説明

画像音声供給装置、画像音声供給システム、画像音声供給方法、及び画像音声供給用プログラム

【課題】画像データを効率的に供給することにより、供給先における音声再生の際の音途切れを防ぐ。
【解決手段】制御部11は、画像メモリーに記憶された2つのフレーム画像間に差分のあるデータを含む第1ブロックデータを抽出し、一度に送信すべき音声データのデータ量と、その音声データに続けて送信すべき画像データの最大データ量とを算出する。制御部11は、第1ブロックデータのデータ量が最大データ量よりも多い場合に、第1ブロックデータを最大データ量以下のデータ量となる第2ブロックデータに分割する。通信部15は、格納部14から一度に送信すべき音声データのデータ量分の音声データを読み出して出力する。そして、第1ブロックデータが分割されなかった場合には第1ブロックデータを、また第1ブロックデータが分割された場合には第2ブロックデータを、最大データ量以下のデータ量だけ出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像音声供給装置、画像音声供給システム、画像音声供給方法、及び画像音声供給用プログラムに係り、特に、画像データ及び音声データを供給する場合において、供給先における音声再生の音途切れを防ぐための、画像データの効率的な供給技術に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピューター(PC)と、画像を投写表示するプロジェクターとをUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して接続したプロジェクターシステムにおいて、PCからプロジェクターに画像データを供給し、プロジェクターが画像を投写表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、本出願人は、PCとプロジェクターとをUSBケーブルを介して接続して、PCから画像データ及び音声データをプロジェクターに供給し、プロジェクターが画像を投写表示するとともに、音声を自機内蔵のスピーカーから出力するプロジェクターシステムを実用化させている。より具体的には、このプロジェクターシステムは、PCが、自機のCPU(Central Processing Unit)によるオペレーティング・システムやアプリケーション・プログラムの処理により、表示させるべき画像及び出力させるべき音声のデジタルデータを、USBケーブルを介してプロジェクターに送信する。そして、プロジェクターが、そのデジタルデータを受信して画像信号及び音声信号に変換して、投写表示及びスピーカーからの音声出力を行うものである。このプロジェクターシステムにおいては、RGBケーブルやオーディオケーブル等、複数の信号ケーブルを用いた従来の接続環境を、1本のUSBケーブルを用いた接続環境に替えることができるため、煩雑な接続作業による負担が軽減されるとともに、画像及び音声をデジタルデータとして各装置間で送受信するため、システムの拡張性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−88194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記実施されている画像音声供給技術においては、PC及びプロジェクターそれぞれの処理負荷を軽くし、また装置間の伝送データ量を少なくするために、画像データについては、フレーム画像間で動きのある部分を含む矩形領域を抽出してその矩形領域データを伝送するようにしている。そして、プロジェクター側で画像と音声との同期をとりやすくするために、矩形領域データと音声データとを交互に送信するようにしている。これにおいて、プロジェクターにおける音声の再生において音途切れを発生させないようにするためには、PCは、プロジェクター側の音声処理でデータが欠乏しないような一定量の音声データを一定間隔で送信することが望ましい。しかしながら、フレーム間での動きのある領域が広く、よって抽出された矩形領域データのデータ量が多くなると、その矩形領域データの送信にかかる時間が音声データの送信間隔を超えることが発生し、そのような場合には、プロジェクターによる音声の再生において音途切れが発生することになる。
【0006】
ここで、一度に供給できる矩形領域データの最大データ量を音声データの1周期内に送信可能なデータ量以下に設定し、PCが、送信すべき矩形領域データを最大データ量以下となるように制御すれば、プロジェクターにおける音途切れの発生を回避できると考えられる。しかしながら、データ量の異なる複数の矩形領域データを音声データと交互に送信する場合、矩形領域データを送信したときから次に送信すべき音声データの送信開始時までの間に待ち時間が発生することがあるため、全体的な伝送効率が低下するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、デジタルデータである画像データ及び音声データを供給元から供給先に供給する場合において、画像データを効率的に供給することによって供給先における音声再生の際の音途切れを防ぐことのできる、画像音声供給装置、画像音声供給システム、画像音声供給方法、及び画像音声供給用プログラムを供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下[1]−[8]の手段を提供するものである。
[1] 音声データと画像データとを、前記音声データの送信開始時点が一定間隔となるようにして繰り返し供給する画像音声供給装置であり、
時間差のある2つのフレーム画像を記憶するフレーム画像記憶手段と、
音声データを記憶する音声データ記憶手段と、
前記フレーム画像記憶手段に記憶された2つのフレーム画像間に差分のあるデータを含む第1ブロックデータを抽出するブロックデータ抽出手段と、
一度に送信すべき音声データのデータ量である第1データ量と、その音声データに続けて送信すべき画像データの最大データ量である第2データ量とを決定する送信データ量決定手段と、
前記抽出された第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量となる第2ブロックデータに分割するブロックデータ分割手段と、
前記音声データ記憶手段から前記第1データ量の音声データを読み出して出力する音声データ出力手段と、
前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けて出力し、前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが分割された場合には、前記第2ブロックデータを、前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けて前記第2データ量以下のデータ量だけ出力するブロックデータ出力手段と、
