説明

画像読取装置、画像形成装置及びプログラム

【課題】板状部材に形成される原稿の影を読み取り、当該影を背景として読取位置に存在する異物を検出する場合に、影及び異物を検出することができない領域(死角)を低減する。
【解決手段】原稿を搬送路に沿って第1の方向に搬送する搬送装置と、搬送路に設けられた読取位置における原稿の画像を読み取る読取部と、第2の方向の原稿の長さを検知する検知部と、読取部と対向するように配置された板状部材と、搬送中の原稿により板状部材上に形成される原稿の影が読み取られる第1の方向の位置を検出する影検出部と、検出された第1の方向の位置に基づいて原稿の影を背景として異物を検出する異物検出部と、検知された原稿の長さに応じて原稿の影を読み取る第2の方向の位置を少なくとも1つ設定し、設定された位置で原稿の影を読み取って第1の方向の位置を検出するように各部を制御する制御部と、を備えた画像読取装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原稿を搬送路に沿って搬送する搬送装置と、前記搬送路に設けられた読取位置における画像を読み取る読取部と、前記搬送路を搬送中の原稿の影を前記読取部により読み取るように制御する制御部と、を有する原稿読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−074530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、板状部材に形成される原稿の影を読み取り、当該影を背景として読取位置に存在する異物を検出する場合に、影及び異物を検出することができない領域(死角)を低減することができる、画像読取装置、画像形成装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、原稿を搬送路に沿って第1の方向に搬送する搬送装置と、前記搬送路に設けられた読取位置における原稿の画像を読み取る読取部と、前記第1の方向と交差する第2の方向の原稿の長さを検知する検知部と、前記搬送路を挟んで前記読取部と対向するように配置された板状部材と、前記搬送路を搬送中の原稿により前記板状部材上に形成される原稿の影が読み取られる第1の方向の位置を検出する影検出部と、前記影検出部で検出された第1の方向の位置に基づいて、前記原稿の影を背景として前記読取位置に在る異物を検出する異物検出部と、前記検知部で検知された原稿の長さに応じて前記原稿の影を読み取る第2の方向の位置を少なくとも1つ設定し、設定された第2の方向の位置で前記原稿の影を読み取って第1の方向の位置を検出するように前記読取部及び前記影検出部を制御する制御部と、を備えた画像読取装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記制御部が、前記原稿の影を読み取る第2の方向の位置を複数設定する場合に、複数の第2の方向の位置の各々に対応する複数の第1の方向の位置を検出するように前記読取部及び前記影検出部を制御する、請求項1に記載の画像読取装置である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記制御部が、前記原稿の影を読み取る第2の方向の位置を複数設定する場合に、複数の第2の方向の位置の各々に対して、前記異物検出部により異物を検出する第2の方向の検出領域を設定し、設定された検出領域において対応する第1の方向の位置に基づいて異物を検出するように前記異物検出部を制御する、請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記複数の第2の方向の位置の各々が、対応して設定される検出領域の第2の方向の中央部に配置されるように第2の方向の検出領域を設定する、 請求項3に記載の画像読取装置である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、前記複数の第2の方向の位置の各々に対して、前記異物検出部により異物を検出する第2の方向の全検出領域を均等に割り当てるように第2の方向の検出領域を設定する、請求項3又は4に記載の画像読取装置である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、前記読取部により画像が読み取られる第2の方向の読取領域が、前記異物検出部により異物を検出する第2の方向の全検出領域より広い場合には、前記複数の第2の方向の位置のうち両端位置に対しては、前記第2の方向の全検出領域の外側で且つ前記第2の方向の読取領域に在る異物が検出されるように第2の方向の検出領域を設定する、請求項3から請求項5までの何れか1項に記載の画像読取装置である。
【0011】
請求項7に記載の発明は、前記制御部が、前記検知部で第2の方向の原稿の長さが検知されない場合には、前記原稿の影を読み取る第2の方向の位置を、前記搬送路の第2の方向の中央1箇所に設定する、請求項1から請求項6までの何れか1項に記載の画像読取装置である。
【0012】
請求項8に記載の発明は、前記制御部が、前記検知部で第2の方向の原稿の長さが予め定めた長さ以下である場合には、前記原稿の影を読み取る第2の方向の位置を、前記搬送路の第2の方向の中央1箇所に設定する、請求項1から請求項7までの何れか1項に記載の画像読取装置である。
【0013】
請求項9に記載の発明は、前記制御部が、前記影検出部で読み取られた影の濃度が予め定めた閾値以下の場合に、前記第1の方向の位置を検出するように前記影検出部を制御する、請求項1から請求項8までの何れか1項に記載の画像読取装置である。
【0014】
請求項10に記載の発明は、前記異物検出部が、更に、前記原稿の影を背景として前記読取位置に在る異物を検出する前に、前記板状部材を背景として前記読取位置に在る異物を検出する、請求項1から請求項9までの何れか1項に記載の画像読取装置である。
【0015】
請求項11に記載の発明は、前記異物検出部が、前記原稿の影を背景として前記影より白い異物を検出し、前記板状部材を背景として前記板状部材より黒い異物を検出する、 請求項10に記載の画像読取装置である。
【0016】
請求項12に記載の発明は、前記制御部が、前記原稿の影を背景として前記影より白い異物を検出して第1の検出結果を生成し、前記板状部材を背景として前記板状部材より黒い異物を検出して第2の検出結果を生成し、前記板状部材を背景として前記板状部材より黒い異物及び白い異物の両方を検出して第3の検出結果を生成するように、前記異物検出部を制御し、前記第1の検出結果、前記第2の検出結果及び前記第3の検出結果に基づいて、前記読取位置における異物の有無を判定する、請求項10に記載の画像読取装置である。
【0017】
請求項13に記載の発明は、請求項1から請求項12までの何れか1項に記載の画像読取装置と、前記画像読取装置の出力に基づいて画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置である。
【0018】
