説明

留守番電話機能付きテレビ電話装置

【課題】着信応答しなかった場合に、誰からの着信があったかを瞬時に認識できる留守番電話機能付きテレビ電話装置を提供すること。
【解決手段】表示部150と、発信相手に関する画像、又は/及び発信相手から受信した画像又は動画メッセージを記憶する記憶部170と、通信制御手段111と、を備え、発信相手からの画像又は動画メッセージを前記通信制御手段によって受信し、表示部に表示するテレビ電話装置100であって、テレビ電話装置は留守番機能制御手段115を備え、留守番機能制御手段115は、着信に対する非応答時に、記憶部170に記憶された発信相手に関する画像510、発信相手から受信した動画メッセージ510を取得して表示部150に新着表示として表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP電話網等に接続されて音声及び映像の送受信を行うテレビ電話装置に関し、特に、発信を行ってきた相手(以下、「発信相手」という)からの呼びに対して自動応答する留守番電話機能、及び発信相手からの用件メッセージの記録機能を備えた留守番電話機能付きテレビ電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電話機能の一つとして、番号通知サービス機能がある。これは、電話の着信時に発信相手の電話番号を着信時の呼び信号に含めることによって、受信側の電話装置のディスプレイに発信相手の電話番号を表示できるようにしたものである。ユーザは、電話に出る際に、ディスプレイに表示された発信相手の電話番号を視認することによって、発信相手が誰なのかを把握することができる。
【0003】
しかしながら、着信時にユーザが応答する前に回線が切断された場合や着信時にユーザが不在のためディスプレイに表示された発信相手の電話番号を視認しなかった場合には、誰からの着信なのか判別することができないという不都合があった。
【0004】
そこで、下記特許文献1(特開平8−167934号公報)は、着信応答前に回線が切断されたことを検出し、その発信者番号と着信時刻を含む着信情報を記憶手段に記憶し、第1の表示手段に着信情報の有無を表示するとともに第2の表示手段に着信情報を表示する発信者番号記憶電話機を開示している。さらに、下記特許文献1では、発信者番号に対応する識別文字情報(発信者の名前等)をメモリから検索して第2の表示手段に表示する。
【0005】
この電話機によれば、留守等により着信応答できない場合や、着信後ユーザがディスプレイを視認したり応答したりする前に切断された電話であっても、着信のあった発信者番号や発信者の情報を確実に認識することが可能となる。
【0006】
また、留守等のために着信応答できなかった場合に、発信相手からの用件メッセージを受信して記録する留守番電話機能を備えた電話装置もある。
【0007】
下記特許文献2(特開平6−261311号公報)は、留守中にかかってきた電話の発信者からの伝言メッセージ及び動画データをそれぞれ記憶し、受信者が再生モードにすると、記憶されている全発信者の静止画像を取出して表示部にサムネイル表示する留守番電話機能付きテレビ電話を開示している。これにより、ユーザは留守中にかかってきた電話の発信者、その要件を瞬時に知ることができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−167934号公報
【特許文献2】特開平6−261311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1の電話機では着信があったことを識別することができるとともにその発信者番号や発信者の情報を知ることはできても、それは文字表示であるために、ユーザは発信者を直ちに識別することはできなかった。また、番号通知サービスに加入していなければ、発信者を特定できないという不都合もあった。さらに、上記特許文献2の電話機では、応答しなかった発信者の一覧表示を視認するためには、再生モードに切替えなければならず、電話機を操作することなく誰からの着信があったのか直ちに識別することは難しかった。また、発信者が伝言メッセージや動画データを残さなかった場合には誰からの着信があったか把握することができないという不都合もあった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、着信応答しなかった場合に、誰からの着信があったかを瞬時に認識できる留守番電話機能付きテレビ電話装置を提供することである。