説明

画像読取装置および画像読取装置の制御プログラム

【課題】画像データの配信先に容易にアクセス可能とすると共に、配信先の一覧性を向上させる。
【解決手段】画像読取装置1は、原稿画像を読み取った画像データによる配信データを配信先サーバ3に配信する。画像読取装置1は、配信データを配信先サーバ3に配信すると、当該配信データのファイルパスを含む配信ログデータを生成し、生成した配信ログデータを、管理者用サーバ4の共用ディレクトリに格納される配信ログに対して追加する。配信ログは、各配信ログデータにおいてファイルパスの項目に当該ファイルパスで示されるファイルに対するリンク情報を埋め込まれた状態で、クライアント5に対して提示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像を読み取った画像データをネットワーク上に配信できるようにした画像読取装置および画像読取装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿画像を読み取り、得られた画像データをネットワークを介して指定したコンピュータに配信する画像読取装置が知られている。また、このような画像読取装置において、画像データの配信先のアドレス情報(例えばファイルパス)をユーザに通知する技術も、既に知られている。この技術を用いることで、配信された画像データの閲覧に要するユーザの操作手順を簡素化し、作業効率を向上させることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、文書(画像データ)の配信後に、配信した文書にアクセスするためのアドレス情報としてURL(Uniform Resource Locator)形式の文字列を記述した電子メールをユーザに対して送信するようにした技術が開示されている。特許文献1の技術を用いることで、文書配信した際のユーザの文書閲覧操作を効率化することができる。
【0004】
このように、画像データの配信先のアドレス情報をユーザに通知することで、ユーザは、画像読取装置における画像読み取り処理から一定時間が経過した後に、読み取った画像データにアクセスするような場合でも、当該画像データのアドレスを容易に知ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、配信先のアドレス情報を電子メールで通知する場合、当該アドレス情報が、電子メールの宛先として指定された特定の個人にのみ通知されることになり、配信ログとしての一覧性に欠けるという問題点があった。例えば、管理者が画像データの配信状況全体を確認したいような場合、配信情報の通知に電子メールを用いると、管理者は、配信時に送信された電子メールを一通ずつ確認する必要があり、大変な手間となる。
【0006】
特許文献1では、電子メールに文書の配信先のURLが記述されているため、このURLを用いて当該文書に対して直接的にアクセス可能であるが、配信ログとしての一覧性に欠けるという問題点は、解決されていない。
【0007】
一方、画像読取装置内に記録される配信ログから、配信先のアドレス情報を確認する方法も考えられる。しかしながら、この方法においては、配信ログに記述されるアドレス情報は、配信先に直接的にアクセス可能な形式になっていない。そのため、配信ログから配信先の画像データに対する直接的なアクセスが困難であるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像データの配信先に容易にアクセス可能とすると共に、配信先の一覧性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ネットワークを介して接続される第1のサーバ上のデータ格納場所を示すアドレス情報を指定する指定手段と、原稿画像を読み取って得られた画像データを、指定手段で指定されたアドレス情報に示されるデータ格納場所に対して配信する画像データ配信手段と、画像データのファイル名と、画像データが送信されるデータ格納場所を示すアドレス情報とからなるファイルパス情報を含むログデータを生成する生成手段と、ネットワークを介して接続される第2のサーバ上の配信ログに対してログデータを追加するログ編集手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、ネットワークを介して接続される第1のサーバ上のデータ格納場所を示すアドレス情報を指定する指定ステップと、原稿画像を読み取って得られた画像データを、指定ステップで指定されたアドレス情報に示されるデータ格納場所に対して配信する画像データ配信ステップと、画像データのファイル名と、画像データが送信されるデータ格納場所を示すアドレス情報とからなるファイルパス情報を含むログデータを生成する生成ステップと、ネットワークを介して接続される第2のサーバ上の配信ログに対してログデータを追加するログ編集ステップとを画像読取装置を制御するコンピュータに実行させるための画像読取装置の制御プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像データの配信先に容易にアクセス可能とすると共に、配信先の一覧性が向上されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態による画像読取装置を適用可能なシステムの一例の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態によるシステムの機能を示す一例の機能ブロック図である。
【図3】図3は、画像読取装置の表示部に表示される表示の例を示す略線図である。
【図4】図4は、閲覧する配信ログを選択する配信ログ選択画面の例を示す略線図である。
【図5】図5は、配信ログ画面の一例を示す略線図である。
【図6】図6は、配信ログを構成する項目の例を示す略線図である。
