説明

画像読取装置

【課題】簡単な構成で画像読取装置の消費電力を低減すること。
【解決手段】画像読取手段を制御して画像データを取得するためのメインプログラムが記憶されるとともに前記メインプログラムを実行する際に使用される情報の書き込みおよび読み出しを行うための第1記憶手段と、前記メインプログラムを実行するための実行手段とを備える。そして前記画像読取手段を制御して画像データを取得する通常モードと、前記通常モードよりも装置の消費電力量が低い省電力モードとを設ける。このとき通常モードから省電力モードへ移行させ再び省電力モードから通常モードへ復帰させるまでの省電力プログラムが記憶され、前記第1記憶手段よりも消費電力量が小さい第2記憶手段と、前記省電力プログラムを実行する際に使用される情報の書き込みおよび読み出しをおこなうための第1記憶手段とは異なる第3記憶手段をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種シート原稿の画像を読み取るスキャナ装置、或いはファクシミリ、複写機などの複合装置における画像読取装置に係わり、装置をスタンバイ状態に維持する電源の消費電力の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にこの種の画像読取装置は、ファクシミリ装置、複写機、或いはこれらの複合装置、コンピュータの入力装置、コンピュータネットワークの入力装置として広汎に使用されている。例えば特許文献1には、原稿を載置セットするプラテンと、給紙スタッカから原稿を所定速度で給送するプラテンを備え、各プラテンの下方にCCD(光電変換素子)などの画像読取センサを配置し、このセンサでプラテン上の原稿画像を読取るように構成されている。
【0003】
従来このような画像読取装置は、原稿画像を読み取る構成部品(キャリジ、駆動モータなど)をCPU(中央処理装置)で制御して画像読取を実行し、取得した画像データをコンピュータ、プリンタなどの外部機器(ホスト機器)に転送している。この制御CPUには実行プログラムを記憶するメモリと、取得した画像を一時的に記憶するバッファメモリなどが接続されている。そこで、CPUは画像読取動作時にはメモリから高速でプログラム或いは画像読取に要する制御データを読み出すことが要求され、また装置を所定時間使用しないときには装置全体の消費電力を少なくすることが要求される。
【0004】
そして実行プログラムを記憶するメモリは、動作時に高速でプログラムを読出すことが要求され、同時に取得した画像データを画像処理或いは外部に転送するため一時的に記憶するメモリも高速で書き込み、高速で読み出すことが要求される。このため最近では高速で読み書きすることが可能なメモリディバイスとしてDDR−SDRAM或いはDDR2−SDRAMが使用されている。このメモリはデータの読み書きが高速である反面、消費電力が大きい特徴がある。
【0005】
そこで、CPUを通常読取モードと省電力モードで、それぞれ異なるプログラムを実行し、省電力モードでは、制御CPUは内蔵されたROMやRAMとの間でのみアクセスを行い、それ以外の外部ディバイスの電源をオフにすることができ消費電力を少なくすることができる。
【0006】
例えば特許文献2には、通常の動作モードでは、ROM(Read Only Memory)に書き込まれている第1のプログラムで動作し、このときROMおよび所定の回路に電力が供給されている。そこで省電力モードに切換えると、省電力回路は、ROMに書き込まれている第2のプログラムを、CPUに内蔵されるメモリにコピーし、コピー後、CPUの処理をメモリにコピーされた第2のプログラムに切換えるとともに、ROMおよび所定の回路に供給される電力をスイッチ素子によってオフにしている。
【特許文献1】特開2004−072538号公報
【特許文献2】特開2000−105639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように画像読取装置などの情報端末装置において、通常の動作モードと省電力モードを実行するプログラムを備え、所定時間装置が休止したとき或いはスタンバイ操作が実行されたとき装置を省電力状態(待機状態;以下スリープ状態という)に切り換えることが知られている。例えば制御プログラムを記憶するメモリとして、転送速度が高速のDDRやDDR2などを使用すると消費電力が大きいため所定時間装置が休止したときには低消費電力状態にする必要がある。
【0008】
この場合、従来は前掲特許文献2に開示されているように第1、第2の実行モードのプログラムをROMに記憶し、このプログラムをCPU(ワンチップマイコンなど)に読み出して省電力プログラムに切り替え、同時にスイッチングによって外部ディバイスの電源をOFFするようにしている。
【0009】
このように従来は、CPUのキヤッシュメモリに省電力モードプログラム(パワーダウンプログラム)の実行に要するデータをROMから読み出して記憶している。つまりCPUのキャッシュメモリに通常動作モードの実行データを記憶するか、省電力モードの実行データを記憶するかを切り替えてそれぞれのプログラムを実行している。そして省電力モードのときには外部ディバイスに供給される電力をスイッチ素子でOFFすることによって省電力化を図っている。
【0010】
このような従来の構成では、実行プログラムを記憶するメモリをDDR、DDR2などの高速メモリ(高消費電力)で構成にすると、省電力モードのときに外部ディバイスの消費電力を低減することは出来るが、省電力モードプログラムを実行するためのメモリの消費電力を低減することは出来ない。このため例えば省電力モードプログラムで、スタンバイ状態から通常動作状態に自動復帰する監視タスクを実行する場合には、この監視タスクの実行に要する消費電力が問題となる。
