説明

画像送信装置、画像記録装置及び画像記録方法

【課題】画像のアップロードに関するユーザの使い勝手を向上させる画像送信装置を提供する。
【解決手段】画像送信装置は、ネットワークに接続された画像記録装置に画像データを送信可能な画像送信装置であって、画像データを送信する送信部と、使用者による操作に基づき送信対象の元画像を選択する選択部と、送信部を制御する制御部とを備える。制御部は、選択部により選択された元画像を縮小して生成される縮小画像を画像記録装置に送信するように、送信部を制御する。さらに、制御部は、画像記録装置に送信された縮小画像に対応する元画像を画像記録装置に送信するように、送信部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データをネットワーク上の所定の装置に送信し保存することが可能な画像送信装置、及びその画像送信装置から画像を受信して内部に格納する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置について、あるユーザが撮影した画像を、他の人と共有することを可能とする画像共有システムが知られている。例えば、特許文献1に開示された画像共有システムは、デジタルカメラで撮影した画像を格納する外部サーバの領域を示すコードをカメラ付き通信装置により撮影する。画像共有システムは、この撮影したコードに従って、外部サーバにアクセスすることにより、外部サーバに保持されている画像を取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−236159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に画像データの共有のために外部サーバにアップロードされる画像データは、高画質な画像データである方が好ましい。しかし、一般に高画質の画像データはデータサイズが大きいため、送信速度が低い環境下で高画質の画像データを外部サーバに送信する場合、外部サーバへのアップロード(データ転送)の完了までに多くの時間を要してしまい、ユーザにとっての使い勝手が良くない。また、データ転送に時間がかかると、バッテリ消費も大きくなり、この点においても、ユーザにとって使い勝手が悪くなる。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、画像のアップロードに関するユーザの使い勝手を向上させる画像送信装置、及びその画像送信装置から画像を受信して内部に格納する画像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様において、ネットワークに接続された画像記録装置に画像データを送信可能な画像送信装置が提供される。画像送信装置は、画像データを送信する送信部と、使用者による操作に基づき送信対象の画像を選択する選択部と、送信部を制御する制御部とを備える。制御部は、選択部により選択された画像の元画像データを縮小して生成される縮小画像データを画像記録装置に送信するように、送信部を制御する。さらに、制御部は、画像記録装置に送信された縮小画像データに対応する元画像データを画像記録装置に送信するように、送信部を制御する。
【0007】
本発明の第2の態様において、上記の画像送信装置からの画像データを受信して格納可能な画像記録装置が提供される。画像記録装置は、ネットワークを介して画像データを受信する通信部と、受信した画像データを格納するデータ記憶部と、データ記憶部への画像データの記録を制御する制御部とを備える、制御部は、画像送信装置から縮小画像データを受信したときに、その受信した縮小画像データをデータ記憶部に格納する。その後、制御部は、画像送信装置から、データ記憶部に格納されている縮小画像データに対応する元画像データを受信したときに、データ記憶部に格納されている縮小画像データを、受信した元画像データで置換するように、データ記憶部を制御する。
【0008】
本発明の第3の態様において、ネットワークを介して受信した画像データを記録する方法が提供される。その画像記録方法は、画像送信装置からネットワークを介して、元画像データを縮小して生成された縮小画像データを受信し、その受信した縮小画像データをデータ記憶部に格納する。その後、画像送信装置から、データ記憶部に格納されている縮小画像データに対応する元画像データを受信したときに、データ記憶部に格納されている縮小画像データを受信した元画像データで置換する。
【0009】
上記の態様によれば、高速通信が期待できない状況やバッテリの消費が気になる状況において、一旦データサイズの小さい縮小画像を送信(アップロード)しておき、その後、そのような状況が解消されたときに、その縮小画像を、高画質な元画像で置換する。このように、高速通信が期待できないとき等には、サイズの小さい縮小画像を送信することで、短時間で画像転送を終了させることができ、データ転送のためのユーザの待ち時間が低減されるとともにバッテリの消費も軽減される。その後、高速通信が可能な状況等になったときに(すなわち、ユーザの利便性が損なわれない状況において)、本体画像を送信することができるため、画像アップロードにおけるユーザの利便性を向上できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像のアップロードに関するユーザの使い勝手を向上させた画像送信装置及び画像記録装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態のデジタルカメラとインターネット画像共有サービスを提供するサーバとの接続関係を示した図
【図2】デジタルカメラの構成図
【図3】パーソナルコンピュータの構成図
【図4】インターネット画像共有サービスを提供するサーバの構成図
【図5】実施の形態1におけるデジタルカメラから画像共有サービスへの縮小画像のアップロード動作を示すフローチャート
【図6】アップロード対象の画像データを選択するための画面を示す図
【図7】履歴情報を説明した図
【図8】パーソナルコンピュータにより、画像共有サービスにある縮小画像を本体画像に置換する動作を示すフローチャート
【図9】他のユーザが画像共有サービスにある画像を複写要求指定した場合の動作を示すフローチャート
【図10】他のユーザが画像共有サービスにある画像を選択するための画面のを示す図
【図11】実施の形態2におけるデジタルカメラから画像共有サービスへのアップロード動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
実施の形態1
