説明

番組選択装置

【課題】大量に録画された番組の中から、明確にタイトルや記録日時が分っていなくとも、所望の番組を迅速に探すことが可能な番組選択装置を提供する。
【解決手段】複数の番組の番組情報を取得する番組情報取得手段(11)と、この番組情報取得手段で取得する番組情報から、番組の収録日を含む2種類の項目を選択し、夫々前記選択画面の横軸と縦軸に配置し、番組情報取得手段で取得した番組情報から前記2種類の項目を選択して前記選択画面上に点をプロットする相関図作成手段(15)と、相関図作成手段で作成された選択画面上で、少なくとも前記番組の収録日を配置した軸上において、範囲を限定した選択ワクを設けてその選択ワク内に入る前記プロットした点を選択し、この選択されたプロット点の番組情報を表示するよう制御する制御手段(19)とを有する番組選択装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、番組選択装置に係り、特に、大容量記録媒体を用いた記録機器に大量に蓄積されている記録済み番組の中から所望の番組を素早く見つけることが可能な番組選択装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録媒体に大容量のハードディスクを使用し、大量のテレビ放送番組を録画し保存できる記録再生装置が普及してきている。このようなハードディスクを使用した記録再生装置では、記録した番組を装置内部に保存して置き、再生するときに使用者は画面に表示された保存番組の一覧表から見たい番組を選択する操作を行うようになっている。
【0003】
このようなハードディスクを使用した記録再生装置の例として、内蔵するハードディスクの容量が250GB(ギガバイト)のものでは、標準画質モードで100時間以上、長時間モードでは200時間以上が記録できるので、装置内部に保存できる番組数は数十本から百本以上と膨大な数になる。
【0004】
このように大量に録画された番組から所望の番組を見つけるには、録画日時や放送局のチャンネル数等の簡単な識別情報では番組の選択ができにくく、少なくとも番組のタイトル名が必要になる。そこで、最近のハードディスクを使用した記録再生装置には、記録時にはEPG(Electronic Programming Guide)と呼ばれるタイトル名を含む放送番組情報を別途受信し、これを用いて放送番組を録画することで、記録した番組に関連付けてこの放送番組情報も同時に記録できるようになっているものがあり、再生時には、この放送番組情報を表示させることで番組内容を分り易くしている。
【0005】
記録保存された多数の番組の中から所望の番組を選択しやすくするためには、表示画面を分り易くする工夫が必要になり、そのための多くの改良技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一般に、多数の番組の中から所望の番組を選択するときは、画面に番組のタイトル等を一覧表示することが行われるが、番組数が多いときには当然画面には一度に全番組を表示できないことになる。そこで、特許文献1でも行われているが、スクロールという方法で画面の表示内容を上下左右に動かして大量の番組を順次表示させることが行われる。
画面のスクロールは、パソコンではマウスを使って頻繁に行う画面操作であるが、記録再生装置では、同様の操作をリモコンボタンを用いて行うようにしている。
【特許文献1】特開2001−313878号公報 :松下電器
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、リモコンボタンを用いて画面のスクロールを行い所望の番組を探し出す従来の選択方法は、次に挙げるような操作性の悪さを持っている。
すなわち、(1)スクロールして最後まで見ないと記録状態の全貌が分らない、(2)通常、新しく記録された順に表示されるので、古い記録番組を探すときは、その番組が表示される画面に到達するまでにかなりの時間がかかる、(3)上下スクロールに加えて左右スクロールが入ると、リモコンボタンを何度も押し直す必要がおきる、(4)速く移動させるには、スクロール中に動いている画面の文字を読む必要が生ずる、等である。
【0007】
このように、従来、番組情報が一度に表示できないときは、スクロールで画面を移動する表示方法が採られていたが、この方法は操作性が極めて悪く迅速に所望の番組を探せない問題を有していた。