さらに、発信者が用件メッセージを残した場合にも、誰からの用件メッセージが残されているのかを瞬時に認識できる留守番電話機能付きテレビ電話装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明の留守番電話機能付きテレビ電話装置は、表示部と、発信してきた相手先に関する画像、又は/及び発信してきた相手先から受信した画像又は動画メッセージを記憶する記憶部と、通信制御手段と、を備え、前記発信してきた相手先からの画像又は動画メッセージを前記通信制御手段によって受信し、前記表示部に表示するテレビ電話装置であって、前記テレビ電話装置は留守番機能制御手段を備え、前記留守番機能制御手段は、前記着信に対する非応答時に、前記記憶部に記憶された発信してきた相手先に関する画像、又は/及び発信してきた相手先から受信した動画メッセージを取得して前記表示部に新着表示として表示することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の留守番電話機能付きテレビ電話装置の一態様は、前記テレビ電話装置は、着信時に発信してきた相手先からの呼び信号に含まれる発信してきた相手先の電話番号を取得するデータ制御手段を備え、前記記憶部には、電話番号とそれに関連付けられた画像が電話帳として予め記憶され、着信時に、前記データ制御手段は、着信信号から前記発信してきた相手先の電話番号を取得し、前記留守番機能制御手段は、前記着信に対する非応答時に、前記記憶部の電話帳の中から前記電話番号に関連付けられて記憶された前記画像を取得して前記表示部に新着表示として表示することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の留守番電話機能付きテレビ電話装置の一態様は、前記留守番機能制御手段は、前記着信に対する非応答時に、前記通信制御手段によって受信した前記発信してきた相手先からの動画メッセージを記憶し、前記動画メッセージの少なくとも一部を前記表示部に新着表示として表示することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の留守番電話機能付きテレビ電話装置の一態様は、前記留守番機能制御手段は、前記記憶部に記憶された動画メッセージから静止画像を生成して前記表示部に新着表示として表示することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の留守番電話機能付きテレビ電話装置の一態様は、前記留守番機能制御手段は、前記画像又は/及び前記動画メッセージと前記電話番号を関連付けて記憶し、前記表示部に新着表示として前記画像或いは前記動画メッセージを表示する際に、前記電話番号をともに表示することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の留守番電話機能付きテレビ電話装置の一態様は、前記留守番機能制御手段は、複数の着信に対して非応答であった場合に、前記記憶部に前記非応答の着信電話番号それぞれに関連付けられて記憶された画像又は動画を取得して前記表示部に新着表示として並べて表示することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の留守番電話機能付きテレビ電話装置の一態様は、前記留守番機能制御手段は、複数の着信に対して非応答であった場合に、前記記憶部に前記非応答の着信電話番号それぞれに関連付けられて記憶された画像又は動画を取得して前記表示部に新着表示として順に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以下に説明する優れた効果を発揮する。すなわち、本発明の留守番電話機能付きテレビ電話装置は、着信に対して応答しなかった場合には、記憶部に記憶されている発信してきた相手先に関する画像や発信してきた相手先から受信した動画メッセージを取得して表示部に新着表示として表示する。これにより、ユーザは画像又は動画として表示部に表示された新着表示を視認することができるようになり、誰からの着信或いは用件メッセージがあったかのか電話装置を操作することなく容易に認識することが可能となる。
【0019】
また、本発明の留守番電話機能付きテレビ電話装置の一態様によれば、電話帳に予め電話番号と画像を関連付けて記憶しておく。そして、着信時に発信相手からの呼び信号に含まれる発信相手の電話番号を取得するとともに、着信に対して応答しなかった場合には、着信のあった電話番号に関連づけられた画像を取得して表示部に新着表示として表示する。これにより、発信相手が用件メッセージを残さなかった場合や、応答前に着信が切断された場合であっても、電話帳に登録された相手であれば画像で新着表示がなされるようになるので、ユーザは、誰からの着信があったのか電話装置を操作することなく容易に認識することが可能となる。
【0020】
また、本発明の留守番電話機能付きテレビ電話装置の一態様によれば、着信に対して応答しなかった場合には、発信相手からの動画メッセージを用件メッセージとして受信し、電話番号に関連付けて記憶する。さらに、記憶した動画メッセージの少なくとも一部を表示部に新着表示として表示するので、ユーザは、誰からの用件メッセージが記憶されているのか電話装置を操作することなく容易に認識することができる。さらに、電話帳等に登録されていない発信相手であっても、動画メッセージの一部を表示することで、発信相手を識別することが可能となる。