【0011】
このようにCPUのキャッシュにスリープ状態を実行するパワーダウンプログラムをコピーして実行させる場合、実行するプログラムによってはDDR内のデータ(プログラム)を必要とするためにスリープモードの実行中にRAMを通常モードに戻す必要があり、そのようなときはスリープモード中であってもRAMを通常モードに戻す制御を行なっている。
【0012】
つまり、制御CPUで通常の画像読取を実行する場合に、そのプログラムを複数のタスクをOSで切り替えながら実行するように構成すると、スリープモードの実行中に所定の条件が整うと通常動作モードのタスクを実行することがある。このタスクの実行は高消費電力のメモリ(例えばDDR)を作動するため、結果として装置の消費電力が高くなる問題が生ずる。
【0013】
そこで本発明者は、省電力モードの実行中に高速メモリの作動を禁止するプログラム構成によって更に電力消費を低減することができるとの着想に至った。
【0014】
本発明は、原稿画像の読取を通常動作モード時には転送速度が高速かつ消費電力量の大きいメモリを使用し、省電力モード時には低消費電力のメモリのみを作動することによって電力消費をより低減することが可能な画像読取装置の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を達成するため本発明は以下の構成を採用する。原稿画像を読み取る画像読取手段と、所定の条件が成立したときに実行される複数のプログラムを有し、前記画像読取手段を制御して画像データを取得するためのメインプログラムが記憶されるとともに前記メインプログラムを実行する際に使用される情報の書き込みおよび読み出しを行うための第1記憶手段と、前記メインプログラムを実行するための実行手段とを備える。そして前記画像読取手段を制御して画像データを取得する通常モードと、前記通常モードよりも装置の消費電力量が低い省電力モードとを有し、前記通常モード時は、前記第1記憶手段を情報の書き込みおよび読み出しを行う実行状態とし、前記省電力モード時は、前記第1記憶手段に書き込まれた情報を維持する待機状態とする画像読取装置であって、前記複数のプログラムのうち、通常モードから省電力モードへ移行させ再び省電力モードから通常モードへ復帰させるまでの省電力プログラムが記憶され、前記第1記憶手段よりも消費電力量が小さい第2記憶手段と、前記省電力プログラムを実行する際に使用される情報の書き込みおよび読み出しをおこなうための第1記憶手段とは異なる第3記憶手段をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は所定の条件が成立したときに実行される複数のプログラムを制御して画像データを取得するためのメインプログラムが記憶され、前記複数のプログラムのうち、通常モードから省電力モードへ移行させ再び省電力モードから通常モードへ復帰させるまでの省電力プログラムが記憶され、前記第1記憶手段よりも消費電力量が小さい第2記憶手段と、前記省電力プログラムを実行する際に使用される情報の書き込みおよび読み出しをおこなうための第1記憶手段とは異なる第3記憶手段を備えたものであるから次の効果を奏する。
【0017】
メインプログラムを記憶する第1記憶手段を、例えばDDR、DDR2などのデータ転送が高速のメモリを使用することによって画像読取を高速に実行することが出来る。これと同時に、省電力モードを実行する第2記憶手段を消費電力量が小さいメモリで構成することによって消費電力の効率化が可能となる。特にこの省電力モードのとき第1記憶手段とは異なる第3記憶手段をワークメモリとして使用することで省電力モード時に第1記憶手段を復帰させることがなくなり省電力モード時の消費電力量をより低減できる。
【0018】
更に本発明はメインプログラムを所定の条件が成立したときに実行される複数のタスク(プログラム)をOSで切り替えて実行するように構成し、省電力モードの実行プログラムの実行時にはOSによるタスク切り替えを停止することによって省電力モードの実行中にメインプログラムのタスクが実行されることがない。この為メインプログラムを記憶した高速メモリを作動することがなく更に消費電力量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下図示の本発明の好適な実施の態様に基づいて本発明を詳述する。図1は本発明に係わる画像読取装置と外部コンピュータ(ホスト装置)とのシステム構成の説明図であり、図2は本発明に係わる画像読取装置の全体説明図である。図3は図2の装置に於けるハード構成を示すブロック図であり、図4はワークメモリの構成を示す説明図である。
【0020】
本発明に係わる画像読取装置(以下「スキャナ装置」という)Bは、図1に示すようにホスト装置(パーソナルコンピュータ)Aの入力端末として構成されている。従ってスキャナ装置Bはホスト装置Aに伝送ケーブル1で接続され、画像データと制御信号を相互にシリアル転送又はパラレル転送するように構成されている。この他、スキャナ装置Bはコンピュータネットワークにケーブルライン或いは無線ラインで接続される場合と、プリンタ装置、ファクシミリ装置などの複合機に画像入力端末として接続される。
【0021】
[ホスト装置の構成]
図示のホスト装置Aはパーソナルコンピュータ、プリンタ複合機、ファクシミリ複合機
