説明

画像読取システム

【課題】複数台の画像読取装置が接続されている場合に、煩雑な操作を必要とすることなく画像読取を行うことができる画像読取システムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、原稿読取開始指示手段を備えた複数の画像読取装置と、画像読取装置に接続された情報処理端末と、を含む画像読取システムにおいて、画像読取装置は、原稿読取開始指示手段を利用者が操作したことを検知し、利用者の操作を検知した場合に原稿の読取を実行し、読取られた原稿の画像ファイルを情報処理端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画像読取装置を情報処理装置に接続して画像の読取を行う、デュアルモード等の技術が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、情報処理装置にADFスキャナとフラットベッドスキャナとを同時に接続、あるいは、ADFスキャナとフラットベッドスキャナ同士を接続して情報処理装置と一つのインターフェースで接続する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ADFスキャナで読取るかフラットベッドスキャナで読取るかを情報処理装置上で選択する方法や、ADFスキャナに原稿がセットされた場合にセットを検出して読取対象選択を情報処理装置上に通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−55165号公報
【特許文献2】特開2005−73116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、2台の画像読取装置を接続する場合にスキャナドライバの選択を簡素化できるものの、複数のスキャナ間で容易に連続読取を行いたい場合に応用することができないという問題点を有していた。また、特許文献2に記載の技術においては、読取対象選択を情報処理装置上の操作で選択するものであり、複数の画像読取装置それぞれから読取を操作することができないという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、複数台の画像読取装置が接続されている場合に、煩雑な操作を必要とすることなく画像読取を行うことができる画像読取システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するため、本発明の画像読取システムは、原稿読取開始指示手段を備えた複数の画像読取装置と、前記画像読取装置に接続された情報処理端末と、を含む画像読取システムにおいて、前記画像読取装置は、前記原稿読取開始指示手段を利用者が操作したことを検知する検知手段と、前記検知手段により検知した場合に、原稿の読取を実行する読取手段と、前記読取手段により読取られた前記原稿の画像ファイルを前記情報処理端末に送信する画像ファイル送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る画像読取システムは、前記記載の画像読取システムにおいて、前記情報処理端末は、複数の前記画像読取装置から受信した複数の前記画像ファイルを統合する統合手段、をさらに備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る画像読取システムは、前記記載の画像読取システムにおいて、前記情報処理端末は、前記画像読取装置の読取モードを設定する読取モード設定手段、をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る画像読取システムは、前記記載の画像読取システムにおいて、前記複数の前記画像読取装置は、読取用途が異なることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る画像読取システムは、前記記載の画像読取システムにおいて、前記複数の前記画像読取装置のうち少なくとも一つは、オーバーヘッド型スキャナであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、原稿読取開始指示手段を備えた複数の画像読取装置と、画像読取装置に接続された情報処理端末と、を含む画像読取システムにおいて、画像読取装置は、原稿読取開始指示手段を利用者が操作したことを検知し、操作を検知した場合に、原稿の読取を実行し、読取られた原稿の画像ファイルを情報処理端末に送信する。これにより、本発明は、複数台の画像読取装置が接続されている場合に、情報処理端末側からの原稿読取開始指示等の煩雑な操作を必要とすることなく画像読取を行うことができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明によれば、情報処理端末は、さらに、複数の画像読取装置から受信した複数の画像ファイルを統合するので、複数の画像読取装置から読取った順番等で複数の画像ファイルを統合して整理することができるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明によれば、情報処理端末は、さらに、画像読取装置の読取モードを設定するので、複数の画像読取装置毎に個別の読取モードを設定することができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明によれば、複数の画像読取装置は読取用途が異なるものであり、例えば、ADFスキャナとフラットベッドスキャナ等の読取用途の異なる複数の画像読取装置を接続して簡単に読取操作を行うことができるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明によれば、複数の画像読取装置のうち少なくとも一つは、オーバーヘッド型スキャナであり、オーバーヘッド型スキャナとは異なる読取用途の画像読取装置を同時に接続して、簡単な操作で読取を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、情報処理端末100の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、スキャナ120の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、設定ファイル106aに格納される設定データの一例を示す図である。
