説明

画像読み取り装置、画像形成装置、画像記録可能面判定方法、画像記録可能面判定プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、用紙の画像が再度記録可能な面を正確かつ安価に揃える。
【解決手段】デジタル複写装置DUは、画像記録面へ画像を再度記録可能か否かの判定情報である再記録可能性情報が埋め込み画像として埋め込まれて画像記録されている用紙がARDF4の原稿給紙トレイ11にセットされると、原稿搬送部12で本体部2の読み取り部に用紙を搬送して、該読み取り部で用紙の画像を読み取って、本体部2が、該用紙の所定面の画像から該埋め込み画像を取得し、該埋め込み画像の該再記録可能性情報に基づいて、該所定面が再度画像記録が可能な再記録可能面であるか否かを判定して、該所定面が再記録可能面であると、原稿搬送部12によって、原稿排紙トレイ5へ該再記録可能面を上側または下側に揃えて該用紙を排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り装置、画像形成装置、画像記録可能面判定方法、画像記録可能面判定プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、画像記録面へ画像を再度記録可能か否かの判定情報である再記録可能性情報が埋め込み画像として埋め込まれて画像記録されている用紙の再記録可能性を判定する画像読み取り装置、画像形成装置、画像記録可能面判定方法、画像記録可能面判定プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、森林資源を保護し、資源を有効活用するために、プリンタ、複写機及びファクシミリ装置等の画像形成装置においては、片面に画像形成された片面記録済み用紙を利用して、画像形成されていない未記録面に画像形成することが行われている。
【0003】
そして、従来の画像形成装置においては、画像形成装置の給紙カセットにセットされている用紙が片面記録済み用紙であるか、未記録用紙であるか等の用紙の種類を明示する手段を備えていない。
【0004】
この場合、画像形成装置のオペレータが、片面記録済み用紙の画像形成面(記録済み面)を揃え、未記録面のみに画像形成されるように、画像形成装置の給紙カセットに片面記録済み用紙をセットする。
【0005】
ところが、画像記録面を揃える際、あるいは、画像形成装置の給紙カセットにセットする際に、一部あるいは全部の片面記録済み用紙の表裏が逆になる人為的なミスが発生することがあり、また、片面記録済み用紙の表裏面を揃えるのは面倒な作業である。
【0006】
このような場合、画像は片面記録済み用紙の既に画像形成された記録済み面に上書きされる状態で画像形成されるため、オペレータは、画像形成装置で画像形成する毎に、片面記録済み用紙の未記録面に適切に画像形成されているか確認し、上書きされているときには、給紙カセットの片面記録済み用紙の表裏を確認して、再度画像形成を行わせる必要があり、煩雑であるという問題があった。
【0007】
そして、従来、原稿読み取り部に用紙を自動搬送する自動搬送装置に装填された用紙が、原稿であるか 被記録紙であるかを示す信号を出力して、被記録紙であって、原稿読み取り部で読み取られた面が白紙面であると、該被記録紙を、画像形成用の被記録紙を収納する給紙部に搬送する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術にあっては、原稿を読み取り部に搬送する自動原稿搬送装置で該読み取り部に搬送した用紙が片面記録済み用紙であると、用紙給紙部に搬送しているため、自動原稿搬送装置から用紙給紙部まで、片面記録済み用紙を搬送する用紙搬送装置を設ける必要があり、装置が大型化するとともに、コストが高くつくというおそれがあった。
【0009】
また、上記従来技術にあっては、用紙が白紙であるか否かのみ判別しているが、実用上は、多少の色や画像等があっても画像記録に耐えうる面であると、画像記録に用いる場合があり、省資源を向上させる上で、改良の必要があった。
【0010】
そこで、本発明は、画像記録に耐えうる再記録可能面のある用紙を、該再記録可能面を適切かつ安価に同じ側に揃える画像読み取り装置、画像形成装置、画像記録可能面判定方法、画像記録可能面判定プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するために、画像記録面へ画像を再度記録可能か否かの判定情報である再記録可能性情報が埋め込み画像として埋め込まれて画像記録されている用紙を、読み取って、該用紙の所定面の画像から取得した該埋め込み画像の該再記録可能性情報に基づいて該所定面が再度画像記録が可能な再記録可能面であるか否か判定し、該所定面が再記録可能面であると、所定の排紙トレイへ該再記録可能面を上側または下側に揃えて該用紙を排出することを特徴としている。
