説明

畝成形作業機

【課題】 耕耘ロータリ20が上下動しても畝成形体22は上下動することなく所定の高さの畝の側面を成形する成形位置に維持でき、畝の表面に凹凸部が形成されず所定の高さの畝の側面を整然と成形できる畝成形作業機を提供する。
【解決手段】 作業機本体2と、作業機本体2に設けた回転駆動軸7と、回転駆動軸7を中心に上下方向に回動可能に設け回転駆動軸7の出力により回転駆動す耕耘ロータリ20を備えた伝動ケース19と、作業機本体2に設け耕耘ロータリ20の後方に位置し耕耘ロータリ20により耕耘された耕耘土を畝盛りして畝の側面を成形する畝成形体22を支持した畝成形体支持手段23とを具備する。伝動ケース19に一端部を回動自在に軸支するとともに他端部を畝成形体支持手段23に回動自在に軸支し、伝動ケース19により耕耘ロータリ20を畝成形体22から独立して上下方向に回動可能とした一対のリンク47を設けた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は畝成形作業機に係り、畝立て成形または畝に培土して畝を成形するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の畝成形作業機としては、たとえば、実公平1−42966号公報に記載されているように、作業機本体にこの作業機本体に設けた回転駆動軸を中心として耕耘ロータリを下端部に有する伝動ケースを上下動自在に設け、この伝動ケースをダンパーにて前記作業機本体に上下動自在に支持し、前記耕耘ロータリの後方に位置して前記耕耘ロータリにより耕耘された耕耘土を培土して畝を成形する畝成形体を設け、前記作業機本体の後端部に平行リンクにて前記畝成形体を上下動自在に設け、前記伝動ケースに一端部を枢支したロッドの他端側を前記畝成形体の機枠に枢着した雌螺子部材に螺合する構成が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に記載された構成では、畝成形体側の雌螺子部材にロッドを進退動して耕耘ロータリに対して平行リンクにて畝成形体の高さを水平に上下動調整する構成で、耕耘ロータリを有する伝動ケースと高さ調整された畝成形体とはロッドにて連結固定されているため、耕耘ロータリにて耕土を耕耘するときに耕耘ロータリが石等の固い雑物に当接して上下動すると、この耕耘ロータリに連動されるロッドにて畝成形体が上下動され、この畝成形体の畝を成形する成形位置が上下動され、土量も変化することと相俟って成形された畝の表面に凹凸部が形成され、所定の高さの畝の側面を整然と成形することができないことがある、という問題がある。
【0004】本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、耕耘ロータリが負荷変動により上下動しても、畝成形体は上下動されることなく常時所定の高さの畝の側面を成形する成形位置に維持でき、畝の表面に凹凸部が形成されることがなく、所定の高さの畝の側面を整然と成形できる畝成形作業機を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の畝成形作業機は、作業機本体と、この作業機本体に設けられた回転駆動軸と、この回転駆動軸を中心に上下方向に回動可能に設けられ前記回転駆動軸からの出力により回転駆動される耕耘ロータリを備えた伝動ケースと、前記作業機本体に設けられ前記耕耘ロータリの後方に位置してこの耕耘ロータリにより耕耘された耕耘土を畝盛りして畝の側面を成形する畝成形体を支持した畝成形体支持手段とを具備し、前記伝動ケースに一端部を回動自在に軸支するとともに他端部を前記畝成形体支持手段に回動自在に軸支し、前記伝動ケースにより前記耕耘ロータリを前記畝成形体から独立して上下方向に回動可能とした一対のリンクを設けたものである。
【0006】そして、作業機本体が進行されるとともに、この作業機本体に設けられた回転駆動軸からの出力により耕耘ロータリが回転駆動されると、この耕耘ロータリにて耕土が順次耕耘されるとともに、畝成形体にて耕耘ロータリにより耕耘された耕耘土が畝盛りされ、所定の高さの畝の側面が順次成形される。
【0007】また、耕耘ロータリが石等の固い雑物に当接して耕耘ロータリに対する負荷が変動すると、伝動ケースにより耕耘ロータリが上下方向に回動されるとともに、この耕耘ロータリに連動される伝動ケースが一対のリンクを回動しながら回転駆動軸を中心として上下方向に回動される。
【0008】このとき、この一対のリンクは一端部が伝動ケースに他端部が畝成形体支持手段にそれぞれ回動自在に軸支されていることにより、伝動ケースにて一対のリンクが回動されても、この一対のリンクにて畝成形体支持手段が伝動ケースに連動されることがなく、この畝成形体支持手段に支持した畝成形体が傾いたり上下動することなく畝成形体は畝の側面を成形する所定の作用深さの成形位置に維持される。
【0009】したがって、耕耘ロータリに対する負荷変動に応じてこの耕耘ロータリが上下方向に回動しても、この耕耘ロータリは畝成形体から独立して上下方向に回動され、畝成形体が耕耘ロータリの回動に連動されることがなく、畝成形体は一対のリンクにて常時畝の側面を成形する所定の深さの成形位置に維持され、この畝成形体にて畝の表面に凹凸部が形成されることなく所定の高さの畝の側面が順次成形される。
