画像読取装置及び画像形成装置
【課題】 画像読取装置の高さ寸法の小型化を可能とする。
【解決手段】 歯車機構223の下方側を覆う歯車カバー225に下方側に突出する第1突出部225B等を設ける。これにより、第1突出部225B等によって形成された収納空間225Aに歯車機構223を収納することが可能となる。したがって、例えば、原稿の表裏両面を読み取る両面搬送機構等の機構が付加されて歯車の数が増大して歯車機構223が大きくなった場合や電動モータ223Aとして大きな電動モータを配置せざるを得ない場合等であっても、画像読取装置200の高さ寸法の小型化を図ることが可能となる。
【解決手段】 歯車機構223の下方側を覆う歯車カバー225に下方側に突出する第1突出部225B等を設ける。これにより、第1突出部225B等によって形成された収納空間225Aに歯車機構223を収納することが可能となる。したがって、例えば、原稿の表裏両面を読み取る両面搬送機構等の機構が付加されて歯車の数が増大して歯車機構223が大きくなった場合や電動モータ223Aとして大きな電動モータを配置せざるを得ない場合等であっても、画像読取装置200の高さ寸法の小型化を図ることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静止原稿読取機能及び自動搬送原稿読取機能を有する画像読取装置、並びにこの画像読取装置を備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動搬送原稿読取機能が実行される際に、原稿を自動搬送する原稿搬送機構は、例えば特許文献1に示されるように、複数の歯車からなる歯車列を必要とする。
【特許文献1】特開2007−84326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、歯車の数が増大して歯車列が大きくなると、原稿搬送機構の大型化、特に、画像読取装置の高さ寸法の大型化を招いてしまうおそれが高い。
本発明は、上記点に鑑み、画像読取装置の高さ寸法の小型化が可能な画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、静止状態で載置された原稿を読み取る静止原稿読取機能、及び自動搬送されてきた原稿を読み取る自動搬送原稿読取機能を有する画像読取装置であって、静止原稿読取機能にて読み取られる原稿が載置されるとともに水平方向に拡がる平板状の読取窓(202A)を有する原稿台(201)と、読取窓(202A)を上方側から覆う第1ポジションと読取窓(202A)の上方側を開放する第2ポジションとの間で揺動変位する原稿カバー(203)と、原稿カバー(203)を原稿台(201)に対して揺動可能に連結するヒンジ部(203A)と、原稿カバー(203)に設けられ、自動搬送原稿読取機能が実行される際に、読取窓(202A)側に原稿を自動搬送する原稿搬送機構(220)とを備え、原稿搬送機構(220)は、原稿に搬送力を付与する搬送ローラ(221)、搬送ローラ(221)の軸方向端部側に設けられ、搬送ローラ(221)に回転力を伝達する複数の歯車からなる歯車列(223)、歯車列(223)を保持する歯車ホルダ(224)、及び少なくとも歯車列(223)の下方側を覆うことにより、歯車列(223)を収納する収納空間(225A)を形成する歯車カバー(225)を有しており、さらに、歯車カバー(225)には、原稿台(201)の上端面位置(P1)より下方側に突出して収納空間(225A)の一部を形成する突出部(225B〜225D)が設けられていることを特徴とする。
【0005】
これにより、請求項1に記載の発明では、原稿台(201)の上端面位置(P1)より下方側に突出した突出部(225B〜225D)によって形成された収納空間(225A)に歯車列(223)を収納することが可能となるので、例えば、両面搬送機構等の機構が付加されて歯車の数が増大して歯車列が大きくなった場合や駆動源に大きなモータを設置して歯車の収容スペースが限られるような場合等であっても、画像読取装置の高さ寸法の小型化を図ることが可能となる。
【0006】
さらに、原稿台(201)の上端面位置より下方側に突出した突出部(225B〜225D)が、静止原稿読取機能にて原稿の読取を行う場合に読取窓(202A)に外光が進入してしまうことを防止する遮光部材としての役割も果たすので、外光の進入による読取不良を未然に低減することも可能となる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明のごとく、歯車ホルダ(224)の下端位置(P2)を、原稿台(201)の上端面位置(P1)と同一又は低くすれば、画像読取装置の高さ寸法の小型化を確実に実現することができる。
【0008】
また、請求項3に記載の発明では、ヒンジ部(203A)は、歯車ホルダ(224)に固定されていることを特徴とする。
これにより、請求項3に記載の発明では、ヒンジ部(203A)を固定するために、別途、ヒンジ固定用ホルダ等を設けることなく、ヒンジ部(203A)を歯車カバー(225)に組み付け固定することができるので、画像読取装置の部品点数の増加を抑制することができる。
【0009】
ところで、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像読取装置では、歯車カバー(225)に突出部(225B〜225D)を設けたので、例えば画像読取装置の搬送時に、歯車カバー(225)や突出部(225B〜225D)が何らかに衝突し易くなり、歯車カバー(225)が損傷してしまうおそれがある。
【0010】
これに対して、請求項4に記載の発明では、突出部(225B〜225D)は、歯車列(223)側が開放された箱状に形成されていることを特徴としているので、歯車カバー(225)それ自体の機械的強度を向上させることができる。したがって、画像読取装置の搬送時に突出部(225B〜225D)等が何らかに衝突しても歯車カバー(225)が損傷してしまうことを抑制できる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明では、歯車ホルダ(224)は、金属製であり、かつ、ヒンジ部(203A)と歯車ホルダ(224)とにより歯車カバー(225)が挟まれた状態でヒンジ部(203A)が歯車ホルダ(224)に固定されており、さらに、歯車カバー(225)のうち突出部(225B、225C)側には、歯車ホルダ(224)を歯車カバー(225)に固定する固定部(224C)が設けられていることを特徴とする。
【0012】
これにより、請求項5に記載の発明では、歯車カバー(225)と金属製の歯車ホルダ(224)とが一体化された構成となるので、歯車カバー(225)の機械的強度を向上させることができる。したがって、原稿カバー(203)を揺動させた場合や原稿カバー(203)に大きな外力が作用した場合であっても、ヒンジ部(203A)が組み付けられた歯車カバー(225)に損傷が発生することを抑制できる。
【0013】
また、請求項6に記載の発明では、原稿台(201)は、原稿カバー(203)が第1ポジションに位置する際に、突出部(225B〜225D)と対向するように突出部(225B〜225D)の突出方向と略平行となる第1壁部(203D)、及び原稿カバー(203)が第1ポジションに位置する際に、突出部(225B〜225D)と対向するように突出方向と略直交する第2壁部(203E)を有していることを特徴とする。
【0014】
これにより、請求項6に記載の発明では、原稿カバー(203)を揺動させた場合や画像読取装置が梱包された状態において落下する等して原稿カバー(203)に大きな外力が作用した場合であっても、突出部(225B〜225D)と第1壁部(203D)又は第2壁部(203E)とが接触することにより、ヒンジ部(203A)に作用する力を緩和することができるので、ヒンジ部(203A)が損傷してしまうことを抑制できる。
【0015】
また、請求項7に記載の発明では、ヒンジ部(203A)を挟んで両側に突出部(225B、225C)が設けられていることを特徴とする。