【0021】
また、本発明の留守番電話機能付きテレビ電話装置の一態様によれば、動画メッセージから静止画像を生成して表示部に新着表示として表示するので、動画を再生表示する場合に比して、テレビ電話装置において行われる演算処理の負荷を軽減できる。
【0022】
また、本発明の留守番電話機能付きテレビ電話装置の一態様によれば、複数の着信があり、それらに対して応答しなかった場合、それぞれの非応答の着信に含まれる電話番号に関連付けて記憶された画像や動画をそれぞれ取得し、表示部に新着表示として並べて表示するので、ユーザは複数の発信相手のそれぞれについて電話装置を操作することなく容易に識別できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施例のテレビ電話装置の内部ブロック図を示す。
【図2】本実施例のテレビ電話装置100における新着表示動作のフローチャートである。
【図3】本実施例のテレビ電話装置100において着信があった場合のテレビ電話装置とその表示画面の一例を示す図である。
【図4】本実施例のテレビ電話装置100において着信があった場合のテレビ電話装置とその表示画面の他の例を示す図である。
【図5】本実施例のテレビ電話装置100における新着表示時のテレビ電話装置とその表示画面の一例を示す図である。
【図6】本実施例のテレビ電話装置100における新着表示時のテレビ電話装置とその表示画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本願発明を実施するための最良の形態を実施例及び図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための留守番電話機能付きテレビ電話装置を例示して説明するものであって、本発明をこのテレビ電話装置に特定することを意図するものではなく特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなくその他の留守番電話機能付きテレビ電話装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0025】
本実施例のテレビ電話装置100は、有線LAN(図示せず)に接続され、有線LANは、IP電話ルータを介してIP電話網に接続されている。IP電話網105には他のテレビ電話装置や音声電話装置が複数接続されている。
【0026】
まず、図1を参照して本実施例のテレビ電話装置100について説明する。なお、図1は、本実施例のテレビ電話装置の内部ブロック図を示す。テレビ電話装置100は、制御部110、マイク120、スピーカ130、カメラ140、表示部150、入力部160、メモリ170を備えて構成される。
【0027】
制御部110は、CPU、RAM、ROM(それぞれ図示せず)を備えて構成されるマイクロプロセッサであり、RAMやROMに記憶された制御プログラムをCPUにおいて実行することにより、以下に説明する各手段の動作を制御・統括する。
【0028】
制御部110は、通信制御手段111、音声信号制御手段112、画像・映像制御手段113、表示制御手段114、留守番機能制御手段115、データ制御手段116を備えて構成される。
【0029】
通信制御手段111は、テレビ電話装置100が他のテレビ電話装置、或いは他の音声電話装置と通信を行う際の通信制御を行うためのものである。これにはシグナリングとデータの送受信とに関わる制御が含まれる。シグナリングには通信セッションの生成、確立、切断が含まれる。具体的には、ユーザが入力部160を操作して電話番号等を入力した際に、IP電話網に接続されたSIPサーバ(図示せず)等に接続して通話相手先のテレビ電話装置の位置情報を入手するとともに、通話相手先のテレビ電話装置を呼出し、通話相手先が応答した場合に通信経路を確立することと、通話が終了した際にセッション切断メッセージ等を送信することによってセッションを終了することが含まれる。
【0030】
データの送受信に関わる制御には、音声データ、映像データ、画像データをパケットに分割するIPパケット化と及びIPパケットの送信、有線LANを介して受信したパケットを、正しい順序に並べ替えるとともに実際のデータ部分を抽出して組立てるIPパケットの受信及び組立てとが含まれる。
【0031】
データをパケットとして送信する際には、所定データ長に分割された各データに送信元、宛先、順序、送信時刻、用途(IP電話の音声データ、映像データ、画像データ)を示すヘッダを付加する。また、受信したパケットは、ヘッダ部分を参照することによって、音声、映像、画像ごとに正しい順序で組立てられてゆき、音声信号処理手段112、画像・映像信号処理手段113に出力される。
