説明

画像記録装置

【課題】画像記録後における水分に起因した画像崩れが抑制される画像記録装置を提供すること。
【解決手段】例えば、外部からの刺激により硬化する硬化性材料及び吸水粒子を含む硬化性溶液12Aの硬化性溶液層形成装置12に対して、インク14Aを付与するインク付与装置14と、硬化性溶液層形成装置12に対して、吸水成分の吸水を阻害する成分(吸水阻害成分)が含まれる液体13A(吸水阻害液13A)を供給する吸水阻害液供給装置13と、硬化性溶液層12Bを硬化させる刺激を硬化性溶液層12Bに供給する刺激供給装置18と、を有する画像記録装置101である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、「中間転写体面に予め滴状の液体により溶解又は膨潤可能でかつ該液体の粘度を上昇させることができかつ前記中間転写体から剥離可能な粉体の層を形成したのち、前記粉体の上に液体を付与して前記中間転写体上に画像信号に応じた画像を形成し、ついで、該中間転写体上に形成された前記画像を被記録媒体に転写する記録方法において、前記中間転写体に塗布される前記粉体にインク組成物と接触して水に不溶な形態となる物質を含有することを特徴とする記録方法」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−150792公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、吸水成分の吸水を阻害する成分を前記硬化性溶液層に接触させる方式を採用しない場合に比べ、画像記録後における画像崩れが抑制される画像記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
外部からの刺激により硬化する硬化性材料、及び吸水成分を少なくとも含む硬化性溶液を、前記被記録材上に供給し、硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成手段と、
前記硬化性溶液層にインクを付与するインク付与手段と、
前記硬化性溶液層を硬化させる前記刺激を前記硬化性溶液層に供給する刺激供給手段と、
前記インク付与手段により前記インクを前記硬化性溶液層に付与する前又は付与した後に、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が含まれる液体を前記硬化性溶液層に接触させる吸水阻害成分接触手段と、
を有する画像記録装置。
【0006】
請求項2に係る発明は、
前記被記録材が中間転写体であり、
外部からの刺激により硬化する硬化性材料、及び吸水成分を少なくとも含む硬化性溶液を、前記中間転写体上に供給し、硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成手段と、
前記硬化性溶液層にインクを付与するインク付与手段と、
前記インクが付与された前記硬化性溶液層を記録媒体に接触させ、前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する転写手段と、
前記硬化性溶液層を硬化させる前記刺激を前記硬化性溶液層に供給する刺激供給手段と、
前記インク付与手段により前記インクを前記硬化性溶液層に付与する前又は付与した後に、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が含まれる液体を前記硬化性溶液層に接触させる吸水阻害成分接触手段と、
を有する請求項1に記載の画像記録装置。
【0007】
請求項3に係る発明は、
前記吸水成分が極性基を持つ成分であり、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が前記極性基の極性とは反対符号の極性の成分である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【0008】
請求項4に係る発明は、
前記吸水成分がアニオン性基を持つ成分であり、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が電解質、カチオン性化合物及び酸から選択される少なくとも1種の成分である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【0009】
請求項5に係る発明は、
前記吸水阻害成分接触手段が、前記インク付与手段により前記インクを前記硬化性溶液層に付与した後であって、前記転写手段により前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する前に、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が含まれる液体を前記硬化性溶液層に供給する手段である請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【0010】
請求項6に係る発明は、
前記吸水阻害成分接触手段が、前記転写手段により前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写した後に、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が含まれる液体を前記硬化性溶液層に供給する手段である請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【0011】
請求項7に係る発明は、
前記吸水阻害成分接触手段が、前記硬化性溶液層形成手段により、硬化性溶液層を形成する前に、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が含まれる液体を前記中間転写体上に供給する手段である請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【発明の効果】
【0012】
請求項1,2,3、4、5に係る発明によれば、吸水成分の吸水を阻害する成分が含まれる液体を硬化性溶液層に接触させる方式を採用しない場合に比べ、画像記録後における画像崩れが抑制される。
請求項6、7に係る発明によれば、インク付与手段によりインクを硬化性溶液層に付与した後であって、転写手段により中間転写体から記録媒体に硬化性溶液層を転写する前に、吸水成分の吸水を阻害する成分が含まれる液体を前記硬化性溶液層に供給する方式を採用した場合に比べ、画像記録後における表面グロスの低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係る画像記録装置を示す構成図である。
【図2】第2実施形態に係る画像記録装置を示す構成図である。
【図3】第3実施形態に係る画像記録装置を示す構成図である。
【図4】第4実施形態に係る画像記録装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一例としての実施形態について詳細に説明する。
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に等しい機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
【0016】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る画像記録装置を示す構成図である。
【0017】
第1実施形態に係る画像記録装置101は、図1に示すように、例えば、無端ベルト状の中間転写ベルト10(被記録材としての中間転写体の一例)を備え、中間転写ベルト10の周囲に、中間転写ベルト10の移動方向(矢印方向)における上流側から順に、中間転写ベルト10上に、硬化性材料及び吸水成分が含まれる硬化性溶液12Aを供給し硬化性溶液層12Bを形成する硬化性溶液層形成装置12(硬化性溶液層形成手段の一例)と、硬化性溶液層12Bにインク14Aを付与し画像Tを形成するインクジェット記録ヘッド14(インク付与手段の一例)と、画像Tが形成された硬化性溶液層12Bに、吸水成分の吸水を阻害する成分(以下、吸水阻害成分と称する)が含まれる液体13A(以下、吸水阻害液13Aと称する)を供給する吸水阻害液供給装置13と(吸水阻害成分接触手段の一例)と、画像Tが形成されると共に吸水阻害成分が供給された硬化性溶液層12Bを記録媒体Pに接触させ圧力を加えることにより画像Tが形成された硬化性溶液層12Bを記録媒体P上に転写する転写装置16(転写手段の一例)と、中間転写ベルト10表面に残留する硬化性溶液層12Bの残留物や付着した異物(記録媒体Pの紙粉等)等を除去するクリーニング装置20と、が配置されている。
【0018】
また、中間転写ベルト10の内側には、例えば、硬化性溶液層12B及び記録媒体Pの接触中に硬化性溶液層12Bを硬化させる刺激を硬化性溶液層12Bに供給する刺激供給装置18が設けられている。すなわち、硬化性溶液層12Bが記録媒体Pと接触している領域に対向して刺激供給装置18を設置している。
【0019】
中間転写ベルト10は、例えば、3つの支持ロール10A乃至10C、及び加圧ロール16B(転写装置16)により内周面側から張力を掛けつつ回転するように支持されて配設されている。また中間転写ベルト10は、記録媒体Pの幅と同等又はそれ以上の幅(軸方向長さ)を有している。
【0020】