請求項14に記載の発明は、原稿を搬送路に沿って第1の方向に搬送する搬送装置と、前記搬送路に設けられた読取位置における原稿の画像を読み取る読取部と、前記第1の方向と交差する第2の方向の原稿の長さを検知する検知部と、前記搬送路を挟んで前記読取部と対向するように配置された板状部材と、前記搬送路を搬送中の原稿により前記板状部材上に形成される原稿の影が読み取られる第1の方向の位置を検出する影検出部と、前記影検出部で検出された第1の方向の位置に基づいて、前記原稿の影を背景として前記読取位置に在る異物を検出する異物検出部と、を備える画像読取装置を制御するプログラムであって、コンピュータを、前記検知部で検知された原稿の長さに応じて前記原稿の影を読み取る第2の方向の位置を少なくとも1つ設定し、設定された第2の方向の位置で前記原稿の影を読み取って第1の方向の位置を検出するように前記読取部及び前記影検出部を制御する制御部として機能させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、板状部材に形成される原稿の影を読み取り、当該影を背景として読取位置に存在する異物を検出する場合に、影及び異物を検出することができない領域(死角)を低減することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、原稿サイズに応じて複数箇所で影を検出することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、影を検出した位置に応じて異物を検出することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、影及び異物を漏れなく検出することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、影及び異物をバランスよく検出することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、検知した原稿サイズより実際の原稿サイズが大きい場合にも、異物を漏れなく検出することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、原稿サイズが検知されない場合にも、影の取りこぼしを低減することができる。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、原稿サイズが小さい場合にも、影を必ず検出することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、影及び異物の誤検出を低減することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、白色異物に加えて黒色異物も検出することができる。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、異物の誤検出を低減することができる。
【0030】
請求項12に記載の発明によれば、更に異物の誤検出を低減することができる。
【0031】
請求項13に記載の発明によれば、板状部材に形成される原稿の影を読み取り、当該影を背景として読取位置に存在する異物を検出する場合に、影及び異物を検出することができない領域(死角)を低減することができる。
【0032】
請求項14に記載の発明によれば、板状部材に形成される原稿の影を読み取り、当該影を背景として読取位置に存在する異物を検出する場合に、影及び異物を検出することができない領域(死角)を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す画像形成装置に設けられた原稿台の上面図である。
【図3】図1に示す画像読取部の構成の一例を示す概略断面図である。
【図4】画像読取部において基準板に影が形成された状態を示す概略断面図である。
【図5】基準板に影が形成された状態を図4に示すA−A方向から見た平面図である。
【図6】画像読取部で白紙の原稿を読み取った際に影検出回路で取得される画像データの時間の経過に伴う濃度変化を示すグラフである。
【図7】図1に示す画像読取部の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【図8】図7に示す異物検出回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】(A)及び(B)は画像読取部により読み取られた1ライン分の画像データの濃度分布を示すグラフである。(A)は白色の基準板を背景として黒色異物が検出される場合の濃度分布を示し、(B)は影を背景として白色異物が検出される場合の濃度分布を示す。
【図10】図8に示す異物検出回路の異物検出アルゴリズムを説明する説明図である。
【図11】図7に示すノイズ除去回路が行う処理を説明する説明図である。
【図12】図7に示す制御部で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】図12に示す「異物検出条件設定処理」の流れの一例を示すフローチャートである。
【図14】図12に示す「白色異物検出処理」の流れの一例を示すフローチャートである。
【図15】異物検出領域(全領域)の設定を説明するための模式図である。
【図16】影検出位置の設定を説明するための模式図である。
【図17】影検出期間の設定を説明するための模式図である。
【図18】担当異物検出領域の割り当てを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0035】
<画像形成装置>
まず、本実施の形態に係る画像形成装置について説明する。
【0036】
(画像形成装置の概略構成)
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略斜視図である。図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置10は、画像読取部12、画像形成部14、用紙供給部16、及び操作パネル18を備えている。
【0037】
画像読取部12は、原稿を置く原稿台22、画像が読み取られた原稿が排出される原稿排出部24、原稿台22に置かれた原稿を搬送する搬送機構、原稿等の画像を光学的に読み取る画像読取センサ、原稿を走査するための走査機構等を含んで構成されている。画像読取部12は、上記構成により、原稿台22に置かれた原稿を1枚ずつ取り込んで、原稿の画像を読み取り、画像情報を生成する。
【0038】
画像形成部14は、用紙供給部16から供給された用紙上に画像を形成する画像形成機構、画像が形成された用紙を用紙排出部32に排出するための排出機構等を含んで構成されている。例えば、画像形成機構は、電子写真方式により画像を形成する画像形成ユニット(感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置等)、定着装置を含んで構成される。画像形成部14は、上記構成により、用紙供給部16から供給された用紙上に画像を形成し、画像が形成された用紙を用紙排出部32に排出する。
【0039】
用紙供給部16は、用紙を収容する用紙収容部、用紙収容部から画像形成部14に用紙を供給する供給機構等を含んで構成されている。供給機構は、用紙収容部から用紙を取り出す取出ローラ、搬送ローラ等で構成されている。用紙の種類やサイズに応じて、複数の用紙収容部を備えていてもよい。用紙供給部16は、上記構成により、画像形成部14に用紙を供給する。
【0040】
操作パネル18は、設定画面等の各種画面を表示するためのタッチパネル34、スタートボタンやテンキー等の各種ボタン36などを含んで構成されている。操作パネル18は、上記構成により、ユーザの操作を受け付けると共に、ユーザに各種情報を表示するUI(ユーザ・インタフェース)として機能する。
【0041】
(原稿サイズ検知センサ)
図2は図1に示す画像形成装置に設けられた原稿台の上面図である。図2に示すように、原稿台22の上面には、原稿台22に置かれた原稿が搬送される際に、原稿を案内する1対のガイド26A、26Bが設けられている。1対のガイド26A、26Bは、少なくとも一方が原稿台22に置かれた原稿の搬送方向と交差する方向(図2に示す矢印A方向)に移動するように構成されている。図2に示す例では、ガイド26Aは原稿台22に固定されており、ガイド26Bが矢印A方向に移動する。以下では、原稿の搬送方向を「副走査方向」と称し、原稿の搬送方向と直交する方向を「主走査方向」と称する。
【0042】
また、原稿台22には、原稿が原稿台22に置かれたことを検知するセンサ28が設けられている。更に、ガイド26Bの下側には、原稿の主走査方向の長さ(以下では、「原稿サイズ」という。)を検知するセンサ29が設けられている。センサ29は、複数のフォトリフレクタ29Aを備えている。複数のフォトリフレクタ29Aは、矢印A方向に沿って予め定められた間隔を隔てて配列されている。ガイド26Bが移動することによって、ガイド26Bの下に位置するフォトリフレクタ29Aはオン状態となる。一方、ガイド26Bの下に位置しないフォトリフレクタ29Aはオフ状態となる。このように、センサ29は、ガイド26Bが原稿台22に置かれた原稿のサイズに応じて移動することにより、複数のフォトリフレクタ29Aがオン状態又はオフ状態となり、原稿台22に置かれた原稿のサイズを検知する。
