3搬送ガイド体43のロック手段を示す、概略平面図である。
【図9】(A)〜(F)は第3搬送ガイド体43の閉塞回動で、第2搬送ガイド体42を閉塞方向に掬い上げる様子の変化を示す側面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 多機能装置
12 記録部
13 記録ヘッド
14 前面開口部
20 第1給紙カセット(上段給紙カセット)
21 上段傾斜分離板
23 上段給紙ローラ
24 上段用紙搬送路(第1搬送路)
27 レジストローラ対
30 下段給紙カセット
31 下段傾斜分離板
33 下段給紙ローラ
34 下段用紙搬送路(第2搬送路)
35 後面開口部
41 第1搬送ガイド体
42 第2搬送ガイド体
43 第3搬送ガイド体
44、45 横軸
50、51 リブ板
53 把手
53b 爪部(フック手段)
58 フック体(係合手段)
63 被係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の収容部に、上下に2段の第1及び第2給紙カセットがそれぞれ挿抜可能に配置され、前記収容部の上方に配置された記録部を有し、
前記各給紙カセットに堆積状態で収容させた被記録媒体のうち1の被記録媒体を、それぞれ所定の搬送向きに給送して分離する給紙手段を備えた画像記録装置であって、
前記装置本体のうち前記搬送向きの奥側に配置された第1搬送ガイド体の外周部とその外周側に配置された第2搬送ガイド体の内周部とにより、前記第1給紙カセットから給送された被記録媒体を前記記録部に案内する第1搬送路と、
前記第2搬送ガイド体の外周部とその外周側に配置された第3搬送ガイド体の内周部とにより、前記第2給紙カセットから給送された被記録媒体を前記記録部に案内する第2搬送路と、が形成され、
前記第2搬送ガイド体及び第3搬送ガイド体は、それぞれ、被記録媒体の案内向きの上流側端部を中心にして前記装置本体の前記搬送向きの奥側の開口部に対して開閉回動に装着され、
前記第2搬送ガイド体又は前記第3搬送ガイド体のいずれか一方に配置された係合手段が、常には前記第2搬送路を挟んで前記第2搬送ガイド体又は前記第3搬送ガイド体のうち他方の被係合部に係合し、且つ前記第2搬送路を被記録媒体が通過するとき、被記録媒体の先端により、前記係合手段が前記被係合部に対する係合を解除されることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記係合手段が前記被係合部に係合した状態では、前記開口部を開放するために前記第3搬送ガイド体を開く向きに回動させるとき、前記第2搬送ガイド体も同時に開く向きに回動することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記係合手段は、前記第2搬送路を通過する被記録媒体の搬送方向と交差する方向のうち、被記録媒体の幅方向の中央寄り部位に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記開口部を閉塞するために前記第3搬送ガイド体を閉じる向きに回動させるとき、前記第3搬送ガイド体の内周部に設けられた摺接部が、前記第2搬送ガイド体の外周部に摺接して、当該第2搬送ガイド体を閉じる向きに回動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記第3搬送ガイド体には、装置本体に係脱することにより、前記開口部を閉塞する姿勢を保持するロック手段が備えられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記第2搬送ガイド体及び第3搬送ガイド体により閉塞する第1開口部が前記装置本体の一方の側面に設けられ、
前記各給紙カセットは、前記第1開口部と対峙する側面に設けられた第2開口部から前記収納部へと挿入可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−83626(P2010−83626A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254731(P2008−254731)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】