【0010】請求項2記載の畝成形作業機は、請求項1記載の畝成形作業機において、畝成形体支持手段は、作業機本体に支持され畝成形体が押上げられたときにこの畝成形体を下方に向かって附勢する第1の支持体と、この第1の支持体に回動可能に支持され畝成形体を支持した第2の支持体とを有し、一対のリンクは、上下に配置された第1のリンクと第2のリンクとを備え、前記第1のリンク及び第2のリンクは一端部を耕耘ロータリを備えた伝動ケースの上下にそれぞれ回動自在に軸支するとともに他端部を前記第2の支持体の上下にそれぞれ回動自在に軸支し、この一対のリンクにて前記耕耘ロータリを前記畝成形体から独立して上下方向に回動可能としたものである。
【0011】そして、畝成形体を支持した第2の支持体は作業機本体に畝成形体を下方に向かって附勢する第1の支持体に回動可能に支持されているとともに、この第2の支持体は一対のリンクにて支持されていることにより、第1の支持体にて畝成形体が土圧を受けて押上げられることを防止されるとともに、この第1の支持体及び一対のリンクにて畝成形体が畝の側面を成形する成形位置に維持された状態で進行される。
【0012】また、耕耘ロータリが石等の固い雑物に当接して耕耘ロータリに対する負荷が変動すると、伝動ケースにより耕耘ロータリが上下方向に回動されるとともに、この耕耘ロータリに連動される伝動ケースが第1及び第2のリンクをそれぞれ回動しながら回転駆動軸を中心として上下方向に回動される。
【0013】このとき、この第1及び第2のリンクは一端部が伝動ケースの上下に他端部が第2の支持体の上下にそれぞれ回動自在に軸支されていることにより、伝動ケースにて第1及び第2のリンクがそれぞれ回動されても、この第1及び第2のリンクにて第2の支持体が伝動ケースに連動されて回動されることがなく、この第2の支持体に支持された畝成形体が傾いたり上下動されることなく畝成形体は畝の側面を成形する所定の作用深さの成形位置に確実に維持される。
【0014】請求項3記載の畝成形作業機は、請求項2記載の畝成形作業機において、畝成形体は、第2の支持体に上下方向に位置調節自在に設けたものである。
【0015】そして、第2の支持体に対して畝成形体を上下方向に位置を調節し、この畝成形体を畝を成形する所定の高さ位置に固定することにより、この畝成形体にて所定の高さの畝の側面が順次成形される。
【0016】請求項4記載の畝成形作業機は、請求項1乃至3のいずれかに記載の畝成形作業機において、畝成形体は、隣接する畝の側面を成形する畝成形板を両側に有するものである。
【0017】そして、両側の畝成形板にて隣接する畝の側面が同時に成形される。
【0018】請求項5記載の畝成形作業機は、請求項4記載の畝成形作業機において、両側の畝成形板は、隣接する畝の上面を成形する上面成形部をそれぞれ有するものである。
【0019】そして、両側の畝成形板及びこの両側の畝成形板の上面成形部にて隣接する畝の側面及び上面がそれぞれ同時に成形される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】1は畝成形作業機で、この畝成形作業機1は、作業機本体2と、この作業機本体2に並設された複数の畝を成形する複数の畝成形機体3とを有している。
【0022】前記作業機本体2は、左右方向の中空丸パイプ状の主フレーム4を有し、この主フレーム4にはミッション装置5が設けられ、このミッション装置5は、前方に向かって回転自在に突出された入力軸6及びこの入力軸6に歯車機構(図示せず)にて連動連結され前記主フレーム4内に回転自在に挿通された回転駆動軸7をそれぞれ有している。
【0023】そして、前記作業機本体2に前記回転駆動軸7が回転自在に設けられ、この回転駆動軸7にて後述する耕耘ロータリを回転駆動するようになっている。前記入力軸6はトラクタの動力取出軸に着脱自在に連結されるようになっている。
【0024】また、前記主フレーム4の両端部に側端板8が相対してそれぞれ固定され、この両側端板8に前記主フレーム4に平行に配置された左右方向の中空角パイプ状の固定フレーム9が固定され、この固定フレーム9の両端部及び中間部には後方に向かって突出した第1の吊持フレーム10及びこの第1の吊持フレーム10に固定されこの第1の吊持フレーム10から後方に向かって突出した第2の吊持フレーム11がそれぞれ固定されている。
【0025】また、前記固定フレーム9の両側部に前下方に向かって突出したロワアーム12がそれぞれ固定されているとともに、この固定フレーム9の中間部に前上方に向かって突出したトップアーム13が固定されている。そして、前記両ロワアーム12は先端部に連結部12a をそれぞれ有するとともに、前記トップアーム13は先端部に連結部13a を有している。これらの連結部12a ,13a はトラクタの三点連結部に着脱自在に連結されるようになっている。
【0026】さらに、前記両側端板8に前方に向かって突出した支持アーム14がそれぞれ固定され、この両支持アーム14の先端部に固定されたホルダー15内に接地輪16を下端部に回転自在に軸支した支柱17がそれぞれ上下方向に位置調節自在に挿通され、これらの支柱17は所定の位置で前記ホルダー15に抜き差し自在の固定ピン18にて固定されている。
