説明

画像読取装置

【課題】原稿読取ガラス上の除去しにくい汚れが原因となる低品質な画像の読み取りを未然にかつ有効に防止することができる画像読取装置を提供する。
【解決手段】シートスルー方式で搬送される原稿が原稿読取ガラス510に対応する原稿読取位置511を通過するに伴って該原稿画像を原稿読取手段610で読み取る画像読取装置において、汚れ検知用部材および清掃部材を有する清掃機構400と、清掃機構400の動作後に汚れ検知用部材を介して原稿読取ガラス510上の汚れ度合いを検知する汚れ度合い検知手段とを備えている。原稿読取ガラスの汚れ度合いが一定レベル以下に低減されるまで、清掃機構による清掃と汚れ度合い検知手段による汚れ度合いの検知を実施し、所定回数の清掃によっても原稿読取ガラスの汚れ度合いが一定レベル以下に低減されなければ、ユーザに警告報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原稿読取ガラスを清掃する機構を有する複写機、スキャナ、ファクシミリ、それらの機能を備えた複合機等に用いられる画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置として、原稿読取センサを移動させずに原稿を移動させて原稿画像の読取りを行うシートスルー方式がある。シートスルー方式の画像読取装置では、原稿の紙粉やインク等により原稿読取ガラスが汚れていると、読取画像の副走査方向全域または広域に”黒スジ”または”白スジ”が発生することがある。
【0003】
この課題を改善するため、従来、原稿読取ガラスに対向し、原稿搬送方向に並行に設置されたローラの表面に、原稿読取ガラスを清掃する清掃部と、原稿読取センサにより読み取ることで原稿読取ガラス上の汚れを検知するための反射部と、読取中の原稿に接する原稿読取ガラス対向部を持たせた技術が知られている。
【0004】
つまり、これは、所定枚数の原稿通紙毎の原稿間に、前記反射部からの信号を読み取って汚れを検知し、汚れがあると判断した場合には、前記清掃部材により原稿読取ガラスを清掃するという技術である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−258545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、清掃後に汚れの改善具合を評価していないため、清掃後の原稿読取ガラス上にインクや修正液等による除去しにくい汚れが付着していた場合、原稿の読取が停止されないままになって多数の読取画像の副走査方向に多数の”スジ”が発生するおそれがあり、その場合、汚れが残っていることをユーザも気づかずに原稿画像が低品質のままで読み取られてしまうことになる。
【0007】
この発明は、上記実情に鑑みてなされものであり、原稿読取ガラス上の除去しにくい汚れが原因となる低品質な画像の読み取りを未然にかつ有効に防止することができる画像読取装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)シ−トスルー方式で原稿画像を読み取るために該原稿を原稿搬送経路に沿って搬送する原稿搬送手段と、搬送された原稿の画像を所定読取位置で読み取る原稿読取手段と、前記原稿読取手段と原稿搬送経路の間に位置する原稿読取ガラスに摺接して原稿読取ガラスを清掃する清掃部材と、前記原稿読取ガラス上の汚れを前記原稿読取手段に反射させて検知させるための汚れ検知用部材を有する清掃機構と、前記清掃機構における汚れ検知用部材を前記原稿読取手段で読み取った結果から前記原稿読取ガラスの汚れ度合いを検知する汚れ度合い検知手段と、前記原稿読取ガラスの汚れの異常発生をユーザに通知する警告通知手段と、前記汚れ度合い検知手段により検知された原稿読取ガラスの汚れ度合いが規定値以上の場合に、前記清掃機構に原稿読取ガラスの清掃を実施させるとともに、原稿読取ガラスの汚れ度合いが一定レベル以下に低減されるまで、前記清掃機構による清掃と汚れ度合い検知手段による汚れ度合いの検知を実施し、所定回数の清掃によっても原稿読取ガラスの汚れ度合いが一定レベル以下に低減されなければ、前記警告通知手段による警告通知を実施する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像読取装置。
(2)前記清掃機構は、前記原稿読取ガラスに平行に配置された回転軸を介して原稿搬送方向へ回転変移可能に設けられるとともに、周面に、前記汚れ検知用部材と前記清掃部材の他に、読取中の原稿に接触する原稿接触部材を有している前項1に記載の画像読取装置。
(3)前記清掃機構は、汚れ検知用部材として、原稿読取ガラス上の輝度の低い汚れを検知するための第1の汚れ検知用部材ならびに原稿読取ガラス上の輝度の高い汚れを検知するための第2の汚れ検知用部材を有しており、前記制御手段は、第1の汚れ検知用部材を前記原稿読取手段で読み取った結果から検知された前記原稿読取ガラスの第1の汚れ度合い、及び/または第2の汚れ検知用部材を前記原稿読取手段で読み取った結果から検知された前記原稿読取ガラスの第2の汚れ度合いが規定値以上の場合に、前記清掃機構に原稿読取ガラスの清掃を実施させるとともに、第1の汚れ度合い及び/または第2の汚れ度合いが一定レベル以下に低減されるまで、前記清掃機構による清掃と汚れ度合い検知手段による第1の汚れ度合い及び/または第2の汚れ度合いの検知を繰り返し、所定回数の清掃によっても原稿読取ガラスの第1の汚れ度合い及び/または第2の汚れ度合いが一定レベル以下に低減されなければ、前記警告通知手段による警告通知を実施する前項1または2に記載の画像読取装置。
(4)汚れ度合いが一定レベル以下に低減されないと判定されるまでの前記清掃機構による清掃の所定回数が、第1の汚れ度合いと第2の汚れ度合いとで異なる値に設定されている前項3に記載の画像読取装置。
