説明

画像送受信システム、携帯型画像受信装置、画像送信装置及びプログラム

【課題】広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分だけを切り出して送信したとしても、キーボード、マウスなどのデバイスを操作することなしに、当該切り出し範囲から外れた画像部分を容易に確認できるようにする。
【解決手段】携帯電話装置Aは、カメラ撮影された広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して通話相手先の携帯電話装置Bに送信する。携帯電話装置Bは、携帯電話装置Aからの画像を受信取得して表示出力している状態において、装置本体の物理的変化を検出すると共に、この物理的変化に応じて切り出し範囲の変更を要求する変更情報を携帯電話装置Aに送信する。携帯電話装置Aは、携帯電話装置Bから変更情報を受信
した場合に、この変更情報に応じて切り出し範囲を変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して携帯電話装置Bに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワークを介して画像を送受信する画像送信装置と携帯型画像受信装置とを備えた画像送受信システム、画像送信装置、携帯型画像受信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介して画像を送受信する画像送受信システムとしては、例えば、複数の相手カメラからの撮影画像を同時に表示するビデオ会議システムにおいて、相手カメラをマウス操作で遠隔制御するようにした技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−009231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この特許文献1のビデオ会議システムにあっては、表示画面上の撮影画像から視線を離すことなく、相手カメラを遠隔制御することが可能であるが、マウス操作を前提とする遠隔制御であるため、操作部を必要とすると共に、遠隔制御用の機構部(例えば、撮影方向を自動変更する機構部)が相手カメラ側に設けられていることを前提とするために装置全体が大かがりとなり、携帯電話などのモバイル端末には不向きであった。
ところで、携帯電話装置では、例えば、30KBあるいは60KBサイズのように送信可能な画像サイズが予め決められているためにそれ以上の大きな画像を送信する場合には、この画面全体を送信可能なサイズまで縮小して送信するようにしているが、送信先では画像縮小によって粗い画像表示となってしまう。また、画像を縮小する以外の方法としては、大きな画像の中心部分から送信可能なサイズに相当する大きさの画像部分を切り出して送信するようにしているが、送信先では一部分(中心部分)だけしか見ることができず、その周辺の画像部分を確認することはできなかった。
【0005】
この発明の課題は、広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分だけを切り出して送信したとしても、キーボード、マウスなどのデバイスを操作することなしに、当該切り出し範囲から外れた画像部分を容易に確認できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る画像送受信システムは、画像送信装置と携帯型画像受信装置との間でネットワークを介して画像を送受信する画像送受信システムであって、
前記画像送信装置は、画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信し、
前記携帯型画像受信装置は、前記画像送信装置からの画像を受信取得して表示出力している状態において、
前記携帯型画像受信装置本体を水平移動させた方向及びその移動量を検知し、
前記携帯型画像受信装置本体の前後方向の移動量が閾値以上であれば遠近変化ありと判別し、
遠近変化ありと判別したときのオートフォーカスの状態に基づいて遠近何れかの変化方向及び変化量を特定し、
当該特定した変化方向及び変化量に応じた前記切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信し、
前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置から変更情報を受信した場合に、この変更情報に応じて前記切り出し範囲を変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信する、ようにしたことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点に係るプログラムは、コンピュータに対して、
ネットワークを介して画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して送信する機能と、
画像送信装置からの画像を受信取得して表示出力している状態において、装置本体を水平移動させた方向及びその移動量を検知し、当該装置本体の前後方向の移動量が閾値以上であれば遠近変化ありと判別し、遠近変化ありと判別したときのオートフォーカスの状態に基づいて遠近何れかの変化方向及び変化量を特定し、当該特定した変化方向及び変化量に応じて前記切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信する機能と、
前記携帯型画像受信装置から変更情報を受信した場合に、この変更情報に応じて前記切り出し範囲を変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信する機能と、を実現させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の観点に係る携帯型画像受信装置は、ネットワークを介して画像送信装置から画像を受信取得して表示する携帯型画像受信装置であって、
画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して送信する前記画像送信装置から受信取得した画像を表示出力する表示手段と、
前記携帯型画像受信装置本体を水平移動させた方向及びその移動量を検知し、前記携帯型画像受信装置本体の前後方向の移動量が閾値以上であれば遠近変化ありと判別し、遠近変化ありと判別したときのオートフォーカスの状態に基づいて遠近何れかの変化方向及び変化量を特定することによって、前記携帯型画像受信装置本体の物理的変化を検出する検出手段と、
前記画像送信装置から受信取得した画像を表示出力している状態において、前記検出手段によって検出された前記携帯型画像受信装置本体の物理的変化である変化方向及び変化量に応じた切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信する送信手段と、
を具備し、前記変更情報の送信に応答して前記画像送信装置から送られて来た変更後の新たな画像を受信して表示する、ようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、コンピュータに対して、
画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して送信する画像送信装置から受信取得した画像を表示出力する機能と、