【0027】つぎに、前記複数の畝成形機体3は、前記回転駆動軸7を中心として上下方向に回動可能に設けられた上下方向の伝動ケース19と、この伝動ケース19の下端部に回転自在に設けられ前記回転駆動軸7からの出力により回転駆動されて耕土を耕耘する耕耘ロータリ20と、前記作業機本体2の第1の吊持フレーム10に前記伝動ケース19を上下方向に回動可能に支持する伝動ケース支持手段21と、前記耕耘ロータリ20の後方に設けられ前記耕耘ロータリ20により耕耘された耕耘土を畝盛りして畝の側面を成形する畝成形体22と、前記作業機本体2の第2の吊持フレーム11に前記畝成形体22を支持する畝成形体支持手段23と、前記耕耘ロータリ20の負荷変動に応じて前記畝成形体22から独立して前記耕耘ロータリ20を上下方向に回動可能にした一対のリンク47とをそれぞれ備えている。
【0028】前記耕耘ロータリ20を有する各伝動ケース19は、上下方向に長い中空のケース部材にてそれぞれ形成され、その上端部が前記回転駆動軸7を中心として上下方向に回動可能に前記主フレーム4にそれぞれ嵌合され、その下端部に前記耕耘ロータリ20がそれぞれ回転自在に設けられ、これらの各耕耘ロータリ20は前記回転駆動軸7からの出力により前記伝動ケース19内に設けられた連動媒体(図示せず)を介してそれぞれ回転駆動されるようになっている。
【0029】また、前記各伝動ケース19の後側部には上下方向の略中間部にコ字形状の第1の取付支枠24がそれぞれ固定され、この第1の取付支枠24の上方に位置して前記各伝動ケース19の後側部にはコ字形状の第2の取付支枠25がそれぞれ固定され、この第2の取付支枠25の下方に位置して前記各伝動ケース19の両側には固定フレーム26がそれぞれ相対して固定され、この両側の固定フレーム26に板状の第3の取付支枠27がそれぞれ固定されている。
【0030】つぎに、前記各耕耘ロータリ20は、前記各伝動ケース19の下端部に中間部が回転自在に軸支された左右方向の回転軸28と、この回転軸28にこの回転軸28の軸方向に間隔をおいて固定された複数のフランジ29と、これらの各フランジ29に放射状に着脱自在に固定された複数の耕耘爪30とを有している。
【0031】また、前記各伝動ケース19は、前記耕耘ロータリ20の上方及び側方を被覆する固定カバー体31をそれぞれ有している。前記各固定カバー体31は、前記耕耘ロータリ20の上方を被覆する天板32と、この天板32の両側部に固定され前記耕耘ロータリ20の側方を被覆する側板33とをそれぞれ有している。また、前記各天板32は前記各伝動ケース19を挿通した挿通口34をそれぞれ有し、これらの挿通口34の開口縁部に前記両側の固定フレーム26がそれぞれ固定されている。
【0032】さらに、前記各固定カバー体31は、この固定カバー体31の後端部に可動カバー35をそれぞれ有し、これら可動カバー35は前記天板32の後端部に支軸36にて上下方向に回動可能に軸支されている。また、前記各可動カバー35には左右方向の略中間部に後方に開口した挿通口37がそれぞれ形成されているとともに、これらの各可動カバー35の後端部に上方に向かって折り曲げた折曲片38がそれぞれ形成されている。そして、前記可動カバー35にて前記天板32の後方において前記耕耘ロータリ20の後側上方と前記畝成形体22の前側上方との間を被覆するようになっている。
【0033】つぎに、前記各伝動ケース支持手段21は、前記作業機本体2の第1の吊持フレーム10に支軸39にて回動自在に軸支されたガイド体40と、このガイド体40に上下動自在に挿通され前記伝動ケース19の第1の取付支枠24を支軸41にて下端部に回動自在に軸支した上下動杆42と、前記ガイド体40の上下に位置して前記上下動杆42にそれぞれ設けられこの上下動杆42を上下動可能に支持する上下のコイルスプリング43,44とを有している。
【0034】前記ガイド体40は、中空円筒状に形成され、その両側部が前記支軸39にて前記第1の吊持フレーム10の先端部に回動自在に軸支されている。また、前記上下動杆42は、その上端部に上下方向に位置調節自在に設けられた第1のストッパー45を有するとともに、その下端側に上下方向に位置調節自在に設けられた第2のストッパー46を有し、さらに、その下端部に前記支軸41を回動自在に軸支した円筒状の軸支部42a を有している。
【0035】また、前記第1のストッパー45に前記上部のコイルスプリング43の一端部が当接されているとともに、前記ガイド体40の上面部に前記上部のコイルスプリング43の他端部が当接されている。また、前記第2のストッパー46に前記下部のコイルスプリング44の一端部が当接されているとともに、前記ガイド体40の下面部に前記下部のコイルスプリング43の他端部が当接されている。
【0036】そして、前記ガイド体40及び上下の第1のストッパー45と第2のストッパー46とにより挟持された上下のコイルスプリング43,44にて前記上下動杆42が前記ガイド体40に弾性的に上下動可能に支持され、この上下動杆42にて前記伝動ケース19が前記回転駆動軸7を中心として上下方向に回動可能に支持され、かつ、この伝動ケース19の下端部の耕耘ロータリ20が前記回転駆動軸7を中心として上下方向に回動可能に支持されている。
【0037】したがって、前記伝動ケース19は、進行方向に対して後側下方に向かって傾斜した状態で前記伝動ケース支持手段21にて前記作業機本体2に前記回転駆動軸7を中心として上下方向に回動可能に支持されている。そして、前記耕耘ロータリ20に対する負荷変動に伝動ケース19が連動されると、この伝動ケース19により前記上下動杆42が上下のコイルスプリング43,44のうちの一方に抗して上下動されるようになっている。