実施形態1のデジタルカメラは、アップロード対象として、元の画像データ(以下「本体画像」と称す)と、本体画像を縮小した画像データ(以下「縮小画像」と称す)とをインターネット画像共有サービスを提供するサーバ300にアップロードする通信部を備える。デジタルカメラは縮小画像をインターネット画像共有サービスを提供するサーバ300にアップロードし、インターネット画像共有サービスでは、アップロードされた縮小画像を保存する。縮小画像のアップロード後、デジタルカメラは、パーソナルコンピュータを経由して、先にアップロードした縮小画像に対応した本体画像をインターネット画像共有サービスを提供するサーバ300に送信することができる。インターネット画像共有サービスを提供するサーバ300では、本体画像を受信すると、先にアップロードされた縮小画像を、受信した本体画像で置換して保存する。
【0014】
このような構成により、高速通信が期待できない状況やバッテリの消費が気になる状況においては、一旦、データサイズの小さい縮小画像をアップロードしておき、その後そのような状況が解消されたときに、データサイズの大きい本体画像を送信して、本体画像で縮小画像を置換することが可能となる。これにより、高速通信が期待できないとき等には、サイズの小さい縮小画像を送信することで、短時間で画像転送を終了させることができ、よってデータ転送のためのユーザの待ち時間が低減されるとともにバッテリの消費も軽減される。また、その後、高速通信が可能な状況等になったときに、本体画像を送信することができるため、画像転送における、ユーザの利便性を向上できる。
【0015】
以下、本実施形態のデジタルカメラの構成、動作の詳細を説明する。
【0016】
1.構成
図1(A)、(B)は、本実施形態の画像共有システムを説明した図である。画像共有システムは、デジタルカメラ100およびインターネット画像共有サービス102を提供するサーバ300で構成される。デジタルカメラ100は、図1(A)に示すように直接的に、または、図1(B)に示すようにパーソナルコンピュータ250を介して、インターネット画像共有サービス102すなわちサーバ300に画像データをアップロードすることが可能である。
【0017】
以下、画像共有システムにおける、デジタルカメラ100やパーソナルコンピュータ250、サーバ300及びインターネット画像共有サービス102の詳細を説明する。
【0018】
1−1.デジタルカメラの構成
図2を用いて、デジタルカメラ100の構成を説明する。デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をCCDイメージセンサ120で撮像する。CCDイメージセンサ120で生成された画像データは、AFE(アナログ・フロント・エンド)121や画像処理部122において各種処理が施される。生成された画像データはフラッシュメモリ142やメモリカード140に記録される。フラッシュメモリ142やメモリカード140に記録された画像データは、使用者による操作部150の操作を受け付けて液晶モニタ123上に表示される。以下、デジタルカメラ100を構成する各部について詳細に説明する。
【0019】
光学系110は、フォーカスレンズ111、ズームレンズ112、絞り113、シャッタ114等により構成される。図示していないが、光学系110は、光学式手ぶれ補正レンズOISを含んでいてもよい。なお、光学系110を構成する各種レンズは何枚から構成されるものでも、何群から構成されるものでもよい。
【0020】
CCDイメージセンサ120は、光学系110を通して形成された被写体像を撮像して画像データを生成する。CCDイメージセンサ120は、所定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で新しいフレームの画像データを生成する。CCDイメージセンサ120の画像データ生成タイミングおよび電子シャッタ動作は、コントローラ130によって制御される。この画像データをスルー画像として逐一液晶モニタ123に表示することにより、使用者はリアルタイムに被写体の状況を液晶モニタ123で確認できる。
【0021】
AFE121は、CCDイメージセンサ120から読み出された画像データに対して、相関二重サンプリングによる雑音抑圧、アナログゲインコントローラによるISO感度値に基づくゲインの乗算、及びADコンバータによるAD変換を施す。その後、AFE121は画像データを画像処理部122に出力する。
【0022】
画像処理部122は、AFE121から出力された画像データに対して各種の処理を施す。各種処理としては、BM(ブロックメモリ)積算、スミア補正、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。画像処理部122は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータなどで構成してもよい。またコントローラ130などとともに1つの半導体チップで構成してもよい。
【0023】
液晶モニタ123は、デジタルカメラ100の背面に備わる。液晶モニタ123は、画像処理部122にて処理された画像データに基づく画像を表示する。液晶モニタ123が表示する画像には、スルー画像や記録画像がある。スルー画像は、CCDイメージセンサ120により一定時間ごとに生成される新しいフレームの画像を連続して表示する画像である。通常は、デジタルカメラ100が撮影モードにあるときに、画像処理部122がCCDイメージセンサ120の生成した画像データからスルー画像を生成する。使用者は、液晶モニタ123に表示されるスルー画像を参照することにより、被写体の構図を確認しながら撮影できる。記録画像は、デジタルカメラ100が再生モードにあるときに表示され、メモリカード140等に記録された高画素の動画像や静止画像を液晶モニタ123に表示するために低画素に縮小した画像である。
【0024】
コントローラ130は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ130は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、マイクロコンピュータなどで構成してもよい。また、コントローラ130は、画像処理部122などと共に1つの半導体チップに構成されてもよい。
【0025】
フラッシュメモリ142は、画像データ等を記録するための内部メモリとして機能する。また、フラッシュメモリ142は、オートフォーカス制御(AF制御)や自動露出制御(AE制御)に関するプログラムの他、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御するためのプログラムを格納している。
【0026】
バッファメモリ124は、画像処理部122やコントローラ130のワークメモリとして機能する記憶手段である。バッファメモリ124はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などで実現できる。
【0027】
カードスロット141は、メモリカード140を装着可能な接続手段である。カードスロット141は、メモリカード140を電気的及び機械的に接続可能である。また、カードスロット141は、メモリカード140を制御する機能を備えてもよい。
【0028】