前記画像送信装置から受信取得した画像を表示出力している状態において、装置本体を水平移動させた方向及びその移動量を検知し、当該装置本体の前後方向の移動量が閾値以上であれば遠近変化ありと判別し、遠近変化ありと判別したときのオートフォーカスの状態に基づいて遠近何れかの変化方向及び変化量を特定し、当該特定した変化方向及び変化量に応じた切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信する機能と、
前記変更情報の送信に応答して前記画像送信装置から送られて来た変更後の新たな画像を受信して表示する機能と、を実現させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
本発明の第5の観点に係る画像送信装置は、通信相手先である携帯型画像受信装置にネットワーク経由で画像を送信する画像送信装置であって、
画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出す切り出し手段と、
この切り出し手段によって切り出された画像部分を前記携帯型画像受信装置に送信する
送信手段と、
前記携帯型画像受信装置が、水平移動させた方向及びその移動量を検知し、前記携帯型画像受信装置本体の前後方向の移動量が閾値以上であれば遠近変化ありと判別し、遠近変化ありと判別したときのオートフォーカスの状態に基づいて遠近何れかの変化方向及び変化量を特定した変化方向及び変化量に応じた前記切り出し範囲の変更要求を前記携帯型画像受信装置から受けた場合に、この要求内容に基づいて切り出し範囲を変更する変更手段と、
を具備し、前記変更手段によって変更された新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記要求元の携帯型画像受信装置に送信する、ようにしたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第6の観点に係るプログラムは、コンピュータに対して、
通信相手先である携帯型画像受信装置にネットワーク経由で画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出す機能と、
切り出された画像部分を前記携帯型画像受信装置に送信する機能と、
前記携帯型画像受信装置が、水平移動させた方向及びその移動量を検知し、当該装置本体の前後方向の移動量が閾値以上であれば遠近変化ありと判別し、遠近変化ありと判別したときのオートフォーカスの状態に基づいて遠近何れかの変化方向及び変化量を特定した変化方向及び変化量に応じた前記切り出し範囲の変更要求を前記携帯型画像受信装置から受けた場合に、この要求内容に基づいて切り出し範囲を変更する機能と、
変更された新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記要求元の携帯型画像受信装置に送信する機能と、を実現させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像の中から所定範囲内の画像部分だけを切り出して送信したとしても、キーボード、マウスなどのデバイスを操作することなしに、切り出し範囲から外れた画像部分を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像送信装置と携帯型画像受信装置との間でネットワークを介して画像を送受信する画像送受信システムとして、携帯テレビ電話画像を送受信する携帯テレビ電話画像送受信システムを示したブロック図。
【図2】テレビ電話機能付きの携帯電話装置1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】折り畳み式の装置本体を開いた状態において、メイン表示部20に表示されているテレビ電話画面例を示した図。
【図4】広範囲画像の中からその一部分を切り出すための切り出し範囲(図中、破線で囲んだ範囲)を示した図。
【図5】テレビ電話機能を作動させるテレビ電話キーの操作に応じて実行開始される携帯電話装置1の動作を示したフローチャート。
【図6】図5に続くフローチャート。
【図7】携帯電話装置1同士(携帯電話装置A、B間)でのテレビ電話利用時の動作概要を概念的に説明するためのフローチャート。
【図8】切り出し範囲をその初期位置から変更した場合を例示したもので、(A)は、切り出し範囲をその初期位置から左方向に移動した場合、(B)は、右上方向に移動した場合、(C)は、装置本体を遠ざけることで切り出し範囲が小さくなった場合、(D)は、装置本体を近づけることで切り出し範囲が大きくなった場合を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1〜図8を参照して本発明の実施例を説明する。
この実施例は、画像送信装置と携帯型画像受信装置との間でネットワークを介して画像を送受信する画像送受信システムとして、携帯テレビ電話画像を送受信する携帯テレビ電話画像送受信システムを示したブロック図である。
この携帯テレビ電話画像送受信システムは、テレビ電話機能付き携帯電話装置1が移動体通信網(携帯電話網)2を介して他のテレビ電話機能付き携帯電話装置1に接続されたり、インターネット3あるいは固定電話網4を介してパーソナルコンピュータ(PC)5あるいは固定電話機6に接続されており、この携帯電話装置1と他の携帯電話装置1同士、携帯電話装置1とテレビ電話機能付きPC5との間、携帯電話装置1とテレビ電話機能付き固定電話機6との間でテレビ電話画像を送受信する。
【0015】
携帯電話装置1は、例えば、2つの筐体が開閉可能に取り付けられた折り畳み自在なもので、電話機能(通話機能)、メール機能、インターネット接続機能、カメラ機能のほか、テレビ電話機能を備えている。テレビ電話機能は、通話時にリアルタイム撮影されたユーザ本人の顔画像などを双方向に通信可能なコミュニケーションツールである。なお、コミュニケーションの相手先は、テレビ電話機能付き携帯電話装置1に限らず、上述したようにテレビ電話機能付きPC5あるいは固定電話機6の何れであってもよいが、この実施例では携帯電話装置1同士でコミュニケーションを行うものとする。
【0016】
図2は、テレビ電話機能付き携帯電話装置1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
CPU11は、記憶部12内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置1の全体動作を制御する中央演算処理装置である。なお、携帯電話装置1には機能別に複数のCPUを設けた構成であってもよい。記憶部12は、不揮発性メモリ(内部メモリ)であり、例えば、フラッシュメモリなどによって構成され、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図5及び図6に示す動作手順に応じて本実施例を実現するためのプログラムが格納されている。記録メディア13は、着脱自在な可搬型メモリで、撮影画像データ、各種のデータ、プログラムを外部供給するもので、例えば、スマートメディア、ICカードなどによって構成されている。メモリ14は、ワーク領域を有する内部メモリで、例えば、DRAM(Direct Random Access Memory)、SDRAM(Synchronous DRAM)などによって構成されている。
【0017】
