説明

画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システム及びその方法

【課題】本発明の課題は、画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システム及びその方法を提供することである。
【解決手段】本発明に係る画面処理システムは、元のストリーミングメディアを起動させて、それを復号化し、復号化されたストリーミングメディアをサーバーのデスクトップで再生する起動モジュールと、元のストリーミングメディアをクライアントに転送する第一転送モジュールと、クライアントを制御して、元のストリーミングメディアを復号化して再生する第一制御モジュールと、サーバーのデスクトップで再生されたストリーミングメディアに対応する画面を取得した後圧縮して圧縮パケットにする取得モジュールと、圧縮パケットをクライアントに転送する第二転送モジュールと、クライアントを制御して、圧縮パケットを解凍して再生する第二制御モジュールと、を備える。また、本発明は、転送方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリーミングメディア転送システム及びその方法に関し、特に画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画面を共有して、遠隔操作する場合、一般的には、サーバーの画面を主として、前記画面の画面全体を直接的に取得して圧縮パケットにした後、クライアントへ転送する。その後、クライアントの画面で前記圧縮パケットが解凍されると、前記画面がクライアントの画面に表示される。しかし、ストリーミングメディアを転送する時、前記ストリーミングメディアのデータが非常に大きいと、サーバーは前記ストリーミングメディアをリアルタイムに圧縮できない。且つ、クライアントが、大容量のストリーミングメディア圧縮パケットを解凍する場合、クライアントのCPUの負荷を増大させてしまう。また、ネットワーク帯域幅の制限を受けて、クライアントの画面が表示される際、中断したり、画面が不連続になる等の現象が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、前記問題を解決するために、クライアントの画面によって、ストリーミングメディアを素早く再生することができる画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システム及びその方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するため、本発明に係る画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システムは、転送したい元のストリーミングメディアを起動させて、前記元のストリーミングメディアを復号化して、前記復号化されたストリーミングメディアをサーバーのデスクトップで再生するために用いられる起動モジュールと、クライアントが元のストリーミングメディアの復号化能力を有する場合、前記元のストリーミングメディアをクライアントに転送するために用いられる第一転送モジュールと、前記クライアントを制御して前記元のストリーミングメディアを復号化して、復号化されたストリーミングメディアを再生するために用いられる第一制御モジュールと、クライアントが元のストリーミングメディアの復号化能力を有しない場合、サーバーのデスクトップで再生された前記ストリーミングメディアに対応する画面を取得し、且つ取得された画面を圧縮して圧縮パケットにするために用いる取得モジュールと、前記圧縮パケットを前記クライアントに転送するために用いる第二転送モジュールと、前記クライアントを制御して受信した前記圧縮パケットを復号化して、復号化された画面を再生するために用いる第二制御モジュールと、を備える。
【0005】
本発明に係る画面の共有に基づくストリーミングメディア転送方法は、サーバーで転送したい元のストリーミングメディアを起動させて、前記元のストリーミングメディアを復号化して、復号化されたストリーミングメディアを前記サーバーのデスクトップで再生するステップと、クライアントが元のストリーミングメディアの復号化能力を有する場合、前記元のストリーミングメディアをクライアントに転送するステップと、前記クライアントを制御して、前記元のストリーミングメディアを復号化して、前記復号化されたストリーミングメディアを再生するステップと、クライアントが元のストリーミングメディアの復号化能力を有しない場合、サーバーのデスクトップで再生された前記ストリーミングメディアに対応する画面を取得し、且つ前記取得された画面を圧縮して圧縮パケットにするステップと、前記圧縮パケットを前記クライアントに転送するステップと、前記クライアントを制御して受信した前記圧縮パケットを復号化して、前記復号化された画面を再生するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システム及びその方法において、サーバーは、クライアントがストリーミングメディアの復号化能力を有するか否かの情報を取得することができ、ストリーミングメディアの復号化能力を有するクライアントは、サーバーのストリーミングメディアを素早く取得することができる。これにより、サーバーの画面で表示された画面は、クライアントの画面でリアルタイムに表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システムの動作環境図である。