【0012】
また、本発明は、前記埋め込み画像の前記再記録可能性情報として、画像濃度情報、単位面積当たりの画素数情報または用紙全体における画素数情報、及び、用紙全体における画像位置情報のうち少なくとも1つの情報を取得し、該画像濃度情報、単位面積当たりの画素数情報または用紙全体における画素数情報、及び、用紙全体における画像位置情報のうち取得した情報に基づいて再記録可能面であるか否かを判定することを特徴としてもよい。
【0013】
さらに、本発明は、前記再記録可能性情報に対する評価値が入力されると、前記埋め込み画像の前記再記録可能性情報を、入力された該評価値に基づいて評価して、再記録可能面であるか否かを判定することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像記録に耐えうる再記録可能面のある用紙を、該再記録可能面を適切かつ安価に同じ側に揃えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例を適用した画像形成システムの外観斜視図。
【図2】デジタル複写装置の要部ブロック構成図。
【図3】用紙面揃え処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0017】
図1〜図3は、本発明の画像読み取り装置、画像形成装置、画像記録可能面判定方法、画像記録可能面判定プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像読み取り装置、画像形成装置、画像記録可能面判定方法、画像記録可能面判定プログラム及び記録媒体の一実施例を適用した画像形成システム1の外観斜視図である。
【0018】
図1において、画像形成システム1は、デジタル複写装置(画像読み取り装置、画像形成装置)DF、大容量給紙ユニットKU及び後処理ユニットGU等を備えており、後処理ユニットGは、例えば、ソート、穴あけ、ステイプル等の後処理を画像記録済みの用紙に行って、排紙トレイP1、P2に排出する。
【0019】
大容量給紙ユニットKUは、複数の給紙トレイを備え、各給紙トレイには、それぞれ用紙サイズ、用紙厚等の用紙種別の異なる複数枚の用紙を収納可能である。大容量給紙ユニットKUは、画像形成に際して指定された給紙トレイ内の用紙を1枚ずつデジタル複写装置DUに搬送する。
【0020】
デジタル複写装置DUは、本体部2、給紙ユニット3、ARDF(自動両面反転原稿送り装置)4、原稿排紙トレイ(排紙トレイ)5及び操作表示部6等を備えている。
【0021】
給紙ユニット3は、複数の給紙トレイを備え、各給紙トレイには、それぞれ用紙サイズ、用紙厚等の用紙種別の異なる複数枚の用紙を収納可能である。給紙ユニット3は、画像形成に際して指定された給紙トレイ内の用紙を1枚ずつデジタル複写装置DUの本体部2に搬送する。
【0022】
ARDF4は、原稿給紙トレイ(原稿トレイ)11、原稿搬送部12及び図示しない表裏反転部等を備えているとともに、原稿給紙トレイ11の下方に、表面が上になる表面原稿排出トレイ(排紙トレイ)を備えており、原稿読み取りモードとして、原稿片面読み取りモードと原稿両面読み取りモードを、原稿排出モードとして、原稿表面排出モードと原稿裏面排出モードを備えている。ARDF4は、原稿表面読み取りモードで原稿表面排出モードのときには、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ原稿搬送部12によって、原稿給紙トレイ11上で上側にセットされた面を表面として、該表面が本体部2内に設けられている読み取り部33側に面するように反転させながら該読み取り部33に搬送して、原稿の表面を読み取り部33が読み取ると、そのまま原稿の表面が上になるように表面原稿排出トレイに排出する。ARDF4は、原稿表面読み取りモードで原稿裏面排出モードのときには、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ原稿搬送部12によって、原稿給紙トレイ11上で上側にセットされた面を表面として、表裏反転部に搬送して、表裏反転部で用紙の表裏を反転させて、原稿の裏面が本体部2内に設けられている読み取り部33側に面するように該読み取り部33に搬送して、原稿の裏面を読み取り部33が読み取ると、表裏反転部で原稿の表裏を反転させて、原稿の裏面が上になるように原稿排出トレイ5に排出する。