【図4】図4は、読取モード等の設定データを登録させるための設定画面の一例を示す図である。
【図5】図5は、情報処理端末100の処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、情報処理端末100の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、統合部102cにより一つのファイルに統合された複数の画像ファイルを模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る画像読取システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
[画像読取システムの構成]
まず、情報処理端末100および複数のスキャナ120を含む本実施形態の画像読取システムの構成について説明する。ここで、図1は、情報処理端末100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。また、図2は、スキャナ120の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の情報処理端末100は、複数のスキャナ120に接続される。なお、この例では、第1スキャナ120−1から第3スキャナ120−3までの3台の画像読取装置が接続された例について説明するが、本実施形態は、これに限られず、二以上の任意の数の画像読取装置を接続してもよい。
【0022】
図1に示すように、本実施形態において、情報端末装置100は、概略的に、情報端末装置100の全体を統括的に制御するCPU等の制御部102、複数台のスキャナ120に接続される入出力制御インターフェース部108、および、各種のデータベースやテーブルなどを格納する記憶部106を備えて構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
図1において、記憶部106に格納される各種のデータベースやテーブル(設定ファイル106a、読取画像ファイル106b、および、統合ファイル106c)は、固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種処理に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベース等を格納する。
【0024】
これら記憶部106の各構成要素のうち、設定ファイル106aは、各種の設定データを記憶する設定条件記憶手段である。例えば、設定ファイル106aは、各スキャナ120に設定する設定モードを記憶してもよい。ここで、図3は、設定ファイル106aに格納される設定データの一例を示す図である。
【0025】
図3に示すように、設定ファイル106aは、一例として、読取モードや原稿に関する設定データを記憶してもよい。例えば、図3に示す読取モードのうち、原稿の画像を読取る際の解像度に関する読取解像度においては、自動解像度、150dpi、200dpi、300dpi、600dpiのうち、いずれを設定するかをスキャナ120に対応付けて定義することができる。他の例として、原稿サイズにおいては、サイズ自動検出、A3、A4、A5、A6、B4、B5、B6、はがき、名刺、レター、ダブルレター、カスタムのうち、いずれを設定するかを定義することができる。なお、設定データの設定方法の例については、図4を参照して後述する。
【0026】
再び図1の説明に戻り、読取画像ファイル106bは、スキャナ120にて読取られ、スキャナ120から受信した画像ファイルを記憶する読取画像記憶手段である。ここで、読取画像ファイル106bは、スキャナ120毎に画像を記憶してもよく、画像処理された後の画像ファイルを記憶してもよい。
【0027】
また、統合ファイル106cは、複数のスキャナ120にて読取られた複数の画像ファイルを統合して記憶する統合画像ファイル記憶手段である。例えば、統合ファイル106cは、複数の画像ファイルをPDF形式でまとめて記憶してもよい。
【0028】
また、図1において、入出力制御インターフェース部108は、第1スキャナ120−1や第2スキャナ120−2や第3スキャナ120−3などの複数のスキャナ120の制御を行う。
【0029】
また、図1において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、読取モード設定部102a、画像ファイル受信部102b、および、統合部102cを備えて構成されている。
【0030】
このうち、読取モード設定部102aは、設定ファイル106aに記憶された設定データに基づいて、入出力制御インターフェース部108を介して各スキャナ120に読取モードを設定する読取モード設定手段である。ここで、読取モード設定部102aは、設定ファイル106aに記憶された設定データに、スキャナ120毎の読取モード等が登録されていない場合に、利用者に入力部(図示せず)を介して設定させてもよい。ここで、図4は、読取モード等の設定データを登録させるための設定画面の一例を示す図である。