(5)前記清掃機構は、前記回転軸の軸回り方向で、前記原稿接触部材、前記第1の汚れ検知用部材、前記第2の汚れ検知用部材、前記清掃部材がこの順序で配置されるか、または前記原稿接触部材、前記第2の汚れ検知用部材、前記第1の汚れ検知用部材、前記清掃部材がこの順序で配置されるか、または前記原稿接触部材、前記清掃部材、前記第1の汚れ検知用部材、前記第2の汚れ検知用部材がこの順序で配置されるか、または前記原稿接触部材、前記清掃部材、前記第2の汚れ検知用部材、前記第1の汚れ検知用部材がこの順序で配置されている前項3または4に記載の画像読取装置
(6)前記清掃機構は、汚れ検知用部材による汚れ検知時には、原稿搬送方向へ回転して汚れ検知用部材が前記原稿読取ガラスに対向する位置で停止し、前記清掃部材による清掃時は、原稿搬送方向へ回転して清掃を実施し、原稿読取ガラスの汚れ度合いが一定レベル以下に低減された場合には、原稿搬送方向とは逆方向へ回転して前記原稿接触部材が前記原稿読取ガラスに対向する位置で停止するように構成されている前項2〜5のいずれかに記載の画像読取装置。
(7)前記清掃機構は、前記第1の汚れ検知用部材による汚れ検知時には、原稿搬送方向へ回転して前記第1の汚れ検知用部材が前記原稿読取ガラスに対向する位置で停止し、第2の汚れ検知用部材による汚れ検知時には、原稿搬送方向へ回転して前記第2の汚れ検知用部材が前記原稿読取ガラスに対向する位置で停止し、前記清掃部材による清掃時には、原稿搬送方向へ回転して清掃を実施し、原稿読取ガラスの汚れ度合いが一定レベル以下に低減された場合には、原稿搬送方向とは逆方向に回転して前記原稿接触部材が前記原稿読取ガラスに対向する位置で停止するように構成されている前項3〜5のいずれかに記載の画像読取装置。
(8)前記警告通知手段による警告通知時に、原稿読取ジョブを終了するか継続するかをユーザが選択するための選択手段を備えている前項1〜7のいずれかに記載の画像読取装置。
【発明の効果】
【0009】
前項(1)に記載の発明によれば、例えば読取時の原稿間および最後の原稿通紙後等に、原稿読取位置付近の清掃機構における汚れ検知用部材を介して汚れ度合い検知手段によって読取りガラスの汚れ度合いが検知され、該汚れ度合いが規定値以上であれば、原稿読取ガラスの汚れ度合いが一定レベル以下に低減されるまで、前記清掃機構による清掃と汚れ度合い検知手段による汚れ度合いの検知が実施され、所定回数の清掃によっても原稿読取ガラスの汚れ度合いが一定レベル以下に低減されなければ、警告通知手段による警告がユーザに通知される。
【0010】
つまり、原稿読取ガラスの汚れが重度の状態であっても、該原稿読取りガラスに対する清掃動作と汚れ度合いの検知動作の繰り返しによって効率的に読み取りに適した状態を得ることが可能となり、とくに前記両動作の繰り返しによっても汚れが落ちにくい場合には、それがユーザに警告・通知されることにより、そのような汚れが原因となる低品質の画像読取が未然にかつ確実に防止されることになる。
【0011】
前項(2)に記載の発明によれば、清掃機構を回転させることにより、原稿読取ガラスの清掃と汚れ度合いの検知を容易に実施することができる。
【0012】
前項(3)に記載の発明によれば、原稿読取ガラス上の輝度の低い汚れを検知するための第1の汚れ検知用部材を前記原稿読取手段で読み取った結果から検知された前記原稿読取ガラスの第1の汚れ度合い、及び/または原稿読取ガラス上の輝度の高い汚れを検知するための第2の汚れ検知用部材を前記原稿読取手段で読み取った結果から検知された前記原稿読取ガラスの第2の汚れ度合いが規定値以上の場合に、第1の汚れ度合い及び/または第2の汚れ度合いが一定レベル以下に低減されるまで、前記清掃機構による清掃と汚れ度合い検知手段による第1の汚れ度合い及び/または第2の汚れ度合いの検知が繰り返される。そして、所定回数の清掃によっても原稿読取ガラスの第1の汚れ度合い及び/または第2の汚れ度合いが一定レベル以下に低減されなければ、警告通知が行われる。
【0013】
つまり、原稿読取りガラスの汚れを低輝度の場合と高輝度の場合とに分けて、汚れ度合いが検知されるから、原稿読取りガラスの低輝度および高輝度の汚れの検知と清掃を一層的確に実施できる。
【0014】
前項(4)に記載の発明によれば、汚れ度合いが一定レベル以下に低減されないと判定されるまでの前記清掃機構による清掃の所定回数が、第1の汚れ度合いと第2の汚れ度合いとで異なる値に設定されているので、低輝度および高輝度の汚れに対応して効率的な清掃を行うことができる。
【0015】
前項(5)に記載の発明によれば、原稿読取りガラスの汚れの検知動作と清掃動作とが効率良く行われる。
【0016】
前項(6)に記載の発明によれば、前記清掃機構の各部を、原稿読取りガラスの汚れの検知時および清掃時に応じて速やかにかつ的確に所定位置へと配置することができる。
【0017】
前項(7)に記載の発明によれば、前記清掃機構の各部を、原稿読取りガラスの低輝度の汚れや高輝度の汚れの検知時ならびに清掃時に応じて、速やかにかつ的確に所定位置へと配置することができる。
【0018】
前項(8)に記載の発明によれば、ユーザは警告通知を受けて原稿読取ジョブを終了するか、継続するかを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像読取装置における原稿読取部の原稿搬送系を示す概略構成図である。
【図2】同じく原稿読取ガラスに対する清掃動作を制御する制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】原稿読取ガラスに対する清掃機構の構成を示す断面図である。
【図4】同じく清掃機構における表面清掃ローラの動作時の原稿読取ガラスに対する位置関係を示す図である。
【図5】表面清掃ローラを用いた汚れ度合い検知時の読取位置と輝度との関係を示す図である。
