画面から見えなくなっているエンティティの動的実体化(情報を表示する方法及び装置)
【課題】エンティティの動的実体化を行い、ユーザがスクロールにより画面から見えなくなった情報を自動的に見ることを可能とする。
【解決手段】様々な実施形態において、情報を表示する方法、装置、およびプログラムを開示する。ファイルの情報の第1のサブセットは、スクロール可能領域に提示される。情報の第1のサブセットは、少なくとも部分的に情報の第2のサブセットを含む。情報の第2のサブセットは、実体化エンティティに指定される。スクロール可能領域の中のファイルがスクロールされて、実体化エンティティの少なくとも一部分がスクロール可能領域から見えなくなるとき、実体化エンティティは、少なくとも部分的に実体化領域に表示される。
【解決手段】様々な実施形態において、情報を表示する方法、装置、およびプログラムを開示する。ファイルの情報の第1のサブセットは、スクロール可能領域に提示される。情報の第1のサブセットは、少なくとも部分的に情報の第2のサブセットを含む。情報の第2のサブセットは、実体化エンティティに指定される。スクロール可能領域の中のファイルがスクロールされて、実体化エンティティの少なくとも一部分がスクロール可能領域から見えなくなるとき、実体化エンティティは、少なくとも部分的に実体化領域に表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウィンドウに情報を表示することに関し、さらに詳細には、画面から見えなくなっているエンティティを動的に実体化することに関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置上の限定された表示領域との組み合わせにおける大容量ファイルは、それらのファイルを含むアプリケーションおよびツールのユーザに対して問題を提示し続けている。長年にわたり多くの機能強化がなされてきたが、依然として重大な問題が残っている。
【0003】
大容量ファイルの情報を表示するために用いられる従来の1つの方法は、スクロール・バーまたは検索ダイアログ・ボックスのような様々なユーザ・コントロールを用いて、ディスプレイ上のスクロール可能領域にファイルを提示して、興味がある情報またはデータ(テキストまたは図形、あるいはその両方)を含むファイルの一部を表示することである。ユーザがファイルをスクロールすると、以前に表示されていた情報は、ディスプレイ画面から完全に見えなくなる可能性がある。例えば、ユーザは、歴史的資料を含む大容量ファイルを隅々までスクロールし、または検索することができる。ユーザは、特定の点を例証するために特定の文章を検索している。資料が非常に大きいので、興味がある2つの文章をスクロール可能範域に同時に表示することができない。しかしながら、ユーザは、ディスプレイ上で同時に興味がある文章を見たいものであり、検索またはスクロールの連続した各動作によって、それらの文章が画面から見えなくなることを好まない。
【0004】
ユーザは、第2のアプリケーションを開くことができて、第2のアプリケーションのウィンドウ上に所望の情報をコピーし、かつペーストする(貼り付ける)ことができる。しかしながら、手作業で他のアプリケーションを開いて、コピーおよびペーストを実行することは、厄介でありかつ不便である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1つの文書処理アプリケーションのマイクロソフトワード(R)(マイクロソフト(R)、ウィンドウズ(R)、ウィンドウズNT(R)、およびウィンドウズのロゴは、アメリカ合衆国、他国、またはその両方におけるマイクロソフト社の商標である)は、スクロール可能領域の中のファイルのそばにコピーされたテキストを有するクリップボードを表示する。しかしながら、テキストがスクロールにより画面から見えなくなるとき、自動的にクリップボード上に配置されることはない。
【0006】
したがって、ユーザが、スクロールにより画面から見えなくなった情報を自動的に見ることを可能とする技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した先行技術の限界を克服するとともに、本明細書を読み、理解するとき、明らかとなるであろう他の限界を克服するために、情報を表示する様々な実施形態の方法、装置、およびプログラムが開示される。
【0008】
様々な実施形態において、方法、装置、およびプログラムが情報を表示する。ファイルの情報の第1のサブセットは、スクロール可能領域に提示される。情報の第1のサブセットは、少なくとも部分的に情報の第2のサブセットを含む。情報の第2のサブセットは、実体化エンティティとして指定される。スクロール可能領域の中のファイルがスクロールされて、実体化エンティティの少なくとも一部分がスクロール可能領域から見えなくなると、実体化エンティティは、少なくとも部分的に実体化領域に表示される。
【0009】
このようにして、所望の情報がスクロール可能領域に表示されなくなるとき、その情報を自動的に実体化領域に表示できる。したがって、スクロールにより所望の情報がスクロール可能領域から見えなくなってしまったときでも、ユーザはその情報を見ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
添付図面とともに下記の詳細な説明を検討することにより、本発明の内容を容易に理解できる。理解を容易にするために、可能である場合には、いくつかの図面に共通する同一の要素を同一の参照番号を用いて示した。以下の説明を検討すると、当業者は、情報を表示するために本発明の様々な実施形態の内容を利用できることを明確に理解するであろう。様々な実施形態において、方法、装置、およびプログラムが情報を表示する。ファイルの情報の第1のサブセットは、スクロール可能領域に提示される。情報の第1のサブセットは、少なくとも部分的に情報の第2のサブセットを含む。情報の第2のサブセットは、実体化エンティティに指定される。スクロール可能領域の中のファイルがスクロールされて、実体化エンティティの少なくとも一部分がスクロール可能領域から見えなくなると、実体化エンティティは、少なくとも部分的に実体化領域に表示される。様々な実施形態で、実体化エンティティは、動的実体化(DM)エンティティを示す。いくつかの実施形態では、情報のサブセットをDMエンティティに指定するために、DM属性がファイルの中の情報またはデータのサブセットと関連づけられる。
【0011】
図1は、本発明の様々な実施形態を用いる、コンピュータ・システムの概略図を示す。コンピュータ・システム20は、通常、すべてが1つ以上のバス34で接続された、プロセッサ22、ディスプレイ24、入力インタフェース(VF)26、通信用インタフェース28、メモリ30、および出力インタフェース32を含む。入力インタフェース26は、キーボード36およびマウス38を含む。出力インタフェース32は、プリンタ40である。通信用インタフェース28は、ネットワークインタフェース(NI)であり、コンピュータ20がインターネットのようなネットワークを介して通信することを可能にする。通信用インタフェース28は、例えば、ツイストペア、同軸ケーブル、または光ファイバなどのネットワーク伝送回線のような伝送媒体42に接続されうる。他の模範的実施形態では、通信用インタフェース28は無線インタフェースを提供して、すなわち、通信用インタフェース28は無線伝送媒体を使用する。
【0012】
一般に、メモリ30は、例として、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)のような半導体メモリ、およびディスク・ドライブなどの異なった様式を含む。いくつかの実施形態では、メモリ30は、オペレーティング・システム48、アプリケーション50、および少なくとも1つのファイル52を格納する。通常、アプリケーション50は、ファイル52の情報を表示する。様々な実施形態において、ハンドラ(handler)は、スクロール可能領域ハンドラ54、DM領域生成ハンドラ56、DMエンティティ生成ハンドラ58、DMエンティティ削除ハンドラ60、復帰ハンドラ62、永続的DMエンティティ作成ハンドラ64、および一時的DMエンティティ作成ハンドラ66のうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0013】
通常、スクロール可能領域ハンドラ54は、スクロール動作を実行して、1つ以上のDM領域にDMエンティティを表示する。DM領域生成ハンドラ58は、DM領域を生成する。いくつかの実施形態では、DM領域生成ハンドラ58は、DM領域を有する個別のウィンドウを生成する。DMエンティティ生成ハンドラ58は、DMエンティティを生成する。いくつかの実施形態では、DMエンティティ生成ハンドラは、二者択一で、一時的DMエンティティ、または永続的DMエンティティを生成する。DMエンティティ削除ハンドラ60は、DMエンティティを削除する。復帰ハンドラ62は、スクロール可能領域に所望のDMエンティティを表示するために、ファイルの位置を変える。永続的DMエンティティ作成ハンドラ64は、DMエンティティを永続的DMエンティティに指定する、またはDMエンティティを永続的DMエンティティに変更する。一時的DMエンティティ作成ハンドラ66は、DMエンティティを一時的DMエンティティに指定する、またはDMエンティティを一時的DMエンティティに変更する。
【0014】
他の実施形態では、ファイル52は、他のコンピュータ・システム上のアプリケーション50から離れて配置されて、ネットワークを介してアクセスされうる。いくつかの実施形態では、ファイル52は、DMデータ構造68のDMエンティティに関する情報を格納する。
【0015】
通常、様々な実施形態において、本発明的な技術の様々な実施形態を実装する特定のソフトウェア命令、データ構造、およびデータは、アプリケーション50に組み込まれている。一般に、本発明の実施形態は、例えば、メモリ30などのコンピュータ読み込み可能媒体に確実に記録され、プロセッサ22により実行処理されるとき、コンピュータ・システム20が本発明を利用するようにされる命令からなる。メモリ30は、ソフトウェア命令の一部分、データ構造、およびオペレーティング・システム48、アプリケーション50、ならびにファイル52のいずれかに関するデータを、半導体メモリに格納できるとともに、ソフトウェア命令およびデータのうちの他の部分は、ディスク・メモリに格納される。
【0016】
オペレーティング・システム48は、z/OS(R)、ADC(R)(z/OSおよびADCは、IBM社の登録商標である)、UNIX(R)(UNIXは、アメリカ合衆国および他国におけるオープングループの登録商標である)、ウィンドウズ(R)、およびリナックス(R)(リナックスは、アメリカ合衆国、他国、またはその両方におけるリヌス・トルバルズの商標である)のような従来の任意のオペレーティング・システムで実現されうる。
【0017】
様々な実施形態において、本発明は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせを作製するための標準的プログラミング手法、または工学的手法、あるいはその両方を用いる、方法、装置、またはプログラムとして実現されうる。本明細書に用いられた用語「プログラム」(あるいはまた、「コンピュータ・プログラム」)は、任意のコンピュータ読み込み可能な装置、キャリヤ、または媒体でアクセスできるコンピュータ・プログラムを含む。さらに、様々な実施形態を実行するソフトウェアは、例えば、ネットワーク上のサーバから、伝送媒体を介してアクセス可能でありうる。また、プログラム・コードを実装するプログラムは、ネットワーク伝送回線および無線伝送媒体のような伝送媒体を含む。したがって、また、プログラムはプログラム・コードが組み込まれた媒体を含む。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、この構成に対して多数の変更をなしうることを認識するであろう。
【0018】
図1で示された模範的コンピュータ・システムは、本発明を限定するものではない。本発明の範囲を逸脱することなく、他の代替のハードウェア環境を用いることができる。
【0019】
図2は、第1のスクロール可能領域72、および実体化またはDM(動的実体化)領域74を有する、第1のウィンドウ70の実施形態を示す。様々な実施形態において、第1のウィンドウの範囲内で、第1のスクロール可能領域72の左方、右方、上方、または下方にDM領域を配置できる。第1のスクロール可能領域72は、ファイル表示用である。様々な実施形態では、第1のウィンドウ70は、第1のタイトル・バー76および第1のコントロール・エリア78を有する。第1のスクロール可能領域72を、垂直および水平スクロール・バー、80および82の各々と関連づける。垂直スクロール・バー80は、スクロール可能領域72の右側にあり、水平スクロール・バー82は、スクロール可能領域72の下端にある。他の実施形態では、単一のスクロール・バーが使用されている。他の実施形態では、垂直スクロール・バーは、スクロール可能領域72の左方にある。他の代替の実施形態では、水平スクロール・バーは、スクロール可能領域72の上端にある。スクロール・バー80と82は、スライダ84と86、ならびに反対向きの矢印88と90、および92と94の各々を有し、これらのスクロール・バーは、ファイルの最初から最後までスクロールするために使用されうる。
【0020】
様々な実施形態では、第1のタイトル・バー76は、公知である縮小化96、最大化98、およびクローズボタン100、各々の他に、アプリケーションの名称を有する。いくつかの実施形態では、第1のコントロール・エリア78は、DM領域74を生成するためのDM領域生成ボタン(DM領域生成)102を有する。様々な実施形態では、第1のコントロール・エリア78は、DMエンティティを生成するためのDMエンティティ生成ボタン(DMエンティティ作成)104を有する。また、他の実施形態では、第1のコントロール・エリア78は、縮小化106、最大化108、およびクローズボタン110、各々のうちの少なくとも1つを有する。第1のウィンドウ70の範囲内に、複数のスクロール可能領域72が存在しているとき、例えば、第1のコントロール・エリア78の縮小化ボタン106、最大化ボタン108、およびクローズボタン110の各々を用いることができる。あるいは、第1のコントロール・エリアは省略される。
【0021】
様々な実施形態では、ファイルは、テキスト文字列およびオブジェクトを含む様々な種類の情報を含むが、これらに限定されない。通常、オブジェクトは、図形情報またはデータを含む。いくつかの実施形態では、また、オブジェクトは、テキスト文字列、動画オブジェクト、アイコン、および当業者に公知の他のオブジェクトを含む。
【0022】
通常、ファイルは、多数のDMエンティティを有することができる。通常、DMエンティティは、相互に排他的な情報のサブセットを含む。いくつかの実施形態において、DMエンティティは重なってもよい。様々な実施形態では、DMエンティティは、少なくとも1つのテキスト文字列、少なくとも1つのオブジェクト、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、DMエンティティは、オブジェクトまたはテキストが、ディスプレイ上にある限り、表示されている他のテキストまたはオブジェクトと同様に表示されて、かつ機能する。すなわち、様々な相互作用がユーザとアプリケーション50の間で行われるとき、表示された非DM情報と表示されたDMエンティティの機能は、いずれか一方が第1のスクロール可能領域72に完全に残っている限り、区別できない。
【0023】
非DM情報は、DMエンティティではないテキストおよびオブジェクトを示す。他の実施形態では、DMエンティティを第1のスクロール可能領域72内の他の情報と視覚的に区別するために、DMエンティティは、非DM情報と異なった外観を有する。あるいは、DMエンティティは非DM情報と異なった振る舞いをする。
【0024】
図3は、模範的ファイル120を表示しており、その一部は図2に表示されている。図2と図3の両方を参照すると、ファイル120のテキストのサブセット「模範的テキスト」121が、第1のDMエンティティ122に指定される。この例では、第1のDMエンティティ122のテキスト文字列は、そのテキストがDMエンティティであることをユーザに示すために、斜字体で強調される。また、他の実施形態では、下線、太字、フォント変更、フォント色変更、エンティティの背景色の変更、およびDMエンティティの点滅のような他の表示を使用することができる。1つの他の実施形態では、DMエンティティ122は、第1のスクロール可能領域72の中で視覚的に変更されないままで残っている。
【0025】
第1の模範的オブジェクト123は、第2のDMエンティティ124に指定される。この例では、第2のDMエンティティ124は、それがDMエンティティであることを示すために陰影がついている。他の実施形態では、上述したように、他の表示を使用したり、あるいは表示を行わないこともできる。
【0026】
第2の模範的オブジェクト125は、第3のDMエンティティ126に指定される。第3のDMエンティティ126の外観は、変更されていない。