【0038】つぎに、前記各畝成形体22は、畝成形本体81と、この畝成形本体81に固定され前記耕耘ロータリ20にて耕耘された耕耘土を両側に振り分ける先端部から後方に向かって拡開形成された平面視略山形状の耕耘土振分部48と、この耕耘土振分部48に連続して後方に向かって拡開した状態で開閉可能に設けられ隣接する畝の側面を成形する両側の畝成形板49と、隣接する畝の上面を成形する両側の板状の上面成形部50と、前記耕耘土振分部48内に位置して前記畝成形本体81に固定された上下方向の支柱51とを有している。
【0039】そして、前記耕耘土振分部48は、板状部材にて先端部から後方に向かって拡開形成された平面視略山形状に折曲して形成された振分板48a を両側にそれぞれ有するとともに、この両側の振分板48a の下端部にこの両側の振分板48a に一体に固定された着地体48b を有している。
【0040】また、前記両側の畝成形体49は、耕耘土を畝盛り方向に誘導する開閉可能な両側の畝盛り誘導板部49a と、この両側の畝盛り誘導板部49a にて誘導された耕耘土を押圧して隣接する畝の側面を成形する両側の畝成形板部49b とを有している。そして、前記両側の畝盛り誘導板部49a は、前記両側の振分板48a の後端部に先端部が連設されているとともに、この先端部を支点として開閉可能に設けられている。また、この両側の畝盛り誘導板部49a は先端側が幅広く後端側を幅狭まくした形状に形成され、前記両側の振分板48a の後端側から後側上方に向かって傾斜した状態で突出されている。
【0041】また、前記両側の畝成形板部49b は、前記両側の畝盛り誘導板部49a の下方に位置して前記畝成形本体81に固定され、前記両側の畝盛り誘導板部49a の下端部に沿って先端側が連続状に配置されているとともに、先端部から後方に向かって拡開形成され、かつ、畝を成形する側に耕耘土を誘導押圧して畝の側面を成形する成形部が円弧状に湾曲して形成されている。そして、この両側の畝成形板部49b にて隣接する畝の側面をそれぞれ下方に向かって拡開して傾斜した状態に成形するようになっている。
【0042】また、前記両側の上面成形部50は、前記両側の畝盛り誘導板部49a の後端部にそれぞれ固定されて後方に向かって突出されているとともに、この両側の畝盛り誘導板部49a の後端部に突設された支持片50a にて途中が支持されている。この支持片50a は後端側に内方に向かって折り曲げ形成された支持片部50b を有し、この支持片部50b にて前記上面成形部50が湾曲したときに、この上面成形部50の湾曲部を支持するようになっている。前記両側の上面成形部50はゴム板等の弾性変形可能な部材にて矩形状に形成されている。そして、前記両側の上面成形部50にて隣接する畝の上面を成形するようになっている。
【0043】さらに、前記両側の畝盛り誘導板部49a には前記支柱51を中心として両側に支軸52にて支持片53の一端部がそれぞれ回動自在に軸支され、この両側の支持片53の他端側にこれら支持片53の長さ方向に間隔をおいて複数の調節孔54がそれぞれ形成されている。また、前記支柱51の下部には前記両側の支持片53の選択した位置の互いに連通する調節孔54に挿通する固定ねじ55が着脱可能に螺着されこの固定ねじ55はハンドル55a を有している。
【0044】そして、前記両側の畝盛り誘導板部49a の耕耘土誘導角度を開閉調節し、前記両側の支持片53の他端側を交差し、選択した位置の互いに連通する調節孔54に挿通した固定ねじ55を前記支柱51の下部に螺着することにより、この両側の支持片53にて両側の畝盛り誘導板部49a が耕耘土を誘導する所定の誘導角度に調節されて固定されるようになっている。
【0045】そして、複数の畝成形機体3のうち、一個の畝成形機体3の両側の畝成形板49にて隣接する所定の高さの畝の側面をそれぞれ同時に成形し、複数の畝成形機体3のうち、隣接する畝成形機体3の畝成形体22の相対する畝成形板49にて一条の畝の両側面をそれぞれ同時に成形するとともに、これらの相対する畝成形板49の上端部の上面成形部50にて一条の畝の上面両側をそれぞれ同時に成形するようになっている。
【0046】つぎに、前記畝成形体22を有する畝成形体支持手段23は、前記作業機本体2の前記第2の吊持フレーム11に回動自在に軸支されたガイド体56と、このガイド体56内に上下動可能に設けられ前記畝成形体22が土圧を受けて押上げられたときこの畝成形体22を下方に向かって附勢する第1の支持体57と、この第1の支持体57に回動可能に支持され前記畝成形体22を有する第2の支持体58とを有している。
【0047】前記ガイド体56は、中空円筒状に形成され、その両側部が前記第2の吊持フレーム11の先端部に支軸59にて回動自在に軸支されている。
【0048】また、前記第1の支持体57は、前記ガイド体56内に上下動自在に挿通された上下動杆60と、前記ガイド体56の上下に位置して前記上下動杆60にそれぞれ設けられこの上下動杆60を上下動可能に支持する上下のコイルスプリング61,62とを有し、かつ、この下部のコイルスプリング62にて前記畝成形体22が土圧を受けて押上げられたときこの畝成形体22を下方に向かって附勢するようになっている。
【0049】そして、前記上下動杆60は、この上下動杆60の上端部に上下方向に位置調節自在に設けられた第1のストッパー63を有するとともに、この上下動杆60の下端側に上下方向に位置調節自在に設けられた第2のストッパー64を有し、さらに、その下端部に前記第2の支持体58に軸支された支軸65を回動自在に軸支した円筒状の軸支部66を有している。