ARDF4は、原稿両面読み取りモードで原稿表面排出モードのときには、原稿給紙トレイ11上で上側にセットされた面を表面として、該表面が本体部2内に設けられている読み取り部33側に面するように反転させながら該読み取り部33に搬送して、原稿の表面を読み取り部33が読み取ると、表裏反転部で原稿の表裏面を反転させて、再度読み取り部33に搬送して、原稿の裏面を読み取り部33が読み取ると、そのまま原稿の表面が上になるように表面原稿排出トレイに排出する。ARDF4は、原稿両面読み取りモードで原稿裏面排出モードのときには、原稿給紙トレイ11上で上側にセットされた面を表面として、該表面が本体部2内に設けられている読み取り部33側に面するように反転させながら該読み取り部33に搬送して、原稿の表面を読み取り部33が読み取ると、表裏反転部で原稿の表裏面を反転させて、再度読み取り部33に搬送して、原稿の裏面を読み取り部33が読み取ると、表裏反転部で原稿の表裏を反転させて、原稿の裏面が上になるように原稿排出トレイ5に排出する。
【0023】
上記原稿搬送部12及び表裏反転部は、全体として用紙搬送手段及び用紙排出手段として機能する。
【0024】
操作表示部(設定手段)6は、画像形成システム1を操作するのに必要な各種キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)やLED(Light Emitting Diode)等のランプを備えており、操作キーからは、画像形成システム1を利用した複写処理、プリント処理、データ転送処理、スキャナ処理及び本発明の用紙面揃え処理等に必要な各種操作が行われ、また、ディスプレイには、操作キーから入力された命令内容や画像形成システム1からオペレータに通知する各種情報が表示される。
【0025】
本体部2は、図2に示すように、システム制御部20、ハードディスク(HDD)31、ハードディスクコントローラ(HDDコントローラ)32、読み取り部33、書き込み部34、画像処理部35、画像用RAM36、通信部37、センサ38及びその他負荷39等を備えており、システム制御部20は、CPU(Central Processing Unit )21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、不揮発RAM24及びI/O制御部25等を備えている。
【0026】
ROM22は、デジタル複写装置DU及び画像形成システム1の基本プログラムや後述する用紙面揃え処理プログラム及びこれらの各プログラムを実行するのに必要な各種データを予め記憶している。
【0027】
RAM23は、制御に必要な各種パラメータ等を記憶するとともに、CPU21のワークメモリとして利用される。
【0028】
CPU21は、ROM22内のプログラムに基づいて、RAM23をワークメモリとして利用しつつ、デジタル複写装置DU及び画像形成システム1の各部を制御して、デジタル複写装置DU及び画像形成システム1としての基本処理を実行するとともに、用紙面揃え処理を実行する。
【0029】
不揮発RAM24は、デジタル複写装置DUの電源がオフ(OFF)のときも記憶内容を保持し、制御、タイミング等の調整値及び登録した複写モード設定等の各種データを記憶する。特に、不揮発RAM24は、画像記録面へ再度画像を記録可能か否かの判定情報である再記録可能性情報が含まれている埋め込み画像の画像データを複数記憶している。なお、この埋め込み画像の画像データは、不揮発RAM24に記憶するものに限るものではなく、ハードディスク31に記憶してもよい。
【0030】
I/O制御部25は、例えば、用紙センサや各種ドライバ等の各種外部部品であるセンサ38、ドライバ等の負荷39及び上記大容量給紙ユニットKU及び後処理ユニットGUが接続され、センサ38、負荷39、大容量給紙ユニットKU及び後処理ユニットGUとの間でデータやコマンドの授受を行う。
【0031】
ハードディスクコントローラ32は、ハードディスク31へのリード/ライトの制御を行い、ハードディスク31は、各種画像データの蓄積やCPU21の一時記憶領域に使用される。
【0032】