【0027】
いくつかの実施形態では、カーソルまたはマウスがDMエンティティを経過するとき、音声を発生させることもできる。他の実施形態では、DMエンティティがスクロールにより画面から見えなくなるとき、音声を発生させることもできる。あるいは、DMエンティティがスクロールにより画面上に現れる際、他の音声を発生させることもできる。
【0028】
いくつかの実施形態では、ユーザが、第1のコントロール・エリア78の中のDM領域生成ボタン(DM領域生成)102をクリックして、DM領域74が表示される。あるいは、DMエンティティの少なくとも一部分がスクロールにより画面から見えなくなるとき、DM領域74が現れる。他の実施形態では、DM領域生成ボタン102は省略される。様々な実施形態では、DM領域74は、スクロール可能領域72を含むウィンドウの一部である。いくつかの実施形態では、DM領域74を、DMタイトル領域132およびDMコントロール・エリア134と関連づけられる。あるいはまた、DM領域74を、DMタイトル領域132、またはDMコントロール・エリア134、あるいはその両方と関連しない。また、様々な実施形態では、DM領域74は、右方および下端にある垂直スクロール・バー136および水平スクロール・バー138の各々と関連づけられる。あるいは、単一のスクロール・バーがDM領域と関連づけられる。他の実施形態では、垂直スクロール・バーは、DM領域の左方にある。さらに他の実施形態では、水平スクロール・バーは、DM領域の上端にある。いくつかの実施形態では、DM領域がスクロール・バーと関連づけられるとき、DM領域にDMエンティティの一部分を表示でき、DM領域、DMエンティティの全体を表示するためにスクロールされるか、またはサイズ変更される。さらに他の実施形態では、DM領域はスクロール・バーを有しない。
【0029】
様々な実施形態では、DMコントロール・エリア134で、公知の縮小化140、最大化142、およびクローズボタン144のうちの少なくとも1つ、またはその組み合わせを使用して、それぞれ、DM領域のサイズを縮小し、DM領域を拡大し、およびDM領域を閉じまたは削除する。あるいは、縮小化、最大化、およびクローズボタンを使用しない。また、いくつかの実施形態では、DMコントロール・エリア134は、クリックされると、DMエンティティを管理するための選択メニューをユーザに提示するDM管理ボタン(DM管理)146を有する。
【0030】
あるいは、DM領域74は、スクロール可能領域を含む第1のウィンドウとは異なった、実体化またはDMウィンドウと呼ばれるウィンドウの中にある。様々な実施形態では、DMウィンドウは、DMタイトル領域132、DMコントロール・エリア134、DMスクロール可能領域74、ならびにスクロール・バー136および138を含む。
【0031】
あるいは、DMウィンドウは、単一のスクロール・バーを有することができる。上述したように、DM領域に関して1つ以上のスクロール・バーを配置できる。他の実施形態では、DMウィンドウは、スクロール・バーを有してもよい。さらに他の実施形態では、DMウィンドウは、タイトル領域、またはコントロール・エリア、あるいはその両方を有さなくても良い。
【0032】
通常、DMエンティティ、またはDMエンティティの一部が、最初にDMウィンドウの中のDM領域に表示されるとき、DMウィンドウは一番上のウィンドウである。一実施例では、DMウィンドウは、第1のウィンドウに隣接している。様々な実施形態では、第1のウィンドウの右方、左方、上方、または下方にDMウィンドウを配置できる。いくつかの実施形態では、ユーザは、DMウィンドウの位置変更をすることができる。
【0033】
スクロール可能領域において、上方、下方、左方、または右方のいずれかにファイルをスクロールするとき、DMエンティティの少なくとも一部分、あるいはDMエンティティの全体が、第1のウィンドウの中の現在表示されたスクロール可能領域から見えなくなる、または同スクロール可能領域を通過すると、DMエンティティの少なくとも一部分が、およびいくつかの実施形態ではDMエンティティの全体が、DM領域に表示される。
【0034】
図4は、DM属性(attribute)162をDMエンティティ位置データ164と関連づけるDMデータ構造160の実施形態を示す。通常、DMデータ構造160は、表示されているファイルの中に格納される。あるいは、DMデータ構造160は、表示されているファイルとは別のファイルの中に格納される。さらに他の代替の実施形態では、DMデータ構造はメモリに格納される。他の実施形態では、DMデータ構造は、永続的ストレージに格納される。様々な実施形態では、DMデータ構造は、1つ以上のDMエンティティに対する情報を含むアレイであり、アレイの各ロウ(列)は、DMエンティティと関連する。あるいは、DMデータ構造は、テーブルであっても良い。他の実施形態では、1つのDMエンティティは、1つのDMデータ構造と関連する。
【0035】
DMエンティティ位置データ164は、ファイルの中のDMエンティティの位置を含む。様々な実施形態では、テキスト文字列に対して、位置データは、テキスト文字列の開始位置およびテキスト文字列の長さを含む。あるいは、テキスト文字列に対して、およびいくつかの実施形態においてはオブジェクトに対して、位置データは、テキスト文字列またはオブジェクトの開始および終了位置を含む。他の実施形態では、オブジェクトに対して、位置データは、オブジェクトの開始位置およびオブジェクトの長さを含む。あるいは、オブジェクトに対して、位置データは、オブジェクトの対角と関連する少なくとも2組の座標を含む。
【0036】
DM属性162は、アクティブにされると、位置データ164と関連する情報がDMエンティティであることを示す所定のアクティブ・エンティティ表示を含む。DM属性をアクティブ(有効)にするために、第1の所定の値は、DM属性フィールド162に格納される。DM属性を無効にするために、第1の所定の値とは異なる第2の所定の値が、DM属性フィールド162に格納される。あるいは、DMエンティティを無効にするために、DMエンティティ情報は、DMエンティティ・データ構造から除去される。
【0037】
いくつかの実施形態では、DMエンティティは、永続的、または一時的であり、それぞれ、永続的、または一時的DM属性と関連する。永続的DM属性を有する永続的DMエンティティは、後続のクローズおよびオープン動作を経て存続して、永続的DM属性が手動で除去されるまで残存する。1つのアプリケーション内のDMエンティティに永続的DM属性を適用でき、その後、同じファイルが、本明細書で説明されたDM機能を同様にサポートする異なったアプリケーションで開かれるとき、DMエンティティはDMエンティティであることを継続する。いくつかの実施形態では、ファイルが開かれるとき、すべての永続的DMエンティティは、1つ以上のDM領域に表示される。あるいは、ファイルが開かれるとき、ユーザがアプリケーション76と相互作用するにつれて、永続的DMエンティティは、長い間にDM領域74に蓄積される。例えば、建築家は、建築家の氏名、会社名、および著作権表示を、大容量のCAD図面の永続的DMエンティティとして指定できる。その図面が、図面を作ったCADプログラムとは異なるアプリケーションであるビュア・アプリケーションを有する顧客に送られるとき、たとえ図面のどの部分を見ても、建築家の氏名、会社名、および著作権表示が、図面とともに同時に表示されるであろう。
【0038】
一時的/永続的機能をサポートする好ましい実施形態では、DMデータ構造160は、さらに、一時的/永続的インディケータ(標識)166を含む。一時的/永続的インディケータ166を、「永続的」に設定すると、永続的DMエンティティと関連するDMデータ構造の情報は、永続的メモリに格納されて、ファイルが再び開かれるとき、その情報にアクセスできる。好ましい実施形態では、DMデータ構造は、ファイルとともに格納される。一時的/永続的インディケータ166を、「一時的」に設定すると、一時的DMエンティティと関連するDMデータ構造の情報は、永続的メモリの中のファイルには格納されず、一時的エンティティに対しては、ファイルが閉じられるとき、DMデータ構造の中の関連する情報は削除される。様々な実施形態では、ファイルが閉じられ、かつ一時的/永続的インディケータ166を、「一時的」に設定すると、実体化属性は、実体化エンティティから分離される。いくつかの実施形態では、一時的/永続的インディケータが省略されるとき、DMエンティティは、ディフォルトで永続的DMエンティティである。
【0039】
あるいは、他の実施形態では、一時的/永続的インディケータが省略されるとき、DMエンティティは、ディフォルトで一時的DMエンティティである。他の実施形態では、DM属性は、一時的/永続的インディケータ166である。さらに他の実施形態では、永続的DMエンティティは、第1のDMデータ構造に格納されて、一時的DMエンティティは、第2のDMデータ構造に格納される。
【0040】
さらに他の実施形態では、DMデータ構造160は、それぞれDMエンティティの色およびフォントを変更するDM色フィールド168(DM色)およびDMフォント・フィールド170(DMフォント)を含む。
【0041】
様々な実施形態では、DMデータ構造160は、表示フィールド(表示)172、ハンドル・フィールド(ハンドル)174、いくつかの実施形態におけるプロセス識別フィールド(プロセスId)176を含む。表示フィールド174は、DMエンティティがDM領域に表示されることを示す値を格納するために使用される。
【0042】
ハンドル・フィールド176は、DM領域に表示されるDMエンティティに対するハンドル(handle)を格納しており、ハンドルは、DM領域で表示されたDMエンティティにアクセスするために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、ハンドル176は、DM領域からDMエンティティを削除するために使用される。
【0043】
プロセス識別フィールド176は、一般に、DMエンティティを表示するDMウィンドウの、プロセスIDまたはPIDと呼ばれるプロセス識別子を格納する。通常、プロセス識別子は、個別のDMウィンドウのDM領域にDMエンティティを表示する実施形態で使用される。他の実施形態では、プロセス識別フィールド176は省略される。
【0044】
DM属性を情報のサブセットと関連させるために、様々な実施形態を使用することができる。いくつかの実施形態では、DMデータ構造の位置データの存在が、関連する情報がDMエンティティを表現することを示すため、DM属性162が省略される。他の実施形態では、DM属性が、ファイルと関連する既存のデータ構造に付加される。
【0045】
他の実施形態では、DM属性開始タグおよびDM属性終了タグは、DMエンティティを定義するために使用される。DM属性開始および終了タグは、それぞれ、DMエンティティに指定された情報のサブセットの前後に配置される。いくつかの実施形態では、DM属性開始および終了タグは、非表示文字(hidden)である。他の実施形態では、DM属性開始および終了タグは、XMLタグとして実行される。例えば、図2では、第1のDMエンティティ122を次のように指定できる。< StartDMEntity>Exemplary text<EndDMEntity> いくつかの実施形態では、DM属性開始および終了タグが使用されるとき、DMデータ構造は使用されない。他の実施形態では、DM属性開始および終了タグが使用されるとき、DMデータ構造も使用される。
【0046】
さらに他の実施形態では、DM属性開始および終了タグは、永続的DMエンティティを指定する永続的DM属性開始および終了タグである。他の代替の実施形態では、DM属性開始および終了タグは、一時的DMエンティティを指定する一時的DM属性開始および終了タグである。
【0047】
様々な実施形態では、DMエンティティの少なくとも一部分が、スクロールされてスクロール可能領域から見えなくなる、またはスクロール可能領域を通過すると、DM領域は、DMエンティティの少なくとも一部を自動的に表示する。いくつかの実施形態では、DM領域が生成されると、そのDM領域は、アプリケーションが閉じられるか、またはユーザによりそのDM領域が閉じられるまで残る。あるいは、DM領域が生成されると、そのDM領域は、アプリケーションが閉じられるか、ユーザによりそのDM領域が閉じられるか、またはすべてのDMエンティティが削除されるまで残る。いくつかの実施形態では、1つのDMエンティティだけが、DM領域に表示されているとき、DMエンティティの少なくとも一部分、あるいはDMエンティティの全体が、スクロールされて、スクロール可能領域に見えるようになると、DM領域は自動的に消滅する。
【0048】
他の実施形態では、DMエンティティの少なくとも一部分が、スクロールされてスクロール可能領域から見えなくなるか、またはスクロール可能領域を通過するとき、少なくとも1つのDMウィンドウが、DMエンティティの少なくとも一部分を自動的に表示するDM領域を有する。いくつかの実施形態では、DMウィンドウは、例えば、ウィンドウを移動したり、閉じたり、サイズを変更したり、小型化したりできるなどの、通常ウィンドウと関連する機能のすべてを含むことができる。通常、最初に生成されたとき、DMウィンドウは、ディスプレイ上の一番上の(top)ウィンドウである。いくつかの実施形態では、DM領域を含むDMウィンドウが生成されると、そのDMウィンドウは、アプリケーションが閉じられるか、ユーザによりそのDMウィンドウが閉じられるか、またはすべてのDMエンティティが削除されるまでディスプレイ上に残る。いくつかの実施形態では、1つのDMエンティティだけが、DMウィンドウのDM領域に表示されているとき、DMエンティティの全体が、スクロールされて、スクロール可能領域に見えるようになると、DMウィンドウは自動的に消滅する。あるいは、1つのDMエンティティだけが、DMウィンドウのDM領域に表示されているとき、全体のDMエンティティの少なくとも一部分が、スクロールされて、スクロール可能領域に見えるようになると、DMウィンドウは自動的に消滅する。
【0049】
様々な実施形態では、DMウィンドウは、文書処理、図形、コンピュータ支援による設計、作図、および画像アプリケーションのような既存のアプリケーションを呼び出すことにより実行されうる。DMエンティティは、そのアプリケーションに表示される。
【0050】
図5は、本発明技術による実施形態のフローチャートを示す。ステップ188では、DMエンティティを含むファイルが、スクロール可能領域の中でスクロールされる。通常、スクロール可能領域のファイルは、任意の手段を用いてスクロールされうる。いくつかの実施形態では、ユーザは、スクロール・バー上でスライダを位置調整して、ファイルの中の所望の情報を表示する。また、スライダと反対向きの矢印の間のスクロール・バー自体をクリックする、反対向きの矢印をクリックする、およびスクロール・マウスを用いることにより、ファイルをスクロールできる。様々な実施形態では、ファイルは、ページ番号メニュー選択を指定された「goto」により、位置変更され、またはスクロールされる。他の代替の実施形態では、検索または「find」が実行されるとき、ファイルは、位置変更され、またはスクロールされる。いくつかの実施形態では、ユーザは、マウスにより、スクロール可能領域の所定の位置をつかんで(右クリック)、マウスを用いてファイルの位置変更をする。他の実施形態では、ハイパーリンクを用いてファイルの位置変更をすることができる。他の実施形態では、スクロール可能領域のファイルは、マウスのスクロール「ボタン」を押すことによりスクロールされる。あるいは、スクロールするためにトラックボールを使用することができる。さらに他の実施形態では、スクロール可能領域のファイルは、キーボード上のキー、例えば、上向き矢印、下向き矢印、左向き矢印、および右向き矢印キーのうちの1つ、またはページアップまたはページダウンキーのうちの1つなどを用いてスクロールされる。これらおよび他の多数のスクロール操作の方法が、当業者によく知られている。
【0051】
通常、ファイルがスクロールされるとき、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)が、スクロール操作を実行するために呼び出される。様々な実施形態では、スクロール可能領域ハンドラは、図5のステップ190〜206を実行する。ステップ190では、スクロール可能領域ハンドラは、スクロール可能領域の中のDMエンティティの少なくとも一部分が、スクロールされてスクロール可能領域から見えなくなる、またはスクロール可能領域を通過するかどうかを判断する。一実施例では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMエンティティに対するDMデータ構造160(図4)の中の位置データ164(図4)を検査する。この実施形態では、DMデータ構造160(図4)の中のすべてのDMエンティティが有効(アクティブ)である。また、いくつかの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMエンティティが「有効な」DMエンティティであること、そうでなければ、DMエンティティが削除されており、かつDM領域に表示されるべきではないことを判断するために、DMデータ構造160(図4)の中のDM属性を検査する。スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMエンティティの位置データ、スクロールの方向、ならびにスクロール可能領域に表示されたファイルの開始位置および現在の部分の位置に基づいて、DMエンティティがスクロールされて見えなくなるかどうかを判断する。いくつかの実施形態では、例えば、「go to」ページボタンまたは検索コマンドを用いて、ファイルの位置変更をするとき、DMエンティティは、最初に表示されたファイルの部分と現在表示されているファイルの部分の間の非表示領域に配置されるかもしれない。あるいは、DM属性開始および終了タグが、DMエンティティを指定するために使用されると、ファイルが開始タグに向かってスクロールされるとき、ファイルが走査される。