メモリカード140は、内部にフラッシュメモリ等の記録部を備えた外部メモリである。メモリカード140は、画像処理部122で処理される画像データなどのデータを記録可能である。
【0029】
USBコネクタ170は、他の機器のUSBコネクタとUSBケーブルを介して接続するインターフェースである。コントローラ130は、USBコネクタ170およびUSBケーブルを介して、他の機器と各種データを送受信することができる。
【0030】
通信部171は、無線または有線の通信インターフェースであり、コントローラ130はこの通信部171を介して、アクセスポイント経由でインターネット網に接続することができる。例えば、USBやBluetooth(登録商標)、無線LAN、有線LAN等により実現可能である。
【0031】
操作部150は、デジタルカメラ100の外装に備わっている操作釦や操作レバーの総称であり、使用者による操作を受け付ける。操作部150は使用者による操作を受け付けると、コントローラ130に操作に応じた種々の動作指示信号を送信する。
【0032】
1−2.パーソナルコンピュータの構成
図3を用いて、パーソナルコンピュータ(以下「PC」と称す)250の構成について説明する。
【0033】
PC250は、コントローラ251、ワークメモリ252、HDD253、通信部254、液晶モニタ256、USBコネクタ260、カードスロット261、マウス262、キーボード263等から構成されている。
【0034】
コントローラ251は、PC250の処理を実行する処理部である。コントローラ251は、ワークメモリ252、HDD253、通信部254、液晶モニタ256、USBコネクタ260、カードスロット261、マウス262、キーボード263に電気的に接続されている。コントローラ251は、USBコネクタ260を介して、マウス262やキーボード263を用いての使用者の操作情報を受け付ける。コントローラ251は、HDD253に格納されているデータを読み出すことができる。また、PC100の各部に供給される電力等のシステムを全体的に制御している。
【0035】
ワークメモリ252は、コントローラ251が各種処理動作を実行するために必要な情報を一時的に格納するメモリである。
【0036】
HDD253は、各種データを格納する大容量のディスクドライブである。上述したように、HDD253に格納された各種データは、適宜コントローラ251により読み出し可能である。
【0037】
マウス262は、使用者による操作を受け付けるポインティングデバイスである。キーボード263は、使用者が文字入力などを行うキーボードデバイスである。
【0038】
USBコネクタ260は、他の機器のUSBコネクタとUSBケーブルを介して接続するインターフェースである。コントローラ251は、USBコネクタ260およびUSBケーブルを介して、他の機器との間で情報を送受信することができる。USBコネクタ260は、デジタルカメラ100や、マウス262や、キーボード263等と接続する。
【0039】
液晶モニタ256は、コントローラ251から指示された画像を表示する表示デバイスである。
【0040】
通信部254は、コントローラ251から受け取った画像データを、インターネット網を介して、他の機器に送信することができる。通信部254は、例えば、有線LANや、無線LANにより実現することが可能である。
【0041】
カードスロット261は、メモリカード140を装着可能な接続手段である。カードスロット261は、メモリカード140を電気的及び機械的に接続可能である。カードスロット261は、メモリカード140を制御する機能を備えてもよい。コントローラ251は、メモリカード140に格納された画像データを読み出すことができる。
【0042】
1−3.インターネット画像共有サービスを提供するサーバの構成
図4を用いて、インターネット画像共有サービス102を提供するサーバ(以下「外部サーバ」と称す)300の構成について説明する。
【0043】
外部サーバ300は、コントローラ302、ワークメモリ303、HDD304、通信部301から構成されている。
【0044】
コントローラ302は、外部サーバ300の処理を実行する処理部である。コントローラ302は、ワークメモリ303、HDD304、通信部301に電気的に接続されている。コントローラ302は、HDD304に格納されているデータを読み出すことができる。
【0045】
ワークメモリ303は、コントローラ302が各種処理動作を実行するために必要な情報を一時的に格納するメモリである。
【0046】
HDD304は、各種データを格納する大容量のディスクドライブである。上述したように、HDD304に格納された各種データは、適宜コントローラ302により読み出し可能である。また、通信部301を介して受信した本体画像や縮小画像も、HDD304に保存される。
【0047】
通信部301は、上述したように、インターネット網を介して、他の機器から画像データを受信することができる。受信した画像データは、コントローラ302によってHDD304に保存される。通信部301は、例えば、有線LANや、無線LANにより実現することが可能である。
【0048】
1−4.インターネット画像共有サービス
外部サーバ300によって提供されるインターネット画像共有サービス102について説明する。
【0049】
インターネット画像共有サービス102においてサービスを利用するために、各ユーザは事前に登録する必要がある。登録されたユーザに対しては、アカウント情報が付与され、また、HDD304において、ユーザ毎にそのユーザが画像データを格納できる領域が割り当てられる。
【0050】
インターネット画像共有サービス102に登録された一のユーザ(以下「ユーザA」と称す)からデジタルカメラ等を介して画像データがインターネット画像共有サービス102を提供するサーバ300に送信されると、外部サーバ300は通信部301を介してその画像データを受信する。そして、コントローラ302は、受信した画像データをユーザAにあらかじめ割り当てられたHDD304上の領域(以下「領域A」と称す)に保管する。また、インターネット画像共有サービス102を提供するサーバ300は、一のユーザAに割り当てた領域(領域A)に対して、そのユーザAの要求により、その領域内に格納される画像データを他のユーザ(以下「ユーザB」と称す)が閲覧できるように設定することができる。この場合、他のユーザBは、領域Aに格納された画像を自由に閲覧することが可能となる。また、他のユーザBにより、インターネット画像共有サービス102に対して、領域Aの画像が指定されて複写要求が送信された場合、インターネット画像共有サービス102を提供するサーバ300は、ユーザAの領域AからユーザBにあらかじめ割り当てられたHDD304上の領域(以下「領域B」と称す)へ、指定された画像を複写して保管する。このような画像保存と共有のサービスが、インターネット画像共有サービス102の主なサービスである。
【0051】
2.動作
2−1.デジタルカメラからインターネット画像共有サービスを提供するサーバ300への縮小画像の転送