【0032】
音声信号処理手段112は、マイク120から入力された音声をA/D変換し、次いで音声コーデックによって圧縮し、圧縮されたデータを通信制御手段111に出力する。また、通信制御手段111において組立てられた音声データを音声コーデックによって伸張し、次いでD/A変換してスピーカ130から出力する。
【0033】
画像・映像信号処理手段113は、映像コーデックを備えており、カメラ140において撮影された映像を圧縮し、圧縮されたデータを通信制御手段111に出力する。また、通信制御手段111において組立てられた映像データを伸張し、表示制御手段114に出力する。また、画像・映像信号処理手段113は、画像コーデックを備えており、通信制御手段111において組立てられた画像データを伸張し、メモリ(制御部110のRAM)に展開する。
【0034】
表示制御手段114は、カメラ140及び画像・映像信号処理手段113から出力された映像データを表示部150に表示可能な所定の態様に変換(拡大、縮小、画像を並べて配置する等)して表示部150のビデオメモリ(図示せず)上に展開し、表示部150に表示させるものである。
【0035】
表示制御手段114は、また、電話の発信時に電話番号を入力するためのテンキーの画像や発信中のダイヤル番号等を生成して表示部に出力する。また、着信時にはデータ制御手段116からの出力に基づいて発信相手の画像データを表示部150に表示可能な所定の態様に変換して表示部150のビデオメモリ上に展開する。
【0036】
表示制御手段114は、さらに、新着表示時に、留守番機能制御手段115からの出力に基づいて発信相手の写真データや映像、着信情報を所定の態様で表示部150のビデオメモリ上に展開する。
【0037】
留守番機能制御手段115は、着信時に呼出し音が所定回数鳴ってもユーザが応答しなかった場合、或いは、着信時に所定時間経過してもユーザが応答しなかった場合に、通信制御手段111に回線接続を指示するとともにメモリ170に記憶した応答メッセージを出力することによって、発信相手のテレビ電話装置に応答メッセージを送信する。応答メッセージは動画及び音声を含むメッセージである。
【0038】
留守番機能制御手段115は、また、応答メッセージを送信した後に、発信相手のテレビ電話装置から送信され、通信制御手段111によって受信された用件メッセージを、データ制御手段116によって取得された発信相手の電話番号に関連付けてメモリ170の用件メッセージ記憶部173に記憶させる。また、メモリ170の応答メッセージ登録部172に記憶された用件メッセージを新着表示として表示部150に表示するための表示指示を表示制御手段114に対して行う。
【0039】
留守番機能制御手段115は、更に、着信があったもののユーザが応答せずに切断された着信の場合や、応答メッセージを送信したものの、発信相手からの用件メッセージを受信しなかった場合に、データ制御手段116が呼び信号から取得した発信相手の電話番号に関連付けられた画像をメモリ170から呼出して新着表示として表示部150に表示するための表示指示を表示制御手段114に対して行う。
【0040】
留守番機能制御手段115は、テレビ電話装置100の留守番電話モードの設定をユーザに求め、その設定をメモリ170に記憶させる。つまり、着信時に応答メッセージを送信するか否か、着信音が何回鳴動した時点で応答メッセージを送信するか、或いは、新着表示をどのように行うかの設定入力を求め、その設定をメモリ170に記憶させる。
【0041】
データ制御手段116は、入力部160からの指示に基づいて、メモリ170に記憶されている電話帳へ電話番号と画像とを関連付けて記憶することによって電話帳の登録を行う。また、データ制御手段116は、着信時にユーザが応答しなかった場合に発信先へ送信される応答メッセージの登録を行う。応答メッセージは、予めカメラ140において撮影された動画とマイク120から入力された音声メッセージ、例えば「只今電話に出ることができません。用件とお名前をお話しください」というような内容の音声メッセージとからなる応答メッセージであり、発信相手に用件メッセージを残すように促すものである。
【0042】
さらに、データ制御手段116は、着信時に、発信相手からの呼び信号に含まれる発信相手の電話番号を取得し、メモリ170に一旦記憶する。また、発信相手の電話番号がメモリ170に記憶されている電話帳に登録されているか検索を行い、登録されている場合には、当該電話番号に関連付けられた画像を抽出し、表示部150に表示するための表示指示を表示制御手段114に対して行う。電話帳に電話番号に関連付けられた画像が登録されていない場合は、電話番号に関連付けられている他の情報、例えば、氏名や電話番号等の表示を指示してもよい。
【0043】
発信相手の電話番号がメモリ170に記憶されている電話帳に登録されていない場合には、データ制御手段116は、取得した電話番号のみを表示するように表示制御手段114に指示する。