【0052】
ステップ190で、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)が、DMエンティティの少なくとも一部分が、スクロールされてスクロール可能領域から見えなくなっている、またはスクロール可能領域を通過することを判断すると、ステップ192で、スクロール可能領域ハンドラは、DM領域を生成する。いくつかの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DM領域を含むDMウィンドウを生成する。これらの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、プロセス識別子、すなわち、DMウィンドウと関連するプロセスIDを検索する。他の実施形態では、アプリケーション・ウィンドウが開かれるときDM領域が生成されるため、ステップ192が省略される。あるいは、ユーザが、DM領域を生成するためにDM領域生成ボタンを起動させたとき、ステップ192は省略される。さらに、DM領域が、前のスクロール動作から既に存在しているとき、ステップ192は省略される。
【0053】
ステップ194では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMエンティティの少なくとも一部分をDM領域に表示する。いくつかの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DM領域のDMエンティティに対して特定表示(識別標識)を適用する。スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMデータ構造160(図4)のDM色フィールド168およびDMフォント・フィールド170の各々から、色およびフォントを検索して、指定された色およびフォントを用いて、DM領域にDMエンティティを表示する。あるいは、スクロール可能領域ハンドラ54は、DM領域のDMエンティティに対していかなる特定表示も適用しない。いくつかの実施形態では、1つ以上のDMエンティティをDM領域に表示する。他の実施形態では、単一のDMエンティティを単一のDM領域に表示する。スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DM領域に表示されたDMエンティティに関連するハンドルを検索する。ハンドルは、表示されたDMエンティティにアクセスするために使用される。
【0054】
ステップ196では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMデータ構造160(図4)を更新する。スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMデータ構造160(図4)の位置データ164(図4)に基づいて、DM領域に表示されているDMエンティティと関連するDMデータ構造160(図4)の情報を見つける。スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMデータ構造160(図4)の表示フィールド172(図4)を更新して、関連するDMエンティティがDM領域に表示されることを示す。スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、表示されたDMエンティティに対するハンドルを有するDMデータ構造160(図4)のハンドル・フィールド174(図4)を更新する。いくつかの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMエンティティが表示されるDM領域を含むDMウィンドウのプロセスIDを有するDMデータ構造160(図4)のプロセス識別フィールド176(図4)を更新する。
【0055】
ステップ198では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、他のDMエンティティが、スクロールされて、スクロール可能領域に見えるようになっているかどうかを判断する。いくつかの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMデータ構造の位置データ、あるいは、DM開始タグを使用して、DMエンティティが、スクロールされて、見えるようになっているかどうかを判断する。ステップ198で、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)が、画面に入ってくる入力(incoming)DMエンティティと呼ばれる他のDMエンティティが、スクロールされて、見えるようになっていることを判断するとき、ステップ200で、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、スクロール可能領域の画面に入ってくる入力DMエンティティ上に特定表示を配置する。いくつかの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMデータ構造から、入力(画面に入ってくる)DMエンティティに対する色およびフォント情報を検索して、DMエンティティにその色およびフォントを適用する。様々な実施形態では、ステップ200は省略される。
【0056】
ステップ202では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、入力DMエンティティが、DM領域に表示されているかどうかを判断する。様々な実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、入力DMエンティティに対するDMデータ構造160(図4)の表示フィールド172(図4)を検査して、入力DMエンティティが、既に表示されているかどうかを判断する。ステップ202が、入力DMエンティティがDM領域に表示されていることを判断するとき、ステップ204で、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)が、DM領域から、入力DMエンティティを削除する。いくつかの実施形態では、DMエンティティがDM領域に全く残っていないとき、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DM領域、あるいは、DM領域を含むDMウィンドウを削除する。他の実施形態では、ステップ202および204は省略されて、入力DMエンティティが、スクロールされて見えるようになったとき、DM領域から削除されない。ステップ206で、スクロール可能領域ハンドラが終了(exit)する。
【0057】
ステップ190が、スクロールされてスクロール可能領域から見えなくなった、またはスクロール可能領域を通過したDMエンティティの部分が全くないと判断するとき、ステップ190はステップ198に進み、他のDMエンティティが、スクロールされて、見えるようになっているかどうかを判断する。ステップ198が、スクロールされて、見えるようになっているDMエンティティがないと判断するとき、ステップ206で、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)が終了する。ステップ202が、入力DMエンティティがDM領域に表示されていないことを判断するとき、ステップ206で、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)が終了する。
【0058】
図6は、図3のファイル120をスクロールした後のDM領域74の中のDMエンティティのディスプレイを示す、図2の模範的ウィンドウ70を示す。第1のDMエンティティ122(図2)は、スクロールされて見えなくなったため、第1のDMエンティティ122は、DM領域74に表示されている。いくつかの実施形態では、図6に示したように、DMエンティティ122は、識別表示(distinguishing indication)なしでDM領域74に表示される。他の実施形態では、DMエンティティは、スクロール可能領域72で使用された識別表示を用いて、DM領域に表示される。図6のスクロール可能領域のファイルは、再びスクロールされる。
【0059】
図7は、ファイルをスクロールした後の図6のスクロール可能領域を示す。第2のDMエンティティ124は、スクロールされて見えなくなり、DM領域74に表示されている。さらに、第3のDMエンティティ126の少なくとも一部分が、スクロールされて見えなくなり、また、DM領域74に表示されている。
【0060】
テキスト文字列、オブジェクト、またはそれらの組み合わせのような情報のサブセットは、選択されたエンティティを提供するために選択されうる。いくつかの実施形態では、オブジェクト上での左クリックで図形オブジェクトを選択でき、次に、右クリックすることにより、選択メニューを表示する。あるいは、マウスを使用せずに、エンティティを選択するためにキーストローク列を使用する。多数のアプリケーションの代表的な特徴として、マウスの右クリックで、選択されたエンティティに対する選択メニューが表示される。様々な実施形態では、DM属性は、ユーザが選択できる新規のメニュー選択である。通常、テキストは、マウスの左ボタンを押し続けて、テキストの一部分を「強調表示」することにより選択される。
【0061】
図8は、様々なメニュー選択を示す模範的ウィンドウ220を示す。スクロール可能領域222では、ファイルの一部分を表示する。ユーザは、語句「模範的テキスト」224を強調表示した。また、ユーザは、スクロール可能領域で右クリックして、第1のメニュー226の少なくとも一部分が示される。第1のメニュー226は、「DMエンティティ生成」選択228、「DMエンティティ削除」選択236、および「DMエンティティ変更」選択238のうちの少なくとも1つを含む。選択された情報は、いくつかの実施形態では、「DMエンティティ生成」選択228で左クリックすることにより、DMエンティティに指定される。いくつかの実施形態では、「DMエンティティ生成」選択228が選択されるとき、DMエンティティ生成ハンドラ58(図1)が呼び出される。あるいは、選択されたテキスト224から、DMエンティティを生成するために、DMエンティティ生成ボタン104がクリックされる。
【0062】
他の実施形態では、「DMエンティティ生成」選択228が選択されるとき、第2のメニュー230を表示する。第2のメニュー230は、「一時的」選択232および「永続的」選択234を含む。選択されると、「一時的」選択232は、一時的なDMエンティティを生成する。いくつかの実施形態では、「一時的」選択232が選択されると、一時的DMエンティティ生成ハンドラが呼び出される。選択されると、「永続的」選択234は、永続的なDMエンティティを生成する。いくつかの実施形態では、「永続的」選択234が選択されると、永続的DMエンティティ生成ハンドラが呼び出される。
【0063】
「DMエンティティ削除」選択236は、選択されると、DMエンティティを削除する。いくつかの実施形態では、「DMエンティティ削除」選択236が選択されると、DMエンティティ削除ハンドラ60(図1)が呼び出される。
【0064】
「DMエンティティ変更」選択238は、選択されると、ユーザがDMエンティティの属性または特徴を変更することを可能とする。「DMエンティティ変更」選択238が選択されると、様々な実施形態で、変更メニュー240を表示する。変更メニュー240は、次の「一時的へ変更」選択242、「永続的へ変更」選択244、「色」選択246、および「フォント」選択248のうちの少なくとも1つ、または組み合わせを含む。様々な実施形態では、各選択は、関連するハンドラを呼び出す。「一時的へ変更」選択242は、DMエンティティが一時的として指定されることを可能とし、いくつかの実施形態では、一時的DMエンティティ作成ハンドラ66(図1)を呼び出す。いくつかの実施形態では、一時的DMエンティティ作成ハンドラ66(図1)は、DMエンティティが一時的であることを示すように一時的/永続的インディケータ166(図4)を設定する。「永続的へ変更」選択244は、DMエンティティが永続的として指定されることを可能とし、いくつかの実施形態では、永続的DMエンティティ作成ハンドラ64(図1)を呼び出す。いくつかの実施形態では、永続的DMエンティティ作成ハンドラ66(図1)は、DMエンティティが永続的であることを示すように一時的/永続的インディケータ166(図4)を設定する。「色」選択246は、ユーザがスクロール可能領域のDMエンティティの色を指定することを可能とする。「フォント」選択248は、ユーザがスクロール可能領域のDMエンティティのフォントを指定することを可能とする。いくつかの実施形態では、「フォント」選択248は、ユーザがDMエンティティのフォントを斜字体(イタリック)、下線、または太字(ボールド)で表示するかどうかを指定することを可能とする。
【0065】
図9は、DMエンティティを生成する実施形態のフローチャートを表現する。ステップ250では、ファイルの情報のサブセットが、選択されたエンティティを提供するために選択される。情報は、任意の公知の手段を用いて選択されうる。ステップ252では、メニューを表示するために、また、いくつかの実施形態では図8のニュー226を表示するために、選択されたエンティティ上で右クリックが実行される。例えば、メニューは、3つの選択を有する。すなわち、DMエンティティ生成、DMエンティティ削除、および、DMエンティティ変更である。DMエンティティ生成は、例えば、カーソルをDMエンティティ生成の上に移動することにより選択される。この実施形態では、DMエンティティは、ディフォルトで一時的である。あるいは、DMエンティティは、ディフォルトで永続的である。
【0066】
ステップ254では、DMエンティティを指定する情報が、DMエンティティを生成するために格納される。様々な実施形態では、DMエンティティ生成ハンドラ58(図1)が、図9のステップ254を実行する。いくつかの実施形態では、選択されたエンティティの位置データが、DMデータ構造に格納される。他の実施形態では、選択されたエンティティの位置データ、および「有効(アクティブ)」状態を示すDM属性が、DMデータ構造に格納される。さらに他の実施形態では、DM属性開始および終了タグのようなタグが、選択されたエンティティの前後にそれぞれ配置される。ステップ256では、特定表示(識別標識)が、スクロール可能領域に表示されたDMエンティティに適用される。例えば、特定表示は、DMエンティティの色を自動的に変更することができる。あるいは、ステップ256は省略されて、かつDMエンティティの外観は変化しない。ステップ258で、プロセスが終了する。
【0067】
他の実施形態では、一時的メニュー選択または永続的メニュー選択、すなわち図8の232または234のどちらが選択されるかによって、一時的または永続的DM属性が、それぞれ、選択されたエンティティと関連する。一時的DMエンティティ生成ハンドラを使用するいくつかの実施形態では、一時的DMエンティティ生成ハンドラが、図9のフローチャートを実行し、ただし、ステップ254において、またさらに、DMエンティティが一時的であることを示すように一時的/永続的インディケータ166(図4)を設定することを除く。永続的DMエンティティ生成ハンドラを使用する他の実施形態では、永続的DMエンティティ生成ハンドラが、図9のフローチャートを実行し、ただし、ステップ254において、またさらに、DMエンティティが永続的であることを示すように一時的/永続的インディケータ166(図4)を設定することを除く。
【0068】