【図6】清掃制御装置による原稿読取ガラスの表面清掃の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】この発明の他の実施形態として、表面清掃ローラの動作時の原稿読取ガラスに対する位置関係を示す図である。
【図8】図7に示す表面清掃ローラを用いた高輝度の汚れ度合い検知する場合の読取位置と輝度との関係を示す図である。
【図9】表面清掃制御部による原稿読取ガラス表面清掃の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】図9における清掃動作1の処理(S100)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図9における清掃動作2の処理(S200)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】図9における清掃動作3の処理(S300)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像読取装置における原稿読取部の原稿搬送系を示す概略構成図である。
【0022】
図1において、この画像読取装置は、読み取る原稿が積載状にセットされる給紙トレイ110と、給紙トレイ110の原稿を給紙する給紙ローラ210と、読み取る原稿とそれ以外の原稿を分離する分離ローラ220と、分離ローラ220を通過した原稿を検知する分離後センサ310と、原稿のスキューを補正するレジストローラ230と、レジストーラ230到達前の原稿を検知するレジストセンサ320と、原稿画像の読取位置の上流側で原稿を搬送する読取前ローラ240と、原稿画像の読取位置511の下流側で原稿を搬送する読取後ローラ250と、前記読取前ローラ240を通過した後の原稿を検知する読取前センサ330と、読取位置で原稿画像を読み取る原稿読取センサ(原稿読取部)610と、原稿読取センサ610と原稿と間に配置された原稿読取ガラス510と、読取後の原稿を排出する排紙ローラ260と、排紙ローラ260に到達前の原稿を検知する排紙センサ340と、前記排紙ローラ260を経て排出された原稿を積載する排紙トレイ120と、原稿読取ガラス510の表面を清掃するための表面清掃ローラ410を有し原稿読取ガラス510を清掃するための清掃機構400とを備えている。
【0023】
前記給紙ローラ210および分離ローラ220は、図示しない給紙モータにより駆動され、前記レジストローラ230は、図示しないレジストモータにより駆動される。
【0024】
前記読取前ローラ240および読取後ローラ250は、図示しない読取モータにより駆動され、排紙ローラ260は、図示しない排紙モータにより駆動され、前記清掃機構400の表面清掃ローラ410は、表面清掃モータ101(図2)により駆動されるようになっている。
【0025】
前記給紙ローラ210、読取前ローラ240、読取後ロ−ラ250、排紙ローラ260、および給紙モ−タ等により、原稿搬送経路60に沿って原稿を搬送する原稿搬送手段50が構成されている。
【0026】
図2は、前記清掃機構400を制御するための清掃制御装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【0027】
図2おいて、この清掃制御装置100は、制御部710と、前記読取前センサ330と、原稿読取センサ610と、表面清掃ローラ位置センサ350と、前記表面清掃モータ101と、操作パネル102とを備えている。
【0028】
前記制御部710は、ユーザにより操作パネル102を介して入力された設定に従い、前記読取前センサ330、原稿読取センサ610および表面清掃ローラ位置センサ350からの各入力に応じて表面清掃モータ101を駆動制御し、異常発生時等には異常情報を送信して前記操作パネル102に表示させるようになっている。
【0029】
また、この制御部710は、図3および図4に示す清掃機構400における汚れ検知用部材412を前記原稿読取センサ610で読み取った結果から前記原稿読取ガラス510の汚れ度合いを検知する汚れ度合い検知部1と、前記汚れ度合い検知部1により異なる時点において検知した前記原稿読取ガラス510の汚れ度合いを比較して汚れ減少度合いを算出する比較部2と、清掃機構400による清掃回数を計数する計数部3の機能を有している。
【0030】
前記読取前センサ330は、光学センサであり、原稿搬送経路中の読取前センサ330に臨む位置における原稿の有無を検出して、検出信号を制御部710に送出する。
【0031】
前記原稿読取センサ610は、例えば、CCDまたはCIS等の光学センサで構成されており、原稿を光学的に読取って画像データを生成する。より詳細には、原稿に蛍光ランプ等を照射し、反射光を読取ってRGB3色の画像データとして読み取るようになっている。
【0032】
前記表面清掃ローラ位置センサ350は、透過形センサで構成されており、後述するアクチュエータ820により遮光される位置を検出するものであり、その検出信号を制御部710に送出する。
【0033】
前記表面清掃モータ101は、ステッピングモータで構成されており、表面清掃ローラ410を原稿搬送方向または原稿搬送方向の逆方向またはその両方に回転・停止でき、かつ高精度な位置決め制御ができるようになっている。
【0034】
前記操作パネル102は、ユーザが操作することで画像読取装置の設定を変更したり、動作させたりすることができ、また、画像読取装置の状態等をユーザに通知できるものであり、特に、原稿読取ガラス510の汚れが所定の清掃動作を繰り返しても落ちにくいような重度の状態では、異常発生をユーザに通知する警告通知手段の機能も備えている。
【0035】
図3は、前記原稿読取ガラス510に対する清掃機構400の構成を示す断面図である。
【0036】