(中間転写ベルト)
中間転写ベルト10の材料としては、一般に中間転写ベルトとして用いられている公知の材料、例えば、各種の樹脂(例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、フッ素系樹脂等)、各種のゴム(例えば、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)、金属材料(例えば、ステンレス等)等が挙げられる。中間転写ベルト10は、単層構成でもよいし、積層構成でもよい。
【0021】
上記の通り、第1実施形態においては、刺激供給装置18が中間転写ベルト10の内側に設けられているため、刺激は中間転写ベルト10を透過した後に硬化性溶液層12Bに供給される。したがって、中間転写ベルト10は、硬化性溶液層12Bに刺激を供給させるため、刺激透過性を有するものであることがよい。また、中間転写ベルト10は、耐刺激性を有するものであることがよい。
【0022】
例えば、刺激供給装置18が紫外線照射装置である場合、中間転写ベルト10は、紫外線透過性を有し、紫外線に対する耐久性を有するものがよい。具体的には、例えば、中間転写ベルト10は、その紫外線透過率が70%以上であることがよい。中間転写ベルト10の紫外線透過率が上記範囲であることにより、被硬化層12Bの硬化反応に必要な紫外線エネルギーが効率よく被硬化層12Bに供給されると共に、中間転写ベルト10が紫外線を吸収すること等による熱の発生が抑制される。
紫外線透過性を有し、紫外線に対する耐久性を有する中間転写ベルト10の材料としては、具体的には、例えば、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、ポリエチレンテレフタレートフィル、ポリイミドフイルム、ポリオレフィン系フィルム等が挙げられる。
【0023】
中間転写ベルト10は、硬化性溶液層12Bに接する表面に表面離型層を設けてもよい。表面離型層に用いられる材料としては、例えば、フッ素系樹脂材料等が挙げられる。
この中でも、上記刺激に対する透過性を有する材料を用いることがよい。また、上記刺激に対して透過し難い材料を用いる場合は、表面離型層の膜厚を薄くすることがよい。
【0024】
中間転写ベルト10は、硬化性溶液層12Bに接する表面に表面離型層を離形層塗布装置により塗布を行なうことで形成してもよい。
離型剤塗布装置は、中間転写ベルト10の移動方向において、溶液供給装置12よりも上流側に配置されている。すなわち離型剤塗布装置は、中間転写ベルト10の周囲において、溶液供給装置12とクリーニング装置20との間に配置されている。
離型剤塗布装置は、例えば、離型剤を収納する筐体内に、離型剤を中間転写ベルト10へ供給する供給ローラと、供給された離型剤により形成された離型剤層の層厚を規定するブレードと、を含んで構成され、必要に応じて、離型剤を加熱溶融させる加熱手段を含んでもよい。
離型剤塗布装置は、供給ローラが中間転写ベルト10に連続的に接触するようにしてもよいし、中間転写ベルト10から離間する構成としてもよい。また離型剤塗布装置は、上記構成に限られず、公知の塗布法(例えば、バーコーター塗布、スプレー方式の塗布、インクジェット方式の塗布、エアーナイフ方式の塗布、ブレード方式の塗布、ロール方式の塗布等)などを利用した装置が適用される。
離型剤としては、具体的には、シリコーン系オイル、フッ素系オイル、炭化水素系・ポリアルキレングリコール、脂肪酸エステル、フェニルエーテル、リン酸エステル等が挙げられ、これらの中でもシリコーン系オイル、フッ素系オイル、ポリアルキレングリコールが望ましい。
シリコーン系オイルとしては、例えば、ストレートシリコーンオイル、変性シリコーンオイルが挙げられる。
ストレートシリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルが挙げられる。
変性シリコーンオイルとしては、例えばメチルスチリル変性オイル、アルキル変性オイル、高級脂肪酸エステル変性オイル、フッ素変性オイル、アミノ変性オイルが挙げられる。
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、ポリブチレングリコールが挙げられ、これらの中でも、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールが望ましい。
【0025】
(硬化性溶液層形成装置)
硬化性溶液層形成装置12は、例えば、硬化性溶液12Aを収納する筐体12C内に、当該硬化性溶液12Aを中間転写ベルト10へ供給する供給ローラ12Dと、供給された硬化性溶液12Aにより形成された硬化性溶液層12Bの量を規定するブレード12Eと、を含んで構成されている。
【0026】
硬化性溶液層形成装置12は、その供給ローラ12Dが中間転写ベルト10に連続的に接触するようにしてもよいし、中間転写ベルト10から離間する構成としてもよい。また、硬化性溶液層形成装置12は、独立した溶液供給システム(図示せず)より硬化性溶液12Aを筐体12Cへ供給させ、硬化性溶液12Aの供給がとぎれないようにしてもよい。硬化性溶液12Aの詳細については後述する。
【0027】
硬化性溶液層形成装置12は、上記構成に限られず、公知の供給法(塗布法:例えば、ダイ塗布法、バー塗布法、スプレー方式の塗布法、インクジェット方式の塗布法、エアーナイフ方式の塗布法、ブレード方式の塗布法、ロール方式の塗布法等)などを利用した装置が適用される。
【0028】
(インクジェット記録ヘッド)
インクジェット記録ヘッド14は、例えば、中間転写ベルト10の移動方向上流側から、ブラックインクを付与するための記録ヘッド14Kと、シアンインクを付与するための記録ヘッド14Cと、マゼンタインクを付与するための記録ヘッド14Mと、イエローインクを付与するための記録ヘッド14Yと、の各色の記録ヘッドを含んで構成されている。無論、記録ヘッド14の構成は上記構成に限られず、例えば、記録ヘッド14Kのみで構成してもよいし、記録ヘッド14C、記録ヘッド14M、及び記録ヘッド14Yのみで構成してもよい。また、他色や淡色、白色、その他特色を追加してもよい。
【0029】
各記録ヘッド14は、例えば、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で、且つ中間転写ベルト10表面と記録ヘッド14のノズル面との距離が例えば0.7から1.5mmにして配置されている。
【0030】
また、各記録ヘッド14は、例えば、記録媒体Pの幅と同等又はそれ以上の幅を持つライン型インクジェット記録ヘッドが望ましいが、従来のスキャン型のインクジェット記録ヘッドを用いてもよい。
各記録ヘッド14のインク付与方式は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、インク14Aを付与し得る方式であれば制限はない。なお、インクの詳細については後述する。
【0031】
(吸水阻害液供給装置)
吸水阻害液供給装置13は、例えば、インクジェット記録ヘッドが採用され、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で、且つ中間転写ベルト10表面とヘッドのノズル面との距離が例えば0.5mm以上1.5mm以下にして配置されている。
【0032】
インクジェット記録ヘッドは、例えば、記録媒体Pの幅と同等又はそれ以上の幅を持つライン型インクジェット記録ヘッドが望ましいが、従来のスキャン型のインクジェット記録ヘッドを用いてもよい。
インクジェット記録ヘッドによる吸水阻害液13Aの供給方式は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、吸水阻害液を供給し得る方式であれば制限はない。
【0033】
ここで、吸水阻害液供給装置13は、インクジェット記録ヘッド等の非接触型の供給方式に限られず、他の一般的な供給方式(例えば、ダイ塗布法、バー塗布法、スプレー方式の塗布法、エアーナイフ方式の塗布法、ブレード方式の塗布法、ロール方式の塗布法等などを利用した装置)を採用してもよい。
但し、吸水阻害液供給装置13による吸水阻害液13Aの供給を、インクジェット記録ヘッド14により画像Tが形成された後、転写装置16により画像Tが形成された硬化性溶液層12Bを記録媒体Pに転写する前に行う場合、硬化性溶液層12Bに形成した画像Tを乱さない点から、吸水阻害液供給装置13はインクジェット記録ヘッド等の非接触型の供給方式を採用することがよい。
なお、吸水阻害液13Aの詳細については後述する。
【0034】
(転写装置)
転写装置16は、以下のように構成されている。具体的には、例えば、加圧ロール16B及び支持ロール10Cにより中間転写ベルト10を張架し、非屈曲領域を形成している。中間転写ベルト10の非屈曲領域において、加圧ロール16B及び支持ロール10Cに対向する位置には、記録媒体Pを支持する支持体22が設けられている。また、加圧ロール16Aは、中間転写ベルト10の加圧ロール16Bと対向する位置に配置され、支持体22に設けられた開口部(図示せず)を通して記録媒体Pに接触する。
すなわち、中間転写ベルト10及び記録媒体Pが加圧ロール16A及び16Bにより挟み込まれた位置(以下、「接触開始位置」と称する場合がある)から、支持ロール10C及び支持体22により挟み込まれた位置(以下、「剥離位置」と称する場合がある)までの転写領域においては、硬化性溶液層12Bは中間転写ベルト10及び記録媒体Pの両方に接触した状態となっている。