デジタルカメラ100からインターネット画像共有サービス102を提供するサーバ300への画像の転送について説明する。以下では、図1(A)に示すように、デジタルカメラ100が無線LANを介してインターネットに接続され、インターネット画像共有サービス102に画像データの転送を行う場合の動作を説明する。
【0052】
図1(A)に示すように、デジタルカメラ100はアクセスポイント101を介してインターネット網104に接続される。デジタルカメラ100が宅外にある場合は公衆無線LANや携帯電話のテザリング(Tethering)機能等を利用してインターネット網104に接続できる。一般的にこのような接続方法でのデータ転送速度は、容量の大きいデータの転送に対しては十分に高速ではない。この点を考慮し、本実施形態のデジタルカメラ100は、PC250に接続されていない場合(すなわち、十分高速なデータ転送が期待できない場合)、画像サイズが比較的小さい縮小画像をインターネット画像共有サービス102を提供するサーバ300に送信する。
【0053】
図5は、デジタルカメラ100から画像共有サービス102を提供するサーバ300への縮小画像のアップロード動作を示すフローチャートである。ユーザAの操作によりデジタルカメラ100が再生モードに設定されると、コントローラ130は、メモリカード140またはフラッシュメモリ142に記録された画像データのサムネイル一覧画像を液晶モニタ123に表示させる。このとき、ユーザAによる所定の操作部150の操作を受け付けると、コントローラ130は、デジタルカメラ100のモード設定を、アップロード画像を選択するモードに移行させる。
【0054】
デジタルカメラ100のモード設定が、アップロード画像を選択するモードに移行すると、コントローラ130は、液晶モニタ123に図6に示すような画面を表示させる。図6は、アップロード対象の画像データを選択する画面を示した図である。図6に示すように、液晶モニタ123は、メモリカード140に記録された画像データのサムネイル一覧を表示すると共に、「アップロードする画像を選択してください。」という、ユーザに選択操作を促すメッセージを表示する。ユーザAは、液晶モニタ123に表示されたサムネイル一覧を見ながら、アップロード対象としたい画像データを選択することができる。
【0055】
ユーザAは、所定の操作部150を操作することにより、アップロード対象とする画像データを選択することができる。ユーザAによりアップロード対象とする画像データが選択されると(S500)、コントローラ130は、ユーザAが選択したアップロード対象とした画像データのサムネイル画像上に、アップロード対象として選択されていることを示すマーク145を表示する。ユーザAは、マーク145の表示により、液晶モニタ123に表示されたサムネイル一覧画像のうち、いずれの画像データがアップロード対象となっているかを確認することができる。
【0056】
ユーザAは、所定の操作部150を操作することにより、アップロード対象の画像選択を終了することができる。コントローラ130は、ユーザAにより、アップロード対象の画像選択が終了されたか否かを監視している(S501)。ユーザAにより所定の操作部150が操作され、アップロード対象の画像選択が終了されたと判断したとき(S501におけるYes)、コントローラ130は、アップロード対象として選択された画像データのそれぞれに対してユニークな送信IDを生成する。そして、コントローラ130は、アップロード対象として選択された画像データ(すなわち、本体画像)に対応する縮小画像を作成する(S502)。コントローラ130は、バッファメモリ124上で本体画像とそれに対応する縮小画像を開いて、それぞれのヘッダ部に送信IDを書き込む(S503)。そして、コントローラ130は、ヘッダ部に送信IDが書き込まれた本体画像をメモリカード140またはフラッシュメモリ142に記録する。また、コントローラ130は、ヘッダ部に送信IDが書き込まれた縮小画像をインターネット画像共有サービス102へ送信する(S504)。このとき、コントローラ130は、アップロード対象となった画像全てを一度に処理してもよいし、ステップS504で一つの画像の転送中に次の画像の縮小画像を生成する、というように画像毎に逐次的に処理してもよい。また、このとき、デジタルカメラ100は、ユーザ(本例では、ユーザA)のアカウント情報もインターネット画像共有サービス102を提供するサーバ300に送信している。これにより、インターネット画像共有サービス102は、ユーザ及び画像を格納する領域(本例では、領域A)を認識できる。
【0057】
インターネット画像共有サービス102を提供する外部サーバ300において、コントローラ302は、受信した縮小画像をHDD304に割り当てられたユーザAの領域Aに保存するとともに、受信した縮小画像のヘッダを参照して送信IDを取得する(S505)。続いて、コントローラ302は、HDD304上に構築されたデータベースにアクセスする。データベースには、送信IDの履歴情報が格納されている。送信IDの履歴情報は、今までにデジタルカメラ100(ユーザA)から送信された縮小画像の履歴と、領域Aから他のユーザの領域への画像複写の履歴とを管理している情報である。コントローラ302は、ステップS505にて送信IDを取得すると、データベース等に登録して送信IDの履歴情報を更新する(S506)。図7に履歴情報の一例を示す。なお、図7の履歴情報は領域Aについての履歴情報である。履歴情報は、送信IDと、その送信IDを持つ縮小画像が領域Aに記録された日時に関する情報と、その縮小画像の複写先の領域を示す情報とを関連づける。縮小画像の複写については後述する。
【0058】
なお、デジタルカメラ100のコントローラ130は、アップロード対象の画像選択が終了されたと判断したときに(S501でYES)、デジタルカメラ100がPC250に接続されているか否かを判断してもよい。このとき、デジタルカメラ100がPC250に接続されている場合には、コントローラ130は、PC250からの要求にしたがい、PC250経由で本体画像をインターネット画像共有サービス102へ送信するようにしてもよい。一方、デジタルカメラ100がPC250に接続されていない場合は、前述のように、コントローラ130は、縮小画像を生成し、送信する(S502〜S504)。
【0059】
以上のように、デジタルカメラ100からインターネット画像共有サービス102へ送信された縮小画像は、その後に、インターネット画像共有サービス102において、本体画像に置換される。
【0060】
2−2.デジタルカメラからPCを介したインターネット画像共有サービスへの本体画像転送
次に、デジタルカメラ100からPC250を介したインターネット画像共有サービス102への本体画像の転送について説明する。今、図1(B)に示すように、デジタルカメラ100がUSBケーブルを介してPC250に接続されている場合を想定する。なお、PC250は、有線LAN等を経由してインターネット網104に接続される。
