説明

画像読取装置、画像読取装置の制御方法、画像読取装置の制御プログラム、及び画像読取システム

【課題】原稿の破損やジャム等を防止することができるとともに、単位時間当たりの読取枚数の減少を抑制することができる画像読取装置を提供する。
【解決手段】この画像読取装置は、原稿の搬送中に遮光検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、清掃部材16が原稿の搬送を妨げないように、原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段の検知情報に基づいて清掃部材16による読取センサ12の読取面に対する清掃タイミングを原稿の搬送中に遅らせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送機構を用いて原稿を搬送して該原稿の画像を読取るスキャナー等の画像読取装置、画像読取装置の制御方法、画像読取装置の制御プログラム、及び画像読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の画像読取装置としては、例えば図12に示すものがある。
【0003】
この画像読取装置は、下部ユニット1と、下部ユニット1に対してヒンジ13を介して上下方向に回動可能に支持された上部ユニット2と、を備える。上部ユニット2の回動動作により、原稿搬送部が開閉される。原稿搬送部の開閉状態は開閉検知センサ37によって検知され、該原稿搬送部の閉状態で搬送路が形成されて原稿が搬送可能となる。
【0004】
そして、画像読取装置は、不図示の操作部、または外部からの制御信号に基づき画像読取動作を開始する。まず、原稿台7に積載された原稿束の最も上の原稿8を、給紙手段であるピックアップローラ6に当接するまで原稿台7を上昇させ、該原稿台7が十分に上昇した後、ピックアップローラ6及び給送手段である給送ローラ4によって原稿8を搬送路に給送する。
【0005】
ピックアップローラ6で1度に2枚以上の原稿8をピックアップ(給紙)した場合は、分離ローラ11により原稿を分離し、1枚ずつ搬送路に給送する。搬送路に給紙され分離給送された原稿8は搬送路上で読取センサ12によって画像を読取られ、不図示の画像処理部に画像データが転送される。搬送路を搬送される原稿8の先端と後端はレジストセンサ14により検知され、このレジストセンサ14の信号を用いて搬送タイミング等の制御が行なわれる。
【0006】
読取センサ12に対して原稿8の搬送路を挟んで対向する位置には、プラテンローラ10が配置されている。プラテンローラ10は、読取センサ12による原稿8の読取画像の背景色を変更する背景部材として用いられ、読取センサ12との間に所定の隙間が設けられている。
【0007】
すなわち、プラテンローラ10は、例えば、外周面の半周領域が黒色部とされ、残りの半周領域が白色部とされている。プラテンローラ10の回転動作を制御することで、黒色部又は白色部を読取センサ12に対向する位置に配置して原稿の背景色を切り換えることができる。
【0008】
この場合、原稿の背景色を黒色に切換えることで、原稿の輪郭等を強調し、読取原稿の外形を認識して外形に合せた画像データを作成しやすくなる。また、透け易い両面印刷の原稿では、原稿が透けて裏面の印刷や印字等が強調されるため背景色を黒色にするのがよい。逆に印刷や印字等の濃度が薄く、裏面に印刷や印字等がない原稿では、背景色を白色にして印刷や印字等を強調することができる。
【0009】
プラテンローラ10は、ステッピングモータ等の駆動モータ15により駆動され、原稿の背景色を切換える際と読取センサ12の読取面を清掃する際に回転する。原稿読取時には、プラテンローラ10は駆動モータ15により加えられる一定の保持トルクにて静止するよう制御される。
【0010】
読取センサ12を通過した原稿8は、搬送ローラ3によって下流側に搬送され、その後、排紙ローラ5により排紙トレイ9に排紙される。これらの一連の原稿搬送動作は、所定の原稿間隔を確保するようにタイミング制御を行い、原稿台7に積載された原稿8がすべて搬送されるまで継続して実施される。原稿台7に積載された原稿8がすべて搬送された後、原稿台7は下降してホームポジションに戻る。
【0011】
また、プラテンローラ10には、読取センサ12の読取面を清掃する清掃部材16が配置されている。原稿を搬送して原稿の画像を読取った後、所定のタイミングでプラテンローラ10を回転させると、読取センサ12の読取面に対して清掃部材16が接触しながら通過して該読取面を清掃する(特許文献1)。
【0012】
なお、連続して原稿を読取る際には、原稿と原稿との間、すなわち、搬送される原稿8の後端をレジストセンサ14によって検知し、このレジストセンサ14の信号を用いて、一定時間後、清掃部材16による読取センサ12の読取面の清掃と、設定された背景色にするためのプラテンローラ10の回転動作が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許第3645737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上記従来の画像読取装置では、レジストセンサ14は主走査方向の中央付近で原稿8の後端を検知するため、原稿8が斜行した場合、原稿8後端の中央付近は読取センサ12を通過し終わっているが、原稿8の後端の角隅部は読取センサ12を通過し終わっていないことがある。この場合、原稿8が斜行していないときと同じタイミングでプラテンローラ10を回転させて清掃部材16による読取センサ12の読取面の清掃を行うと、原稿8の搬送が妨げられ、原稿8の破損や紙詰まりの原因となる。
【0015】