を備えたことを特徴とする画像音声供給装置。
[2] 前記ブロックデータ分割手段は、
前記第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを、それぞれが前記第2データ量以下のデータ量であって且つ段階的に変化するデータ量となる複数の第2ブロックデータに分割し、
前記ブロックデータ出力手段は、
前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けて出力し、前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが前記複数の第2ブロックデータに分割された場合には、前記複数の第2ブロックデータのうち一部又は全部の第2ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量になるように組み合わせて、その組み合わせた第2ブロックデータを、前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けて出力することを特徴とする上記[1]記載の画像音声供給装置。
[3] 画像音声供給装置と画像音声出力装置とがデータバスを介して接続され、前記画像音声供給装置が、音声データと画像データとを、前記音声データの送信開始時点が一定間隔となるようにして繰り返し前記画像音声出力装置に供給する画像音声供給システムにおいて、
前記画像音声供給装置は、
時間差のある2つのフレーム画像を記憶するフレーム画像記憶手段と、
音声データを記憶する音声データ記憶手段と、
前記フレーム画像記憶手段に記憶された2つのフレーム画像間に差分のあるデータを含む第1ブロックデータを抽出するブロックデータ抽出手段と、
一度に送信すべき音声データのデータ量である第1データ量と、その音声データに続けて送信すべき画像データの最大データ量である第2データ量とを決定する送信データ量決定手段と、
前記抽出された第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量となる第2ブロックデータに分割するブロックデータ分割手段と、
前記音声データ記憶手段から前記第1データ量の音声データを読み出して出力する音声データ出力手段と、
前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを、前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けてブロックデータとして出力し、前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが分割された場合には、前記第2ブロックデータを、前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けて前記第2データ量以下のデータ量だけブロックデータとして出力するブロックデータ出力手段と、
を備え、
前記画像音声出力装置は、
前記画像音声供給装置から供給された音声データを受信する音声データ受信手段と、
前記受信した音声データを音声信号に変換して音声出力する音声出力手段と、
フレーム画像を記憶するフレーム画像記憶手段と、
前記画像音声供給装置から出力されたブロックデータを受信するブロックデータ受信手段と、
前記受信したブロックデータを前記フレーム画像記憶手段に記憶されたフレーム画像に上書きさせるブロックデータ上書制御手段と、
前記フレーム画像記憶手段に上書き記憶されたフレーム画像を読み出して投写出力する投写出力手段と、
を備えたことを特徴とする画像音声供給システム。
[4] 前記画像音声供給装置は、
前記ブロックデータ分割手段が、
前記第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを、それぞれが前記第2データ量以下のデータ量であって且つ段階的に変化するデータ量となる複数の第2ブロックデータに分割し、
前記ブロックデータ出力手段は、
前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを、前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けてブロックデータとして出力し、前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが前記複数の第2ブロックデータに分割された場合には、前記複数の第2ブロックデータのうち一部又は全部の第2ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量になるように組み合わせて、その組み合わせた第2ブロックデータを、前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けてブロックデータとして出力することを特徴とする上記[3]記載の画像音声供給システム。
[5] 音声データと画像データとを、前記音声データの送信開始時点が一定間隔となるようにして繰り返し供給する画像音声供給方法であり、
送信すべき音声データから、一度に送信すべき音声データのデータ量である第1データ量と、その音声データに続けて送信すべき画像データの最大データ量である第2データ量とを計算する送信データ量計算ステップと、
時間差のある2つのフレーム画像間に差分のあるデータを含む第1ブロックデータを抽出するブロックデータ抽出ステップと、
前記抽出された第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量となる第2ブロックデータに分割するブロックデータ分割ステップと、
前記送信すべき音声データから前記第1データ量の音声データを取り出して出力する音声データ出力ステップと、
前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて出力し、前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが分割された場合には、前記第2ブロックデータを、前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて前記第2データ量以下のデータ量だけ出力するブロックデータ出力ステップと、
を有したことを特徴とする画像音声供給方法。
[6] 前記ブロックデータ分割ステップは、