【0035】
(刺激供給装置)
刺激供給装置18は、中間転写ベルト10の内側に設けられ、転写領域の中間転写ベルト10を介して、中間転写ベルト10及び記録媒体Pの両方に接触した状態の硬化性溶液層12Bに刺激を供給する。
【0036】
刺激供給装置18の種類は、適用する硬化性溶液12Aに含まれる硬化性材料の種類に応じて選択される。具体的には、例えば、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置18としては硬化性溶液12A(これにより形成された硬化性溶液層12B)に紫外線を照射する紫外線照射装置を適用する。
また、電子線の照射により硬化する電子線硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置18として硬化性溶液12A(これにより形成された硬化性溶液層12B)に電子線を照射する電子線照射装置を適用する。
また、熱の付与により硬化する熱硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置18として硬化性溶液12A(これにより形成された硬化性溶液層12B)に熱を付与する熱付与装置を適用する。
【0037】
ここで、紫外線照射装置としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LED(紫外線発光ダイオード)などが適用される。
UV−LEDは波長選択が可能かつ波長分布が狭いため、中間体転写ベルト10の素材と組みあわせ、選択した中間体に対して透過率の高い波長を選択し易く好ましい。
ここで、紫外線の照射条件としては、特に制限はなく、紫外線硬化性材料種、硬化性溶液層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、メタルハライドランプを用いた場合で、積算光量10mJ/cm以上1000mJ/cm以下等である。
【0038】
また、電子線照射装置としては、例えば、走査型/カーテン型等があり、カーテン型はフィラメントで生じた熱電子を、真空チャンバー内のグリッドによって引き出し、さらに高電圧(例えば70乃至300kV)によって、一気に加速させ、電子流となり、窓箔を通過して、大気側に放出する装置である。電子線の波長は一般的に1nmより小さく、またエネルギーは大きいもので数MeVに及ぶが、電子線の波長数がpmのオーダーでエネルギーが数十keV以上数百keV以下が適用される。
ここで、電子線の照射条件としては、特に制限はなく、電子線硬化性材料種、硬化性溶液層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、電子線量は5kGy以上100kGy以下レベル等である。
【0039】
また、熱付与装置としては、例えば、ハロゲンランプ、セラミックヒータ、ニクロム線ヒータ、マイクロ波加熱、赤外線ランプなどが適用される。また、熱付与装置としては、電磁誘導方式の加熱装置も適用される。
ここで、熱の付与条件としては、特に制限はなく、熱硬化性材料種、硬化性溶液層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、空気中において、200℃環境で5min等である。
【0040】
(記録媒体)
記録媒体Pとしては、浸透媒体(例えば、普通紙や、コート紙等)、非浸透媒体(例えば、アート紙、樹脂フィルムなど)、いずれも適用される。記録媒体Pは、これらに限られず、その他、半導体基板など工業製品も含まれる。
【0041】
(画像記録プロセス)
以下、第1実施形態に係る画像記録装置101の画像記録プロセスにつき、説明する。
【0042】
第1実施形態に係る画像記録装置101では、中間転写ベルト10が回転駆動され、まず、硬化性溶液層形成装置12により、中間転写ベルト10表面に硬化性溶液12Aを供給して、硬化性溶液層12Bを形成する。
【0043】
ここで、硬化性溶液層12Bの層厚(平均膜厚)は、特に制限はないが、1μm以上100μm以下が望ましく、3μm以上20μm以下がより望ましい。
【0044】
また、例えば、硬化性溶液層12Bの厚みをインク14Aが硬化性溶液層12Bの最下層まで到達しない程度とすれば、記録媒体Pへの硬化性溶液層12Bの転写後において硬化性溶液層12Bのうちインク14Aが存在する領域が露出せず、硬化性溶液層12Bのインク14Aが存在しない領域が硬化後には保護層として機能する。
【0045】
次に、前記硬化性溶液層12Bに、インクジェット記録ヘッド14によりインク14Aを付与する。インクジェット記録ヘッド14は画像情報に基づき、硬化性溶液層12Bの画像が形成される領域にインク14Aを付与する。
【0046】
この際、インクジェット記録ヘッド14によるインク14Aの付与は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で行われる。つまり、ベルト表面のたわみが抑制された状態で硬化性溶液層12Bにインク14Aの付与がなされる。
【0047】
次に、インク14Aの付与がなされ、画像が形成された硬化性溶液層14Bに吸水阻害液13Aを、吸水阻害液供給装置13より供給する。
吸水阻害液供給装置13による吸水阻害液13Aの供給は、インクジェット記録ヘッド14と同様に画像情報に基づき、硬化性溶液層12B表面の画像が形成された領域又は当該領域よりも一回り大きい領域(即ち、インクジェット記録ヘッド14によってインク14Aが付与される領域又は当該領域よりも一回り大きい領域)に対して行ってもよいし、硬化性溶液層12Bの表面全面に対して行ってもよい。但し、画像記録後の水分に起因する画像崩れや表面グロスの低下が部分的発生することを抑制する点からは、吸水阻害液13Aの供給は、硬化性溶液層12Bの表面全面に対して行うことがよい。
【0048】
また、吸水阻害液供給装置13による吸水阻害液13Aの供給は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で行われる。つまり、ベルト表面がたわみのない状態で硬化性溶液層12Bに吸水阻害液13Aの供給がなされる。
【0049】
尚、吸水阻害液13Aの供給量は、吸水阻害成分の濃度にもよるが、例えば、0.05mg/cm2以上2mg/cm2以下であることがよい。
【0050】
次に、転写装置16の加圧ロール16A及び16Bにより記録媒体Pと中間転写ベルト10とを挟み込んで圧力をかける。このとき、中間転写ベルト10上の硬化性溶液層12Bが記録媒体Pに接触する(接触開始位置)。その後、支持ロール10C及び支持体22によって挟まれた位置(剥離位置)までは、硬化性溶液層12Bが中間転写ベルト10及び記録媒体Pの両方に接触した状態が維持される。
【0051】
ここで、加圧ロール16A及び16Bによって硬化性溶液層12Bに加えられる圧力は、例えば、0.001MPa以上2MPa以下がよく、望ましくは0.001MPa以上0.5MPa以下の範囲とすることがよい。
【0052】
次に、刺激供給装置18によって、中間転写ベルト10及び記録媒体Pの両方に接触した状態の(接触中の)硬化性溶液層12Bに、中間転写ベルト10を介して刺激が供給されることで、硬化性溶液層12Bが硬化する。具体的には、中間転写ベルト10上の硬化性溶液層12Bが記録媒体Pに接触した後(接触開始位置を通過した後)に刺激供給を開始し、硬化性溶液層12Bが中間転写ベルト10から剥離される前(剥離位置に到達する前)に刺激供給を終了する。
【0053】
ここで、刺激供給量としては、硬化性溶液層12Bが、中間転写ベルト10から剥離しやすくなる程度に硬化する量であることがよい。具体的には、例えば刺激が紫外線である場合、積算光量で10mJ/cm以上1000mJ/cm以下範囲がよい。
【0054】
次に、剥離位置において硬化性溶液層12Bが中間転写ベルト10から剥離されることにより、インク14Aによる画像Tが含まれる硬化性樹脂層(画像層)が記録媒体Pに形成される。
【0055】
そして、硬化性溶液層12Bが記録媒体Pへ転写された後の中間転写ベルト10表面に残った硬化性溶液層12Bの残留物や異物をクリーニング装置20により除去し、再び、中間転写ベルト10上に、硬化性溶液層形成装置12により硬化性溶液12Aを供給して硬化性溶液層12Bを形成し、画像記録プロセスが繰り返される。
【0056】
上記工程を経て、本実施形態に係る画像記録装置101では画像記録が行われる。
【0057】
以上説明した本実施形態に係る画像記録装置101では、インクジェット記録ヘッド14により画像Tが形成された後、転写装置16により画像Tが形成された硬化性溶液層12Bを記録媒体Pに転写する前に、硬化性溶液層12Bに対して、吸水阻害液供給装置13により吸水阻害液13Aの供給(つまり、吸水阻害成分を供給)している。
【0058】
ここで、インクの滲み、転写時の画像つぶれ等を抑制するために、インクの液体成分を吸水しインクを固定化する吸水成分を硬化性溶液12Aに配合した場合、画像記録後(つまり硬化後)の記録物に当該吸水成分が含まれるため、当該吸水成分が水分(例えば空気中の湿気)を吸水すると、それに起因して画像が崩れたりする現象が生じることがある。この現象は、特に、例えば、高温高湿環境下(例えば28℃、85%RH)に顕著に生じ易くなる。