一方、レジストセンサ14が原稿8の後端を検知した後、斜行した原稿8が確実に読取センサ12を通過し終わるような時間的に十分に余裕を持ったタイミングでプラテンローラ10を回転させて清掃部材16による読取センサ12の読取面の清掃を行うことが考えられる。
【0016】
しかし、このようにすると、搬送される原稿と後続の原稿との間の距離を長くする必要が生じ、単位時間当たりの読取枚数が少なくなってしまう。
【0017】
そこで、本発明は、原稿の破損やジャム等を防止することができるとともに、単位時間当たりの読取枚数の減少を抑制或いは防止することができる画像読取装置、画像読取装置の制御方法、画像読取装置の制御プログラム及び画像読取システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の画像読取装置は、原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、前記読取センサの読取面を清掃する清掃部材と、前記搬送手段による原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて前記清掃部材による前記読取センサの読取面に対する清掃タイミングを原稿の搬送中に変更する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明の画像読取装置は、原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、前記読取センサの読取面を清掃する清掃部材と、前記搬送手段による原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて前記清掃部材による前記読取センサの読取面に対する清掃タイミングを原稿の搬送中に遅らせる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明の画像読取装置は、原稿を搬送路に給紙する原稿給紙手段と、該原稿給紙手段を駆動する給紙用駆動手段と、前記搬送路を搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、該読取センサの読取面を清掃する清掃部材と、該清掃部材を駆動する清掃用駆動手段と、前記搬送路を搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、前記給紙用駆動手段および前記清掃用駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、前記清掃部材で前記読取センサの読取面を清掃するタイミングを原稿の搬送中に遅らせるように前記清掃用駆動手段を制御する、ことを特徴とする。
【0021】
本発明の画像読取装置の制御方法は、原稿を搬送路に給紙する原稿給紙手段と、該原稿給紙手段を駆動する給紙用駆動手段と、前記搬送路を搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、該読取センサの読取面を清掃する清掃部材と、該清掃部材を駆動する清掃用駆動手段と、前記搬送路を搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、を備える画像読取装置を制御するにあたり、原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、前記清掃部材で前記読取センサの読取面を清掃するタイミングを原稿の搬送中に遅らせるように前記清掃用駆動手段を制御するステップと、原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、前記原稿給紙手段で後続の原稿を給紙するタイミングを原稿の搬送中に遅らせるように前記給紙用駆動手段を制御するステップと、を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明の画像読取装置の制御プログラムは、原稿を搬送路に給紙する原稿給紙手段と、該原稿給紙手段を駆動する給紙用駆動手段と、前記搬送路を搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、該読取センサの読取面を清掃する清掃部材と、該清掃部材を駆動する清掃用駆動手段と、前記搬送路を搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、を備える画像読取装置を制御するにあたり、原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、前記清掃部材で前記読取センサの読取面を清掃するタイミングを原稿の搬送中に遅らせるように前記清掃用駆動手段を制御するモジュールと、原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、前記原稿給紙手段で後続の原稿を給紙するタイミングを原稿の搬送中に遅くらせるように前記給紙用駆動手段を制御するモジュールと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
本発明の画像読取システムは、原稿の画像を読み取る画像読取装置と、前記画像読取装置に接続される外部制御装置とを備えた画像読取システムであって、前記画像読取装置は、原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、前記読取センサの読取面を清掃する清掃部材とを備え、前記搬送手段による原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記外部制御装置は、前記画像読取装置の前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて前記清掃部材による前記読取センサの読取面に対する清掃タイミングを原稿の搬送中に遅らせるように前記画像読取装置の前記清掃部材の駆動を制御することを特徴とする。
