説明

畜肉加工品とチーズの個包装製品

【目的】 畜肉加工品をチーズと合わせ、一粒づつ真空包装して殺菌することによって新しい機能を持った個包装製品を作る。
【構成】 ハム、ソーセージ、ハンバーグ、焼き豚のような畜肉加工品を一口サイズに成形し、チーズと合わせて一粒づつ真空包装し、殺菌してできる製品は、新しい味と形と機能を持った個包装製品である。
【効果】 本考案の製品は、チーズの味とよく合って美味しく、茶と白の配色も良く、おやつやつまみに向く畜肉の新規な製品展開ができた。更に一粒づつが個包装製品のために、包装も流通も保存も安全で容易になり、開封残りの心配の解消もできた。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は畜肉加工品とチーズとの個包装に係わるものである。
【0002】
かつお角煮・まぐろ角煮や魚介加工品とチーズを重ね合わせて個包装にした製品の実用新案登録は石原水産(株)から既に提出されているが、同様な方法で畜肉加工品を製品化しようとするものである。
【0003】
【従来の技術】
本考案は、平成5年8月11日に石原水産(株)が実用新案を登録し、製品を発売したかつお角煮製品を元にしている。それは、かつおの節のロインをボイルし、薄く輪切りにし、薄味の佃煮風に煮たかつお角煮である。
【0004】
このかつお角煮を一粒づつ真空包装して、個包装とも言うべき包装形態にした製品を作ったのである。深絞り包装機等によって真空包装したものである。
【0005】
石原水産(株)は更に、このかつお角煮にチーズを合わせて封入したチーズかつお角煮の個包装製品を発売し、平成7年3月20日に実用新案登録をした。
【0006】
石原水産(株)は更に、まぐろ角煮にチーズを合わせて封入したチーズまぐろ角煮の個包装製品を平成7年11月17日に実用新案登録をした。
【0007】
石原水産(株)は更に、海産物加工品にチーズを合わせて封入した個包装製品を平成7年11月17日に実用新案登録をした。
【0008】
これらはいずれも新しい考案による製品なので、他に類似製品のない新規な製品として石原水産(株)が独自で製造販売している。
【0009】
これらの製品は、魚の加工品とチーズの味が調和して味が良く、ソフトで食べ易く、暗色の魚の加工品がチーズと重ね合わせることによって色合いの良い、美味しそうな製品に仕上り、魚の新しい消費を喚起した。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、従来はかつおやまぐろを主にした魚の加工品であったのに対して、畜肉加工品にまで素材の範囲を拡大することによって、新規な味と形状をもった製品で、現代の嗜好と使い方に合う製品を作って、新しい需要を喚起しようとするものである。
【0011】
【問題を解決するための手段】
本考案による製品は、個包装というべき製品の包装形態に特徴がある。
製品は、深絞り真空包装機によって熱可塑性のあるプラスチックフィルムを熱軟化させて成形し、製品を入れて真空包装し、殺菌する。
【0012】
個包装製品は一口サイズの小型で、簡便で、保存性が良く、魚の角煮類の製品で採用されて、新しい需要を喚起している。
【0013】
畜肉加工品とチーズと重ね合わせることによって、味と形状を変え、包装形態も変えた新しい機能を持った製品ができる。本考案は素材を魚から畜肉加工品に変えることによって、更に新しい製品を作ろうとするものである。
【0014】
【作用】
本考案は、縦20〜40mm、横20〜40mm位で面積が10cm2位、厚さ8mm位の方形の板状チーズを使う。
【0015】
そして、これと同じ位の大きさの畜肉加工品を作り、両者を重ね合わせて深絞り包装をする。
【図1を参照】
【0016】
なお、チーズや畜肉加工品の形は方形が合理的であるが、円形、多角形や菱形、模様型等の変形もできるし、チーズと畜肉加工品が同形でない製品もできる。
【0017】
チーズは製品の加熱殺菌温度に耐えられる耐熱性が要求される。殺菌温度は80〜100℃位で、チーズが軟化して角が取れ、両者が密着して外観の良い一体化した製品ができあがる。
【図2を参照】
【0018】
畜肉加工品が本考案の対象であるが、畜肉とは牛、豚、馬、羊、鶏等の家畜の肉が素材となる。
【0019】
これらの加工品は、そのまま食べられるように味を付けてあって、食べ易い柔らかさの水分が40%前後のもので、既に蛋白質が熱変性していて、小型板状に成形できるものになる。
【0020】
このような加工品を例示すれば、ハム、ソーセージ、ベーコン、ハンバーグ、焼き豚等の畜肉加工品であり、これを一口サイズに成形する。
【0021】
【実施例 1】
角形プレスハムを4つ割りした角柱状のものを8mm位の厚さにスライスして小片を作る。これとほぼ同じ形に成形したチーズと合わせて、深絞り真空包装機によって包装する。
【0022】
これを80℃で40分間殺菌すれば、チーズとハムの個包装製品ができる。
【0023】
【実施例 2】
牛のこまぎれ肉に味付けし、直径約3cmのケーシングに詰める。これをクッキングした後燻煙または熱風乾燥し、約8mmの厚さにスライスすれば、小型の円盤状の牛肉の味付け加工品ができる。
【0024】
牛肉の調味配合は次のように例示できる。
牛のこまぎれ肉 750kg 植物蛋白 50 砂 糖 20 醤 油 25 調味料 40 香辛料 25 その他 30 水 60 合計 1000kg
【0025】
これにチーズを合わせて、深絞り包装機で一粒づつ真空包装し、殺菌する。
これはビーフとチーズの丸形の個包装製品である。
【0026】
【実施例 3】
鶏のこまぎれ肉に調味料を加え、良く摺ったスケソウすり身と混合する。
これを幅40cm、厚さ1cmの板状に押し出し成形し、コンベアー式焼き網に帯状に流して焼き上げる。
【0027】
鶏肉の調味配合を例示すればは次のようになる。
鶏のこまぎれ肉 700kg スケソウすり身 100 植物蛋白 40 水 50 砂 糖 20 食 塩 15 油 脂 20 香辛料 15 その他 40 合計 1000kg
【0028】
この板状の鶏の加工品を2×3cmの長方形にして、同型のチ−ズと合わせ、深絞り機で包装し、殺菌する。
これはチキンとチーズの個包装製品である。
【0029】
【考案の効果】
畜肉加工品にチーズを組み合わせる本考案によって、畜肉加工品の新しい用途ができた。
【0030】
また、畜肉加工品とチーズの味がよく合って従来は無かった美味しい味の製品ができた。
【0031】
畜肉加工品の色は大抵暗色で目立たないが、これに白色のチーズが乗ると明るく目立った色彩になって、外観が良くなり、見て美味しそうな製品ができた。
【0032】
畜肉加工品がソフトで、どこでも、一口で、おやつやおつまみやお菓子のように食べられる製品になったことは、本考案の素晴らしい効果である。
【0033】
そして、個包装することによって製造、流通、販売、消費の各段階で便利で、扱い易く、衛生的に安全で、日持ちの良い新しい機能を持った製品ができ上がったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の畜肉加工品とチーズの素材形状図
【図2】本考案の個包装製品図

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 薄型の畜肉加工品と薄型のチーズを合わせ、これを真空包装して加熱殺菌することにより両者が一体化して得られる、チーズと畜肉加工品の個包装製品。

【図1】
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【図2】
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