【0061】
デジタルカメラ100及びPC250が宅内にある場合は、インターネット網への接続手段として無線LANや有線LANが利用され、一般的にこれらの転送速度は、本体画像程度のデータ容量の転送に対しては十分に高速であると考えられる。よって、このような場合に、サイズの大きい本体画像を転送しても、短時間で転送処理が終了することから、ユーザの使い勝手を悪くすることはない。そこで、本実施形態では、デジタルカメラ100がPC250に接続されている場合(すなわち、高速な通信が期待できる場合)、PC250は既に送信済の縮小画像に対応する本体画像を、デジタルカメラ100から取得して、インターネット画像共有サービス102(外部サーバ300)に転送する。
【0062】
以下、デジタルカメラ100がPC250に接続されているときの本体画像の転送動作およびその本体画像による縮小画像の置換動作について説明する。図8は、デジタルカメラ100とPC250とインターネット画像共有サービス102との動作を示すフローチャートである。
【0063】
PC250のコントローラ251は、USBコネクタ260にデジタルカメラ100が接続されたことを検知すると(S600のYes)、あらかじめPC250にインストールされているアップローダを起動する(S601)。アップローダはデジタルカメラ100内に保存されている本体画像を参照して、本体画像のヘッダ部の情報を取得する(S602)。アップローダは、取得したヘッダ部の情報から、ヘッダ部に送信IDが書き込まれている本体画像を検出する(S603)。そして、コントローラ251は、送信IDが検出できた本体画像をデジタルカメラ100から取得する(S604)。コントローラ251は、取得した本体画像をインターネット画像共有サービス102すなわち外部サーバ300へ送信する(S605)。インターネット画像共有サービス102において、外部サーバ300のコントローラ302は、受信した本体画像のヘッダを参照し、送信IDを取得する(S606)。コントローラ302は、取得した送信IDを、送信IDの履歴情報に記録されている送信IDと照合する。照合の結果、取得した送信IDに対応する送信IDが履歴情報に含まれていた場合、コントローラ302は、ユーザAの領域Aに保存されている縮小画像を本体画像に置換する(S607)。この領域Aに保存されている縮小画像は、図5のフローのステップS504にて送信された縮小画像である。
【0064】
さらに、領域Aにおいて画像の複写が行われていた場合、すなわち、送信IDの履歴情報に、領域Aから領域Bへの縮小画像の複写を示す履歴が含まれている場合、コントローラ302は、領域Bの縮小画像を本体画像に置換する(S608)。一の領域から他の領域への縮小画像の複写動作の詳細は後述する。
【0065】
以上の処理が終了すれば、コントローラ302は、履歴情報から、処理が終了した画像に対応する送信IDのレコードを削除する(S609)。このときステップS603で送信IDが検出された画像の全てを一度に処理してもよいし、ステップS605で、1つの本体画像の転送中に、次の送信IDが書き込まれている画像を検出する、というように画像毎に逐次的に処理してもよい。
【0066】
2−2−1.画像データの複写動作
一のユーザの領域から他のユーザの領域への画像データの複写動作について説明する。図9は、ユーザBが画像共有サービス102においてユーザAの領域Aに格納された画像を複写要求した場合の動作を示すフローチャートである。
【0067】
本実施形態の画像共有サービス102では、ユーザは自己のPCや携帯端末からインターネット画像共有サービス102にアクセスすることができる。このとき、画像共有サービス102において一のユーザ(ユーザA)が、自己に割り当てられた領域(領域A)に、他のユーザBがアクセスすることを許可していた場合、画像共有サービス102は、一のユーザAの領域(領域A)に対する、他のユーザBのアクセスを許可する。図10は、ユーザBが、ユーザAによりアクセスが許可された領域Aにアクセスした場合に、ユーザBのPCや携帯端末のディスプレイに表示される画面を示した図である。この画面には、ユーザAの領域Aに格納されている画像のサムネイル画像の一覧が表示される。ユーザBは、所定の操作部150を操作することにより、この画面上で、ユーザBの領域Bに複写したい画像を指定(選択)することができる。ユーザBにより指定(選択)された画像に関する情報が外部サーバ300に通知される(図9のS700)。
【0068】
続いて、外部サーバ300のコントローラ302は、指定された画像に対応する本体画像が領域Aに存在するか否かを判定する(S701)。指定された画像に対応する本体画像が領域Aに存在するとき(S701におけるYes)、外部サーバ300のコントローラ302は、指定された画像に対応する本体画像を領域Aから領域Bへ複写する(S702)。この場合は、コントローラ302において送信履歴情報の更新は不要である。
【0069】
一方、指定された画像に対応する本体画像が領域Aに存在しないとき(S701におけるNo)、すなわち、領域Aにおいて、指定された画像に対応する縮小画像しか存在しないとき、外部サーバ300のコントローラ302は、指定された画像に対応する縮小画像を領域Aから領域Bへ複写する(S703)。コントローラ302は、縮小画像の複写を終えると、領域Aから領域Bへ縮小画像が複写されたことを示す履歴を追加するよう、領域Aについて管理している履歴情報を更新する(S704)。
【0070】
以上のようにして、あるユーザの領域から他のユーザの領域への画像の複写が行われる。このとき、縮小画像が他の領域へ複写された場合は、その複写を示す情報が履歴情報に記録される。
【0071】
3.まとめ
以上のように、実施の形態1におけるデジタルカメラ100は、ネットワークに接続された外部サーバ300に画像データを送信可能な装置であって、画像データを送信する通信部171と、ユーザによる操作に基づき送信対象の画像を選択し、さらに、通信部171を制御するコントローラ130と、を備える。コントローラ130は、選択された画像の本体画像データを縮小して生成される縮小画像データを外部サーバ300に送信するように通信部171を制御する。さらに、コントローラ130は、外部サーバ300に送信された縮小画像データに対応する本体画像データを外部サーバ300に送信するように通信部171を制御する。これにより、デジタルカメラ100は、送信速度を優先するために、縮小画像を外部サーバ300に一旦送信しておき、その後に、高速通信が可能になったと想定されるときに、本体画像を外部サーバ300に送信することができる。これにより、通信速度が遅いことに起因してユーザの利便性が悪化することを防止できる。
【0072】
また、上記実施の形態1にかかるデジタルカメラ100において、コントローラ130は、送信対象の画像と、送信対象の画像の縮小画像とを対応させる送信IDを生成する。コントローラ130は、送信IDを、送信対象の画像および、送信対象の画像の縮小画像と関連付けて外部サーバ300に送信するよう制御する。送信IDを参照することにより、外部サーバ300は、縮小画像を本体画像に差し替えることが可能となる。