【0043】
なお、センサ28は原稿の有無を検知するセンサであれば特に制限はない。また、上記では、複数のフォトリフレクタ29Aを備えるセンサ29について説明したが、センサ29は、原稿サイズを検知するセンサであれば特に制限はない。センサ28、センサ29としては、光源から原稿に光を照射して反射光を検出する反射型の光センサ(フォトリフラクタ)、光源から照射した光が遮断されたことを検出する透過型の光センサ(フォトインタラプタ)等を用いてもよい。また、センサ28、センサ29として、メカニカル・スイッチ等の機械的機構を利用したセンサを用いてもよい。
【0044】
(画像読取部の構成)
ここで、画像読取部12の構成を詳細に説明する。
図3は図1に示す画像読取部12の構成の一例を示す概略断面図である。ここでは、画像読取部12の一部が拡大して図示されている。図3に示すように、画像読取部12は、読取位置120に向けて直接に光を照射する照射部として用いられる照射装置140と、照射装置140から照射された光を反射する反射部として用いられる反射部材142とを有する。また、画像読取部12は、照射装置140及び反射部材142と、搬送路104との間に配置された案内部材144を有し、搬送路104を介して案内部材144と対向するように設けられた基準板146を有する。後述する通り、基準板146は板状部材として構成されており、この基準板146上に原稿の影が形成される。
【0045】
案内部材144は、レジストロール130の側から供給された原稿を、読取位置120を通過させて、搬送ロール132の側に案内する機能を有する。また、案内部材144は、例えばガラス等の光を透過する材料から形成された光透過性部材150を支持している。光透過性部材150は、原稿が搬送される方向と交差する方向である主走査方向の長さが原稿よりも長い。また、光透過性部材150の位置が、搬送路104に沿って設けられた読取位置120にあたる。読取位置120で、CCDユニット112が画像を読み取る。
【0046】
照射装置140は、原稿の主走査方向に延びる、例えばハロゲン又はキセノンなどのランプであり、所定の照射幅が設定されている。
【0047】
反射部材142は、表面が鏡面加工されていて、照射装置140から照射された光を読取位置120の方向に反射するように角度を付けて、画像読取部12の筐体内に装着されている。また、反射部材142は、原稿搬送方向において照射装置140よりも下流側に位置し、読取位置120に照射する光量が、照射装置140よりも弱くなっている。このように、照射装置140及び反射部材142は、読取位置120に照射する光量が他方よりも強い一方が、原稿の搬送方向において上流側に配置されることが望ましい。
【0048】
反射部材142が原稿搬送方向において照射装置140よりも原稿搬送方向における上流側に位置する状態となるように、反射部材142及び照射装置140を画像読取部12の筐体内に配置しても良い。この場合、反射部材142が読取位置に照射する光の光量が、照射装置140よりも強いことが望ましい。
【0049】
基準板146には、搬送路104を搬送中の原稿の例えば先端部側の影が形成される。また、基準板146は、少なくとも、読取位置120側が白色となっている。
【0050】
また、画像読取部12は、照射装置140及び反射部材142から照射され、基準板146、又は搬送路104に沿って搬送中の原稿で反射された光をCCDユニット112に導く光学系152を有する。光学系152は、第1のミラー158と、第2のミラー160と、第3のミラー162と、レンズ164とを有する。第1のミラー158、第2のミラー160、及び第3のミラー162は、読取位置120側からの光の向きを変え、光をレンズ164に導く。レンズ164は、導かれた光をCCDユニット112の位置に結像させる。
【0051】
CCDユニット112は、3個のラインセンサ112A、112B、112Cを有する。ラインセンサ112Cは、光透過性部材150上の最上流側の読取位置120Cにおいて、主走査方向に一直線上に並んだN個の画素のB色成分を表す画像信号Bを出力する。また、CCDラインセンサ112Bは、最上流側の読取位置から主走査線4本分の距離(以下、単に4ライン相当という)だけ下流に進んだ読取位置120Bにおいて、主走査方向に一直線上に並んだN個の画素のG色成分を表す画像信号Gを出力する。また、CCDラインセンサ112Aは、画像信号Gに対応した読取位置からさらに4ライン相当下流に進んだ最下流側の読取位置120Aにおいて、主走査方向に一直線上に並んだN個の画素のR色成分を表す画像信号Rを出力する。
【0052】
(影検出と影を背景とする白色異物検出)
次に、原稿の影の検出と当該影を背景とする白色異物検出について説明する。
図4は画像読取部12において基準板146に影が形成された状態を示す概略断面図である。図5は基準板146に影が形成された状態を図4に示すA−A方向から見た平面図である。図4及び図5に示された状態においては、原稿Dの先端部が読取位置120の上流側の位置まで到達し、照射装置140から照射される光が原稿Dによって遮られることで、基準板146の位置Pよりも原稿搬送方向における上流側の位置に、影Sが形成されている。
【0053】
上記の通り、基準板146の下向きの面は白色である。白色の基準板146を背景とすると、例えばトナー等の黒い異物や白以外の色の異物(以下、「黒色異物」と称する。)は検出されやすく、基準板146と同色又は色が白に近い異物(以下、「白色異物」と称する。)は検出されにくい。これに対し、影Sが形成された部分は、影Sが形成されていない部分と比較して黒に近い灰色となる。従って、影Sが形成された部分では、影Sが形成されていない部分に比べて、影Sを背景として白色異物が検出し易くなる。
【0054】
また、図4及び図5に示される状態においては、光透過性部材150の搬送路104側(上側)の面に、異物である紙粉300が付着している。紙粉とは、搬送時の接触及び摩擦により原稿Dから発生した埃塵である。原稿Dとしては白色の用紙が汎用されているため、紙粉は白色である場合が多い。従って、紙粉300は影Sを背景として白色異物として検出され易い。
【0055】
ここで、影を検出する具体的な方法について説明する。
図6は、画像読取部12で白紙の原稿を読み取った際に、後述するシェーディング補正回路186で補正されて出力され、後述する影検出回路222で取得される画像データの時間の経過に伴う濃度変化を示すグラフである。図6により後述する影検出回路222の動作が説明される。
【0056】
図6において、時間t1は、原稿Dの先端部が読取位置120に到達するか、読取位置120近傍であって、読取位置120よりも原稿搬送方向における上流側の特定の位置に到達する時間である。より具体的には、時間t1は、原稿の搬送に伴って基準板146に影の形成が開始される時間である。また、時間t2は、原稿の先端部が読取位置120を通過する時間である。
【0057】
時間t1までは、基準板146に影が形成されていない状態にある。このため、白色の基準板146を読み取った画像データが出力される。時間t1から時間t2までは、影が形成された基準板146を読み取った画像データが出力される。このため、画像データは、時間t1までに出力される画像データよりも黒寄りとなる。時間t2よりも後は、読取位置120を通過中の原稿を読み取った画像データが形成される。このため、時間t2以後に出力される画像データは、時間t1から時間t2までに出力されるデータよりも白寄りとなる。
【0058】
上記の通り、読取位置120での画像データの濃度は原稿の位置によって変化する。影検出回路222は、この画像データの出力濃度の変化に基づいて、基準板146に形成された影を検出する。尚、図6において、時間t1までの出力される画像データよりも、時間t2以後に出力データが黒寄りであるのは、例えば、原稿が再生紙からなる等の理由で、影が形成されていない基準板146よりも黒寄りの色であるためである。
【0059】
(画像読取部の電気的構成)