【0044】
マイク120において集音された音声は、音声信号に変換され、音声信号処理手段112に出力される。また、音声信号処理手段112から出力された音声信号はスピーカ130において音声に変換され出力される。マイク120とスピーカ130は、テレビ電話装置100に固定的に設けられていてもよいが、ヘッドセットであってもよい。
【0045】
カメラ140は、テレビ電話装置100の通話中にその前にある被写体を撮影するためのものである。通常、テレビ電話装置100の正面にはユーザが位置することになるので、カメラ140においてはユーザが被写体として撮影される。撮影された映像は、画像・映像信号処理手段113に出力される。
【0046】
表示部150は液晶ディスプレイユニットであり、表示制御手段114によって表示部150のビデオメモリ上に展開された映像や画像を表示する。
【0047】
入力部160は、表示部150に一体に形成されたタッチパネルの形をとる。ユーザは表示部150に表示された入力用のアイコンの部位に接触することで入力操作を行う。例えば、電話をかける場合に、入力部160に電話番号を入力するためのテンキーを表示し、ユーザはそのテンキーの該当する部分を指で押すことにより、番号を入力することができる。なお、入力部160は、上記に限られず、テレビ電話装置100を構成する筐体の一部分に形成されたキーやボタンであってもよい。例えば、図3に示したテレビ電話装置100では、筐体の下部に複数のキーやボタンが設けられており、入力部160を構成している。同時に、表示部150はタッチパネルを備えており、タッチパネルを操作することでも入力を行うことが可能である。
【0048】
メモリ170は、フラッシュメモリ或いはハードディスク等である。メモリ170は、電話帳データ171、応答メッセージ登録部172、用件メッセージ記憶部173、モード設定記憶部174から構成されている。
【0049】
電話帳データ171には、電話番号、名前、画像が関連付けられて記憶されるもので、データ制御手段116が入力部160からの指示に基づいて電話番号と画像とを関連付けて記憶することによって電話帳の登録を行う。
【0050】
応答メッセージ登録部172は、着信時に応答しなかった場合に送信相手に自動的に送信する応答メッセージを記憶するものである。この応答メッセージは、予めカメラ140において撮影された動画とマイク120から入力された音声メッセージからなる応答メッセージであり、データ制御手段116によってメモリ170に登録される。
【0051】
用件メッセージ記憶部173には、留守番機能制御手段115が応答メッセージを送信した後に受信した用件メッセージが、データ制御手段116によって取得された発信相手の電話番号、及び着信時刻と関連付けられて記憶される。この用件メッセージは複数記憶される。
【0052】
モード設定記憶部174には、テレビ電話装置100の留守番電話モードの設定が記憶される。すなわち、着信時に応答メッセージを送信するか否か、着信音が何回鳴動した時点で応答メッセージを送信するか、或いは、新着表示をどのように行うかの設定が記憶される。新着表示は、例えば、最新の着信を表示部150に表示する設定、複数の着信があった場合に、複数の送信相手の画像を表示部150に並べて表示する設定、送信相手の画像を数秒間ごとに順に表示する設定、用件メッセージの数秒間のみを表示する設定等であり、これらの設定はユーザが入力部160を操作することによって予め設定される。
【0053】
次に、本実施例のテレビ電話装置100の新着表示の動作について図2〜図6を参照して説明する。なお、図2は、本実施例のテレビ電話装置100における新着表示動作のフローチャートである。また、図3は、本実施例のテレビ電話装置100において着信があった場合のテレビ電話装置とその表示画面の一例を示す図である。図4は、本実施例のテレビ電話装置100において着信があった場合のテレビ電話装置とその表示画面の他の例を示す図である。図5は、本実施例のテレビ電話装置100における新着表示時のテレビ電話装置とその表示画面の一例を示す図である。図6は、本実施例のテレビ電話装置100における新着表示時のテレビ電話装置とその表示画面の他の例を示す図である。
【0054】
図2のステップS201において、データ制御手段116はメモリ170の電話帳データ171に電話番号と画像を関連付けて記憶する。画像は、通常、当該電話番号を所有する人の写真である。電話番号はユーザが入力部160を用いて入力し、画像はユーザが外部から入力したものを用いてもよい。或いは、過去の通話時の電話番号とその際に受信した映像から抽出した画像(写真)を関連付けて登録してもよい。電話帳データ171には、電話番号に対して更に、名前、メッセージデータが関連付けられて登録される。
【0055】