【0024】
本発明の画像読取システムは、原稿の画像を読み取る画像読取装置と、前記画像読取装置に接続される外部制御装置とを備えた画像読取システムであって、前記画像読取装置は、原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、前記読取センサの読取面を清掃する清掃部材とを備え、前記搬送手段による原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記外部制御装置は、前記画像読取装置の前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、原稿の搬送中に前記清掃部材が前記読取センサの読取面を清掃しないように前記画像読取装置の前記清掃部材の駆動を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、原稿の破損やジャム等を防止することができるとともに、単位時間当たりの読取枚数の減少を抑制或いは防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施形態である画像読取装置を説明するための概略断面図である。
【図2】プラテンローラユニットを説明するための斜視図である。
【図3】プラテンローラを説明するための分解斜視図である。
【図4】プラテンローラユニットの取り付け例を説明するための図である。
【図5】プラテンローラユニットの取り付け例を説明するための図である。
【図6】プラテンローラユニットの取り付け例を説明するための図である。
【図7】本体装置とプラテンローラユニットとの連結例を説明するための図である。
【図8】制御回路による原稿の後端の斜行量の算出例を説明するための説明図である。
【図9】画像読取装置の制御系を説明するための概略ブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施形態である画像読取装置を説明するための図である。
【図11】本発明の第4の実施形態である画像読取装置を説明するための図である。
【図12】従来の画像読取装置を説明するための簡略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である画像読取装置を説明するための概略断面図である。なお、本実施形態の画像読取装置の基本的構造は、既に図12で説明した従来の画像読取装置と略同一であるため、図12の画像読取装置に対して重複又は相当する部分については図に同一符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
【0028】
本発明の第1の実施形態である画像読取装置は、図1に示すように、レジストセンサ14の上流側に斜行検知センサ40,41を配置し、また、従来のプラテンローラ10に代えて、プラテンローラ25を用いている。
【0029】
図3を参照して、プラテンローラ25について説明すると、プラテンローラ(回転部材)25は、半円筒状の黒色部材26と、半円筒状の白色部材27と、読取センサ12の読取面を清掃する清掃部材16と、を備える。
【0030】
黒色部材26の軸方向両端部および軸方向中央部には、それぞれ軸方向の同一方向に突出する例えば円筒状の嵌め込み部26a,26eおよび嵌め込み部26cが同軸上に設けられている。また、黒色部材26の嵌め込み部26eの近傍には、プラテンローラ25の回転位置検知用の半円板状の遮光部26fが設けられている。なお、遮光部26fの形状や大きさは、特に限定されない。
【0031】
この遮光部26fは、プラテンローラ25の回転によりフォトインタラプタ等で構成されたプラテンローラ位置検知センサ35(図7参照)の受光部を遮光する。また、遮光部26fは、黒色部材26と同一部材で形成されている。これにより、プラテンローラ位置検知センサ35の受光部を遮光するための部材を別途に設ける必要がなくなり、構造が簡単になるとともに、コストダウンが可能になる。
【0032】
なお、白色部材27の光透過率が低い場合は、白色部材27に遮光部を同一部材で形成することも可能である。
【0033】
白色部材27の軸方向両端部および軸方向中央部には、それぞれ嵌め込み部26a,26eおよび嵌め込み部26cが軸方向に内嵌される例えば円筒状の被嵌め込み部27a,27eおよび被嵌め込み部27cが同軸上に設けられている。
【0034】
黒色部材26と白色部材27とを組み合わせるには、まず、白色部材27の被嵌め込み部27a,27eおよび被嵌め込み部27cに対して、黒色部材26の嵌め込み部26a,26eおよび嵌め込み部26cを軸方向の一端側(図の左端側)にずらした状態で黒色部材26と白色部材27とを径方向に合わせる。このとき、黒色部材26と白色部材27との軸方向に沿う両側の接合部のうちの一側の接合部間に清掃部材16が介装される。
【0035】
次いで、白色部材27に対して黒色部材26を軸方向の他端側(図の右端側)に相対的にスライドさせることにより、黒色部材26の嵌め込み部26a,26eおよび嵌め込み部26cが白色部材27の被嵌め込み部27a,27eおよび被嵌め込み部27cに軸方向に嵌め込まれる。
【0036】
これにより、黒色部材26と白色部材27とが組み合わせられるとともに、黒色部材26と白色部材27との間に清掃部材16が突出した状態で取り付けられる。なお、このように組み合わせた後、黒色部材26と白色部材27とが外れないように、不図示のスナップフィット等によって外れ防止をしている。
【0037】