【図7】図7は、配信ログ選択画面および配信ログ画面を表示させるために必要なファイルの例を示す略線図である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態による配信ログの出力処理を示す一例のフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の第2の実施形態による複合機の一例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下に添付図面を参照して、本発明に係る画像読取装置の第1の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による画像読取装置1を適用可能なシステムの一例の構成を示す。本第1の実施形態による画像読取装置1がLAN(Local Area Network)などによるネットワーク2に接続される。ネットワーク2に対して、さらに、配信先サーバ3および管理者用サーバ4が接続される。画像読取装置1、配信先サーバ3および管理者用サーバ4は、ネットワーク2を介して互いに通信可能とされている。さらに、ユーザ側のコンピュータであるクライアント5が管理者用サーバ4と通信可能に接続されてる。
【0014】
なお、図1の例では、クライアント5が管理者用サーバ4に対して直接的に接続されるように示されているが、これはこの例に限らず、クライアント5をネットワーク2に接続し、クライアント5がネットワーク2を介して管理者用サーバ4と互いに通信可能としてもよい。また、図1の例では、ネットワーク2に対して1台の画像読取装置1が接続されるように示されているが、これはこの例に限定されず、複数台の画像読取装置1をネットワーク2に接続することができる。
【0015】
画像読取装置1は、原稿画像を読み取って画像データを出力する画像読取部と、画像読取部から出力された画像データをネットワーク2に対して配信する配信部とを含む。配信先サーバ3、管理者用サーバ4およびクライアント5は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、HDD(ハードディスクドライブ)といった外部記憶装置、キーボードなどの入力デバイス、ディスプレイなどを備える一般的なコンピュータの構成を適用することができる。
【0016】
このようなシステムにおいて、画像読取装置1は、例えば原稿画像を読み取って得られた画像データを、ネットワーク2を介して配信先サーバ3に送信する。配信先サーバ3は、画像読取装置1から送信された画像データを、指定された格納場所に格納する。
【0017】
画像読取装置1は、画像データを配信先サーバ3に配信すると、当該画像データへのアクセス方法を示す情報(以下、「アクセス方法を示す情報」を「アクセス情報」と呼ぶ)を含んだログデータを生成し、管理者用サーバ4の共有ディレクトリに置かれた、画像データの配信履歴を記録した配信ログに対して生成したログデータを追加する。
【0018】
管理者用サーバ4は、配信ログをクライアント5から閲覧可能な形式に変換する。その際、配信ログに記録される、配信先サーバ3に配信された画像データに対するアクセス情報に基づき、クライアント5から当該配信ログを閲覧している状態で当該画像データにアクセス可能とする情報を、当該アクセス情報に対して付加する。
【0019】
上述の構成によれば、クライアント5から管理者用サーバ4の共用ディレクトリにアクセスすることで、配信ログを閲覧できると共に、閲覧中の配信ログから直接的に、配信先サーバ3に格納される画像データにアクセスすることができる。
【0020】
図2は、図1に示したシステムの機能を示す一例の機能ブロック図である。画像読取装置1は、スキャン配信アプリケーション10および表示部11を有する。スキャン配信アプリケーション10は、例えばCPU上で動作するプログラムのモジュールからなる。表示部11は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)といった表示デバイスを有し、スキャン配信アプリケーション10の動作に従いCPUで生成された表示制御信号に基づく表示を行う。表示部11に対して、ユーザ操作を受け付けるための操作子がさらに設けられる。操作子は、ハードウェア的なスイッチでもよいし、表示デバイスと一体的に構成され、接触した位置に応じた制御信号を出力する、所謂タッチパネルとしてもよい。
【0021】
スキャン配信アプリケーション10は、画像読取部20と、配信先サーバ情報設定部21と、配信先サーバ情報保持部22と、管理者用サーバ情報設定部23と、管理者用サーバ情報保持部24と、配信データ生成部25と、配信データ配信部26と、配信ログデータ保持部27と、配信ログデータ出力部28とを有する。画像読取部20は、ハードウェアとしての画像読取機構による原稿画像の読み取り動作を制御し、読み取った画像データに対して所定の画像処理を施して出力する。
【0022】
配信先サーバ情報設定部21は、配信先サーバ3に関する情報を設定する。配信先サーバ情報保持部22は、設定された配信先サーバ3に関する情報を保持する。例えば、配信先サーバ情報設定部21は、表示部11に対して配信先サーバ3に関する情報の入力を促す配信先サーバ情報設定画面を表示させる。この表示に従い入力された情報が、配信先サーバ情報保持部22により保持される。配信先サーバ3に関する情報は、例えば、配信先サーバ3における画像データの格納場所を示す情報や、当該格納場所にアクセスするために必要な認証情報を含む。
【0023】
管理者用サーバ情報設定部23は、管理者用サーバ4に関する情報を設定する。管理者用サーバ情報保持部24は、設定された管理者用サーバ4に関する情報を保持する。例えば、管理者用サーバ情報設定部23は、表示部11に対して管理者用サーバ4に関する情報の入力を促す管理者用サーバ情報設定画面を表示させる。この表示に従い入力された情報が、管理者用サーバ情報保持部24に保持される。管理者用サーバ4に関する情報は、例えば、管理者用サーバ4における配信ログの格納場所を示す情報や、当該格納場所にアクセスするために必要な認証情報を含む。
【0024】
配信データ生成部25は、画像読取部20から出力された画像データから、配信先サーバ3に配信するための配信データを生成する。例えば、配信データ生成部25は、画像データに対してファイル名を付与すると共に、所定の属性情報を付加して配信データとする。
【0025】
配信データ配信部26は、配信データ生成部25で生成された配信データを、配信先サーバ3に対して送信する。このとき、配信データ配信部26は、配信先サーバ情報保持部22に保持された配信先サーバ3に関する情報に従い、配信データを、配信先サーバ3当該配信データを格納するように設定された格納場所に配信する。配信データ配信部26は、配信データを配信した際に、当該配信データの、配信先サーバ3上での所在を示すファイルパスを生成する。