電話通信部15は、通信部15A、ベースバンド部15B、多重分離部15Cなどを備え、アンテナ15Dに接続された送受信デュプレクサの受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのちに、音声データを音声制御部16を介して音声スピーカ17から出力させる。また、電話通信部15は、音声マイク18から入力された音声データを音声制御部16から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのちに送受信デュプレクサの送信側に与えられてアンテナ15Dから発信出力させる。一方、電子メール機能、テレビ電話機能、インターネット接続機能によって電話通信部15を介して受信取得した表示データは、表示制御部19を介してLCD(液晶表示装置)などを備えたメイン表示部20に与えられて表示出力される。
【0018】
メイン表示部20は、文字情報、テレビ電話映像、各種のメッセージなどを高品位に表示するもので、図3は、折り畳み式の装置本体を開いた状態において、メイン表示部20に表示されているテレビ電話画面例を示した図である。このテレビ電話画面には、相手画像が画面全域に表示されるほか、その隅部には自己画像が挿入表示される。このメイン表示部20のほか、装置本体の背面部にはサブ表示部21が設けられており、このサブ表示部21には現在日時、簡易なメッセージ、アイコンなどが表示される。キー操作部22は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、テレビ電話機能を作動させるテレビ電話キー(図示せず)が設けられており、CPU11は、キー操作部22からのキー入力信号に応じた処理を実行する。報知部23は、着信報知などの報知用のスピーカ、LED(発光ダイオード)、振動モータを備え、電話・メール着信時には着信報知を行ったり、アラーム報知時にも駆動される。
【0019】
背面側カメラ撮像部24は、例えば、CCDイメージセンサを備えた高精細なカメラ装置であるのに対し、内面側カメラ撮像部25は、例えば、CMOSイメージセンサを備えたテレビ電話用のカメラ装置である。そして、カメラ撮像部24、25は、静止画撮影のほかに動画撮影も可能なもので、撮影レンズ、ミラー等のレンズ・ミラーブロック、撮像素子、その駆動系のほか、測距センサ、光量センサ、アナログ処理回路、信号処理回路、圧縮伸張回路等を備え、光学ズームを調整制御したり、オートフォーカス時の駆動制御、シャッター駆動制御、露出、ホワイトバランス等を制御する。また、カメラ撮像部24、25には、オートフォーカス機能が備えられているが、内面側のテレビ電話用カメラ撮像部25のオートフォーカス機能は、テレビ電話時の作動時に装置本体の遠近変化を検出するための検出手段として利用される。
【0020】
カメラ撮像部24、25は、ズーム撮影のほか、ワイド撮影も可能な構成で、特に、テレビ電話用のカメラ撮像部25には、かなり広範囲の視野を写し込める広角ズームレンズが設けられており、CPU11は広角ズームレンズに伴う画像の歪みを補正して歪みの無い画像を得るようにしている(公知技術)。ここで、CPU11は、テレビ電話の使用時に、内面側カメラ撮像部25によって広角撮影された画像の中から所定範囲内(例えば、送信可能な画像サイズに相当する画像範囲内)から画像を切り出して通話相手先の携帯電話装置1に送信するようにしている。
【0021】
図4は、広範囲画像の中からその一部分を切り出すための切り出し範囲(図中、破線で囲んだ範囲)を示した図で、この例では、切り出し範囲は、広範囲画像の1/3倍程度の大きさとなっている。ここで、切り出し範囲の初期位置は、図示のように広範囲画像の中央部分にセットされている。なお、図示の例では、初期位置の切り出し範囲から外れた部分に他の人物が写っている場合を示している。
【0022】
センサ部26は、テレビ電話の使用時、つまり、メイン表示部20にテレビ電話映像が表示されている状態において、装置本体の物理的変化としてその傾き変化及び位置変化を検出するもので、傾きセンサ26A及び変位センサ26Bを有する構成となっている。この傾きセンサ26Aは、例えば、3軸の加速度センサによって構成され、装置本体の傾き変化を検出するセンサである。すなわち、折り畳み式の装置本体を開いた状態において装置本体を上下左右、言い換えれば、前後左右の何れかの方向に傾けた場合に、傾きセンサ26Aは、その傾けた方向とその変化量(傾き量)を検出する。
【0023】
変位センサ26Bは、例えば、2軸の加速度センサによって構成され、装置本体の位置変化を検出するもので、折り畳み式の装置本体を開いた状態において装置本体を上下左右方向及び斜め45度方向(左上・右上・左下・右下方向)を含めて合計8方向のうち、何れかの方向に水平移動させた場合に、この変位センサ26Bは、水平移動させた方向とその変化量(移動量)を検出するセンサである。
【0024】
メイン表示部20にテレビ電話映像が表示されている状態において、CPU11は、各センサ26A、26Bからの検出信号に基づいて装置本体の傾き変化あるいは位置変化の有無をチェックし、その変化量が所定量以上であれば、つまり、装置本体をユーザが意図的に傾けたり、移動させたと判断できる程度であれば、その変化量と共にその変化方向を含む情報(切り出し範囲の変更を要求する変更情報)を相手先端末(携帯電話装置1)に送信するようにしている。この変更情報を受け取った相手先端末は、この変更情報に含まれている変化量及び変化方向に基づいて広範囲画像上で切り出す範囲を移動変更し、変更後の新たな切り出す範囲内から切り出された画像部分を要求元の携帯電話装置1に送信するようにしている。
【0025】
次ぎに、この実施例におけるテレビ電話機能付き携帯電話装置の動作概念を図5及び図6に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施例においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施例特有の動作を実行することもできる。
【0026】
図5及び図6は、テレビ電話機能を作動させるテレビ電話キーの操作に応じて実行開始される携帯電話装置1の動作を示したフローチャートである。
図7は、携帯電話装置1同士、すなわち、携帯電話装置A、B間においてテレビ電話利用時の動作概要を概念的に説明するためのフローチャートである。ここで、先ず、図7を参照して携帯電話装置A、B間でのテレビ電話利用時の動作概要を簡単に説明しておく。なお、図7は、携帯電話装置AからBを呼び出した場合を例示しているが、それとは逆に携帯電話装置BからAを呼び出す場合であっても同様である。
【0027】
先ず、携帯電話装置Aは、テレビ電話用としてカメラ撮影された画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して相手先である携帯電話装置Bに送信する(A1)。携帯電話装置Bでは、この受信画像を相手画像として表示出力させたのち、装置本体の傾き変化、位置変化、遠近変化の有無をチェックし、その何れかの変化有りを検出すると、画像切り出し範囲の変更を指示する変更情報を作成して携帯電話装置Aに送信する(B1)。携帯電話装置Aは、この変更情報に基づいて切り出し範囲を変更移動させると共に、変更後の新たな切り出し範囲から画像を切り出して携帯電話装置Bに送信する(A2)。
【0028】
ここで、携帯電話装置Bは、この受信画像を相手画像としてメイン表示部20に表示出力させる(B2)。なお、上述の場合とは逆に、携帯電話装置A側において装置本体の傾き変化、位置変化、遠近変化の有無をチェックし、その何れかの変化有りを検出すると、切り出し範囲の変更情報を携帯電話装置Bに送信し、携帯電話装置Bは、この変更情報に基づいて切り出し範囲を変更すると共に、変更後の新たな切り出し範囲から画像を切り出して携帯電話装置Bに送信するようにしてもよい。
【0029】