これにより、請求項7に記載の発明では、機械的強度が増大した突出部(225B、225C)がヒンジ部(203A)を挟んで両側に存在することとなるので、ヒンジ部(203A)に大きな外力が作用しても、歯車カバー(225)が損傷してしまうことを抑制できる。
【0016】
なお、請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の画像読取装置(200)と、記録シートに画像を形成する画像形成部(100)とを備えることを特徴とするものである。
【0017】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段に限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本実施形態は、画像読取装置(スキャナ部)及び画像形成部(プリンタ部)を兼ね備える画像形成装置(複合機)に本発明を適用したものであり、以下に本実施形態を図面と共に説明する。
【0019】
1.図面の説明
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の全体斜視図であり、図2は原稿カバー203が開かれた状態を示す斜視図であり、図3は画像読取装置200の上面図であり、図4は原稿搬送機構220の歯車機構223を示す斜視図であり、図5は図4のA矢視図であり、図6は収納空間225Aを示す斜視図である。
【0020】
また、図7は図3のA−A断面図であり、図8は原稿カバー203を下方側から見た斜視図であり、図9はヒンジ機構203A、203Bを取り外した原稿カバー203を下方側から見た斜視図である。
【0021】
さらに、図10は歯車ホルダ224を取り外した収納空間225Aを示す斜視図であり、図11は歯車ホルダ224を取り外した収納空間225Aの上面図であり、図12は図11のA−A断面図であり、図13は図6のA−B−C−D−E−F断面図であり、図14は原稿カバー203を取り外した状態を示す画像読取装置200の斜視図である。
【0022】
2.画像形成装置の概略構成
本実施形態に係る画像形成装置1は、図1に示すように、印刷用紙等の記録シートに画像を形成する画像形成部100の上方側に、原稿に記載された文字等の画像を読み取る画像読取装置200が設けられたものである。なお、本実施形態に係る画像形成部100は、現像剤を記録シートの転写することにより、記録シートに画像を形成する電子写真方式の画像形成手段である。
【0023】
3.画像読取装置
画像読取装置200は、静止状態で載置された原稿を読み取る静止原稿読取機能(フラットベッド読取機能)、及び自動搬送されてきた原稿を読み取る自動搬送原稿読取機能(ADF読取機能)を有している。
【0024】
そして、画像読取装置200の原稿台201には、図2に示すように、静止原稿読取機能用の第1読取窓202Aが設けられており、この第1読取窓202Aは、水平方向に拡がる平板状のガラスやアクリル等の透明な部材にて構成されている。
【0025】
また、原稿台201の上面側には、第1読取窓202Aを上方側から覆う第1ポジション(図1に示す状態)と第1読取窓202Aの上方側を開放する第2ポジション(図2に示す状態)との間で揺動変位する原稿カバー203が設けられており、この原稿カバー203は、ヒンジ機構203A、203Bにより原稿台201に揺動可能に連結されている。
【0026】
因みに、静止原稿読取機能を用いて原稿読取を行う場合には、利用者が手動操作にて原稿カバー203を上方側に開いて第1読取窓202Aに原稿を載置する必要がある。
また、原稿台201内のうち第1読取窓202Aを挟んで原稿カバー203と反対側、つまり第1読取窓202Aの下方側には、原稿に照射されて反射した光を受光し、その受光した光に基づいて電気信号を発する画像撮像素子(図示せず。)が配設されており、画像読取装置200は、画像撮像素子を介して原稿に記載された文字等の画像を電気信号に変換して画像を読み取っていく。
【0027】
また、画像撮像素子は、原稿台201の長手方向(図2の左右方向)に移動可能に原稿台201に組み付けられている。そして、画像撮像素子は、自動搬送原稿読取機能の作動時には、自動搬送原稿読取機能用の第2読取窓202Bの直下に停止配置された状態で第2読取窓202B上を通過していく原稿の画像を読み取り、一方、静止原稿読取機能作動時には、第1読取窓202Aの直下で移動しながら第1読取窓202Aに載置された原稿の画像を読み込んでいく。
【0028】
なお、第2読取窓202Bは、原稿カバー203に対して第1読取窓202Aと同一側に設けられ、かつ、原稿台201の長手方向一端側(図2の左端側)に設定された帯板状の読取窓である。因みに、本実施形態では、第1読取窓202Aと第2読取窓202Bとは互いに独立した別個の読取窓として設けられているが、例えば、第1読取窓202Aと第2読取窓202Bとを1つの部材にて構成し、原稿台201の長手方向一端側に第2読取窓202B用の領域を設定してもよい。
【0029】
そして、原稿カバー203のうち第2読取窓202Bに対応する部位には、原稿を自動搬送する原稿搬送機構(オートドキュメントフィーダ)220が設けられている。
すなわち、原稿搬送機構220は、原稿カバー203の上面部に設定された原稿トレイ204(図3参照)に載置された原稿を1枚ずつ第2読取窓202Bに向けて自動搬送するとともに、読み取りが完了した原稿を原稿トレイ204の上方側に設けられた排出トレイ205(図3の斜線部)に自動排出するものである。
【0030】
なお、本実施形態に係る排出トレイ205は格納可能な構成となっており、図1〜図3では、排出トレイ205が格納された状態として描かれている。このため、本実施形態に係る画像読取装置200において原稿搬送機構220にて原稿を読み取る際には、格納されている排出トレイ205を起こすように原稿トレイ204側(図3の右側)に揺動させて、排出トレイ205を原稿トレイ204の上方側に配置した後、原稿搬送機構220を作動させる必要がある。
【0031】
また、原稿搬送機構220は、周知のごとく、原稿トレイ204に積層された原稿を1枚ずつ分離する分離機構(図示せず。)、分離機構にて分離された原稿を第2読取窓202Bに搬送する第1搬送機構(図示せず。)、及び画像読取が完了した原稿を排出トレイ205に搬送する第2搬送機構(図示せず。)等から構成されている。
【0032】
そして、分離機構及び第1、2搬送機構それぞれは、原稿に接触して原稿に搬送力を付与する搬送ローラ221(図4参照)等を有して構成されており、これらの搬送ローラ221の軸方向(画像読取装置200の前後方向)端部側には、図4に示すように、各搬送ローラ221に回転力を伝達する複数の歯車からなる歯車列223(以下、歯車機構223という。)が設けられている。
【0033】
因みに、電動モータ223Aは、搬送ローラ221を回転させるための駆動源であり、この電動モータ223Aの回転力は、歯車223B、223C等の歯車を介して各搬送ローラ221に伝達される。また、電磁ソレノイド222は、回転力の伝達経路や原稿の搬送経路等を切り替えるためのアクチュエータである。
【0034】
また、歯車機構223を構成する各歯車は、図4及び図5に示すように、歯車ホルダ224に組み付けられた軸(図示せず。)を介して歯車ホルダ224に保持されており、この歯車ホルダ224は、図6に示すように、各歯車を保持するため保持壁部224A及び歯車ホルダ224を歯車カバー225に組付固定するための台座プレート部224Bを有して構成されている。
【0035】
なお、本実施形態に係る歯車ホルダ224は、SPCC等の鉄系金属板にプレス加工を施すことにより、保持壁部224Aと台座プレート部224Bとが互いに略直交するようにその断面形状が略L字状に形成されたものである。
【0036】