前記第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを、それぞれが前記第2データ量以下のデータ量であって且つ段階的に変化するデータ量となる複数の第2ブロックデータに分割し、
前記ブロックデータ出力ステップは、
前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて出力し、前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが前記複数の第2ブロックデータに分割された場合には、前記複数の第2ブロックデータのうち一部又は全部の第2ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量になるように組み合わせて、その組み合わせた第2ブロックデータを、前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて出力することを特徴とする上記[5]記載の画像音声供給方法。
[7] コンピューターに、
音声データと画像データとを、前記音声データの送信開始時点が一定間隔となるようにして繰り返し供給させる処理を実行させるための画像音声供給用プログラムであり、
送信すべき音声データから、一度に送信すべき音声データのデータ量である第1データ量と、その音声データに続けて送信すべき画像データの最大データ量である第2データ量とを計算する送信データ量計算ステップと、
時間差のある2つのフレーム画像間に差分のあるデータを含む第1ブロックデータを抽出するブロックデータ抽出ステップと、
前記抽出された第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量となる第2ブロックデータに分割するブロックデータ分割ステップと、
前記送信すべき音声データから前記第1データ量の音声データを取り出して出力させる音声データ出力ステップと、
前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて出力し、前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが分割された場合には、前記第2ブロックデータを、前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて前記第2データ量以下のデータ量だけ出力させるブロックデータ出力ステップと、
を前記コンピューターに実行させるための画像音声供給用プログラム。
[8] 前記ブロックデータ分割ステップは、
前記第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを、それぞれが前記第2データ量以下のデータ量であって且つ段階的に変化するデータ量となる複数の第2ブロックデータに分割し、
前記ブロックデータ出力ステップは、
前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて出力し、前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが前記複数の第2ブロックデータに分割された場合には、前記複数の第2ブロックデータのうち一部又は全部の第2ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量になるように組み合わせて、その組み合わせた第2ブロックデータを、前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて出力する
ように前記コンピューターに実行させるための上記[7]記載の画像音声供給用プログラム。
【0009】
本発明によれば、音声データを一定間隔で転送することができるため、画像音声の出力側では、音途切れを発生させることなく安定的に音声を出力することができる。それに加えてさらに、画像データの供給側では、画像データを効率よく伝送することができるため、システム全体として極めて転送効率の高いデータ転送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態である画像音声供給システムを適用したプロジェクターシステムの構成図である。
【図2】パーソナルコンピューターからプロジェクターに転送される画像データ及び音声データの転送の順序を説明するためのデータ転送タイムチャートである。
【図3】ある時刻のフレーム画像とその次のフレーム画像との間で抽出された矩形領域を模式的に表した図である。
【図4】フレーム画像間で差分のあるデータを含む矩形領域を、最大データサイズ以下のブロックデータに分割した場合の様子を模式的に示した図である。
【図5】パーソナルコンピューターにおいて構成される転送ブロックデータのデータ構成を示した図である。
【図6】パーソナルコンピューターとプロジェクターとの間で行われる初期化処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】サイズテーブルのデータ構成を示した図である。
【図8】パーソナルコンピューターが音声データと、1フレーム画像あたりの転送ブロックデータとを転送する処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】パーソナルコンピューターが音声データと転送ブロックデータとをプロジェクターに転送する場合のタイムチャートである。
【図10】プロジェクターが、画像を投写表示するとともに音声を出力する処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1に、本発明の実施形態である画像音声供給システムを適用したプロジェクターシステムの構成図を示す。同図において、プロジェクターシステム1は、画像音声供給装置であるパーソナルコンピューター(PC)10と、PC10によるオペレーティング・システム(OS)やアプリケーション・プログラムの実行に係る情報を表示するための表示装置20と、画像音声出力装置であるプロジェクター30とを備えている。そして、PC10とプロジェクター30とは、USBケーブル40を介して接続されている。また、表示装置20は、PC10に接続されている。なお、PC10と表示装置20とを、一般的なノートパソコンのように一体的に構成してもよい。
【0012】