などで構成される。図1に示すパーソナルコンピュータAは中央処理装置(以下「CPU」という)2と、主記憶装置3と、補助記憶装置4と、キィボードなどの入力装置5と、ディスプレイなどの出力装置6を備えている。CPU2は記憶装置(主記憶装置3、補助記憶装置4)に準備された各種プログラムを実行する。従って、このCPU2で基本プログラム(OS)を実行して外部記憶装置及び入出力装置を制御するOS実行部2aと、各種アプリケーションプログラムを実行するアプリ実行部2bと、スキャナ装置Bなどの外部機器を動作させるドライバプログラムを実行するドライバ実行部2cが構成される。
【0022】
[スキャナ装置の構成]
図2にスキャナ装置Bの構成を示す。このスキャナ装置Bは原稿シートを載置する給紙スタッカ11と、排紙スタッカ12と、この給紙スタッカ11から排紙スタッカ12に原稿シートを案内する搬送経路13と、搬送経路13に配置された読取プラテン14とから構成されている。読取プラテン14は搬送経路13を移動する原稿シートの裏面画像を読取る第1プラテン14aと表面画像を読取る第2プラテン14bで構成されている。図示の装置は、上述の給紙スタッカ11から排紙スタッカ12に移動する原稿シートの表裏画像を読取る第1第2プラテン14a、14bとは別に原稿シートを静止セットする第3プラテン(フラットベットプラテン)15が設けられている。この第3プラテン15は上記第2プラテン14bと略々同一平面を形成するようにケーシング10の上面に配置されている。上記給紙スタッカ11と排紙スタッカ12とは同一のユニットフレーム(不図示)に取付けられ、このユニットフレームは第2プラテン14b及び第3プラテン15の上方に開閉自在にヒンジ連結されている。そして排紙スタッカ12には第3プラテン15を覆うプラテンカバー12pが一体に取り付けられている。従ってユニットフレームを図2左側にヒンジ回転することによって第3プラテン15の上方は解放され、プラテン上に原稿シートを載置セット可能となる。
【0023】
上記第1プラテン14aには搬送経路13を所定速度で移動する原稿シートの裏面画像を読み取る第1画像読取ユニット16が配置され、上記第2プラテン14bには原稿シートの表面画像を読み取る第2画像読取ユニット17が配置されている。この第2画像読取ユニット17は上記第3プラテン15上に載置セットされた原稿シートの画像を読み取るように第2、第3プラテン14b、15の間で位置移動可能に構成されている。
【0024】
[画像読取ユニットの構成]
上記第1画像読取ユニット16と第2画像読取ユニット17とは、同一の構成であるので同一番号を付してその一方について説明する。図示画像読取ユニットは縮小光学系で画像読み取りする場合を示す。光源21から第1第2プラテン14a、14bに光を照射し、プラテンを通過する原稿からの反射光を、ミラー22を介して集光レンズ23に導き、この集光レンズ23で読取センサ24上に結像する。図示の読取センサ24はCCDなどの光電変換素子で構成され、集光レンズ23からの撮像光を電気信号に変換して出力する。
【0025】
上述のように構成された第1画像読取ユニット16は上記第1プラテン14aに固定配置され、第2画像読取ユニット17は上記第2プラテン14bと上記第3プラテン15との間で位置移動自在に配置されている。このため第1画像読取ユニット16はユニットフレーム16xに上述の各構成部品が搭載され、このユニットフレーム16xが装置フレーム(不図示)に固定されている。また、第2画像読取ユニット17はユニットフレーム(以下キャリッジと云う)17xに各構成部品が搭載され、このキャリッジ17xは装置フレームに設けられたガイドレール(不図示)に沿って図2左右方向に移動自在に支持されている。このキャリッジ17xにはキャリッジ移動モータMcに連結された走行ベルト18に連結されている。従ってこのキャリッジ移動モータMcの回転制御によってキャリッジ17xは第2プラテン14bと第3プラテン15の直下に選択的に位置づけられ、第3プラテン15では、このプラテンにセットされた原稿シートに沿って移動しながらその画像を読み取るように構成されている。
【0026】
[給紙手段の構成]
上記給紙スタッカ11は複数の原稿シートを載置するトレイで構成され、このトレイには原稿の有無を検出するトレイセンサStが設けられている。そしてこの給紙スタッカ11には原稿シートを繰り出すピックアップローラ25と、このピックアップローラで繰り出されたシートを1枚に分離する分離ローラ26と、この分離ローラから送られた原稿シートを一時的に待機させるレジストローラ27が配置されている。また、このレジストローラ27の下流側には第1フィードローラ28と第2フィードローラ29が設けられている。そこで原稿シートは、給紙スタッカ11からピックアップローラ25と分離ローラ26で1枚に分離してレジストローラ27に給送され、このレジストローラ位置で待機する。そして後述する読取制御手段(後述のCPU41;以下同様)からの給紙指示信号でレジストローラ27を駆動回転して下流側の第1第2フィードローラ28、29に原稿シートを給送する。
【0027】
従って図2に示す装置は原稿シートを第1第2プラテン14a、14bに向けて給送する給紙手段は、上記レジストローラ27と第1第2フィードローラ28、29で構成され、これらのローラはフィードモータMfに連結され、同一周速度で原稿を給送するように構成されている。つまり図2の装置は給紙スタッカ11から先の原稿を読取プラテン14に向けて給送した後、後続する次原稿を給紙スタッカ11から繰り出して分離し、その下流側のレジストローラ位置に待機させる(先出し待機制御)。そして読取制御手段41からの給紙指示信号を受けてこのレジストローラ27から第1プラテン14aに原稿シートを給送するようになっている。