次に、画像読取部12の電気的構成について説明する。
図7は図1に示す画像読取部12の電気的構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、画像読取部12は、サンプルホールド回路180A、出力増幅回路182A、A/D変換回路184A、及びシェーディング補正回路186Aからなる信号処理系Aを有する。また、画像読取部12は、サンプルホールド回路180B、出力増幅回路182B、A/D変換回路184B、及びシェーディング補正回路186Bからなる信号処理系Bを有する。また、画像読取部12は、サンプルホールド回路180C、出力増幅回路182C、A/D変換回路184C、及びシェーディング補正回路186Cからなる信号処理系Cを有する。信号処理系A、信号処理系B、及び信号処理系Cは、読取位置120A、読取位置120B、読取位置120Cにおいて、それぞれ得られた画像信号R、画像信号G、画像信号Bに、それぞれ対応した信号処理系である。
【0060】
画像信号R、画像信号G、画像信号Bに、それぞれが対応した信号処理系においては、CCDユニット112から得られるアナログ画像信号R、G、Bは、サンプルホールド回路180A、180B、180Cにより各々サンプリングされた後、出力増幅回路182A、182B、182Cによって各々適正なレベルに増幅され、A/D変換回路184A、184B、184Cにより各々デジタル画像データR、G、Bに変換される。これらのデジタル画像データR、G、Bに対し、シェーディング補正回路186A、186B、186Cにより、CCDラインセンサ112A、112B、112Cの感度バラツキや光学系の光量分布特性に対応した補正が施される。
【0061】
また、画像読取部12は、出力遅延回路188B、188Cと、ラインメモリ206とを有する。出力遅延回路188B、188Cは、シェーディング補正回路186B、186Cから出力される画像データG、Bをそれぞれ4ライン相当、8ライン相当の遅延時間だけ遅延させ、画像データRと同相の画像データとして出力する。
【0062】
ラインメモリ206は、シェーディング補正回路186Aから出力される画像データR、出力遅延回路188B、188Cから出力される画像データG、Bを、それぞれ所定ライン数分記憶するメモリである。
【0063】
また、図7に示すように、画像読取部12は、異物検出回路192と、ノイズ除去回路194と、画像処理回路196とを有する。異物検出回路192は、異物を検出し、判定する判定部として用いられていて、シェーディング補正回路186A、出力遅延回路188B、出力遅延回路188Cからラインメモリ206に出力された画像データに基づいて、異物の影響を受けている画素を検出し、判定して、異物の位置を示す異物検出データを生成する回路である。
【0064】
ノイズ除去回路194は、ノイズ除去部として用いられていて、異物検出回路192により判定された異物をノイズとしてCCDユニット112によって読み取られた原稿画像から除去し、画像処理回路196に出力する回路である。尚、異物検出回路192、ノイズ除去回路194の詳細については後述する。
【0065】
画像処理回路196は、ノイズ除去回路194から出力された画像データに対し、画像形成部14(図1参照)が必要とする画像処理として、例えば色空間変換、拡大縮小処理、地色除去処理、2値化処理などを施す回路である。
【0066】
また、画像読取部12は、影検出回路222を有する。既に説明した通り、影検出回路222は、CCDユニット112から出力された画像データ(画像信号)に基づいて、基準板146に形成された原稿の影を検知する。影検出回路222には、図7に示すように、シェーディング補正回路186A、出力遅延回路188B、出力遅延回路188C等を介して、CCDユニット112から画像データが入力される。
【0067】
また、図7に示すように、画像読取部12は制御部202を備えている。制御部202は、CPU(中央処理装置; Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を備えるコンピュータとして構成され、画像読取部12の各部の制御や各種演算を行う。即ち、CPUは、ROMに記憶された各種の制御プログラムを読み出し、RAMをワークエリアとして使用して読み出したプログラムを実行する。ROMには、後述する「異物検出条件設定処理」を実行するためのプログラム等が記憶されている。
【0068】
例えば、制御部202は、搬送路104を搬送中の原稿の影をCCDユニット112により読み取るように制御する制御部として用いられる等、画像読取部12の各部を制御するものである。制御部202は、CCD駆動回路204によって行われるCCDユニット112の駆動の周期を設定し、サンプルホールド回路180A、180B、180Cの制御、出力増幅回路182A、182B、182Cの制御、シェーディング補正回路186A、186B、186Cの制御、異物検出回路192の制御、ノイズ除去回路194の制御、画像処理回路196の制御、影検出回路222の制御などを行う。
【0069】
本実施の形態では、制御部202には、原稿の有無を検知するセンサ28と、原稿サイズを検知するセンサ29とが接続されている。制御部202は、センサ28から原稿の有無を表す検知信号を取得し、センサ29から原稿サイズを表す検知信号を取得する。制御部202は、後述する「異物検出条件設定処理」を実行する際に、センサ29から取得された原稿サイズ情報に基づいて各種条件を設定する。そして、設定された条件に応じて、異物検出回路192や影検出回路222等、画像読取部12の各部を制御する。
【0070】
(異物検出回路)
ここで、異物検出回路の構成について説明する。
図8は図7に示す異物検出回路の構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、異物検出回路192は、画像データR、G、Bに、それぞれが対応した3個の異物検出回路192A、192B、192Cを有する。異物検出回路192A、192B、192Cは、それぞれが、画素遅延回路210、比較回路212、結果保持回路214、最終判定回路216、及びスレッショルド切替回路218により構成されている。これらのうち画素遅延回路210、比較回路212、及び結果保持回路214は、入力される画像データに基づき、読取位置にある主走査線上の異物検出を行い、異物検出データを生成する。
【0071】
画素遅延回路210は、入力された画素データを18画素分遅延させ、合計19画素分の画素データを比較回路212へ出力する。比較回路212は、画素遅延回路210から出力された画素データと、スレッショルド(図8ではTHと表記)切替回路218から入力された2つのスレッショルド(ThAおよびThB)とから異物検出を行い、異物有りと判定した画素については"1"を、異物なしと判定した画素については、"0"を構成ビットとする異物検出データを出力する。
【0072】
スレッショルド切替回路218は、予め設定されたスレッショルドThA1及びThA2のいずれか一方を上記スレッショルドThAとして比較回路212へ入力する。また、スレッショルド切替回路218は、予め設定されたスレッショルドThB1、及びThB2のいずれか一方を上記スレッショルドThBとして比較回路212へ入力する。
【0073】
次に、図9を参照して異物検出回路192の動作について説明する。図9(A)及び(B)は、画像読取部により読み取られた1ライン分の画像データの濃度分布を示すグラフである。図9(A)は白色の基準板を背景として黒色異物が検出される場合の濃度分布を示し、図9(B)は影を背景として白色異物が検出される場合の濃度分布を示す。また、図10は図8に示す異物検出回路192の異物検出アルゴリズムを説明する説明図である。
【0074】
図9(A)に示すように、白色の基準板146を背景として黒色異物が検出される場合には、画素濃度が基準板濃度から上昇する。また、画素濃度は、ピーク濃度に達した後に低下して一定濃度に収束する。即ち、黒色異物が検出される場合には、画素濃度が高い黒側に凸のピークが検出される。この場合、比較回路212は、基準板濃度からピーク濃度までの濃度変化がスレッショルドThA以上の画素から、基準板濃度から収束濃度までの濃度変化がスレッショルドThB以内の画素までの、各画素について黒色異物有りと判定する。