図10は、DMエンティティを削除する実施形態のフローチャートを示す。ステップ260では、DMエンティティが、例えば、それをクリックすることにより選択される。ステップ262では、ユーザが、メニューをアクティブに(起動)して、「DMエンティティ削除」選択を選択する。いくつかの実施形態では、ステップ264〜270は、DMエンティティ削除ハンドラ60(図1)において実行される。ステップ264では、選択されたDMエンティティが、DM領域から削除される。DMエンティティ削除ハンドラ60(図1)が、選択されたDMエンティティに対するハンドルを検索して、そのハンドルを、DM領域からDMエンティティを削除するために使用する。いくつかの実施形態では、DM領域が、別のDMウィンドウにあるとき、DMエンティティ削除ハンドラ60(図1)は、また、DMウィンドウのプロセスIDを検索する。ステップ266では、DMエンティティ削除ハンドラ60(図1)は、ハンドルと関連する、またいくつかの実施形態ではプロセスIDと関連する、DMエンティティに対するDMデータ構造を捜す。いくつかの実施形態では、DMエンティティがDMデータ構造において見つけられると、そのDMエンティティに対するDM属性が、無効にされる。換言すれば、選択されたDMエンティティに対して、DM属性が、DMデータ構造において無効状態に設定される。あるいは、DMエンティティがDMデータ構造において見つけられると、選択されたDMエンティティに対する情報が、DMデータ構造から削除される。他の実施形態では、DMエンティティを指定する開始および終了タグが、ファイルから削除される。ステップ268では、他の実施形態において、DMエンティティが、スクロール可能領域に表示されており、かつ識別表示を有するとき、その識別表示は、スクロール可能領域のDMエンティティから除去される。あるいは、ステップ268は省略される。ステップ270で、プロセスは終了する。
【0069】
図11は、DM領域にDMエンティティが表示されていないとき、DMエンティティおよびそのDM領域を削除する実施形態のフローチャートを表示しており、他の実施形態では、DMウィンドウのDM領域にDMエンティティが表示されていないとき、DMウィンドウが削除される。ステップ260〜264は、図10と同じであり、さらに説明されることはないであろう。様々な実施形態では、ステップ266は、削除されたDMエンティティに関連するDM領域に、なんらかのDMエンティティが表示されているかどうかを判断する。削除されたDMエンティティに関連するDM領域に、DMエンティティが表示されていないとき、ステップ268で、DM領域が削除される。DM領域が別のDMウィンドウにある実施形態では、そのDMウィンドウが削除される。ステップ270で、プロセスが終了する。他の実施形態では、ステップ266および268は省略される。ステップ266が、少なくとも1つのDMエンティティがDM領域にあると判断するとき、ステップ266は、ステップ270に進み終了する。
【0070】
いくつかの実施形態では、図8の「色」選択246および「フォント」選択248、の各々の選択に応答して、DMデータ構造のDMエンティティに対する選択された色およびフォントを格納するために、他の様々なハンドラが呼び出されうる。色は、ユーザがスクロール可能領域のDMエンティティの色を設定することを可能とする。フォントは、ユーザがスクロール可能領域のDMエンティティのフォントを設定することを可能とする。また、フォントは、任意の公知の方法において、例えば、他のサブメニューから選択されうる。いくつかの実施形態では、選択されたとき、DMエンティティに対する色およびフォントは、DMデータ構造に格納される。色は、任意の公知の方法において、例えば、色のパレットから色を選択することにより設定されうる。
【0071】
図12は、模範的なスクロール可能領域282およびDM領域284を有するウィンドウ280を示す。いくつかの実施形態では、DM領域284は、縮小化ボタン286、最大化ボタン288、およびクローズボタン290の各々のうちの少なくとも1つを含む。ユーザが、DMエンティティを選択して、復帰ボタン292をクリックするとき、復帰ハンドラ62(図1)が呼び出される。復帰ハンドラ62(図1)は、ファイルをスクロールさせて、DMエンティティが、スクロール可能領域282に表示されるようにする。いくつかの実施形態では、復帰ハンドラ62(図1)は、DM領域から、DMエンティティを除去して、他の実施形態では、DMエンティティはDM領域に残っている。
【0072】
他の実施形態では、左のマウスキーでDM領域のDMエンティティ上をダブルクリックすることにより、ファイルをスクロールさせて、DMエンティティが、スクロール可能領域に表示されるようにし、かつDM領域からDMエンティティを除去する。様々な実施形態では、DMウィンドウが生成されるとき、アプリケーションは、スクロール可能領域に表示されているファイルの位置を変更させて、DMエンティティが、スクロール可能領域に表示されるようにするために、復帰ハンドラが使用するであろう情報を渡す。
【0073】
いくつかの実施形態では、ユーザが、DM領域284の選択されたDMエンティティ296上で右クリックするとき、DMメニューが表示される。DMメニューは、上述したような「復帰」選択294、DMエンティティを削除するための「削除」選択298、DMエンティティを一時的として指定するための「一時的」選択300、およびDMエンティティを永続的として指定するための「永続的」選択302のうちの少なくとも1つを含む。様々な実施形態では、「削除」選択298は、DMエンティティ削除ハンドラ60(図1)を呼び出して、「一時的」および「永続的」選択、300および302の各々は、スクロール可能領域のメニューに対して上述した、対応するハンドラを呼び出す。
【0074】
図13は、第1のウィンドウ310の模範的スクロール可能領域、および個々のDM領域316〜318を有する、個別の非重複DMウィンドウ312〜314を示す。この実施形態では、各DMウィンドウは、そのDM領域において1つのDMエンティティに制限されている。いくつかの実施形態では、DM領域に対してスクロール・バーは設けられず、DM領域は、DMエンティティを表示するようなサイズとなされる。DMウィンドウ316および318の様々な実施形態は、上述したDMメニューを含む。これらの実施形態では、DM管理ボタンを押すか、またはDMメニューをアクティブにする前に、DMエンティティは選択されない。いくつかの実施形態では、ユーザが、DMメニューの復帰選択をクリックするとき、スクロール可能領域は、スクロール可能領域に、そのDMエンティティを表示する。他の実施形態では、DM領域のDMエンティティ上をクリックすることにより、復帰機能を起動する。他の実施形態では、DMエンティティが、DMウィンドウのDM領域から削除されるとき、DMウィンドウは、いくつかの実施形態において図11のフローチャートを実行する、ウィンドウからDMエンティティ削除ハンドラを呼び出す。様々な実施形態では、ウィンドウからDMエンティティ削除ハンドラは、DM領域からDMエンティティを除去して、DMデータ構造を更新して、スクロール可能領域に表示されているときには、DMエンティティから、いかなる識別表示をも除去し、およびいくつかの実施形態においては、DMエンティティがDM領域に表示されていないとき、DM領域およびDMウィンドウを削除する。
【0075】
図14は、第1のウィンドウ330の中の模範的なスクロール可能領域、および個別の重複(overlapping)DMウィンドウの中の、DM領域を有するDMウィンドウ332〜334を含む実施形態を示す。
【0076】
図15は、ウィンドウ342の一部分を使用する模範的なスクロール可能領域340を有する他の実施形態を示す。
【0077】
他の実施形態では、DM領域は、コピーおよびペースト機能を提供するために、DMウィンドウの中に1つ以上のボタンまたはメニュー選択を含む。
【0078】
発明の好ましい実施形態の上記説明は、説明図および説明文の目的で提示され、完全であることを意図しておらず、または開示された厳密な形態に本発明を限定するものではない。上述の開示に照らして多数の変更および変形が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、むしろ、添付特許請求の範囲により限定されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の様々な実施形態を用いる、コンピュータ・システムの概略図を示す。
【図2】スクロール可能領域および動的実体化(DM)領域の実施形態を示す。
【図3】模範的ファイルを示す。
【図4】DMエンティティと関連する情報を格納するデータ構造の実施形態を示す。
【図5】スクロール可能領域およびDM領域の動作の実施形態のフローチャートを示す。
【図6】ファイルがスクロールされているときの図2のスクロール可能領域およびDM領域の実施形態を示す。
【図7】ファイルがさらにスクロールされているときの図2の模範的なスクロール可能領域およびDM領域の実施形態を示す。
【図8】様々なメニュー選択を説明するスクロール可能領域の実施形態を示す。
【図9】DMエンティティを生成する実施形態のフローチャートを示す。
【図10】DMエンティティを削除する実施形態のフローチャートを示す。
【図11】DM領域にDMエンティティが表示されていないとき、DMエンティティおよびそのDM領域を削除する実施形態のフローチャートを示す。
【図12】スクロール可能領域、および様々なメニュー選択を説明するDM領域の実施形態を表現する。
【図13】第1のウィンドウの中のスクロール可能領域、および個別の非重複ウィンドウの中の、DM領域を有するDMウィンドウの実施形態を示す。
【図14】第1のウィンドウの中の模範的なスクロール可能領域、および個別の重複ウィンドウの中の、DM領域を有するDMウィンドウの実施形態を示す。
【図15】第1のウィンドウの一部分を使用する模範的なスクロール可能領域を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウィンドウに情報を表示することに関し、さらに詳細には、画面から見えなくなっているエンティティを動的に実体化することに関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置上の限定された表示領域との組み合わせにおける大容量ファイルは、それらのファイルを含むアプリケーションおよびツールのユーザに対して問題を提示し続けている。長年にわたり多くの機能強化がなされてきたが、依然として重大な問題が残っている。
【0003】
大容量ファイルの情報を表示するために用いられる従来の1つの方法は、スクロール・バーまたは検索ダイアログ・ボックスのような様々なユーザ・コントロールを用いて、ディスプレイ上のスクロール可能領域にファイルを提示して、興味がある情報またはデータ(テキストまたは図形、あるいはその両方)を含むファイルの一部を表示することである。ユーザがファイルをスクロールすると、以前に表示されていた情報は、ディスプレイ画面から完全に見えなくなる可能性がある。例えば、ユーザは、歴史的資料を含む大容量ファイルを隅々までスクロールし、または検索することができる。ユーザは、特定の点を例証するために特定の文章を検索している。資料が非常に大きいので、興味がある2つの文章をスクロール可能範域に同時に表示することができない。しかしながら、ユーザは、ディスプレイ上で同時に興味がある文章を見たいものであり、検索またはスクロールの連続した各動作によって、それらの文章が画面から見えなくなることを好まない。
【0004】
ユーザは、第2のアプリケーションを開くことができて、第2のアプリケーションのウィンドウ上に所望の情報をコピーし、かつペーストする(貼り付ける)ことができる。しかしながら、手作業で他のアプリケーションを開いて、コピーおよびペーストを実行することは、厄介でありかつ不便である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1つの文書処理アプリケーションのマイクロソフトワード(R)(マイクロソフト(R)、ウィンドウズ(R)、ウィンドウズNT(R)、およびウィンドウズのロゴは、アメリカ合衆国、他国、またはその両方におけるマイクロソフト社の商標である)は、スクロール可能領域の中のファイルのそばにコピーされたテキストを有するクリップボードを表示する。しかしながら、テキストがスクロールにより画面から見えなくなるとき、自動的にクリップボード上に配置されることはない。
【0006】
したがって、ユーザが、スクロールにより画面から見えなくなった情報を自動的に見ることを可能とする技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した先行技術の限界を克服するとともに、本明細書を読み、理解するとき、明らかとなるであろう他の限界を克服するために、情報を表示する様々な実施形態の方法、装置、およびプログラムが開示される。
【0008】
様々な実施形態において、方法、装置、およびプログラムが情報を表示する。ファイルの情報の第1のサブセットは、スクロール可能領域に提示される。情報の第1のサブセットは、少なくとも部分的に情報の第2のサブセットを含む。情報の第2のサブセットは、実体化エンティティとして指定される。スクロール可能領域の中のファイルがスクロールされて、実体化エンティティの少なくとも一部分がスクロール可能領域から見えなくなると、実体化エンティティは、少なくとも部分的に実体化領域に表示される。
【0009】
このようにして、所望の情報がスクロール可能領域に表示されなくなるとき、その情報を自動的に実体化領域に表示できる。したがって、スクロールにより所望の情報がスクロール可能領域から見えなくなってしまったときでも、ユーザはその情報を見ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
添付図面とともに下記の詳細な説明を検討することにより、本発明の内容を容易に理解できる。理解を容易にするために、可能である場合には、いくつかの図面に共通する同一の要素を同一の参照番号を用いて示した。以下の説明を検討すると、当業者は、情報を表示するために本発明の様々な実施形態の内容を利用できることを明確に理解するであろう。様々な実施形態において、方法、装置、およびプログラムが情報を表示する。ファイルの情報の第1のサブセットは、スクロール可能領域に提示される。情報の第1のサブセットは、少なくとも部分的に情報の第2のサブセットを含む。情報の第2のサブセットは、実体化エンティティに指定される。スクロール可能領域の中のファイルがスクロールされて、実体化エンティティの少なくとも一部分がスクロール可能領域から見えなくなると、実体化エンティティは、少なくとも部分的に実体化領域に表示される。様々な実施形態で、実体化エンティティは、動的実体化(DM)エンティティを示す。いくつかの実施形態では、情報のサブセットをDMエンティティに指定するために、DM属性がファイルの中の情報またはデータのサブセットと関連づけられる。
【0011】
図1は、本発明の様々な実施形態を用いる、コンピュータ・システムの概略図を示す。コンピュータ・システム20は、通常、すべてが1つ以上のバス34で接続された、プロセッサ22、ディスプレイ24、入力インタフェース(VF)26、通信用インタフェース28、メモリ30、および出力インタフェース32を含む。入力インタフェース26は、キーボード36およびマウス38を含む。出力インタフェース32は、プリンタ40である。通信用インタフェース28は、ネットワークインタフェース(NI)であり、コンピュータ20がインターネットのようなネットワークを介して通信することを可能にする。通信用インタフェース28は、例えば、ツイストペア、同軸ケーブル、または光ファイバなどのネットワーク伝送回線のような伝送媒体42に接続されうる。他の模範的実施形態では、通信用インタフェース28は無線インタフェースを提供して、すなわち、通信用インタフェース28は無線伝送媒体を使用する。
【0012】
一般に、メモリ30は、例として、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)のような半導体メモリ、およびディスク・ドライブなどの異なった様式を含む。いくつかの実施形態では、メモリ30は、オペレーティング・システム48、アプリケーション50、および少なくとも1つのファイル52を格納する。通常、アプリケーション50は、ファイル52の情報を表示する。様々な実施形態において、ハンドラ(handler)は、スクロール可能領域ハンドラ54、DM領域生成ハンドラ56、DMエンティティ生成ハンドラ58、DMエンティティ削除ハンドラ60、復帰ハンドラ62、永続的DMエンティティ作成ハンドラ64、および一時的DMエンティティ作成ハンドラ66のうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0013】
通常、スクロール可能領域ハンドラ54は、スクロール動作を実行して、1つ以上のDM領域にDMエンティティを表示する。DM領域生成ハンドラ58は、DM領域を生成する。いくつかの実施形態では、DM領域生成ハンドラ58は、DM領域を有する個別のウィンドウを生成する。DMエンティティ生成ハンドラ58は、DMエンティティを生成する。いくつかの実施形態では、DMエンティティ生成ハンドラは、二者択一で、一時的DMエンティティ、または永続的DMエンティティを生成する。DMエンティティ削除ハンドラ60は、DMエンティティを削除する。復帰ハンドラ62は、スクロール可能領域に所望のDMエンティティを表示するために、ファイルの位置を変える。永続的DMエンティティ作成ハンドラ64は、DMエンティティを永続的DMエンティティに指定する、またはDMエンティティを永続的DMエンティティに変更する。一時的DMエンティティ作成ハンドラ66は、DMエンティティを一時的DMエンティティに指定する、またはDMエンティティを一時的DMエンティティに変更する。