その後、黒色部材26の嵌め込み部26a,26c,26eの内周部に軸29を挿通することで、軸方向の両端に軸29が突出した円筒形状のプラテンローラ25が形成される。なお、黒色部材26と白色部材27との凹凸嵌合構造は、特に限定されず、種々の凹凸嵌合構造を採用することができる。
【0038】
図2は、プラテンローラ25、保持部材21,22、および搬送ガイド18からなるプラテンローラユニット(回転部材ユニット)17の斜視図である。
【0039】
保持部材21,22は、搬送される原稿8を案内する搬送ガイド18を保持すると共に、軸受部19,20を介してプラテンローラ25の軸方向の両端部に突出する軸29を回転可能に保持している。
【0040】
プラテンローラユニット17を本体装置に装着した後、保持部材21,22のスペーサ部21a,22aに、読取センサ12が当接することで、プラテンローラ25と読取センサ12との間に所定の隙間が確保される。
【0041】
図4は、本体装置にプラテンローラユニット17を取り付ける際の様子を示す図である。
【0042】
本体装置にプラテンローラユニット17を取り付けるには、まず、下部ユニット1に対して上部ユニット2を開く。上部ユニット2の原稿8の搬送方向と直交する幅方向の両側壁には、図4に示すように、略U字状に切り欠かれた取付部33が設けられている。
【0043】
そして、プラテンローラユニット17を、搬送ガイド18を上方に配置し、かつ上部ユニット2の幅方向にプラテンローラ25の軸線を配置した状態で、上部ユニット2の各取付部23に軸受部19,20を挿入する。
【0044】
この状態で、プラテンローラユニット17をプラテンローラ25の軸線回りに回転させることで、プラテンローラユニット17が上部ユニット2に取り付けられる。
【0045】
具体的には、図4に示すように、上部ユニット2の取付部33の上方には突起34が設けられ、プラテンローラユニット17の保持部材21,22に設けられた軸受部19,20には、それぞれアーム部20aが固定されている。
【0046】
アーム部20aは可撓性部材で形成されており、該アーム部20aには、上部ユニット2の突起34に着脱自在に掛止する掛止部20bが設けられている。
【0047】
そして、図5および図6に示すように、搬送ガイド18を上方に配置した状態でプラテンローラユニット17の軸受部19,20を上部ユニット2の取付部33,33に挿入して突き当てる(図5参照)。
【0048】
この状態で、プラテンローラユニット17をプラテンローラ25の軸回りに90°回転(図5の矢印方向)させると、アーム20aが撓んで突起34を乗り越え、掛止部20bが突起34に嵌め込まれる(図6参照)。これにより、プラテンローラユニット17を上部ユニット2に容易に取り付けることができる。
【0049】
一方、プラテンローラユニット17を上部ユニット2から取り外す場合は、アーム20aを撓ませて掛止部20bを突起34から外した後、上述した取り付ける工程と逆の工程を経ることにより、プラテンローラユニット17を上部ユニット2から容易に取り外すことができる。なお、プラテンローラユニット22は、上部ユニット2の他に、下部ユニット1に対しても上記同様にして着脱自在に取り付けられる。
【0050】
図7は、プラテンローラユニット17が本体装置に取り付けられた状態を示す図である。プラテンローラユニット17が本体装置に取り付けられると、プラテンローラ25の遮光部26fの反対側の端部から突出する軸29に固定されたギヤ31に本体装置側のギヤ32が噛合し、該ギヤ32にプラテン駆動モータ15のモータ軸に固定されたギヤ32aが噛合する。従って、プラテン駆動モータ15の駆動により、プラテンローラ25が回転駆動される。
【0051】
これにより、プラテンローラ25に形成された遮光部26fがプラテンローラ回転位置検知センサ35の受光部を遮光できる位置に進入可能となり、制御回路900(図9参照)はプラテンローラ25の回転位置を認識して該プラテンローラ25の回転動作を制御できるようになる。
【0052】
すなわち、制御回路900は、プラテンローラ25に取り付けた遮光部26fによりプラテンローラ回転位置検知センサ35の出力が変化した時点を基準として、プラテンローラ25の回転位置を検出する。その後、プラテン駆動モータ15を規定量駆動することで、任意の位置にプラテンローラ25を回転移動させることができる。
【0053】
図9は、画像読取装置の制御系の概略ブロック図であり、制御回路900は、装置全体を制御するCPU901、制御プログラムやデータが格納されるROM902、プログラムを制御するデータや画像データを記録するRAM903を備える。
【0054】
そして、制御回路900には、原稿の斜行を検知する斜行検知センサ40,41、原稿の先端、後端を検知するレジストセンサ14、プラテンローラ25の回転位置を検知するプラテンローラ回転位置検知センサ35が接続されている。
【0055】
また、制御回路900には、搬送される原稿8の画像を読み取る読取センサ12、ピックアップローラ6を駆動するピックアップ駆動モータ905、プラテンローラ25を駆動するプラテン駆動モータ15が接続されている。
【0056】
次に、図8を参照して、制御回路900による原稿8の後端の斜行量の算出例を説明する。なお、斜行量は、斜行した原稿の後端が斜行により通過が遅れるときの遅延時間として算出するが、これに限定されず、角度、距離等でもよい。
【0057】
まず、斜行検知センサ40,41は、共に光学式の反射型センサで、図8に示すように、搬送路の幅方向の中央部に設けられたレジストセンサ14の上流側に配置されて、原稿8の後端の斜行を検知する。
【0058】
なお、斜行検知センサ40はレジストセンサ14に対して原稿8の幅方向の一側(図8の左側)に離間配置され、斜行検知センサ41はレジストセンサ14に対して原稿8の幅方向の他側(図8の右側)に離間配置されている。また、斜行検知センサ40,41のレジストセンサ14からの離間距離は、共に同一とされている。