そこで本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、大量に録画された番組の中から、明確にタイトルや記録日時が分っていなくとも、所望の番組を迅速に探すことが可能な番組選択装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決する手段として以下に記載の構成からなる。すなわち、
複数の番組が記録されている記録再生装置から選択画面を使って所望の番組を検索する番組選択装置において、
前記複数の番組の番組情報を取得する番組情報取得手段と、
前記番組情報取得手段で取得する番組情報から、番組の収録日を含む2種類の項目を選択し、夫々前記選択画面の横軸と縦軸に配置し、前記番組情報取得手段で取得した番組情報から前記2種類の項目を選択して前記選択画面上に点をプロットする相関図作成手段と、
前記相関図作成手段で作成された選択画面上で、少なくとも前記番組の収録日を配置した軸上において、範囲を限定した選択ワクを設けてその選択ワク内に入る前記プロットした点を選択し、この選択されたプロット点の番組情報を表示するよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする選択装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、請求項1の格別の構成があるので、記録再生装置に記録されている大量の番組の記録状況が一画面に表示でき、すぐに全貌が把握できると共に、使用者が明確にタイトルや記録日時が分っていなくとも、画面をスクロールすることなく、少ないボタン操作回数で迅速に所望の番組を探すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る番組選択装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る番組選択装置の一実施例の構成を示すブロック図、図2はリモコンのボタン配置を示す図、図3は実施例における番組選択操作を行うときの表示画面の初期状態を示す図、図4は表示画面上の選択操作で横軸の範囲を設定した状態を示す図、図5は表示画面上の選択操作で縦軸の範囲を設定した状態を示す図、図6は選択された範囲にある番組の詳細情報を示した図である。
【0011】
まず、本実施例における番組選択装置と周辺機器との接続関係を説明する。
図1において、本発明に係る番組選択装置1は、リモコン2と画面表示装置3とで放送番組観賞用のテレビジョン受像装置を構成している(放送受信部は図示せず)。更に、番組選択装置1は、家庭内LAN(Local Area Network)4に接続されており、同じくLAN4に接続されている記録再生装置(A)5と記録再生装置(B)6から、夫々の装置に内蔵の記録媒体に記録保存されている放送番組コンテンツや番組情報を取得して、適宜、画面表示装置3に表示する構成となっている。
【0012】
次に、番組選択装置1を構成するブロックと各ブロックの動作を説明する。
まず、番組選択装置1でLAN4に関係するブロックとしては、LAN4を経由して記録再生装置(A)5や記録再生装置(B)6から番組情報を取得する番組情報取得部11と、同じくLAN4を経由して番組のコンテンツを取得するコンテンツ取得部12、及び、LAN4を経由して記録再生装置(A)5や記録再生装置(B)6をコントロールし、指定の番組コンテンツを再生させる制御を行うコンテンツ選択制御部13がある。
【0013】
次に、前記番組情報取得部11で取得した番組情報は、候補番組リスト作成部14と相関図作成部15に供給される。
候補番組リスト作成部14では、制御部19からの制御信号により、後述の選択動作の結果に基づき、供給された番組情報に含まれている情報を使って候補番組のリストの図を作成する。
一方、相関図作成部15では、横軸が収録時期、縦軸が番組時間とした平面図表を作成し、この平面図表の上に、供給された番組情報から一つ一つの番組の収録時期と番組時間を読み出して、横軸縦軸の該当する位置に丸印を配置した図を作成する。
【0014】
候補番組リスト作成部14と相関図作成部15で作成された各図と、前記コンテンツ取得部12から供給された番組コンテンツの信号は表示画面選択部16に入力される。