【0031】
図4に示すように、この例では、設定画面は、読取モード、画処理、原稿、および、ファイル形式の4つのタブを含んでいる。そして、図4に示すように、利用者が一例として原稿タブを入力部を介して選択すると、読取モード設定部102aは、入出力制御インターフェース部108を制御して、現在接続されているスキャナ120を判定し、各スキャナ毎に原稿に関する設定を行うよう制御する。例えば、利用者が図4の「第1スキャナ」のプルダウンメニューを入力部を介して押下すると、読取モード設定部102aは、図3を参照して上述したように、設定ファイル106aに記憶された設定データ一覧を読み出して一覧表示し、サイズ自動検出、A3、A4、A5、A6、B4、B5、B6、はがき、名刺、レター、ダブルレター、カスタムのうち、いずれを第1スキャナ120−1の原稿サイズとして設定するかを利用者に選択させる。このように、読取モード設定部102aは、利用者に各種の設定データを選択させて設定ファイル106aに格納し、スキャナ120による読取時に当該設定データに基づいて設定を行ってもよい。
【0032】
また、画像ファイル受信部102bは、入出力制御インターフェース部108を介して、各スキャナ120により読取られた画像ファイルを受信し、読取画像ファイル106bに格納する画像ファイル受信手段である。ここで、画像ファイル受信部102bは、読取日時や受信日時やファイル名(例えば、読取順が識別できるファイル名等)などを対応付けて格納してもよい。
【0033】
また、統合部102cは、複数のスキャナ120から受信した複数の画像ファイルを統合する統合手段である。例えば、統合部102cは、読取画像ファイル106bに記憶された複数の画像ファイルについて、読取日時順や受信日時順等で並べ替えて統合させた統合ファイル106cを作成してもよい。また、統合部102cは、利用者に入力部を介して並べ替えを行わせるよう制御してもよい。
【0034】
以上が情報処理端末100の構成の一例である。つづいて、スキャナ120の構成の一例について説明する。
【0035】
スキャナ120は、画像読取機能を有する画像読取装置である。なお、複数のスキャナ120(第1スキャナ120−1、第2スキャナ120−2、第3スキャナ120−3)は、それぞれ読取用途が異なってもよい。例えば、第1スキャナ120−1は、大量に文書をスキャンしたいという用途に合わせて、ADF(Auto Document Feeder)スキャナであってもよい。また、第2スキャナ120−2は、本をスキャンしたいという用途に合わせて、オーバーヘッド型スキャナであってもよい。また、第3スキャナ120−3は、高精度な画像読取を行いたいという用途に合わせて、フラットベッドスキャナであってもよい。なお、この他、複数の読取用途を兼ね備えた複合スキャナを用いてもよい。また、画像読取装置は、スキャナに限られず、画像読取機能と印刷機能を兼ね備えた複合機等であってもよい。
【0036】
図2に示すように、スキャナ120は、スキャンボタン121と、検知部122aと、読取部122bと、画像ファイル送信部122cと、読取センサ123とを備える。なお、スキャナ120の構成は、各スキャナ120に共通のものを主に例示しているので、これに限られず、例えば、ADFスキャナであれば、積層されたシート状の原稿を連続的に給紙する駆動部を更に備えてもよい。
【0037】
図2に示すように、スキャンボタン121は、利用者に原稿読取開始指示を入力させるための原稿読取開始指示手段である。
【0038】
また、読取センサ123は、原稿の画像を読取るセンサである。例えば、スキャナ120がオーバーヘッド型スキャナの場合、読取センサ123は、上向きに配置された本や雑誌などの原稿を、上方から読取るラインイメージセンサであってもよい。また、スキャナ120がADFスキャナの場合、連続的に給紙される原稿を固定された位置から読取るラインイメージセンサであってもよい。
【0039】
また、検知部122aは、スキャンボタン121を利用者が操作(原稿読取開始指示)したことを検知する検知手段である。
【0040】
また、読取部122bは、検知部122aにより利用者の操作(原稿読取開始指示)を検知した場合に、原稿の読取を実行する読取手段である。
【0041】
また、画像ファイル送信部122cは、読取部122bにより読取られた原稿の画像ファイルを情報処理端末100に送信する画像ファイル送信手段である。
【0042】
ここで、検知部122a、読取部122b、および、画像ファイル送信部122cは、CPU等の制御部により実現されてもよい。また、この制御部は、情報処理端末100からの要求に応じてスキャナ120の設定を行ってもよい。例えば、制御部は、情報処理端末100から150dpiの解像度で読取るよう要求があった場合、読取センサ123を制御して、当該解像度でスキャンが実行されるよう制御する。この他、制御部は、情報処理端末100からの要求に応じて画像処理を行ってもよく、読取部122bにより読取られた画像データに対し、要求に応じて、例えば、誤差拡散処理、ディザ処理、自動2値化処理等の画像処理を行ってもよい。また、スキャナ120は、読取った画像データを一時的に保存するためのメモリを備えてもよい。以上で、本画像読取装置(スキャナ120)の構成の説明を終える。
【0043】
[画像読取システムの処理]
次に、このように構成された本実施形態における本画像読取システムの処理の一例について、以下に図5〜図7を参照して詳細に説明する。