図1において、PC10は、制御部11と、表示制御部12と、操作部13と、格納部14と、通信部15とを備えており、これらの構成部はバス16を介して機能的に接続されている。制御部11は、PC10全体の処理を制御する処理部であり、不図示のCPU、RAM、ROM等で構成されている。制御部11は、格納部14に格納されているOSやアプリケーション・プログラムをRAMに読み出して実行することによってPC10全体を制御する。例えば、制御部11が格納部14に格納されたプレゼンテーション用のアプリケーション・プログラムを読み出して実行すると、PC10はプレゼンテーション装置として動作する。また、制御部11は、ROMに記憶されたか又は格納部14に格納された画像音声供給用プログラムをRAMに読み出して実行することにより、OSやアプリケーション・プログラムの実行によってPC10が出力すべき音声データと、表示させるべき画像データとを転送効率が高く保たれるようにデータ構成を最適化し、通信部15から出力させる。このデータ構成の最適化処理については詳細を後述する。
【0013】
表示制御部12は、制御部11の制御により、表示装置20に表示させるべき表示情報をフレームデータとして不図示の画像メモリーに記憶させる。そして、表示制御部12は、画像メモリーからフレームデータを読み出して画像信号(例えばRGB信号)に変換して出力する。操作部13は、PC10の操作者に操作入力させるための入力部であり、キーボードやマウス等のポインティング・デバイスを備えている。格納部14は、上述したように、OSやアプリケーション・プログラムを格納するものである。また、格納部14は、OSやアプリケーション・プログラムの処理において使用される音声データを格納する。この音声データは、非圧縮データ又は圧縮データのいずれとすることができる。例えば、非圧縮音声データとしてPCM(Pulse Code Modulation)データを用いることができ、圧縮音声データとしてMP3(MPEG Audio Layer−3)データを用いることができる。
【0014】
通信部15は、クライアント側となるプロジェクター30との間でデジタルデータを送受信するためのUSB規格に準拠したインターフェイス部であり、USBケーブル40と接続するためのUSBコネクター(ホスト側タイプ)を備えている。通信部15は、制御部11の制御により、最大データ転送速度が12MbpsであるUSB1.1規格と、最大データ転送速度が480MbpsであるUSB2.0規格とに対応した2つの転送モードのうちいずれかのモードに設定されて動作する。
【0015】
図1において、プロジェクター30は、制御部31と、通信部32と、画像処理部33と、音声処理部34と、画像投写部35と、投写制御部36と、音声出力部37とを備えており、これらの構成のうち、制御部31と、通信部32と、画像処理部33と、音声処理部34と、投写制御部36とは、バス38を介して機能的に接続されている。制御部31は、プロジェクター30全体の処理を制御する処理部であり、不図示のCPU、RAM、ROM等で構成されている。制御部31は、ROMに記憶された画像音声受給用プログラムを読み出して実行することにより、PC10から転送された画像データ及び音声データをプロジェクター30に受信させて画像処理及び音声処理を行わせ、画像を投写し音声を出力させることができる。制御部31は、通信部32で受信した画像データ及び音声データをRAMに記憶させ、これら記憶されたデータのうち画像データを画像処理部33に供給し、音声データを音声処理部34に供給する。
【0016】
通信部32は、PC10の通信部15と同様のUSB規格に準拠したインターフェイス部であり、USBケーブル40と接続するためのUSBコネクター(クライアント側タイプ)を備えている。通信部32は、ホスト側となるPC10との間で通信のネゴシエーションを行い、PC10の通信部15に設定された転送モードと同一の転送モードに設定されて動作する。
【0017】
画像処理部33は、制御部31の制御によってRAMから供給された画像データに基づいてフレーム画像を構成し、そのフレーム画像を画像投写部35に供給する。画像処理部33は、少なくとも1フレーム分のフレームメモリーを備えており、このフレームメモリーに前回のフレーム画像を記憶した状態で、RAMから供給された画像データを上書きして新たなフレーム画像を構成する。画像投写部35は、不図示の光源、液晶ライトバルブ、及びレンズを備えており、画像処理部33から供給されたフレームデータを液晶ライトバルブに入力して表示させ、光源が発光した光を液晶ライトバルブに照射することにより、液晶ライトバルブに表示されたフレーム画像を、レンズを通して外部の投写スクリーンに投写表示する。投写制御部36は、制御部31の制御により、画像投写部35の光源や液晶ライトバルブの動作を制御する。
【0018】
音声処理部34は、制御部31の制御によってRAMから供給された音声データを音声信号に変換して音声処理部37に供給する。音声出力部37は、不図示のアンプ、スピーカーを備えており、音声信号をアンプで増幅してスピーカーから音を拡声出力する。
【0019】
次に、PC10からプロジェクター30に転送される画像データ及び音声データの転送の順序について、図2のデータ転送タイムチャートを参照して説明する。同図において、音声データ転送時間2aは音声データを転送するために確保された時間であり、画像データ転送最大時間2bは画像データを転送するために確保された最大時間である。同図に示すように、音声データ転送時間2aと画像データ転送最大時間2bとは交互に確保される。そして、音声データ転送時間2a及び画像データ転送時間2bの合計時間である周期Tで音声データが転送され、画像データは、音声データの転送に続いて画像データ転送最大時間2b以内で転送される。
【0020】
次に、PC10によって転送される画像データの詳細について説明する。本実施形態において、プロジェクター30に転送される画像データは、所定のフレームレート(例えば、30fps)で切り替わるフレーム画像の隣り合ったフレーム間に差分のあるデータを含む矩形領域のデータ(第1ブロックデータ)である。すなわち、表示制御部12は、少なくとも連続した2フレーム分のフレーム画像を画像メモリーに記憶しておき、制御部11は、画像メモリーに記憶された一方のフレーム画像と、比較対象である他方のフレーム画像とのデータの比較を行い、差分のあるデータを検出してそのデータを含む矩形領域のデータを、プロジェクター30に転送すべき画像データとして抽出する。なお、制御部11は、数フレーム分離れたフレーム画像同士で比較するようにしてもよい。画像メモリーに数フレーム分のフレーム画像を記憶できるだけの容量があれば、その数フレームの範囲内で比較すべき距離を調整することができる。
【0021】