表示画面選択部16では、制御部19からの制御信号により、前記入力された3つの信号の1つを選択して、次の表示画面昨成部17に供給する。表示画面作成部17では入力された信号を映像信号(音声信号を含む)に変換して出力端子18から出力し、出力された映像信号は前記画面表示装置3に供給される。
【0015】
リモコン受信部20は、前記リモコン2から照射された赤外線を受信し、各種の命令信号に復号して前記制御部19に供給する。
【0016】
次に、番組選択装置1の選択動作について、使用者の操作の流れに沿って、図2乃至図6を用いて説明する。
使用者が記録されている大量の番組から所望する番組を見つけるには、リモコン2を操作して画面に表示された画像から番組を絞り込んで行く。
図2に示すように、リモコン2には、上下ボタン21と左右ボタン22、決定ボタン23、AからDまで4つのモードボタン24の各ボタンが配置されている。
【0017】
使用者は、まずモードボタン24のAボタンを押す。Aボタンには番組の検索モードが割り当てられている。Aボタンを押すと、図3に示す画像が表示される。この図3は、前記相関図作成部15で作成したもので、横軸が収録時期、縦軸が番組時間とした平面図表に、取得した番組を黒丸でプロット表示させたもので、検索画面の初期状態である。
使用者がこの図を見ると、記録再生装置(A)5と記録再生装置(B)6に記録保存されている番組のすべてが一望できることになる。
【0018】
この図では、保存してある番組の実態に合わせて、横軸の収録時期については、最近になるほど細かく間隔を割り振ってあり、又、縦軸については番組時間を対数的な間隔で割り振って表している。
次に使用者は、左右ボタン22の左ボタンを操作し、図3の右下方に示す円形のワク(a)を左に動かして、所望の番組の、およその収録時期の位置に移動させる。円形のワク(a)をおよその収録時期の位置に移動したら、決定ボタン23を押す。
次に、左右ボタン22を適宜操作して収録時期の範囲を変更し決定ボタンを押す。このとき最初の位置でよければ左右ボタン22を操作せずに決定ボタン23を押す。
こうして操作された状態の画像が図4である。なお、円形のワク(a)は、使用者の操作が必要なときはフラッシング(点滅)表示させると分り易い。
【0019】
図4に示す円形のワク(b)は、所望の番組の収録時期が2004年1月から7月までの間に有るはずとして設定されたものである。次に使用者は、上下ボタン21の上ボタンを操作し、円形ワク(b)を上方向に動かして所望番組の番組時間(番組の長さ)の位置に移動させる。移動が終わったら決定ボタン23を押す。
次に、所望番組の番組時間の許容範囲を上下ボタン21を操作して変更する。このとき最初の設定時間でよければ上下ボタン21を操作せずとも良い。
こうして操作した状態の画像が図5である。
【0020】
図5に示す円形のワク(c)は、所望の番組の収録時期が2004年1月から7月までで、収録時間がおよそ50分から2時間位であったとして設定されたものである。この状態で、所望番組を探す設定は終了である。
次いで、決定ボタン23を押すと画面表示は図6に示す画像に変わる。
図6の画像は、前記候補番組リスト作成部14で作成されたもので、図5で示した円形ワク(c)の中に入っている番組の番組情報から、所望の番組を判断するのに適した項目を適宜選択してリスト表示させたものである。この例では、円形ワク(c)の中に入っている番組数は3個である。
【0021】
こうして表示された図6のリストに所望の番組が有れば、上下ボタン21でそのうちの1つを選択し、決定ボタン23を押す。もしも所望の番組がない場合には、再度モードボタン24のAボタンを押す。すると画面は図5の状態に戻り、円形ワク(c)の位置や大きさが変更できるようになるので、前記した操作で円形ワク(c)の位置や大きさを再設定して決定ボタン23を押し選択番組のリストを表示させる。この操作は何度でも繰り返しできる。
【0022】
図6のリストに所望の番組が有リ、その番組が選択されて決定ボタン23が押されると制御部19は、その番組の番組情報を候補番組リスト作成部14から取得して、コンテンツ選択制御部13に転送する。