【0075】
一方、図9(B)に示すように、基準板146に形成された影Sを背景として白色異物が検出される場合には、画素濃度が影濃度から低下する。また、画素濃度は、ピーク濃度に達した後に上昇して一定濃度に収束する。即ち、白色異物が検出される場合には、画素濃度が低い白側に凸のピーク、即ち、画素濃度が高い黒側に凹のピークが検出される。この場合、比較回路212は、影濃度からピーク濃度までの濃度変化がスレッショルドThA以上の画素から、影濃度から収束濃度までの濃度変化がスレッショルドThB以内の画素までの、各画素について白色異物有りと判定する。
【0076】
なお、図9(A)に示すように、白色の基準板146を背景として異物を検出する場合に、黒側に凹のピークが検出されることがある。上述した通り、白色の基準板146を背景として白色異物を検出することは難しく、黒側に凹のピークはノイズ成分である可能性が高い。ノイズ成分を白色異物として検出したのでは、誤検出が増加する。同様に、図9(B)に示すように、影Sを背景として異物を検出する場合に、黒側に凸のピークが検出されることがある。影Sを背景として黒色異物を検出することは難しく、黒側に凸のピークは背景濃度の高い原稿画像に起因する可能性が高い。原稿画像を黒色異物として検出したのでは、誤検出が増加する。
【0077】
従って、白色の基準板146を背景とした黒色異物の検出と、影Sを背景とした黒色異物の検出とを、別々に実施することで誤検出が低減される。或いは、黒色異物の検出結果(A)、白色異物の検出結果(B)、黒色異物と白色異物を区別しない検出結果(C)の3種類を取得する。異物有りと判定した画素については"1"、異物なしと判定した画素については"0"が検出結果として出力される。
【0078】
検出結果(A)〜(C)に基づいて論理演算を行って、最終的な異物検出結果を取得してもよい。例えば、画素毎に(A)及び(C)の論理積を求めて、論理積が"1"の場合に黒色異物有りと判定する。また、画素毎に(B)及び(C)の論理積を求めて、論理積が"1"の場合に白色異物有りと判定する。
【0079】
また、影Sを背景とした異物検出における誤検出を低減するために、図9(B)に示すように、影濃度に閾値(ThS)を設定し、読み込まれた影濃度が閾値を超える(濃度が高い)場合には、原稿画像等を誤検出したものとして異物検出を中止してもよい。
【0080】
ここで、図10を参照して異物検出アルゴリズムの一例について説明する。
図10に示すように、比較回路212は、画素遅延回路210から出力された19個の画素の9番目の画素を注目画素として、その注目画素の画素値Dnと、主走査方向でその注目画素に先行する8画素の画素値の平均値Daveとが、後に示す(式1)の関係を満たした場合には、その注目画素からその注目画素に後続する10画素のうちで、画素値(Dn+1〜Dn+10)が後に示す(式2)の関係を満たしている画素までの区間について黒色の異物有りと判定する。ここで、注目画素の画素値とその注目画素に先行する8画素の画素値の平均値とを比較する理由は、先行する画素の画素値の微小な変動による影響を回避するためである。
【0081】
Dave + ThA < Dn ・・・ (式1)
【0082】
Dn+1 〜 Dn+10 < Dave + ThB ・・・ (式2)
【0083】
また、比較回路212は、注目画素の画素値Dnと上記Daveとが後に示す(式3)の関係を満たした場合には、その注目画素からその注目画素に後続する10画素のうちで画素値(Dn+1〜Dn+10)が以下の(式4)の関係を満たす画素までの区間について白色の異物有りと判定する。
【0084】
Dave − ThA > Dn ・・・ (式3)
【0085】
Dn+1 〜 Dn+10 > Dave− ThB ・・・ (式4)
【0086】
そして、比較回路212は、(式1)及び(式2)による判定結果と、(式3)及び(式4)による判定結果との論理和を異物検知データとして出力する。結果保持回路214は、制御部202からの指示により、比較回路212から出力される異物検出データを1ライン分保持する回路である。
【0087】
(ノイズ除去回路)
次に、ノイズ除去回路の動作について説明する。
図11は図7に示すノイズ除去回路が行う処理を説明する説明図である。図11に示すように、ノイズ除去回路194は、ラインメモリ206から出力される画像データR、G、Bの各々を過去3ラインにわたり一時記憶するための画像データバッファと、異物検出回路192から出力される各異物検出データを過去3ラインにわたって一時記憶する異物検出データバッファを有している。図11では、図面が煩雑になるのを防ぐため、R色に対応した画像データバッファ250A、及び異物検出データバッファ252Aの記憶内容と、B色に対応した画像データバッファ250C、及び異物検出データバッファ252Cの記憶内容を図示し、G色に対応したものは図示が省略されている。
【0088】
ノイズの除去を行うため、ノイズ除去回路194は、各異物画素に対応した画素データB、G、Rについて、その異物発生画素を中心とした主走査方向17画素、副走査方向3ラインの周囲画素のうち、どの画素の画素データB、G、Rによって置換するかを判定し、判定結果に従って画素置換を行う。
【0089】
ノイズ除去回路194は、各主走査期間において、1ライン前に異物検出データバッファに格納された異物検出データを参照し、異物発生画素の有無を判定する。図11に示す例では、画像データバッファ250Cに格納されている画像データBが、副走査方向に延びた2ラインのすじ状ノイズを含んでいる。そして、異物検出データバッファ252C内には、このすじ状ノイズの原因となっている異物発生画素の位置を示す異物検出データが格納されている。他の色R及びGに関しては、異物発生画素の存在を示す異物検出データはない。
【0090】
このような状況において、ノイズ除去回路194が、B色に対応した異物検出データに基づき、例えば主走査方向においてi番目、副走査方向においてj番目の画素Bijが異物発生画素であると判定したとする。この場合、ノイズ除去回路194は、異物に起因したすじ状ノイズを画像データBから除去するため、異物発生画素Bijに対応した画素データをその周囲の適当なB色画素の画素データによって置換する必要がある。そのためには、置換に用いるのに適当な画素データを捜す必要がある。ノイズ除去回路194は、この置換用の画素データを次のようにして求める。
【0091】
まず、ノイズ除去回路194は、異物発生画素Bijを中心とした主走査方向17画素、副走査方向3ラインの周囲画素のうち、異物発生画素及びその画素と隣接する主走査方向2画素ずつを除いた領域を置換用画素選択対象領域と定める。次に、ノイズ除去回路194は、異物発生画素Bijの色とは異なった色に対応した画像データバッファ、例えば画像データバッファ250A内において、異物発生画素Bijと同位置の画素Rijの画素データを参照し、この画素データと最も近い画素データを置換用画素選択対象領域と同一領域内のR色画素の画素データの中から選択する。
【0092】
次に、ノイズ除去回路194は、このようにして選択したR色画素の画素データと同一位置にあるB色画素の画素データを画像データバッファ250Cから読み出し、この画素データにより画像データバッファ250内の異物発生画素Bijの画素データを置き換える。尚、このように異物が発生したB色画素Bijの画素データを置換するだけでなく、色のバランスを考慮して、異物発生画素位置にある全ての色の画素Rij、Gij、Bijの各画素データの置き換えを行ってもよい。
【0093】
このような処理が、異物検出データによって示される全ての異物発生画素について実施されることにより、画像データバッファ内の画像データから異物に起因したすじ状のノイズが除去される。そして、このノイズ除去の行われた画像データが画像処理回路196に送られる。
【0094】
<画像読取動作>
次に、画像読取部12の画像読取動作について説明する。
【0095】
(画像読取動作の概略)