次ぎに、テレビ電話利用時の動作を図5及び図6を参照して具体的に説明するものとする。先ず、CPU11は、テレビ電話用のカメラ撮像部25の広角撮影をON状態にセットしたのち(ステップS1)、このカメラ撮像部25での撮影画像(動画)をモニタ画像として取り込んでその逐次記憶を開始させると共に(ステップS2)、このモニタ画像をメイン表示部20に表示出力させる(ステップS3)。この状態において、通話相手先を呼び出す発呼操作の有無をチェックしたり(ステップS4)、通話相手先からの呼び出し有無をチェックし(ステップS5)、発呼操作が行われたり、呼び出しを受けるまで待機する。
【0030】
いま、通話相手先を呼び出す発呼操作が行われた場合(ステップS4でYES)あるいは通話相手先から通話呼び出しを受けた場合には(ステップS5でYES)、通話相手先との接続確立を条件として(ステップS6でYES)、最新のモニタ画像のうち、その中央部分から所定範囲内の画像を切り出すと共に(ステップS7)、切り出した画像に広角撮影時の歪み補正を施して歪みの無い画像に変換したのち(ステップS8)、相手先端末(携帯電話装置1)に送信する(ステップS9)。ここで、相手先端末(携帯電話装置1)からテレビ電話用の画像を受信すると(ステップS10)、予め用意されているテレビ電話フォームを読み出して当該フォーム内に自己画像と相手画像とを割り当て表示させる(ステップS11)。
【0031】
ここで、傾きセンサ26A及び変位センサ26Bからの検出信号に基づいて装置本体の現在の傾き状態及び装置本体の現在の位置状態を判別してテレビ電話開始時の初期状態として一時記憶しておくと共に(図6のステップS12)、テレビ電話開始時のオートフォーカス状態(遠近状態)を判別して一時記憶しておく(ステップS13)。そして、このテレビ電話開始時の状態を基準とし、傾きセンサ26A及び変位センサ26Bからの検出信号に基づいて装置本体の傾き変化、位置変化の有無を判別する(ステップS14)。
【0032】
ここで、テレビ電話ON時に装置本体を上下左右の何れかの方向に傾けた場合に、傾きセンサ26Aは、その傾けた方向とその変化量(傾き量)を検出する。また、装置本体を上下左右方向及び左上・右上・左下・右下方向を含めて合計8方向のうち、その何れかの方向に水平移動させた場合に、変位センサ26Bは、水平移動させた方向とその変化量(移動量)を検出する。いま、装置本体をユーザが意図的に傾けたり、移動させたと判断できる程度の変化量の場合、つまり、傾き量が所定範囲内(例えば、30度〜60度)であれば、傾き変化有りと判別し、移動量が所定範囲内(例えば、5cm〜15cm)であれば、位置変化有りと判別し(ステップS14でYES)、この装置本体の変化方向及び変化量を特定する(ステップS16)。
【0033】
この場合、装置本体の前後方向(水平面上の上下方向)の移動量が大きく、例えば、15cm以上であれば、装置本体の遠近変化有りと判別し(ステップS15)、そのときのオートフォーカスの状態に基づいてその変化方向(遠近方向)及び変化量を特定する(ステップS16)。そして、CPU11は、装置本体の変化方向及び変化量を含む情報(切り出し範囲の変更を要求する変更情報)を作成し(ステップS17)、相手先の携帯電話装置1に送信する(ステップ18)。
【0034】
ここで、CPU11は、相手先の携帯電話装置1から変更情報の受信有無をチェックしており(ステップS19)、変更情報を受信しなければ、ステップS24に移って回線の遮断有無をチェックし、回線接続中であれば、ステップS12に戻る。いま、他の携帯電話端末1からの変更情報を受信すると(ステップS19でYES)、この変更情報に基づいて画像切り出し範囲を変更する(ステップS20)。この場合、装置本体を上下左右に傾かせた場合の傾き方向と切り出し範囲の変更方向とは互いに対応付けられており、例えば、装置本体を右方向に回して傾けると、切り出し範囲は右方向に移動され、逆に、左方向に回して傾けると、切り出し範囲は左方向に移動され、また、装置本体を前方向(手前方向)に傾けると、切り出し範囲は前方向に移動され、後ろ方向に傾けると、切り出し範囲は後ろ方向に移動される。この場合、切り出し範囲の変更量(移動量)は装置本体の傾き量に比例している。
【0035】
同様に、装置本体を位置移動させた場合の移動方向と切り出し範囲の変更方向とは互いに対応付けられており、装置本体を右方向に移動させると、切り出し範囲は右方向に移動され、逆に、左方向に移動させると、切り出し範囲は左方向に移動され、また、装置本体を移動させると、切り出し範囲はその方向に移動される。この場合においても、切り出し範囲の変更量は装置本体の移動量に比例している。一方、装置本体の遠近も切り出し範囲の変更方向に対応付けられており、ユーザから装置本体を遠ざけると、切り出し範囲はそれに比例して小さくなる方向に変更され、装置本体を近づけると、切り出し範囲はそれに比例して小さくなる方向に変更される。
【0036】
図8は、切り出し範囲をその初期位置から変更した場合を例示したもので、(A)は、広範囲画像内において切り出し範囲をその初期位置(中央位置)から左方向に移動した場合であり、(B)は、右上方向に移動した場合である。(C)は、ユーザから装置本体を所定距離(15cm)以上遠ざけた場合に、切り出し範囲がその距離変化に応じて小さくなった場合であり、(D)は、ユーザから装置本体を所定距離以上近づけた場合に、切り出し範囲がその距離変化に応じて大きくなった場合である。
【0037】
このようにして切り出し範囲が変更されると、変更後の新たな切り出し範囲内の画像を切り出したのち(ステップS21)、今回の装置本体の変化は遠近変化であったかをチェックし(ステップS22)、遠近変化であった場合には、この遠近変化に応じて切り出し範囲内の画像を縮小あるいは拡大する処理を行う(ステップS23)。すなわち、装置本体を遠ざけることで、図8(C)に示すように切り出し範囲が小さくになった場合には、この範囲内から切り出した画像を元の切り出し範囲の大きさに拡大する処理を行い、また、装置本体を近づけることで、図8(D)に示すように切り出し範囲が大きくなった場合には、この範囲内から切り出した画像を元の切り出し範囲の大きさに縮小する処理を行う。そして、図5のステップS8に戻り、切り出し画像に歪み補正を施すと共に、この補正後の切り出し画像を相手先端末に送信する(ステップS9)。
【0038】
以上のように、この実施例において携帯電話装置A(図7参照)は、カメラ撮影された広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して通話相手先の携帯電話装置B(図7参照)に送信し、携帯電話装置Bは、携帯電話装置Aからの画像を受信取得して表示出力している状態において、装置本体の物理的変化を検出すると共に、この物理的変化に応じて切り出し範囲の変更を要求する変更情報を携帯電話装置Aに送信し、携帯電話装置Aは、携帯電話装置Bから変更情報を受信した場合に、この変更情報に応じて切り出し範囲を変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して携帯電話装置Bに送信するようにしたから、広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分だけを切り出して送信したとしても、キーボード、マウスなどのデバイスを操作することなしに、装置本体を物理的に変化させるだけで当該切り出し範囲から外れた画像部分を容易に確認することができる。例えば、広範囲な大型画像に被写体X、Yが含まれている場合に、この中心部分である被写体Xの画像部分を切り出して送信した後、切り出し範囲の変更情報に応じて被写体Yの画像部分を切り出して送信することができ、装置本体を物理的に変化させるだけで当初の画像では確認することができなかった被写体Yを容易に確認することができる。