【0028】
上記搬送経路13には第1プラテン14aの下流側に第3フィードローラ30が配置され、第1プラテン14aからの原稿を第2プラテン14bに給送し、この第2プラテン14bの下流側にはプラテン面から原稿シートを掬い上げる搬出ローラ31と、排紙ローラ32がそれぞれこの順に配置されている。排紙ローラ32は搬出ローラ31からの原稿シートを排紙スタッカ12に搬出するように構成されている。
【0029】
[シートセンサの構成]
上述の搬送経路13には図2に示すように、トレイセンサSt、レジストセンサSr、第1リードセンサSe1、第2リードセンサSe2、排紙センサShが配置されている。トレイセンサStは給紙スタッカ11に載置された原稿シートの有無を検出する。またレジストセンサSrは分離ローラ26とレジストローラ27の間に配置され給紙スタッカ11から送られた原稿シートの先端がレジストローラ位置に到達したのを検出する。第1リードセンサSe1は第1プラテン14aの上流に配置され、レジストローラ27から送られた原稿シートの先端を検知する。上記第2リードセンサSe2は第2プラテン14bの上流に配置され、第3フィードローラ30から送られた原稿シートの先端を検知する。また排紙センサShは搬出ローラ31から送られた原稿シートの前後端を検知する。この他、前記プラテンカバー12pの開閉(開蓋)状態を検出する開閉センサSpが設けられ、この開閉センサSpで第3プラテン15に原稿シートをセットする操作者の動作を検出する。更に上記給紙スタッカ11には図示しないがトレイ上に載置された原稿シートのサイズを検出するサイズ検知センサが配置されている。
【0030】
そして上記第1リードセンサSe1と第2リードセンサSe2はシートの先端を検出して下流側の第1プラテン14a及び第2プラテン14bにおける画像読取りの開始位置と読取り終了位置を設定する基準信号として使用され、また、上記レジストセンサSr、第1リードセンサSe1、第2リードセンサSe2及び排紙センサShはシート前後端を検知し、原稿シートの搬送ジャムを判断する検出信号として使用される。また、上記トレイセンサStはトレイ上に原稿シートがセットされているか否かを、上記開閉センサSpは第3プラテン15に原稿をセットする動作をそれそれぞれ検出する。
【0031】
[制御CPUの構成]
スキャナ装置Bには図3に示すコントローラが備えられている。メインプログラムを実行して原稿搬送ユニットとスキャナユニットを含む装置全体を制御するCPU(実行手段)41と、メインプログラムおよびOS(オペレーティングシステム)プログラムを記憶するRAM1(第1記憶手段)42、通常モードから省電力モードへ移行させ再び通常モードへ復帰させるまでの省電力モードプログラム(タスク)44が記憶されたROM(第2記憶手段)45、クロックを出力する発信器46、発信器からのクロックの周波数を増幅するための増幅回路を有するPLL47、CCD24、FPGA50を介して出力された画像データをデータバスへ取り込むとともにCCD等を駆動するためのクロック等を出力するためのスキャナインターフェース(SC I/F)51、SC I/Fを介して取得された画像データに各種画像処理を施すためのDSP(デジタル・シグナル・プロフェッサ)52、USBケーブル(伝送ケーブル)1を介して接続されたパーソナルコンピュータ(PC)とデータの受け渡しを行うためのUSBコントローラ60、ランプ21、モータMc,Mf,Mkを駆動させる信号の出力およびトレイセンサSt、開閉センサSp、スリープボタン19から出力される信号(データ)をデータバスへ取り込むためのGPIO53、通常モード時およびスリープモード時にそれぞれ実行される一連の処理が正常に実行されているか否かを監視するために使用されるウォッチドッグタイマ55と、さらに、GPIO53は、各センサおよびスリープボタン19から出力されたON/OFF信号をそれぞれ一時的に維持するためのセンサレジスタ53a、ボタンレジスタ53bを備え、制御CPU41は、スリーププログラムを実行する際にワークメモリとして使用されるRAM2(48)を備えている。
【0032】
USBコントローラ60は、PCと受け渡しをするデータを一時保管するためのUSBメモリ60a、USBメモリ内のデータのあるなしに対応するデータが記憶されるUSBレジスタ60b等を有し、これらを制御してPCと情報やデータの受け渡しを行う。
【0033】
PLL47は、発信器46から出力された12MHZのクロックを200MHzに増幅する増幅部47aと、発信器46から出力された12MHzのクロックを増幅部47aへの入力と、増幅部47aを介さずに出力されるスルーとの切替を行う入力切替部47bと、CPUなど機能部ごとにクロックの出力/停止を選択するための出力切替部47cを備えている。そして通常モード時は、200MHzに増幅されたクロックを出力し、省電力モード中はスルーで12MHzのクロックを出力する。
【0034】
RAM1(42)はPLL47を介して発信器46から入力されたクロックに同期して書込および読み出しを行うことができるメモリであり、本実施例ではDDR2で構成している。RAM1(42)は、装置の電源投入時に、省電力モードに関するプログラム(省電力タスク)以外のメインプログラムを構成するプログラム(タスク)がコピーされ、さらに省電力タスク以外の複数のタスクを実行する際に必要となるデータ等の読み込みと書き出しを行うためのワークエリア(メインワークエリア)42mもこの中に設定されている。
