説明

画像読み取り装置および画像形成装置

【課題】読み取り速度の異なる複数の読み取り手段を備える画像読み取り装置において、読み取り手段の読み取り速度が異なることに基づく読み取り画像の異常を抑制する。
【解決手段】第1の読み取り画素列から得た信号電荷を転送する第1の電荷転送部と、信号電荷を電気信号に変換して出力する第1の出力部と、第2の読み取り画素列から得た信号電荷を転送する第2の電荷転送部と、信号電荷を電気信号に変換して出力する第2の出力部と、第1の出力部を駆動する出力ドライバ323aと、第2の出力部を駆動する出力ドライバ323bと、第1の電荷転送部を駆動する水平転送ドライバ321aと、第2の電荷転送部を駆動する水平転送ドライバ321bと、出力ドライバ323aと出力ドライバ323bとに対して個別であるとともに水平転送ドライバ321aと水平転送ドライバ321bとに対して独立となる出力用電源325a、325bと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、CCDセンサの駆動に用いる水平転送クロックを扱うドライバ回路と、シフトパルス、最終転送クロック、リセットゲートパルスおよびクランプパルスを扱うドライバ回路の各電源を別系統の電源として構成した画像読み取り装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、無彩色画像用のラインセンサと、これと異なる画素数を有する有彩色画像読取用3本のラインセンサとを有する4ラインCCDセンサを用いて原稿画像を読み取る読取部と、同一タイミングの制御信号を生成し、各ラインセンサに供給することで、読取部の読取動作を制御する制御部とを有する画像読取装置であり、全てのラインが同一タイミングで制御されるので駆動ノイズの影響を受けずに、高精度の画像読取りを可能とする構成とした画像読み取り装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−197922号公報
【特許文献2】特開2004−289245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、読み取り速度の異なる複数の読み取り手段を備える画像読み取り装置において、読み取り手段の読み取り速度が異なることに基づく読み取り画像の異常を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
第1の読み取り画素列と、当該第1の読み取り画素列の各画素から得られる信号電荷を転送する第1の電荷転送部と、当該第1の電荷転送部により転送される信号電荷を電気信号に変換して出力する第1の出力部とを含む第1の読み取り手段と、
第2の読み取り画素列と、当該第2の読み取り画素列の各画素から得られる信号電荷を転送する第2の電荷転送部と、当該第2の電荷転送部により転送される信号電荷を電気信号に変換して出力する第2の出力部とを含む第2の読み取り手段と、
前記第1の出力部を駆動する第1の駆動手段と、
前記第2の出力部を駆動する第2の駆動手段と、
前記第1の電荷転送部を駆動する第3の駆動手段と、
前記第2の電荷転送部を駆動する第4の駆動手段と、
前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段とに対して個別であるとともに前記第3の駆動手段と前記第4の駆動手段とに対して独立となる電源により電力供給を行う電力供給手段と、
を備えることを特徴とする、画像読み取り装置である。
請求項2に記載の発明は、
前記第1の駆動手段および前記第3の駆動手段により駆動される前記第1の読み取り手段による画像の読み取り速度と、前記第2の駆動手段および前記第4の駆動手段により駆動される前記第2の読み取り手段による画像の読み取り速度とが異なることを特徴とする、請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項3に記載の発明は、
前記電力供給手段は、前記第3、第4の駆動手段に対して、共通の電源により電力供給を行うことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の画像読み取り装置である。
請求項4に記載の発明は、
前記第3の駆動手段は、
前記第1の読み取り画素列の各画素から前記第1の電荷転送部へ移された信号電荷を前記第1の出力部へ送るための転送用タイミング信号を当該第1の電荷転送部へ供給し、
前記第1の読み取り画素列の各画素から前記第1の電荷転送部へ信号電荷が移される期間は、前記転送用タイミング信号の供給を停止し、
前記第4の駆動手段は、
前記第2の読み取り画素列の各画素から前記第2の電荷転送部へ移された信号電荷を前記第2の出力部へ送るための転送用タイミング信号を当該第2の電荷転送部へ供給し、
前記第2の読み取り画素列の各画素から前記第2の電荷転送部へ信号電荷が移される期間は、前記転送用タイミング信号の供給を停止することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像読み取り装置である。
請求項5に記載の発明は、
前記第1の駆動手段は、
前記第1の出力部に信号を出力させるための前記転送用タイミング信号と同移相の出力用タイミング信号を当該第1の出力部へ供給し、
前記第2の駆動手段は、
前記第2の出力部に信号を出力させるための前記転送用タイミング信号と同移相の出力用タイミング信号を当該第2の出力部へ供給することを特徴とする、請求項4に記載の画像読み取り装置である。
請求項6に記載の発明は、
第1の読み取り画素列と、当該第1の読み取り画素列の各画素から得られる信号電荷を転送する第1の電荷転送部と、当該第1の電荷転送部により転送される信号電荷を電気信号に変換して出力する第1の出力部とを含む第1の読み取り手段と、