【0073】
また、上記実施の形態1にかかるデジタルカメラ100において、コントローラ130は、デジタルカメラ100の通信環境(PCとの接続の有無、通信速度等)を検出してもよい。コントローラ130は、検出した通信環境が第1の環境(高速通信が期待できない状況、または、バッテリ消費が問題になる状況)のときは、縮小画像データを外部サーバに送信する。検出した通信環境が第2の環境(高速通信が期待できる状況、または、バッテリ消費が問題にならない状況)のときは、コントローラ130は、本体画像データを外部サーバに送信する。この構成により、通信環境が悪い状況(高速通信が期待できない状況、または、バッテリ消費が問題になる状況)においてはデータサイズのより小さい縮小画像を送信し、通信環境が良い状況においてデータサイズのより大きい本体画像を送信することができるため、ユーザの利便性を考慮したアップロード動作が可能になる。
【0074】
さらに、検出した通信環境が第1の環境であるときは、PC250のコントローラ251は、外部サーバ300に送信済の縮小画像に対応する本体画像であって、外部サーバ300に未送信の本体画像を、デジタルカメラ100から取得するよう制御する。これにより、PC250は、外部サーバ300に未送信の本画像のみを送信でき、無駄な画像転送を防止できる。
【0075】
上記実施の形態において、外部サーバ300は、デジタルカメラ100からの画像データを受信して格納可能なサーバである。外部サーバ300は、ネットワークを介して画像データを受信する通信部301と、受信した画像データを格納するHDD304と、HDD304への画像データの記録を制御するコントローラ302とを備える。コントローラ302は、デジタルカメラ100から縮小画像データを受信したときに、その受信した縮小画像データをHDD304に格納する。コントローラ302はその後、デジタルカメラ100から、HDD304に格納されている縮小画像データに対応する本体画像データを受信したときに、HDD304に格納されている縮小画像データを、受信した本体画像データで置換するように、HDD304を制御する。この構成により、外部サーバ300において、縮小画像が本体画像に置換される。
【0076】
さらに、外部サーバ300において、HDD304は、ユーザAに割り当てられた領域Aと、ユーザBに割り当てられた領域Bとを含む。コントローラ302は、領域Aから領域Bへ画像を複写する旨の指示を、通信部301を介して受け付ける。コントローラ302は、複写の指示を受け付けた画像データの種類が本体画像である場合、本体画像のデータを領域Aから領域Bへ複写するようにHDD304を制御する。一方、複写の指示を受け付けた画像データの種類が縮小画像である場合、コントローラ302は、一旦、縮小画像のデータを領域Aから領域Bへ複写するようにHDD304を制御する。そして、当該縮小画像に対応する本体画像データを受信したときに、領域Bに複写した当該縮小画像データを受信した本体画像データに置換して、記録するようにHDD304を制御する。これにより、ユーザBは、領域Aに格納された画像の中の所望の画像について、本体画像を領域Bに複写することが可能となる。
【0077】
なお、上記実施の形態1においては、デジタルカメラ100がPC250に接続されていないときは、デジタルカメラ100は、低速ネットワーク回線を使って縮小画像を送信する場合を説明した。一方、デジタルカメラ100がPC250に接続されているときであって、初めて送信対象の画像を選択する場合には、PC250は、縮小画像を送らず、本体画像をすぐに送信してもよい。このときは、インターネット画像共有サービス102での送信IDの履歴情報は不要となる。
【0078】
上記実施の形態1においては、PC250にあらかじめアップローダがインストールされている場合を説明したが、これに限定されない。すなわち、デジタルカメラ100内にあらかじめアップローダをインストールしておいてもよい。このとき、デジタルカメラ100がPC250へ接続された時に、PC250のコントローラ251がデジタルカメラ100内にあるアップロードアプリケーションを自動的に起動するようにしてもよい。
【0079】
実施の形態2
デジタルカメラ100によるインターネット画像共有サービス102への画像アップロード動作の別の例を示す。本実施形態では、デジタルカメラ100は、3G回線やWiFiを介してインターネットに接続できる機能を有する。
【0080】
図11は、本実施形態における画像のアップロード動作を説明したフローチャートである。ステップS800〜801は、図5のステップS500、S501と同じであるので、このステップの動作の説明は省略する。
【0081】
ユーザによるアップロード対象の画像の選択が終了されたと判断されると(S801におけるYes)、コントローラ130は、通信環境(または通信状態)を確認する(S802)。具体的には、コントローラ130は、デジタルカメラ100からインターネット画像共有サービス102(すなわち外部サーバ300)への本体画像データの送信が行えるか否かを判断する。本体画像データの送信が行えるか否かの判断は、種々の条件に基づき判断できる。
【0082】
例えば、デジタルカメラ100と外部サーバ間のデータ通信速度が所定速度以上であるか否かにより判断できる。または、デジタルカメラ100がインターネットに対して、3G回線で接続されているかWiFiで接続されているか否かを判断することでも判断可能である。例えば、WiFi接続の場合は、本体画像データ送信が可能であると判断し、3G回線接続の場合は、本体画像データ送信が不可であると判断できる。または、デジタルカメラ100がインターネット網に対してテザリングにより接続されている場合は、本体画像データ送信が不可であると判断してもよい。または、デジタルカメラ100が外部電源へ接続されているか否かにより判断してもよい。デジタルカメラ100が外部電源へ接続されている場合、バッテリ残量を気にする必要がないため、送信に時間を要する可能性はあるが、本体画像データ送信が可能であると判断し、そうでない場合は、本体画像データ送信が不可であると判断してもよい。または、デジタルカメラ100がバッテリを備えている場合、バッテリの残量が所定値よりも高いときは、本体画像データ送信が可能であると判断し、そうでない場合は、本体画像データ送信が不可であると判断してもよい。
【0083】
本体画像データ送信が可能である場合、コントローラ130は、アップロード対象として選択された画像データ(すなわち、本体画像)を、直接インターネット画像共有サービス102に送信する(S808)。
【0084】
一方、本体画像データ送信が可能でない場合、デジタルカメラ100は、選択された画像についての縮小画像を作成し(S803)、縮小画像のヘッダ部に送信IDを書き込む(S804)。その後、コントローラ130は、ヘッダ部に送信IDが書き込まれた縮小画像をインターネット画像共有サービス102へ送信する(S805)。