【0035】
また、RAM1(42)(第1記憶手段;以下同様)は、PLL47によって増幅された200MHzのクロックに同期して書込および読み出しを行い、消費電力量が大きい実行モードと、PLL47によって増幅されない12MHzのクロックによってメモリにリフレッシュを行いメモリに記憶されている情報を維持するだけで、消費電力量が小さい待機モードとを有し、いずれかのモードで駆動する。RAMコントローラ56は、RAM1(42)を制御するコントローラであり、RAM1へのプログラムおよびデータの書込・書き出しを制御する。さらに、RAM1(42)の実行モードと待機モードの切替も行う。
【0036】
ROM(第2記憶手段;以下同様)45はフラッシュメモリで構成され、装置の電源が切断された状態でも、プログラムおよび予め設定されているデータを記憶するためのメモリで、PLL47を介して発信器46から入力されたクロックに同期してプログラムおよびデータの読み込みを行う。ROM45はそのメカ構成およびハード構成上、RAM1(42)に比較して処理速度は遅いが消費電力量は小さい。
【0037】
RAM2(48)は低クロックで駆動可能なメモリで構成され(本実施例ではTightly Coupled Memory;TCM)、制御CPU41が内部に有するもので、記憶容量が小さい。RAM2(48)のノンキャッシュ領域内には省電力タスクを実行する際に必要となるデータの書込および読み出しを行うための省電力ワークエリア61(第3記憶手段;以下同様)が設定されている。このRAM2(48)は低クロック(本実施例では12MHz)で動作するように構成されている。
【0038】
次に図4に示すブロック図に基づいて上述のメインプログラムを実行する制御構成について説明する。図4に示すようにメインプログラムは、複数のプログラムで構成されており、これらの複数のプログラム(以下、タスクという)をCPU41が順次実行することで装置全体を制御して画像データを取得している。
【0039】
メインプログラムを構成する各プログラムで実行される処理には、各種センサやスリープボタン19からの入力信号を監視する入力監視処理、メインプログラムが正常に実行されているかを監視するためのウォッチドッグタイマ処理、通常モードから省電力モードへの移行から省電力中の処理さらに省電力モードから通常モードへの復帰までの省電力モードに関する各種処理を行う省電力処理などがある。
【0040】
これらメインプログラムを構成する各プログラムで実行される処理(入力監視処理、ウォッチドッグ処理、スリープ処理など)を行うタスクをOSに登録しており、OSプログラムは、予め定められた所定の順番に従ってCPU41が各タスクを順次実行するように処理するもので、(1)所定の順番に従ってタスクを順次選択し、(2)その選択したタスクが記憶されたアドレスをCPUに指定し、(3)CPUはOSにより指定されたアドレスのタスクを実行する、との処理を繰り返し行うことで装置全体を制御している。
【0041】
次に図5に示すプログラム構成の概念図に従って上述のメインプログラムと省電力モードプログラムの構成を説明する。上述の通りOSは予め定められた所定の優先順位に従ってタスクを順次選択・指定するが、各タスクはそれが実行されるための条件があり、その条件が成立しない場合、OSはそのタスクを選択しない。よって、図に示すように、例えば入力監視タスクTnの場合、条件が成立しない場合は実線で示されるように、OSに選択されずスルーとなってタイマ監視タスクTwへと移る。タイマ監視タスクTwも同様にその条件が成立しない場合はOSに選択されずにスルーとなって次のタスクへと移る。このようにOSは条件が成立しないタスクを選択しないためそのタスクはスルーされてCPU41によって実行されない。なお、条件が成立した場合は、OSはその条件が成立したタスクを選択するので(図中点線で示す)、CPU41はそのタスクを実行して処理を行う。
【0042】
また、図3、図5に示すように省電力タスク以外のタスクはRAM1(DDR2)42に記憶され、各ワークメモリ(メインワークメモリ)42mもRAM1(42)内に設定されているので、これらのプログラムの実行(処理)はRAM1(DDR2)42上のみで行われる。しかし、省電力タスク(プログラムおよびプログラムが使用するデータ(定義)および変数)はROM(フラッシュメモリ)45に記憶され、そのワークメモリ(省電力ワークメモリ)61はCPU内のRAM2(48)に設定されている。
【0043】
次に図6乃至8のフローチャートに従って上述の各タスクで実行する処理について説明する。各タスクはそれぞれ所定の条件が成立した場合に実行処理されるプログラムであって、入力監視タスクTsおよびウォッチドッグタイマタスクTwは予め定められた所定時間が経過したことがプログラムを実行する条件となっているので、それぞれ予め定められた所定時間ごとに実行される。
【0044】
「入力監視タスクTn」は、図3及び図6に示すように、GPIO53を介して入力されるトレイセンサStからのON/OFF信号、開閉センサSpからのON/OFF信号、スリープボタン19からのON/OFF信号を監視するためにCPU41が実行するプログラムである。具体的には、GPIO53内のセンサレジスタ53aにそれぞれ保持されたトレイセンサSt、開閉センサSpのON/OFF信号を読み出す(St100)。GPIO53内のボタンレジスタ53bに保持されたスリープボタン19からのON/OFF信号を読み出す(St101)。このような処理を所定時間ごとに繰り返し実行する。後述する省電力タスクTsにも入力監視タスクTnと同様の処理を行うステップ(St307,St308)がある。