第2の読み取り画素列と、当該第2の読み取り画素列の各画素から得られる信号電荷を転送する第2の電荷転送部と、当該第2の電荷転送部により転送される信号電荷を電気信号に変換して出力する第2の出力部とを含む第2の読み取り手段と、
前記第1の出力部を駆動する第1の駆動手段と、
前記第2の出力部を駆動する第2の駆動手段と、
前記第1の電荷転送部を駆動する第3の駆動手段と、
前記第2の電荷転送部を駆動する第4の駆動手段と、
前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段とに対して個別であるとともに前記第3の駆動手段と前記第4の駆動手段とに対して独立となる電源により電力供給を行う電力供給手段と、
前記第1の読み取り手段または前記第2の読み取り手段のいずれかにより読み取った画像を、画像形成材にて媒体上に形成する画像形成手段と、
を備えることを特徴とする、画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、
前記第1の駆動手段および前記第3の駆動手段により駆動される前記第1の読み取り手段による画像の読み取り速度と、前記第2の駆動手段および前記第4の駆動手段により駆動される前記第2の読み取り手段による画像の読み取り速度とが異なることを特徴とする、請求項8に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、
前記電力供給手段は、前記第3、第4の駆動手段に対して、共通の電源により電力供給を行うことを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、第1の読み取り手段からの出力と第2の読み取り手段からの出力を、互いの読み取り手段の動作の影響を受けずに安定して行うことができる。
請求項2の発明によれば、第1の読み取り手段と第2の読み取り手段の動作速度が異なることに起因して、出力が不安定になることを、防止することができる。
請求項3の発明によれば、第1の読み取り手段からの出力と第2の読み取り手段からの出力とに影響を与えることなく、回路構成をより単純にし、回路面積をより小さくすることができる。
請求項4の発明によれば、読み取り手段における信号電荷の転送に伴うタイミング信号の供給と停止の切り替え操作に起因して、出力が不安定になることを、防止することができる。
請求項5の発明によれば、第1の読み取り手段および第2の読み取り手段における一方のタイミング信号の供給と停止の切り替え操作に起因して、他方の出力が不安定になることを、防止することができる。
請求項6の発明によれば、画像読み取り装置が搭載された画像形成装置において、第1の読み取り手段からの出力と第2の読み取り手段からの出力を、互いの読み取り手段の動作の影響を受けずに安定して行うことができる。
請求項7の発明によれば、画像読み取り装置が搭載された画像形成装置において、第1の読み取り手段と第2の読み取り手段の動作速度が異なることに起因して、出力が不安定になることを、防止することができる。
請求項8の発明によれば、画像読み取り装置が搭載された画像形成装置において、第1の読み取り手段からの出力と第2の読み取り手段からの出力とに影響を与えることなく、回路構成をより単純にし、回路面積をより小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態の画像読み取り装置の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態の画像読み取り機構の構成例を示す図である。
【図3】センサ部の構成例を示す図である。
【図4】センサ駆動部の構成例を示す図である。
【図5】前段処理部の構成例を示す図である。
【図6】後段処理部の構成例を示す図である。
【図7】シフトパルス、メインクロック、最終段パルスの構成例を示すタイミングチャートである。
【図8】本実施形態において、白黒系統による読み取りがカラー系統による読み取りの2倍の速度で行われた場合の出力信号の例を示す図である。
【図9】画像読み取り装置を備えた画像形成装置の機能構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<画像読み取り装置>
図1は、本実施形態の画像読み取り装置110の構成例を示す図である。
図示の画像読み取り装置110は、積載された原稿束から原稿を順次搬送する原稿送り装置10、スキャンによって画像を読み込むスキャナ装置70、読み込まれた画像信号を処理する処理装置200を備える。
【0010】
原稿送り装置10は、複数枚の原稿からなる原稿束が積載される第1原稿積載部11と、第1原稿積載部11を上昇および下降させるリフタ12とを備えている。また、リフタ12により上昇された第1原稿積載部11上の原稿を搬送する原稿搬送ロール13と、原稿搬送ロール13により搬送された原稿を更に下流側まで搬送するフィードロール14と、原稿搬送ロール13により搬送された原稿を1枚ずつ捌くリタードロール15とを備えている。また、原稿が搬送される原稿搬送路31には、一枚ずつに捌かれた原稿を下流側のロールまで搬送するテイクアウェイロール16、原稿を更に下流側のロールまで搬送すると共にループ作成を行うプレレジロール17が設けられている。
【0011】