ここで、画像が崩れる現象(以下、「画像崩れ」と称する)は、画像記録後(つまり硬化後)に、吸水成分が水分(例えば空気中の湿気)を吸水して、経時的に画像が歪んだり、画像の境界が乱れたりする現象をいう。
【0059】
そこで、本実施形態に係る画像記録装置101では、上記如く、吸水阻害液供給装置13により吸水阻害液13Aの供給、即ち、吸水阻害液13Aを硬化性溶液層に接触させることで、当該吸水阻害成分が硬化性溶液層内部に浸透し、当該硬化性溶液層に含まれる吸水成分に到達し、吸水成分の吸水を阻害させると考えられる。
このため、本実施形態に係る画像記録装置101では、画像記録後における水分に起因した画像崩れが抑制される。
【0060】
また、本実施形態に係る画像記録装置では、インク14Aの付与と、吸水阻害液13Aの供給と、を硬化性溶液層12Bの同じ面側に行っているため、吸水阻害液供給装置13による吸水阻害液13Aの供給(つまり、吸水阻害成分を供給)を、インクジェット記録ヘッド14により画像Tが形成された後、転写装置16により画像Tが形成された硬化性溶液層12Bを記録媒体Pに転写する前に行うと、インクジェット記録ヘッド14によりインクを硬化性溶液層12Bに付与するとき、吸水成分の吸水が発揮される状態となっていることから、画像の滲みが抑制される。
【0061】
<第2実施形態>
図2は、第2実施形態に係る画像記録装置を示す構成図である。
【0062】
第2実施形態に係る画像記録装置102は、図2に示すように、第1実施形態において、記録媒体Pへ転写後の硬化性溶液層に対して、吸水阻害液供給装置13を対向して配置させた形態である。
【0063】
本実施形態に係る画像記録装置102は、例えば、吸水阻害液供給装置13よりも記録媒体Pの搬送方向下流側に、供給した吸水阻害液13Aを乾燥させ画像記録後の記録物の取り扱い性を良くする目的で、ヒータ等の加熱装置15を配設してもよい。
【0064】
これら以外は、第1実施形態と同様な構成であるため、説明を省略する。
【0065】
本実施形態に係る画像記録装置102では、転写装置16により画像Tが形成された硬化性溶液層12Bを記録媒体Pに転写した後に、吸水阻害液供給装置13による吸水阻害液13Aの供給している。そして、供給された吸水阻害液13Aに含まれる吸水阻害成分が、硬化性溶液層12Bに含まれる吸水成分の吸水を阻害する。このため、第1実施形態と同様に、画像記録後(つまり、硬化後)における水分に起因した画像崩れが抑制される。
【0066】
また、本実施形態に係る画像記録装置102では、転写装置16により記録媒体Pに転写した後の硬化性溶液層12Bの表面、つまり画像記録物の表面(画像面)に対して、吸水阻害液供給装置13による吸水阻害液13Aの供給を行っているので、当該画像記録物の表面(画像面)に存在する吸水成分の吸水が阻害され易くなると考えられることから、第1実施形態に比べ、画像記録後(つまり、硬化後)における水分に起因した表面グロスの低下が抑制される。
【0067】
また、本実施形態に係る画像記録装置102では、硬化性溶液層12Bにおけるインク14Aを付与する面とは反対の面に対して、画像記録物の表面(画像面)による吸水阻害液13Aの供給を行っているので、当該吸水阻害液13Aの供給に起因する画像Tの乱れが抑制される。
【0068】
<第3実施形態>
図3は、第3実施形態に係る画像記録装置を示す概略構成図である。
【0069】
第3実施形態に係る画像記録装置103は、図3に示すように、第1実施形態において硬化性溶液層形成装置12よりも中間転写ベルト12の回転方向下流側に、吸水阻害液供給装置13を中間転写ベルト10の外周面に対向して配置した形態である。
【0070】
吸水阻害液供給装置13は、例えば、吸水阻害液13Aを収納する筐体13C内に、当該吸水阻害液13Aを中間転写ベルト10へ供給する供給ローラ13Dと、供給された吸水阻害液13Aにより形成された吸水阻害液層13Bの量を規定するブレード13Eと、を含んで構成されている。
【0071】
吸水阻害液供給装置13は、その供給ローラ13Dが中間転写ベルト10に連続的に接触するようにしてもよいし、中間転写ベルト10から離間する構成としてもよい。また、吸水阻害液供給装置13は、独立した溶液供給システム(図示せず)より吸水阻害液13Aを筐体13Cへ供給させ、吸水阻害液13Aの供給がとぎれないようにしてもよい
【0072】
ここで、吸水阻害液供給装置13により供給する吸水阻害液13Aには吸水阻害成分と共に離型材料を含ませてもよい。
【0073】
なお、吸水阻害液供給装置13は、上記構成に限られず、第1実施形態と同様に、インクジェット方式や、周知の塗布方式(例えば、ダイ塗布法、バー塗布法、スプレー方式の塗布法、インクジェット方式の塗布法、エアーナイフ方式の塗布法、ブレード方式の塗布法、ロール方式の塗布法等)などを利用した装置を採用してもよい。
【0074】
これら以外は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0075】
本実施形態に係る画像記録装置103では、中間転写ベルト10が回転駆動され、まず、吸水阻害液供給装置13により中間転写ベルト10表面に吸水阻害液13Aを供給して、吸水阻害液層12Bを形成する。ここで、吸水阻害液層12Bの層厚(平均膜厚)は、特に制限はないが、0.1μm以上20μm以下が望ましく、0.1μm以上10μm以下がより望ましい。
【0076】
次に、硬化性溶液層形成装置12により、中間転写ベルト10表面の吸水阻害液層12B表面に硬化性溶液12Aを供給して、硬化性溶液層12Bを形成する。そして、この工程以降は、第1実施形態と同様の画像記録プロセスが行われる。
【0077】
以上説明した本実施形態に係る画像記録装置103では、硬化性溶液層形成装置12により硬化性溶液層12Bを形成する前に、吸水阻害液供給装置により吸水阻害液13Aを中間転写ベルト10上に供給して、吸水阻害液層12Bを形成している。そして、このような状態で、硬化性溶液層形成装置12により硬化性溶液層12Bを形成すると、吸水阻害液層12B表面に硬化性溶液層12Bを形成することで、吸水阻害液13Aが硬化性溶液層12Bに供給されたと同じ状態となる。すると、吸水阻害液13Aに含まれる吸水阻害成分が、硬化性溶液層12Bに浸透し、それに含まれる吸水成分の吸水を阻害する。このため、第1実施形態と同様に、画像記録後(つまり、硬化後)における水分に起因した画像崩れが抑制される。
【0078】
また、本実施形態に係る画像記録装置103では、転写装置16により記録媒体Pに転写した後の硬化性溶液層12Bの表面、つまり画像記録物の表面(画像面)に対して、吸水阻害液供給装置13による吸水阻害液13Aの供給が行われることとなることから、当該画像記録物の表面(画像面)に存在する吸水成分の吸水が阻害され易くなると考えられることから、第1実施形態に比べ、画像記録後(つまり、硬化後)における水分に起因した表面グロスの低下が抑制される。
【0079】
また、本実施形態に係る画像記録装置103では、インクジェット記録ヘッド14によるインク14Aの付与前(画像記録前)に、吸水阻害液供給装置13による吸水阻害液13Aの供給が行われ、しかも、硬化性溶液層12Bにおけるインク14Aを付与する面とは反対の面に対して、吸水阻害液供給装置13による吸水阻害液13Aの供給が行われることとなることから、当該吸水阻害液13Aの供給に起因する画像Tの乱れが抑制される。
【0080】
<第4実施形態>
図4は、第4実施形態に係る画像記録装置104を示す構成図である。
【0081】
第4実施形態に係る画像記録装置102は、被記録材としての記録媒体Pに直接、硬化性溶液層12Bを形成し、インク14を付与して画像を形成し、吸液阻害液13Aを供給して、硬化性溶液層12Bを硬化させる形態である。吸液阻害液13Aの供給は、硬化性溶液層12Bの硬化後に行ってもよい。
【0082】
本実施形態に係る画像記録装置102は、図4に示すように、例えば、3つの支持ロール11A乃至11Cにより内周面側から張力を掛けつつ回転するように支持されて無端ベルト状の記録媒体搬送ベルト11(記録媒体搬送手段の一例)を備え、当該記録媒体搬送ベルト11により搬送される記録媒体Pの上方であって、記録媒体Pの移動方向(矢印方向)における上流側から順に、硬化性材料及び吸水成分が含まれる硬化性溶液12Aを供給し硬化性溶液層12Bを形成する硬化性溶液層形成装置12(硬化性溶液層形成手段の一例)と、硬化性溶液層12Bにインク14Aを付与し画像Tを形成するインクジェット記録ヘッド14(インク付与手段の一例)と、画像Tが形成された硬化性溶液層12Bに、吸水阻害液13Aを供給する吸水阻害液供給装置13と(吸水阻害成分接触手段の一例)と、画像Tが形成され、吸水阻害液13Aが供給された硬化性溶液層12Bを硬化させる刺激を硬化性溶液層12Bに供給する刺激供給装置18と、が配置されている。
【0083】
次に、第4実施形態に係る画像記録装置102の画像記録プロセスにつき、説明する。
【0084】
第2実施形態に係る画像記録装置102では、記録媒体搬送ベルト11を回転駆動して記録媒体Pを搬送し、硬化性溶液層形成装置12により、搬送されてきた記録媒体P表面に硬化性溶液12Aを供給して、硬化性溶液層12Bを形成する。
【0085】
次に、硬化性溶液層12Bに、インクジェット記録ヘッド14によりインク14Aを付与する。インクジェット記録ヘッド14は画像情報に基づき、硬化性溶液層12Bの画像が形成される領域にインク14Aを付与する。