画像処理部35は、操作表示部6の操作で設定されたモードに応じて、MTF(Modulation Transfer Function)補正処理、変倍処理、画質補正等の画像処理を行い、画像処理したった後で画像用RAM36及びハードディスクコントローラ32を介してハードディスク31に格納する。ここで、画像用RAM36及びハードディスク31の両方に画像データを蓄積するのは、画像用RAM36がA4原稿にして5枚程度の容量しか有していないが、コピー開始時には原稿の枚数はまだ分かっておらず、複数部のソートコピー行う場合等の原稿が5枚を超えてしまう場合に、2部目以降のコピー動作を行うときに、ハードディスク31から画像データを画像用RAM36にコピーしてコピー動作を行うことでソート動作等の処理を実現するため、及び、用紙にジャムが発生した場合のリカバリ動作にもハードディスク31内の画像データを利用するためである。画像処理部35は、読み取り部33の読みとった用紙の画像データから埋め込み画像を抽出して、該埋め込み画像から再記録可能性情報を取得する。
【0033】
読み取り部33は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )を利用したイメージスキャナまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )を用いたスキャナ等が利用されており、ARDF4によってコンタクトガラス上に搬送されてきた原稿や人手でコンタクトガラス上にセットされた原稿を主走査及び副走査して、原稿のカラー画像を所定の解像度で読み取ってRGB(赤(Red)、緑(Green)、青(Blue))の画像データとして画像処理部35に出力する。
【0034】
書き込み部34は、所定の画像形成方式、例えば、電子写真方式やインク噴射方式等によって所定の解像度で画像形成し、電子写真方式の場合には、例えば、回転駆動される感光体を中心に、光書き込み部、現像部及び転写部、定着部、帯電部及びクリーニング部等が配設されている。このような電子写真方式の書き込み部34は、帯電部で一様に帯電された感光体上に、光書き込み部が読み取り部33で読み取られた原稿の画像データや外部から受信した画像データに基づいて変調した書き込み光を照射して、静電潜像を形成する。書き込み部34は、この静電潜像の形成された感光体に現像部からトナー(現像剤)を供給して現像し、感光体上のトナー画像を転写部と感光体との間に大容量給紙ユニットKUや給紙ユニット3から搬送されてきた用紙に転写して、トナー画像の転写の完了した用紙を定着部に搬送して、定着部で定着させる。
【0035】
通信部37は、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続されて、ネットワーク上のコンピュータ等との間でコマンドやデータの授受を行う。
【0036】
そして、デジタル複写装置DUは、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の用紙面揃え方法を実行する用紙面揃えプログラムを読み込んでROM22やハードディスク31に導入することで、後述する用紙の再記録可能面の有無を判定して該再記録可能面のある用紙を該再記録可能面を揃えて排出する用紙面揃え方法を実行する画像読み取り装置、画像形成装置として構築されている。この用紙面揃えプログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0037】
また、上述のように、不揮発RAM24またはハードディスク31には、この用紙面揃え方法を実行するのに用いる埋め込み画像が適宜の数だけ格納されており、CPU21は、書き込み部34で用紙に画像データに基づいて画像を印刷出力する際に、不揮発RAM24またはハードディスク31からこの埋め込み画像を読み出して、画像処理部35に渡して、画像処理部35が、該画像データの適宜の位置に埋め込み画像を埋め込んで、該埋め込み画像を埋め込んだ画像データに基づいて、書き込み部34が用紙に画像を印刷出力する。
【0038】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成システム1は、デジタル複写装置DUが、そのARDF4及び読み取り部33を利用して、画像記録済みの用紙が、再記録可能面と再記録不可能面が上下ばらばらに混ざっている場合に、ユーザの意図する再記録可能面を判定して用紙面揃えを行う。
【0039】
すなわち、デジタル複写装置DUは、用紙面揃えモードを備えており、操作表示部6のキー操作で用紙面揃えモードが選択されると、ARDF4にセットされた用紙の表裏面を読み取り部33で読み取って、再記録可能面を判定して、該再記録可能面を揃えて、原稿排出トレイ5または表面原稿排出トレイ上に排出するとともに、再記録可能面がない用紙を、原稿排出トレイ5または表面原稿排出トレイ上に排出する。