そして、保持壁部224Aは、その壁面が鉛直方向及び原稿の搬送方向(本実施形態では画像読取装置200の前後方向)と平行となるように略帯状に形成され、台座プレート部224Bは、原稿の搬送方向と平行な方向に帯状に延びるとともに、ネジ224C等の機械的締結手段により、その長手方向両端側が歯車カバー225に着脱可能に固定されている。
【0037】
また、歯車カバー225は、HIPS(High Impact Polystyrene)等の樹脂にて、原稿カバー203の筐体フレーム203Gと共に一体成形されており、この歯車カバー225は、図7に示すように、歯車機構223の下方側を覆うことにより、歯車機構223を収納する収納空間225Aを形成している。
【0038】
なお、収納空間225Aの上方側は、図8及び図9に示すように、上歯車カバー226により覆われており、この上歯車カバー226は、原稿カバー203(筐体フレーム203G)に着脱可能に組み付けられた樹脂製カバーである。
【0039】
そして、歯車カバー225には、図7及び図10〜図12に示すように、原稿台201の上端面位置P1(図7参照)より下方側に突出して収納空間225Aの一部を形成する第1〜3突出部225B〜225Dが形成されているとともに、第1突出部225B及び第3突出部225Dには、ネジ224Cが螺合する雌ねじ部が形成されたボス部225E(図10参照)が歯車カバー225に一体形成されている。
【0040】
また、第1〜3突出部225B〜225Dは、図12に示すように、歯車機構223側、つまり上方側が開放された箱状(六面体状)に形成されているとともに、各突出部225B〜225D内は、図10及び図11に示すように、各突出部225B〜225Dを補強する補強壁225Fが一体成形されている。
【0041】
そして、歯車ホルダ224の台座プレート部224Bは、図13に示すように、歯車カバー225のうち第1〜3突出部225B〜225D以外の部位に接触した状態で歯車カバー225に固定され、一方、ヒンジ機構203Aは、歯車カバー225のうち第1突出部225Bと第2突出部225Cとの間の部位を貫通して台座プレート部224Bに締め込まれたネジ203Cにより歯車ホルダ224に固定されている。
【0042】
このため、本実施形態では、歯車カバー225は、台座プレート部224Bとヒンジ機構203Aとに挟まれた状態となるので、ネジ203Cが締め込まれると、歯車カバー225、台座プレート部224B(歯車ホルダ224)及びヒンジ機構203Aが互いに強固に組み付け固定され、ヒンジ機構203Aと歯車カバー225(原稿カバー203)が一体化する。
【0043】
なお、本実施形態に係るヒンジ機構203Aは、ネジ203Cにより歯車カバー225を介して歯車ホルダ224に固定されるとともに、位置決めピン203H(図9参照)により歯車カバー225に対して位置決めされる。
【0044】
また、台座プレート部224Bが歯車カバー225のうち第1〜3突出部225B〜225D以外の部位に接触した状態で歯車カバー225に固定することにより、歯車ホルダ224の下端位置P2(台座プレート部224Bの下端面)を、図7に示すように、原稿台201の上端面位置P1より低くなるように構成している。
【0045】
一方、原稿台201のうち歯車カバー225に対応する部位には、図7及び図14に示すように、原稿カバー203が第1ポジションに位置する場合において、第1〜3突出部225B〜225Dの側面と対向するように第1〜3突出部225B〜225Dの突出方向(図7の上下方向)と略平行となる第1壁部203D、及び第1〜3突出部225B〜225Dと対向するように突出方向と略直交する第2壁部203Eが筐体フレーム203Gに一体成形されている。
【0046】
つまり、原稿台201のうち歯車カバー225に対応する部位には、第1壁部203D及び第2壁部203等からなる凹部203F(図14参照)が形成されているとともに、原稿カバー203が第1ポジションとなったときには、第1〜3突出部225B〜225Dが凹部203Fに填り込んだ状態となって原稿台201に格納される。
【0047】
4.本実施形態に係る画像形成装置(画像読取装置)の特徴
本実施形態では、歯車機構223の下方側を覆う歯車カバー225に下方側に突出する第1〜3突出部225B〜225Dが設けられているので、これら第1〜3突出部225B〜225Dによって形成された収納空間225Aに歯車機構223を収納することが可能となる。
【0048】
したがって、例えば、原稿の表裏両面を読み取る両面搬送機構等の機構が付加されて歯車の数が増大して歯車機構223が大きくなった場合や電動モータ223Aとして大きな電動モータを配置せざるを得ない場合等であっても、画像読取装置200の高さ寸法の小型化を図ることが可能となる。
【0049】
そして、本実施形態では、歯車ホルダ224の下端位置P2を、原稿台201の上端面位置P1より低くすることにより、画像読取装置200の高さ寸法の小型化を確実に実現している。
【0050】
また、第1〜3突出部225B〜225Dが原稿台201の上端位置P1より下方側に突出しているので、第1〜3突出部225B〜225Dを、静止原稿読取機能にて原稿の読取を行う場合に第1読取窓202Aに外光が進入してしまうことを防止する遮光部材と機能させることができ、外光の進入による読取不良を未然に低減することが可能となる。
【0051】
ところで、原稿カバー203を揺動させると、ヒンジ機構203Aには非常に大きな力が作用するので、ヒンジ機構203Aを単純に歯車カバー225に組み付けると、歯車カバー225が破損してしまうおそれが高い。
【0052】
これに対しては、ヒンジ機構203Aを固定するために、別途、ヒンジ固定用ホルダ等を設けるといった解決手段が考えられるが、この解決手段では、画像読取装置200の部品点数及び組立工数の増大を招いてしまう。
【0053】
そこで、本実施形態では、ヒンジ機構203Aを歯車カバー225を介して歯車ホルダ224に固定することにより、歯車ホルダ224(台座プレート部224B)をヒンジ固定用ホルダとして機能させて画像読取装置200の部品点数及び組立工数の増加を抑制している。
【0054】
ところで、本実施形態に係る画像読取装置200では、歯車カバー225に第1〜3突出部225B〜225Dを設けたので、例えば画像読取装置200の搬送時に、歯車カバー225や第1〜3突出部225B〜225Dが何らかに衝突し易くなり、歯車カバー225が損傷してしまうおそれがある。
【0055】
これに対して、本実施形態では、第1〜3突出部225B〜225Dは、歯車機構223側が開放された箱状としているので、歯車カバー225それ自体の機械的強度を向上させることができる。したがって、画像読取装置200の搬送時に第1〜3突出部225B〜225D等が何らかに衝突しても歯車カバー225が損傷してしまうことを抑制できる。
【0056】
また、本実施形態では、歯車ホルダ224は、金属製であり、かつ、ヒンジ機構203Aと歯車ホルダ224とにより歯車カバー225が挟まれた状態でヒンジ機構203Aが歯車ホルダ224に固定され、かつ、歯車カバー225のうち第1突出部225B及び第3突出部225C側は、ネジ224Cにより歯車ホルダ224と歯車カバー225とが固定されているので、前述したように、歯車カバー225と金属製の歯車ホルダ224とが一体化された構成となる。
【0057】
したがって、歯車カバー225が歯車ホルダ224により補強された状態となり、歯車カバー225の機械的強度を向上させることができるので、原稿カバー203を揺動させた場合や原稿カバー203に大きな外力が作用した場合であっても、ヒンジ機構203Aが組み付けられた歯車カバー225に損傷が発生することを抑制できる。
【0058】
また、本実施形態では、原稿台201に、第1壁部203D及び第2壁部203Eが設けられているので、原稿カバー203を揺動させた場合や画像形成装置1(画像読取装置200)が梱包された状態において落下する等して原稿カバー203に大きな外力が作用した場合であっても、第1〜3突出部225B〜225Dと第1壁部203D又は第2壁部203Eとが接触することにより、ヒンジ機構203Aに作用する力を緩和することができ、ヒンジ機構203Aが損傷してしまうことを抑制できる。