【図2】図1に示す本発明の実施形態に係る画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システムのブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画面の共有に基づくストリーミングメディア転送方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施形態に係る画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システムの動作環境図である。ストリーミングメディア転送システム10は、サーバー1内で動作する。前記サーバー1は、少なくとも1つのクライアント2に接続される。前記ストリーミングメディア転送システム10は、サーバー1の画面で再生されたストリーミングメディアを、前記クライアント2に転送する。前記ストリーミングメディアは、オーディオストリーム、ビデオストリーム、動画ストリームなどを含む。前記ストリーミングメディアは、復号化された後、前記サーバー1の画面及び前記クライアント2の画面に表示される。また、前記クライアント2は、解凍能力を有する。
【0009】
図2は、図1に示す画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システム10のブロック図である。前記ストリーミングメディア転送システム10は、受信モジュール100と、起動モジュール101と、判断モジュール102と、第一転送モジュール103と、第一制御モジュール104と、取得モジュール105と、第二転送モジュール及び第二制御モジュール107を備える。前記モジュールは、特定の能力を有するソフトウェアのプログラムである。前記ソフトウェアのプログラムは、コンピューターの読取り可能なメモリ又は他の記憶装置に記憶され、コンピューター又はプロセッサーを含む他の計算装置によって実行される。
【0010】
前記受信モジュール100は、前記サーバー1と前記クライアント2と、を接続し、且つ前記クライアント2から転送されたパケットを受信するために用いられる。前記パケットには、ストリーミングメディアの復号化能力の有無及び前記ストリーミングメディアの復号化の種類が含まれている。前記ストリーミングメディアの復号化能力の有無とは、前記クライアント2がストリーミングメディアの復号化が可能であるかどうかを指す。前記クライアント2がストリーミングメディアの復号化能力を有する場合、前記ストリーミングメディアの復号化の種類は、mp3、mp4、mkv、aviなどの多種のマルチメディアフォーマットを含み、前記クライアント2がストリーミングメディアの復号化能力を有しない場合、前記ストリーミングメディアの復号化の種類は、ナル値である。
【0011】
前記起動モジュール101は、転送したい元のストリーミングメディアを起動させて、前記元のストリーミングメディアを復号化して、前記復号化されたストリーミングメディアを、前記サーバー1の画面上で再生するために用いられる。例えば、映画を再生する。
【0012】
前記判断モジュール102は、前記パケットの内容に基づいて、前記クライアント2が元のストリーミングメディアの復号化能力を有するか否かを判断するために用いられる。本実施形態において、前記判断モジュール102は、前記パケットにおける前記クライアント2がストリーミングメディアの復号化能力を有するか否かを判断するために用いられる。前記クライアント2がストリーミングメディアの復号化能力を有する場合、更にストリーミングメディアの復号化の種類が、元のストリーミングメディアのフォーマット種類を含むか否かを判断する。
【0013】
前記クライアント2は元のストリーミングメディアの復号化能力を有すると判断された場合、前記第一転送モジュール103は、前記元のストリーミングメディアを前記クライアント2に転送するために用いられる。
【0014】
前記第一制御モジュール104は、前記クライアント2を制御して、前記元のストリーミングメディアを復号化して、復号化したストリーミングメディアを再生するために用いられる。
【0015】
また、前記クライアント2は元のストリーミングメディアの復号化能力を有していないと判断された場合、前記取得モジュール105は、サーバー1の画面で再生された前記ストリーミングメディアに対応する画面を取得し、且つ取得した画面を圧縮して圧縮パケットにするために用いられる。
【0016】
前記第二転送モジュール106は、前記圧縮パケットを前記クライアント2に転送するために用いられる。
【0017】
前記第二制御モジュール107は、前記クライアント2を制御して、受信された前記圧縮パケットを解凍して、解凍した画面を再生するために用いられる。
【0018】
図3は、本発明の実施形態に係るデスクトップの共有に基づくストリーミングメディア転送方法のフローチャートである。ストリーミングメディア転送方法は、以下のステップ30〜ステップ37を含む。
ステップ30、前記受信モジュール100は、前記サーバー1と前記クライアント2とを接続し、且つ前記クライアント2から転送されたパケットを受信する。前記パケットの内容は、ストリーミングメディアの復号化能力の有無及び前記ストリーミングメディアの復号化の種類が含まれている。前記ストリーミングメディアの復号化能力の有無とは、前記クライアント2がストリーミングメディアの復号化能力を有するか否かを指す。前記クライアント2がストリーミングメディアの復号化能力を有する場合、前記ストリーミングメディアの復号化の種類は、mp3、mp4、mkv、aviなどの多種のマルチメディアフォーマットを含む。前記クライアント2がストリーミングメディアの復号化能力を有していない場合、前記ストリーミングメディアの復号化の種類はナル値である。
【0019】
ステップ31、前記起動モジュール101は、転送したい元のストリーミングメディアを起動させて、前記元のストリーミングメディアを復号化して、前記復号化されたストリーミングメディアを前記サーバー1の画面で再生する。例えば、映画を再生する。
【0020】