【0050】また、前記第1のストッパー63に前記上部のコイルスプリング61の一端部が当接されているとともに、前記ガイド体56の上面部に前記上部のコイルスプリング61の他端部が当接されている。また、前記第2のストッパー64に前記下部のコイルスプリング62の一端部が当接されているとともに、前記ガイド体56の下面部に前記下部のコイルスプリング62の他端部が当接されている。
【0051】そして、前記ガイド体56及び上下の第1のストッパー63と第2のストッパー64とにより挟持された上下のコイルスプリング61,62にて前記上下動杆60が前記ガイド体56に弾性的に上下動可能に支持され、かつ、この下部のコイルスプリング62にて前記畝成形体22が土圧を受けて押上げられたときこの畝成形体22を下方に向かって附勢するようになっている。また、この上下動杆60の下端部に前記支軸65にて前記第2の支持体58が回動可能に支持されている。
【0052】さらに、前記畝成形体22を有する第2の支持体58は、矩形状に形成された板状本体67と、この板状本体67の前側上下に左右に離間して前方に向かってそれぞれ一体に突出された上下の左右一対のリンク取付片68,69と、前記板状本体67の後側中間部に後方に向かって一体に突出された支柱取付板70と、この支柱取付板70に固定され前記畝成形体22の支柱51を保持するホルダー71とを有している。
【0053】前記板状本体67の前側上部に突出された上部の左右一対のリンク取付片68は、前記伝動ケース19に固定された第2の取付支枠25の左右のリンク取付片72に対向してこれらと同じ間隔で突出されている。そして、前記上部の左右一対のリンク取付片68の前後方向の略中間部に前記支軸65にて前記上下動杆60の下端部の軸支部66が回動自在に軸支されている。
【0054】また、前記板状本体67の前側下部に突出された下部の左右一対のリンク取付片69は、前記伝動ケース19に固定された前記左右の固定フレーム26に上方に向かって一体に突出固定された前記左右の第3の取付支枠27に対向してこれらと同じ間隔で突出されている。前記上部の左右一対のリンク取付片68は、前記下部の左右一対のリンク取付片69の先端部より前方に向かって長く突出した長さで形成されている。
【0055】なお、前記左右の第3の取付支枠27の上端部の軸着部は、前記第2の取付支枠25の左右のリンク取付片72の軸着部より後側に位置している。そして、前記第2の取付支枠25の左右のリンク取付片72の軸着部と前記左右の第3の取付支枠27の上端部の軸着部との間の距離は、前記上部の左右一対のリンク取付片68の軸着部と前記下部の左右一対のリンク取付片69の軸着部との間の距離より短くなる距離となっている。
【0056】また、前記支柱取付板70の後端部に前記ホルダー71が固定され、このホルダー71は、上下面に開口した支柱挿通孔73を形成した角柱状に形成され、このホルダー71の支柱挿通孔73内に挿通した前記支柱51をこのホルダー71に固定する固定ボルト74を備えている。
【0057】また、前記畝成形体22は、前記第2の支持体58すなわちこの第2の支持体58の支柱取付板70に固定された前記ホルダー71に上下方向に位置調節自在に設けられている。すなわち、前記畝成形体22は、前記可動カバー35の挿通口37内に挿入した畝成形体22の前記支柱51が前記ホルダー71の支柱挿通孔73内に上下方向に位置調節自在に挿通して設けられている。そして、この畝成形体22の支柱51は、上下方向に調節された所定の位置で前記固定ボルト74にて前記ホルダー71に固定されている。
【0058】そして、前記作業機本体2の第2の吊持フレーム11に前記第1の支持体57が上下動可能にかつ回動可能に支持され、この第1の支持体57の下端部に前記畝成形体22を有する前記第2の支持体58が回動自在に支持され、この第2の支持体58のホルダー71に前記畝成形体22が上下方向に位置調節自在に固定されている。
【0059】つぎに、前記一対のリンク47は、上下に配置された同じ長さの前後方向の第1のリンク75と第2のリンク76とを備え、前記第1のリンク75及び第2のリンク76は一端部が前記伝動ケース19の上下にそれぞれ回動自在に軸支されているとともに他端部が前記第2の支持体58の上下にそれぞれ回動自在に軸支されている。
【0060】そして、この一対のリンク75,76にて前記耕耘ロータリ20と前記畝成形体22とは作業時に所要動力が少なくてすむ最適な所定の相対距離を保って連結され、前記耕耘ロータリ20が前記畝成形体22から独立して上下方向に回動可能に軸支され、前記畝成形体22は前記耕耘ロータリ20が上下方向に回動しても、常時畝の側面を成形する所定の作用深さで、かつ、畝の側面を成形する作業姿勢に維持されるようになっている。
【0061】すなわち、前記第1のリンク75及び第2のリンク76のうち、前記第1のリンク75は、左右にそれぞれ配置され、この第1のリンク75の一端部が前記伝動ケース19に固定された前記第2の取付支枠25の左右のリンク取付片72の軸着部に左右方向の支軸77にてそれぞれ回動自在に軸支され、この第1のリンク75の他端部が前記第2の支持体58に固定された左右の上部のリンク取付片68の軸着部に左右方向の支軸78にてそれぞれ回動自在に軸支されている。
【0062】また、前記第2のリンク76は、左右にそれぞれ配置され、この第2のリンク76の一端部が前記伝動ケース19に固定された前記第3の取付支枠27の上端部の左右の軸着部に左右方向の支軸79にてそれぞれ回動自在に軸支され、この第2のリンク76の他端部が前記第2の支持体58に固定された左右の下部のリンク取付片69の軸着部に左右方向の支軸80にてそれぞれ回動自在に軸支されている。