【0014】
他の実施形態では、ファイル52は、他のコンピュータ・システム上のアプリケーション50から離れて配置されて、ネットワークを介してアクセスされうる。いくつかの実施形態では、ファイル52は、DMデータ構造68のDMエンティティに関する情報を格納する。
【0015】
通常、様々な実施形態において、本発明的な技術の様々な実施形態を実装する特定のソフトウェア命令、データ構造、およびデータは、アプリケーション50に組み込まれている。一般に、本発明の実施形態は、例えば、メモリ30などのコンピュータ読み込み可能媒体に確実に記録され、プロセッサ22により実行処理されるとき、コンピュータ・システム20が本発明を利用するようにされる命令からなる。メモリ30は、ソフトウェア命令の一部分、データ構造、およびオペレーティング・システム48、アプリケーション50、ならびにファイル52のいずれかに関するデータを、半導体メモリに格納できるとともに、ソフトウェア命令およびデータのうちの他の部分は、ディスク・メモリに格納される。
【0016】
オペレーティング・システム48は、z/OS(R)、ADC(R)(z/OSおよびADCは、IBM社の登録商標である)、UNIX(R)(UNIXは、アメリカ合衆国および他国におけるオープングループの登録商標である)、ウィンドウズ(R)、およびリナックス(R)(リナックスは、アメリカ合衆国、他国、またはその両方におけるリヌス・トルバルズの商標である)のような従来の任意のオペレーティング・システムで実現されうる。
【0017】
様々な実施形態において、本発明は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせを作製するための標準的プログラミング手法、または工学的手法、あるいはその両方を用いる、方法、装置、またはプログラムとして実現されうる。本明細書に用いられた用語「プログラム」(あるいはまた、「コンピュータ・プログラム」)は、任意のコンピュータ読み込み可能な装置、キャリヤ、または媒体でアクセスできるコンピュータ・プログラムを含む。さらに、様々な実施形態を実行するソフトウェアは、例えば、ネットワーク上のサーバから、伝送媒体を介してアクセス可能でありうる。また、プログラム・コードを実装するプログラムは、ネットワーク伝送回線および無線伝送媒体のような伝送媒体を含む。したがって、また、プログラムはプログラム・コードが組み込まれた媒体を含む。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、この構成に対して多数の変更をなしうることを認識するであろう。
【0018】
図1で示された模範的コンピュータ・システムは、本発明を限定するものではない。本発明の範囲を逸脱することなく、他の代替のハードウェア環境を用いることができる。
【0019】
図2は、第1のスクロール可能領域72、および実体化またはDM(動的実体化)領域74を有する、第1のウィンドウ70の実施形態を示す。様々な実施形態において、第1のウィンドウの範囲内で、第1のスクロール可能領域72の左方、右方、上方、または下方にDM領域を配置できる。第1のスクロール可能領域72は、ファイル表示用である。様々な実施形態では、第1のウィンドウ70は、第1のタイトル・バー76および第1のコントロール・エリア78を有する。第1のスクロール可能領域72を、垂直および水平スクロール・バー、80および82の各々と関連づける。垂直スクロール・バー80は、スクロール可能領域72の右側にあり、水平スクロール・バー82は、スクロール可能領域72の下端にある。他の実施形態では、単一のスクロール・バーが使用されている。他の実施形態では、垂直スクロール・バーは、スクロール可能領域72の左方にある。他の代替の実施形態では、水平スクロール・バーは、スクロール可能領域72の上端にある。スクロール・バー80と82は、スライダ84と86、ならびに反対向きの矢印88と90、および92と94の各々を有し、これらのスクロール・バーは、ファイルの最初から最後までスクロールするために使用されうる。
【0020】
様々な実施形態では、第1のタイトル・バー76は、公知である縮小化96、最大化98、およびクローズボタン100、各々の他に、アプリケーションの名称を有する。いくつかの実施形態では、第1のコントロール・エリア78は、DM領域74を生成するためのDM領域生成ボタン(DM領域生成)102を有する。様々な実施形態では、第1のコントロール・エリア78は、DMエンティティを生成するためのDMエンティティ生成ボタン(DMエンティティ作成)104を有する。また、他の実施形態では、第1のコントロール・エリア78は、縮小化106、最大化108、およびクローズボタン110、各々のうちの少なくとも1つを有する。第1のウィンドウ70の範囲内に、複数のスクロール可能領域72が存在しているとき、例えば、第1のコントロール・エリア78の縮小化ボタン106、最大化ボタン108、およびクローズボタン110の各々を用いることができる。あるいは、第1のコントロール・エリアは省略される。
【0021】
様々な実施形態では、ファイルは、テキスト文字列およびオブジェクトを含む様々な種類の情報を含むが、これらに限定されない。通常、オブジェクトは、図形情報またはデータを含む。いくつかの実施形態では、また、オブジェクトは、テキスト文字列、動画オブジェクト、アイコン、および当業者に公知の他のオブジェクトを含む。
【0022】
通常、ファイルは、多数のDMエンティティを有することができる。通常、DMエンティティは、相互に排他的な情報のサブセットを含む。いくつかの実施形態において、DMエンティティは重なってもよい。様々な実施形態では、DMエンティティは、少なくとも1つのテキスト文字列、少なくとも1つのオブジェクト、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、DMエンティティは、オブジェクトまたはテキストが、ディスプレイ上にある限り、表示されている他のテキストまたはオブジェクトと同様に表示されて、かつ機能する。すなわち、様々な相互作用がユーザとアプリケーション50の間で行われるとき、表示された非DM情報と表示されたDMエンティティの機能は、いずれか一方が第1のスクロール可能領域72に完全に残っている限り、区別できない。
【0023】
非DM情報は、DMエンティティではないテキストおよびオブジェクトを示す。他の実施形態では、DMエンティティを第1のスクロール可能領域72内の他の情報と視覚的に区別するために、DMエンティティは、非DM情報と異なった外観を有する。あるいは、DMエンティティは非DM情報と異なった振る舞いをする。
【0024】
図3は、模範的ファイル120を表示しており、その一部は図2に表示されている。図2と図3の両方を参照すると、ファイル120のテキストのサブセット「模範的テキスト」121が、第1のDMエンティティ122に指定される。この例では、第1のDMエンティティ122のテキスト文字列は、そのテキストがDMエンティティであることをユーザに示すために、斜字体で強調される。また、他の実施形態では、下線、太字、フォント変更、フォント色変更、エンティティの背景色の変更、およびDMエンティティの点滅のような他の表示を使用することができる。1つの他の実施形態では、DMエンティティ122は、第1のスクロール可能領域72の中で視覚的に変更されないままで残っている。
【0025】
第1の模範的オブジェクト123は、第2のDMエンティティ124に指定される。この例では、第2のDMエンティティ124は、それがDMエンティティであることを示すために陰影がついている。他の実施形態では、上述したように、他の表示を使用したり、あるいは表示を行わないこともできる。
【0026】
第2の模範的オブジェクト125は、第3のDMエンティティ126に指定される。第3のDMエンティティ126の外観は、変更されていない。
【0027】
いくつかの実施形態では、カーソルまたはマウスがDMエンティティを経過するとき、音声を発生させることもできる。他の実施形態では、DMエンティティがスクロールにより画面から見えなくなるとき、音声を発生させることもできる。あるいは、DMエンティティがスクロールにより画面上に現れる際、他の音声を発生させることもできる。
【0028】
いくつかの実施形態では、ユーザが、第1のコントロール・エリア78の中のDM領域生成ボタン(DM領域生成)102をクリックして、DM領域74が表示される。あるいは、DMエンティティの少なくとも一部分がスクロールにより画面から見えなくなるとき、DM領域74が現れる。他の実施形態では、DM領域生成ボタン102は省略される。様々な実施形態では、DM領域74は、スクロール可能領域72を含むウィンドウの一部である。いくつかの実施形態では、DM領域74を、DMタイトル領域132およびDMコントロール・エリア134と関連づけられる。あるいはまた、DM領域74を、DMタイトル領域132、またはDMコントロール・エリア134、あるいはその両方と関連しない。また、様々な実施形態では、DM領域74は、右方および下端にある垂直スクロール・バー136および水平スクロール・バー138の各々と関連づけられる。あるいは、単一のスクロール・バーがDM領域と関連づけられる。他の実施形態では、垂直スクロール・バーは、DM領域の左方にある。さらに他の実施形態では、水平スクロール・バーは、DM領域の上端にある。いくつかの実施形態では、DM領域がスクロール・バーと関連づけられるとき、DM領域にDMエンティティの一部分を表示でき、DM領域、DMエンティティの全体を表示するためにスクロールされるか、またはサイズ変更される。さらに他の実施形態では、DM領域はスクロール・バーを有しない。
【0029】
様々な実施形態では、DMコントロール・エリア134で、公知の縮小化140、最大化142、およびクローズボタン144のうちの少なくとも1つ、またはその組み合わせを使用して、それぞれ、DM領域のサイズを縮小し、DM領域を拡大し、およびDM領域を閉じまたは削除する。あるいは、縮小化、最大化、およびクローズボタンを使用しない。また、いくつかの実施形態では、DMコントロール・エリア134は、クリックされると、DMエンティティを管理するための選択メニューをユーザに提示するDM管理ボタン(DM管理)146を有する。
【0030】
あるいは、DM領域74は、スクロール可能領域を含む第1のウィンドウとは異なった、実体化またはDMウィンドウと呼ばれるウィンドウの中にある。様々な実施形態では、DMウィンドウは、DMタイトル領域132、DMコントロール・エリア134、DMスクロール可能領域74、ならびにスクロール・バー136および138を含む。
【0031】
あるいは、DMウィンドウは、単一のスクロール・バーを有することができる。上述したように、DM領域に関して1つ以上のスクロール・バーを配置できる。他の実施形態では、DMウィンドウは、スクロール・バーを有してもよい。さらに他の実施形態では、DMウィンドウは、タイトル領域、またはコントロール・エリア、あるいはその両方を有さなくても良い。
【0032】
通常、DMエンティティ、またはDMエンティティの一部が、最初にDMウィンドウの中のDM領域に表示されるとき、DMウィンドウは一番上のウィンドウである。一実施例では、DMウィンドウは、第1のウィンドウに隣接している。様々な実施形態では、第1のウィンドウの右方、左方、上方、または下方にDMウィンドウを配置できる。いくつかの実施形態では、ユーザは、DMウィンドウの位置変更をすることができる。
【0033】
スクロール可能領域において、上方、下方、左方、または右方のいずれかにファイルをスクロールするとき、DMエンティティの少なくとも一部分、あるいはDMエンティティの全体が、第1のウィンドウの中の現在表示されたスクロール可能領域から見えなくなる、または同スクロール可能領域を通過すると、DMエンティティの少なくとも一部分が、およびいくつかの実施形態ではDMエンティティの全体が、DM領域に表示される。
【0034】
図4は、DM属性(attribute)162をDMエンティティ位置データ164と関連づけるDMデータ構造160の実施形態を示す。通常、DMデータ構造160は、表示されているファイルの中に格納される。あるいは、DMデータ構造160は、表示されているファイルとは別のファイルの中に格納される。さらに他の代替の実施形態では、DMデータ構造はメモリに格納される。他の実施形態では、DMデータ構造は、永続的ストレージに格納される。様々な実施形態では、DMデータ構造は、1つ以上のDMエンティティに対する情報を含むアレイであり、アレイの各ロウ(列)は、DMエンティティと関連する。あるいは、DMデータ構造は、テーブルであっても良い。他の実施形態では、1つのDMエンティティは、1つのDMデータ構造と関連する。
【0035】
DMエンティティ位置データ164は、ファイルの中のDMエンティティの位置を含む。様々な実施形態では、テキスト文字列に対して、位置データは、テキスト文字列の開始位置およびテキスト文字列の長さを含む。あるいは、テキスト文字列に対して、およびいくつかの実施形態においてはオブジェクトに対して、位置データは、テキスト文字列またはオブジェクトの開始および終了位置を含む。他の実施形態では、オブジェクトに対して、位置データは、オブジェクトの開始位置およびオブジェクトの長さを含む。あるいは、オブジェクトに対して、位置データは、オブジェクトの対角と関連する少なくとも2組の座標を含む。
【0036】
DM属性162は、アクティブにされると、位置データ164と関連する情報がDMエンティティであることを示す所定のアクティブ・エンティティ表示を含む。DM属性をアクティブ(有効)にするために、第1の所定の値は、DM属性フィールド162に格納される。DM属性を無効にするために、第1の所定の値とは異なる第2の所定の値が、DM属性フィールド162に格納される。あるいは、DMエンティティを無効にするために、DMエンティティ情報は、DMエンティティ・データ構造から除去される。
【0037】
いくつかの実施形態では、DMエンティティは、永続的、または一時的であり、それぞれ、永続的、または一時的DM属性と関連する。永続的DM属性を有する永続的DMエンティティは、後続のクローズおよびオープン動作を経て存続して、永続的DM属性が手動で除去されるまで残存する。1つのアプリケーション内のDMエンティティに永続的DM属性を適用でき、その後、同じファイルが、本明細書で説明されたDM機能を同様にサポートする異なったアプリケーションで開かれるとき、DMエンティティはDMエンティティであることを継続する。いくつかの実施形態では、ファイルが開かれるとき、すべての永続的DMエンティティは、1つ以上のDM領域に表示される。あるいは、ファイルが開かれるとき、ユーザがアプリケーション76と相互作用するにつれて、永続的DMエンティティは、長い間にDM領域74に蓄積される。例えば、建築家は、建築家の氏名、会社名、および著作権表示を、大容量のCAD図面の永続的DMエンティティとして指定できる。その図面が、図面を作ったCADプログラムとは異なるアプリケーションであるビュア・アプリケーションを有する顧客に送られるとき、たとえ図面のどの部分を見ても、建築家の氏名、会社名、および著作権表示が、図面とともに同時に表示されるであろう。
【0038】
一時的/永続的機能をサポートする好ましい実施形態では、DMデータ構造160は、さらに、一時的/永続的インディケータ(標識)166を含む。一時的/永続的インディケータ166を、「永続的」に設定すると、永続的DMエンティティと関連するDMデータ構造の情報は、永続的メモリに格納されて、ファイルが再び開かれるとき、その情報にアクセスできる。好ましい実施形態では、DMデータ構造は、ファイルとともに格納される。一時的/永続的インディケータ166を、「一時的」に設定すると、一時的DMエンティティと関連するDMデータ構造の情報は、永続的メモリの中のファイルには格納されず、一時的エンティティに対しては、ファイルが閉じられるとき、DMデータ構造の中の関連する情報は削除される。様々な実施形態では、ファイルが閉じられ、かつ一時的/永続的インディケータ166を、「一時的」に設定すると、実体化属性は、実体化エンティティから分離される。いくつかの実施形態では、一時的/永続的インディケータが省略されるとき、DMエンティティは、ディフォルトで永続的DMエンティティである。
【0039】
あるいは、他の実施形態では、一時的/永続的インディケータが省略されるとき、DMエンティティは、ディフォルトで一時的DMエンティティである。他の実施形態では、DM属性は、一時的/永続的インディケータ166である。さらに他の実施形態では、永続的DMエンティティは、第1のDMデータ構造に格納されて、一時的DMエンティティは、第2のDMデータ構造に格納される。
【0040】
さらに他の実施形態では、DMデータ構造160は、それぞれDMエンティティの色およびフォントを変更するDM色フィールド168(DM色)およびDMフォント・フィールド170(DMフォント)を含む。
【0041】