【0026】
配信ログデータ保持部27は、配信データ配信部26で配信データの配信に際して生成された、当該配信データの配信に関する情報を含む配信ログデータを保持する。配信ログデータ出力部28は、管理者用サーバ4上の配信ログにアクセスし、配信ログに対して、配信ログデータ保持部27に保持される配信ログデータを追加する。
【0027】
配信先サーバ3は、配信データ保持部31を有する。配信データ保持部31は、画像読取装置1の配信データ配信部26から配信された配信データを保持する。
【0028】
管理者用サーバ4は、配信ログ保持部41および配信ログ提示部42を有する。配信ログ保持部41は、画像読取装置1の配信ログデータ出力部28から送信された配信ログを保持する。この配信ログ保持部41は、管理者用サーバ4が有する記憶媒体上の、例えば他の機器からのアクセスが許可された共用ディレクトリである。
【0029】
配信ログ提示部42は、配信ログ保持部41により保持された配信ログを、他のコンピュータから閲覧可能な形式に変換して、配信ログを他のコンピュータに対して提示するための提示情報を生成し、この提示情報を、記憶媒体の所定の格納場所に記憶する。また、配信ログ提示部42は、配信ログに記録される、配信先サーバ3に配信された配信データに対するアクセス情報に基づき、他のコンピュータから当該配信ログを閲覧している状態で当該他のコンピュータが当該配信データにアクセス可能とする情報(リンク情報と呼ぶ)を、提示情報内の当該アクセス情報に対して付加する。
【0030】
クライアント5は、配信ログ表示部51を有する。配信ログ表示部51は、管理者用サーバ4により生成された提示情報にアクセスして、配信ログの一覧表示を行う。また、配信ログ表示部51は、提示情報内のアクセス情報に付加されるリンク情報に従い配信先サーバ3の配信データ保持部31にアクセスし、当該アクセス情報に示される配信データを取得することができる。提示情報がHTML(Hyper Text Markup Language)形式で記述されている場合、配信ログ表示部51としては、Webブラウザを用いることができる。
【0031】
図3は、画像読取装置1の表示部11に表示される表示の例を示す。図3(a)は、管理者用サーバ4および配信先サーバ3のうち何れの情報を設定するかを選択する選択画面60の例を示す。この例では、表示部11に表示された選択画面60に対して複数のボタン100、ならびに、ボタン1011、1012、…、101m、…、101nが配置されている。これらのうち、ボタン100は、管理者用サーバ4に関する情報を設定する画面を表示させる。一方、ボタン1011、1012、…、101m、…、101nは、それぞれ配信先サーバ3に関する情報を設定する画面を表示させる。
【0032】
図3(b)は、管理者用サーバ4に関する情報の設定を行う管理者用サーバ情報設定画面61の例を示す。この管理者用サーバ情報設定画面61は、ボタン100を操作した場合に、管理者用サーバ情報設定部23により表示される。管理者用サーバ情報設定画面61は、管理者用サーバ4に関する情報として、コンピュータ名110、ドメイン名111、共有名112、ユーザ名113、ディレクトリ名114およびパスワード115を入力する入力部がそれぞれ設けられる。
【0033】
各入力部に対してそれぞれの情報を入力し、OKボタン116を操作することで、各入力部に入力された情報が確定され、管理者用サーバ情報保持部24に保持される。キャンセルボタン117を操作することで、この管理者用サーバ情報設定画面61における操作をキャンセルし、例えば選択画面60に表示を戻すことができる。
【0034】
管理者用サーバ情報設定画面61において、コンピュータ名110は、管理者用サーバ4に付与された名前である。ドメイン名111は、ネットワーク2内で管理者用サーバ4を識別するための識別情報である。共有名112は、後述するディレクトリ名114で指定されるディレクトリを他のコンピュータから共有できるようにする際の、当該ディレクトリに付与される名前である。共有名を付与され共有利用が可能とされたディレクトリを、共有ディレクトリと呼ぶ。
【0035】
ユーザ名113は、共有ディレクトリに対してこの画像読取装置1からアクセスする際の識別情報であり、パスワード115と組み合わせて用いる。ここでは、ユーザ名113として、例えば後述するディレクトリ名114で指定されるディレクトリに対して管理者権限でアクセス可能な名前「admin」が入力される。ディレクトリ名114は、配信ログが記憶されるディレクトリの名前である。すなわち、この管理者用サーバ設定画面61により、画像読取装置1から管理者用サーバ4における配信ログの格納場所にアクセスするための情報が設定される。
【0036】
図3(c)は、配信先サーバ3に関する情報の設定を行う配信先サーバ情報設定画面62の例を示す。この配信先サーバ情報設定画面62は、ボタン1011、1012、…、101m、…、101nのうち何れか1つを操作した場合に、配信先サーバ情報設定部21により表示される。
【0037】
ここで、図3(a)に示す複数のボタン1011、1012、…、101m、…、101nは、それぞれ業務に対応しており、画像読取部20で原稿画像を読み取って得られた画像データの用途を選択することができる。画像データの用途としては、例えば「図面」、「伝票」、「物件情報」、「報告書」、「契約書」および「個人文書」が考えられる。ボタン1011、1012、…、101m、…、101nは、これら各用途をそれぞれ業務に対応付けている。
【0038】
配信先サーバ情報設定画面62では、配信先サーバ3に関する情報として、コンピュータ名120、ドメイン名121、共有名122、ユーザ名123、ディレクトリ名124およびパスワード125を設定することができる。
【0039】
各入力部に対してそれぞれの情報を入力し、OKボタン126を操作することで、各入力部に入力された情報が確定され、これらの情報が業務を示す情報と関連付けられて配信先サーバ情報保持部22に保持される。キャンセルボタン117を操作することで、この管理者用サーバ情報設定画面61における操作をキャンセルし、例えば選択画面60に表示を戻すことができる。