【0059】
つまり、第1〜3突出部225B〜225Dの突出方向と略平行な方向の力が作用したときには、第1〜3突出部225B〜225Dと第2壁部203Eとが接触することにより、ヒンジ機構203Aに作用する力を緩和される。
【0060】
また、第1〜3突出部225B〜225Dの突出方向の交差する方向の力が作用したときには、第1〜3突出部225B〜225Dと第1壁部203Dとが接触することにより、ヒンジ機構203Aに作用する力を緩和される。
【0061】
また、本実施形態では、図13に示すように、ヒンジ機構203Aを挟んで両側に第1、2突出部225B、225Cが設けられているので、機械的強度が増大した第1、2突出部225B、225Cがヒンジ機構203Aを挟んで両側に存在することとなる。このため、ヒンジ機構203Aに大きな外力が作用しても、歯車カバー225が損傷してしまうことを抑制できる。
【0062】
また、原稿カバー203が第1ポジションとなったときには、第1〜3突出部225B〜225Dが凹部203Fに填り込んだ状態となって原稿台201に格納されるので、画像読取装置200の外観部に不要な凹凸が生じることを防止でき、外観意匠をスマートな形状とすることができる。
【0063】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、第1〜3突出部225B〜225Dにより形成された収納空間225Aの全てを利用して歯車機構223が収納されていなかったが、本発明はこれに限定されるものではなく、収納空間225Aの全てを利用して歯車機構223を収納してもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、第1〜3突出部225B〜225Dが箱状に形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他形状であってもよい。
また、上述の実施形態では、歯車ホルダ224の下端位置P2は、原稿台201の上端面位置P1より低い高さに設定されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、歯車カバー225が原稿台201の上端面位置P1より下方側に位置している場合においては、歯車ホルダ224の下端位置P2と原稿台201の上端面位置P1とを同一高さとしてもよい。
【0065】
また、上述の実施形態では、歯車ホルダ224を金属製とし、歯車カバー225を樹脂製としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、歯車ホルダ224及び歯車カバー225を共に樹脂製としてもよい。
【0066】
また、上述の実施形態では、歯車カバー225が歯車ホルダ224(台座プレート部224B)とヒンジ機構203Aとにより挟み込まれるようにヒンジ機構203Aが歯車ホルダ224に固定されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
また、上述の実施形態では、歯車カバー225と筐体フレーム203Gとが一体形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、歯車カバー225と筐体フレーム203Gとを別体として構成してもよい。
【0068】
また、上述の実施形態では、画像形成部100として電子写真方式の画像形成手段を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばインクジェット式の画像形成手段を採用してもよい。
【0069】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置1の全体斜視図である。
【図2】原稿カバー203が開かれた状態を示す斜視図である。
【図3】画像読取装置200の上面図である。
【図4】原稿搬送機構220の歯車機構223を示す斜視図である。
【図5】図4のA矢視図である。
【図6】収納空間225Aを示す斜視図である。
【図7】図3のA−A断面図である。
【図8】原稿カバー203を下方側から見た斜視図である。
【図9】ヒンジ機構203A、203Bを取り外した原稿カバー203を下方側から見た斜視図である。
【図10】歯車ホルダ224を取り外した収納空間225Aを示す斜視図である。
【図11】歯車ホルダ224を取り外した収納空間225Aの上面図である。
【図12】図11のA−A断面図である。
【図13】図6のA−B−C−D−E−F断面図である。
【図14】原稿カバー203を取り外した状態を示す画像読取装置200の斜視図である。
【符号の説明】
【0071】
1…画像形成装置、100…画像形成部、200…画像読取装置、
201…原稿台、202A…第1読取窓、202B…第2読取窓、
203…原稿カバー、203A、203B…ヒンジ機構、203C…ネジ、
203D…第1壁部、203E…第2壁部、203G…筐体フレーム、
204…原稿トレイ、205…排出トレイ、220…原稿搬送機構、
221…搬送ローラ、222…電磁ソレノイド、223…歯車機構(歯車列)、
223A…電動モータ、224…歯車ホルダ、224A…保持壁部、
224B…台座プレート部、224C…ネジ、225…歯車カバー、
225A…収納空間、225B…第1突出部、225C…第2突出部、
225D…第3突出部、225E…ボス部、225F…補強壁、
226…上歯車カバー。
【技術分野】
【0001】
本発明は、静止原稿読取機能及び自動搬送原稿読取機能を有する画像読取装置、並びにこの画像読取装置を備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動搬送原稿読取機能が実行される際に、原稿を自動搬送する原稿搬送機構は、例えば特許文献1に示されるように、複数の歯車からなる歯車列を必要とする。
【特許文献1】特開2007−84326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、歯車の数が増大して歯車列が大きくなると、原稿搬送機構の大型化、特に、画像読取装置の高さ寸法の大型化を招いてしまうおそれが高い。
本発明は、上記点に鑑み、画像読取装置の高さ寸法の小型化が可能な画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、静止状態で載置された原稿を読み取る静止原稿読取機能、及び自動搬送されてきた原稿を読み取る自動搬送原稿読取機能を有する画像読取装置であって、静止原稿読取機能にて読み取られる原稿が載置されるとともに水平方向に拡がる平板状の読取窓(202A)を有する原稿台(201)と、読取窓(202A)を上方側から覆う第1ポジションと読取窓(202A)の上方側を開放する第2ポジションとの間で揺動変位する原稿カバー(203)と、原稿カバー(203)を原稿台(201)に対して揺動可能に連結するヒンジ部(203A)と、原稿カバー(203)に設けられ、自動搬送原稿読取機能が実行される際に、読取窓(202A)側に原稿を自動搬送する原稿搬送機構(220)とを備え、原稿搬送機構(220)は、原稿に搬送力を付与する搬送ローラ(221)、搬送ローラ(221)の軸方向端部側に設けられ、搬送ローラ(221)に回転力を伝達する複数の歯車からなる歯車列(223)、歯車列(223)を保持する歯車ホルダ(224)、及び少なくとも歯車列(223)の下方側を覆うことにより、歯車列(223)を収納する収納空間(225A)を形成する歯車カバー(225)を有しており、さらに、歯車カバー(225)には、原稿台(201)の上端面位置(P1)より下方側に突出して収納空間(225A)の一部を形成する突出部(225B〜225D)が設けられていることを特徴とする。
【0005】