【0045】
「ウォッチドッグタイマ監視タスクTw」は、あらかじめ定められたある一定期間内にウォッチドッグレジスタをクリアさせないと、ハードウェアリセットがかかるハード構成で、定期的にウォッチドッグレジスタ55aをクリアする処理を行うことで通常モード時に実行される一連の処理が正常に行われている事を判断するための処理である。具体的には、ウォッチドッグタイマ監視タスクTwの実行回数である変数のCnt1が予め定められた回数xと等しいか否かを判断する(St200)。この回数xは、ウォッチドッグタイマ55の計測時間内にウォッチドッグタイマ監視タスクが実行される回数である。そして、ステップSt200で否定判断の場合は、Cnt1をカウントアップして(1を足して、St201)ステップSt200に戻り、Cnt1が予め定められた回数xと等しくなるまで上記手順を繰り返す。そしてCnt1が予め定められた回数xと等しくなるとCut1をクリアし(St202)、ウォッチドッグレジスタ55aに記憶された時間をクリアにする(St203)。ステップSt200〜St203までの処理を所定時間ごとに繰り返し実行する。このように、ウォッチドックタイマ監視タスクTwがx回実行されるたびにウォッチドッグレジスタ55aをクリアするが、ウォッチドッグレジスタ55aのクリアがウォッチドッグタイマ55の計測時間内に行われれば、通常モード時の一連の処理が正常に実行されていると判断される。
【0046】
「省電力タスクTs」は、通常モード(すなわち、200MHzのクロックにより各機能部を駆動させ、RAM1(42)上で省電力タスク以外のタスクが実行されるモード)時に、ユーザの操作に基づくPCからのコマンドや情報の受信が予め定める所定時間以上発生しないことが検出されると、またはユーザのスリープボタン19の押下が検出されると実行されるプログラムである。この「省電力タスクTs」は、スキャナ装置Bを通常モードから通常モードよりも消費電力量が小さい省電力モードへ移行させる移行処理と省電力モード中に実行される処理、省電力モード中の処理、省電力モードから通常モードへの復帰処理の各種処理を実行する。
【0047】
「省電力タスクによる処理のフロー」
次に図8のフローチャートに従って省電力タスクTsで実行される処理について説明する。通常モードのときに、ユーザの操作に基づくPCからのコマンドや情報の受信が予め定める所定時間以上発生しないことが検出されると、またはユーザのスリープボタン19の押下が検出されると(省電力タスクを実行する条件が成立すると、St300)、CPU41は省電力モード処理を行う(St301)。すなわち、省電力タスクTsを実行する条件が成立したことを検出すると、OSはCPU41に対し省電力タスクTsのアドレスを指定するので、CPU41はROM45に記憶されている省電力タスクを実行する。
【0048】
スキャナユニット内に設置された冷却用のファン(不図示)を停止、読取ユニットのランプ消灯、FPGAリセット、図示しない24vと12vの電源の切断(5vで駆動)などを行い、各種周辺部を省電力モードへ移行させる(St302)。OSの設定を、全割り込み処理禁止にする(OSのタスクの切替を停止、St303)。具体的には、CPU41の外部割り込み、内部割り込みをすべて禁止にするが、OSがシステムタイマとして使用しているタイマ割り込みも停止することで、OSの時間監視機能は停止される。また、スリープタスクは、後述のステップSt314の条件が成立するまでOSに戻さずにSt307〜St313が繰り返されるようループされている。そのため、ステップSt303でのOSの時間監視機能が停止されることによってOSのタスクの切替が停止され、ROM45に記憶された省電力タスクTsのみがCPU41によって実行されることとなる。このように、OSによるタスクの切替処理が停止されることで、省電力モード時にスリープタスク以外のタスクが実行されることはないので、省電力モード時にRAM1(42)を実行モードへ戻すことがなくなり、結果として省電力モード中の消費電力量をより低下させることができる。
【0049】
PLL47の出力切替部47cによりSC I/F51、DSP52等へのクロックの出力を停止させる(St304)。
【0050】
RAMコントローラ56でRAM1(42)を実行モードから待機モード(セルフリフレッシュモード)へ移行させる(St305)。
【0051】
PLL47の入力切替部47bによりCPU41、GPIO53、USBコントローラ60、ROM45,RAM1(42)へ入力されるクロックを200MHzから12MHzへ低下させる(St306)。これにより、各機能部の処理速度は低下すると共に消費電力量が下がる。
【0052】
以上の手順により省電力モードへの移行処理が行われた後、省電力モード中に行われる省電力モード処理が行われる。省電力モード中は、省電力モードから通常モードへの復帰の条件となるトレイセンサSt、開閉センサSpのそれぞれのON、スリープボタン19の押下、PCからのアクセスの有り、のいずれかの条件が成立したかどうかを監視すると共に、省電力モード処理が正常に実施されているかどうかを監視する監視処理を行う。
【0053】
まずステップSt307,St308では、入力監視タスクTnのSt100,St101で行われた処理と同様な処理を実施する。すなわち、GPIO53を介して入力されるトレイセンサStからのON信号、開閉センサSpからのON信号、スリープボタン19からのON信号を監視するために、GPIO内のセンサレジスタ53aにそれぞれ保持されたトレイセンサSt、開閉センサSpのON/OFF信号を読み出し(St307)、GPIO内のボタンレジスタ53bに保持されたスリープボタン19からのON/OFF信号を読み出す(St308)。