ステップS202において、データ制御手段116はメモリ170の応答メッセージ登録部172に着信時にユーザが応答しなかった場合に発信先へ送信される応答メッセージの登録を行う。応答メッセージは、予めカメラ140において撮影された動画とマイク120から入力された音声メッセージ、例えば「只今電話に出ることができません。用件とお名前をお話しください」というような内容の音声メッセージとからなる応答メッセージであり、発信相手に用件メッセージを残すように促すものである。応答メッセージは、動画と音声メッセージに限られず、静止画像と音声メッセージであってもよいし、予めテレビ電話装置100の応答メッセージ登録部172に登録された音声メッセージと画像或いは映像を含む応答ガイダンスであってもよい。
【0056】
さらに、着信時に応答しなかった場合に上記の応答メッセージを送信するために、ユーザは入力部160を操作してメモリ170のモード設定記憶部174に留守番電話モードを設定する。この際、ユーザは、着信音が何回鳴り続きた時点で、或いは何秒間経過した時点で上記の応答メッセージを送信するか予め設定できるようにしてもよい。
【0057】
ステップS203では、通信制御手段111が発信相手のテレビ電話装置からIP電話網を介した接続要求の受信を待つことによって着信を待機する。次いで、着信があった場合には、ステップS204に進み、番号通知が行われたか否かを判定する。これは発信相手からの呼び信号に発信相手の電話番号が含まれるか否かをデータ制御手段116が判断することによって行われる。ユーザの使用するテレビ電話装置100が番号通知サービスの契約を行っていないとき、或いは発信相手が意図的に電話番号を通知しないときには、発信相手からの呼び信号には電話番号が含まれていない。この場合、ステップS206に進む。
【0058】
発信相手からの呼び信号に発信相手の電話番号が含まれているとデータ制御手段116が判断した場合、ステップS205に進み、データ制御手段116は、メモリ170の電話帳データ171を参照し、発信相手の電話番号を検索する。発信相手の電話番号が登録されている場合、データ制御手段116は発信相手の電話番号に関連付けられた画像(写真)、名前を抽出する。
【0059】
ステップS206において、表示制御手段114は着信を表示するための画像を作成して表示部150のビデオメモリ上に展開する。ステップS205において発信相手の電話番号を取得し、当該電話番号に関連付けられた画像、名前を取得できた場合には、表示制御手段114は、取得した電話番号、画像、名前を所定の表示形式になるように合成し、表示部150のビデオメモリ上に展開する。
【0060】
図3を参照して、このときのテレビ電話装置100の表示部150に表示された着信画像を説明する。表示部150の上部には、データ制御手段116がメモリ170から取得した発信相手の名前の文字表示310、及び電話番号表示320がなされ、表示部の中央部分にはデータ制御手段116がメモリ170から取得した画像330が表示される。さらに、表示部150の下部には着信中であることが分かるように「テレビ電話着信中」等の文字表示340が表示される。
【0061】
ステップS205において発信相手に対応する電話番号が登録されていなかった場合、或いは、電話番号は登録されているものの画像が関連付けて記憶されていなかった場合は、表示部150には画像を表示することはせず、電話番号と、電話番号に関連付けられた名前を取得できた場合には名前を表示部150に表示する。
【0062】
また、番号通知を行わない着信については、表示制御手段114は、図4のような着信画像を表示部150に表示する。
【0063】
ステップS207において、通信制御手段111は、着信に対して応答したか否かを判断する。ユーザが入力部160を操作して着信に応答する(表示部150に表示された着信画像に触れる)と、通常のテレビ電話通話を開始し、本実施例の新着表示動作は終了する。
【0064】
ステップS207において、ユーザが着信に対して応答しない場合、ステップS208に進み、留守番機能制御手段115はメモリ170のモード設定記憶部174を参照し、留守番電話モードが設定されているかを判定する。留守番電話モードが設定されていない場合は、本実施例の新着表示動作は終了する。
【0065】
留守番電話モードが設定されている場合、留守番機能制御手段115は、メモリ170のモード設定記憶部174を参照して、予め設定された回数着信音が鳴るのを待ってから、或いは、予め設定された時間待ってからステップS209に進み、メモリ170の応答メッセージ登録部172に登録された応答メッセージを通信制御手段111に出力し、発信相手に送信する。応答メッセージは前述したように、動画と音声メッセージで構成される。
【0066】