これにより、請求項1に記載の発明では、原稿台(201)の上端面位置(P1)より下方側に突出した突出部(225B〜225D)によって形成された収納空間(225A)に歯車列(223)を収納することが可能となるので、例えば、両面搬送機構等の機構が付加されて歯車の数が増大して歯車列が大きくなった場合や駆動源に大きなモータを設置して歯車の収容スペースが限られるような場合等であっても、画像読取装置の高さ寸法の小型化を図ることが可能となる。
【0006】
さらに、原稿台(201)の上端面位置より下方側に突出した突出部(225B〜225D)が、静止原稿読取機能にて原稿の読取を行う場合に読取窓(202A)に外光が進入してしまうことを防止する遮光部材としての役割も果たすので、外光の進入による読取不良を未然に低減することも可能となる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明のごとく、歯車ホルダ(224)の下端位置(P2)を、原稿台(201)の上端面位置(P1)と同一又は低くすれば、画像読取装置の高さ寸法の小型化を確実に実現することができる。
【0008】
また、請求項3に記載の発明では、ヒンジ部(203A)は、歯車ホルダ(224)に固定されていることを特徴とする。
これにより、請求項3に記載の発明では、ヒンジ部(203A)を固定するために、別途、ヒンジ固定用ホルダ等を設けることなく、ヒンジ部(203A)を歯車カバー(225)に組み付け固定することができるので、画像読取装置の部品点数の増加を抑制することができる。
【0009】
ところで、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像読取装置では、歯車カバー(225)に突出部(225B〜225D)を設けたので、例えば画像読取装置の搬送時に、歯車カバー(225)や突出部(225B〜225D)が何らかに衝突し易くなり、歯車カバー(225)が損傷してしまうおそれがある。
【0010】
これに対して、請求項4に記載の発明では、突出部(225B〜225D)は、歯車列(223)側が開放された箱状に形成されていることを特徴としているので、歯車カバー(225)それ自体の機械的強度を向上させることができる。したがって、画像読取装置の搬送時に突出部(225B〜225D)等が何らかに衝突しても歯車カバー(225)が損傷してしまうことを抑制できる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明では、歯車ホルダ(224)は、金属製であり、かつ、ヒンジ部(203A)と歯車ホルダ(224)とにより歯車カバー(225)が挟まれた状態でヒンジ部(203A)が歯車ホルダ(224)に固定されており、さらに、歯車カバー(225)のうち突出部(225B、225C)側には、歯車ホルダ(224)を歯車カバー(225)に固定する固定部(224C)が設けられていることを特徴とする。
【0012】
これにより、請求項5に記載の発明では、歯車カバー(225)と金属製の歯車ホルダ(224)とが一体化された構成となるので、歯車カバー(225)の機械的強度を向上させることができる。したがって、原稿カバー(203)を揺動させた場合や原稿カバー(203)に大きな外力が作用した場合であっても、ヒンジ部(203A)が組み付けられた歯車カバー(225)に損傷が発生することを抑制できる。
【0013】
また、請求項6に記載の発明では、原稿台(201)は、原稿カバー(203)が第1ポジションに位置する際に、突出部(225B〜225D)と対向するように突出部(225B〜225D)の突出方向と略平行となる第1壁部(203D)、及び原稿カバー(203)が第1ポジションに位置する際に、突出部(225B〜225D)と対向するように突出方向と略直交する第2壁部(203E)を有していることを特徴とする。
【0014】
これにより、請求項6に記載の発明では、原稿カバー(203)を揺動させた場合や画像読取装置が梱包された状態において落下する等して原稿カバー(203)に大きな外力が作用した場合であっても、突出部(225B〜225D)と第1壁部(203D)又は第2壁部(203E)とが接触することにより、ヒンジ部(203A)に作用する力を緩和することができるので、ヒンジ部(203A)が損傷してしまうことを抑制できる。
【0015】
また、請求項7に記載の発明では、ヒンジ部(203A)を挟んで両側に突出部(225B、225C)が設けられていることを特徴とする。
これにより、請求項7に記載の発明では、機械的強度が増大した突出部(225B、225C)がヒンジ部(203A)を挟んで両側に存在することとなるので、ヒンジ部(203A)に大きな外力が作用しても、歯車カバー(225)が損傷してしまうことを抑制できる。
【0016】
なお、請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の画像読取装置(200)と、記録シートに画像を形成する画像形成部(100)とを備えることを特徴とするものである。
【0017】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段に限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本実施形態は、画像読取装置(スキャナ部)及び画像形成部(プリンタ部)を兼ね備える画像形成装置(複合機)に本発明を適用したものであり、以下に本実施形態を図面と共に説明する。
【0019】
1.図面の説明
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の全体斜視図であり、図2は原稿カバー203が開かれた状態を示す斜視図であり、図3は画像読取装置200の上面図であり、図4は原稿搬送機構220の歯車機構223を示す斜視図であり、図5は図4のA矢視図であり、図6は収納空間225Aを示す斜視図である。
【0020】
また、図7は図3のA−A断面図であり、図8は原稿カバー203を下方側から見た斜視図であり、図9はヒンジ機構203A、203Bを取り外した原稿カバー203を下方側から見た斜視図である。
【0021】
さらに、図10は歯車ホルダ224を取り外した収納空間225Aを示す斜視図であり、図11は歯車ホルダ224を取り外した収納空間225Aの上面図であり、図12は図11のA−A断面図であり、図13は図6のA−B−C−D−E−F断面図であり、図14は原稿カバー203を取り外した状態を示す画像読取装置200の斜視図である。
【0022】
2.画像形成装置の概略構成
本実施形態に係る画像形成装置1は、図1に示すように、印刷用紙等の記録シートに画像を形成する画像形成部100の上方側に、原稿に記載された文字等の画像を読み取る画像読取装置200が設けられたものである。なお、本実施形態に係る画像形成部100は、現像剤を記録シートの転写することにより、記録シートに画像を形成する電子写真方式の画像形成手段である。
【0023】
3.画像読取装置
画像読取装置200は、静止状態で載置された原稿を読み取る静止原稿読取機能(フラットベッド読取機能)、及び自動搬送されてきた原稿を読み取る自動搬送原稿読取機能(ADF読取機能)を有している。
【0024】
そして、画像読取装置200の原稿台201には、図2に示すように、静止原稿読取機能用の第1読取窓202Aが設けられており、この第1読取窓202Aは、水平方向に拡がる平板状のガラスやアクリル等の透明な部材にて構成されている。
【0025】
また、原稿台201の上面側には、第1読取窓202Aを上方側から覆う第1ポジション(図1に示す状態)と第1読取窓202Aの上方側を開放する第2ポジション(図2に示す状態)との間で揺動変位する原稿カバー203が設けられており、この原稿カバー203は、ヒンジ機構203A、203Bにより原稿台201に揺動可能に連結されている。
【0026】
因みに、静止原稿読取機能を用いて原稿読取を行う場合には、利用者が手動操作にて原稿カバー203を上方側に開いて第1読取窓202Aに原稿を載置する必要がある。