図3において、清掃機構400は、原稿読取ガラス510に対向する位置で原稿読取ガラス510に平行な回転軸810に固定された表面清掃ローラ410と、この表面清掃ローラ410の表面側に円周方向の一部を残して被覆するように設けられた原稿接触部411と、表面清掃ローラ410の表面側に円周方向の一部に設けられた汚れ検知用部材(汚れ検知部ともいう)412ならびに清掃用部材(清掃部ともいう)413とを備えている。
【0037】
前記汚れ検知部412は、原稿読取ガラス510の汚れを原稿読取センサ610に反射させて検知できるよう白色等の輝度の高い色の部材で構成されており、また、清掃部413は、ブラシ、スポンジ等の清掃部材で構成されている。前記表面清掃ローラ410は、前記回転軸810を介して表面清掃モータ101により、原稿搬送方向および逆方向に回転可能となされている。
【0038】
前記回転軸810には、径方向外方へ突出する状態のアクチュエータ820の基端が固定されており、このアクチュエータ820は、回転軸810と共に回転変移した際に、清掃機構本体(図示しない)側に固定されている表面清掃ローラ位置センサ350に対面しながら通過することにより、該表面清掃ローラ位置センサ350を遮光するようになっている。つまり、前記回転変移する際のアクチュエータ820で表面清掃ローラ位置センサ350が遮光される位置が該表面清掃ローラ410の位置制御における基準位置として設定されている。
【0039】
但し、表面清掃ローラ位置制御方法は、この例の構成と同様の位置制御が可能であれば、この例の構成に限定されるものではない。
【0040】
図4は、前記清掃機構400における表面清掃ローラ410の動作時の原稿読取ガラス510に対する位置関係を示す図である。
【0041】
図4において、表面清掃ローラ410と原稿読取ガラス510の間を原稿が通過するようになっており、紙面左側が原稿搬送方向の上流側とする。
【0042】
原稿読取中では、表面清掃ローラ410は、図4(A)に示すように、原稿接触部411が原稿読取ガラス510に対向する位置で停止している。
【0043】
汚れ検知時には、表面清掃ローラ410は、図4(B)に示すように、汚れ検知部412が原稿読取ガラス510に対向する位置で停止している。
【0044】
清掃時には、図4(C)に示すように、清掃部413が原稿読取ガラス510に対向する位置を経由して表面清掃ローラ410を回転さることにより、清掃部413を原稿読取ガラス510に摺接させて原稿読取ガラス510の表面を清掃する。
【0045】
図5は、前記表面清掃ローラ410を用いた汚れ度合い検知時の読取位置511と輝度との関係を示す図である。
【0046】
図5において、表面清掃ローラ410が図4(B)に示す位置では、汚れ検知部412が原稿読取センサ610により1走査のみ読み取られ、RGBの輝度のいずれかが規定値TH以下である場合には原稿読取ガラス510の汚れ判定が行われる。汚れと判定した画素数の総和が汚れ度合いとして検知される。規定値THは、操作パネル102により設定可能である。
【0047】
図6は、前記清掃制御装置100による原稿読取ガラス510の表面清掃の制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、清掃機構400は、図4に示す表面清掃ローラ410を用いるものを例にしてある。
【0048】
図6において、フローチャート中の(A),(B),(C)は、それぞれ図4の表面清掃ローラ410の回転変移位置(A),(B),(C)に対応している。
【0049】
ステップS1では、操作作パネル102から原稿画像の読取り動作の開始が指示されると、表面清掃ローラ位置を図4(A)の位置に設定し、ステップS2では、原稿の後端が原稿読取位置511を通過したか否を判断する。
【0050】
原稿の後端が原稿読取位置511を通過しなければ(ステップS2でNO)、ステップS2に待機し、原稿の後端が原稿読取位置511を通過すれば(ステップS2でYES)、ステップS3では、表面清掃ローラ410を原稿搬送方向へ回転させて(A)の位置から(B)の位置に設定し、ステップS4では、汚れ検知部412を原稿読取センサ610で読取って原稿読取ガラス510の清掃前汚れ検知を実施してから、ステップS5に進む。
【0051】
ステップS5では、汚れ度合いが規定値以上か否かを判断し、汚れ度合いが規定値未満であれば(ステップS5でNO)、清掃の必要がないからステップS6に進み、表面清掃ローラ410を原稿搬送方向の逆方向に回転変移させて(B)の位置から(A)の位置に設定する。汚れ度合いが規定値以上なら(ステップS5でYES)、ステップS7では、清掃前の汚れ度合い検知結果をメモリに記憶させるとともに、計数部3による清掃回数のカウンタを0にしてから、ステップS8に進む。
【0052】
ステップS8では、表面清掃ローラ410を原稿読取方向に回転変移させて(B)の位置から(C)の位置を経由することにより、清掃部413を原稿読取ガラス510に摺接して原稿読取ガラス510の表面の清掃を実施し、そのまま表面清掃ローラ410を原稿読取方向に回転させて(A)の位置を経由して(B)の位置に設定し、ステップS9では、清掃回数のカウンタに1を加算する。
【0053】
ステップS10では、前記のような清掃を実施した後、汚れ検知部412を原稿読取センサ610で読取り、清掃後の汚れ度合い検知を実施する。
【0054】
ステップS11では、清掃前の汚れ度合いの検知結果と清掃後の汚れ度合いの検知結果の比較部2による比較から算出した汚れ減少割合が規定値未満か否かを判断し、汚れ減少割合が規定値以上であれば(ステップS11でNO)、清掃効果が得られたからステップS6に進み、表面清掃ローラ410を原稿搬送方向の逆方向に回転させて(B)の位置から(A)の位置に設定してから、ステップS2に戻る。これにより原稿読取ガラス510の清掃を終了する。