【0086】
次に、インク14Aの付与がなされ、画像が形成された硬化性溶液層14Bに、吸水阻害液供給装置13より吸水阻害液13Aを供給する。
【0087】
次に、次に、刺激供給装置18によって、硬化性溶液層12Bに刺激が供給されることで、硬化性溶液層12Bが硬化する。
【0088】
次に、記録媒体Pが記録媒体搬送ベルト11から離脱することにより、インク14Aによる画像Tが含まれる硬化性樹脂層(画像層)が形成された記録媒体Pが得られる。
【0089】
これら以外は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0090】
以上説明した本実施形態に係る画像記録装置104では、硬化性溶液層12Bを記録媒体Pに直接形成する方式を採用しても、上記第1実施形態で説明したように、吸水阻害液供給装置13により吸水阻害液13Aの供給、即ち、吸水阻害液13Aを硬化性溶液層に接触させることで、当該吸水阻害成分が硬化性溶液層内部に浸透し、当該硬化性溶液層に含まれる吸水成分に到達し、吸水成分の吸水を阻害させると考えられる。
このため、本実施形態に係る画像記録装置104でも、画像記録後における水分に起因した画像崩れが抑制される。
【0091】
また、本実施形態に係る画像記録装置104でも、インク14Aの付与と、吸水阻害液13Aの供給と、を硬化性溶液層12Bの同じ面側に行っているため、吸水阻害液供給装置13による吸水阻害液13Aの供給(つまり、吸水阻害成分を供給)を、インクジェット記録ヘッド14により画像Tが形成された後に行っていることから、インクジェット記録ヘッド14によりインクを硬化性溶液層12Bに付与するとき、吸水成分の吸水が発揮される状態となっていることから、画像の滲みが抑制される。
【0092】
また、本実施形態に係る画像記録装置104でも、画像記録物の表面(画像面)に対して、吸水阻害液供給装置13による吸水阻害液13Aの供給を行っているので、当該画像記録物の表面(画像面)に存在する吸水成分の吸水が阻害され易くなると考えられることから、第1実施形態に比べ、画像記録後(つまり、硬化後)における水分に起因した表面グロスの低下が抑制される。
【0093】
なお、上記第1〜3の実施形態においては、上記の通り、硬化性溶液層12Bが、接触開始位置を通過した後に刺激供給を開始し剥離位置に到達する前に刺激供給を終了しているが、上記形態に限られない。
具体的には、例えば、硬化性溶液層12Bが、接触開始位置を通過する際に刺激供給を開始してもよく、接触開始位置を通過する前に刺激供給を開始していてもよい。また、例えば、硬化性溶液層12Bが、剥離位置に到達する際に刺激供給を終了してもよく、剥離位置を通過した後に刺激供給を終了してもよい。さらに、刺激供給の開始から終了までにおいて、一時的に刺激供給を停止した後に刺激供給を再開してもよい。
【0094】
また、上記第1〜3実施形態においては、上記の通り、刺激供給装置18が中間転写ベルト10の内側に配置され、刺激が中間転写ベルト10を透過した後に硬化性溶液層12Bに供給されるが、これに限られない。具体的には、例えば、刺激供給装置18を中間転写ベルト10の外側に配置し、中間転写ベルト10を透過せずに、直接(又は、支持体22及び記録媒体Pを透過した後に)中間転写ベルト10上の硬化性溶液層12Bに刺激を供給する形態であってもよい。
【0095】
また、例えば、刺激供給装置18の本体を中間転写ベルト10の外側に配置しつつ、中間転写ベルト10を透過した刺激を硬化性溶液層12Bに供給する形態もありうる。具体的には、例えば、刺激供給装置18が紫外線照射装置である場合、紫外線照射装置本体を中間転写ベルト10の外側に配置し、例えば光ファイバー等を用いて紫外線を紫外線照射装置本体から中間転写ベルト10の内側に誘導し、中間転写ベルト10を透過した後の紫外線を硬化性溶液層12Bに照射する形態等が挙げられる。
【0096】
また、例えば、中間転写ベルト10の代わりに中間転写ドラムを配置した形態としてもよい。
【0097】
また、上記第1〜4実施形態においては、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクジェット記録ヘッド14から画像データに基づいて選択的にインク14Aが付与されてカラーの画像が記録媒体Pに記録されるようになっているが、一色のインクのみを用いて画像を記録する態様であってもよい。また、記録媒体上への文字等の記録に限定されるものではなく、すなわち工業的に用いられる液滴付与(噴射)装置全般などに適用してもよい。
【0098】
以下、上記第1〜4実施形態に係る画像記録装置に用いられる、吸水阻害液13A及び23A、硬化性溶液12A及びインク14について詳述する。
【0099】
<吸水阻害液>
吸水阻害液13Aは、吸水阻害成分と、溶媒と、必要に応じてその他成分と、含んで構成されている。
【0100】
吸水阻害成分は、吸水成分の吸水を阻害する成分であるが、具体的には、吸水成分5gに対し純水300gを1時間浸漬した水分含有サンプルに対し、吸水阻害成分を添加するとインク受容性成分水分含有量が減少するような材料と定義されるものである。
【0101】
吸水阻害成分としては、吸水成分が極性基を持つ成分である場合、吸水成分が持つ極性基の極性とは反対符号の極性の成分であることがよい。
具体的には、吸水阻害成分としては、吸水成分の種類に応じて選択されるが、例えば、吸水成分がアニオン性基(例えば、カルボキシル基、スルホン酸基等)を持つ成分(例えばアニオン性基を持つ吸水性樹脂)の場合、電解質、カチオン性化合物、及び酸から選択される一種が挙げられる。
また、吸水成分がカチオン性基(例えば、ポリアクリルアミド系の樹脂(例えばポリダイアセトンアクリルアミド(日本化成株式会社))等、カチオン性基を持つ吸水性樹脂)の場合、電解質、アニオン性化合物、及び塩基から選択される一種が挙げられる。
なお、材料の種類及び組み合わせの豊富さを考慮した際には吸水成分がアニオン性基を有することよい。
【0102】
例えば、吸水阻害成分として電解質及びカチオン性化合物を適用した場合、吸水成分が持つアニオン性基とイオン架橋が生成されることで、吸水成分の親水性基となるアニオン性基がマスキングされ、吸水能が低減されると考えられる。
また、吸水阻害成分として酸を適用した場合、吸水成分が持つアニオン性基が酸化されることで、吸水成分の親水基となるアニオン性基が疎水化され、吸水能が低減されると考えられる。
【0103】
電解質としては、例えば金属塩が挙げられる。
金属塩としては、一価金属イオン(例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン)、及び多価金属イオン(アルミニウムイオン、バリウムイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、スズイオン、チタンイオン、亜鉛イオン等)から選択されるイオンと、無機酸(例えば塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、チオシアン酸)、有機カルボン酸(例えば酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸等)、及び有機スルホン酸から選択される酸と、の金属塩等が挙げられる。
金属塩として具体例としては、一価の金属塩、多価金属塩が挙げられる。
一価の金属塩としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸ナトリウム、蓚酸カリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸カリウム等)、又は塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、酸化バリウム、硝酸バリウム、チオシアン酸バリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、チオシアン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、蓚酸鉄、乳酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸二水素マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、安息香酸マンガン、乳酸マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸スズ、塩化チタン、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げられる。
【0104】
カチオン性化合物としては、1級、2級、3級及び4級アミン及びそれらの塩等が挙げられる。カチオン性化合物として具体例には、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩、ポリアミン等が挙げられ、例えば、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、ジプロピルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルアミン重合体、モノアリルアミン重合体等が挙げられる。