【0063】そして、前記第2の取付支枠25の左右のリンク取付片72の軸着部の支軸77と前記左右の第3の取付支枠27の上端部の軸着部の支軸79との間の距離は、前記上部の左右一対のリンク取付片68の軸着部の支軸78と前記下部の左右一対のリンク取付片69の軸着部の支軸80との間の距離より短くなる距離となっており、したがって、これら上部の前後の支軸77と支軸78とにより回動自在に軸支された前記第1のリンク75と前記下部の前後の支軸79と支軸80とにより回動自在に軸支された前記第2のリンク76とは前端側が狭く後端側が広い状態で非平行状に配置されている。
【0064】したがって、各畝成形機体3の第1のリンク75及び第2のリンク76にて耕耘ロータリー20が上下方向に回動しても、畝成形体22が作業姿勢及び耕耘土を振り分けて畝の側面を成形する所定の作用深さに維持され、この畝成形体22が作業時の所要動力が少なくてすむ最適な距離を維持しながらこの畝成形体22にて畝の側面を成形するようになっている。ここで、作業時の所要動力が少なくてすむ最適な距離とは、耕耘ロータリー20の各耕耘爪30にて耕耘される耕耘土が移動している状態であって、これらの耕耘土が耕耘跡に落下して落ち着く前のことをいう。
【0065】つぎに、前記実施の形態の作用を説明する。
【0066】トラクタのトップリンクに作業機本体2のトップアーム13の連結部13a を連結するととも、トラクタの左右のロワリンクに作業機本体2の左右のロワアームの連結部12a をそれぞれ連結し、トラクタの動力取出軸に動力伝達軸の一端部を連結するとともに、この動力伝達軸の他端部に作業機本体2のミッション装置5の入力軸6を連結する。
【0067】また、作業機本体2の左右のホルダー15に対して接地輪16を下端部に有する支柱17をそれぞれ上下動調節し、これらの接地輪16を耕耘ロータリ20の耕耘深度を所定の高さに規制する位置に設定するとともに、これらの接地輪16の支柱17をそれぞれのホルダー15に固定ピン18にて固定する。
【0068】また、必要に応じて各畝成形機体3の固定ねじ55をそれぞれ弛緩し、畝成形体22の両側の畝盛り誘導板部49a の耕耘土誘導角度をそれぞれ開閉調節し、この両側の畝盛り誘導板部49a の支持片53の他端側を交差し、選択した位置の互いに連通する調節孔54に挿通した固定ねじ55を支柱51の下部に螺着することにより、この両側の支持片53にて両側の畝盛り誘導板部49a が耕耘土を誘導する所定の誘導角度に調節されて固定される。
【0069】また、必要に応じて各畝成形体支持手段23の第2の支持体58のホルダー71の固定ボルト74をそれぞれ弛緩し、これらのホルダー71に対して畝成形体22の支柱51をそれぞれ上下動し、これら畝成形体22を畝の側面を成形する所定の高さ位置にそれぞれ調節するとともに、これらの畝成形体22の支柱51を固定ボルト74にてホルダー71にそれぞれ固定することにより、これら畝成形体22が第2の支持体58に畝の側面を成形する所定の高さ位置にそれぞれ固定される。
【0070】つぎに、トラクタにて作業機本体2が進行されるとともに、トラクタの動力取出軸にて動力伝達軸を介してミッション装置5の入力軸6が回転されることにより、この入力軸6にて回転駆動軸7が回転され、回転駆動軸7からの出力により各畝成形機体3の耕耘ロータリ20がそれぞれ回転駆動され、この各耕耘ロータリ20の各耕耘爪30にて耕土が順次耕耘される。
【0071】そして、各畝成形体22の耕耘土振分部48にてそれぞれの耕耘ロータリ20の各耕耘爪30により耕耘された耕耘土が両側に振り分けられるととも、この耕耘土振分部48に連続した各畝成形体22の両側の畝成形板49の畝盛り誘導板部49a にて耕耘土が順次畝を成形する側の側方に向かって誘導されて畝盛りされ、かつ、この両側の畝成形板49の畝成形板部49b にて畝盛りされた耕耘土が押圧されて所定の高さの隣接する畝の側面がそれぞれ順次成形されると同時に、この両側の畝成形板49の上面成形部50にて所定の高さの隣接する畝の上面がそれぞれ順次成形される。
【0072】また、両側の畝成形板49にて隣接する畝の側面を成形するときに、この両側の畝成形板49の畝盛り誘導板部49a の後端部の上面成形部50が障害物に当接すると、この上面成形部50が障害物により弾性変形して障害物を回避し、この障害物が作物であるときは、その作物が損傷されることを防止できる。
【0073】そして、複数の畝成形機体3のうち、一個の畝成形機体3の両側の畝成形板49にて所定の高さの隣接する畝の側面がそれぞれ同時に成形され、複数の畝成形機体3のうち、隣接する畝成形機体3の畝成形体22の相対する畝成形板49にて一条の畝の両側面がそれぞれ同時に成形されるとともに、これらの相対する畝成形板49の上端部の上面成形部50にて一条の畝の上面両側がそれぞれ同時に成形される。したがって、複数の畝成形機体3の畝成形体22にて複数条の畝がそれぞれ同時に順次成形される。
【0074】また、各畝成形機体3の耕耘ロータリ20の全部またはその一部の耕耘ロータリ20が石等の固い雑物に当接してその耕耘ロータリ20に対する負荷が変動すると、その伝動ケース19によりこの耕耘ロータリ20が上下方向に回動されるとともに、この耕耘ロータリ20に連動される伝動ケース19が伝動ケース支持手段21のコイルスプリング43,44に抗して一対のリンク75,76を回動しながら回転駆動軸7を中心として上下方向に回動される。