【0055】
汚れ度合いの減少割合が規定値未満であれば(ステップS11でYES)、ステップS12では、前記カウンタが所定回数N未満か否かを判断し、前記カウンタが所定回数N未満の場合は(ステップS12でNO)、ステップS8に戻り、汚れ度合いの減少割合が規定値未満となるか(ステップS11でYES)、カウンタが所定回数Nに達するまで清掃と汚れ検知による汚れ度合いの減少割合の判定を繰り返す。
【0056】
前記カウンタが所定回数Nに達している場合は(ステップS12でYES)、ステップS13で、原稿読取ガラス510の清掃により汚れが除去できなかったことをユーザに通知する警告を操作パネル102に表示する。
【0057】
警告を操作パネル102に表示する際、さらに原稿読取動作を継続するか否かをユーザに問うメッセージと、「YES」、「N0」のボタンを表示し、「YES」ボタンが押下された場合は原稿読取を継続し、「NO」ボタンが押下された場合は原稿読取ジョブを終了する構成としても良い。
【0058】
この原稿読取ガラス510の表面の清掃は、この実施形態では、読取中の各原稿間および最終原稿の読取後に実施する。所定回数Nは、操作パネル1012により設定できる。
【0059】
このように、原稿読取りガラス510にかなりの汚れが付着した状態であっても、該原稿読取りガラス510に対する汚れ度合いの検知動作と清掃動作の繰り返しによって効率的に読み取りに適した状態を得ることが可能となり、とくに、前記両動作の繰り返しによっても汚れがなかなか落ちにくい状況の場合には、それがユーザに警告・通知されることにより、そのような汚れが原因となる低品質の画像読取が未然にかつ確実に防止されることになる。
【0060】
図7は、この発明の他の実施形態に係る清掃機構400の構成を示す。
【0061】
図7において、この例の清掃機構400は、表面清掃ローラ410、前記原稿接触部411、清掃部413、白色等の輝度の高い色の部材で構成された第1の汚れ検知部材(第1汚れ検知部ともいう)414、及び黒色等の輝度の低い色の部材で構成された第2の汚れ検知部材(第2汚れ検知部ともいう)415を備えている。なお、第1汚れ検知部414は図3及び図4に示した汚れ検知部412と同一のものである。
【0062】
これら原稿接触部411、第1汚れ検知部414、第2汚れ検知部415、清掃部413が表面清掃ローラ410の外周側に図7の時計回り方向でこの順で配置されている。勿論、時計回り方向で原稿接触部411、第2汚れ検知部415、第1汚れ検知部414、清掃部413の順に配置することや、原稿接触部411、清掃部413、第1汚れ検知部414、第2汚れ検知部415の順に配置することや、原稿接触部411、清掃部材413、第2汚れ検知部415、第1汚れ検知部414の順に配置することも可能である。
【0063】
原稿読取中、表面清掃ローラ410は、図7(A)に示すように、原稿接触部411が原稿読取ガラス510に対向する位置で停止している。
【0064】
第1汚れ検知部414による汚れ検知時、表面清掃ローラ410は、図7(B)に示すように、第1汚れ検知部414が原稿読取ガラス510に対向する位置で停止している。
【0065】
第2汚れ検知部415による汚れ検知時、表面清掃ローラ410は、図7(C)に示すように、第2汚れ検知部415が原稿読取ガラス510に対向する位置で停止している。
【0066】
清掃時には、図7(D)に示すように、清掃部413が原稿読取ガラス510に対向する位置を経由するように表面清掃ローラ410を回転させ、清掃部413を原稿読取ガラス510に摺接させて原稿読取ガラス510の表面を清掃する。
【0067】
図8は、図7に示す表面清掃ローラ410を用いた高輝度な汚れの汚れ度合い検知する場合の読取位置と輝度との関係を示す図である。
【0068】
図8において、図7(C)の位置で、画像読取センサ610により第2汚れ検知部415が原稿読取センサ610により1走査のみ読取られ、RGBの輝度のいずれかが規定値TL以上である場合は汚れと判定する。汚れと判定した画素数の総和を高輝度汚れ度合いとして検知する。規定値TLは操作パネル102により設定できる。なお、低輝度な汚れの汚れ度合い検知は、図5で説明した方法で実施する。
【0069】
このようにこの実施形態では、第1汚れ検知部414と第2汚れ検知部415が設けられ、原稿読取りガラスの汚れが低輝度の場合と高輝度の場合とに分けて、汚れ度合いが検知されるから、原稿読取りガラス510の低輝度および高輝度の汚れの検知と清掃を一層的確に実施できる。
【0070】
図9は、図2に示す清掃制御装置100による原稿読取ガラス510の表面清掃の制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、フローチャート中の(A)、(B)、(C)、(D)は、図7の表面清掃ローラ(A)、(B)、(C)、(D)の各位置に対応している。
【0071】
図9において、ステップS21では、操作作パネル102から原稿画像の読取り動作の開始が指示されると、表面清掃ローラ位置を図7(A)の位置に設定し、ステップS22では、原稿の後端が原稿読取位置511を通過したか否を判断する。
【0072】
原稿の後端が原稿読取位置511を通過しなければ(ステップS22でNO)、ステップS22に待機し、原稿の後端が原稿読取位置511を通過すれば(ステップS22でYES)、ステップS23では、表面清掃ローラ410を原稿搬送方向へ回転変移させて(A)の位置から(B)の位置に設定する。
【0073】
ステップS24では、第1汚れ検知部414を原稿読取センサ610で読み取って清掃前の原稿読取ガラス510の低輝度汚れの検知を実施し、ステップS25では、表面清掃ローラ410を原稿搬送方向へ回転変移させて(B)の位置から(C)の位置に設定する。次いでステップS26では、第2汚れ検知部415を原稿読取センサ610で読み取って原稿読取ガラス510の清掃前の高輝度汚れの検知を実施する。