図3に、ある時刻のフレーム画像とその次のフレーム画像との間で抽出された矩形領域を模式的に示す。同図は、差分のあるデータを含むブロック領域B1,B2,B3が抽出されたことを表したフレーム画像3である。同図のフレーム画像3の場合、ブロック領域B1,B2,B3を、図2に示した1回又は複数回繰返される画像データ転送最大時間2b内に転送する必要がある。そこで、本実施形態では、PC10は、画像データ転送最大時間2b以内に転送可能な画像データの最大データサイズを算出し、ブロック領域B1,B2,B3それぞれを、最大データサイズ以下のサイズのブロックデータ(第2ブロックデータ)に分割して転送する。
【0022】
図4に、ブロック領域B1,B2,B3を最大データサイズ以下のブロックデータに分割した場合の様子を模式的に示す。同図において、フレーム画像4のブロック領域B1は、ブロックデータB1a,B1b,B1c,B1d,B1e,B1fに分割されたことを表している。ここで、ブロックデータB1a,B1cは、最大データサイズのブロックデータであるとする。ブロック領域B2,B3は、それぞれのデータサイズが最大データサイズよりも小さなブロック領域であるため、ブロック分割は行われずそのままブロックデータとして扱うものとする。これら8つのブロックデータのデータサイズの関係は、最大データサイズ=ブロックデータB1a=ブロックデータB1c>ブロック領域B3>ブロック領域B2>ブロックデータB1d>ブロックデータB1b>ブロックデータB1e>ブロックデータB1fであるとする。
【0023】
図4に示したようなブロックデータがデータ転送されるため、各ブロックデータは、フレーム画像における位置及び大きさを示す情報が付加された転送ブロックデータとして扱われる。図5に、PC10で構成される転送ブロックデータのデータ構成を示す。同図において、転送ブロックデータ5は、始点座標値5aと、ブロックサイズ5bと、データサイズ5cと、ブロックデータ5dとを含んでいる。始点座標値5aは、ブロックデータそのものであるブロックデータ5dのフレーム画像における始点座標値、例えば、図4のブロックにおける左上の角を示す座標値である。ブロックサイズ5bは、ブロックの縦・横のサイズ、例えば縦・横それぞれのピクセル数をいう。データサイズ5cは、転送ブロックデータ5全体のデータサイズを示す。
【0024】
次に、PC10からプロジェクター30に画像データ及び音声データを送信し、これらを受信したプロジェクター30が画像を投写表示するとともに音声を出力する処理について説明する。まず、プロジェクターシステム1は、PC10とプロジェクター30との間で初期化処理を行う必要がある。この初期化処理においては、PC10及びプロジェクター30双方のUSB通信の転送モードの設定の他、PC10がプロジェクター30から音声出力に関する音声出力パラメーターを取得してブロックデータの最大データサイズを決定する。
【0025】
図6に、PC10とプロジェクター30との間で行われる初期化処理において、特に音声出力パラメーターを授受する処理のフローチャートを示す。同図において、PC10の制御部11は、プロジェクター30が有する音声出力パラメーターを取得するためのパラメーター要求コマンドを通信部15から送信する(S601)。プロジェクター30の通信部32がパラメーター要求コマンドを受信すると(S602)、通信部32は、これを制御部31に供給し、制御部31は、音声処理部34で処理する音声データの音声出力パラメーターを応答コマンドに含めて通信部32から送信する(S603)。PC10の通信部15が応答コマンドを受信すると(S604)、通信部15は、これを制御部11に供給し、制御部11は、応答コマンドに含められた音声出力パラメーターに基づいて所定のサイズテーブルを生成する(S605)。
【0026】
ここで、PC10がプロジェクター30より音声出力パラメーターを取得し、これに基づいて生成するサイズテーブルについて具体的に説明する。ここでは、プロジェクターシステム1が扱う音声データをPCMデータとし、よって、PC10が取得する音声出力パラメーターを、サンプリング周波数F(Hz)、ビット数B(bit)、及びチャンネル数C(チャンネル)とする。また、PC10における音声データの送信間隔をT(sec)、USBバスのデータ転送レートをR(bps)とする。また、サイズテーブルのデータ項目数をM(2以上の整数)とする。この条件において、送信間隔Tである1周期あたりの音声データの送信データサイズAD(byte)(第1データ量)は(数式1)で求められる。
【0027】
【数1】

【0028】
また、送信間隔T内に送信可能なデータサイズTD(byte)は(数式2)で求められる。
【0029】
【数2】

【0030】
よって、送信間隔T内に送信可能な最大画像データサイズD(byte)(第2データ量)は(数式3)で求められる。
【0031】
【数3】

【0032】
最大画像データサイズD及びデータ項目数Mを用いてD/M,2D/M,3D/M・・・(M−1)D/M,MD/Mを計算し、図7(a)に示すM個のデータからなるサイズテーブル7aを生成する。同図(a)において、サイズテーブル7aの各項目には、説明のためにサイズテーブル7aの右側に記載している範囲内のデータサイズのブロックデータが関連付けられることになる。
【0033】
ここで、制御部11によって生成されるサイズテーブルの具体例を示す。PC10が取得する音声出力パラメーターは、サンプリング周波数F=22.5KHz、ビット数B=8bit、及びチャンネル数C=1チャンネルであるとし、PC10における音声データの送信間隔T=50msec、USBバスのデータ転送レートR=160Mbpsとする。また、サイズテーブルを生成する際のデータ項目数M=5であるとする。PC10の制御部11が上記(数式1)〜(数式3)を計算することにより、AD=1125(byte)、TD=1000000(byte)、D=998875(byte)となり、図7(b)に示すサイズテーブル7bを生成する。
【0034】
次に、PC10の制御部11が、画像音声供給用プログラムを実行することにより、音声データと、1フレーム画像あたりの転送ブロックデータとを、データ構成を最適化して転送する処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。同図において、PC10の制御部11は、前述した初期化処理においてプロジェクター30から取得した音声出力パラメーターに合致するパラメーターに基づき符号化されたPCMデータを、格納部14又は制御部11のRAMから読み出す(S801)。なお、制御部11は、プロジェクター30から取得した音声出力パラメーターではないパラメーターに基づき符号化された音声データを、プロジェクター30から取得した音声出力パラメーターを用いて新たに符号化するようにしてもよい。
【0035】