【0105】
酸としては、有機酸、無機酸が挙げられる。
有機酸としては、例えば、クエン酸、グリシン、グルタミン酸、コハク酸、酒石酸、フタル酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩が挙げられる。
無機酸としては、例えば、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、チオシアン酸が挙げられる。
【0106】
これらの中でも、吸水阻害成分としては、多価金属塩(特に、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム)がよい。
【0107】
また、吸水阻害成分としては、吸水成分の種類に応じて選択されるが、例えば、吸水成分がポリアクリル酸ナトリウム(ボールミル粉砕により数平均粒子径3.5ミクロンとしたもの)の場合、硝酸マグネシウム20wt%水溶液が挙げられる。
【0108】
吸水阻害成分の含有量は、例えば、1質量%以上50質量%以下であることがよい。
【0109】
溶媒としては、水、エタノールなどの各種アルコール類、各種エネルギー硬化性材料等が挙げられる。
【0110】
その他成分としては、例えば、各種界面活性剤、高沸点溶媒、高分子添加剤等が挙げられる。
【0111】
ここで、吸水阻害液13Aには、離型材料が含まれていてもよい(特に上記第3実施形態の場合)。この離型材料としては、例えば、シリコーン系オイル、変性シリコーンオイル、フッ素系オイル、炭化水素系オイル、鉱物油、植物油、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、アルカンジオール、溶融ワックス、界面活性剤が挙げられる。
【0112】
吸水阻害液13Aの粘度は、例えば、5000mPa・s以下であることがよく、望ましくは1000mPa・s以下である。
なお、粘度は、粘度測定器としてHAAKE社製MARSを用い、せん断速度500[1/s]にて測定される値である。
【0113】
<硬化性溶液>
次いで、硬化性溶液12Aの詳細について説明する。
硬化性溶液12Aは、外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料と、吸水成分と、を少なくとも含んでいる。
【0114】
硬化性材料について説明する。
「外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料」とは、外部からの刺激によって硬化し、「硬化性樹脂」となる材料を意味する。具体的には、例えば、硬化性のモノマー、硬化性のマクロマー、硬化性のオリゴマー、硬化性のプレポリマー等が挙げられる。
【0115】
硬化性材料としては、例えば、紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料、熱硬化性材料等が挙げられる。紫外線硬化性材料は、硬化がし易く、他のものに比べ硬化速度も速く、取り扱いやすいため、最も望ましい。電子線硬化性材料は、重合開始剤が不要であり、硬化後の層の着色制御が実施しやすい。熱硬化性材料は、大掛りな装置を必要とすることなく硬化される。なお、硬化性材料は、これらに限られず、例えば湿気、酸素等により硬化する硬化性材料を適用してもよい。なお、ここで言う硬化性材料は、硬化後は不可逆である。
【0116】
紫外線硬化性材料を硬化することにより得られる「紫外線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液12Aは、紫外線硬化性のモノマー、紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、及び紫外線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。また、硬化性溶液12Aは、紫外線硬化反応を進行させるための紫外線重合開始剤を含んでいることが望ましい。さらに硬化性溶液12Aは、必要に応じて、重合反応をより進行させるための、反応助剤、重合促進剤等を含んでいてもよい。
【0117】
ここで、紫外線硬化性のモノマーとしては、例えば、アルコール/多価アルコール/アミノアルコール類のアクリル酸エステル、アルコール/多価アルコール類のメタクリル酸エステル、アクリル脂肪族アミド、アクリル脂環アミド、アクリル芳香族アミド類等のラジカル硬化性材料;エポキシモノマー、オキセタンモノマー、ビニルエーテルモノマー等のカチオン硬化性材料;などが挙げられる。上記紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、紫外線硬化性のプレポリマーとしては、これらモノマーを重合させたものの他、エポキシ、ウレタン、ポリエステル、ポリエーテル骨格に、アクリロイル基やメタクリロイル基の付加した、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルメタクリレート等のラジカル硬化性材料が挙げられる。
【0118】
硬化反応がラジカル反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、チオキサントン系、ベンジルジメチルケタール、α-ヒドロキシケトン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、 α-アミノケトン、α-アミノアルキルフェノン、モノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ヒドロキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン、チタノセン型、オキシムエステル型、オキシフェニル酢酸エステル型などが挙げられる。
【0119】
また硬化反応がカチオン反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、アリールスルホニウム塩、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、アレン-イオン錯体誘導体、トリアジン系開始剤等が挙げられる。
【0120】
電子線硬化性材料を硬化することにより得られる「電子線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液12Aは、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、及び電子線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。
【0121】
ここで、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、電子線硬化性のプレポリマーとしては、紫外線硬化性の材料と同様のものが挙げられる。
【0122】
熱硬化性材料を硬化することにより得られる「熱硬化性樹脂」としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液12Aは、熱硬化性のモノマー、熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、及び熱硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。また重合の際に硬化剤を添加してもよい。また、硬化性溶液12Aは、熱硬化反応を進行させるための熱重合開始剤を含んでもよい。
【0123】
ここで、熱硬化性のモノマーとしては、例えば、フェノール、ホルムアルデヒド、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン、シアヌリル酸アミド、尿素、グリセリン等のポリアルコール、無水フタル酸、無水マレイン酸、アジピン酸等の酸などが挙げられる。熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、熱硬化性のプレポリマーとしては、これらのモノマーを重合させたものや、エポキシプレポリマー、ポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。
【0124】
熱重合開始剤としては、例えば、プロトン酸/ルイス酸等の酸、アルカリ触媒、金属触媒などが挙げられる。
【0125】
以上のように、硬化性材料は、紫外線、電子線、熱等の外部エネルギーにより硬化(例えば、重合反応が進行することによる硬化)するものであれば何でもよい。
上記硬化性材料の中でも、画像記録の高速化という観点を考慮すると、硬化速度の速い材料(例えば、重合の反応速度が速い材料)が望ましい。このような硬化性材料としては、例えば、放射線硬化型の硬化性材料(上記紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料等)が挙げられる。
【0126】
硬化性材料は、中間転写体等との濡れ性を考慮して、Siやフッ素等による変性がされていてもよい。また硬化性材料は、硬化速度と硬化度を考慮すると、多官能のプレポリマーを含有するのが望ましい。
【0127】
また、硬化性溶液には、上記硬化反応に寄与する主成分(モノマー、マクロマー、オリゴマー、及びプレポリマー、重合開始剤等)を溶解又は分散するための水や有機溶媒を含んでいてもよい。但し、当該主成分の比率が例えば30質量%以上、望ましくは60質量%以上、より望ましくは90質量%以上の範囲が挙げられる。