【0040】
配信先サーバ情報設定画面62において、コンピュータ名120は、配信先サーバ3に付与された名前である。ドメイン名121は、ネットワーク2内で配信先サーバ3を識別するための識別情報である。共有名122は、後述するディレクトリ名124で指定されるディレクトリを共有ディレクトリとする際の、当該ディレクトリに付与される名前である。
【0041】
ユーザ名123は、共有ディレクトリをこの画像読取装置1からアクセスする際の識別情報であり、パスワード125と組み合わせて用いる。例えば、この画像読取装置1においてユーザ認証が必要な場合には、認証情報として登録されたユーザ名123およびパスワード125がそれぞれ入力される。図3(c)の例では、ユーザ名123として、名前「user」が入力される。なお、画像読取装置1においてユーザ認証が不要な場合には、このユーザ名123は、空値となる。
【0042】
ディレクトリ名124は、配信データが記憶されるディレクトリの名前である。すなわち、この配信先サーバ設定画面62により、配信データを、画像読取装置1から配信先サーバ3における配信データの格納場所に配信するための情報が設定される。
【0043】
また、ボタン1011、1012、…、101m、…、101n毎に、配信先サーバ3の異なる情報を設定することができる。例えば、ボタン1011、1012、…、101m、…、101n毎に異なるディレクトリ名124を設定することで、画像データの用途毎に配信データの格納先を変えることができる。
【0044】
なお、上述した管理者用サーバ情報設定画面61および配信先サーバ情報設定画面62の各入力部に対する入力は、ユーザが直接的に行ってもよいし、予め入力された値から選択するようにもできる。これに限らず、各入力値を固定値としてユーザが変更できないようにしてもよい。
【0045】
図4および図5を用いて、本第1の実施形態によりクライアント5の配信ログ表示部51による表示の例について説明する。図4は、閲覧する配信ログを選択する配信ログ選択画面130の例を示す。配信ログ選択画面130に表示される項目131、ならびに、項目1321、1322、1323、…は、選択された項目に対応する配信ログ画面を表示する。
【0046】
図4の例では、ネットワーク2に対して複数の画像読取装置1、1、…が接続されているものとし、項目131を選択することで、ネットワーク2に接続される全ての画像読取装置1、1、…の配信ログを含む配信ログ表示画面が表示される。一方、項目1321、1322、…は、各画像読取装置1、1、…のうち選択された項目に対応する個別の画像読取装置1の配信ログによる配信ログ画面が表示される。
【0047】
図5は、配信ログ画面140の一例を示す。この例は、図4の配信ログ選択画面130において項目131が選択された場合の例である。この例では、配信ログの表示項目として、「No(ログナンバ)」、「配信日時」、「ユーザ」、「業務名」、「配信ファイルパス」および「機器名」が表示され、1のレコードがこれらの項目を含むことが示されている。配信ログは、ネットワーク2に接続される画像読取装置1、1、…による配信データの配信履歴が記録される。後述する、配信データの配信時に生成される1の配信ログデータが1のレコードとして、配信ログに対して順次追加される。
【0048】
図6は、配信ログを構成する項目の例を示す。配信ログの項目のうち、「ログナンバ(ログNo.)」は、配信ログに含まれる配信ログデータ(レコード)を識別するための識別情報であり、例えば通し番号を用いることができる。例えば、新規に追加される配信ログデータのログナンバは、配信ログに記録される最も新しいログナンバに1を加えた値を用いる。なお、配信ログは、ネットワーク2に複数の画像読取装置1、1、…が接続される場合、各画像読取装置1、1、…から配信データが配信される毎に、配信ログデータが追加される。すなわち、配信ログは、複数の画像読取装置1、1、…による配信ログデータを含むことができる。
【0049】
「配信日時」は、配信データの配信日時を示す。「ユーザ名」は、この画像読取装置1がユーザ認証を必要とする場合に例えば配信データの配信処理を行ったユーザのユーザ名が記述される。「業務名」は、配信データに対して設定された業務名が記述される。「配信パス」は、配信データのファイルパスが記述される。ここでは、ファイルパスとして、ファイル名を含む、ネットワーク2上でのファイルの所在を特定可能な情報がファイルパスとして用いられている。「機器名」は、画像読取装置1に対して予め設定されているホスト名が記述される。このホスト名は、少なくともネットワーク2に接続される各画像読取装置1に対して一意に設定される。
【0050】
図5において、配信ファイルパスの項目に表示される各ファイルパスには、当該ファイルパスに示されるファイルに対するリンクが設定されている。ユーザは、クライアント5から所望のファイルのリンクを指定することで、クライアント5上で当該ファイルに直接的にアクセスすることができる。また、図5の表示において、クライアント5上で各項目名を指定することで、指定した項目名のデータをキーとして、レコードの表示がソートされる。
【0051】
なお、図示は省略するが、上述の配信ログ選択画面130において、項目1321、1322、…のうち何れかを選択すると、配信ログのレコードのうち、選択された項目に対応する機器名以外の機器名のレコードに対してフィルタが掛けられ、選択された項目に対応する機器名のレコードのみが選択的に配信ログ画面140に表示される。
【0052】
本第1の実施形態では、上述の配信ログ選択画面130および配信ログ画面140を、HTMLを用いて実現している。図7は、これら配信ログ選択画面130および配信ログ画面140を表示させるために必要なファイルの例を示す。ファイル「data.csv」は、配信ログが格納される。配信ログは、例えば、データをカンマで区切り、レコードをキャリッジリターンで区切ったcsv形式のデータとされる。
【0053】
ファイル「index.html」は、トップ画面すなわち図4に示した配信ログ選択画面130を表示させるファイルである。ファイル「all.html」は、項目131を選択した際に表示される、図5に示した全ての画像読取装置1、1、…からの配信ログデータによる配信ログを表示させるファイルである。複数のファイル「%機器(ホスト)名%.html」は、それぞれ個々の画像読取装置1の配信ログを選択的に表示させるファイルであり、ファイル名に各画像読取装置1の機器名が含まれる。ファイル「index.html」内に、ファイル「all.html」、ファイル「%機器(ホスト)名%.html」、…へのリンク情報が記述される。