さらに原稿搬送路31には、一旦停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し原稿読み取り部に対してレジストレーション調整を施しながら原稿を供給するレジロール18が備えられている。また、原稿搬送路31には、読み込み中の原稿搬送をアシストするプラテンロール19と、読み込まれた原稿を更に下流に搬送するアウトロール20が設けられている。さらに、原稿搬送路31には、搬送される原稿のループ状態に応じて支点を中心として回転するバッフル41が備えられている。また、プラテンロール19とアウトロール20との間には、原稿上の画像を読み取る画像読み取りユニット50が設けられている。さらにアウトロール20の原稿の搬送方向下流側には、読み込みが終了した原稿が積載される第2原稿積載部40が設けられているとともに、この第2原稿積載部40へ原稿を排出する排出ロール21が設けられている。
【0012】
ここで、原稿搬送ロール13は、待機時にはリフトアップされて退避位置に保持され、原稿搬送時にニップ位置(原稿搬送位置)へ降下して第1原稿積載部11上の最上位の原稿を搬送する。またフィードロール14は、原稿搬送ロール13により搬送が開始された原稿を更に下流側へと搬送する。またプレレジロール17は、停止しているレジロール18に原稿先端を突き当ててループを作成する。レジロール18では、ループ作成時にレジロール18に噛み込んだ原稿先端をニップ位置まで戻している。このループが形成されると、バッフル41は支点を中心として開き、原稿のループを妨げることのないように機能する。また、テイクアウェイロール16およびプレレジロール17は、読み込み中におけるループを保持している。このループ形成によって、読み込みタイミングの調整が図られ、また、原稿のスキューが抑制される。
【0013】
一方、スキャナ装置70は、上述した原稿送り装置10を装置フレーム71によって支え、また、原稿送り装置10によって搬送される原稿の画像読み取りを行っている。このスキャナ装置70は、装置フレーム71の上部に、画像を読み込むべき原稿が静止させた状態で載せられる第1プラテンガラス72A、原稿送り装置10によって搬送中の原稿を読み取るための光の開口部を形成する第2プラテンガラス72Bを有している。なお本実施形態では、画像読み取り装置110の奥側に設けられた支点を中心として原稿送り装置10が回転できるようになっている。そして本実施形態では、原稿送り装置10をこの支点を中心として上方に回転させることで原稿送り装置10が上方に移動し、第1プラテンガラス72Aの上に原稿がセットできるようになっている。
【0014】
またスキャナ装置70は、第2プラテンガラス72Bの下に静止し、および第1プラテンガラス72Aの全体に亘ってスキャンして画像を読み込むフルレートキャリッジ73を備えている。またスキャナ装置70は、フルレートキャリッジ73から得られた光を像結合部へ提供するハーフレートキャリッジ75を備えている。フルレートキャリッジ73には、原稿に光を照射する照明ランプ74、原稿から得られた反射光を受光する第1ミラー76Aが設けられている。またハーフレートキャリッジ75には、第1ミラー76Aから得られた光を結像部へ提供する第2ミラー76Bおよび第3ミラー76Cが設けられている。またスキャナ装置70は、第3ミラー76Cから得られた光学像を光学的に縮小する結像用レンズ77、結像用レンズ77によって結像された光学像を光電変換するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ78を備えている。また、スキャナ装置70には駆動基板79が設けられ、CCDイメージセンサ78によって得られたアナログ画像信号は駆動基板79上でデジタル画像信号に変換される。そして、このデジタル信号は処理装置200に送られる。
【0015】
ここで、第1プラテンガラス72Aに載せられた原稿の画像を読み取る場合には、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とが、2:1の割合でスキャン方向(矢印方向)に移動する。このとき、フルレートキャリッジ73の照明ランプ74の光が原稿の被読み取り面に照射されると共に、その原稿からの反射光が第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cの順に反射されて結像用レンズ77に導かれる。結像用レンズ77に導かれた光は、CCDイメージセンサ78の受光面に結像される。CCDイメージセンサ78は1次元のセンサであり、1ライン分を同時に処理している。このライン方向(スキャンの主走査方向)の1ラインの読み取りが終了すると、主走査方向とは直交する方向(副走査方向)にフルレートキャリッジ73は移動し、原稿の次のラインが読み取られる。これを原稿サイズ全体にわたって実行することで、1ページの原稿読み取りが完了する。
【0016】
また、原稿送り装置10によって搬送される原稿を読み取る場合には、原稿送り装置10によって搬送される原稿が第2プラテンガラス72Bの上を通過する。このとき、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75は、図1に示す実線の位置に停止した状態にある。そして、原稿送り装置10のプラテンロール19を経た原稿の1ライン目の反射光が、第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cを経て結像用レンズ77にて結像され、CCDイメージセンサ78によって画像が読み込まれる。
【0017】
そして、1次元のセンサであるCCDイメージセンサ78によって主走査方向の1ライン分が同時に処理された後、原稿送り装置10によって搬送される原稿の次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。その後、原稿の後端が、第2プラテンガラス72Bの読み取り位置を通過することによって、副走査方向に亘って1ページの読み取りが完了する。なお本実施形態では、CCDイメージセンサ78により原稿の第一面の読み取りを行うときに、同時に画像読み取りユニット50によって、原稿の第二面の読み取りを行うこととしている。このようにすることで、原稿を何度も搬送することなく一回の搬送で原稿の両面を読み取ることが可能となる。ここで、上記の「同時」とは、時間の完全一致を意味するものではなく、原稿の同一の搬送時に、という意味である。