様々な実施形態では、DMデータ構造160は、表示フィールド(表示)172、ハンドル・フィールド(ハンドル)174、いくつかの実施形態におけるプロセス識別フィールド(プロセスId)176を含む。表示フィールド174は、DMエンティティがDM領域に表示されることを示す値を格納するために使用される。
【0042】
ハンドル・フィールド176は、DM領域に表示されるDMエンティティに対するハンドル(handle)を格納しており、ハンドルは、DM領域で表示されたDMエンティティにアクセスするために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、ハンドル176は、DM領域からDMエンティティを削除するために使用される。
【0043】
プロセス識別フィールド176は、一般に、DMエンティティを表示するDMウィンドウの、プロセスIDまたはPIDと呼ばれるプロセス識別子を格納する。通常、プロセス識別子は、個別のDMウィンドウのDM領域にDMエンティティを表示する実施形態で使用される。他の実施形態では、プロセス識別フィールド176は省略される。
【0044】
DM属性を情報のサブセットと関連させるために、様々な実施形態を使用することができる。いくつかの実施形態では、DMデータ構造の位置データの存在が、関連する情報がDMエンティティを表現することを示すため、DM属性162が省略される。他の実施形態では、DM属性が、ファイルと関連する既存のデータ構造に付加される。
【0045】
他の実施形態では、DM属性開始タグおよびDM属性終了タグは、DMエンティティを定義するために使用される。DM属性開始および終了タグは、それぞれ、DMエンティティに指定された情報のサブセットの前後に配置される。いくつかの実施形態では、DM属性開始および終了タグは、非表示文字(hidden)である。他の実施形態では、DM属性開始および終了タグは、XMLタグとして実行される。例えば、図2では、第1のDMエンティティ122を次のように指定できる。< StartDMEntity>Exemplary text<EndDMEntity> いくつかの実施形態では、DM属性開始および終了タグが使用されるとき、DMデータ構造は使用されない。他の実施形態では、DM属性開始および終了タグが使用されるとき、DMデータ構造も使用される。
【0046】
さらに他の実施形態では、DM属性開始および終了タグは、永続的DMエンティティを指定する永続的DM属性開始および終了タグである。他の代替の実施形態では、DM属性開始および終了タグは、一時的DMエンティティを指定する一時的DM属性開始および終了タグである。
【0047】
様々な実施形態では、DMエンティティの少なくとも一部分が、スクロールされてスクロール可能領域から見えなくなる、またはスクロール可能領域を通過すると、DM領域は、DMエンティティの少なくとも一部を自動的に表示する。いくつかの実施形態では、DM領域が生成されると、そのDM領域は、アプリケーションが閉じられるか、またはユーザによりそのDM領域が閉じられるまで残る。あるいは、DM領域が生成されると、そのDM領域は、アプリケーションが閉じられるか、ユーザによりそのDM領域が閉じられるか、またはすべてのDMエンティティが削除されるまで残る。いくつかの実施形態では、1つのDMエンティティだけが、DM領域に表示されているとき、DMエンティティの少なくとも一部分、あるいはDMエンティティの全体が、スクロールされて、スクロール可能領域に見えるようになると、DM領域は自動的に消滅する。
【0048】
他の実施形態では、DMエンティティの少なくとも一部分が、スクロールされてスクロール可能領域から見えなくなるか、またはスクロール可能領域を通過するとき、少なくとも1つのDMウィンドウが、DMエンティティの少なくとも一部分を自動的に表示するDM領域を有する。いくつかの実施形態では、DMウィンドウは、例えば、ウィンドウを移動したり、閉じたり、サイズを変更したり、小型化したりできるなどの、通常ウィンドウと関連する機能のすべてを含むことができる。通常、最初に生成されたとき、DMウィンドウは、ディスプレイ上の一番上の(top)ウィンドウである。いくつかの実施形態では、DM領域を含むDMウィンドウが生成されると、そのDMウィンドウは、アプリケーションが閉じられるか、ユーザによりそのDMウィンドウが閉じられるか、またはすべてのDMエンティティが削除されるまでディスプレイ上に残る。いくつかの実施形態では、1つのDMエンティティだけが、DMウィンドウのDM領域に表示されているとき、DMエンティティの全体が、スクロールされて、スクロール可能領域に見えるようになると、DMウィンドウは自動的に消滅する。あるいは、1つのDMエンティティだけが、DMウィンドウのDM領域に表示されているとき、全体のDMエンティティの少なくとも一部分が、スクロールされて、スクロール可能領域に見えるようになると、DMウィンドウは自動的に消滅する。
【0049】
様々な実施形態では、DMウィンドウは、文書処理、図形、コンピュータ支援による設計、作図、および画像アプリケーションのような既存のアプリケーションを呼び出すことにより実行されうる。DMエンティティは、そのアプリケーションに表示される。
【0050】
図5は、本発明技術による実施形態のフローチャートを示す。ステップ188では、DMエンティティを含むファイルが、スクロール可能領域の中でスクロールされる。通常、スクロール可能領域のファイルは、任意の手段を用いてスクロールされうる。いくつかの実施形態では、ユーザは、スクロール・バー上でスライダを位置調整して、ファイルの中の所望の情報を表示する。また、スライダと反対向きの矢印の間のスクロール・バー自体をクリックする、反対向きの矢印をクリックする、およびスクロール・マウスを用いることにより、ファイルをスクロールできる。様々な実施形態では、ファイルは、ページ番号メニュー選択を指定された「goto」により、位置変更され、またはスクロールされる。他の代替の実施形態では、検索または「find」が実行されるとき、ファイルは、位置変更され、またはスクロールされる。いくつかの実施形態では、ユーザは、マウスにより、スクロール可能領域の所定の位置をつかんで(右クリック)、マウスを用いてファイルの位置変更をする。他の実施形態では、ハイパーリンクを用いてファイルの位置変更をすることができる。他の実施形態では、スクロール可能領域のファイルは、マウスのスクロール「ボタン」を押すことによりスクロールされる。あるいは、スクロールするためにトラックボールを使用することができる。さらに他の実施形態では、スクロール可能領域のファイルは、キーボード上のキー、例えば、上向き矢印、下向き矢印、左向き矢印、および右向き矢印キーのうちの1つ、またはページアップまたはページダウンキーのうちの1つなどを用いてスクロールされる。これらおよび他の多数のスクロール操作の方法が、当業者によく知られている。
【0051】
通常、ファイルがスクロールされるとき、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)が、スクロール操作を実行するために呼び出される。様々な実施形態では、スクロール可能領域ハンドラは、図5のステップ190〜206を実行する。ステップ190では、スクロール可能領域ハンドラは、スクロール可能領域の中のDMエンティティの少なくとも一部分が、スクロールされてスクロール可能領域から見えなくなる、またはスクロール可能領域を通過するかどうかを判断する。一実施例では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMエンティティに対するDMデータ構造160(図4)の中の位置データ164(図4)を検査する。この実施形態では、DMデータ構造160(図4)の中のすべてのDMエンティティが有効(アクティブ)である。また、いくつかの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMエンティティが「有効な」DMエンティティであること、そうでなければ、DMエンティティが削除されており、かつDM領域に表示されるべきではないことを判断するために、DMデータ構造160(図4)の中のDM属性を検査する。スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMエンティティの位置データ、スクロールの方向、ならびにスクロール可能領域に表示されたファイルの開始位置および現在の部分の位置に基づいて、DMエンティティがスクロールされて見えなくなるかどうかを判断する。いくつかの実施形態では、例えば、「go to」ページボタンまたは検索コマンドを用いて、ファイルの位置変更をするとき、DMエンティティは、最初に表示されたファイルの部分と現在表示されているファイルの部分の間の非表示領域に配置されるかもしれない。あるいは、DM属性開始および終了タグが、DMエンティティを指定するために使用されると、ファイルが開始タグに向かってスクロールされるとき、ファイルが走査される。
【0052】
ステップ190で、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)が、DMエンティティの少なくとも一部分が、スクロールされてスクロール可能領域から見えなくなっている、またはスクロール可能領域を通過することを判断すると、ステップ192で、スクロール可能領域ハンドラは、DM領域を生成する。いくつかの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DM領域を含むDMウィンドウを生成する。これらの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、プロセス識別子、すなわち、DMウィンドウと関連するプロセスIDを検索する。他の実施形態では、アプリケーション・ウィンドウが開かれるときDM領域が生成されるため、ステップ192が省略される。あるいは、ユーザが、DM領域を生成するためにDM領域生成ボタンを起動させたとき、ステップ192は省略される。さらに、DM領域が、前のスクロール動作から既に存在しているとき、ステップ192は省略される。
【0053】
ステップ194では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMエンティティの少なくとも一部分をDM領域に表示する。いくつかの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DM領域のDMエンティティに対して特定表示(識別標識)を適用する。スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMデータ構造160(図4)のDM色フィールド168およびDMフォント・フィールド170の各々から、色およびフォントを検索して、指定された色およびフォントを用いて、DM領域にDMエンティティを表示する。あるいは、スクロール可能領域ハンドラ54は、DM領域のDMエンティティに対していかなる特定表示も適用しない。いくつかの実施形態では、1つ以上のDMエンティティをDM領域に表示する。他の実施形態では、単一のDMエンティティを単一のDM領域に表示する。スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DM領域に表示されたDMエンティティに関連するハンドルを検索する。ハンドルは、表示されたDMエンティティにアクセスするために使用される。
【0054】
ステップ196では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMデータ構造160(図4)を更新する。スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMデータ構造160(図4)の位置データ164(図4)に基づいて、DM領域に表示されているDMエンティティと関連するDMデータ構造160(図4)の情報を見つける。スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMデータ構造160(図4)の表示フィールド172(図4)を更新して、関連するDMエンティティがDM領域に表示されることを示す。スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、表示されたDMエンティティに対するハンドルを有するDMデータ構造160(図4)のハンドル・フィールド174(図4)を更新する。いくつかの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMエンティティが表示されるDM領域を含むDMウィンドウのプロセスIDを有するDMデータ構造160(図4)のプロセス識別フィールド176(図4)を更新する。
【0055】
ステップ198では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、他のDMエンティティが、スクロールされて、スクロール可能領域に見えるようになっているかどうかを判断する。いくつかの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMデータ構造の位置データ、あるいは、DM開始タグを使用して、DMエンティティが、スクロールされて、見えるようになっているかどうかを判断する。ステップ198で、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)が、画面に入ってくる入力(incoming)DMエンティティと呼ばれる他のDMエンティティが、スクロールされて、見えるようになっていることを判断するとき、ステップ200で、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、スクロール可能領域の画面に入ってくる入力DMエンティティ上に特定表示を配置する。いくつかの実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DMデータ構造から、入力(画面に入ってくる)DMエンティティに対する色およびフォント情報を検索して、DMエンティティにその色およびフォントを適用する。様々な実施形態では、ステップ200は省略される。
【0056】
ステップ202では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、入力DMエンティティが、DM領域に表示されているかどうかを判断する。様々な実施形態では、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、入力DMエンティティに対するDMデータ構造160(図4)の表示フィールド172(図4)を検査して、入力DMエンティティが、既に表示されているかどうかを判断する。ステップ202が、入力DMエンティティがDM領域に表示されていることを判断するとき、ステップ204で、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)が、DM領域から、入力DMエンティティを削除する。いくつかの実施形態では、DMエンティティがDM領域に全く残っていないとき、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)は、DM領域、あるいは、DM領域を含むDMウィンドウを削除する。他の実施形態では、ステップ202および204は省略されて、入力DMエンティティが、スクロールされて見えるようになったとき、DM領域から削除されない。ステップ206で、スクロール可能領域ハンドラが終了(exit)する。
【0057】
ステップ190が、スクロールされてスクロール可能領域から見えなくなった、またはスクロール可能領域を通過したDMエンティティの部分が全くないと判断するとき、ステップ190はステップ198に進み、他のDMエンティティが、スクロールされて、見えるようになっているかどうかを判断する。ステップ198が、スクロールされて、見えるようになっているDMエンティティがないと判断するとき、ステップ206で、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)が終了する。ステップ202が、入力DMエンティティがDM領域に表示されていないことを判断するとき、ステップ206で、スクロール可能領域ハンドラ54(図1)が終了する。
【0058】
図6は、図3のファイル120をスクロールした後のDM領域74の中のDMエンティティのディスプレイを示す、図2の模範的ウィンドウ70を示す。第1のDMエンティティ122(図2)は、スクロールされて見えなくなったため、第1のDMエンティティ122は、DM領域74に表示されている。いくつかの実施形態では、図6に示したように、DMエンティティ122は、識別表示(distinguishing indication)なしでDM領域74に表示される。他の実施形態では、DMエンティティは、スクロール可能領域72で使用された識別表示を用いて、DM領域に表示される。図6のスクロール可能領域のファイルは、再びスクロールされる。
【0059】