【0044】
[スキャナ120単独の動作]
最初に、複数のスキャナ120のうちの一つのスキャナ120での動作について説明する。
【0045】
まず、スキャナ120の検知部122aは、スキャンボタン121を利用者が操作したことを検知する。なお、検知部122aは、利用者の操作が検知されなかった場合は、検知されるまで監視を継続する。
【0046】
そして、スキャナ120の読取部122bは、検知部122aにより利用者の操作が検知された場合に、読取センサ123を制御して原稿の読取を実行する。なお、情報処理端末100から設定データに基づく要求がある場合は、制御部は要求に応じた処理を行う。
【0047】
そして、スキャナ120の画像ファイル送信部122cは、読取部122bにより読取られた原稿の画像ファイルを情報処理端末100に送信する。
【0048】
以上が、スキャナ120の単独での動作である。
【0049】
[情報処理端末100の処理]
つづいて、複数のスキャナ120に接続された情報処理端末100の処理について、図5を参照して以下に説明する。ここで、図5は、情報処理端末100の処理の一例を示すフローチャートである。なお、情報処理端末100の読取モード設定部102aは、設定ファイル106aに記憶された設定データに基づいて、事前に各スキャナ120に対し設定を行っていてもよく、以下の読取起動が判定された際に、読取起動されたスキャナ120に対し設定を行ってもよい。また、情報処理端末100は、入出力インターフェース部108を制御して、複数のスキャナ120の接続が検知された場合に、以下の処理を行うよう制御してもよい。
【0050】
図5に示すように、情報処理端末100の画像ファイル受信部102bは、入出力制御インターフェース部108を制御して、第1スキャナ120−1で読取起動されたか否かを判定する(ステップSA−1)。なお、読取起動されたことの判定は、スキャナ120の検知部122aによりスキャンボタン121の操作が検知されたことであってもよく、スキャナ120の読取部122bにより読取が実行されたことであってもよい。
【0051】
第1スキャナ120−1で読取起動されていない場合(ステップSA−1,No)、情報処理端末100の画像ファイル受信部102bは、入出力制御インターフェース部108を制御して、第2スキャナ120−2で読取起動されたか否かを判定する(ステップSA−2)。
【0052】
第2スキャナ120−2で読取起動されていない場合(ステップSA−2,No)、情報処理端末100の画像ファイル受信部102bは、入出力制御インターフェース部108を制御して、第3スキャナ120−3で読取起動されたか否かを判定する(ステップSA−3)。
【0053】
第3スキャナ120−3で読取起動されていない場合(ステップSA−3,No)、情報処理端末100の画像ファイル受信部102bは、利用者により入力部を介して情報処理端末100のアプリケーション上で一つのスキャナ120について読取起動の指示入力があったか否かを判定する(ステップSA−4)。
【0054】
そして、以上の処理において、読取起動されたと判定した場合(ステップSA−1〜4,Yes)、情報処理端末100の画像ファイル受信部102bは、当該読取起動されたと判定した選択されたスキャナ120から、読取られた画像ファイルを受信し、読取画像ファイル106bに格納する(ステップSA−5)。
【0055】
そして、情報処理端末100の画像ファイル受信部102bは、利用者により入力部を介して、読取終了ボタン等が押下されたか否かを判定する(ステップSA−6)。ここで、図6は、情報処理端末100の表示部(図示せず)に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0056】
図6に示すように、画像ファイル受信部102bは、受信した画像ファイルを表示画面の画像表示領域(image1〜image4)に表示させてもよい。また、画像ファイル受信部102bの制御により表示される表示画面は、画像表示領域のほか、継続読取ボタン、読取終了ボタンを含んでもよい。そして、本処理(ステップSA−6)において、継続読取ボタンが押下された場合または読取終了ボタンが押下されなかった場合(ステップSA−6,No)、画像ファイル受信部102bは、ステップSA−1に処理を戻し、上述したステップSA−1〜SA−6の処理を繰り返し実行する。
【0057】
一方、読取終了ボタンが押下された場合(ステップSA−6,Yes)、統合部102cは、設定ファイル106aに記憶された設定データに基づいて画像保存方式を選択して、読取画像ファイル106bに格納された複数の画像ファイルを統合して統合ファイル106cに格納する(ステップSA−7)。例えば、統合部102cは、複数の画像ファイルをPDF形式でまとめて統合ファイル106cに格納してもよい。ここで、図7は、統合部102cにより一つのファイルに統合された複数の画像ファイルを模式的に示した図である。
【0058】
図7に示すように、統合部102cにより統合された一つのファイル(例えば、PDFファイル)には、第1スキャナ120−1により読取られた画像ファイルと、第2スキャナ120−2により読取られた画像ファイルと、第3スキャナ120−3により読取られた画像ファイルが一つのファイルに統合される。なお、画像ファイルの順序は、ファイル名に基づく読取順や読取日時順や受信日時順等で並べ替えてもよく、利用者に入力部を介して並べ替え可能に制御してもよい。
【0059】
以上で、本実施形態における画像読取システムの処理の説明を終える。