【0018】
画像読み取りユニット50は、プラテンロール19とアウトロール20との間に設けられる。ここで、原稿の第一面は、第2プラテンガラス72Bに押し当てられ、上記の通り、この第一面の画像はCCDイメージセンサ78により読み取られる。また、原稿の第二面の画像は、画像読み取りユニット50により読み取られる。
【0019】
画像読み取りユニット50は、原稿の第二面に光を照射する図示しないLED(Light Emitting Diode)を備えている。また画像読み取りユニット50には、原稿からの反射光をレンズにより集光した後に、集光された光を光電変換する図示しないラインセンサが設けられている。ここで、画像読み取りユニット50のラインセンサにより得られたアナログ画像データ信号は、デジタル画像信号に変換されて、処理装置200に送られる。
【0020】
<画像読み取り機構の構成>
次に、本実施形態の画像読み取り機構について説明する。
図2は、本実施形態の画像読み取り機構300の構成例を示す図である。
図2に示す画像読み取り機構300は、センサ部310と、センサ駆動部320と、前段処理部330と、後段処理部340と、制御部350とを備える。センサ部310は、例えば図1に示した画像読み取り装置110のCCDイメージセンサ78や画像読み取りユニット50のラインセンサとして実現される。センサ駆動部320および前段処理部330は、例えば図1に示した画像読み取り装置110駆動基板79や画像読み取りユニット50のラインセンサを駆動する回路(駆動基板)の機能として実現される。後段処理部340および制御部350は、例えば図1に示した画像読み取り装置110の処理装置200として実現される。
【0021】
図3は、センサ部310の構成例を示す図である。
図3に示すセンサ部310は、読み取り画素列としての4本の画素列(CCDラインセンサ)311〜314を備える。また、センサ部310は、電荷転送部として、画素列311〜313に各々1つずつ付設された転送レジスタ311a〜313aと、画素列314に付設された2つの転送レジスタ314a、314bとを備える。さらに、センサ部310は、各転送レジスタ311a〜314a、314bから出力される信号電荷を電圧に変換して出力する出力部として、出力アンプ315〜319を備える。
【0022】
画素列311〜314は、例えば10μm×10μmの大きさのフォトダイオード(画素)をn個直線状に配列して構成される。これら4ライン構成の画素列311〜314のうち、3つの画素列311〜313の受光面上には、RGB(Red(赤)、Green(緑)、Blue(青))の各色成分に対応したカラーフィルタが、それぞれ別個に設けられている。これにより、これらの画素列311〜313は、一組の読み取り画素列として、カラー画像を撮像するためのRGBの各色成分について光学像の読み取りを行う。一方、他の1つの画素列314は、白黒画像を撮像する読み取り画素列として機能する。この画素列314の受光面上には、例えば緑色(G)成分に対応したカラーフィルタを設けても良い。なお、各画素列311〜314の配置間隔は、例えば、等間隔でも良いし、一組の画素列311〜313の相互間隔を狭く、これと画素列314との間隔を広く設定しても良い。
【0023】
上記のように、画素列311〜313には、各々1つの転送レジスタ311a〜313aが付設されている。画像読み取りにおいて画素列311〜313が受光により蓄積した電荷は、外部から与えられるシフトパルスにより、この転送レジスタ311a〜313aに垂直転送(シフト)される。転送レジスタ311a〜313aは、画素列311〜313から受け取った信号電荷を、メインクロック(転送用タイミング信号)により水平転送し、出力アンプ315〜317へ出力する。
【0024】
これに対し、画素列314には、2つの転送レジスタ314a、314bが付設されている。そして、画素列314の奇数(ODD)画素の信号電荷と偶数(EVEN)画素の信号電荷が各々別個に、この転送レジスタ314a、314bに垂直転送される。転送レジスタ314a、314bは、それぞれ画素列314から受け取った信号電荷を、外部から与えられるメインクロックにより水平転送し、出力アンプ318、319へ出力する。すなわち、画素列314については、奇数(ODD)画素の信号電荷と偶数(EVEN)画素の信号電荷とが2つの転送レジスタ314a、314bに振り分けられて並列に出力される。このため、画素列314による画像の読み出しは、画素列311〜313による画像の読み出しの2倍の速度で行われる。
【0025】
出力アンプ315〜319は、外部から与えられる最終段パルス(出力用タイミング信号)により、対応する転送レジスタ311a〜314a、314bから出力された信号電荷に基づく出力信号を出力する。
【0026】
以下の説明において、上記のセンサ部310の構成のうち、カラー画像読み取りに使用される画素列311〜313に係る構成(すなわち、画素列311〜313、転送レジスタ311a〜313a、出力アンプ315〜317)と、白黒画像読み取りに使用される画素列314に係る構成(すなわち、画素列314、転送レジスタ314a、314b、出力アンプ318、319)とを区別する場合、前者をカラー系統、後者を白黒系統と呼ぶ。
【0027】