【0039】
この場合、携帯電話装置Bは、装置本体の傾き変化、装置本体の位置変化をその物理的変化として検出すると共に、この傾き変化、装置本体の位置変化に応じて切り出し範囲を何れかの方向に移動すべきであるかを示す変更情報を携帯電話装置Aに送信し、携帯電話装置Aは、携帯電話装置Bからの変更情報に基づいて切り出し範囲を何れかの方向に移動すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して携帯電話装置Bに送信するようにしたから、装置本体を傾けるだけで、切り出し範囲を水平移動させることができる。この場合、装置本体を傾ける方向と切り出し範囲の移動方向とが一致しているため、切り出し範囲を感覚的に変更操作することが可能となる。
【0040】
同様に、携帯電話装置Bは、装置本体の遠近変化をその物理的変化として検出すると共に、この遠近変化に応じて切り出し範囲を大きくあるいは小さくすべきであるかを示す変更情報を携帯電話装置Aに送信し、携帯電話装置Aは、携帯電話装置Bからの変更情報に基づいて切り出し範囲の大きさを変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出すと共に、この切り出し画像を拡大あるいは縮小処理して携帯電話装置Bに送信するようにしたから、装置本体を遠近変化をさせるだけで、切り出し範囲の大きさを変更させることができ、ズーム/ワイドの画像を得ることが可能となる。
【0041】
なお、上述した実施例においては、装置本体の物理的変化を検出する手段として傾きセンサ26A、変位センサ26Bを例示したが、装置本体の物理的変化を検出するセンサは、これに限らず、任意であり、例えば、装置本体を移動させた方位を地磁気センサ(電子コンパス)によって検出するようにしてもよい。また、装置本体を位置移動させた場合に、その移動方向を8方向の中から選ぶようにしたが、地磁気センサを併用することによって16方向あるいは32方向の中から選ぶようにしてもよい。
【0042】
上述した実施例においては、装置本体の変化量を検出し、この変化量に基づいて切り出し範囲を比例的に変更するようにしたが、装置本体の変化量を検出せず、装置本体の変化検出に伴って切り出し範囲を所定量だけ一律に変更するようにしてもよい。
【0043】
上述した実施例においては、携帯電話装置1同士でのテレビ電話を例示したが、携帯電話装置1とPC5あるいは固定電話機6との間でテレビ電話を利用する場合であっても同様である。その他、携帯電話装置1に限らず、例えば、PDA、電子カメラ、電子腕時計、音楽再生機などの携帯端末装置であっても同様に適用可能である。
【0044】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0045】
(付記1)
画像送信装置と携帯型画像受信装置との間でネットワークを介して画像を送受信する画像送受信システムであって、
前記画像送信装置は、広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信し、
前記携帯型画像受信装置は、前記画像送信装置からの画像を受信取得して表示出力している状態において、装置本体の物理的変化を検出すると共に、この物理的変化に応じて前記切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信し、
前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置から変更情報を受信した場合に、この変更情報に応じて前記切り出し範囲を変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信する、
ようにしたことを特徴とする画像送受信システム。
【0046】
(付記2)
前記携帯型画像受信装置は、装置本体の傾き変化をその物理的変化として検出すると共に、この傾き変化に応じて前記切り出し範囲を何れかの方向に移動すべきであるかを示す変更情報を前記画像送信装置に送信し、
前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置からの変更情報に基づいて前記切り出し範囲を何れかの方向に移動すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信する、
ようにしたことを特徴とする付記1記載の画像送受信システム。
【0047】
(付記3)
前記携帯型画像受信装置は、装置本体の位置変化をその物理的変化として検出すると共に、この位置変化に応じて前記切り出し範囲を何れかの方向に移動すべきであるかを示す変更情報を前記画像送信装置に送信し、
前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置からの変更情報に基づいて前記切り出し範囲を何れかの方向に移動すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信する、
ようにしたことを特徴とする付記1記載の画像送受信システム。
【0048】
(付記4)
前記携帯型画像受信装置は、装置本体の遠近変化をその物理的変化として検出すると共に、この遠近変化に応じて前記切り出し範囲を大きくあるいは小さくすべきであるかを示す変更情報を前記画像送信装置に送信し、
前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置からの変更情報に基づいて前記切り出し範囲の大きさを変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出すと共に、切り出した画像を縮小あるいは拡大処理して前記携帯型画像受信装置に送信する、
ようにしたことを特徴とする付記1記載の画像送受信システム。
【0049】
(付記5)
コンピュータに対して、
ネットワークを介して広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して送信する機能と、
画像送信装置からの画像を受信取得して表示出力している状態において、装置本体の物理的変化に応じて前記切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信する機能と、
前記携帯型画像受信装置から変更情報を受信した場合に、この変更情報に応じて前記切り出し範囲を変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0050】
(付記6)
ネットワークを介して画像送信装置から画像を受信取得して表示する携帯型画像受信装置であって、
広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して送信する前記画像送信装置から受信取得した画像を表示出力する表示手段と、
装置本体の物理的変化を検出する検出手段と、
前記画像送信装置から受信取得した画像を表示出力している状態において、前記検出手段によって検出された装置本体の物理的変化に基づいて前記切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信する送信手段と、
を具備し、前記変更情報の送信に応答して前記画像送信装置から送られて来た変更後の新たな画像を受信して表示する、ようにしたことを特徴とする携帯型画像受信装置。
【0051】