次に、制御部11は、表示制御部12の画像メモリーに記憶された現在のフレーム画像とその直前のフレーム画像とを比較して、差分のあるデータを検出してそのデータを含む矩形領域を抽出する(S802)。例えば、図3に示すブロック領域B1,B2,B3が抽出される。次に、制御部11は、抽出された矩形領域を最大画像データサイズD以下のブロックデータに分割する。(S803)。例えば、制御部11は、図3のブロック領域B1,B2,B3それぞれのデータサイズと最大画像データサイズDとを比較し、図4に示すように、最大画像データサイズDよりもデータサイズの大きなブロック領域B1について、最大画像データサイズDとなる正方形のブロックを単位として、ブロック領域B1を分割する。図4によれば、最大画像データサイズDと同一データサイズとなるブロックデータB1a,B1cの他、ブロックデータB1b,B1d,B1e,B1fに分割される。ブロック領域B2,B3については、それぞれのデータサイズが最大画像データサイズDよりも小さいためブロック分割はされない。
【0036】
次に、制御部11は、初期化処理において生成したサイズテーブルに基づいてブロックデータの組み合わせを最適化する(S804)。すなわち、図4に示した例においては、ブロック領域B1を分割して得られた6つのブロックデータB1a,B1b,B1c,B1d,B1e,B1fと、ブロック領域B2,B3のブロックデータとのそれぞれについて、図5に示すデータ構成にフォーマット化し、サイズテーブルに基づいて転送データサイズが最大画像データサイズD以内となるように転送ブロックデータの組み合わせを決定する。
【0037】
具体的には、図4に示した例において、図5のようにフォーマット化された後のブロックデータB1a,B1b,B1c,B1d,B1e,B1f及びブロック領域B2,B3のデータサイズが、ブロックデータB1a=ブロックデータB1c=998875(byte)、ブロックデータB1b=580261(byte)、ブロックデータB1d=654397(byte)、ブロックデータB1e=382456(byte),ブロックデータB1f=180392(byte)、ブロック領域B2=773462(byte)、及びブロック領域B3=862464(byte)であるとする。
【0038】
この場合、図7(b)に示すサイズテーブルを用いた場合、D/5すなわちS≦199755となるレンジにブロックデータB1f、2D/5すなわち199775<S≦399550となるレンジにブロックデータB1e、3D/5すなわち399550<S≦599325となるレンジにブロックデータB1b、4D/5すなわち599325<S≦799100となるレンジにブロック領域B2,ブロックデータB1d、及び5D/5すなわち799100<S≦998875となるレンジにブロックデータB1a,B1c,ブロック領域B3が関係付けされる。
【0039】
そして、これらの関係付けに応じて、最大画像データサイズDを超えないようにして転送ブロックデータの組み合わせを決定し、その組み合わせた転送ブロックデータを、データサイズの大きな順に送信するようにRAMに記憶する。組み合わせは、例えばD/5のレンジにあるブロックデータと、4D/5のレンジにあるデータとの組み合わせ、2D/5のレンジにあるブロックデータと、3D/5のレンジにあるブロックデータとの組み合わせを行うようにして決定する。具体的には、例えばブロックデータB1bとブロックデータB1eとを組み合わせ、ブロック領域B2とブロックデータB1fとを組み合わせる。
【0040】
ステップS804の処理の次に、制御部11は、ステップS801の処理で読み出した音声データのうち、送信データサイズAD分の音声データを通信部15よりプロジェクター30に対して送信させる(S805)。次に、制御部11は、RAMに記憶された転送ブロックデータの組み合わせのうち、一番最初に転送するよう指定されている転送ブロックデータの組み合わせを通信部15よりプロジェクター30に対して送信させる(S806)。
【0041】
そして、1フレーム画像分の転送ブロックデータを送信完了したか否かを判定し(S807)、まだ送信すべき転送ブロックデータがRAMに記憶されている場合(S807 No)は、送信間隔Tに同期させて(S808)、ステップS805の処理に移行する。一方、1フレーム画像分の転送ブロックデータを送信完了した場合(S807 Yes)は、このフローチャートの処理を終了する。このフローチャートの処理により、例えば、図9に示すタイムチャートのように、PC10は、音声データと転送ブロックデータとを音声データの送信間隔Tに同期させてプロジェクター30に転送する。
【0042】
次に、プロジェクター30の制御部31が、画像音声受給用プログラムを実行することにより、音声データと1フレーム画像あたりの転送ブロックデータとを受信し、画像を投写表示するとともに音声を出力する処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。同図において、プロジェクター30は、PC10のステップS805の処理によって送信された送信データサイズAD分の音声データを通信部32で受信して制御部31に供給する(S1001)。次に、制御部31は、音声データを一旦RAMに記憶させ、その記憶させたRAMから音声データを読み出して音声処理部34に供給する。そして、音声処理部34は、音声データをデコードして音声信号に変換し音声処理部37に供給する(S1002)。そして、音声処理部37は、音声信号をアンプで増幅してスピーカーから拡声出力する(S1003)。
【0043】
また、プロジェクター30は、PC10のステップS806の処理によって送信された転送ブロックデータを通信部32で受信して制御部31に供給する(S1004)。次に、制御部31は、転送ブロックデータを一旦RAMに記憶させ、その記憶させたRAMから各転送ブロックデータを読み出して画像処理部33に供給する。そして、画像処理部33は、転送ブロックデータに含まれる始点座標値5aとブロックサイズ5bとに基づきブロックデータ5dをフレーム画像に構成して画像投写部35に供給する(S1005)。そして、画像投写部35は、フレーム画像を投写する(S1006)。
【0044】
上述したとおり、本実施形態によれば、PCとプロジェクターとをUSBケーブルを介して接続したプロジェクターシステムにおいて、PCがプロジェクターに対して音声データを一定間隔で転送し、プロジェクターがその一定間隔で音声データを受信してデコード処理を行うため、プロジェクターは音途切れを発生させることなく安定的に音声を出力することができる。それに加えてさらに、PCはフレーム画像の差分のあるデータを含んだ転送ブロックデータを効率よく転送することができるため、プロジェクターシステム全体として、極めて転送効率の高いデータ転送を行うことができる。
【0045】