ところで、以上のように構成されたセンサ部310を用いて画像読み取りを行う場合、カラー画像読み取りであっても、白黒画像読み取りであっても、上記のカラー系統の構成および白黒系統の構成を両方用いて読み取りを行っても良い。そして、両系統による読み取り画像を比較することにより、光路上の異物による画像異常を検知して補正する。ここで、白黒画像読み取りの場合は、白黒系統による読み取りは、上記のように、カラー系統による読み取りの2倍速で行われる。これに対し、カラー画像読み取りの場合は、白黒系統による読み取り速度を1/2倍に落とし、カラー系統による読み取り速度に合わせる。
【0028】
図4は、センサ駆動部320の構成例を示す図である。
図4に示すセンサ駆動部320は、メインクロックを出力する水平転送ドライバ321a、321bと、シフトパルスを出力する垂直転送ドライバ322a、322bと、最終段パルスを出力する出力ドライバ323a、323bとを備える。また、センサ駆動部320は、水平転送ドライバ321a、321bおよび垂直転送ドライバ322a、322bに電力を供給する転送用電源324と、出力ドライバ323a、323bに電力を供給する出力用電源325a、325bとを備える。
【0029】
水平転送ドライバ321aは、転送レジスタ311a〜313aを駆動するためのメインクロック(水平転送クロック)をセンサ部310に供給する。また、水平転送ドライバ321bは、転送レジスタ314a、314bを駆動するためのメインクロックをセンサ部310に供給する。
【0030】
垂直転送ドライバ322aは、画素部311〜313から対応する各転送レジスタ311a〜313aへ信号電荷をシフト(垂直転送)させるためのシフトパルスをセンサ部310に供給する。また、垂直転送ドライバ322bは、画素部314から転送レジスタ314a、314bへ信号電荷をシフトさせるためのシフトパルスをセンサ部310に供給する。
【0031】
出力ドライバ323aは、出力アンプ315〜317を駆動するための最終段パルスをセンサ部310に供給する。また、出力ドライバ323bは、出力アンプ318、319を駆動するための最終段パルスをセンサ部310に供給する。
【0032】
以上のように、本実施形態のセンサ駆動部320では、水平転送ドライバ321a、321b、垂直転送ドライバ322a、322bおよび出力ドライバ323a、323bは、センサ部310のカラー系統の構成のためのものと、白黒系統の構成のためのものの、各2組が設けられる。
【0033】
転送用電源324は、水平転送ドライバ321a、321bおよび垂直転送ドライバ322a、322bに電力を供給する。また、出力用電源325aは、出力ドライバ323aに電力を供給する。また、出力用電源325bは、出力ドライバ323bに電力を供給する。
【0034】
すなわち、本実施形態のセンサ駆動部320では、転送レジスタ311a〜314a、314bを駆動する水平転送ドライバ321a、321bの電源と、出力アンプ315〜319を駆動する出力ドライバ323a、323bの電源とが別系統となっている。そしてさらに、カラー系統の出力アンプ315〜317を駆動する出力ドライバ323aの電源と、白黒系統の出力アンプ318、319を駆動する出力ドライバ323bの電源とが別系統となっている。
【0035】
図5は、前段処理部330の構成例を示す図である。
前段処理部330は、センサ部310からの出力信号を増幅し、アナログ/デジタル変換(A/D変換)する。図5に示す前段処理部330は、サンプルホールド回路331と、アナログ増幅器332と、A/D変換器(コンバータ)333と、デジタル増幅器334と、オフセット補正回路335と、D/A変換器(デジタル/アナログコンバータ)336とを備える。
【0036】
サンプルホールド回路331は、センサ部310の出力アンプ315〜319から出力される出力信号を受け付け、出力信号のサンプル(サンプル信号)を保持する。アナログ増幅器332は、サンプルホールド回路331により保持されたサンプル信号(アナログ信号)を増幅する。A/D変換器333は、アナログ増幅器332により増幅された信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。デジタル増幅器334は、A/D変換器333によりデジタル信号に変換された信号(デジタル信号)を増幅する。
【0037】
オフセット補正回路335は、A/D変換器333によりデジタル信号に変換された信号に対して、オフセット補正を行う。D/A変換器336は、オフセット補正回路335によりオフセット補正がなされた信号(デジタル信号)をアナログ信号に変換する。このアナログ信号は、サンプルホールド回路331にフィードバックされ、サンプリングの設定に反映される。
【0038】
上記のように、本実施形態の前段処理部330は、出力信号の増幅手段として、アナログ信号の状態で増幅するアナログ増幅器332と、デジタル信号に変換した後に増幅するデジタル増幅器334とを備える。そして、前段処理部330は、このアナログ増幅器332およびデジタル増幅器334を用いた2段階の増幅を行った後、出力信号を後段処理部340へ送る。
【0039】
図6は、後段処理部340の構成例を示す図である。
後段処理部400は、前段処理部330において増幅され、A/D変換された出力信号に対して必要な補正を行い、画像処理を行う。これにより、デジタルデータによる画像データが生成される。図6に示す後段処理部340は、前段処理部330から受け取った出力信号(デジタル信号)を保持するメモリ341と、シェーディング回路342と、遅延回路343と、すじ補正回路344と、画像処理回路345とを備える。
【0040】
シェーディング回路342は、前段処理部330から受信した出力信号に対して、センサ部310における画素列311〜314を構成する各画素の感度のばらつきや光学系(図1参照)の光量分布特性に基づく各画素の実質的な感度のばらつきを補正する。