(付記7)
コンピュータに対して、
広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して送信する画像送信装置から受信取得した画像を表示出力する機能と、
前記画像送信装置から受信取得した画像を表示出力している状態において、装置本体の物理的変化に基づいて前記切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信する機能と、
前記変更情報の送信に応答して前記画像送信装置から送られて来た変更後の新たな画像を受信して表示する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0052】
(付記8)
通信相手先である携帯型画像受信装置にネットワーク経由で画像を送信する画像送信装置であって、
広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出す切り出し手段と、
この切り出し手段によって切り出された画像部分を前記携帯型画像受信装置に送信する送信手段と、
前記携帯型画像受信装置から前記切り出し範囲の変更要求を受けた場合に、この要求内容に基づいて切り出し範囲を変更する変更手段と、
を具備し、前記変更手段によって変更された新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記要求元の携帯型画像受信装置に送信する、ようにしたことを特徴とする画像送信装置。
【0053】
(付記9)
コンピュータに対して、
通信相手先である携帯型画像受信装置にネットワーク経由で広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出す機能と、
切り出された画像部分を前記携帯型画像受信装置に送信する機能と、
前記携帯型画像受信装置から前記切り出し範囲の変更要求を受けた場合に、この要求内容に基づいて切り出し範囲を変更する機能と、
変更された新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記要求元の携帯型画像受信装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0054】
付記1記載の発明は、画像送信装置と携帯型画像受信装置との間でネットワークを介して画像を送受信する画像送受信システムであって、前記画像送信装置は、広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信し、前記携帯型画像受信装置は、前記画像送信装置からの画像を受信取得して表示出力している状態において、装置本体の物理的変化を検出すると共に、この物理的変化に応じて前記切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信し、前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置から変更情報を受信した場合に、この変更情報に応じて前記切り出し範囲を変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信するようにしたことを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した付記1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(付記6記載の発明)。
なお、画像送信装置は、テレビ電話機能付きの携帯電話などの携帯端末装置、PC、固定電話機などであり、携帯型画像受信装置は、テレビ電話機能付きの携帯電話などの携帯端末装置である(以下、同様)。
【0055】
なお、上述した付記1記載の発明は次ぎのようなものであってもよい。
前記携帯型画像受信装置は、装置本体の傾き変化をその物理的変化として検出すると共に、この傾き変化に応じて前記切り出し範囲を何れかの方向に移動すべきであるかを示す変更情報を前記画像送信装置に送信し、前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置からの変更情報に基づいて前記切り出し範囲を何れかの方向に移動すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信する(付記2記載の発明)。
【0056】
前記携帯型画像受信装置は、装置本体の位置変化をその物理的変化として検出すると共に、この位置変化に応じて前記切り出し範囲を何れかの方向に移動すべきであるかを示す変更情報を前記画像送信装置に送信し、前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置からの変更情報に基づいて前記切り出し範囲を何れかの方向に移動すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信する(付記3記載の発明)。
【0057】
前記携帯型画像受信装置は、装置本体の遠近変化をその物理的変化として検出すると共に、この遠近変化に応じて前記切り出し範囲を大きくあるいは小さくすべきであるかを示す変更情報を前記画像送信装置に送信し、前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置からの変更情報に基づいて前記切り出し範囲の大きさを変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出すと共に、切り出した画像を縮小あるいは拡大処理して前記携帯型画像受信装置に送信する(付記4記載の発明)。
【0058】
付記6記載の発明は、ネットワークを介して画像送信装置から画像を受信取得して表示する携帯型画像受信装置であって、広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して送信する前記画像送信装置から受信取得した画像を表示出力する表示手段と、装置本体の物理的変化を検出する検出手段と、前記画像送信装置から受信取得した画像を表示出力している状態において、前記検出手段によって検出された装置本体の物理的変化に基づいて前記切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信する送信手段とを具備し、前記変更情報の送信に応答して前記画像送信装置から送られて来た変更後の新たな画像を受信して表示するようにしたことを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した付記6記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(付記7記載の発明)。
【0059】
付記8記載の発明は、通信相手先である携帯型画像受信装置にネットワーク経由で画像を送信する画像送信装置であって、広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出す切り出し手段と、この切り出し手段によって切り出された画像部分を前記携帯型画像受信装置に送信する送信手段と、前記携帯型画像受信装置から前記切り出し範囲の変更要求を受けた場合に、この要求内容に基づいて切り出し範囲を変更する変更手段とを具備し、前記変更手段によって変更された新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記要求元の携帯型画像受信装置に送信するようにしたことを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した付記8記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(付記9記載の発明)。