図7は、ファイルをスクロールした後の図6のスクロール可能領域を示す。第2のDMエンティティ124は、スクロールされて見えなくなり、DM領域74に表示されている。さらに、第3のDMエンティティ126の少なくとも一部分が、スクロールされて見えなくなり、また、DM領域74に表示されている。
【0060】
テキスト文字列、オブジェクト、またはそれらの組み合わせのような情報のサブセットは、選択されたエンティティを提供するために選択されうる。いくつかの実施形態では、オブジェクト上での左クリックで図形オブジェクトを選択でき、次に、右クリックすることにより、選択メニューを表示する。あるいは、マウスを使用せずに、エンティティを選択するためにキーストローク列を使用する。多数のアプリケーションの代表的な特徴として、マウスの右クリックで、選択されたエンティティに対する選択メニューが表示される。様々な実施形態では、DM属性は、ユーザが選択できる新規のメニュー選択である。通常、テキストは、マウスの左ボタンを押し続けて、テキストの一部分を「強調表示」することにより選択される。
【0061】
図8は、様々なメニュー選択を示す模範的ウィンドウ220を示す。スクロール可能領域222では、ファイルの一部分を表示する。ユーザは、語句「模範的テキスト」224を強調表示した。また、ユーザは、スクロール可能領域で右クリックして、第1のメニュー226の少なくとも一部分が示される。第1のメニュー226は、「DMエンティティ生成」選択228、「DMエンティティ削除」選択236、および「DMエンティティ変更」選択238のうちの少なくとも1つを含む。選択された情報は、いくつかの実施形態では、「DMエンティティ生成」選択228で左クリックすることにより、DMエンティティに指定される。いくつかの実施形態では、「DMエンティティ生成」選択228が選択されるとき、DMエンティティ生成ハンドラ58(図1)が呼び出される。あるいは、選択されたテキスト224から、DMエンティティを生成するために、DMエンティティ生成ボタン104がクリックされる。
【0062】
他の実施形態では、「DMエンティティ生成」選択228が選択されるとき、第2のメニュー230を表示する。第2のメニュー230は、「一時的」選択232および「永続的」選択234を含む。選択されると、「一時的」選択232は、一時的なDMエンティティを生成する。いくつかの実施形態では、「一時的」選択232が選択されると、一時的DMエンティティ生成ハンドラが呼び出される。選択されると、「永続的」選択234は、永続的なDMエンティティを生成する。いくつかの実施形態では、「永続的」選択234が選択されると、永続的DMエンティティ生成ハンドラが呼び出される。
【0063】
「DMエンティティ削除」選択236は、選択されると、DMエンティティを削除する。いくつかの実施形態では、「DMエンティティ削除」選択236が選択されると、DMエンティティ削除ハンドラ60(図1)が呼び出される。
【0064】
「DMエンティティ変更」選択238は、選択されると、ユーザがDMエンティティの属性または特徴を変更することを可能とする。「DMエンティティ変更」選択238が選択されると、様々な実施形態で、変更メニュー240を表示する。変更メニュー240は、次の「一時的へ変更」選択242、「永続的へ変更」選択244、「色」選択246、および「フォント」選択248のうちの少なくとも1つ、または組み合わせを含む。様々な実施形態では、各選択は、関連するハンドラを呼び出す。「一時的へ変更」選択242は、DMエンティティが一時的として指定されることを可能とし、いくつかの実施形態では、一時的DMエンティティ作成ハンドラ66(図1)を呼び出す。いくつかの実施形態では、一時的DMエンティティ作成ハンドラ66(図1)は、DMエンティティが一時的であることを示すように一時的/永続的インディケータ166(図4)を設定する。「永続的へ変更」選択244は、DMエンティティが永続的として指定されることを可能とし、いくつかの実施形態では、永続的DMエンティティ作成ハンドラ64(図1)を呼び出す。いくつかの実施形態では、永続的DMエンティティ作成ハンドラ66(図1)は、DMエンティティが永続的であることを示すように一時的/永続的インディケータ166(図4)を設定する。「色」選択246は、ユーザがスクロール可能領域のDMエンティティの色を指定することを可能とする。「フォント」選択248は、ユーザがスクロール可能領域のDMエンティティのフォントを指定することを可能とする。いくつかの実施形態では、「フォント」選択248は、ユーザがDMエンティティのフォントを斜字体(イタリック)、下線、または太字(ボールド)で表示するかどうかを指定することを可能とする。
【0065】
図9は、DMエンティティを生成する実施形態のフローチャートを表現する。ステップ250では、ファイルの情報のサブセットが、選択されたエンティティを提供するために選択される。情報は、任意の公知の手段を用いて選択されうる。ステップ252では、メニューを表示するために、また、いくつかの実施形態では図8のニュー226を表示するために、選択されたエンティティ上で右クリックが実行される。例えば、メニューは、3つの選択を有する。すなわち、DMエンティティ生成、DMエンティティ削除、および、DMエンティティ変更である。DMエンティティ生成は、例えば、カーソルをDMエンティティ生成の上に移動することにより選択される。この実施形態では、DMエンティティは、ディフォルトで一時的である。あるいは、DMエンティティは、ディフォルトで永続的である。
【0066】
ステップ254では、DMエンティティを指定する情報が、DMエンティティを生成するために格納される。様々な実施形態では、DMエンティティ生成ハンドラ58(図1)が、図9のステップ254を実行する。いくつかの実施形態では、選択されたエンティティの位置データが、DMデータ構造に格納される。他の実施形態では、選択されたエンティティの位置データ、および「有効(アクティブ)」状態を示すDM属性が、DMデータ構造に格納される。さらに他の実施形態では、DM属性開始および終了タグのようなタグが、選択されたエンティティの前後にそれぞれ配置される。ステップ256では、特定表示(識別標識)が、スクロール可能領域に表示されたDMエンティティに適用される。例えば、特定表示は、DMエンティティの色を自動的に変更することができる。あるいは、ステップ256は省略されて、かつDMエンティティの外観は変化しない。ステップ258で、プロセスが終了する。
【0067】
他の実施形態では、一時的メニュー選択または永続的メニュー選択、すなわち図8の232または234のどちらが選択されるかによって、一時的または永続的DM属性が、それぞれ、選択されたエンティティと関連する。一時的DMエンティティ生成ハンドラを使用するいくつかの実施形態では、一時的DMエンティティ生成ハンドラが、図9のフローチャートを実行し、ただし、ステップ254において、またさらに、DMエンティティが一時的であることを示すように一時的/永続的インディケータ166(図4)を設定することを除く。永続的DMエンティティ生成ハンドラを使用する他の実施形態では、永続的DMエンティティ生成ハンドラが、図9のフローチャートを実行し、ただし、ステップ254において、またさらに、DMエンティティが永続的であることを示すように一時的/永続的インディケータ166(図4)を設定することを除く。
【0068】
図10は、DMエンティティを削除する実施形態のフローチャートを示す。ステップ260では、DMエンティティが、例えば、それをクリックすることにより選択される。ステップ262では、ユーザが、メニューをアクティブに(起動)して、「DMエンティティ削除」選択を選択する。いくつかの実施形態では、ステップ264〜270は、DMエンティティ削除ハンドラ60(図1)において実行される。ステップ264では、選択されたDMエンティティが、DM領域から削除される。DMエンティティ削除ハンドラ60(図1)が、選択されたDMエンティティに対するハンドルを検索して、そのハンドルを、DM領域からDMエンティティを削除するために使用する。いくつかの実施形態では、DM領域が、別のDMウィンドウにあるとき、DMエンティティ削除ハンドラ60(図1)は、また、DMウィンドウのプロセスIDを検索する。ステップ266では、DMエンティティ削除ハンドラ60(図1)は、ハンドルと関連する、またいくつかの実施形態ではプロセスIDと関連する、DMエンティティに対するDMデータ構造を捜す。いくつかの実施形態では、DMエンティティがDMデータ構造において見つけられると、そのDMエンティティに対するDM属性が、無効にされる。換言すれば、選択されたDMエンティティに対して、DM属性が、DMデータ構造において無効状態に設定される。あるいは、DMエンティティがDMデータ構造において見つけられると、選択されたDMエンティティに対する情報が、DMデータ構造から削除される。他の実施形態では、DMエンティティを指定する開始および終了タグが、ファイルから削除される。ステップ268では、他の実施形態において、DMエンティティが、スクロール可能領域に表示されており、かつ識別表示を有するとき、その識別表示は、スクロール可能領域のDMエンティティから除去される。あるいは、ステップ268は省略される。ステップ270で、プロセスは終了する。
【0069】
図11は、DM領域にDMエンティティが表示されていないとき、DMエンティティおよびそのDM領域を削除する実施形態のフローチャートを表示しており、他の実施形態では、DMウィンドウのDM領域にDMエンティティが表示されていないとき、DMウィンドウが削除される。ステップ260〜264は、図10と同じであり、さらに説明されることはないであろう。様々な実施形態では、ステップ266は、削除されたDMエンティティに関連するDM領域に、なんらかのDMエンティティが表示されているかどうかを判断する。削除されたDMエンティティに関連するDM領域に、DMエンティティが表示されていないとき、ステップ268で、DM領域が削除される。DM領域が別のDMウィンドウにある実施形態では、そのDMウィンドウが削除される。ステップ270で、プロセスが終了する。他の実施形態では、ステップ266および268は省略される。ステップ266が、少なくとも1つのDMエンティティがDM領域にあると判断するとき、ステップ266は、ステップ270に進み終了する。
【0070】
いくつかの実施形態では、図8の「色」選択246および「フォント」選択248、の各々の選択に応答して、DMデータ構造のDMエンティティに対する選択された色およびフォントを格納するために、他の様々なハンドラが呼び出されうる。色は、ユーザがスクロール可能領域のDMエンティティの色を設定することを可能とする。フォントは、ユーザがスクロール可能領域のDMエンティティのフォントを設定することを可能とする。また、フォントは、任意の公知の方法において、例えば、他のサブメニューから選択されうる。いくつかの実施形態では、選択されたとき、DMエンティティに対する色およびフォントは、DMデータ構造に格納される。色は、任意の公知の方法において、例えば、色のパレットから色を選択することにより設定されうる。
【0071】
図12は、模範的なスクロール可能領域282およびDM領域284を有するウィンドウ280を示す。いくつかの実施形態では、DM領域284は、縮小化ボタン286、最大化ボタン288、およびクローズボタン290の各々のうちの少なくとも1つを含む。ユーザが、DMエンティティを選択して、復帰ボタン292をクリックするとき、復帰ハンドラ62(図1)が呼び出される。復帰ハンドラ62(図1)は、ファイルをスクロールさせて、DMエンティティが、スクロール可能領域282に表示されるようにする。いくつかの実施形態では、復帰ハンドラ62(図1)は、DM領域から、DMエンティティを除去して、他の実施形態では、DMエンティティはDM領域に残っている。
【0072】
他の実施形態では、左のマウスキーでDM領域のDMエンティティ上をダブルクリックすることにより、ファイルをスクロールさせて、DMエンティティが、スクロール可能領域に表示されるようにし、かつDM領域からDMエンティティを除去する。様々な実施形態では、DMウィンドウが生成されるとき、アプリケーションは、スクロール可能領域に表示されているファイルの位置を変更させて、DMエンティティが、スクロール可能領域に表示されるようにするために、復帰ハンドラが使用するであろう情報を渡す。
【0073】
いくつかの実施形態では、ユーザが、DM領域284の選択されたDMエンティティ296上で右クリックするとき、DMメニューが表示される。DMメニューは、上述したような「復帰」選択294、DMエンティティを削除するための「削除」選択298、DMエンティティを一時的として指定するための「一時的」選択300、およびDMエンティティを永続的として指定するための「永続的」選択302のうちの少なくとも1つを含む。様々な実施形態では、「削除」選択298は、DMエンティティ削除ハンドラ60(図1)を呼び出して、「一時的」および「永続的」選択、300および302の各々は、スクロール可能領域のメニューに対して上述した、対応するハンドラを呼び出す。
【0074】
図13は、第1のウィンドウ310の模範的スクロール可能領域、および個々のDM領域316〜318を有する、個別の非重複DMウィンドウ312〜314を示す。この実施形態では、各DMウィンドウは、そのDM領域において1つのDMエンティティに制限されている。いくつかの実施形態では、DM領域に対してスクロール・バーは設けられず、DM領域は、DMエンティティを表示するようなサイズとなされる。DMウィンドウ316および318の様々な実施形態は、上述したDMメニューを含む。これらの実施形態では、DM管理ボタンを押すか、またはDMメニューをアクティブにする前に、DMエンティティは選択されない。いくつかの実施形態では、ユーザが、DMメニューの復帰選択をクリックするとき、スクロール可能領域は、スクロール可能領域に、そのDMエンティティを表示する。他の実施形態では、DM領域のDMエンティティ上をクリックすることにより、復帰機能を起動する。他の実施形態では、DMエンティティが、DMウィンドウのDM領域から削除されるとき、DMウィンドウは、いくつかの実施形態において図11のフローチャートを実行する、ウィンドウからDMエンティティ削除ハンドラを呼び出す。様々な実施形態では、ウィンドウからDMエンティティ削除ハンドラは、DM領域からDMエンティティを除去して、DMデータ構造を更新して、スクロール可能領域に表示されているときには、DMエンティティから、いかなる識別表示をも除去し、およびいくつかの実施形態においては、DMエンティティがDM領域に表示されていないとき、DM領域およびDMウィンドウを削除する。
【0075】
図14は、第1のウィンドウ330の中の模範的なスクロール可能領域、および個別の重複(overlapping)DMウィンドウの中の、DM領域を有するDMウィンドウ332〜334を含む実施形態を示す。
【0076】
図15は、ウィンドウ342の一部分を使用する模範的なスクロール可能領域340を有する他の実施形態を示す。
【0077】
他の実施形態では、DM領域は、コピーおよびペースト機能を提供するために、DMウィンドウの中に1つ以上のボタンまたはメニュー選択を含む。
【0078】
発明の好ましい実施形態の上記説明は、説明図および説明文の目的で提示され、完全であることを意図しておらず、または開示された厳密な形態に本発明を限定するものではない。上述の開示に照らして多数の変更および変形が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、むしろ、添付特許請求の範囲により限定されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の様々な実施形態を用いる、コンピュータ・システムの概略図を示す。
【図2】スクロール可能領域および動的実体化(DM)領域の実施形態を示す。
【図3】模範的ファイルを示す。
【図4】DMエンティティと関連する情報を格納するデータ構造の実施形態を示す。
【図5】スクロール可能領域およびDM領域の動作の実施形態のフローチャートを示す。
【図6】ファイルがスクロールされているときの図2のスクロール可能領域およびDM領域の実施形態を示す。
【図7】ファイルがさらにスクロールされているときの図2の模範的なスクロール可能領域およびDM領域の実施形態を示す。
【図8】様々なメニュー選択を説明するスクロール可能領域の実施形態を示す。
【図9】DMエンティティを生成する実施形態のフローチャートを示す。
【図10】DMエンティティを削除する実施形態のフローチャートを示す。
【図11】DM領域にDMエンティティが表示されていないとき、DMエンティティおよびそのDM領域を削除する実施形態のフローチャートを示す。
【図12】スクロール可能領域、および様々なメニュー選択を説明するDM領域の実施形態を表現する。
【図13】第1のウィンドウの中のスクロール可能領域、および個別の非重複ウィンドウの中の、DM領域を有するDMウィンドウの実施形態を示す。
【図14】第1のウィンドウの中の模範的なスクロール可能領域、および個別の重複ウィンドウの中の、DM領域を有するDMウィンドウの実施形態を示す。