また、原稿台201内のうち第1読取窓202Aを挟んで原稿カバー203と反対側、つまり第1読取窓202Aの下方側には、原稿に照射されて反射した光を受光し、その受光した光に基づいて電気信号を発する画像撮像素子(図示せず。)が配設されており、画像読取装置200は、画像撮像素子を介して原稿に記載された文字等の画像を電気信号に変換して画像を読み取っていく。
【0027】
また、画像撮像素子は、原稿台201の長手方向(図2の左右方向)に移動可能に原稿台201に組み付けられている。そして、画像撮像素子は、自動搬送原稿読取機能の作動時には、自動搬送原稿読取機能用の第2読取窓202Bの直下に停止配置された状態で第2読取窓202B上を通過していく原稿の画像を読み取り、一方、静止原稿読取機能作動時には、第1読取窓202Aの直下で移動しながら第1読取窓202Aに載置された原稿の画像を読み込んでいく。
【0028】
なお、第2読取窓202Bは、原稿カバー203に対して第1読取窓202Aと同一側に設けられ、かつ、原稿台201の長手方向一端側(図2の左端側)に設定された帯板状の読取窓である。因みに、本実施形態では、第1読取窓202Aと第2読取窓202Bとは互いに独立した別個の読取窓として設けられているが、例えば、第1読取窓202Aと第2読取窓202Bとを1つの部材にて構成し、原稿台201の長手方向一端側に第2読取窓202B用の領域を設定してもよい。
【0029】
そして、原稿カバー203のうち第2読取窓202Bに対応する部位には、原稿を自動搬送する原稿搬送機構(オートドキュメントフィーダ)220が設けられている。
すなわち、原稿搬送機構220は、原稿カバー203の上面部に設定された原稿トレイ204(図3参照)に載置された原稿を1枚ずつ第2読取窓202Bに向けて自動搬送するとともに、読み取りが完了した原稿を原稿トレイ204の上方側に設けられた排出トレイ205(図3の斜線部)に自動排出するものである。
【0030】
なお、本実施形態に係る排出トレイ205は格納可能な構成となっており、図1〜図3では、排出トレイ205が格納された状態として描かれている。このため、本実施形態に係る画像読取装置200において原稿搬送機構220にて原稿を読み取る際には、格納されている排出トレイ205を起こすように原稿トレイ204側(図3の右側)に揺動させて、排出トレイ205を原稿トレイ204の上方側に配置した後、原稿搬送機構220を作動させる必要がある。
【0031】
また、原稿搬送機構220は、周知のごとく、原稿トレイ204に積層された原稿を1枚ずつ分離する分離機構(図示せず。)、分離機構にて分離された原稿を第2読取窓202Bに搬送する第1搬送機構(図示せず。)、及び画像読取が完了した原稿を排出トレイ205に搬送する第2搬送機構(図示せず。)等から構成されている。
【0032】
そして、分離機構及び第1、2搬送機構それぞれは、原稿に接触して原稿に搬送力を付与する搬送ローラ221(図4参照)等を有して構成されており、これらの搬送ローラ221の軸方向(画像読取装置200の前後方向)端部側には、図4に示すように、各搬送ローラ221に回転力を伝達する複数の歯車からなる歯車列223(以下、歯車機構223という。)が設けられている。
【0033】
因みに、電動モータ223Aは、搬送ローラ221を回転させるための駆動源であり、この電動モータ223Aの回転力は、歯車223B、223C等の歯車を介して各搬送ローラ221に伝達される。また、電磁ソレノイド222は、回転力の伝達経路や原稿の搬送経路等を切り替えるためのアクチュエータである。
【0034】
また、歯車機構223を構成する各歯車は、図4及び図5に示すように、歯車ホルダ224に組み付けられた軸(図示せず。)を介して歯車ホルダ224に保持されており、この歯車ホルダ224は、図6に示すように、各歯車を保持するため保持壁部224A及び歯車ホルダ224を歯車カバー225に組付固定するための台座プレート部224Bを有して構成されている。
【0035】
なお、本実施形態に係る歯車ホルダ224は、SPCC等の鉄系金属板にプレス加工を施すことにより、保持壁部224Aと台座プレート部224Bとが互いに略直交するようにその断面形状が略L字状に形成されたものである。
【0036】
そして、保持壁部224Aは、その壁面が鉛直方向及び原稿の搬送方向(本実施形態では画像読取装置200の前後方向)と平行となるように略帯状に形成され、台座プレート部224Bは、原稿の搬送方向と平行な方向に帯状に延びるとともに、ネジ224C等の機械的締結手段により、その長手方向両端側が歯車カバー225に着脱可能に固定されている。
【0037】
また、歯車カバー225は、HIPS(High Impact Polystyrene)等の樹脂にて、原稿カバー203の筐体フレーム203Gと共に一体成形されており、この歯車カバー225は、図7に示すように、歯車機構223の下方側を覆うことにより、歯車機構223を収納する収納空間225Aを形成している。
【0038】
なお、収納空間225Aの上方側は、図8及び図9に示すように、上歯車カバー226により覆われており、この上歯車カバー226は、原稿カバー203(筐体フレーム203G)に着脱可能に組み付けられた樹脂製カバーである。
【0039】
そして、歯車カバー225には、図7及び図10〜図12に示すように、原稿台201の上端面位置P1(図7参照)より下方側に突出して収納空間225Aの一部を形成する第1〜3突出部225B〜225Dが形成されているとともに、第1突出部225B及び第3突出部225Dには、ネジ224Cが螺合する雌ねじ部が形成されたボス部225E(図10参照)が歯車カバー225に一体形成されている。
【0040】
また、第1〜3突出部225B〜225Dは、図12に示すように、歯車機構223側、つまり上方側が開放された箱状(六面体状)に形成されているとともに、各突出部225B〜225D内は、図10及び図11に示すように、各突出部225B〜225Dを補強する補強壁225Fが一体成形されている。
【0041】
そして、歯車ホルダ224の台座プレート部224Bは、図13に示すように、歯車カバー225のうち第1〜3突出部225B〜225D以外の部位に接触した状態で歯車カバー225に固定され、一方、ヒンジ機構203Aは、歯車カバー225のうち第1突出部225Bと第2突出部225Cとの間の部位を貫通して台座プレート部224Bに締め込まれたネジ203Cにより歯車ホルダ224に固定されている。
【0042】
このため、本実施形態では、歯車カバー225は、台座プレート部224Bとヒンジ機構203Aとに挟まれた状態となるので、ネジ203Cが締め込まれると、歯車カバー225、台座プレート部224B(歯車ホルダ224)及びヒンジ機構203Aが互いに強固に組み付け固定され、ヒンジ機構203Aと歯車カバー225(原稿カバー203)が一体化する。
【0043】
なお、本実施形態に係るヒンジ機構203Aは、ネジ203Cにより歯車カバー225を介して歯車ホルダ224に固定されるとともに、位置決めピン203H(図9参照)により歯車カバー225に対して位置決めされる。
【0044】
また、台座プレート部224Bが歯車カバー225のうち第1〜3突出部225B〜225D以外の部位に接触した状態で歯車カバー225に固定することにより、歯車ホルダ224の下端位置P2(台座プレート部224Bの下端面)を、図7に示すように、原稿台201の上端面位置P1より低くなるように構成している。
【0045】
一方、原稿台201のうち歯車カバー225に対応する部位には、図7及び図14に示すように、原稿カバー203が第1ポジションに位置する場合において、第1〜3突出部225B〜225Dの側面と対向するように第1〜3突出部225B〜225Dの突出方向(図7の上下方向)と略平行となる第1壁部203D、及び第1〜3突出部225B〜225Dと対向するように突出方向と略直交する第2壁部203Eが筐体フレーム203Gに一体成形されている。
【0046】
つまり、原稿台201のうち歯車カバー225に対応する部位には、第1壁部203D及び第2壁部203等からなる凹部203F(図14参照)が形成されているとともに、原稿カバー203が第1ポジションとなったときには、第1〜3突出部225B〜225Dが凹部203Fに填り込んだ状態となって原稿台201に格納される。