【0040】
そして、デジタル複写装置DUは、再記録可能面であるか再記録不可能面であるかの判定基準を操作表示部6の操作によってユーザが設定することができ、判定基準としては、用紙上の画像濃度、画素数及び画像の用紙上での位置等を設定することができる。
【0041】
画像濃度では、例えば、5段階に画像濃度レベル(濃度レベル1が画像濃度が薄く、濃度レベル5が画像濃度が最も濃い)を設定して、5段階のうち、濃度レベル3がユーザによって設定されると、読み取った用紙の埋め込み画像の再記録可能性情報が示している画像濃度レベルが3以下であれば、再記録可能面と判定し、読み取った用紙の埋め込み画像の再記録可能性情報が示している画像濃度レベルが4以上であると、再記録不可能面と判定する。また、画素数では、例えば、1/10、2/10、3/10、4/10、5/10の5パターンを判定基準として設定して、ユーザによって2/10が設定されると、読み取った用紙の埋め込み画像の再記録可能性情報が示している画素数が、用紙全体に対して1/5以上あれると、再記録不可能面、1/5よりも少ないと、再記録可能面であると判定する。例えば、モノクロ画像の場合、A4の用紙の上に黒べたの画像を載せた場合を1000万画素とした場合、判定基準が2/10に設定されていると、200万画素以上、黒画素があると、再記録不可能面と判断し、200万画素未満であれば、再記録可能面と判断する。
【0042】
さらに、画像位置では、例えば、用紙の左上、右上、左下、右下、中央等のうち、中央がユーザによって設定された場合、読み取った用紙の中央から半径、例えば、5cmの円の内側に上記画像濃度レベルの画像または画素数の画像があると、再記録不可能面と判定し、用紙の中央から半径、例えば、5cmの円内に、上記画像濃度レベルの画像または画素数の画像がないときには、他の位置に上記画像濃度レベルの画像または画素数の画像があっても再記録可能面であると判定する。
【0043】
そして、デジタル複写装置DUは、図3に示すように、ユーザが操作表示部6の操作によって、用紙面揃えモードが選択されて、再記録可能面を判定するための判定基準を設定操作すると、CPU21が、設定された判定基準を不揮発RAM24に格納し(ステップS101)、ARDF4にセットされている用紙を1枚ずつ原稿搬送部12によって読み取り部33のコンタクトガラス上に搬送して、読み取り部33によって用紙の表面の画像、少なくとも、埋め込み画像を読み取る(ステップS102)。
【0044】
CPU21は、読み取り部33の読み取った用紙の表面の画像を、画像処理部35に、不揮発RAM24の埋め込み画像と照らし合わさせて、読み取り画像に埋め込み画像があるか否か、あるときには、その画像濃度、画素数、画像位置等の再記録可能性情報を取得して、ステップS101で設定された判定基準に基づいて、該用紙の該読み取り面が再記録可能面であるか否か判断する(ステップS103)。
【0045】
CPU21は、用紙の読み取り面が再記録可能面でないときには、ARDF4の表裏反転部で用紙を表裏反転させ(ステップS104)、再度、読み取り部33に送って、読み取り部33に裏面の画像、少なくとも、埋め込み画像を読み取らせる(ステップS105)。
【0046】
CPU21は、読み取り部33の読み取った用紙の裏面の画像を、画像処理部35に、不揮発RAM24の埋め込み画像と照らし合わさせて、読み取り画像に埋め込み画像があるか否か、あるときには、その画像濃度、画素数、画像位置等の再記録可能性情報を取得して、ステップS101で設定された判定基準に基づいて、該用紙の該読み取り面が再記録可能面であるか否か判断する(ステップS105)。
【0047】
CPU21は、ステップS105で、用紙の読み取り面である裏面が再記録可能面のときには、ARDF4により用紙を原稿排出トレイ5に排出させ(ステップS106)、ステップS105で、用紙の裏面が再記録可能面でないときには、再記録可能面が表面にも裏面にもないと判断して、ARDF4により用紙を表面原稿排出トレイに排出させる(ステップS107)。
【0048】
また、ステップS103で、用紙の読み取り面である裏面が再記録可能面のときには、CPU21は、ARDF4により用紙を原稿排出トレイ5に排出させる(ステップS106)。
【0049】
なお、上記説明では、埋め込み画像の再記録可能性情報の画像濃度、画素数、画像の位置によって再記録可能面であるか否かを判定しているが、再記録可能性情報は、これらに限るものではない。
【0050】