【0059】
図8において、原稿8が斜行すると、まず、一方の斜行検知センサ40が原稿8の後端を検知する。次いで、原稿8が搬送されて、他方の斜行検知センサ41が原稿8の後端を検知する。
【0060】
ここで、斜行検知センサ40,41間の距離をL、原稿8の搬送速度をS、斜行検知センサ40,41の検知時間の差をT、搬送路の幅をW、最大幅の原稿すなわち搬送路と同幅の原稿の後端がレジストセンサ14で検知された時点から傾いて遅れてくる原稿の後端の角隅部が搬送方向に対してレジストセンサ14と同じ位置に達するまでの時間をT′とすると、L:ST=W/2:ST′の関係が成立し、該関係からT′=(T・W)/(2L)が導かれる。
【0061】
すなわち、制御回路900は、上記時間T′を計算して、レジストセンサ14で原稿8の後端を検知した時点から、T′+(レジストセンサ14とプラテンローラ25との距離/S)の時間が経過した後に、プラテンローラ25を回転させて、プラテンローラ25に取り付けた清掃部材16による読取センサ12の読取面の清掃を行なわせるとともに、プラテンローラ25をあらかじめ設定された背景色の部材(白色部材27又は黒色部材26)が読取センサ12に対向する位置で停止させ、該停止状態を保持するようにプラテン駆動モータ15を制御する。なお、プラテンローラ25の回転を始めてから清掃部材16が実際に清掃を行なうまでの遅れ時間を考慮して、プラテンローラ25の回転を上記より早く開始してもよい。
【0062】
また、この時点で、制御回路900は、次の原稿がプラテンローラ25に到達しないように、ピックアップ駆動モータ905を制御してピックアップローラ6による給紙タイミングを調整する。なお、ピックアップローラを備えていない画像読取装置においては、給送ローラが給紙手段となるので、給送ローラの給送開始タイミングを調整することで、同様の動作が可能である。
【0063】
以上説明したように、この実施形態では、原稿8の後端の斜行を検知することにより、原稿8が斜行した場合でも、斜行量に応じて遅らせたタイミングで、清掃部材16による読取センサ12の読取面の清掃動作、あらかじめ設定された背景色の部材(白色部材27又は黒色部材26)を読取センサ12に対向する位置で停止させるプラテンローラ25の回転動作、および次原稿の給紙動作を開始することができる。
【0064】
これにより、原稿の破損やジャム等を防止することができるとともに、上記各動作タイミングの遅延を最小限にすることができ、原稿の斜行が発生した場合の単位時間当たりの読取枚数の減少を最小限にすることができる。
【0065】
また、原稿が斜行していない場合は、最短のタイミングで、清掃部材16による読取センサ12の読取面の清掃動作、あらかじめ設定された背景色の部材(白色部材27又は黒色部材26)を読取センサ12に対向する位置で停止させるプラテンローラ25の回転動作、および次原稿の給紙動作を開始することができる。
【0066】
なお、本実施形態では、清掃部材をプラテンローラに取り付けた場合を例示したが、これに限定されず、例えば清掃部材を読取センサの表面に接触させる位置と接触させない位置との間で移動させる移動機構を設けてもよい。この場合、制御回路900は、レジストセンサ14で原稿8の後端を検知した時点からT′+(レジストセンサ14と清掃位置との距離/S)の時間が経過した後に、読取センサの表面の清掃を開始するように移動機構を制御する。
【0067】
次に、図8および図9を流用して、本発明の第2の実施形態である画像読取装置について説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複する部分については、符号を流用して説明する。
【0068】
上記第1の実施形態において、プラテンローラ25を回転させて、清掃部材16により読取センサ12の読取面を清掃し、プラテンローラ25の白色部材27又は黒色部材26が読取センサ12に対向する位置で停止するまでにかかる時間をTrとすると、レジストセンサ14で原稿8の後端を検知した時点からT′+(レジストセンサ14とプラテンローラ25との距離/S)+Trの時間が経過した後に、清掃部材16による読取センサ12の読取面の清掃が完了することがわかる。
【0069】
ここで、本実施形態では、制御回路900は、このT′+(レジストセンサ14とプラテンローラ25との距離/S)+Trの時間が(プラテンローラ25とピックアップローラ6との距離/S)の時間以下の場合は、上記第1の実施形態と同様に、清掃部材16による読取センサ12の読取面の清掃を行うが、T′+(レジストセンサ14とプラテンローラ25との距離/S)+Trの時間が(プラテンローラ25とピックアップローラ6との距離/S)の時間を超える場合は、清掃部材16による読取センサ12の読取面の清掃を行わないようにプラテン駆動モータ15を制御する。なお、ピックアップローラ6の位置が原稿先端位置と異なる場合は、それを考慮した判断を行なう。
【0070】
すなわち、原稿8の斜行量が大きすぎると、次の原稿の給紙までの時間間隔を十分に広げる必要が生じて、単位時間当たり読取枚数の減少率が大きくなるため、原稿8の斜行量が大きすぎる場合は、清掃部材16による読取センサ12の清掃は行なわず、原稿8の斜行量が比較的小さく、規定の給紙間隔内で清掃部材16による読取センサ12の清掃を完了できる場合のみ、該清掃を行なう。なお、読取センサ12を清掃する時間Trは短い方がよいので、プラテンローラ25の回転速度は搬送される原稿の速度に対し、相対的に速いほうが望ましい。また、プラテンローラ25の回転を始めてから実際に清掃部材16が清掃を行なうまでの遅れを考慮して、上記第1の実施形態と同様に、プラテンローラ25の回転を早めに始められる場合は、それに応じて上記判断を行なってもよい。