【0060】
付記1記載の発明によれば、画像送信装置は、広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して携帯型画像受信装置に送信し、携帯型画像受信装置は、画像送信装置からの画像を受信取得して表示出力している状態において装置本体の物理的変化を検出すると共に、この物理的変化に応じて切り出し範囲の変更を要求する変更情報を画像送信装置に送信し、画像送信装置は、携帯型画像受信装置から変更情報を受信した場合に、この変更情報に応じて切り出し範囲を変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して携帯型画像受信装置に送信するようにしたから、広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分だけを切り出して送信したとしても、キーボード、マウスなどのデバイスを操作することなしに、装置本体を物理的に変化させるだけで当該切り出し範囲から外れた画像部分を容易に確認することができる。例えば、広範囲な大型画像に被写体X、Yが含まれている場合に、この中心部分である被写体Xの画像部分を切り出して送信した後、切り出し範囲の変更情報に応じて被写体Yの画像部分を切り出して送信することができ、装置本体を物理的に変化させるだけで当初の画像では確認することができなかった被写体Yを容易に確認することができる。
【0061】
付記2記載の発明によれば、上述した付記1記載の発明と同様の効果を有するほか、携帯型画像受信装置は、装置本体の傾き変化をその物理的変化として検出すると共に、この傾き変化に応じて切り出し範囲を何れかの方向に移動すべきであるかを示す変更情報を画像送信装置に送信し、画像送信装置は、携帯型画像受信装置からの変更情報に基づいて切り出し範囲を何れかの方向に移動すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して携帯型画像受信装置に送信するようにしたから、装置本体を傾けるだけで、切り出し範囲を水平移動させることができる。この場合、装置本体を傾ける方向と切り出し範囲の移動方向とを一致させておけば、切り出し範囲を感覚的に変更操作することが可能となる。
【0062】
付記3記載の発明によれば、上述した付記1記載の発明と同様の効果を有するほか、携帯型画像受信装置は、装置本体の位置変化をその物理的変化として検出すると共に、この位置変化に応じて切り出し範囲を何れかの方向に移動すべきであるかを示す変更情報を画像送信装置に送信し、画像送信装置は、携帯型画像受信装置からの変更情報に基づいて切り出し範囲を何れかの方向に移動すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して携帯型画像受信装置に送信するようにしたから、装置本体を位置変化(移動)させることによって切り出し範囲をこの移動方向に水平移動させることができる。この場合、装置本体の移動方向と切り出し範囲の移動方向とを一致させておけば、切り出し範囲を感覚的に変更操作することが可能となる。
【0063】
付記4記載の発明によれば、上述した付記1記載の発明と同様の効果を有するほか、携帯型画像受信装置は、装置本体の遠近変化をその物理的変化として検出すると共に、この遠近変化に応じて切り出し範囲を大きくあるいは小さくすべきであるかを示す変更情報を画像送信装置に送信し、画像送信装置は、携帯型画像受信装置からの変更情報に基づいて切り出し範囲の大きさを変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出すと共に、この切り出し画像を拡大あるいは縮小処理して携帯型画像受信装置に送信するようにしたから、装置本体を遠近変化をさせるだけで、切り出し範囲の大きさを変更させることができ、ズーム/ワイドの画像を得ることが可能となる。
【0064】
付記6記載の発明によれば、広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して送信する画像送信装置から受信取得した画像を表示出力している状態において、装置本体の物理的変化を検出すると共に、この物理的変化に基づいて切り出し範囲の変更を要求する変更情報を画像送信装置に送信し、この変更情報の送信に応答して画像送信装置から送られて来た変更後の新たな画像を受信して表示するようにしたから、広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分が切り出されたとしても、キーボード、マウスなどのデバイスを操作することなしに、装置本体を物理的に変化させるだけで当該切り出し範囲から外れた画像部分を容易に確認することができる。
【0065】
付記8記載の発明によれば、広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して携帯型画像受信装置に送信し、携帯型画像受信装置から切り出し範囲の変更要求を受けた場合に、この要求内容に基づいて切り出し範囲を変更すると共に、変更された新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して要求元の携帯型画像受信装置に送信するようにしたから、広範囲な大型画像の中から所定範囲内の画像部分だけを切り出して送信したとしても、携帯型画像受信装置からの切り出し範囲の変更要求に応じて当該切り出し範囲から外れた画像部分を送信することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 テレビ電話機能付き携帯電話装置
2 移動体通信網
3 インターネット
5 PC
6 固定電話機
11 CPU
12 記憶部
15 電話通信部
19 表示制御部
20 メイン表示部
22 キー操作部
25 内面側のテレビ電話用カメラ撮像部
26A 傾きセンサ
26B 変位センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像送信装置と携帯型画像受信装置との間でネットワークを介して画像を送受信する画像送受信システムであって、
前記画像送信装置は、画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信し、
前記携帯型画像受信装置は、前記画像送信装置からの画像を受信取得して表示出力している状態において、
前記携帯型画像受信装置本体を水平移動させた方向及びその移動量を検知し、
前記携帯型画像受信装置本体の前後方向の移動量が閾値以上であれば遠近変化ありと判別し、
遠近変化ありと判別したときのオートフォーカスの状態に基づいて遠近何れかの変化方向及び変化量を特定し、
当該特定した変化方向及び変化量に応じた前記切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信し、
前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置から変更情報を受信した場合に、この変更情報に応じて前記切り出し範囲を変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信する、
ようにしたことを特徴とする画像送受信システム。
【請求項2】