また、再記録可能面を上向きで排紙するか、下向きで排紙するか、すなわち、再記録可能面を有する用紙を原稿排出トレイ5に排出するか、表面原稿排出トレイに排出するかは、ユーザが操作表示部6の操作で適宜設定することができる。
【0051】
このように、本実施例のデジタル複写装置DUは、画像記録面へ画像を再度記録可能か否かの判定情報である再記録可能性情報が埋め込み画像として埋め込まれて画像記録されている用紙を、読み取り部33で読み取って、画像処理部35で、該用紙の所定面の画像から取得して、CPU21が、該埋め込み画像の該再記録可能性情報に基づいて、該所定面が再度画像記録が可能な再記録可能面であるか否かを判定し、該所定面が再記録可能面であると、ARDF4によって、原稿排紙トレイ5へ該再記録可能面を上側または下側に揃えて該用紙を排出している。
【0052】
したがって、埋め込み画像の再記録可能性情報に基づいて、該埋め込み画像の記録されている面が再記録可能面であるか否かを安価かつ正確に判定することができるとともに、画像記録に耐えうる再記録可能面のある用紙を該再記録可能面を同じ側に揃えることができる。
【0053】
また、本実施例のデジタル複写装置DUは、前記埋め込み画像の前記再記録可能性情報として、画像濃度情報を取得し、該画像濃度情報に基づいて再記録可能面であるか否かを判定している。
【0054】
したがって、画像濃度が再記録可能か否かの判定に重要な場合に、適切に再記録可能面であるか否かを判定することができる。
【0055】
さらに、本実施例のデジタル複写装置DUは、前記埋め込み画像の前記再記録可能性情報として、単位面積当たりの画素数情報または用紙全体における画素数情報を取得し、該単位面積当たりの画素数情報または用紙全体における画素数情報に基づいて再記録可能面であるか否かを判定している。
【0056】
したがって、単位面積当たりの画素数情報または用紙全体における画素数情報が再記録可能か否かの判定に重要な場合に、適切に再記録可能面であるか否かを判定することができる。
【0057】
また、本実施例のデジタル複写装置DUは、前記埋め込み画像の前記再記録可能性情報として、用紙全体における画像位置情報を取得し、該用紙全体における画像位置情報に基づいて再記録可能面であるか否かを判定している。
【0058】
したがって、用紙全体における画像位置情報が再記録可能か否かの判定に重要な場合に、適切に再記録可能面であるか否かを判定することができる。
【0059】
さらに、本実施例のデジタル複写装置DUは、操作表示部6から前記再記録可能性情報に対する評価値である、画像濃度基準、画素数基準、画像位置が入力されると、CPU21が、前記埋め込み画像の前記再記録可能性情報を、入力された該評価値に基づいて評価して、再記録可能面であるか否かを判定している。
【0060】
したがって、ユーザの意図する再記録可能な条件で再記録可能か否かの判定を行うことができ、利用性を向上させることができる。
【0061】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、画像記録面へ画像を再度記録可能か否かの判定情報である再記録可能性情報が埋め込み画像として埋め込まれて画像記録されている用紙の再記録可能性を判定するスキャナ装置、複写装置、ファクシミリ装置、複合装置等の画像読み取り装置、該画像読み取り装置を備えた画像形成装置、画像記録可能面判定方法、画像記録可能面判定プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 画像形成システム
DF デジタル複写装置
KU 大容量給紙ユニット
GU 後処理ユニット
P1、P2 排紙トレイ
2 本体部
3 給紙ユニット
4 ARDF
5 原稿排紙トレイ
6 操作表示部
11 原稿給紙トレイ
12 原稿搬送部
20 システム制御部
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 不揮発RAM
25 I/O制御部
31 ハードディスク(HDD)
32 ハードディスクコントローラ(HDDコントローラ)
33 読み取り部
34 書き込み部
35 画像処理部
36 画像用RAM
37 通信部
38 センサ
39 その他負荷
【先行技術文献】
【特許文献】
【0064】
【特許文献1】特開平10−293503号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像記録面へ画像を再度記録可能か否かの判定情報である再記録可能性情報が埋め込み画像として埋め込まれて画像記録されている用紙が複数枚載置される原稿トレイと、
前記用紙の片面の画像または両面の画像を一度に読み取る画像読み取り手段と、