【0041】
遅延回路343は、各画素列311〜314の配置間隔に基づいて生じる、読み取り画像の時間的なずれを補正(同時化)する。
【0042】
すじ補正回路344は、画像読み取り装置110の光学系や画像読み取りユニット50の光路上に異物が存在する場合等に読み取った画像上に発生する異常(すじ)を検出し、除去する。このすじの検出は、例えば上述したように、センサ部310のカラー系統の構成により読み取った画像と白黒系統の構成で読み取った画像とを比較する処理により行われる。
【0043】
画像処理回路345は、必要に応じて上記の各種の補正が行われた読み取り画像に対して、例えば、色間変換処理、拡大縮小処理、地肌除去処理、2値化処理等の画像処理を行う。
【0044】
図2に示した制御部350は、画像読み取りの動作設定を行い、上記のセンサ駆動部320、前段処理部330、後段処理部340の各動作を制御する。これにより、センサ部310による画像読み取りが行われ、読み取った画像に対する各種の処理が行われて、デジタルデータ化された画像が得られる。
【0045】
<センサ駆動部の動作>
次に、図4を参照して説明したセンサ駆動部320の動作について説明する。
センサ駆動部320において、水平転送ドライバ321a、321b、垂直転送ドライバ322a、322b、出力ドライバ323a、323bは、転送用電源324および出力用電源325a、325bから電力を得て、予め設定された特定のタイミングで駆動信号(パルスやクロック)を送出し、センサ部310を駆動する。
【0046】
具体的には、まず、垂直転送ドライバ322a、322bから、センサ部310(図3参照)の画素列311〜314と転送レジスタ311a〜314a、314bとの間に設けられたシフトゲート(図示せず)へ、シフトパルスが送られる。これにより、画素列311〜314に蓄積された信号電荷が転送レジスタ311a〜314a、314bへシフト(垂直転送)される。
【0047】
次に、水平転送ドライバ321a、321bから、転送レジスタ311a〜314a、314bへ、メインクロック(水平転送クロック)が送られる。このメインクロックにしたがって、転送レジスタ311a〜314a、314bに保持されている信号電荷が順次シフトされ、転送レジスタ311a〜314a、314bから排出されて、出力アンプ315〜319へ送られる。
【0048】
次に、出力ドライバ323a、323bから、出力アンプ315〜319へ、最終段パルスが送られる。これにより、転送レジスタ311a〜314a、314bから受け取った信号電荷に基づく出力信号が、出力アンプ315〜319から出力され、前段処理部330へ送られる。
【0049】
ここで、画素列311〜314から転送レジスタ311a〜314a、314bへ信号電荷が垂直転送されるとき、転送レジスタ311a〜314a、314bにおける水平方向への信号電荷の水平転送(信号電荷を順次排出する動き)は行うことができない。そのため、転送レジスタ311a〜314a、314bを駆動する水平転送ドライバ321a、321bからのメインクロックが停止される。すなわち、画像の読み取り時には、1ライン周期ごとに、メインクロックの停止および供給が行われる。
【0050】
図7は、シフトパルス、メインクロック、最終段パルスの構成例を示すタイミングチャートである。
図7を参照すると、ライン同期信号に基づき、1ライン分ごとの、垂直転送信号(シフトパルス)SH1、SH2、水平転送信号(メインクロック)φ1、φ2、最終段駆動信号(最終段パルス)φRS、φCP、φ2Bが記載されている。ここで、垂直転送信号SH1は、転送レジスタ311a〜314aへの垂直転送を実行するための信号、垂直転送信号SH2は、転送レジスタ314bへの垂直転送を実行するための信号である。水平転送信号φ1は、転送レジスタ311a〜314aの水平転送を実行するための信号である。水平転送信号φ2は、転送レジスタ314bの水平転送を実行するための信号である。最終段駆動信号φRSは、出力アンプ315〜319のリセットゲートを制御するための信号である。最終段駆動信号φCPは、出力アンプ315〜319のクランプ回路を制御するための信号である。最終段駆動信号φ2Bは、出力アンプ315〜319の最終段転送(出力アンプ315〜319からの出力)用の信号である。
【0051】
ここで、各ドライバ321a、321b、322a、322b、323a、323bに対して共通の電源から電力が供給される場合を考える。上述したように、垂直転送信号SH1、SH2が出力されているときは、水平転送信号φ1、φ2は停止している(図7に示す例では、メインクロックとは異なる周期の信号となっている)。そのため、水平転送ドライバ321a、321bと出力ドライバ323a、323bの駆動電源が同一であると、水平転送ドライバ321a、321bにおけるメインクロックの供給、停止の切り替えが、センサ部310の出力信号に影響を及ぼす。
【0052】
すなわち、メインクロックの供給、停止の動作の繰返しにより、水平転送ドライバ321a、321bには、水平転送期間では大きな負荷電流が流れる一方、垂直転送期間ではほとんど電流が流れない。このため、垂直転送期間が終了し、水平転送が始まると、水平転送ドライバ321a、321bでは大きな消費電流の変動が発生する。この消費電流の変動に伴い、水平転送ドライバ321a、321bの電源電圧に変動が起こり、これに起因してメインクロック自身の電圧振幅等も変動する。
【0053】
その結果、センサ部310の出力信号に水平転送ドライバ321a、321bの電源電圧の変動に応じたレベル変動が生じることになる。これにより、1ラインの先頭部分で得られる黒レベル(出力信号の基準レベル)が変動し、その変動の影響が光学的遮蔽画素部の画素信号や有効画素部の画素信号まで残留してしまう。このため、センサ部310の出力信号として正常なレベルの画像信号が得られず、画像の読み取り精度の低下を招く可能性がある。