【0085】
その後のインターネット画像共有サービス102側での動作(S806、S807)は、前述のステップS506、S507と同様であり、送信履歴情報が更新される。
【0086】
このように、通信環境(通信速度、通信回線の種類、等)に基づいて、アップロードすべき画像を本体画像にするか縮小画像にするかを切り替えても、実施の形態1の場合と同様の効果が得られる。
【0087】
他の実施の形態
本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の実施形態が考えられる。以下、本発明の他の実施の形態についてまとめて記載する。
【0088】
上記実施の形態においては、送信IDをヘッダに書き込む場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、転送する縮小画像のファイル名のリストをデジタルカメラ100内で生成し、そのリストをインターネット画像共有サービス102に送信してもよい。ファイル名と撮影日付等に基づき、縮小画像と本体画像の対応を確認することができるからである。
【0089】
上記実施の形態においては、PC250を経由してインターネットに接続する場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。デジタルカメラ100はクレードル等を経由して、直接インターネット画像共有サービス102に、高速回線を通じて接続してもよい。この場合、デジタルカメラ100が図8のフローチャートにおけるステップS602からステップS605の制御を行うことで同様の効果を得ることができる。
【0090】
他にも、デジタルカメラ100は、ネットワークに接続する通信方式によって縮小画像/本体画像のどちらを送信するかを可変にしても良い。また、ユーザが手動にて縮小画像/本体画像のどちらを送信するかを選択可能にしても良い。この場合においても、縮小画像と本体画像とを関連付けておけば、外部サーバは、本体画像を取得できた場合に、すでに受信済みの縮小画像を差し替えることができる。
【0091】
上記実施の形態において、図1(B)に示すように、デジタルカメラ100とPC250をUSBで接続する例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、他の実施例として、着脱可能なメディアを介して、デジタルカメラ100の画像データをPC250に送信するようにしてもよい。このとき、着脱可能なメディアには、外部サーバ300に送信済の縮小画像と対応付けるための送信IDを備えた本体画像を記録しているようにする。PC250は、着脱可能なメディアに記録された送信IDを外部サーバ300に送信する。外部サーバ300は、PC250を介して着脱可能なメディアから本体画像を取得し、受信した送信IDを参照して既に受信済みの縮小画像を取得した本体画像に差し替えることができる。なお、上記実施の形態においては、着脱自在なメディアの例としてメモリカードを説明したが、本発明はこれに限定されない。着脱自在な記録媒体として、USBメモリや、CD−R等のメディアも利用可能である。
【0092】
上記実施の形態において、外部サーバ300のコントローラ302は、ヘッダ部を解析して取得した送信IDに対応する送信IDが履歴情報に含まれた場合に、所望の領域(上記の例では、領域A)に保存されている縮小画像を本体画像に置換する。すなわち、取得した送信IDに対応する送信IDが履歴情報に含まれていれば、コントローラ302は、指定の領域に縮小画像が保存されていると判断することができる。これに対して、さらにデジタルカメラ100のコントローラ130は、縮小画像を外部サーバ300に送信する際に、縮小画像のヘッダ部に、その画像が縮小画像である旨の情報を書き込むようにしてもよい。この情報を参照することにより、外部サーバ300は本体画像と縮小画像とを確実に区別することができる。要するに、縮小画像と本体画像を関連付けし、本体画像を取得できた場合に、縮小画像を対応した本体画像に切り替えることができれば、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0093】
上記実施の形態においては、送信対象として静止画像を例にとって説明した。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、送信対象は動画像データであっても良い。動画像データの場合の縮小画像は、本体動画像よりデータ量が少なくなる圧縮方式により処理された動画像、本体動画像よりも解像度を下げた動画像、または、本体動画像よりも圧縮率の高いエンコード方式で再エンコード処理した動画像であってもよい。
【0094】
上記実施の形態においては、送信対象の画像が決定されたタイミングにて、縮小画像を生成する(図5のS502)例を説明したが、縮小画像の生成タイミングはこれに限定されない。例えば、デジタルカメラ100は、静止画像の記録時に、デジタルカメラ内保存用サイズと、外部サーバ送信用サイズの2種類のサイズで画像を記録するようにしてもよい。同様に、デジタルカメラ100は、動画像の記録時に、デジタルカメラ内保存用の圧縮方式と、外部サーバ送信用の圧縮方式の2方式で記録を行うようにしてもよい。このとき、外部サーバ300に送信対象の動画像を送るとき、デジタルカメラ100は、外部サーバ送信用の動画像(外部サーバ送信用サイズの画像/外部サーバ送信用の圧縮方式で圧縮された画像)を送信する。また、他の実施形態として、静止画像を記録するときに、対応するサムネイル画像を合わせて生成してExif等に記録させているような場合に、デジタルカメラ100はこのサムネイル画像を外部サーバ送信用の画像としてもよい。これにより、デジタルカメラ100は、縮小画像を生成する処理が不要になり、その結果、外部サーバへのアップロード時間が短くなるという効果が期待できる。
【0095】
なお、デジタルカメラ100は、レンズ一体型のカメラであってもよいし、レンズ交換式のカメラであってもよい。
【0096】
また、上記の実施形態では、画像データを送信する装置としてデジタルカメラを一例として用いて説明したが、画像データを送信する装置は、デジタルカメラに限定されるものではない。ネットワークに接続可能で、かつ、ネットワーク上のサーバにデータを送信可能な装置(例えば、携帯電話、スマートフォン、ムービーカメラ)であれば、上述の技術思想を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、ネットワークを介して一の装置から他の装置に対して画像データをアップロードするための技術に広く適用できる。すなわち、本発明は、アップロードすべき画像データを送信する画像送信装置(例えば、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、ムービーカメラ)や、その画像送信装置から送信された画像データを記録媒体に記録する画像記録装置(サーバ)に適用できる。