なお、PC及びプロジェクターそれぞれの通信部は、USB1.1規格又はUSB2.0規格のいずれかの規格に準拠させた転送モードに設定されて動作するが、各通信部がUSB2.0規格に準拠した転送モードに設定された場合は、本実施形態で説明したようにPCはブロックデータを非圧縮データの転送ブロックデータとして扱うようにし、各通信部がUSB1.1規格に準拠した転送モードに設定された場合は、PCの制御部はブロックデータをJPEG方式で圧縮し、そのJPEGデータを転送ブロックデータとして扱うようにしてもよい。この場合、プロジェクターは、USB1.1規格の転送モードに設定された場合には、画像処理部においてJPEGデータを伸長処理してフレーム画像に展開する処理を行うようにすればよい。
【0046】
また、PCとプロジェクターとの接続インターフェイスはUSBに限らず、例えばIEEE1394等のシリアルバスを用いてもよい。
【0047】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 プロジェクターシステム
10 パーソナルコンピューター
11,31 制御部
12 表示制御部
13 操作部
14 格納部
15,32 通信部
16,38 バス
20 表示装置
30 プロジェクター
33 画像処理部
34 音声処理部
35 画像投写部
36 投写制御部
37 音声出力部
40 USBケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声データと画像データとを、前記音声データの送信開始時点が一定間隔となるようにして繰り返し供給する画像音声供給装置であり、
時間差のある2つのフレーム画像を記憶するフレーム画像記憶手段と、
音声データを記憶する音声データ記憶手段と、
前記フレーム画像記憶手段に記憶された2つのフレーム画像間に差分のあるデータを含む第1ブロックデータを抽出するブロックデータ抽出手段と、
一度に送信すべき音声データのデータ量である第1データ量と、その音声データに続けて送信すべき画像データの最大データ量である第2データ量とを決定する送信データ量決定手段と、
前記抽出された第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量となる第2ブロックデータに分割するブロックデータ分割手段と、
前記音声データ記憶手段から前記第1データ量の音声データを読み出して出力する音声データ出力手段と、
前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けて出力し、前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが分割された場合には、前記第2ブロックデータを、前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けて前記第2データ量以下のデータ量だけ出力するブロックデータ出力手段と、
を備えたことを特徴とする画像音声供給装置。
【請求項2】
前記ブロックデータ分割手段は、
前記第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを、それぞれが前記第2データ量以下のデータ量であって且つ段階的に変化するデータ量となる複数の第2ブロックデータに分割し、
前記ブロックデータ出力手段は、
前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けて出力し、前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが前記複数の第2ブロックデータに分割された場合には、前記複数の第2ブロックデータのうち一部又は全部の第2ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量になるように組み合わせて、その組み合わせた第2ブロックデータを、前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けて出力することを特徴とする請求項1記載の画像音声供給装置。
【請求項3】
画像音声供給装置と画像音声出力装置とがデータバスを介して接続され、前記画像音声供給装置が、音声データと画像データとを、前記音声データの送信開始時点が一定間隔となるようにして繰り返し前記画像音声出力装置に供給する画像音声供給システムにおいて、
前記画像音声供給装置は、
時間差のある2つのフレーム画像を記憶するフレーム画像記憶手段と、
音声データを記憶する音声データ記憶手段と、
前記フレーム画像記憶手段に記憶された2つのフレーム画像間に差分のあるデータを含む第1ブロックデータを抽出するブロックデータ抽出手段と、
一度に送信すべき音声データのデータ量である第1データ量と、その音声データに続けて送信すべき画像データの最大データ量である第2データ量とを決定する送信データ量決定手段と、
前記抽出された第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量となる第2ブロックデータに分割するブロックデータ分割手段と、
前記音声データ記憶手段から前記第1データ量の音声データを読み出して出力する音声データ出力手段と、
前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを、前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けてブロックデータとして出力し、前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが分割された場合には、前記第2ブロックデータを、前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けて前記第2データ量以下のデータ量だけブロックデータとして出力するブロックデータ出力手段と、
を備え、
前記画像音声出力装置は、
前記画像音声供給装置から供給された音声データを受信する音声データ受信手段と、
前記受信した音声データを音声信号に変換して音声出力する音声出力手段と、
フレーム画像を記憶するフレーム画像記憶手段と、
前記画像音声供給装置から出力されたブロックデータを受信するブロックデータ受信手段と、
前記受信したブロックデータを前記フレーム画像記憶手段に記憶されたフレーム画像に上書きさせるブロックデータ上書制御手段と、
前記フレーム画像記憶手段に上書き記憶されたフレーム画像を読み出して投写出力する投写出力手段と、
を備えたことを特徴とする画像音声供給システム。
【請求項4】
前記画像音声供給装置は、
前記ブロックデータ分割手段が、