【0054】
ファイル「all.html」およびファイル「%機器(ホスト)名%.html」は、csv形式のファイル「data.csv」を表示させるファイルである。例えば、管理者用サーバ4の配信ログ提示部42は、ファイル「data.csv」を解析して、HTMLを用いて表示可能な形式のデータに変換する。このファイル「data.csv」を解析および変換処理は、ファイル「data.csv」に対して動的に行われる。
【0055】
このような、csv形式のデータを動的にHTMLで表示可能な形式に変換するために、マイクロソフト社(登録商標)により提供されるデータバインド技術を用いることができる。データバインド技術によれば、HTMLファイル内にcsv形式のファイルのファイル名と、レコードの項目とを記述しておくことにより、外部ファイルからcsv形式のデータを読み込んで、各レコードを、データバインド技術に対応するブラウザに表示させることが可能となる。また、データバインド技術によれば、レコードの項目に対して他のファイルへのリンク情報を埋め込むことや、各項目のデータをキーにしたソートなども可能である。
【0056】
これに限らず、JavaScript(登録商標)など、HTML形式のデータに埋め込んで動作可能なプログラム言語を用いて当該変換処理を実現することも可能である。この場合、配信ログのデータ形式は、csv形式に限られない。
【0057】
また、この例では、ファイル「index.html」、「all.html」、「%機器(ホスト)名%.html」および「data.csv」は、同一のディレクトリに格納されるものとする。これに限らず、ファイル「index.html」と、ファイル「all.html」、「%機器(ホスト)名%.html」および「data.csv」とを、異なる階層のディレクトリに格納してもよい。
【0058】
図8は、本第1の実施形態による配信ログの出力処理を示す一例のフローチャートである。このフローチャートによる処理は、画像読取装置1において実行され、配信データの配信先サーバ3に対する配信が実行されると共に、上述したファイル「data.csv」およびファイル「index.html」の更新処理が行われる。
【0059】
なお、図8のフローチャートによる処理に先立って、図3(a)、図3(b)および図3(c)を用いて説明したようにして、配信先サーバ3および管理者用サーバ4の情報が設定され、設定された情報が配信先サーバ情報保持部22および管理者用サーバ情報保持部24にそれぞれ保持される。
【0060】
また、この画像読取装置1で画像データの配信処理を利用する際に、ユーザ認証を伴うログイン処理を行うようにできる。この場合、例えば、画像読取装置1は、ユーザ操作により画像データの配信処理を行うように指定された場合、ユーザ名およびパスワードの入力を促す入力画面を表示部11に対して表示させ、この表示に応じて入力されたユーザ名およびパスワードを取得する。そして、取得したユーザ名およびパスワードの組と、図示されないユーザ情報保持部に予め登録されたユーザ名およびパスワードの組とを比較し、一致するものがある場合に、画像データの配信処理の利用を許可する。
【0061】
ステップS100で、画像読取部20において原稿画像の読み取りが行われ、画像データが出力される。この画像データは、画像読取装置1が有するHDDなどの記憶媒体に一時的に格納される。
【0062】
次のステップS101から、ステップS100で得られた画像データの配信処理が開始される。ステップS102〜ステップS105で、配信データ生成部25により、配信ログデータに記録するための各情報が取得される。取得された各情報は、配信ログデータ保持部27に保持される。
【0063】
具体的には、配信データ生成部25は、ステップS102で、画像データの配信日時の情報を取得し、ステップS103で機器名を取得する。ステップS103で取得される機器名は、配信のホストとなる機器の名称、すなわち、この画像読取装置1自身に予め設定された機器名である。
【0064】
配信データ生成部25は、次に、ステップS104で業務名を取得する。例えば、配信データ生成部25は、読み取った画像データに関する業務名の入力を促す入力画面を表示部11に対して表示させ、この表示に応じて入力された業務名を取得する。これに限らず、ステップS100の画像読み取り処理を開始する際に、業務名を入力するようにしてもよい。なお、入力される業務名は、配信先サーバ3上の配信データの格納場所と関連付けられている必要がある。例えば、図3(c)の配信先サーバ情報設定画面62を用いて設定された業務名や、画像読取装置1に対して予め記憶された業務名から選択することが考えられる。
【0065】
配信データ生成部25は、次に、ステップS105でユーザ名を取得する。ユーザ名は、例えば、ステップS104と同様に、配信データ生成部25は、ユーザ名の入力を促す入力画面を表示部11に対して表示させ、この表示に応じて入力されたユーザ名を取得する。これに限らず、ステップS100の画像読み取り処理を開始する際に、ユーザ名を入力するようにしてもよい。ユーザ名を、予め登録された複数のユーザ名から選択するようにもできる。さらに、画像データの配信処理の利用開始時に上述したログイン処理を行う場合、このログイン処理の際に入力されたユーザ名を用いてもよい。
【0066】
ステップS102〜ステップS105での、配信データ生成部25による各情報の取得、ならびに、取得した情報の配信ログデータ保持部27に対する保持が終了したら、処理がステップS106に移行され、ステップS100で得られた画像データが配信データとして指定された配信先に配信される。
【0067】
一例として、配信データ生成部25は、配信ログデータ保持部27によりステップS104で保持された業務名に関連付けられた、配信先サーバ3におけるコンピュータ名120、共有名122、ユーザ名123、ディレクトリ名124およびパスワード125を取得する。ネットワーク2にドメイン名が設定されている場合には、ドメイン名121をさらに取得する。そして、取得した各情報から、配信データの配信先の格納場所を示すアドレス情報が生成されると共に、当該格納場所にアクセスするためのログイン情報が生成される。