【0074】
ステップS27では、低輝度汚れ度合いが規定値以上か否かを判断し、低輝度汚れ度合いが規定値未満であれば(ステップS27でNO)、ステップS29に進み、低輝度汚れ度合いが規定値以上(ステップS27でYES)であれば、ステップS28に進む。
【0075】
ステップS28では、高輝度汚れ度合いが規定値以上か否かを判断し、高輝度汚れ度合いが規定値以上であれば(ステップS28でYES)、ステップS100で清掃動作1を実施する。高輝度汚れ度合いが規定値未満であれば(ステップS28でNO)、ステップS200で清掃動作2を実施する。
【0076】
ステップS29では、高輝度汚れ度合いが規定値以上か否かを判断し、高輝度汚れ度合いが規定値未満であれば(ステップS9でNO)、清掃の必要がないからステップS30に進み、表面清掃ローラ410を原稿搬送方向と逆方向へ回転させて(C)の位置から(A)の位置に回転変移させたのち、ステップS22に戻る。
【0077】
ステップS29で、高輝度の汚れ度合いが規定値以上であれば(ステップS29でYES)、ステップS300で清掃動作3を実施する。
【0078】
清掃動作1、清掃動作2、清掃動作3が終了したら、表面清掃ローラ410を原稿搬送方向とは逆方向へ回転変移させて(C)から(A)にし(ステップS30)、ステップS22に戻る。
【0079】
この原稿読取ガラス510の表面の清掃は、この実施形態では、読取中の各原稿の原稿間および最終原稿の読取後に実施する。
【0080】
図10は、図9における清掃動作1の処理(ステップS100)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0081】
図10において、ステップS101では、清掃前の低輝度汚れ度合いの検知結果と清掃前の高輝度汚れ度合いの検知結果をメモリに記憶しておき、計数部3による清掃回数を0にする。
【0082】
ステップS102では、表面清掃ローラ410を原稿読取方向へ回転変移させて(C)の位置から(D)の位置を経由することにより原稿読取ガラス510の清掃を実施し、そのまま表面清掃ローラ410を原稿読取方向へ回転変移させて(A)の位置を経由して(B)の位置に設定し、ステップS103で清掃回数に1を加算する。
【0083】
ステップS104では、清掃実施後、原稿読取センサ610で第1汚れ検知部414を読取り、原稿読取ガラス510の清掃後の低輝度の汚れ度合いの検知を実施する。ステップS105では、表面清掃ローラ410を原稿読取方向へ回転変移させて(B)の位置から(C)の位置に設定し、ステップS106では、第2汚れ検知部415を原稿読取センサ610で読み取って原稿読取ガラス510の清掃後の高輝度汚れ度合い検知を実施する。
【0084】
ステップS107では、低輝度の汚れ減少割合が規定値未満か否かを判断し、低輝度の汚れの減少割合が規定値未満であれば(ステップS107でYES)、ステップS108に進み、低輝度の汚れの減少割合が規定値以上であれば(ステップS107でNO)、ステップS112に進む。
【0085】
ステップS108では、高輝度の汚れの減少割合が規定値未満か否かを判断し、高輝度の汚れの減少割合が規定値未満であれば(ステップS108でYES)、ステップS109に進み、高輝度の汚れの減少割合が規定値以上であれば(ステップS108でNO)、ステップS111に進む。
【0086】
ステップS109では、清掃回数が低輝度汚れの清掃回数の規定値Nまたは高輝度汚れの清掃回数の規定値Mに達したか否かを判断し、清掃回数が低輝度汚れの清掃回数の規定値Nまたは高輝度汚れの清掃回数の規定値Mのいずれにも達していなければ(ステップS109でNO)、ステップS102に戻って清掃部413による原稿読取ガラス510の清掃と汚れ検知を繰り返す。
【0087】
ステップS109において、清掃回数が低輝度汚れの清掃回数の規定値Nまたは高輝度汚れの清掃回数の規定値Mに達していれば(ステップS109でYES)、ステップS110で、清掃により汚れが除去できなかったことをユーザに通知するための警告を操作パネル102に表示する。
【0088】
一方、ステップS111では、清掃回数が低輝度汚れの清掃回数の規定値Nに達したか否かを判断し、清掃回数が低輝度汚れの清掃回数の規定値Nに達すれば(ステップS111でYE)、ステップS110に進み、汚れが除去できなかたことをユーザに対して警告報知する。清掃回数が低輝度汚れの清掃回数の規定値Nに達していなければ(ステップS111でNO)、ステップS102に戻って清掃と汚れ検知を繰り返す。
【0089】
また、ステップS112では、高輝度の汚れの減少割合が規定値未満か否かを判断し、高輝度の汚れの減少割合が規定値以上であれば(ステップS112でN0)、低輝度、高輝度いずれの汚れも減少したから、清掃動作1を終了するためにリターンする。高輝度の汚れの減少割合が規定値未満であれば(ステップS112でYES)、ステップS113に進む。
【0090】
ステップS113では、清掃回数が高輝度汚れの清掃回数の規定値Nに達したか否かを判断し、清掃回数が高輝度汚れの清掃回数の規定値Mに達すれば(ステップS113でYES)、ステップS110に進み、汚れが除去できなかったことをユーザに伝達する警告を操作パネル102に表示する。清掃回数が高輝度汚れの清掃回数の規定値Mに達していなければ(ステップS113でNO)、ステップS102に戻って清掃と汚れ検知を繰り返す。
【0091】
警告を操作パネル102に表示する際、さらに原稿読取動作を継続するか否かをユーザに問うメッセージと、「YES」、「N0」のボタンを表示し、「YES」ボタンが押下された場合は原稿読取を継続し、「NO」ボタンが押下された場合は原稿読取ジョブを終了する構成としても良い。