前記第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを、それぞれが前記第2データ量以下のデータ量であって且つ段階的に変化するデータ量となる複数の第2ブロックデータに分割し、
前記ブロックデータ出力手段は、
前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを、前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けてブロックデータとして出力し、前記ブロックデータ分割手段により前記第1ブロックデータが前記複数の第2ブロックデータに分割された場合には、前記複数の第2ブロックデータのうち一部又は全部の第2ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量になるように組み合わせて、その組み合わせた第2ブロックデータを、前記音声データ出力手段からの音声データの出力に続けてブロックデータとして出力することを特徴とする請求項3記載の画像音声供給システム。
【請求項5】
音声データと画像データとを、前記音声データの送信開始時点が一定間隔となるようにして繰り返し供給する画像音声供給方法であり、
送信すべき音声データから、一度に送信すべき音声データのデータ量である第1データ量と、その音声データに続けて送信すべき画像データの最大データ量である第2データ量とを計算する送信データ量計算ステップと、
時間差のある2つのフレーム画像間に差分のあるデータを含む第1ブロックデータを抽出するブロックデータ抽出ステップと、
前記抽出された第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量となる第2ブロックデータに分割するブロックデータ分割ステップと、
前記送信すべき音声データから前記第1データ量の音声データを取り出して出力する音声データ出力ステップと、
前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて出力し、前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが分割された場合には、前記第2ブロックデータを、前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて前記第2データ量以下のデータ量だけ出力するブロックデータ出力ステップと、
を有したことを特徴とする画像音声供給方法。
【請求項6】
前記ブロックデータ分割ステップは、
前記第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを、それぞれが前記第2データ量以下のデータ量であって且つ段階的に変化するデータ量となる複数の第2ブロックデータに分割し、
前記ブロックデータ出力ステップは、
前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて出力し、前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが前記複数の第2ブロックデータに分割された場合には、前記複数の第2ブロックデータのうち一部又は全部の第2ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量になるように組み合わせて、その組み合わせた第2ブロックデータを、前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて出力することを特徴とする請求項5記載の画像音声供給方法。
【請求項7】
コンピューターに、
音声データと画像データとを、前記音声データの送信開始時点が一定間隔となるようにして繰り返し供給させる処理を実行させるための画像音声供給用プログラムであり、
送信すべき音声データから、一度に送信すべき音声データのデータ量である第1データ量と、その音声データに続けて送信すべき画像データの最大データ量である第2データ量とを計算する送信データ量計算ステップと、
時間差のある2つのフレーム画像間に差分のあるデータを含む第1ブロックデータを抽出するブロックデータ抽出ステップと、
前記抽出された第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量となる第2ブロックデータに分割するブロックデータ分割ステップと、
前記送信すべき音声データから前記第1データ量の音声データを取り出して出力させる音声データ出力ステップと、
前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて出力し、前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが分割された場合には、前記第2ブロックデータを、前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて前記第2データ量以下のデータ量だけ出力させるブロックデータ出力ステップと、
を前記コンピューターに実行させるための画像音声供給用プログラム。
【請求項8】
前記ブロックデータ分割ステップは、
前記第1ブロックデータのデータ量が前記第2データ量よりも多い場合に、前記第1ブロックデータを、それぞれが前記第2データ量以下のデータ量であって且つ段階的に変化するデータ量となる複数の第2ブロックデータに分割し、
前記ブロックデータ出力ステップは、
前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが分割されなかった場合には、前記第1ブロックデータを前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて出力し、前記ブロックデータ分割ステップにより前記第1ブロックデータが前記複数の第2ブロックデータに分割された場合には、前記複数の第2ブロックデータのうち一部又は全部の第2ブロックデータを前記第2データ量以下のデータ量になるように組み合わせて、その組み合わせた第2ブロックデータを、前記音声データ出力ステップにおける音声データの出力に続けて出力する
ように前記コンピューターに実行させるための請求項7記載の画像音声供給用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−213179(P2010−213179A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59494(P2009−59494)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】