【符号の説明】
【0098】
100…デジタルカメラ
111…フォーカスレンズ
112…ズームレンズ
113…絞り
114…シャッタ
120…CCDイメージセンサ
121…AFE(アナログ・フロント・エンド)
122…画像処理部
123…液晶モニタ
124…バッファメモリ
130…コントローラ
140…メモリカード
141…カードスロット
142…フラッシュメモリ
150…操作部
170…USBコネクタ
171…通信部
250…パーソナルコンピュータ
251…コントローラ
252…ワークメモリ
253…HDD
254…通信部
256…液晶モニタ
261…カードスロット
262…マウス
263…キーボード
300…外部サーバ
301…通信部
302…コントローラ
303…ワークメモリ
304…HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された画像記録装置に画像データを送信可能な画像送信装置であって、
画像データを送信する送信部と、
使用者による操作に基づき送信対象の画像を選択する選択部と、
前記送信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記選択部により選択された画像の元画像データを縮小して生成される縮小画像データを前記画像記録装置に送信し、さらに、
前記画像記録装置に送信された縮小画像データに対応する元画像データを前記画像記録装置に送信するように、前記送信部を制御する、
画像送信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記送信対象の元画像データと、前記元画像に対応する縮小画像データとを関連づける識別情報を生成し、前記識別情報を、前記送信対象の元画像データまたは前記送信対象の元画像データに対応する縮小画像データに関連づけて前記画像記録装置に送信するよう制御する、
請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項3】
さらに、前記画像送信装置の通信環境を検出する検出部を備え、
前記制御部は、前記検出部により通信環境が第1の通信環境であることが検出されたときに、前記縮小画像データを前記画像記録装置に送信し、前記検出部により通信環境が第2の通信環境であることが検出されたときに、前記選択対象の元画像データを前記画像記録装置に送信するように、前記送信部を制御する、
請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記検出部により前記第1の通信環境から前記第2の通信環境に変化したことが検出されたときに、前記画像記録装置に送信済の縮小画像データに対応する元画像データであって、前記画像記録装置に未送信であるものを前記画像記録装置に送信するように、前記送信部を制御する、
請求項3に記載の画像送信装置。
【請求項5】
前記第1の通信環境は、前記画像記録装置に対する通信速度が所定速度よりも低い状況であり、
前記第2の通信環境は、前記画像記録装置に対する通信速度が所定速度よりも高い状況である、
請求項3に記載の画像送信装置。
【請求項6】
前記第1の通信環境は、前記画像記録装置に電源を供給するバッテリの残量が所定値よりも低い状況であり、
前記第2の通信環境は、前記バッテリの残量が所定値よりも高い状況である、
請求項3に記載の画像送信装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像送信装置からの画像データを受信して格納可能な画像記録装置であって、
ネットワークを介して画像データを受信する通信部と、
受信した画像データを格納するデータ記憶部と、
前記データ記憶部への画像データの記録を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記画像送信装置から縮小画像データを受信したときに、その受信した縮小画像データを前記データ記憶部に格納し、
その後、前記画像送信装置から、前記データ記憶部に格納されている縮小画像データに対応する元画像データを受信したときに、前記データ記憶部に格納されている縮小画像データを、前記受信した元画像データで置換するように、前記データ記憶部を制御する、
画像記録装置。
【請求項8】
前記データ記憶部は、第1のユーザに割り当てられた第1の記憶領域と、第2のユーザに割り当てられた第2の記憶領域とを含み、
前記制御部は、前記第1の記憶領域から前記第2の記憶領域へ画像を複写する旨の指示を、前記通信部を介して受け付けたときに、
複写の指示を受け付けた画像データの種類が元画像である場合は、当該元画像のデータを前記第1の記憶領域から前記第2の記憶領域へ複写するように前記データ記憶部を制御し、
複写の指示を受け付けた画像データの種類が縮小画像である場合は、当該縮小画像のデータを前記第1の記憶領域から前記第2の記憶領域へ複写するように前記データ記憶部を制御し、当該縮小画像に対応する元画像データを取得した後に、前記第2の記憶領域に複写しておいた当該縮小画像データを、当該取得した元画像データに置換して前記第2の記憶領域へ記録するように前記データ記憶部を制御する、
請求項7記載の画像記録装置。
【請求項9】
ネットワークを介して受信した画像データを記録する方法であって、
画像送信装置からネットワークを介して、元画像データを縮小して生成された縮小画像データを受信し、
その受信した縮小画像データをデータ記憶部に格納し、
その後、前記画像送信装置から、前記データ記憶部に格納されている縮小画像データに対応する元画像データを受信したときに、前記データ記憶部に格納されている縮小画像データを、前記受信した元画像データで置換する、
画像記録方法。
【請求項10】
前記データ記憶部は、第1のユーザに割り当てられた第1の記憶領域と、第2のユーザに割り当てられた第2の記憶領域とを含み、
当該画像記録方法は、
前記第1の記憶領域から前記第2の記憶領域へ画像を複写する旨の指示を受け付け、
前記複写の指示を受け付けた画像の種類が元画像である場合は、当該元画像のデータを前記第1の記憶領域から前記第2の記憶領域へ複写し、
前記複写の指示を受け付けた画像の種類が縮小画像である場合は、当該縮小画像のデータを前記第1の記憶領域から前記第2の記憶領域へ複写し、当該縮小画像に対応する元画像データを取得し後に、前記第2の記憶領域に複写しておいた当該縮小画像データを、当該取得した元画像データに置換して、前記第2の記憶領域へ記録する、
請求項9記載の画像記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−217166(P2012−217166A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−80608(P2012−80608)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】