まず、画像読取部12の制御部202で実行される制御動作の概略を説明する。
図12は図7に示す制御部202で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像読取部12の原稿台22に原稿が置かれ、例えば、操作者が操作パネル18を操作することによって処理が開始される。また、原稿台22に原稿が置かれると、センサ29により原稿サイズが検知される。
【0096】
まず、ステップ100で、センサ29から原稿サイズを表す情報を取得する。なお、原稿サイズを表す情報には、原稿サイズが検知できないことを示す情報も含まれる。次に、ステップ102で、各種の異物検出条件を設定する「異物検出条件設定処理」を実施する。後述する通り、異物検出条件設定処理では、原稿サイズに基づいて各種の異物検出条件が求められ、得られた異物検出条件が設定される。ここで設定される異物検出条件は、白色異物を検出するための条件である。なお、「異物検出条件設定処理」の詳細については後述する。
【0097】
次に、ステップ104で、照射装置140を駆動制御して照射装置140を点灯させる。次のステップ106で、黒色異物を検出する「黒色異物検出処理」を実施する。即ち、基準板146を背景として黒色異物を検出するように、異物検出回路192に指示する。異物検出回路192は、基準板146を背景として黒色異物を検出して、読取位置120における黒色異物の所在を示すデータを生成して、生成したデータを検出結果として出力する。
【0098】
次に、ステップ108で、白色異物を検出する「白色異物検出処理」を実施する。即ち、基準板146に形成された原稿の影Sを背景として白色異物を検出するように、影検出回路222及び異物検出回路192に指示する。影検出回路222は、原稿の影Sを検出する。異物検出回路192は、影Sを背景として白色異物を検出して、読取位置120における白色異物の所在を示すデータを生成して、生成したデータを検出結果として出力する。なお、「白色異物検出処理」の詳細については後述する。
【0099】
次に、ステップ110で、異物に起因したノイズを画像データから除去するようにノイズ除去回路194に指示する。ノイズ除去回路194は、「黒色異物検出処理」及び「白色異物検出処理」で得られた異物検出データに基づいて、異物に起因したノイズを画像データから除去する。
【0100】
次に、ステップ112で、ノイズが除去された画像データが画像処理され、画像処理された画像データを画像形成部14に出力されるように、画像処理回路196に指示して処理を終了する。なお、画像データが画像形成部14へ出力されると、画像形成部14で画像が形成される。尚、画像処理回路196によって処理された画像データを画像形成部14に出力することに代えて、例えば、パーソナルコンピュータ等の画像形成装置10外の装置に出力するようにしてもよい。また、画像処理回路196によって処理された画像データを画像形成部14に出力することに代えて、画像形成装置10が有する例えばメモリ等からなる記憶手段(不図示)に、画像処理回路196で処理されたデータを記憶させるようにしてもよい。
【0101】
(異物検出条件設定処理)
ここで、図13、図15〜図18を参照して、制御部202で実行される「異物検出条件設定処理」について説明する。図13は図12に示す「異物検出条件設定処理」の流れの一例を示すフローチャートである。図15〜図17は各種の異物検出条件の設定を説明するための模式図である。設定条件は制御部202のRAM等の記憶装置に記憶され、後述する「白色異物検出処理」で使用される。
【0102】
まず、ステップ200で、センサ29から取得した原稿サイズを表す情報に基づいて、原稿サイズが検知されたか否かを判断する。原稿サイズが検知されている場合には、肯定判定してステップ202に進む。一方、原稿サイズが検知されていない場合には、否定判定してステップ214に進む。ステップ214では、異物検出条件として予め定めたデフォルト条件を設定して、設定処理を終了する。デフォルト条件については後述する。
【0103】
次に、ステップ202で、原稿サイズを表す情報に基づいて、原稿サイズが下限以下か否かを判断する。即ち、原稿サイズがセンサ29で検知される最小サイズ以下か否かを判断する。検知された原稿サイズが最小サイズより大きい場合には、否定判定してステップ204に進む。一方、原稿サイズが最小サイズ以下である場合には、肯定判定してステップ214に進む。ステップ214では、異物検出条件として予め定めたデフォルト条件を設定して、設定処理を終了する。
【0104】
次に、ステップ204で、原稿サイズを表す情報に基づいて、検知された原稿サイズに応じて、主走査方向における異物検出領域(全領域)ADDを設定する。図15に示すように、異物検出領域ADDは、原稿Dの画像を読み取る際に、原稿画像上にノイズを発生させる異物が検出される範囲に設定されればよい。搬送時に原稿Dが傾いて搬送される場合を考慮して、異物検出領域ADDは、原稿サイズ(即ち、原稿の主走査方向の長さ)より広くなるように設定される。
【0105】
なお、原稿Dにより基準板146に形成される影Sは、原稿先端に沿って形成される。従って、影Sを背景として白色異物を検出する異物検出領域は、基準板146を背景として黒色異物を検出する異物検出領域と同じ範囲としてよい。また、画像読取部12には、画像が読み取られる限界領域が存在する。主走査方向における限界領域を「読み取り限界領域LRD」とする。異物検出領域ADDは、読み取り限界領域LRD以下となる。
【0106】
次に、ステップ206で、原稿サイズを表す情報に基づいて、検知された原稿サイズに応じた影検出位置を設定する。図16に示すように、本実施の形態では、原稿サイズが最小サイズより大きい場合には、主走査方向に沿って複数箇所に影検出位置が設定される。影検出位置については、例えば、原稿サイズと設定箇所(個数及び位置)との対応関係を予めテーブル等で記憶しておいて、予め記憶された対応関係に基づいて複数箇所に影検出位置を設定してもよい。また、処理の煩雑化を避けるために、影検出位置の設定箇所の個数は、予め定めた個数(例えば、3箇所)として、主走査方向の位置のみを変更してもよい。
【0107】
図16に示す例では、影検出位置は、SP、SP、SPの3箇所に設定されている。影検出位置SPで影Sが検出される副走査方向の位置を「ST」とし、位置「STを一点鎖線で図示する。図示したように原稿Dが傾いて搬送されると、副走査方向の位置「ST」においては、位置SPでは影Sが到達しておらず、位置SPでは影Sを通り過ぎ原稿D上となる。従って、影検出位置をSPの1箇所としたのでは、位置SPでは基準板146を読み取ることになり、位置SPでは原稿Dを読み取ることになる。このため、位置SPの近くに白色異物WDが存在しても、白色異物WDは検出されずに、原稿画像上には白色異物WDに起因した白いすじ状のノイズWLNが発生する。
【0108】
次に、ステップ208で、原稿サイズを表す情報に基づいて、検知された原稿サイズに応じた影検出期間を設定する。また、影検出期間は、原稿先端が読取位置120に到達する時間に応じて設定される。図16に示すように、本実施の形態では、ステップ206で設定された各影検出位置において、一定の影検出期間STに亘って影検出が行われる。これにより、影検出位置SP、SP、SPの各々に対応して、影検出領域SD、SD、SDの3領域で影検出が行われることになる。影検出領域SD、SD、SDの各々が影Sと交差して、影検出位置SP、SP、SPの各々で影Sが検出される。従って、原稿サイズに応じて影検出位置の設定箇所が増加すると、それに応じて影検出期間も長くなる。
【0109】
図17に示すように、本実施の形態では、原稿サイズに応じて主走査方向の複数箇所に影検出位置を設定したことで、原稿Dが傾いて搬送された場合でも各位置で影Sが検出される。即ち、影検出位置SPで影Sが検出され、影検出位置SPで影Sが検出され、影検出位置SPで影Sが検出される。
【0110】