【0075】このとき、この一対のリンク47は一端部が伝動ケース19に他端部が畝成形体支持手段23にそれぞれ回動自在に軸支されていることにより、伝動ケース19にて一対のリンク47が回動されても、この一対のリンク47にて畝成形体支持手段23が伝動ケース19の回動に連動されることがなく、この畝成形体支持手段23に支持した畝成形体22が傾いたり上下動することなく畝成形体22は畝の側面を成形する所定の作用深さの成形位置に維持される。
【0076】すなわち、一対のリンク47は上下に配置された第1のリンク75及び第2のリンク76をそれぞれ備え、第1及び第2のリンク75,76は一端部が伝動ケース19の上下の支軸77,79に他端部が第2の支持体58の上下の支軸78,80にそれぞれ回動自在に軸支されていることにより、伝動ケース19にて第1及び第2のリンク75,76がそれぞれ支軸77,78,79,80を中心として回動されても、この第1及び第2のリンク75,76にて第2の支持体58が伝動ケース19に連動されて回動されることがなく、この第2の支持体58に支持された畝成形体22が傾いたり上下動されることなく畝成形体22は畝の側面を成形する所定の作用深さの成形位置に確実に維持される。
【0077】また、各畝成形体22は作業機本体2の第2の吊持フレーム11に土圧を受けて押上げられたとき下方に向かって附勢するコイルスプリング62を有する第1の支持体57にて支持されていることにより、これらの畝成形体22が土圧を受けても簡単に押上げられることがなく、これらの畝成形体22が畝の側面を成形する作業姿勢及び畝の側面を成形する所定の作用深さの成形位置に確実に維持され、したがって、これらの畝成形体22にて所定の高さの隣接する畝の側面がそれぞれ順次成形される。
【0078】したがって、耕耘ロータリ20に対する負荷変動に応じてこの耕耘ロータリ20が上下方向に回動しても、この耕耘ロータリ20は畝成形体22から独立して上下方向に回動され、畝成形体22が耕耘ロータリ20の回動に連動されることがなく、畝成形体22は一対のリンク47にて常時畝の側面を成形する所定の深さの成形位置に維持され、この畝成形体22にて畝の表面に凹凸部が形成されることなく所定の高さの隣接する畝の側面がそれぞれ順次成形されるとともに、複数条の畝がそれぞれ順次整然と成形される。
【0079】前記実施の形態では、一対のリンク47の第1のリンク75と第2のリンク76とは前端側が狭く後端側が広い状態で非平行状に配置して回動自在に軸支する場合について説明したが、これに限らず、一対のリンク47の第1のリンク75と第2のリンク76とは平行に配置して回動自在に軸支するようにしてもよい。
【0080】また、前記実施の形態では、耕耘ロータリ20を下端部に有する伝動ケース19は伝動ケース支持手段21にて作業機本体2の回転駆動軸7を中心として作業機本体2の第1の吊持フレーム10に上下方向に回動可能に支持する場合について説明したが、これに限らず、耕耘ロータリ20を下端部に有する伝動ケース19は、作業機本体2の回転駆動軸7を中心として上下方向に回動可能に設けるとともに、この伝動ケース19の上下を、畝成形体支持手段23の第2の支持体58側に軸支された一対のリンク47の第1のリンク75及び第2のリンク76の一端部にそれぞれ回動自在に軸支するようにしてもよい。
【0081】また、前記各実施の形態では、耕耘ロータリ20により耕耘された耕耘土を各畝成形体22にて畝盛りして畝の側面を成形する場合について説明したが、ここで畝成形体22にて耕耘土を畝盛りして畝の側面を成形するとは、耕耘土を畝立てして新たに畝を成形する場合及び旧畝の側面に耕耘土を倍土して畝盛りし畝の側面を成形する場合のいずれをも含む意味である。
【0082】また、複数の畝成形機体3は作業機本体2に左右方向に位置を移動調節可能に設けるようにしてもよい。これにより、それぞれの畝成形体22にて成形される畝は所望の畝幅に成形することができ、また、既存の畝の畝幅に合せて複数の畝成形機体3をそれぞれ配設することができる。
【0083】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、作業機本体の回転駆動軸を中心に上下方向に回動可能に設けられた伝動ケースに一端部を回動自在に軸支するとともに他端部を前記作業機本体に設けられた畝成形体を支持した畝成形体支持手段に回動自在に軸支し、前記伝動ケースにより前記耕耘ロータリを前記畝成形体から独立して上下方向に回動可能とした一対のリンクを設けたので、石等の固い雑物に当接して耕耘ロータリが負荷変動により上下動しても、畝成形体を常時所定の高さの畝の側面を成形する成形位置に維持することができ、耕耘ロータリにより畝成形体が上下動されることがなく、したがって、畝の表面に凹凸部が形成されることがなく、所定の高さの畝の側面を整然と成形することができる。
【0084】また、畝成形体を支持した畝成形体支持手段に回動自在に軸支した一対のリンクの一端部を耕耘ロータリを備えた伝動ケースに回動自在に軸支したので、この一対のリンクにて耕耘ロータリに対してこの耕耘ロータリにより耕耘される耕耘土を畝盛りして畝の側面を成形する最適位置に畝成形体を配置でき、一対のリンクは作業機本体より近い位置の伝動ケースに軸支することにより一対のリンクの長さを短く形成でき、全体的に前後の長さをコンパクトに形成することができ、さらに、伝動ケースに畝成形体支持手段を固定する固定手段を用いないので、構成が簡単でコストダウンを図ることができる。