前記携帯型画像受信装置は、前記携帯型画像受信装置本体の傾き変化をその物理的変化として検出すると共に、この傾き変化に応じて前記切り出し範囲を何れかの方向に移動すべきであるかを示す変更情報を前記画像送信装置に送信し、
前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置からの変更情報に基づいて前記切り出し範囲を何れかの方向に移動すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の画像送受信システム。
【請求項3】
前記携帯型画像受信装置は、前記携帯型画像受信装置本体の位置変化をその物理的変化として検出すると共に、この位置変化に応じて前記切り出し範囲を何れかの方向に移動すべきであるかを示す変更情報を前記画像送信装置に送信し、
前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置からの変更情報に基づいて前記切り出し範囲を何れかの方向に移動すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の画像送受信システム。
【請求項4】
前記携帯型画像受信装置は、前記携帯型画像受信装置本体の遠近変化をその物理的変化として検出すると共に、この遠近変化に応じて前記切り出し範囲を大きくあるいは小さくすべきであるかを示す変更情報を前記画像送信装置に送信し、
前記画像送信装置は、前記携帯型画像受信装置からの変更情報に基づいて前記切り出し範囲の大きさを変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出すと共に、切り出した画像を縮小あるいは拡大処理して前記携帯型画像受信装置に送信する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の画像送受信システム。
【請求項5】
コンピュータに対して、
ネットワークを介して画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して送信する機能と、
画像送信装置からの画像を受信取得して表示出力している状態において、装置本体を水平移動させた方向及びその移動量を検知し、当該装置本体の前後方向の移動量が閾値以上であれば遠近変化ありと判別し、遠近変化ありと判別したときのオートフォーカスの状態に基づいて遠近何れかの変化方向及び変化量を特定し、当該特定した変化方向及び変化量に応じて前記切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信する機能と、
前記携帯型画像受信装置から変更情報を受信した場合に、この変更情報に応じて前記切り出し範囲を変更すると共に、変更した新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記携帯型画像受信装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項6】
ネットワークを介して画像送信装置から画像を受信取得して表示する携帯型画像受信装置であって、
画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して送信する前記画像送信装置から受信取得した画像を表示出力する表示手段と、
前記携帯型画像受信装置本体を水平移動させた方向及びその移動量を検知し、前記携帯型画像受信装置本体の前後方向の移動量が閾値以上であれば遠近変化ありと判別し、遠近変化ありと判別したときのオートフォーカスの状態に基づいて遠近何れかの変化方向及び変化量を特定することによって、前記携帯型画像受信装置本体の物理的変化を検出する検出手段と、
前記画像送信装置から受信取得した画像を表示出力している状態において、前記検出手段によって検出された前記携帯型画像受信装置本体の物理的変化である変化方向及び変化量に応じた切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信する送信手段と、
を具備し、前記変更情報の送信に応答して前記画像送信装置から送られて来た変更後の新たな画像を受信して表示する、ようにしたことを特徴とする携帯型画像受信装置。
【請求項7】
コンピュータに対して、
画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出して送信する画像送信装置から受信取得した画像を表示出力する機能と、
前記画像送信装置から受信取得した画像を表示出力している状態において、装置本体を水平移動させた方向及びその移動量を検知し、当該装置本体の前後方向の移動量が閾値以上であれば遠近変化ありと判別し、遠近変化ありと判別したときのオートフォーカスの状態に基づいて遠近何れかの変化方向及び変化量を特定し、当該特定した変化方向及び変化量に応じた切り出し範囲の変更を要求する変更情報を前記画像送信装置に送信する機能と、
前記変更情報の送信に応答して前記画像送信装置から送られて来た変更後の新たな画像を受信して表示する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項8】
通信相手先である携帯型画像受信装置にネットワーク経由で画像を送信する画像送信装置であって、
画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出す切り出し手段と、
この切り出し手段によって切り出された画像部分を前記携帯型画像受信装置に送信する
送信手段と、
前記携帯型画像受信装置が、水平移動させた方向及びその移動量を検知し、前記携帯型画像受信装置本体の前後方向の移動量が閾値以上であれば遠近変化ありと判別し、遠近変化ありと判別したときのオートフォーカスの状態に基づいて遠近何れかの変化方向及び変化量を特定した変化方向及び変化量に応じた前記切り出し範囲の変更要求を前記携帯型画像受信装置から受けた場合に、この要求内容に基づいて切り出し範囲を変更する変更手段と、
を具備し、前記変更手段によって変更された新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記要求元の携帯型画像受信装置に送信する、
ようにしたことを特徴とする画像送信装置。
【請求項9】
コンピュータに対して、
通信相手先である携帯型画像受信装置にネットワーク経由で画像の中から所定範囲内の画像部分を切り出す機能と、
切り出された画像部分を前記携帯型画像受信装置に送信する機能と、
前記携帯型画像受信装置が、水平移動させた方向及びその移動量を検知し、当該装置本体の前後方向の移動量が閾値以上であれば遠近変化ありと判別し、遠近変化ありと判別したときのオートフォーカスの状態に基づいて遠近何れかの変化方向及び変化量を特定した変化方向及び変化量に応じた前記切り出し範囲の変更要求を前記携帯型画像受信装置から受けた場合に、この要求内容に基づいて切り出し範囲を変更する機能と、
変更された新たな切り出し範囲内の画像部分を切り出して前記要求元の携帯型画像受信装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−244473(P2011−244473A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157688(P2011−157688)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【分割の表示】特願2005−353094(P2005−353094)の分割
【原出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】