【0068】
また、配信データ生成部25は、配信データを格納するファイルに対してファイル名を設定する。例えば、配信データ生成部25は、ファイル名の入力を促す入力画面を表示部11に対して表示させ、この表示に応じて入力されたファイル名を取得し、当該配信データのファイル名に設定する。これに限らず、配信データ生成部25がファイル名を、例えば日付や時刻情報といった一意と考えられる情報に基づき自動的に生成するようにもできる。
【0069】
配信データ配信部26は、以上のようにして配信データ生成部25で生成、取得されたアドレス情報、ログイン情報およびファイル名を用いて、配信データの配信先サーバ3に対する配信を行う。配信データは、配信先サーバ3の、アドレス情報で指定される格納場所に、ファイル名で識別されるファイルとして配信され格納される。
【0070】
配信データの配信が終了すると(ステップS107)、処理はステップS108に移行される。ステップS108では、配信データの配信に関する配信ログデータを生成するために、配信データ配信部26により、配信された配信データのファイルパス(配信ファイルパスと呼ぶ)が生成される。
【0071】
ファイルパスは、HDDなどコンピュータの外部記憶装置におけるファイルの所在を示す情報であり、本第1の実施形態では、ネットワーク2上で配信データの格納場所を示すアドレス情報と、当該ファイルのファイル名とから生成する。配信データのアドレス情報は、図3(c)に例示される配信先サーバ3の設定から生成することができる。
【0072】
一例として、配信データに対して付与されたファイル名が「20110131123056524.pdf」とした場合について説明する。図3(c)に示される配信先サーバ3の設定情報のうち、コンピュータ名120「pc1」、共有名122「share」およびディレクトリ名124「data」を順次組み合わせて、アドレス情報は、次の記述(1)のように記述される。
\\pc1\share\data …(1)
【0073】
この記述(1)にファイル名「20110131123056524.pdf」を追加した記述(2)が、このファイル名「20110131123056524.pdf」の配信データのファイルパスとなる。
\\pc1\share\data\20110131123056524.pdf …(2)
【0074】
配信データ配信部26により配信ファイルパスが生成されると、次のステップS109で、配信ログデータ出力部28により配信ログの出力処理が開始される。先ず、ステップS110で、配信ログデータ出力部28は、管理者用サーバ4の配信ログ保持部41に保持される配信ログにアクセスする。配信ログ保持部41のアドレス情報は、図3(b)の管理者用サーバ情報設定画面61で設定されたコンピュータ名110、ドメイン名111、共有名112およびディレクトリ名114で示される。
【0075】
例えば、配信ログ保持部41のアドレス情報は、記述(1)を用いて説明したように、図3(b)に示される管理者用サーバ4の設定情報のうち、コンピュータ名110「server」、共有名112「out」およびディレクトリ名114「/」を順次組み合わせてなる。配信ログのファイル名は、例えば「data.csv」に固定されているものとする。
【0076】
配信ログデータ出力部28は、図3(b)の管理者用サーバ情報設定画面61で設定されたコンピュータ名110、ドメイン名111、共有名112、ユーザ名113、ディレクトリ名114およびパスワード115を取得する。そして、配信ログデータ出力部28は、取得した各情報から、配信ログ保持部41のアドレス情報を生成する。
【0077】
また、配信ログデータ出力部28は、必要に応じて、当該アドレス情報に示される格納場所にアクセスするためのログイン情報を生成する。
【0078】
配信ログデータ出力部28は、このようにして生成されたアドレス情報に従い、配信ログ保持部41に保持される、配信ログが格納されるファイル「data.csv」にアクセスする。配信ログ保持部41にアクセスする際に、必要に応じてログイン情報が用いられる。
【0079】
配信ログデータ出力部28は、配信ログ(ファイル「data.csv」)に記録される最も新しい配信ログデータのログナンバを取得する。また、配信ログデータ出力部28は、ステップS102〜ステップS105で配信データ生成部25に取得された配信日時、機器名、業務名およびユーザ名、ならびに、ステップS108で配信データ配信部26で生成されたファイルパスを含む配信ログデータを生成する。
【0080】
なお、配信ログデータには、これら以外の情報を含めることができる。このとき、各配信ログデータに含める情報の項目を一致させておくことで、配信ログデータが順次追加されてなる配信ログにおいて、各項目の情報をキーとしてソートを行うことができる。
【0081】
次のステップS111で、配信ログデータ出力部28は、生成した配信ログデータを出力し、配信ログ保持部41に保持される配信ログ(ファイル「data.csv」)に対して追加する。当該配信ログデータに対応するログナンバは、ステップS110で取得したログナンバに対して1を加えた値とする。
【0082】
次のステップS112で、配信ログデータ出力部28は、管理者用サーバ4の所定のディレクトリに、自分の機器名をファイル名に含むファイル「%機器(ホスト)名$%.html」が存在するか否かを調べる。若し、存在すると判定されたら、処理はステップS115に移行され、一連の配信ログ出力処理が終了される。
【0083】
一方、ステップS112で、自分の機器名をファイル名に含むファイル「%機器(ホスト)名$%.html」が存在しないと判定された場合、処理はステップS113に移行される。ステップS113で、配信ログデータ出力部28は、自分の機器名をファイル名に含むファイル「%機器(ホスト)名$%.html」を、管理者用サーバ4の所定のディレクトリ上に作成する。
【0084】