【0054】
そこで、本実施形態は、図4に示したように、出力アンプ315〜319を駆動する出力ドライバ323a、323bを、転送レジスタ311a〜314a、314bを駆動する水平転送ドライバ321a、321bと分離し、各々に電力を供給する電源を別個に設けた。すなわち、出力用電源325a、325bが出力ドライバ323a、323bに電力を供給し、これとは別個の転送用電源324が水平転送ドライバ321a、321bに電力を供給する構成とした。
【0055】
上記の構成により、水平転送ドライバ321a、321bの電源電圧が変動しても、その影響を受けず、出力ドライバ323a、323bが常に安定した最終段パルスに基づいて出力部を駆動することができる。このため、センサ部310から安定したレベルの出力信号を得ることができる。
【0056】
また、本実施形態のセンサ部310は、カラー画像読み取りを行うカラー系統の構成と白黒画像読み取りを行う白黒系統の構成とを備える。そして、カラー画像読み取りと白黒画像読み取りのいずれであっても、画像異常の検出を行うために両系統による読み取りを行う場合がある。さらに、上述したように、白黒画像読み取りを行う際、白黒系統による読み取りは、上記のように、カラー系統による読み取りの2倍速で行われる。この場合、カラー系統の構成における各ドライバ321a、322a、323aと、白黒系統の構成における各ドライバ321b、322b、323bとに対し、共通の電源から電力を供給すると、白黒系統による読み取り動作によって、カラー系統の構成からの出力信号が影響を受け、画像の読み取り精度の低下を招く可能性がある。
【0057】
図8は、白黒系統による読み取りがカラー系統による読み取りの2倍の速度で行われた場合の出力信号の例を示す図である。
図8には、カラー系統による読み取りおよび白黒系統による読み取りに関して、それぞれ、ライン同期信号、水平転送ドライバ321a、321bによる水平転送信号(メインパルス)、出力信号が記載されている。また、カラー系統による読み取りに関する信号には「CL」、白黒系統による読み取りに関する信号には「BW」という符号を付けて区別している。
【0058】
図8を参照すると、ライン同期信号は、白黒系統の信号周期がカラー系統の信号周期の1/2となっており、白黒系統の構成がカラー系統の構成の2倍速で動作することがわかる。そして、カラー系統の構成による水平転送の実行中に、白黒系統の構成において、垂直転送が実行されている。すなわち、この垂直転送のタイミングで、水平転送信号が一旦停止している。このため、カラー系統の構成による出力信号には、白黒系統の構成における水平転送信号の停止、供給の切り替えの影響により、ノイズが発生している(図の破線の丸で示した箇所)。
【0059】
本実施形態は、上記のような読み取り精度の低下を防止するため、図4に示したように、カラー系統の構成に対する出力ドライバ323aに電力を供給する電源と、白黒系統の構成に対する出力ドライバ323bに電力を供給する電源とを別個に設けた。すなわち、出力用電源325aがカラー系統の出力アンプ315〜317を駆動する出力ドライバ323aに電力を供給し、これとは別個の出力用電源325bが白黒系統の出力アンプ318、319を駆動する出力ドライバ323bに電力を供給する構成とした。
【0060】
上記の構成により、カラー系統の構成と白黒系統の構成とが異なる読み取り速度で画像の読み取りを行う場合であっても、出力ドライバ323a、323bが常に安定した最終段パルスに基づいて出力部を駆動することができる。このため、センサ部310から安定したレベルの出力信号を得ることができる。
【0061】
また、本実施形態は、水平転送ドライバ321a、321bおよび垂直転送ドライバ322a、322bに電力を供給する電源を分けていない(転送用電源324のみ)。これらのドライバ321a、321b、322a、322bの電源を共通としても、出力信号に何らかの影響を与えて画像の読み取り精度が低下することはない。なお、これらのドライバ321a、321b、322a、322bに対する電源を複数系統に分けて設けても構わない。ただし、電源を共通にして数を減らすことにより、回路構成をより単純にし、回路面積をより小さくすることができる。
【0062】
<画像形成装置の構成>
次に、他の実施形態として、上記の画像読み取り装置110を備えた画像形成装置について説明する。
図9は、上記の実施形態による画像読み取り装置110を備えた画像形成装置の機能構成を示す図である。
図9に示す画像形成装置100は、画像読み取り装置110と、装置の動作制御を行う装置制御部120と、トナーやインク等の画像形成材を用いて媒体である用紙等に画像を形成する画像形成部130とを備える。
【0063】
画像読み取り装置110は、図1に示した画像読み取り装置110と同様の構成を備える。この画像読み取り装置110は、上記黒シェーディング処理等の各処理を実行する機能を備える。
【0064】
装置制御部120は、CPU、CPUが実行するプログラムを格納したROM、作業用メモリであるRAM等で実現される。この装置制御部120は、予めインストールされたプログラムおよび各種設定に基づき、画像読み取り装置110および画像形成部130の動作制御、図示しない表示装置への表示、図示しないインターフェイスによる入力受け付けやデータ交換等、各種処理の制御を行う。また、装置制御部120は、媒体上に形成される画像を生成する。
【0065】
画像形成部130は、画像読み取り装置110が読み取った画像を、トナーやインク等の画像形成材を用いて、用紙等の媒体上に印刷する。なお、ここでは、印刷方式については限定しない。すなわち、電子写真方式や、インクジェット方式、サーマル方式等、種々の方式の印刷手段により本実施形態の画像形成部130を構成し得る。