【0085】請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、畝成形体を有する第2の支持体は作業機本体に支持され畝成形体が押上げられたときこの畝成形体を下方に向かって附勢する第1の支持体に回動可能に支持するとともに、この第2の支持体は一対のリンクにて支持したので、土量等により畝成形体を傾くことなく支持できるとともに、この畝成形体が土圧を受けて簡単に押上げられることがなく畝成形体を畝の側面を成形する作業姿勢及び所定の作用深さに維持した状態で進行できる。
【0086】また、第1及び第2のリンクは一端部を伝動ケースの上下に他端部を第2の支持体の上下にそれぞれ回動自在に軸支したので、伝動ケースにて第1及び第2のリンクがそれぞれ回動されても、この第1及び第2のリンクにて第2の支持体が伝動ケースに連動されて回動されることがなく、この第2の支持体の畝成形体を畝の側面を成形する作業姿勢に確実に維持できる。
【0087】したがって、畝成形体を常時畝を成形する作業姿勢に維持した状態で進行でき、この畝成形体にて畝の表面に凹凸部が形成されることなく所定の高さの畝の側面を整然と成形できる。
【0088】請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、畝成形体は第2の支持体に上下方向に位置調節自在に設けたので、第2の支持体に対して畝成形体を上下方向に位置を調節し、この畝成形体を畝を成形する所定の高さ位置に固定することにより、この畝成形体にて所定の高さの畝の側面を整然と成形できる。
【0089】請求項4の発明によれば、請求項1乃至3のいずれかの発明の効果に加え、畝成形体は隣接する畝の側面を成形する畝成形板を両側に有するので、両側の畝成形板にて隣接する畝の側面を同時に整然と成形できる。
【0090】請求項5の発明によれば、請求項4の発明の効果に加え、両側の畝成形板は隣接する畝の上面を成形する上面成形部をそれぞれ有するので、両側の畝成形板及びこの両側の畝成形板の上面成形部にて隣接する畝の側面及び上面をそれぞれ同時に成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す畝成形作業機の側面図である。
【図2】同上背面図である。
【図3】同上耕耘ロータリ及び畝成形体を支持する支持機構を示す斜視図である。
【図4】同上支持機構を示す一部の平面図である。
【図5】同上耕耘ロータリの上動状態を示す畝成形作業機の側面図である。
【図6】同上畝成形体の斜視図である。
【符号の説明】
2 作業機本体
7 回転駆動軸
19 伝動ケース
20 耕耘ロータリ
22 畝成形体
23 畝成形体支持手段
47 一対のリンク
49 畝成形板
50 上面成形部
57 第1の支持体
58 第2の支持体
75 第1のリンク
76 第2のリンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業機本体と、この作業機本体に設けられた回転駆動軸と、この回転駆動軸を中心に上下方向に回動可能に設けられ前記回転駆動軸からの出力により回転駆動される耕耘ロータリを備えた伝動ケースと、前記作業機本体に設けられ前記耕耘ロータリの後方に位置してこの耕耘ロータリにより耕耘された耕耘土を畝盛りして畝の側面を成形する畝成形体を支持した畝成形体支持手段とを具備し、前記伝動ケースに一端部を回動自在に軸支するとともに他端部を前記畝成形体支持手段に回動自在に軸支し、前記伝動ケースにより前記耕耘ロータリを前記畝成形体から独立して上下方向に回動可能とした一対のリンクを設けたことを特徴とする畝成形作業機。
【請求項2】 畝成形体支持手段は、作業機本体に支持され畝成形体が押上げられたときにこの畝成形体を下方に向かって附勢する第1の支持体と、この第1の支持体に回動可能に支持され畝成形体を支持した第2の支持体とを有し、一対のリンクは、上下に配置された第1のリンクと第2のリンクとを備え、前記第1のリンク及び第2のリンクは一端部を耕耘ロータリを備えた伝動ケースの上下にそれぞれ回動自在に軸支するとともに他端部を前記第2の支持体の上下にそれぞれ回動自在に軸支し、この一対のリンクにて前記耕耘ロータリを前記畝成形体から独立して上下方向に回動可能としたことを特徴とする請求項1記載の畝成形作業機。
【請求項3】 畝成形体は、第2の支持体に上下方向に位置調節自在に設けたことを特徴とする請求項2記載の畝成形作業機。
【請求項4】 畝成形体は、隣接する畝の側面を成形する畝成形板を両側に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の畝成形作業機。
【請求項5】 両側の畝成形板は、隣接する畝の上面を成形する上面成形部をそれぞれ有することを特徴とする請求項4記載の畝成形作業機。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2000−139102(P2000−139102A)
【公開日】平成12年5月23日(2000.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−322538
【出願日】平成10年11月12日(1998.11.12)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】