【図15】第1のウィンドウの一部分を使用する模範的なスクロール可能領域を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する方法であって、
ファイルの情報の第1のサブセットを、スクロール可能領域に提示するステップであって、前記情報の第1サブセットは、少なくとも部分的に情報の第2のサブセットを含み、前記情報の第2サブセットは、実体化エンティティに指定されるステップと、
前記スクロール可能領域の中の前記ファイルがスクロールされて、かつ前記実体化エンティティの少なくとも一部分が前記スクロール可能領域から見えなくなるとき、前記実体化エンティティを、少なくとも部分的に実体化領域に表示するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
さらに、前記情報の第2サブセットを前記実体化エンティティに指定するために、実体化属性を前記実体化エンティティと関連づけるステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記実体化エンティティが、一時的実体化エンティティ指定と関連しており、さらに、前記ファイルが閉じられるとき、前記実体化属性を前記実体化エンティティから分離するステップを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スクロール可能領域がウィンドウの中にあり、かつ前記実体化領域もまた、その同一ウィンドウの中にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記スクロール可能領域が第1のウィンドウの中にあり、前記実体化領域が、前記第1のウィンドウと異なる、実体化ウィンドウを提供するための第2のウィンドウの中にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記実体化ウィンドウが、前記第1のウィンドウに隣接していることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
さらに、前記実体化エンティティの前記少なくとも一部分が、スクロールされて見えなくなるとき、前記実体化領域を表示するステップを含む、請求項1及至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
さらに、ユーザ起動に応答して前記実体化領域を表示するステップを含む、請求項1及至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記実体化エンティティが、スクロールされて前記スクロール可能領域の中に戻されるとき、前記実体化エンティティを含む前記実体化ウィンドウを削除するステップを含む、請求項1及至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ファイルの情報の第3のサブセットが、付加的実体化エンティティに指定されており、前記付加的実体化エンティティの少なくとも一部分が、スクロールされて見えなくなるとき、前記付加的実体化エンティティを、少なくとも部分的に前記実体化領域に表示するステップを含む、請求項1及至9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
さらに、前記実体化エンティティが、スクロールされて前記スクロール可能領域の中に戻されるとき、前記実体化エンティティを前記実体化領域から削除するステップを含む、請求項1及至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
さらに、前記実体化領域の前記実体化エンティティに関するユーザ信号に応答して、前記実体化エンティティが前記スクロール可能領域に表示されるように、前記ファイルをスクロールするステップを含む、請求項1及至11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記実体化エンティティが、永続的実体化エンティティ指定と関連しており、さらに、前記実体化エンティティ指定が永続的であるとき、前記実体化エンティティ指定を永続的ストレージに格納するステップを含む、請求項1及至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
情報を表示する装置であって、
プロセッサと、
命令を格納するメモリであって、前記命令がファイルの情報の第1のサブセットを、スクロール可能領域に提示するステップであって、前記情報の第1サブセットは、少なくとも部分的に情報の第2のサブセットを含み、前記情報の第2サブセットは、実体化エンティティに指定されるステップと、前記スクロール可能領域の中の前記ファイルがスクロールされて、かつ前記実体化エンティティの少なくとも一部分が前記スクロール可能領域から見えなくなるとき、前記実体化エンティティを、少なくとも部分的に実体化領域に表示するステップとを含む、前記メモリと、
を含む装置。
【請求項15】
さらに、前記情報の第2サブセットを前記実体化エンティティに指定するために、実体化属性を前記実体化エンティティと関連づける1つ以上の命令を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記実体化エンティティが、一時的実体化エンティティ指定と関連しており、さらに、前記ファイルが閉じられるとき、前記実体化属性を実体化エンティティから分離する1つ以上の命令を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記スクロール可能領域がウィンドウの中にあり、かつ前記実体化領域もまた、その同一ウィンドウの中にあることを特徴とする、請求項14または請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記スクロール可能領域が第1のウィンドウの中にあり、前記実体化領域が、前記第1のウィンドウと異なる、実体化ウィンドウを提供するための第2のウィンドウの中にあることを特徴とする、請求項14または請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記実体化ウィンドウが、前記第1のウィンドウに隣接していることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
さらに、前記実体化エンティティの少なくとも一部分が、スクロールされて見えなくなるとき、前記実体化領域を表示する1つ以上の命令を含む、請求項14及至19に記載の装置。
【請求項21】
さらに、ユーザ起動に応答して前記実体化領域を表示する1つ以上の命令を含む、請求項14及至20に記載の装置。
【請求項22】
さらに、前記実体化エンティティを含む前記実体化ウィンドウを削除する1つ以上の命令を含む、請求項14及至21に記載の装置。
【請求項23】
前記ファイルの情報の第3のサブセットが、付加的実体化エンティティに指定されており、さらに、前記付加的実体化エンティティの少なくとも一部分が、スクロールされて見えなくなるとき、前記付加的実体化エンティティを、少なくとも部分的に前記実体化領域に表示する1つ以上の命令を含む、請求項14及至22に記載の装置。
【請求項24】
さらに、前記実体化エンティティが、スクロールされて前記スクロール可能領域の中に戻されるとき、前記実体化エンティティを前記実体化領域から削除する1つ以上の命令を含む、請求項14及至23に記載の装置。
【請求項25】
さらに、前記実体化領域の前記実体化エンティティに関するユーザ信号に応答して、前記実体化エンティティが前記スクロール可能領域に表示されるように、前記ファイルをスクロールする1つ以上の命令を含む、請求項14及至24に記載の装置。
【請求項26】
前記実体化エンティティが、永続的実体化エンティティ指定と関連しており、さらに、前記実体化エンティティ指定が永続的であるとき、前記実体化エンティティ指定を永続的ストレージに格納することを特徴とする、請求項14及至25に記載の装置。
【請求項27】
請求項1及至13のいずれかに記載のすべてのステップをコンピュータに実行するように適合されたプログラム・コード手段を含むコンピュータ・プログラム。
【請求項1】
情報を表示する方法であって、
ファイルの情報の第1のサブセットを、スクロール可能領域に提示するステップであって、前記情報の第1サブセットは、少なくとも部分的に情報の第2のサブセットを含み、前記情報の第2サブセットは、実体化エンティティに指定されるステップと、
前記スクロール可能領域の中の前記ファイルがスクロールされて、かつ前記実体化エンティティの少なくとも一部分が前記スクロール可能領域から見えなくなるとき、前記実体化エンティティを、少なくとも部分的に実体化領域に表示するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
さらに、前記情報の第2サブセットを前記実体化エンティティに指定するために、実体化属性を前記実体化エンティティと関連づけるステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記実体化エンティティが、一時的実体化エンティティ指定と関連しており、さらに、前記ファイルが閉じられるとき、前記実体化属性を前記実体化エンティティから分離するステップを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スクロール可能領域がウィンドウの中にあり、かつ前記実体化領域もまた、その同一ウィンドウの中にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記スクロール可能領域が第1のウィンドウの中にあり、前記実体化領域が、前記第1のウィンドウと異なる、実体化ウィンドウを提供するための第2のウィンドウの中にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記実体化ウィンドウが、前記第1のウィンドウに隣接していることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
さらに、前記実体化エンティティの前記少なくとも一部分が、スクロールされて見えなくなるとき、前記実体化領域を表示するステップを含む、請求項1及至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
さらに、ユーザ起動に応答して前記実体化領域を表示するステップを含む、請求項1及至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記実体化エンティティが、スクロールされて前記スクロール可能領域の中に戻されるとき、前記実体化エンティティを含む前記実体化ウィンドウを削除するステップを含む、請求項1及至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ファイルの情報の第3のサブセットが、付加的実体化エンティティに指定されており、前記付加的実体化エンティティの少なくとも一部分が、スクロールされて見えなくなるとき、前記付加的実体化エンティティを、少なくとも部分的に前記実体化領域に表示するステップを含む、請求項1及至9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
さらに、前記実体化エンティティが、スクロールされて前記スクロール可能領域の中に戻されるとき、前記実体化エンティティを前記実体化領域から削除するステップを含む、請求項1及至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
さらに、前記実体化領域の前記実体化エンティティに関するユーザ信号に応答して、前記実体化エンティティが前記スクロール可能領域に表示されるように、前記ファイルをスクロールするステップを含む、請求項1及至11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記実体化エンティティが、永続的実体化エンティティ指定と関連しており、さらに、前記実体化エンティティ指定が永続的であるとき、前記実体化エンティティ指定を永続的ストレージに格納するステップを含む、請求項1及至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
情報を表示する装置であって、
プロセッサと、
命令を格納するメモリであって、前記命令がファイルの情報の第1のサブセットを、スクロール可能領域に提示するステップであって、前記情報の第1サブセットは、少なくとも部分的に情報の第2のサブセットを含み、前記情報の第2サブセットは、実体化エンティティに指定されるステップと、前記スクロール可能領域の中の前記ファイルがスクロールされて、かつ前記実体化エンティティの少なくとも一部分が前記スクロール可能領域から見えなくなるとき、前記実体化エンティティを、少なくとも部分的に実体化領域に表示するステップとを含む、前記メモリと、
を含む装置。
【請求項15】
さらに、前記情報の第2サブセットを前記実体化エンティティに指定するために、実体化属性を前記実体化エンティティと関連づける1つ以上の命令を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記実体化エンティティが、一時的実体化エンティティ指定と関連しており、さらに、前記ファイルが閉じられるとき、前記実体化属性を実体化エンティティから分離する1つ以上の命令を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記スクロール可能領域がウィンドウの中にあり、かつ前記実体化領域もまた、その同一ウィンドウの中にあることを特徴とする、請求項14または請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記スクロール可能領域が第1のウィンドウの中にあり、前記実体化領域が、前記第1のウィンドウと異なる、実体化ウィンドウを提供するための第2のウィンドウの中にあることを特徴とする、請求項14または請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記実体化ウィンドウが、前記第1のウィンドウに隣接していることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
さらに、前記実体化エンティティの少なくとも一部分が、スクロールされて見えなくなるとき、前記実体化領域を表示する1つ以上の命令を含む、請求項14及至19に記載の装置。
【請求項21】
さらに、ユーザ起動に応答して前記実体化領域を表示する1つ以上の命令を含む、請求項14及至20に記載の装置。
【請求項22】
さらに、前記実体化エンティティを含む前記実体化ウィンドウを削除する1つ以上の命令を含む、請求項14及至21に記載の装置。
【請求項23】
前記ファイルの情報の第3のサブセットが、付加的実体化エンティティに指定されており、さらに、前記付加的実体化エンティティの少なくとも一部分が、スクロールされて見えなくなるとき、前記付加的実体化エンティティを、少なくとも部分的に前記実体化領域に表示する1つ以上の命令を含む、請求項14及至22に記載の装置。
【請求項24】
さらに、前記実体化エンティティが、スクロールされて前記スクロール可能領域の中に戻されるとき、前記実体化エンティティを前記実体化領域から削除する1つ以上の命令を含む、請求項14及至23に記載の装置。
【請求項25】
さらに、前記実体化領域の前記実体化エンティティに関するユーザ信号に応答して、前記実体化エンティティが前記スクロール可能領域に表示されるように、前記ファイルをスクロールする1つ以上の命令を含む、請求項14及至24に記載の装置。
【請求項26】
前記実体化エンティティが、永続的実体化エンティティ指定と関連しており、さらに、前記実体化エンティティ指定が永続的であるとき、前記実体化エンティティ指定を永続的ストレージに格納することを特徴とする、請求項14及至25に記載の装置。
【請求項27】
請求項1及至13のいずれかに記載のすべてのステップをコンピュータに実行するように適合されたプログラム・コード手段を含むコンピュータ・プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2007−531128(P2007−531128A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505531(P2007−505531)
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050738
【国際公開番号】WO2005/096125
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050738
【国際公開番号】WO2005/096125
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】
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