【0092】
低輝度汚れの清掃回数の規定値Nおよび高輝度汚れの清掃回数の規定値Mは、操作パネル102から設定できる。
【0093】
図11は、図9の清掃動作2の処理(ステップS200)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0094】
図11において、ステップS201では、清掃前の低輝度汚れ度合いの検知結果をメモリに記憶しておき、計数部3による清掃回数を0にする。
【0095】
ステップS202では、表面清掃ローラ410を原稿読取方向へ回転変移させて(C)の位置から(D)の位置を経由することにより原稿読取ガラス510の清掃を実施し、そのまま表面清掃ローラ410を原稿読取方向へ回転させて(A)の位置を経由して(B)の位置に設定し、ステップS203で清掃回数に1を加算する。
【0096】
ステップS204では、原稿読取センサ610で第1汚れ検知部414を読取り、原稿読取ガラス510の清掃後の低輝度汚れ検知を実施し、ステップS205では、表面清掃ローラ410を原稿読取方向へ回転変移させて(B)の位置から(C)の位置に設定する。
【0097】
ステップS206では、清掃前の低輝度の汚れ度合いの検知結果と清掃後の低輝度の汚れ度合いの検知結果の比較から算出した低輝度汚れの減少割合が規定値未満か否かを判断し、低輝度汚れの減少割合が規定値以上であれば(ステップS206でNO)、清掃により低輝度汚れが減少したから、清掃動作2を終了するためにリターンする。低輝度汚れの減少割合が規定値未満であれば(ステップS206でYES)、ステップS207に進む。
【0098】
ステップS207では、低輝度汚れの清掃回数が規定値Nに達したか否かを判断し、低輝度汚れの清掃回数が規定値Nに達していなければ(ステップS207でNO)、ステップS202に戻り、清掃と低輝度汚れ検知を繰り返す。低輝度汚れの清掃回数が規定値Nに達していれば(ステップS207でYES)、ステップS208では、清掃動作2により汚れが除去できなかったことをユーザに通知する警告を操作パネル102に表示する。
【0099】
警告を操作パネル102に表示する際、合わせて原稿読取を継続するかをユーザに問うメッセージと、「YES」、「NO」のボタンを表示し、「YES」ボタンが押下された場合は原稿読取を継続し、「NO」ボタンが押下された場合は原稿読取ジョブを終了する構成としても良い。なお、低輝度汚れの清掃回数の規定値Nは、操作パネル102から設定できる。
【0100】
図12は、図9の清掃動作3の処理(ステップS300)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0101】
図12において、ステップS301では、清掃前の高輝度汚れ度合いの検知結果をメモリに記憶しておき、計数部3による清掃回数を0にする。
【0102】
ステップS302では、表面清掃ローラ410を原稿読取方向へ回転変移させて(C)の位置から(D)の位置を経由することにより原稿読取ガラス510の清掃を実施し、そのまま表面清掃ローラ410を原稿読取方向へ回転させて(A)の位置を経由して(C)の位置に設定し、ステップS303で清掃回数に1を加算する。
【0103】
ステップS304では、原稿読取センサ610で第2汚れ検知部材415を読み取って原稿読み取りガラス510の清掃後の高輝度汚れ度合い検知を実施する。
【0104】
次いで、ステップS305では、清掃前の高輝度汚れ度合いの検知結果と清掃後の高輝度汚れ度合いの検知結果との比較から算出した高輝度汚れの減少割合が規定値未満か否かを判断し、高輝度汚れの減少割合が規定値以上であれば(ステップS305でNO)、清掃により高輝度汚れが減少したから、清掃動作3を終了するためにリターンする。高輝度汚れの減少割合が規定値未満であれば(ステップS305でYES)、ステップS306に進む。
【0105】
ステップS306では、高輝度汚れの清掃回数が規定値Mに達したか否かを判断し、高輝度汚れの清掃回数が規定値Mに達していなければ(ステップS306でNO)、ステップS302に戻り、清掃と高輝度汚れ検知を繰り返す。高輝度汚れの清掃回数の規定値Mに達していれば(ステップS306でYES)、ステップS307では、清掃動作3により汚れが除去できなかったことをユーザに通知する警告を操作パネル102に表示する。
【0106】
警告を操作パネル102に表示する際、合わせて、原稿読取を継続するかをユーザに問うメッセージと、「YES」、「NO」のボタンを表示し、「YES」ボタンが押下された場合は原稿読取を継続し、「NO」ボタンが押下された場合は原稿読取ジョブを終了する構成としても良い。なお、高輝度汚れの清掃回数の規定値Mは、操作パネル102から設定可能である。
【0107】
例えば、十分に乾燥していない修正液が付着した原稿の搬送により、原稿読取ガラス510に修正液が付着したような場合、前記清掃機構400により複数回清掃を実施しても汚れの除去が困難なため、無駄な時間を極力なくすためにも、可及的速やかに警告を通知することが望ましい。
【0108】
高輝度汚れの清掃回数の規定値Mを1に設定しておけば、1回目の清掃実施後に、図10のステップS108もしくはステップS112、または図12のステップS305において、汚れの減少度合いが規定値未満であると判定された場合には、図10のステップS109もしくはステップS113、または、図12のステップS306において、清掃回数が高輝度汚れの清掃回数の既定値Mに達したと判定され、2回目の清掃を実施することなく警告が通知される。
【符号の説明】
【0109】
1 汚れ度合い検知部
2 比較部
3 計数部
50 原稿搬送部
60 原稿搬送経路
102 操作パネル
400 清掃機構
410 表面清掃ローラ
411 原稿接触部
412 汚れ検知用部材
413 原稿ガラス用清掃部材