【0071】
以上説明したように、この実施形態では、原稿8の斜行量が大きすぎる場合は、清掃部材16による読取センサ12の清掃は行なわないため、単位時間当たりの読取枚数の減少率を小さくすることができる。その他の構成、および作用効果は上記第1の実施形態と同様である。
【0072】
なお、本実施形態では、原稿8の斜行量を算出し、上記のように斜行量が増加した場合に、清掃部材16による読取センサ12の清掃は行なわないようにしたが、これに代えて、原稿8の斜行量は算出せず、所定の斜行量を超える斜行の有無だけを検出する機能を備え、斜行を検出した場合に、清掃部材16による読取センサ12の清掃は行なわないようにしてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、清掃部材をプラテンローラに取り付けた場合を例示したが、これに限定されず、例えば清掃部材を読取センサの表面に接触させる位置と接触させない位置との間で移動させる移動機構を設けてもよい。
【0074】
この場合、移動機構を駆動してから清掃部材による読取センサの表面の清掃が終わるまでにかかる時間をTrとすると、T′+(レジストセンサ14と清掃位置との距離/S)+Trの時間が(清掃位置とピックアップローラ6との距離/S)の時間を超える場合は清掃部材による読取センサの表面の清掃を行わない。
【0075】
次に、図10を参照して、本発明の第3の実施形態である画像読取装置について説明する。なお、上記第1および第2の実施形態と重複する部分については、符号を流用して説明する。
【0076】
本実施形態では、画像読取装置の操作表示部或いは画像読取装置に接続される外部制御装置(PC等)の表示部に、図10に示すようなクリーニングモードの設定画面を表示する。
【0077】
図10の設定画面においては、「斜行を検知した時でも、クリーニングを行なう」(以下、清掃優先モードという)を選択した場合は、制御回路900は、上記第1の実施形態の制御により斜行量に応じてタイミングを代えて清掃を行い、「斜行量が大きい時に、クリーニングを行わない」(以下、速度優先モードという)を選択した場合は、制御回路900は、上記第2の実施形態の制御を行う。なお、速度優先モードを、「斜行を検知した時に、クリーニングを行わない」としてもよい。 このように、この実施形態では、清掃優先モードと速度優先モードとを選択することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0078】
次に、図11を参照して、本発明の第3の実施形態である画像読取装置について説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複する部分については、符号を流用して説明する。
【0079】
図11を参照して、本実施形態における制御回路900による原稿8の後端の斜行量の算出例を説明する。
【0080】
図において、原稿8が斜行すると、上記第1の実施形態と同様に、まず、一方の斜行検知センサ40が原稿8の後端を検知する。次いで、原稿8が搬送されて、他方の斜行検知センサ41が原稿8の後端を検知する。
【0081】
ここで、斜行検知センサ40,41間の距離をL、原稿8の搬送速度をS、斜行検知センサ40,41の検知時間の差をTとし、不図示の原稿幅検知センサにより検知したレジストセンサ14から原稿8の左側縁までの寸法をW1、レジストセンサ14から原稿8の右側縁までの寸法をW2とする。
【0082】
原稿8の後端がレジストセンサ14で検知されてから、傾いて遅れてくる原稿8の後端の右側の角隅部が搬送方向に対してレジストセンサ14と同じ位置に達するまでの時間をT′とすると、L:ST=W2:ST′の関係が成立し、該関係からT′=(T/W2)/Lが導かれる。
【0083】
すなわち、制御回路900は、上記時間T′を計算して、レジストセンサ14で原稿8の後端を検知した時点から、T′+(レジストセンサ14とプラテンローラ25との距離/S)の時間が経過した後に、プラテンローラ25を回転させて、プラテンローラ25に取り付けた清掃部材16による読取センサ12の読取面の清掃を行なわせるとともに、プラテンローラ25をあらかじめ設定された背景色の部材(白色部材27又は黒色部材26)が読取センサ12に対向する位置で停止させ、該停止状態を保持するようにプラテン駆動モータ15を制御する。
【0084】
また、この時点で、制御回路900は、次の原稿がプラテンローラ25に到達しないように、ピックアップ駆動モータ905を制御してピックアップローラ6による給紙タイミングを調整する。なお、原稿8が逆側に斜行して該原稿8の幅方向の左側が遅れる場合は、W2に代えてW1を用いる。
【0085】
このように、この実施形態では、原稿幅検知センサにより原稿8の幅を検知し、原稿幅に応じて斜行した原稿8の通過時間を計算して制御しているので、清掃部材16による読取センサ12の読取面の清掃動作、白色部材27又は黒色部材26を読取センサ12に対向する位置で停止させるプラテンローラ25の回転動作、および次原稿の給紙動作の各タイミング調整を高精度で行なうことができる。その他の構成、および作用効果は上記第1の実施形態と同様である。
【0086】
なお、本実施形態では、清掃部材をプラテンローラに取り付けた場合を例示したが、これに限定されず、例えば清掃部材を読取センサの表面に接触させる位置と接触させない位置との間で移動させる移動機構を設けてもよい。この場合、制御回路900は、レジストセンサ14で原稿8の後端を検知した時点からT′+(レジストセンサ14と清掃位置との距離/S)の時間が経過した後に、読取センサの表面の清掃を開始するように移動機構を制御する。