続くステップS210において、留守番機能制御手段115は発信相手からの用件メッセージの受信があるか否かを判定する。用件メッセージがあると判定すると、ステップS211において、留守番機能制御手段115は、通信制御手段111を介して受信した用件メッセージを、メモリ170の用件メッセージ記憶部173に記憶する。この際、着信時にデータ制御手段116が発信相手の電話番号を取得していればその電話番号と用件メッセージを関連付けて用件メッセージ記憶部173に出力して記憶する。
【0067】
ステップS212において、留守番機能制御手段115は、メモリ170の応答メッセージ登録部172に記憶された用件メッセージを新着表示として表示部150に表示するための表示指示を画像・映像制御手段113及び表示制御手段114に対して行い、本実施例の新着表示動作を終了する。
【0068】
具体的には、メモリ170の応答メッセージ登録部172に記憶された用件メッセージから、画像・映像制御手段113が画像をキャプチャし、表示制御手段114に出力する。加えて、表示制御手段114は、キャプチャされた画像と、用件メッセージを記憶した日時、データ制御手段116が着信時に電話番号を取得できた場合には電話番号と名前を所定の表示態様に構成し、表示部150のビデオメモリ上に展開する。
【0069】
図5を参照して、このときのテレビ電話装置100の表示部150に表示される新着表示画像を説明する。表示部150の左側には用件メッセージからキャプチャされた画像510が表示される。また、表示部150の右側には、「着信がありました」のような着信があった旨を示す表示520、用件メッセージを記憶した日時、電話番号、名前等の表示530、さらに、用件メッセージが複数記憶されている場合にはその件数を示す表示540が表示される。
【0070】
データ制御手段116が着信時に電話番号を取得できなかった場合には電話番号と名前は表示されず、用件メッセージからキャプチャされた画像510と着信があった旨をしめす表示520、及びその日時の表示530で表示画面が構成される。
【0071】
ステップS210において、留守番機能制御手段115が発信相手からの用件メッセージの受信がなかったと判定した場合(発信相手が用件メッセージを残さずに回線を切断した場合)、ステップS213に進み、着信時にデータ制御手段116が発信相手の電話番号を取得した場合には、留守番機能制御手段115はその電話番号と着信日時を着信表示として表示部150に表示するための表示指示を表示制御手段114に対して行う。
【0072】
ここで、発信相手の電話番号が取得されている場合には、留守番機能制御手段115はデータ制御手段116にメモリ170の電話帳データ171を参照して電話番号に関連付けられた画像を取得して表示制御手段114に出力させる指示を行い、処理を終了する。
【0073】
これにより、発信相手が用件メッセージを残さなかった場合でも、図5に示すような新着表示を表示部150に対して行うことが可能となる。すなわち、図5の表示部150の左側には、用件メッセージからキャプチャされた画像に代えて電話帳データ171から取得された画像510が表示されることになる。
【0074】
なお、データ制御手段116が着信時に発信相手の電話番号を取得できず、且つ発信相手が用件メッセージを残さなかった場合、発信相手を確認できないので、新着表示は行わない。
【0075】
図5に示したように、本実施例では、新着表示を行う方法として、用件メッセージからキャプチャされた画像、或いは発信相手の電話番号に関連付けられた画像を表示部150に表示することによって、ユーザは誰からの用件メッセージが残されているのか、或いは誰からの着信があったのかを入力部160を操作することなく表示部150を視認するだけで瞬時に識別することができるようになる。
【0076】
図5では、新着表示を行う方法として、用件メッセージからキャプチャされた画像、或いは発信相手の電話番号に関連付けられた画像と、それに関連する文字情報(日時、名前、電話番号等)で表示部150に表示する表示画面を構成していた。しかしながら、本発明はこれに限られず、画像のみを表示するようにしてもよい。その場合、テレビ電話装置100のフォトフレーム機能で作成したオリジナルのフレームに上記の画像をはめ込み表示させる。
【0077】
さらに、図5では、新着表示を行う方法として、用件メッセージからキャプチャされた画像、或いは発信相手の電話番号に関連付けられた静止画像を表示部150に表示していた。しかしながら、本発明はこれに限られず、用件メッセージから所定の時間だけキャプチャされた動画であってもよいし、発信相手の電話番号に関連付けられてメモリ170の電話帳データ171に記憶された動画であってもよい。
【0078】
さらに、着信が複数あった場合に、それぞれの着信に対する用件メッセージ、或いは着信のあった電話番号を用件メッセージ記憶部173に記憶しておき、最新に記憶された用件メッセージからキャプチャされた画像、或いは最新に記憶された電話番号に関連付けられた画像を表示部150に表示するようにしてもよい。
【0079】