次に、ステップ210で、ステップ204で設定された異物検出領域(全領域)の一部又は全部を、ステップ206で設定された影検出位置に担当異物検出領域として割り当てる。図17に示すように、本実施の形態では、異物検出領域(全領域)ADDが、領域DD、DD、DDの3領域に分けられて、担当異物検出領域として影検出位置SP、SP、SPの各々に割り当てられる。即ち、影検出位置SPには領域DDが割り当てられ、影検出位置SPには領域DDが割り当てられ、影検出位置SPには領域DDが割り当てられる。
【0111】
領域DDでは影検出位置SPで影Sを検出した副走査方向の位置を基準に、影Sを背景として白色異物の検出を行う。領域DDでは影検出位置SPで影Sを検出した副走査方向の位置を基準に、影Sを背景として白色異物の検出を行う。担当異物検出領域DDでは影検出位置SPで影Sを検出した副走査方向の位置を基準に、影Sを背景として白色異物の検出を行う。
【0112】
これにより、影検出位置SPに近い白色異物WDは領域DD内で検出され、影検出位置SPに近い白色異物WDは領域DD内で検出され、影検出位置SPに近い白色異物WDは領域DD内で検出される。この通り、本実施の形態では、原稿サイズに応じて主走査方向の複数箇所に影検出位置を設定したことで、影Sが検出できずに白色異物WDが検出されない領域(死角)が低減される。
【0113】
図17に示す例では、異物検出領域(全領域)ADDが略3等分されて、3つの領域DD、DD、DDとされている。また、影検出位置SP、SP、SPの各々が、担当する領域DD、DD、DDの略中央に位置するように、領域DD、DD、DDが割り当てられている。異物検出領域を均等に分割して、分割領域の中心に影検出位置を設定することで、各影検出位置で影Sを検出する副走査方向の位置が、各担当異物検出領域の影Sの副走査方向の中央位置に近付き、影Sが漏れなく検出される。
【0114】
次に、ステップ212で、ステップ210で割り当てた担当異物検出領域を調整して、設定処理を終了する。図18に示すように、本実施の形態では、両端の影検出位置SP、影検出位置SPの各々については、担当異物検出領域を主走査方向に沿って外側に拡張するように調整する。図18に示す例では、図面左端に在る影検出位置SPの担当領域は、読み取り限界領域LRDの左端まで拡張されて領域DDAEXとされる。また、図面右端に在る影検出位置SPの担当領域は、読み取り限界領域LRDの右端まで拡張されて領域DDCEXとされる。上記の調整を行うことで、検知した原稿サイズより実際の原稿サイズが大きい場合にも、主走査方向の全域に亘って白色異物が漏れなく検出される。
【0115】
ここで、ステップ214で設定されるデフォルト条件について説明する。原稿サイズが検知されていない場合、検知された原稿サイズが最小サイズ以下の場合には、主走査方向の全域に亘って異物検出が行われるように、原稿サイズによらずに異物検出条件を設定する。例えば、影検出位置を原稿が必ず通過する1箇所に設定して、異物検出領域(全領域)ADDを読み取り限界領域LRDと等しくする。また、複数箇所に影検出位置を設定する場合に比べて、影検出期間は短くしてもよい。
【0116】
そして、読み取り限界領域LRDにおいて、影検出位置で影Sを検出した副走査方向の位置を基準に、白色異物の検出を行う。原稿サイズが検知されていない場合でも、影Sの取りこぼしがなくなる。また、検知された原稿サイズが最小サイズ以下の場合でも、影Sが必ず検出される。
【0117】
(白色異物検出処理)
次に、図14を参照して、制御部202で実行される「白色異物検出処理」について説明する。図14は図12に示す「白色異物検出処理」の流れの一例を示すフローチャートである。なお、「白色異物検出処理」の開始と同時に、影検出回路222による影検出、即ち、読取位置120での画像データの濃度変化の検出が開始されている。
【0118】
また、上記の通り、白色異物検出処理における各種の異物検出条件が設定されている。以下では、図15〜図17を参照して説明した通り、影検出位置はSP、SP、SPの3箇所に設定され、影検出期間はSTとされ、各影検出位置に対し担当異物検出領域DD、DD、DDが割り当てられているものとして説明する。
【0119】
まず、ステップ300で、原稿の搬送を開始するように搬送装置106に指示する。次に、ステップ302で、影検出回路222からの出力に基づいて、影が検出されたか否かを判断する。具体的には、影検出回路222から取得された読取位置120での画像データに基づいて、濃度変化が検出されたか否かを判断する。ここで肯定判定の場合はステップ304に進み、否定判定の場合にはステップ310に進む。
【0120】
次に、ステップ304で、影濃度として検出された濃度が閾値以下かを判断する。検出濃度が閾値を超える場合には、否定判定してステップ302に戻る。検出濃度が閾値を超える場合は、影が検出されたのではなく、原稿画像等を誤検出した可能性が高い(図9(B)参照)。検出濃度が閾値以下の場合には、影が検出されたものとして、肯定判定してステップ306に進む。
【0121】
次に、ステップ306で、設定された条件で白色異物の検出を行うように、異物検出回路192に指示する。異物検出回路192は、影が検出された影検出位置(位置SP、SP、SPの何れか)に割り当てられた担当異物検出領域(領域DD、DD、DDがの何れか)において、影を検出した副走査方向の位置を基準に、影を背景として白色異物の検出を行う。
【0122】
次に、ステップ308で、設定された全部の影検出位置(位置SP、SP、SPの3箇所)で、影が検出されたか否かを判断する。ここで肯定判定の場合は、白色異物検出処理を終了する。一方、ここで否定判定の場合には、ステップ302に戻って、ステップ302からステップ308までの処理を繰り返し行う。これにより、設定された全部の影検出位置について影が検出され、担当異物検出領域で白色異物の検出が行われる。
【0123】
なお、影検出位置SP、SP、SPの各々において、影検出期間はSTとされており、これを超えて影検出が行われることはない。従って、ステップ302で否定判定された場合には、ステップ310で影検出期間STが経過したか否かを判断する。影検出期間STが経過した場合には、ステップ310で肯定判定して白色異物検出処理を終了する。一方、影検出期間STが経過していない場合には、ステップ302に戻って、ステップ302からステップ308までの処理を繰り返し行う。
【0124】
なお、上記の実施の形態においては、異物検出回路192として、R、G、Bの画像信号を用いて異物検出データを生成する例が示されているが、異物検出回路192を、L*、a*、b*空間の画像信号を用いて異物検出データを生成するようにしても良い。この場合、異物検出回路192よりも上流側にR、G、Bの画像信号からL*、a*、b*の画像信号への変換部が設けられる。異物検出回路192を、L*、a*、b*の画像信号を用いるようにした場合、3個のラインセンサ112A、112B、112のいずれか1つ、若しくは複数に異物が発生すると、画像データの色づきや明度が変化する。よって、L*、a*、b*色空間の画像信号においても、R、G、Bの画像信号を用いて異物を検出する場合と同様に、異物を検出することができる。
【0125】
また、R、G、Bの画像信号を用いて異物を検出する場合も、L*、a*、b*の画像信号を用いて異物を検出する場合も、R、G、B、若しくはL*、a*、b*それぞれの検出結果の論理和をとることで異物を検出することができる。論理和をとることにより、異物が付着する位置(ラインセンサ112A、112B、112の位置)によって色づき方や、明度の変化が異なるものの、主走査方向の特定の位置に異物が付していることが判別できるため、その位置の画像信号を、ノイズ除去回路194を用い、周囲画素で置換することで、異物に起因する画像のノイズを除去することができる。また、異物の検出は、必ずしも濃度の変化を検出するだけではなく、明度、彩度の変化を検出することでも可能である。
【0126】
また、上記各実施の形態で説明した構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内においてその構成を変更してもよいことは言うまでもない。例えば、上記の実施の形態では、画像形成装置の画像読取部において影検出や異物検出を行う例について説明したが、原稿からの画像読み取りの際に影検出や異物検出を行う装置であれば、他の装置に対し上記技術を適用してもよい。