【0128】
また、硬化性溶液は、硬化後の層を着色制御を行う目的で各種色材を含んでいてもよい。
【0129】
また、硬化性溶液の粘度は、5mPa・sから10000mPa・sが望ましく、より望ましくは10mPa・sから1000mPa・sであり、さらに望ましくは15mPa・sから500mPa・sの範囲が挙げられる。また、硬化性溶液の粘度は、インクの粘度よりも高いことがよい。
【0130】
次に、吸水成分について説明する。
吸水成分は、例えば、吸水性樹脂、及び、吸水性樹脂で処理(被覆)された無機粒子(例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライトなど)等が挙げられる。
吸水性樹脂としては、例えば、アニオン性基(例えば、カルボキシル基、スルホン酸基等)を持つ吸水性樹脂、特にアニオン性基としてカルボキシル基を持つ吸水性樹脂が好適に挙げられる。
つまり、吸水性成分は、アニオン性基を持つ成分(例えば、アニオン性基を持つ吸水性樹脂、及び、アニオン性基を持つ吸収性樹脂で処理(被覆)された無機粒子等)が挙げられる。
【0131】
吸水性樹脂としては、例えば、アニオン性基を持つ親水性単量体の単独重合体、又は、親水性単量体と疎水性単量体との共重合体等が挙げられる。なお、重合体は、単量体だけではなく、ポリマー/オリゴマー構造などの親水性ユニットをスタートに他のユニットを共重合させるグラフト共重合体やブロック共重合体であってもよい。
【0132】
ここで、親水性単量体としては、−COOM(Mは例えば水素、Na、Li、K等のアルカリ金属、アンモニア、有機アミン類等である。)、−SO3M(Mは例えば水素、Na、Li、K等のアルカリ金属、アンモニア、有機アミン類等)、等を含む単量体が挙げられる。具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、不飽和カルボン酸、マレイン酸等が挙げられる。親水性ユニットとしては、例えば、セルロース誘導体(例えば、セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、重合性カルボン酸類(でんぷん誘導体、単糖類・多糖類誘導体、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、等)やこれらの(部分)中和塩類、ビニルアルコール類等が挙げられる。
【0133】
疎水性単量体としては、疎水性基を有する単量体が挙げられ、具体的には、例えばオレフィン(エチレン、ブタジエン等)、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられる。疎水性ユニット又は単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニルやポリプロピレン等のポリオレフィン類等、及びこれらの誘導体も挙げられる。
【0134】
吸水性樹脂の好適な具体例としては、例えば、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸及びその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸及びその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸及びその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、ポリマレイン酸及びその塩、スチレン−マレイン酸及びその塩から構成される共重合体等、前記それぞれの樹脂のスルホン酸変性体、それぞれの樹脂のリン酸変性体等、等が挙げられ、望ましくは、ポリアクリル酸及びその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸及びその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、が挙げられる。
なお、吸水性樹脂は、未架橋でも架橋されていてもよい。
【0135】
吸水成分が粒子状である場合には、硬化性溶液12Aの安定性と画質との両立といった観点から、体積平均粒径が0.05μm以上25μmの範囲であることが望ましく、0.25μm以上10μm以下がより望ましい。
【0136】
この吸水成分の硬化性溶液12A全体に対する比率は、例えば質量比で10%以上望ましくは20%以上であり、より望ましくは25%以上70%以下の範囲が挙げられる。
【0137】
<インク>
次いで、インクの詳細について説明する。
インクとしては、例えば、溶媒として水性溶媒を含む水性インクが用いられる。水性インクとしては、例えば、記録材として水溶性染料又は顔料を水性溶媒に分散又は溶解したインクが挙げられる。
インクとしては、特に制限はなく、周知の構成のものが用いられる。
また、インクとしては、特に、着色剤して染料や、顔料径10nm以上80nm以下の微細顔料を採用したインクがよく、当該インクを適用すると、着色剤が吸水成分に付着・含浸され易くなることから、発色性・着色剤の耐水性も向上されると考えられる。
また、インク中にエネルギー硬化性モノマーを添加することがよい。当該インクを用いると、転写基材への画像密着がより強固になる。エネルギー硬化性モノマーとしては、たとえばインクが水性の場合、水溶性低粘度の材料が挙げられ、例えばアクリロイルモルホリン、2-ヒドロキシプロピルアクリレートなどがよい。
また、インクは、記録材以外に、例えば、液晶材料、電子材料など機能性材料を含むものであってもよい。
【実施例】
【0138】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
【0139】
[実施例A」
(実施例A1)
図1に示す前記第1実施形態に係る画像記録装置を用いて画像を記録した。
まず、硬化性溶液層形成装置12により硬化性溶液12Aを中間転写ベルト10に供給して硬化性溶液層12Bを形成した。次いで、硬化性溶液層12Bにインクジェット記録ヘッド14(14K、14C、14M、14Y)により各色インクを付与して画像を形成した。次に、画像が形成された硬化性溶液層12Bの全面に吸水阻害液供給装置13により吸水阻害液13Aを供給した。そして、転写装置16により記録媒体Pへ硬化性溶液層12Bを接触させながら刺激供給装置18により刺激を供給し硬化性溶液層12Bを硬化させて中間転写ベルト10から剥離し、評価を行った。条件は以下の通りである。なお、下記紫外線照射強度及び積算光量は、中間転写ベルト10を透過した後の紫外線照射強度及び積算光量である。
【0140】
・中間転写ベルト10 : 厚さ0.1mm、ベルト幅350mm、外径Φ168mmのポリオレフィン製無端ベルトにフッ素系樹脂を被覆したもの(プロセス速度:200mm/s)
・硬化性溶液層形成装置12 : ダイコーター(硬化性溶液層12Bの層厚15μm)
・インク用のインクジェット記録ヘッド14 : 14174ノズル/解像度1200dpi(dpi:1インチ当たりのドット数)の記録ヘッド(600dpi/7087ノズルヘッドを千鳥に2列配置した12インチの試作ヘッド、4色分(Black,Cyan,Magenta,Yellow)を並列に配置した構成)
・吸水阻害液供給装置13 : 14174ノズル/解像度1200dpi(dpi:1インチ当たりのドット数)の記録ヘッド(600dpi/7087ノズルヘッドを千鳥に2列配置した12インチの試作ヘッド[インクジェット記録ヘッド]、吸水阻害液供給量0.4mg/cm
・転写装置(加圧ロール):径30mm、硬度20°のシリコーンローラー(中間転写ベルトに対する押し当て力:0.1Mpa)
・刺激供給装置18:メタルハライドランプ(紫外線照射強度240W/cmを積算光量で100mJ/cm照射)
・記録媒体P: A普通紙(C2富士ゼロックスインターフィールド製)
・印刷パターン : J6チャート(JEITA標準パターン)
【0141】
また、硬化性溶液、吸水阻害液及び各色のインクは、以下のものを用いた。
【0142】
−吸水阻害液A1ー
・硝酸マグネシウム・6水和物 15質量%
・エタノール 15質量%
・イオン交換水 65質量%
【0143】
−硬化性溶液−
・シリコン変性ウレタンアクリレート:20質量部
・ポリアクリル酸ナトリウム
(吸水成分:カルボキシル基を持つ吸水性樹脂、ボールミル粉砕により数平均粒子径3.5μmとしたもの):25質量部
・トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(UV硬化モノマー):52質量部
・イルガキュア754(チバ・ジャパン株式会社製、UV開始剤):3質量部
上記各組成物を混合し硬化性溶液を得た。尚、粘度は948mPa・sであった。
【0144】
−ブラックインク−
・BASACID Black X34(BASF製):4質量%
・ジエチレングリコール:10質量%
・アクリロイルモルホリン 15質量%
・サーフィノール465:2.0質量%
・イオン交換水:69質量%
このインクの表面張力は32mN/m、粘度は3.3mPa・sであった。
【0145】
−シアンインク−
・C.I.Direct Blue 199:4質量%
・グリセリン:20質量%