【0087】
なお、本発明は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0088】
例えば、上記実施形態では、斜行検知センサ40,41の検知時間の差Tを測定して斜行量を求めているが、所定の斜行量に対応する時間間隔をあけて斜行検知センサ40,41での原稿の検知を行うなどの方法で所定の斜行量以上の斜行の有無を検知するようにしてもよい。また、斜行検知センサ40,41の一方が原稿の後端を検知してから所定時間たっても他方の斜行検知センサが原稿の後端を検知していない場合は検知動作を打ち切り、所定の斜行量以上の斜行であると判断してもよい。
【0089】
また、所定の斜行量以上の斜行を検知した場合に、プラテンローラを回転させるタイミングや給紙タイミングを所定の時間だけ変更するような簡易的な制御を行うようにしてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、読取開始位置等を正確に計算するため、レジストセンサと斜行検知センサとを別々に設けているが、レジストセンサを設けず、斜行検知センサでレジストセンサの機能を代行することも可能である。例えば、2つの斜行検知センサの検知タイミングを平均することで、レジストセンサの検知すべき原稿の先端や後端を検知したタイミングとしてもよい。
【0091】
また、給送ローラや搬送ローラの回転速度を調整することで読取センサへの原稿の到達タイミングを変更してもよい。また、読取センサ直前の搬送ローラを一時的に停止可能なレジストローラとして、停止時間の制御で行なってもよい。
【0092】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0093】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0094】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0095】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0096】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【符号の説明】
【0097】
1 下部ユニット
2 上部ユニット
3 搬送ローラ
4 給送ローラ
5 排紙ローラ
6 ピックアップローラ
7 原稿台
8 原稿
9 排紙トレイ
11 分離ローラ
12 読取センサ
13 ヒンジ
14 レジストセンサ
15 プラテン駆動モータ
16 清掃部材
17 プラテンローラユニット
18 搬送ガイド
19,20 軸受部
20a アーム
21a,22a スペーサ
25 プラテンローラ
26 黒色部材
26a,26c,26e 嵌め込み部
26f 遮光部
27 白色部材
27a,27c,27e 被嵌め込み部
29 軸
31,32a,32 ギヤ
33 取付部
35 プラテンローラ回転位置検知センサ
40,41 斜行検知センサ
900 制御回路
905 ピックアップ駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、
前記搬送手段により搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、
前記読取センサの読取面を清掃する清掃部材と、
前記搬送手段による原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて前記清掃部材による前記読取センサの読取面に対する清掃タイミングを原稿の搬送中に変更する制御手段とを備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
原稿を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、
前記搬送手段により搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、
前記読取センサの読取面を清掃する清掃部材と、
前記搬送手段による原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて前記清掃部材による前記読取センサの読取面に対する清掃タイミングを原稿の搬送中に遅らせる制御手段とを備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
原稿を搬送路に給紙する原稿給紙手段と、
該原稿給紙手段を駆動する給紙用駆動手段と、
前記搬送路を搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、
該読取センサの読取面を清掃する清掃部材と、
該清掃部材を駆動する清掃用駆動手段と、
前記搬送路を搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、
前記給紙用駆動手段および前記清掃用駆動手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、前記清掃部材で前記読取センサの読取面を清掃するタイミングを原稿の搬送中に遅らせるように前記清掃用駆動手段を制御する、ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、前記原稿給紙手段が後続の原稿を給紙するタイミングを遅らせるように前記給紙用駆動手段を制御する、ことを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて原稿の斜行量を算出し、該算出斜行量に応じて前記清掃部材で前記読取センサの読取面を清掃するタイミングを遅らせるように前記清掃用駆動手段を制御する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記算出斜行量に応じて前記原稿給紙手段が後続の原稿を給紙するタイミングを遅らせるように前記給紙用駆動手段を制御する、ことを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