例えば、配信ログデータ出力部28が予めファイル「%機器(ホスト)名$%.html」を持っており、このファイル「%機器(ホスト)名$%.html」を管理者用サーバ4の所定のディレクトリにコピーすることが考えられる。これに限らず、配信ログデータ出力部28が、プログラムに従いファイル「%機器(ホスト)名$%.html」に格納されるコードを管理者用サーバ4の所定のディレクトリ上に生成することで、当該ファイル「%機器(ホスト)名$%.html」を作成してもよい。
【0085】
次のステップS114で、配信ログデータ出力部28は、管理者用サーバ4の所定のディレクトリにある、トップ画面である配信ログ選択画面130を表示させるためのファイル「index.html」を編集し、ファイル「index.html」に対して、ステップS113で作成されたファイル「%機器(ホスト)名$%.html」へのリンクを追加する。例えば、配信ログデータ出力部28が当該リンクの記述を予め持ち、この記述をファイル「index.html」に挿入することが考えられる。これに限らず、配信ログデータ出力部28が、プログラムに従い、ファイル「%機器(ホスト)名$%.html」へのリンクを実現するコードをファイル「index.html」に出力するようにしてもよい。
【0086】
ステップS114の処理が終了すると、処理がステップS115に移行され、一連の配信ログ出力処理が終了される。
【0087】
以上の一連の処理により、管理者用サーバ4上の配信ログファイル「data.csv」の更新がなされると共に、必要に応じてHTMLファイル「%機器(ホスト)名$%.html」および「index.html」の作成および更新が行われる。これにより、図4および図5を用いて説明した、配信ログ選択画面130および配信ログ画面140をクライアント5の配信ログ表示部51に表示させることができる。
【0088】
このように、本第1の実施形態の画像読取装置1によれば、原稿画像を読み取った画像データによる配信データを配信先サーバ3に配信した際の、当該配信データのファイルパスを含む配信ログデータを生成する。そして、この配信ログデータが順次追加されてなる配信ログのクライアント5に対する表示において、配信ログデータに含まれるファイルパスに基づき配信データに対するリンクを表示させる。そのため、ユーザは、配信データの履歴を一覧表示により閲覧可能であると共に、配信ログ画面に表示されるリンクを指定することで、配信先サーバ3に格納される配信データに対して、クライアント5から直接的にアクセスすることができる。
【0089】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本第2の実施形態は、上述した第1の実施形態による画像読取装置1を、画像読取機能、印刷機能、FAX機能、複写機能といった複数の機能を統合させた複合機200に適用させた例である。図9は、本第2の実施形態による複合機200の一例の構成を示す。
【0090】
制御部210において、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)220に対して、CPU(Central Processing Unit)221と、RAM(Random Access Memory)222と、HDD(Hard Disk Drive)223と、PCI(Peripheral Component Interconnect Bus)バス215および230とが接続される。
【0091】
PCIバス230に対して、例えばシリアルI/F240と、NIC(Network Interface Card)241と、USBデバイス242と、USBホストコントローラ243とが接続されると共に、その他のH/W(ハードウェア)244が接続される。
【0092】
ASIC220は、CPU221と、RAM222、HDD223およびPCIバス230との間の通信の調停を行う。HDD223は、各種データや、CPU221が動作するためのプログラムが予め格納される。CPU221は、HDD223に格納されるプログラムに従い、RAM222をワークメモリとして用いて、この画像形成装置1の全体の動作を制御する。このとき、プログラムの動作に伴い生成される中間データをHDD223に一時的に格納してもよい。また、HDD223は、後述する、PCIバス215を介して供給される画像データなどを格納する。また、ユーザ操作に応じた操作部214からの制御信号が、ASIC220を介してCPU221に供給される。これにより、ユーザ操作に応じた複合機200の制御が可能となる。
【0093】
図2に示したスキャン配信アプリケーション10は、CPU221上で動作するプログラムとして実現される。スキャン配信アプリケーション10に含まれる各部(画像読取部20、配信先サーバ情報設定部21、配信先サーバ情報保持部22、管理者用サーバ情報設定部23、管理者用サーバ情報保持部24、配信データ生成部25、配信データ配信部26、配信ログデータ保持部27および配信ログデータ出力部28)は、例えばそれぞれこのプログラムのモジュールとして実現される。また、配信先サーバ情報保持部22、管理者用サーバ情報保持部24および配信ログデータ保持部27は、例えばHDD223やRAM222にそれぞれの情報を保持する。
【0094】
シリアルI/F240は、例えばRS−232Cといったシリアル通信のためのインターフェイスである。NIC241は、インターネットやLAN(Local Area Network)に対する通信を制御する。USBデバイス242は、この画像形成装置1に内蔵され、固定的に用いられるUSB機器である。USBホストコントローラ243は、USBによるバスの管理を行い、外部機器としてのUSB機器を接続することができる。
【0095】
PCIバス215に対して、スキャナ装置211、プロッタ装置212およびFAX制御ユニット213が接続される。スキャナ装置211は、図2の画像読取部20に制御される画像読取機構を有し、原稿画像を読みとって画像データとして出力する。出力された画像データは、PCIバス215およびASIC220を介してCPU221に供給され、HDD23に格納される。プロッタ装置212は、例えばHDD223から読み出された画像データがASIC220およびPCIバス215を介して供給され、この画像データに基づき用紙に対して印字処理を行う。FAX制御ユニット213は、例えば公衆電話回線と接続され、スキャナ装置211で読み取った原稿画像を、指定した送信先に送信する。
【0096】