また、着信が複数あった場合に、それぞれの着信に対する用件メッセージ、或いは着信のあった電話番号を用件メッセージ記憶部173に記憶しておき、それぞれの用件メッセージからキャプチャされた画像、或いは着信時に記憶された電話番号に関連付けられた画像を表示部150に並べて表示するようにしてもよい。図6では、最新に記憶された用件メッセージからキャプチャされた画像610、或いは最新に着信として記憶された電話番号に関連付けられた画像610が、それよりも前に記憶された用件メッセージからキャプチャされた複数の画像640、或いは以前に記憶された着信電話番号に関連付けられた画像640が並べて表示してある。最新に記憶された用件メッセージからキャプチャされた画像610、或いは最新の着信電話番号に関連付けられた画像610は、他の画像640よりも大きく表示されている。
【0080】
さらに、着信が複数あった場合に、それぞれの用件メッセージからキャプチャされた画像や着信電話番号に関連付けられた画像を数秒間ずつ順に表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0081】
100 テレビ電話装置
111 通信制御手段
112 音声信号制御手段
113 画像・映像制御手段
114 表示制御手段
115 留守番機能制御手段
116 データ制御手段
120 マイク
130 スピーカ
140 カメラ
150 表示部
160 入力部
170 メモリ
171 電話帳データ
172 応答メッセージ登録部
173 用件メッセージ記憶部
174 モード設定記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、発信してきた相手先に関する画像、又は/及び発信してきた相手先から受信した画像又は動画メッセージを記憶する記憶部と、通信制御手段と、を備え、前記発信してきた相手先からの画像又は動画メッセージを前記通信制御手段によって受信し、前記表示部に表示するテレビ電話装置であって、
前記テレビ電話装置は留守番機能制御手段を備え、
前記留守番機能制御手段は、前記着信に対する非応答時に、前記記憶部に記憶された発信してきた相手先に関する画像、又は/及び発信してきた相手先から受信した動画メッセージを取得して前記表示部に新着表示として表示することを特徴とする留守番電話機能付きテレビ電話装置。
【請求項2】
前記テレビ電話装置は、着信時に発信してきた相手先からの呼び信号に含まれる発信してきた相手先の電話番号を取得するデータ制御手段を備え、前記記憶部には、電話番号とそれに関連付けられた画像が電話帳として予め記憶され、
着信時に、前記データ制御手段は、着信信号から前記発信してきた相手先の電話番号を取得し、前記留守番機能制御手段は、前記着信に対する非応答時に、前記記憶部の電話帳の中から前記電話番号に関連付けられて記憶された前記画像を取得して前記表示部に新着表示として表示することを特徴とする請求項1に記載の留守番電話機能付きテレビ電話装置。
【請求項3】
前記留守番機能制御手段は、前記着信に対する非応答時に、前記通信制御手段によって受信した前記発信してきた相手先からの動画メッセージを記憶し、前記動画メッセージの少なくとも一部を前記表示部に新着表示として表示することを特徴とする請求項1に記載の留守番電話機能付きテレビ電話装置。
【請求項4】
前記留守番機能制御手段は、前記記憶部に記憶された動画メッセージから静止画像を生成して前記表示部に新着表示として表示することを特徴とする請求項3に記載の留守番電話機能付きテレビ電話装置。
【請求項5】
前記留守番機能制御手段は、前記画像又は/及び前記動画メッセージと前記電話番号を関連付けて記憶し、前記表示部に新着表示として前記画像或いは前記動画メッセージを表示する際に、前記電話番号をともに表示することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の留守番電話機能付きテレビ電話装置。
【請求項6】
前記留守番機能制御手段は、複数の着信に対して非応答であった場合に、前記記憶部に前記非応答の着信電話番号それぞれに関連付けられて記憶された画像又は動画を取得して前記表示部に新着表示として並べて表示することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の留守番電話機能付きテレビ電話装置。
【請求項7】
前記留守番機能制御手段は、複数の着信に対して非応答であった場合に、前記記憶部に前記非応答の着信電話番号それぞれに関連付けられて記憶された画像又は動画を取得して前記表示部に新着表示として順に表示することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の留守番電話機能付きテレビ電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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