前記原稿トレイ上の用紙を前記画像読み取り手段に1回または表裏反転させて2回搬送する用紙搬送手段と、
前記画像読み取り手段の読み取った前記用紙の所定面の画像から前記埋め込み画像を取得して、該埋め込み画像の前記再記録可能性情報に基づいて該所定面が再度画像記録が可能な再記録可能面であるか否か判定する判定手段と、
前記判定手段が前記用紙の所定面を再記録可能面であると判定すると、所定の排紙トレイへ該再記録可能面を上側または下側に揃えて該用紙を排出する用紙排出搬送手段と、
を備えていることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記埋め込み画像の前記再記録可能性情報として、画像濃度情報を取得し、該画像濃度情報に基づいて再記録可能面であるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記判定手段は、
前記埋め込み画像の前記再記録可能性情報として、単位面積当たりの画素数情報または用紙全体における画素数情報を取得し、該画素数情報に基づいて再記録可能面であるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記判定手段は、
前記埋め込み画像の前記再記録可能性情報として、用紙全体における画像位置情報を取得し、該画像位置情報に基づいて再記録可能面であるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
前記画像読み取り装置は、
前記再記録可能性情報に対する判定基準を設定入力する設定手段を、さらに備え、
前記判定手段は、
前記埋め込み画像の前記再記録可能性情報を前記設定手段から入力された前記判定基準に基づいて評価して、再記録可能面であるか否かを判定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項6】
原稿の画像を読み取る画像読み取り手段と、用紙に画像を形成する画像形成手段と、を備えた画像形成装置において、
前記画像読み取り手段として、請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像読み取り装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
画像読み取り手段によって用紙の片面の画像または両面の画像を一度に読み取る画像読み取り処理ステップと、
画像記録面へ画像を再度記録可能か否かの判定情報である再記録可能性情報が埋め込み画像として埋め込まれて画像記録されている用紙が複数枚載置されている原稿トレイから前記画像読み取り手段に該用紙を1枚ずつ1回または表裏反転させて2回搬送する搬送処理ステップと、
前記画像読み取り処理ステップで読み取られた前記用紙の所定面の画像から前記埋め込み画像を取得して、該埋め込み画像の前記再記録可能性情報に基づいて該所定面が再度画像記録が可能な再記録可能面であるか否か判定する判定処理ステップと、
前記判定処理ステップで前記用紙の所定面が再記録可能面であると判定されると、所定の排紙トレイへ該再記録可能面を上側または下側に揃えて該用紙を排出する用紙排出搬送処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像記録可能面判定方法。
【請求項8】
コンピュータに、
画像読み取り手段によって用紙の片面の画像または両面の画像を一度に読み取る画像読み取り処理と、
画像記録面へ画像を再度記録可能か否かの判定情報である再記録可能性情報が埋め込み画像として埋め込まれて画像記録されている用紙が複数枚載置されている原稿トレイから前記画像読み取り手段に該用紙を1枚ずつ1回または表裏反転させて2回搬送する搬送処理と、
前記画像読み取り処理で読み取られた前記用紙の所定面の画像から前記埋め込み画像を取得して、該埋め込み画像の前記再記録可能性情報に基づいて該所定面が再度画像記録が可能な再記録可能面であるか否か判定する判定処理と、
前記判定処理で前記用紙の所定面が再記録可能面であると判定されると、所定の排紙トレイへ該再記録可能面を上側または下側に揃えて該用紙を排出する用紙排出搬送処理と、
を実行させることを特徴とする画像記録可能面判定プログラム。
【請求項9】
請求項8記載の画像記録可能面判定プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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