【0054】
なお、ステップSt307,St308は入力監視タスクTnでも同様な処理が実行されるが、プログラム上は、これらの処理で使用される各センサと各レジスタに対する定義(データ)を入力監視タスクTnと省電力タスクTSとで異ならせ、その定義もROM内に記憶させてあるので、同様な処理を実行しているにも係らず、省電力モード中はRAM1(42)にアクセスされることがない。またステップSt309では、USBコントローラ60によってPCからのアクセスがあったか否かの監視をおこなうために、USBレジスタ内のデータのある/なしに対応するデータの読み出しを行う。
【0055】
ステップSt310〜St313は、省電力モード中の処理が正常に実施されているか否かを監視するためのウォッチドッグタイマ処理であり、通常モード時に実施されるウォッチドッグタイマ処理(St200〜St203)と同様の処理が実行される。すなわち、タイマ監視タスクTwの実行する回数である変数のCnt1が予め定められた回数xと等しいか否かを判断し(St310)、異なる場合は、Cnt1をカウントアップして(1を足して、St311)St307に戻り、Cnt1が予め定められた回数xと等しくなるまでステップSt307〜St310を繰り返し行う。そしてCnt1が予め定められた回数xと等しくなるとCnt1をクリアし(St312)、ウォッチドッグレジスタ55aに記憶された時間をクリアにする(St313)。
【0056】
なお、ステップSt309〜St313はウォッチドッグタスクでも同様な処理が実行されるが、プログラム上は、これらの処理で使用されるウォッチドッグレジスタ55aに対する定義(データ)をウォッチドッグタスクと省電力タスクとで異ならせ、その定義もROM内に記憶させてあるので、同様な処理を実行しているにも係らず、省電力モード中はRAM1(42)にアクセスされることがない。
【0057】
ステップSt314では、St307,St308の読み出し結果から省電力モードから通常モードへの復帰の条件が成立したか否かの判断を行い、成立したと判断した場合は、復帰処理が実行される。また、上述したとおり、St307〜St314までの処理が繰り返される間はタスクを切り替えるとのOSの機能が働かないので、OSはRAM1(DDR2)42をセルフリフレッシュにする前の状態で維持されたままとなり、一時停止している状態が作れる。
【0058】
PLL47の入力切替部47bによりCPU41、GPIO53、USBコントローラ60、ROM45,RAM1(42)へ入力されるクロックを12MHzから200MHzへ増加させる(St315)。これにより、各機能部の処理速度は増加すると共に消費電力量が上がる。
【0059】
PLL47の出力切替部47cによりSC I/F51、DSP52へのクロックへの出力を再開させる(St316)。
【0060】
RAMコントローラ56でRAM1(42)を待機モードから実行モードへ移行させる(St317)。全割り込みを許可する(OSの切替再開、St318)。これにより、停止されていたOSの機能が再開され、CPU41が実行するプログラムの切替を行う処理を行うことが可能となり、RAM1(42)に記憶されたスリープタスク以外のタスクをCPU41に実行させることが可能となる。また、OSが切替を停止されるとともにRAM1(42)がセルフリフレッシュされることで、切替停止前のOSの状態(プログラムや情報)が保持され、さらにタスク、タスクが使用するデータが保持されるので、各タスクによる処理は省電力モード移行前の状態から再開される。
【0061】
スキャナユニットや原稿搬送装置内に設置された冷却用のファン(不図示)を停止、読取ユニットのランプ消灯、FPGAリセット、図示しない電源の切断(5vで駆動)などを行い、各種周辺部を通常モードへ移行させる(St319)。
【0062】
上記の手順で通常モードへ移行した後は、省電力タスクTsが実行される条件の成立が検出されない限り、RAM1上でメインプログラムが実行され、省電力タスク以外のタスクによる各種処理が実行される。したがって、高速で処理が行われる反面、処理電力量は高くなる。
【0063】
上記の通り、本願は、(1)省電力タスク(プログラム)および省電力タスクで使用するデータ(定義、変数)をRAM1(DDR2)以外の消費電力量のより小さいメモリ(ROM、フラッシュメモリ)に記憶させる。(2)省電力タスクのワークエリアもRAM1以外のメモリに設定する。(3)省電力モード中の処理がOSに戻らないように閉ループにした。と設定した上で、OSの切替機能を停止させたので(ステップSt303)、省電力モード中にRAM1を復帰させる必要がなくなり、結果として省電力モード中の消費電力をより低減させることができたものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係わる画像読取装置と外部コンピュータ(ホスト装置)とのシステム構成の説明図。
【図2】本発明に係わる画像読取装置の全体説明図。
【図3】図2の装置における制御構成の説明図。
【図4】図2の装置におけるプログラム構成を示す説明図。
【図5】図2の装置におけるCPUの実行状態の構成説明図。
【図6】図4のプログラム構成における入力監視タスクの説明図。
【図7】図4のプログラム構成におけるウォッチドッグタイマ処理の説明図。