PCIバス215に対して、さらに、電源ユニット250が接続される。電源ユニット250は、CPU221の制御に従い、この複合機200の各部に電源を供給する。
【0097】
なお、本第2の実施形態の複合機200で実行される制御プログラムは、図示されないROMなどに予め組み込まれて提供される。
【0098】
これに限らず、本第1の実施形態の画像読取装置1(複合機200)で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)、フレキシブルディスク(FD)、DVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0099】
さらに、本第1の実施形態の画像読取装置1(複合機200)で実行される制御プログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本第1の実施形態の画像読取装置1(複合機200)で実行される制御プログラムをインターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0100】
本第2の実施形態の複合機200で実行される制御プログラムは、上述した各部(画像読取部20、配信先サーバ情報設定部21、配信先サーバ情報保持部22、管理者用サーバ情報設定部23、管理者用サーバ情報保持部24、配信データ生成部25、配信データ配信部26、配信ログデータ保持部27および配信ログデータ出力部28)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU221が例えばROMやHDD223から制御プログラムを読み出して実行することによりこれら各部が主記憶装置(例えばRAM222)上にロードされ、画像読取部20、配信先サーバ情報設定部21、配信先サーバ情報保持部22、管理者用サーバ情報設定部23、管理者用サーバ情報保持部24、配信データ生成部25、配信データ配信部26、配信ログデータ保持部27および配信ログデータ出力部28が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0101】
1 画像読取装置
2 ネットワーク
3 配信先サーバ
4 管理者用サーバ
5 クライアント
10 スキャン配信アプリケーション
11 表示部
20 画像読取部
21 配信先サーバ情報設定部
22 配信先サーバ情報保持部
23 管理者用サーバ情報設定部
24 管理者用サーバ情報保持部
25 配信データ生成部
26 配信データ配信部
27 配信ログデータ保持部
28 配信ログデータ出力部
31 配信データ保持部
41 配信ログ保持部
42 配信ログ提示部
51 配信ログ表示部
60 選択画面
61 管理者用サーバ情報設定画面
62 配信先サーバ情報設定画面
130 配信ログ選択画面
140 配信ログ画面
200 複合機
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2006−135496号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続される第1のサーバ上のデータ格納場所を示すアドレス情報を指定する指定手段と、
原稿画像を読み取って得られた画像データを、前記指定手段で指定された前記アドレス情報に示される前記データ格納場所に対して配信する画像データ配信手段と、
前記画像データのファイル名と、該画像データが送信される前記データ格納場所を示す前記アドレス情報とからなるファイルパス情報を含むログデータを生成する生成手段と、
ネットワークを介して接続される第2のサーバ上の配信ログに対して前記ログデータを追加するログ編集手段と
を有する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記生成手段は、
前記ログデータに対して、さらに、前記ログデータに記述される前記画像データが前記第1のサーバに送信された日時を示す配信日時情報と、該画像データの前記第1のサーバへの送信を行ったユーザを示すユーザ情報と、該画像データの用途を示す用途情報と、自身を識別するための機器識別情報とを含める
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記生成手段は、
前記第2のサーバ上で前記配信ログを前記ログデータに含まれる各情報をキーとしてソート可能に前記ログデータを生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記ログ編集手段は、
前記第2のサーバ上の、他のコンピュータからネットワークを介したアクセスが許可されている共用フォルダ上の前記配信ログに対して前記ログデータを追加する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記ログ編集手段は、
前記第2のサーバに対してネットワークを介して接続されるコンピュータから閲覧可能な形式に変換される前記配信ログに対して、前記ログデータを追加する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
ネットワークを介して接続される第1のサーバ上のデータ格納場所を示すアドレス情報を指定する指定ステップと、
原稿画像を読み取って得られた画像データを、前記指定ステップで指定された前記アドレス情報に示される前記データ格納場所に対して配信する画像データ配信ステップと、
前記画像データのファイル名と、該画像データが送信される前記データ格納場所を示す前記アドレス情報とからなるファイルパス情報を含むログデータを生成する生成ステップと、
ネットワークを介して接続される第2のサーバ上の配信ログに対して前記ログデータを追加するログ編集ステップと
を画像読取装置を制御するコンピュータに実行させるための画像読取装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−186543(P2012−186543A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46537(P2011−46537)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】