・アクリロイルモルホリン 15質量%
・サーフィノール465(日信化学社製) 1.5質量%
・サーフィノール440(日信化学社製) 0.3質量%
・イオン交換水:残部
このインクの表面張力は30.1mN/m、粘度は3.7mPa・sであった。
【0146】
−マゼンタインク−
・C.I.Acid Red 52:4質量%
・ジエチレングリコール:5質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・2−ヒドロキシプロピルアクリレート 10質量%
・サーフィノール465(日信化学社製) 1.5質量%
・サーフィノール440(日信化学社製) 0.3質量%
・イオン交換水:73.2質量%
このインクの表面張力は29.4mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
【0147】
−イエローインク−
・C.I.Direct Yellow 132:4質量%
・ジエチレングリコール:10質量%
・グリセリン:5質量%
・サーフィノール465(日信化学社製) 2質量%
・イオン交換水:残部
このインクの表面張力は31.2mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
【0148】
(評価)
−水分に起因する画像崩れ(耐水性)−
画像記録後の記録物における、水分に起因する画像崩れにつき、次のようにして評価した。
サンプルを28℃、85%RH環境下に72hr放値後、サンプルをベンコットで10往復擦ることで画像の崩れを評価した
評価基準は以下の通りである。
◎:画像崩れはほぼなし
○:画像表面にやや崩れる
△:画像が崩れる
×:擦る前に画像が崩れている
【0149】
−水分に起因する表面グロス低下(耐水性)−
画像記録後の記録物における、水分に起因する表面グロス低下を、次のように評価した。
サンプルを28℃、85%RH環境下に72hr放値後、サンプルの表面のグロス低下を、未放値サンプルと比較し目視判断した。
評価基準は以下の通りである。
○:グロス低下が見られない
△:グロス低下がややわかる
×:大きくグロス低下している
【0150】
−吸水阻害液の供給に起因する画像乱れ−
吸水阻害液の供給に起因する画像乱れについて、次のように評価した。
吸水阻害液を使用した場合のサンプルを転写直後に観察、吸水阻害液を使用しなかった場合と比較し、画像の乱れ度合いを官能評価した。
評価基準は以下の通りである。
○:画像乱れは認められない
△:部分的に画像乱れがある
×:画像乱れが全体にある
【0151】
結果を下記表1に示す。
【0152】
(実施例A2)
吸水阻害液A1に代えて、下記吸水阻害液A2を用いた以外は実施例1と同様に画像記録を行い、評価した。
−吸水阻害液A2−
・クエン酸: 7.0質量%
・水酸化ナトリウム: 0.6質量%
・ジエチレングリコール: 5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物: 1.0質量%
・イソプロピルアルコール: 10質量%
・イオン交換水: 71.4質量%
【0153】
(実施例A3)
吸水阻害液A1に代えて、下記吸水阻害液A3を用いた以外は実施例1と同様に画像記録を行い、評価した。
−吸水阻害液A3−
・ポリアリルアミン(PAA−HCl−10L/日東紡績社製): 5質量%
・ジエチレングリコール: 5質量%
・サーフィノール465(日信化学社製): 1.5質量%
・イオン交換水: 88.5質量%
【0154】
[実施例B]
(実施例B1〜B3)
図2に示す前記第2実施形態に係る画像形成装置を用いて画像を記録した以外は、実施例A1〜A3と同様にして画像記録を行い、評価した。
【0155】
[実施例C]
(実施例C1〜C3)
図3に示す前記第3実施形態に係る画像形成装置を用いて画像を記録した以外は、実施例A1〜A3と同様にして画像記録を行い、評価した。但し、吸水阻害液供給装置13としては、グラビアロールコーター(吸水阻害液層13Bの層厚5μm)を適用した。
【0156】
[実施例D]
(実施例D1〜D3)
図4に示す前記第4実施形態に係る画像形成装置を用いて画像を記録した以外は、実施例A1〜A3と同様にして画像記録を行い、評価した。
【0157】
[比較例]
吸水阻害液供給装置13を適用しない(吸水阻害液を供給しない)以外は、実施例A1と同様にして画像記録を行い、評価した。
【0158】
【表1】

【0159】
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、水分に起因する画像崩れや表面グロス低下が抑制されていることがわかる。
【符号の説明】
【0160】
10 中間転写ベルト
12 硬化性溶液層形成装置
12A 硬化性溶液
12B 硬化性溶液層
13 吸水阻害液供給装置
13A 吸水阻害液
13B 吸水阻害液層
14 インクジェット記録ヘッド
14A インク
16 転写装置
18 刺激供給装置
101、102、103、104 画像記録装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの刺激により硬化する硬化性材料、及び吸水成分を少なくとも含む硬化性溶液を、前記被記録材上に供給し、硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成手段と、
前記硬化性溶液層にインクを付与するインク付与手段と、
前記硬化性溶液層を硬化させる前記刺激を前記硬化性溶液層に供給する刺激供給手段と、
前記インク付与手段により前記インクを前記硬化性溶液層に付与する前又は付与した後に、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が含まれる液体を前記硬化性溶液層に接触させる吸水阻害成分接触手段と、
を有する画像記録装置。
【請求項2】
前記被記録材が中間転写体であり、
外部からの刺激により硬化する硬化性材料、及び吸水成分を少なくとも含む硬化性溶液を、前記中間転写体上に供給し、硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成手段と、
前記硬化性溶液層にインクを付与するインク付与手段と、
前記インクが付与された前記硬化性溶液層を記録媒体に接触させ、前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する転写手段と、
前記硬化性溶液層を硬化させる前記刺激を前記硬化性溶液層に供給する刺激供給手段と、
前記インク付与手段により前記インクを前記硬化性溶液層に付与する前又は付与した後に、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が含まれる液体を前記硬化性溶液層に接触させる吸水阻害成分接触手段と、
を有する請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記吸水成分が極性基を持つ成分であり、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が前記極性基の極性とは反対符号の極性の成分である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記吸水成分がアニオン性基を持つ成分であり、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が電解質、カチオン性化合物及び酸から選択される少なくとも1種の成分である請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記吸水阻害成分接触手段が、前記インク付与手段により前記インクを前記硬化性溶液層に付与した後であって、前記転写手段により前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する前に、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が含まれる液体を前記硬化性溶液層に供給する手段である請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記吸水阻害成分接触手段が、前記転写手段により前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写した後に、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が含まれる液体を前記硬化性溶液層に供給する手段である請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記吸水阻害成分接触手段が、前記硬化性溶液層形成手段により、硬化性溶液層を形成する前に、前記吸水成分の吸水を阻害する成分が含まれる液体を前記中間転写体上に供給する手段である請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−46114(P2011−46114A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196943(P2009−196943)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】