原稿の幅を検知する原稿幅検知手段を備え、前記制御手段は、前記斜行検知手段の検知情報と前記原稿幅検知手段の検知情報とから前記斜行量を算出する、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記読取センサに対して前記搬送路を挟んで対向する位置に配置されて、前記清掃部材が取り付けられた回転部材を備え、前記清掃用駆動手段が、前記回転部材を回転駆動する駆動手段である、ことを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項9】
原稿を搬送路に給紙する原稿給紙手段と、該原稿給紙手段を駆動する給紙用駆動手段と、前記搬送路を搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、該読取センサの読取面を清掃する清掃部材と、該清掃部材を駆動する清掃用駆動手段と、前記搬送路を搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、を備える画像読取装置を制御するにあたり、
原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、前記清掃部材で前記読取センサの読取面を清掃するタイミングを原稿の搬送中に遅らせるように前記清掃用駆動手段を制御するステップと、
原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、前記原稿給紙手段で後続の原稿を給紙するタイミングを原稿の搬送中に遅らせるように前記給紙用駆動手段を制御するステップと、を備えることを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項10】
原稿を搬送路に給紙する原稿給紙手段と、該原稿給紙手段を駆動する給紙用駆動手段と、前記搬送路を搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、該読取センサの読取面を清掃する清掃部材と、該清掃部材を駆動する清掃用駆動手段と、前記搬送路を搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、を備える画像読取装置を制御するにあたり、
原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、前記清掃部材で前記読取センサの読取面を清掃するタイミングを原稿の搬送中に遅らせるように前記清掃用駆動手段を制御するモジュールと、
原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、前記原稿給紙手段で後続の原稿を給紙するタイミングを原稿の搬送中に遅らせるように前記給紙用駆動手段を制御するモジュールと、をコンピュータに実行させることを特徴とする画像読取装置の制御プログラム。
【請求項11】
原稿の画像を読み取る画像読取装置と、前記画像読取装置に接続される外部制御装置とを備えた画像読取システムであって、
前記画像読取装置は、原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、前記読取センサの読取面を清掃する清掃部材とを備え、
前記搬送手段による原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記外部制御装置は、前記画像読取装置の前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて前記清掃部材による前記読取センサの読取面に対する清掃タイミングを原稿の搬送中に遅らせるように前記画像読取装置の前記清掃部材の駆動を制御することを特徴とする画像読取システム。
【請求項12】
原稿の画像を読み取る画像読取装置と、前記画像読取装置に接続される外部制御装置とを備えた画像読取システムであって、
前記画像読取装置は、原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の斜行状態を検知する斜行検知手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の画像を読み取る読取センサと、前記読取センサの読取面を清掃する清掃部材とを備え、
前記搬送手段による原稿の搬送中に前記斜行検知手段が原稿の斜行を検知した場合において、前記外部制御装置は、前記画像読取装置の前記清掃部材が原稿の搬送を妨げないように、前記斜行検知手段の検知情報に基づいて、原稿の搬送中に前記清掃部材が前記読取センサの読取面を清掃しないように前記画像読取装置の前記清掃部材の駆動を制御することを特徴とする画像読取システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−55701(P2013−55701A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−267967(P2012−267967)
【出願日】平成24年12月7日(2012.12.7)
【分割の表示】特願2007−89583(P2007−89583)の分割
【原出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】