414 第1の汚れ検知用部材
415 第2の汚れ検知用部材
510 原稿読取ガラス
511 原稿読取位置
610 原稿読取センサ
710 制御部
810 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シ−トスルー方式で原稿画像を読み取るために該原稿を原稿搬送経路に沿って搬送する原稿搬送手段と、
搬送された原稿の画像を所定読取位置で読み取る原稿読取手段と、
前記原稿読取手段と原稿搬送経路の間に位置する原稿読取ガラスに摺接して原稿読取ガラスを清掃する清掃部材と、前記原稿読取ガラス上の汚れを前記原稿読取手段に反射させて検知させるための汚れ検知用部材を有する清掃機構と、
前記清掃機構における汚れ検知用部材を前記原稿読取手段で読み取った結果から前記原稿読取ガラスの汚れ度合いを検知する汚れ度合い検知手段と、
前記原稿読取ガラスの汚れの異常発生をユーザに通知する警告通知手段と、
前記汚れ度合い検知手段により検知された原稿読取ガラスの汚れ度合いが規定値以上の場合に、前記清掃機構に原稿読取ガラスの清掃を実施させるとともに、原稿読取ガラスの汚れ度合いが一定レベル以下に低減されるまで、前記清掃機構による清掃と汚れ度合い検知手段による汚れ度合いの検知を実施し、所定回数の清掃によっても原稿読取ガラスの汚れ度合いが一定レベル以下に低減されなければ、前記警告通知手段による警告通知を実施する制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記清掃機構は、前記原稿読取ガラスに平行に配置された回転軸を介して原稿搬送方向へ回転変移可能に設けられるとともに、周面に、前記汚れ検知用部材と前記清掃部材の他に、読取中の原稿に接触する原稿接触部材を有している請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記清掃機構は、汚れ検知用部材として、原稿読取ガラス上の輝度の低い汚れを検知するための第1の汚れ検知用部材ならびに原稿読取ガラス上の輝度の高い汚れを検知するための第2の汚れ検知用部材を有しており、
前記制御手段は、第1の汚れ検知用部材を前記原稿読取手段で読み取った結果から検知された前記原稿読取ガラスの第1の汚れ度合い、及び/または第2の汚れ検知用部材を前記原稿読取手段で読み取った結果から検知された前記原稿読取ガラスの第2の汚れ度合いが規定値以上の場合に、前記清掃機構に原稿読取ガラスの清掃を実施させるとともに、第1の汚れ度合い及び/または第2の汚れ度合いが一定レベル以下に低減されるまで、前記清掃機構による清掃と汚れ度合い検知手段による第1の汚れ度合い及び/または第2の汚れ度合いの検知を繰り返し、所定回数の清掃によっても原稿読取ガラスの第1の汚れ度合い及び/または第2の汚れ度合いが一定レベル以下に低減されなければ、前記警告通知手段による警告通知を実施する請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
汚れ度合いが一定レベル以下に低減されないと判定されるまでの前記清掃機構による清掃の所定回数が、第1の汚れ度合いと第2の汚れ度合いとで異なる値に設定されている請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記清掃機構は、前記回転軸の軸回り方向で、前記原稿接触部材、前記第1の汚れ検知用部材、前記第2の汚れ検知用部材、前記清掃部材がこの順序で配置されるか、または前記原稿接触部材、前記第2の汚れ検知用部材、前記第1の汚れ検知用部材、前記清掃部材がこの順序で配置されるか、または前記原稿接触部材、前記清掃部材、前記第1の汚れ検知用部材、前記第2の汚れ検知用部材がこの順序で配置されるか、または前記原稿接触部材、前記清掃部材、前記第2の汚れ検知用部材、前記第1の汚れ検知用部材がこの順序で配置されている請求項3または4に記載の画像読取装置
【請求項6】
前記清掃機構は、汚れ検知用部材による汚れ検知時には、原稿搬送方向へ回転して汚れ検知用部材が前記原稿読取ガラスに対向する位置で停止し、前記清掃部材による清掃時は、原稿搬送方向へ回転して清掃を実施し、原稿読取ガラスの汚れ度合いが一定レベル以下に低減された場合には、原稿搬送方向とは逆方向へ回転して前記原稿接触部材が前記原稿読取ガラスに対向する位置で停止するように構成されている請求項2〜5のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記清掃機構は、前記第1の汚れ検知用部材による汚れ検知時には、原稿搬送方向へ回転して前記第1の汚れ検知用部材が前記原稿読取ガラスに対向する位置で停止し、第2の汚れ検知用部材による汚れ検知時には、原稿搬送方向へ回転して前記第2の汚れ検知用部材が前記原稿読取ガラスに対向する位置で停止し、前記清掃部材による清掃時には、原稿搬送方向へ回転して清掃を実施し、原稿読取ガラスの汚れ度合いが一定レベル以下に低減された場合には、原稿搬送方向とは逆方向に回転して前記原稿接触部材が前記原稿読取ガラスに対向する位置で停止するように構成されている請求項3〜5のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記警告通知手段による警告通知時に、原稿読取ジョブを終了するか継続するかをユーザが選択するための選択手段を備えている請求項1〜7のいずれかに記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−199535(P2011−199535A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63365(P2010−63365)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】