ステップ32、前記判断モジュール102は、前記パケットの内容に基づいて前記クライアント2が元のストリーミングメディアの復号化能力を有するか否かを判断する。前記クライアント2が元のストリーミングメディアの復号化能力を有する場合、ステップ33を行う。前記クライアント2が元のストリーミングメディアの復号化能力を有しない場合、ステップ35を行う。本実施形態において、前記判断モジュール102は、前記パケットにおける前記クライアント2がストリーミングメディアの復号化能力を有するか否かを判断する。前記クライアント2がストリーミングメディアの復号化能力を有する場合、ストリーミングメディアの復号化の種類は、更に元のストリーミングメディアのフォーマット種類を含むか否かを判断する。
【0021】
ステップ33、前記第一転送モジュール103は、前記元のストリーミングメディアを前記クライアント2に転送する。
【0022】
ステップ34、前記第一制御モジュール104は、前記クライアント2を制御して、前記元のストリーミングメディアを復号化して、復号化したストリーミングメディアを再生する。
【0023】
ステップ35、前記取得モジュール105は、サーバー1の画面で再生された前記ストリーミングメディアに対応する画面を取得し、且つ取得した画面を圧縮して圧縮パケットにする。
【0024】
ステップ36、前記第二転送モジュール106は、前記圧縮パケットを前記クライアント2に転送する。
【0025】
ステップ37、前記第二制御モジュール107は、前記クライアント2を制御して、受信された前記圧縮パケットを解凍して、解凍した画面を再生する。
【0026】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であることは勿論であって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって決まる。
【符号の説明】
【0027】
1 サーバー
2 クライアント
10 ストリーミングメディア転送システム
100 受信モジュール
101 起動モジュール
102 判断モジュール
103 第一転送モジュール
104 第一制御モジュール
105 取得モジュール
106 第二転送モジュール
107 第二制御モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転送したい元のストリーミングメディアを起動させて、前記元のストリーミングメディアを復号化して、前記復号化されたストリーミングメディアをサーバーの画面で再生するために用いられる起動モジュールと、
クライアントが元のストリーミングメディアの復号化能力を有する場合、前記元のストリーミングメディアをクライアントに転送するために用いられる第一転送モジュールと、
前記クライアントを制御して前記元のストリーミングメディアを復号化し、復号化したストリーミングメディアを再生するために用いられる第一制御モジュールと、
クライアントが元のストリーミングメディアの復号化能力を有しない場合、サーバーのデスクトップで再生した前記ストリーミングメディアに対応する画面を取得し、且つ取得された画面を圧縮して圧縮パケットにするために用いられる取得モジュールと、
前記圧縮パケットを前記クライアントに転送するために用いられる第二転送モジュールと、
前記クライアントを制御して、受信した前記圧縮パケットを解凍し、解凍された画面を再生するために用いられる第二制御モジュールと、
を備えることを特徴とする画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システム。
【請求項2】
前記サーバーと前記クライアントとを接続し、且つ前記クライアントから転送されたパケットを受信するために用いられる受信モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システム。
【請求項3】
前記パケットの内容は、ストリーミングメディアの復号化能力の有無及びストリーミングメディアの復号化の種類を含むことを特徴とする請求項2に記載の画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システム。
【請求項4】
前記パケットの内容に基づいて前記クライアントが元のストリーミングメディアの復号化能力を有するか否かを判断するために用いられる判断モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システム。
【請求項5】
サーバーで転送したい元のストリーミングメディアを起動させて、前記元のストリーミングメディアを復号化して、前記サーバーのデスクトップで復号化されたストリーミングメディアを再生するステップと、
クライアントが元のストリーミングメディアの復号化能力を有する場合、前記元のストリーミングメディアをクライアントに転送するステップと、
前記クライアントを制御して前記元のストリーミングメディアを復号化して、復号化されたストリーミングメディアを再生するステップと、
クライアントが元のストリーミングメディアの復号化能力を有しない場合、サーバーの画面で再生した前記ストリーミングメディアに対応する画面を取得し、且つ取得された画面を圧縮して圧縮パケットにするステップと、
前記圧縮パケットを前記クライアントに転送するステップと、
前記クライアントを制御して受信した前記圧縮パケットを解凍して、解凍された画面を再生するステップと、
を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画面の共有に基づくストリーミングメディア転送システムを応用する転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−257196(P2012−257196A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−48925(P2012−48925)
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】