【図8】図2の装置における省電力モードの実行状態を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0065】
A ホスト装置(パーソナルコンピュータ)
B 画像読取装置(スキャナ装置)
St トレイセンサ
Sp 開閉センサ
2 中央処理装置(CPU)
19 スリープボタン
24 読取センサ(CCD)
41 CPU(読取制御手段)
42 RAM1(第1記憶手段)
45 ROM(第2記憶手段)
46 発信器
47 PLL
47a 増幅部
47b 入力切替部
47c 出力切替部
48 RAM2
50 FPGA
51 スキャナインターフェース(SC I/F)
52 DSP
53 GPIO
53a センサレジスタ
53b ボタンレジスタ
55 ウォッチドッグタイマ
55a ウォッチドッグレジスタ
56 RAMコントローラ
60 USBコントローラ
60a USBメモリ
60b USBレジスタ
61 省電力ワークメモリ(第3記憶手段)
Tn 入力監視タスク
Tw タイマ監視タスク
Ts 省電力タスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を読み取る画像読取手段と、
所定の条件が成立したときに実行される複数のプログラムを有し、前記画像読取手段を制御して画像データを取得するためのメインプログラムが記憶されるとともに前記メインプログラムを実行する際に使用される情報の書き込みおよび読み出しを行うための第1記憶手段と、
前記メインプログラムを実行するための実行手段と、
を備え、
前記画像読取手段を制御して画像データを取得する通常モードと、
前記通常モードよりも装置の消費電力量が低い省電力モードと、
を有し、
前記通常モード時は、前記第1記憶手段を情報の書き込みおよび読み出しを行う実行状態とし、
前記省電力モード時は、前記第1記憶手段に書き込まれた情報を維持する待機状態とする画像読取装置であって、
前記複数のプログラムのうち、通常モードから省電力モードへ移行させ再び省電力モードから通常モードへ復帰させるまでの省電力プログラムが記憶され、前記第1記憶手段よりも消費電力量が小さい第2記憶手段と、前記省電力プログラムを実行する際に使用される情報の書き込みおよび読み出しをおこなうための第1記憶手段とは異なる第3記憶手段をさらに備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記第1記憶手段はDDR2で構成され、
前記実行手段はCPUで構成され、
前記第2記憶手段はフラッシュメモリで構成され、第3記憶手段はCPU内のRAMのノンキャッシュ領域に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
通常モード時に前記メインプログラムの複数のプログラムを切り替えて前記実行手段に前記複数のプログラムを順次実行させるプログラム制御手段をさらに備え、
前記通常モードから前記省電力モードへ移行する所定の条件が成立すると前記実行手段は、前記省電力プログラムにしたがって以下のステップ
(1)前記プログラム制御手段の前記プログラムの切替を停止させること、
(2)前記第1記憶手段を前記待機状態へ移行させること、
(3)省電力モードから通常モードへ移行する条件の成立を監視すること、
(4)省電力モードから通常モードへ移行する条件が成立したことを検出すると、前記第1記憶手段を前記待機状態から前記実行状態へ移行させること、
(5)前記プログラム制御手段の前記プログラムの切替を開始させること、
を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記メインプログラムの有する複数のプログラムを構成し、前記省電力プログラムの前記(3)のステップと略同処理を行う少なくとも1つの監視プログラムが前記第1記憶手段に記憶され、
前記通常モード時は、前記実行手段は前記第1記憶手段に記憶された前記監視プログラムを実行することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
原稿を載置するための給紙トレイと、
前記給紙トレイ上の原稿の有無を検出するための原稿有無検出手段と、
前記給紙トレイ上の原稿を前記読取手段が原稿を読み取る読取位置へ搬送する搬送手段とを有し、原稿を載置するためのプラテンに対し開閉可能に設置される原稿搬送装置と、前記原稿搬送装置の開閉を検出するための開閉検出手段と、
前記通常モードと前記省電力モードを選択するための選択手段と、をさらに備え、
前記通常モード時は、前記実行手段は、前記第1記憶手段に記憶された少なくとも1つの前記監視プログラムを実行して前記原稿有無検出手段の検出結果の監視、前記開閉検出手段の検出結果の監視、および選択手段からの信号の監視の少なくともいずれか1つを行い
前記省電力モード時は、前記実行手段は、前記第2記憶手段に記憶された前記省電力プログラムを実行して前記原稿有無検出手段の検出結果の監視、前記開閉検出手段の検出結果の監視、および選択手段からの信号の監視の少なくともいずれか1つを行うことを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−303094(P2009−303094A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157437(P2008−157437)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】