【0060】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0061】
例えば、情報処理端末100が複数のスキャナ120から画像ファイルを受信して処理を行う場合を一例に説明したが、情報処理端末100は、情報処理端末100とは別筐体のクライアント端末からの要求に応じて処理を行い、その処理結果(統合画像ファイル等)を当該クライアント端末に返却するようにしてもよい。
【0062】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0063】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0064】
また、情報処理端末100またはスキャナ120に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0065】
例えば、情報処理端末100またはスキャナ120の各装置が備える処理機能、特に制御部102やスキャナ120の制御部(検知部122a、読取部122b、および、画像ファイル送信部122c等)にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて情報処理端末100やスキャナ120に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0066】
また、このコンピュータプログラムは、情報処理端末100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0067】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、および、Blu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0068】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0069】
記憶部106に格納される各種のデータベース等(設定ファイル106a〜統合ファイル106c)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0070】
また、情報処理端末100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、情報処理端末100は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0071】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上詳述に説明したように、本発明によれば、複数台の画像読取装置が接続されている場合に、煩雑な操作を必要とすることなく画像読取を行うことができる画像読取システムを提供することができるので、画像読取装置や情報通信分野等において様々な分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0073】
100 情報処理端末
102 制御部
102a 読取モード設定部
102b 画像ファイル受信部
102c 統合部
106 記憶部
106a 設定ファイル
106b 読取画像ファイル
106c 統合ファイル
108 入出力制御インターフェース部
120 スキャナ
121 スキャンボタン
122a 検知部
122b 読取部
122c 画像ファイル送信部
123 読取センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿読取開始指示手段を備えた複数の画像読取装置と、前記画像読取装置に接続された情報処理端末と、を含む画像読取システムにおいて、
前記画像読取装置は、
前記原稿読取開始指示手段を利用者が操作したことを検知する検知手段と、
前記検知手段により検知した場合に、原稿の読取を実行する読取手段と、
前記読取手段により読取られた前記原稿の画像ファイルを前記情報処理端末に送信する画像ファイル送信手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取システム。
【請求項2】
前記情報処理端末は、
複数の前記画像読取装置から受信した複数の前記画像ファイルを統合する統合手段、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像読取システム。
【請求項3】
前記情報処理端末は、
前記画像読取装置の読取モードを設定する読取モード設定手段、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取システム。
【請求項4】
前記複数の前記画像読取装置は、読取用途が異なることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の画像読取システム。
【請求項5】
前記複数の前記画像読取装置のうち少なくとも一つは、オーバーヘッド型スキャナであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の画像読取システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−5174(P2013−5174A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133429(P2011−133429)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000136136)株式会社PFU (354)
【Fターム(参考)】