【0047】
4.本実施形態に係る画像形成装置(画像読取装置)の特徴
本実施形態では、歯車機構223の下方側を覆う歯車カバー225に下方側に突出する第1〜3突出部225B〜225Dが設けられているので、これら第1〜3突出部225B〜225Dによって形成された収納空間225Aに歯車機構223を収納することが可能となる。
【0048】
したがって、例えば、原稿の表裏両面を読み取る両面搬送機構等の機構が付加されて歯車の数が増大して歯車機構223が大きくなった場合や電動モータ223Aとして大きな電動モータを配置せざるを得ない場合等であっても、画像読取装置200の高さ寸法の小型化を図ることが可能となる。
【0049】
そして、本実施形態では、歯車ホルダ224の下端位置P2を、原稿台201の上端面位置P1より低くすることにより、画像読取装置200の高さ寸法の小型化を確実に実現している。
【0050】
また、第1〜3突出部225B〜225Dが原稿台201の上端位置P1より下方側に突出しているので、第1〜3突出部225B〜225Dを、静止原稿読取機能にて原稿の読取を行う場合に第1読取窓202Aに外光が進入してしまうことを防止する遮光部材と機能させることができ、外光の進入による読取不良を未然に低減することが可能となる。
【0051】
ところで、原稿カバー203を揺動させると、ヒンジ機構203Aには非常に大きな力が作用するので、ヒンジ機構203Aを単純に歯車カバー225に組み付けると、歯車カバー225が破損してしまうおそれが高い。
【0052】
これに対しては、ヒンジ機構203Aを固定するために、別途、ヒンジ固定用ホルダ等を設けるといった解決手段が考えられるが、この解決手段では、画像読取装置200の部品点数及び組立工数の増大を招いてしまう。
【0053】
そこで、本実施形態では、ヒンジ機構203Aを歯車カバー225を介して歯車ホルダ224に固定することにより、歯車ホルダ224(台座プレート部224B)をヒンジ固定用ホルダとして機能させて画像読取装置200の部品点数及び組立工数の増加を抑制している。
【0054】
ところで、本実施形態に係る画像読取装置200では、歯車カバー225に第1〜3突出部225B〜225Dを設けたので、例えば画像読取装置200の搬送時に、歯車カバー225や第1〜3突出部225B〜225Dが何らかに衝突し易くなり、歯車カバー225が損傷してしまうおそれがある。
【0055】
これに対して、本実施形態では、第1〜3突出部225B〜225Dは、歯車機構223側が開放された箱状としているので、歯車カバー225それ自体の機械的強度を向上させることができる。したがって、画像読取装置200の搬送時に第1〜3突出部225B〜225D等が何らかに衝突しても歯車カバー225が損傷してしまうことを抑制できる。
【0056】
また、本実施形態では、歯車ホルダ224は、金属製であり、かつ、ヒンジ機構203Aと歯車ホルダ224とにより歯車カバー225が挟まれた状態でヒンジ機構203Aが歯車ホルダ224に固定され、かつ、歯車カバー225のうち第1突出部225B及び第3突出部225C側は、ネジ224Cにより歯車ホルダ224と歯車カバー225とが固定されているので、前述したように、歯車カバー225と金属製の歯車ホルダ224とが一体化された構成となる。
【0057】
したがって、歯車カバー225が歯車ホルダ224により補強された状態となり、歯車カバー225の機械的強度を向上させることができるので、原稿カバー203を揺動させた場合や原稿カバー203に大きな外力が作用した場合であっても、ヒンジ機構203Aが組み付けられた歯車カバー225に損傷が発生することを抑制できる。
【0058】
また、本実施形態では、原稿台201に、第1壁部203D及び第2壁部203Eが設けられているので、原稿カバー203を揺動させた場合や画像形成装置1(画像読取装置200)が梱包された状態において落下する等して原稿カバー203に大きな外力が作用した場合であっても、第1〜3突出部225B〜225Dと第1壁部203D又は第2壁部203Eとが接触することにより、ヒンジ機構203Aに作用する力を緩和することができ、ヒンジ機構203Aが損傷してしまうことを抑制できる。
【0059】
つまり、第1〜3突出部225B〜225Dの突出方向と略平行な方向の力が作用したときには、第1〜3突出部225B〜225Dと第2壁部203Eとが接触することにより、ヒンジ機構203Aに作用する力を緩和される。
【0060】
また、第1〜3突出部225B〜225Dの突出方向の交差する方向の力が作用したときには、第1〜3突出部225B〜225Dと第1壁部203Dとが接触することにより、ヒンジ機構203Aに作用する力を緩和される。
【0061】
また、本実施形態では、図13に示すように、ヒンジ機構203Aを挟んで両側に第1、2突出部225B、225Cが設けられているので、機械的強度が増大した第1、2突出部225B、225Cがヒンジ機構203Aを挟んで両側に存在することとなる。このため、ヒンジ機構203Aに大きな外力が作用しても、歯車カバー225が損傷してしまうことを抑制できる。
【0062】
また、原稿カバー203が第1ポジションとなったときには、第1〜3突出部225B〜225Dが凹部203Fに填り込んだ状態となって原稿台201に格納されるので、画像読取装置200の外観部に不要な凹凸が生じることを防止でき、外観意匠をスマートな形状とすることができる。
【0063】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、第1〜3突出部225B〜225Dにより形成された収納空間225Aの全てを利用して歯車機構223が収納されていなかったが、本発明はこれに限定されるものではなく、収納空間225Aの全てを利用して歯車機構223を収納してもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、第1〜3突出部225B〜225Dが箱状に形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他形状であってもよい。
また、上述の実施形態では、歯車ホルダ224の下端位置P2は、原稿台201の上端面位置P1より低い高さに設定されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、歯車カバー225が原稿台201の上端面位置P1より下方側に位置している場合においては、歯車ホルダ224の下端位置P2と原稿台201の上端面位置P1とを同一高さとしてもよい。
【0065】
また、上述の実施形態では、歯車ホルダ224を金属製とし、歯車カバー225を樹脂製としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、歯車ホルダ224及び歯車カバー225を共に樹脂製としてもよい。
【0066】
また、上述の実施形態では、歯車カバー225が歯車ホルダ224(台座プレート部224B)とヒンジ機構203Aとにより挟み込まれるようにヒンジ機構203Aが歯車ホルダ224に固定されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
また、上述の実施形態では、歯車カバー225と筐体フレーム203Gとが一体形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、歯車カバー225と筐体フレーム203Gとを別体として構成してもよい。
【0068】
また、上述の実施形態では、画像形成部100として電子写真方式の画像形成手段を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばインクジェット式の画像形成手段を採用してもよい。
【0069】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置1の全体斜視図である。