【符号の説明】
【0127】
10 画像形成装置
12 画像読取部
14 画像形成部
16 用紙供給部
18 操作パネル
22 原稿台
24 原稿排出部
26A ガイド
26B ガイド
28 センサ
29 センサ
29A フォトリフレクタ
32 用紙排出部
34 タッチパネル
36 各種ボタン
104 搬送路
106 搬送装置
112 CCDユニット
112A〜C CCDラインセンサ
120 読取位置
120A〜C 読取位置
130 レジストロール
132 搬送ロール
140 照射装置
142 反射部材
144 案内部材
146 基準板
150 光透過性部材
152 光学系
158 ミラー
160 ミラー
162 ミラー
164 レンズ
180A〜C サンプルホールド回路
182A〜C 出力増幅回路
184A〜C A/D変換回路
186 シェーディング補正回路
186A〜C シェーディング補正回路
188B、188C 出力遅延回路
192 異物検出回路
194 ノイズ除去回路
196 画像処理回路
202 制御部
204 駆動回路
206 ラインメモリ
210 画素遅延回路
212 比較回路
214 結果保持回路
216 最終判定回路
218 スレッショルド切替回路
222 影検出回路
250A〜C 画像データバッファ
252A〜C 異物検出データバッファ
300 紙粉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を搬送路に沿って第1の方向に搬送する搬送装置と、
前記搬送路に設けられた読取位置における原稿の画像を読み取る読取部と、
前記第1の方向と交差する第2の方向の原稿の長さを検知する検知部と、
前記搬送路を挟んで前記読取部と対向するように配置された板状部材と、
前記搬送路を搬送中の原稿により前記板状部材上に形成される原稿の影が読み取られる第1の方向の位置を検出する影検出部と、
前記影検出部で検出された第1の方向の位置に基づいて、前記原稿の影を背景として前記読取位置に在る異物を検出する異物検出部と、
前記検知部で検知された原稿の長さに応じて前記原稿の影を読み取る第2の方向の位置を少なくとも1つ設定し、設定された第2の方向の位置で前記原稿の影を読み取って第1の方向の位置を検出するように前記読取部及び前記影検出部を制御する制御部と、
を備えた画像読取装置。
【請求項2】
前記制御部が、
前記原稿の影を読み取る第2の方向の位置を複数設定する場合に、
複数の第2の方向の位置の各々に対応する複数の第1の方向の位置を検出するように前記読取部及び前記影検出部を制御する、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御部が、
前記原稿の影を読み取る第2の方向の位置を複数設定する場合に、
複数の第2の方向の位置の各々に対して、前記異物検出部により異物を検出する第2の方向の検出領域を設定し、設定された検出領域において対応する第1の方向の位置に基づいて異物を検出するように前記異物検出部を制御する、
請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記複数の第2の方向の位置の各々が、対応して設定される検出領域の第2の方向の中央部に配置されるように第2の方向の検出領域を設定する、
請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記複数の第2の方向の位置の各々に対して、前記異物検出部により異物を検出する第2の方向の全検出領域を均等に割り当てるように第2の方向の検出領域を設定する、
請求項3又は4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記読取部により画像が読み取られる第2の方向の読取領域が、前記異物検出部により異物を検出する第2の方向の全検出領域より広い場合には、
前記複数の第2の方向の位置のうち両端位置に対しては、前記第2の方向の全検出領域の外側で且つ前記第2の方向の読取領域に在る異物が検出されるように第2の方向の検出領域を設定する、
請求項3から請求項5までの何れか1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記制御部が、
前記検知部で第2の方向の原稿の長さが検知されない場合には、前記原稿の影を読み取る第2の方向の位置を、前記搬送路の第2の方向の中央1箇所に設定する、
請求項1から請求項6までの何れか1項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記制御部が、
前記検知部で第2の方向の原稿の長さが予め定めた長さ以下である場合には、前記原稿の影を読み取る第2の方向の位置を、前記搬送路の第2の方向の中央1箇所に設定する、
請求項1から請求項7までの何れか1項に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記制御部が、
前記影検出部で読み取られた影の濃度が予め定めた閾値以下の場合に、前記第1の方向の位置を検出するように前記影検出部を制御する、
請求項1から請求項8までの何れか1項に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記異物検出部が、更に、
前記原稿の影を背景として前記読取位置に在る異物を検出する前に、
前記板状部材を背景として前記読取位置に在る異物を検出する、
請求項1から請求項9までの何れか1項に記載の画像読取装置。
【請求項11】
前記異物検出部が、
前記原稿の影を背景として前記影より白い異物を検出し、
前記板状部材を背景として前記板状部材より黒い異物を検出する、
請求項10に記載の画像読取装置。
【請求項12】
前記制御部が、
前記原稿の影を背景として前記影より白い異物を検出して第1の検出結果を生成し、前記板状部材を背景として前記板状部材より黒い異物を検出して第2の検出結果を生成し、前記板状部材を背景として前記板状部材より黒い異物及び白い異物の両方を検出して第3の検出結果を生成するように、前記異物検出部を制御し、
前記第1の検出結果、前記第2の検出結果及び前記第3の検出結果に基づいて、前記読取位置における異物の有無を判定する、
請求項10に記載の画像読取装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12までの何れか1項に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置の出力に基づいて画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【請求項14】
原稿を搬送路に沿って第1の方向に搬送する搬送装置と、
前記搬送路に設けられた読取位置における原稿の画像を読み取る読取部と、
前記第1の方向と交差する第2の方向の原稿の長さを検知する検知部と、
前記搬送路を挟んで前記読取部と対向するように配置された板状部材と、
前記搬送路を搬送中の原稿により前記板状部材上に形成される原稿の影が読み取られる第1の方向の位置を検出する影検出部と、
前記影検出部で検出された第1の方向の位置に基づいて、前記原稿の影を背景として前記読取位置に在る異物を検出する異物検出部と、
を備える画像読取装置を制御するプログラムであって、
コンピュータを、
前記検知部で検知された原稿の長さに応じて前記原稿の影を読み取る第2の方向の位置を少なくとも1つ設定し、設定された第2の方向の位置で前記原稿の影を読み取って第1の方向の位置を検出するように前記読取部及び前記影検出部を制御する制御部として機能させる、
プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2013−70178(P2013−70178A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206351(P2011−206351)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】