【符号の説明】
【0066】
300…画像読み取り機構、310…センサ部、320…センサ駆動部、321a、321b…水平転送ドライバ、322a、322b…垂直転送ドライバ、323a、323b…出力ドライバ、324…転送用電源、325a、325b…出力用電源、330…前段処理部、340…後段処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の読み取り画素列と、当該第1の読み取り画素列の各画素から得られる信号電荷を転送する第1の電荷転送部と、当該第1の電荷転送部により転送される信号電荷を電気信号に変換して出力する第1の出力部とを含む第1の読み取り手段と、
第2の読み取り画素列と、当該第2の読み取り画素列の各画素から得られる信号電荷を転送する第2の電荷転送部と、当該第2の電荷転送部により転送される信号電荷を電気信号に変換して出力する第2の出力部とを含む第2の読み取り手段と、
前記第1の出力部を駆動する第1の駆動手段と、
前記第2の出力部を駆動する第2の駆動手段と、
前記第1の電荷転送部を駆動する第3の駆動手段と、
前記第2の電荷転送部を駆動する第4の駆動手段と、
前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段とに対して個別であるとともに前記第3の駆動手段と前記第4の駆動手段とに対して独立となる電源により電力供給を行う電力供給手段と、
を備えることを特徴とする、画像読み取り装置。
【請求項2】
前記第1の駆動手段および前記第3の駆動手段により駆動される前記第1の読み取り手段による画像の読み取り速度と、前記第2の駆動手段および前記第4の駆動手段により駆動される前記第2の読み取り手段による画像の読み取り速度とが異なることを特徴とする、請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記電力供給手段は、前記第3、第4の駆動手段に対して、共通の電源により電力供給を行うことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記第3の駆動手段は、
前記第1の読み取り画素列の各画素から前記第1の電荷転送部へ移された信号電荷を前記第1の出力部へ送るための転送用タイミング信号を当該第1の電荷転送部へ供給し、
前記第1の読み取り画素列の各画素から前記第1の電荷転送部へ信号電荷が移される期間は、前記転送用タイミング信号の供給を停止し、
前記第4の駆動手段は、
前記第2の読み取り画素列の各画素から前記第2の電荷転送部へ移された信号電荷を前記第2の出力部へ送るための転送用タイミング信号を当該第2の電荷転送部へ供給し、
前記第2の読み取り画素列の各画素から前記第2の電荷転送部へ信号電荷が移される期間は、前記転送用タイミング信号の供給を停止することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
前記第1の駆動手段は、
前記第1の出力部に信号を出力させるための前記転送用タイミング信号と同移相の出力用タイミング信号を当該第1の出力部へ供給し、
前記第2の駆動手段は、
前記第2の出力部に信号を出力させるための前記転送用タイミング信号と同移相の出力用タイミング信号を当該第2の出力部へ供給することを特徴とする、請求項4に記載の画像読み取り装置。
【請求項6】
第1の読み取り画素列と、当該第1の読み取り画素列の各画素から得られる信号電荷を転送する第1の電荷転送部と、当該第1の電荷転送部により転送される信号電荷を電気信号に変換して出力する第1の出力部とを含む第1の読み取り手段と、
第2の読み取り画素列と、当該第2の読み取り画素列の各画素から得られる信号電荷を転送する第2の電荷転送部と、当該第2の電荷転送部により転送される信号電荷を電気信号に変換して出力する第2の出力部とを含む第2の読み取り手段と、
前記第1の出力部を駆動する第1の駆動手段と、
前記第2の出力部を駆動する第2の駆動手段と、
前記第1の電荷転送部を駆動する第3の駆動手段と、
前記第2の電荷転送部を駆動する第4の駆動手段と、
前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段とに対して個別であるとともに前記第3の駆動手段と前記第4の駆動手段とに対して独立となる電源により電力供給を行う電力供給手段と、
前記第1の読み取り手段または前記第2の読み取り手段のいずれかにより読み取った画像を、画像形成材にて媒体上に形成する画像形成手段と、
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項7】
前記第1の駆動手段および前記第3の駆動手段により駆動される前記第1の読み取り手段による画像の読み取り速度と、前記第2の駆動手段および前記第4の駆動手段により駆動される前記第2の読み取り手段による画像の読み取り速度とが異なることを特徴とする、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記電力供給手段は、前記第3、第4の駆動手段に対して、共通の電源により電力供給を行うことを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−104931(P2012−104931A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249852(P2010−249852)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】