【図2】原稿カバー203が開かれた状態を示す斜視図である。
【図3】画像読取装置200の上面図である。
【図4】原稿搬送機構220の歯車機構223を示す斜視図である。
【図5】図4のA矢視図である。
【図6】収納空間225Aを示す斜視図である。
【図7】図3のA−A断面図である。
【図8】原稿カバー203を下方側から見た斜視図である。
【図9】ヒンジ機構203A、203Bを取り外した原稿カバー203を下方側から見た斜視図である。
【図10】歯車ホルダ224を取り外した収納空間225Aを示す斜視図である。
【図11】歯車ホルダ224を取り外した収納空間225Aの上面図である。
【図12】図11のA−A断面図である。
【図13】図6のA−B−C−D−E−F断面図である。
【図14】原稿カバー203を取り外した状態を示す画像読取装置200の斜視図である。
【符号の説明】
【0071】
1…画像形成装置、100…画像形成部、200…画像読取装置、
201…原稿台、202A…第1読取窓、202B…第2読取窓、
203…原稿カバー、203A、203B…ヒンジ機構、203C…ネジ、
203D…第1壁部、203E…第2壁部、203G…筐体フレーム、
204…原稿トレイ、205…排出トレイ、220…原稿搬送機構、
221…搬送ローラ、222…電磁ソレノイド、223…歯車機構(歯車列)、
223A…電動モータ、224…歯車ホルダ、224A…保持壁部、
224B…台座プレート部、224C…ネジ、225…歯車カバー、
225A…収納空間、225B…第1突出部、225C…第2突出部、
225D…第3突出部、225E…ボス部、225F…補強壁、
226…上歯車カバー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止状態で載置された原稿を読み取る静止原稿読取機能、及び自動搬送されてきた原稿を読み取る自動搬送原稿読取機能を有する画像読取装置であって、
前記静止原稿読取機能にて読み取られる原稿が載置されるとともに水平方向に拡がる平板状の読取窓を有する原稿台と、
前記読取窓を上方側から覆う第1ポジションと前記読取窓の上方側を開放する第2ポジションとの間で揺動変位する原稿カバーと、
前記原稿カバーを前記原稿台に対して揺動可能に連結するヒンジ部と、
前記原稿カバーに設けられ、前記自動搬送原稿読取機能が実行される際に、前記読取窓側に原稿を自動搬送する原稿搬送機構とを備え、
前記原稿搬送機構は、
原稿に搬送力を付与する搬送ローラ、
前記搬送ローラの軸方向端部側に設けられ、前記搬送ローラに回転力を伝達する複数の歯車からなる歯車列、
前記歯車列を保持する歯車ホルダ、及び
少なくとも前記歯車列の下方側を覆うことにより、前記歯車列を収納する収納空間を形成する歯車カバーを有しており、
さらに、前記歯車カバーには、前記原稿台の上端面位置より下方側に突出して前記収納空間の一部を形成する突出部が設けられていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記歯車ホルダの下端位置は、前記原稿台の上端面位置と同一又は低いことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記ヒンジ部は、前記歯車ホルダに固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記突出部は、前記歯車列側が開放された箱状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記歯車ホルダは、金属製であり、かつ、前記ヒンジ部と前記歯車ホルダとにより前記歯車カバーが挟まれた状態で前記ヒンジ部が前記歯車ホルダに固定されており、
さらに、前記歯車カバーのうち前記突出部側には、前記歯車ホルダを前記歯車カバーに固定する固定部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記原稿台は、
前記原稿カバーが前記第1ポジションに位置する際に、前記突出部と対向するように前記突出部の突出方向と略平行となる第1壁部、及び
前記原稿カバーが前記第1ポジションに位置する際に、前記突出部と対向するように前記突出方向と略直交する第2壁部を有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記ヒンジ部を挟んで両側に前記突出部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の画像読取装置と、
記録シートに画像を形成する画像形成部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
静止状態で載置された原稿を読み取る静止原稿読取機能、及び自動搬送されてきた原稿を読み取る自動搬送原稿読取機能を有する画像読取装置であって、
前記静止原稿読取機能にて読み取られる原稿が載置されるとともに水平方向に拡がる平板状の読取窓を有する原稿台と、
前記読取窓を上方側から覆う第1ポジションと前記読取窓の上方側を開放する第2ポジションとの間で揺動変位する原稿カバーと、
前記原稿カバーを前記原稿台に対して揺動可能に連結するヒンジ部と、
前記原稿カバーに設けられ、前記自動搬送原稿読取機能が実行される際に、前記読取窓側に原稿を自動搬送する原稿搬送機構とを備え、
前記原稿搬送機構は、
原稿に搬送力を付与する搬送ローラ、
前記搬送ローラの軸方向端部側に設けられ、前記搬送ローラに回転力を伝達する複数の歯車からなる歯車列、
前記歯車列を保持する歯車ホルダ、及び
少なくとも前記歯車列の下方側を覆うことにより、前記歯車列を収納する収納空間を形成する歯車カバーを有しており、
さらに、前記歯車カバーには、前記原稿台の上端面位置より下方側に突出して前記収納空間の一部を形成する突出部が設けられていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記歯車ホルダの下端位置は、前記原稿台の上端面位置と同一又は低いことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記ヒンジ部は、前記歯車ホルダに固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記突出部は、前記歯車列側が開放された箱状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記歯車ホルダは、金属製であり、かつ、前記ヒンジ部と前記歯車ホルダとにより前記歯車カバーが挟まれた状態で前記ヒンジ部が前記歯車ホルダに固定されており、
さらに、前記歯車カバーのうち前記突出部側には、前記歯車ホルダを前記歯車カバーに固定する固定部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記原稿台は、
前記原稿カバーが前記第1ポジションに位置する際に、前記突出部と対向するように前記突出部の突出方向と略平行となる第1壁部、及び
前記原稿カバーが前記第1ポジションに位置する際に、前記突出部と対向するように前記突出方向と略直交する第2壁部を有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記ヒンジ部を挟んで両側に前記突出部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の画像読取装置と、
記録シートに画像を形成する画像形成部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−109573(P2010−109573A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278391(P2008−278391)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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