コンテンツ選択制御部13では、受取った番組情報から、記録保存されている記録再生装置の識別情報と番組が記録されている場所のアドレス情報等を読み出し、LAN4を経由して該当する記録再々装置(A)5若しくは、記録再々装置(B)6を遠隔コントロールして該当番組のコンテンツを記録媒体から再生させる。
【0023】
再生された番組のコンテンツは、LAN4を経由して前記コンテンツ取得部12に届きここで取得される。この後、番組のコンテンツは前記表示画面選択部16に入り、制御部19は入力された番組のコンテンツを選択するように切替える。
こうして得た番組のコンテンツは前記表示画面作成部17で映像信号に変換されて出力端子18を経由し画面表示装置3に供給されて画面に再現される。
【0024】
以上詳述したように、本発明に係る番組選択装置では、選択画面として、横軸に収録時期、縦軸に番組時間を配置した相関図上に、記録再生装置に記録保存されている大量の番組を黒丸でプロットして表示している。これにより全番組の記録状態が一望でき、すぐに全貌を把握できると共に、所望の番組について使用者がタイトルや記録日時が明確に分っていなくとも、かすかな収録時期の記憶を頼りに、画面上に現れた円形ワクを左右上下に適宜動かし、その円形ワク内に入った番組の正確なタイトルや放送局のチャンネル、収録日、番組時間等をすぐに確認することができるので、従来の選択画面のように画面を延々とスクロールすることなく、少ないボタン操作回数で迅速に所望の番組を探すことが可能となるものである。
【0025】
尚、本実施例においては、画面上での番組選択に円形ワクを用いているが、これに限ることなく、四角形ワクやその他の形態であっても良いことは明白である。
【0026】
又、選択図は横軸が収録時期、縦軸が番組時間としているが、これは、使用者が過去の記録番組に対して記憶していることの中で検索情報として一番相応しい項目として用いたが、これに限らず、例えば縦軸は番組時間ではなく、番組のジャンル(ドラマ、映画、スポーツ等の種類)別や、タイトルの頭文字選択用に「あかさたな」を並べて各番組をプロットするようにしても良い。尚、横軸と縦軸の項目は入替えて表示しても同様の機能を有することは当然である。
【0027】
更に、こうした横軸縦軸の項目が異なる選択画面を数種用意して、前記リモコン2のモードボタン24のB〜Dボタンに割り付け、使用者が使いやすい選択画面を自由に選べるようにすることも可能である。
【0028】
又、本実施例では、番組選択装置1を独立した装置として説明しているが、この形態に限らず、例えば本発明に係る番組選択装置を記録再生装置(A)5に内蔵し、記録再生装置の一機能とすることも可能であることは当業者において明白である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る番組選択装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】リモコンのボタン配置を示す図である。
【図3】番組選択操作を行うときの表示画面の初期状態を示す図である。
【図4】表示画面上の選択操作で横軸の範囲を設定した状態を示す図である。
【図5】表示画面上の選択操作で縦軸の範囲を設定した状態を示す図である。
【図6】選択された範囲にある番組の詳細情報を示した図である。
【符号の説明】
【0030】
1…番組選択装置
2…リモコン
3…画面表示装置
4…LAN(Local Area Network)
5…記録再生装置(A)
6…記録再生装置(B)
11…番組情報取得部
12…コンテンツ取得部
13…コンテンツ選択制御部
14…候補番組リスト作成部
15…相関図作成部
16…表示画面選択部
17…表示画面昨成部
18…出力端子
19…制御部
20…リモコン受信部
21…上下ボタン
22…左右ボタン
23…決定ボタン
24…モードボタン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の番組が記録されている記録再生装置から選択画面を使って所望の番組を検索する番組選択装置において、
前記複数の番組の番組情報を取得する番組情報取得手段と、
前記番組情報取得手段で取得する番組情報から、番組の収録日を含む2種類の項目を選択し、夫々前記選択画面の横軸と縦軸に配置し、前記番組情報取得手段で取得した番組情報から前記2種類の項目を選択して前記選択画面上に点をプロットする相関図作成手段と、
前記相関図作成手段で作成された選択画面上で、少なくとも前記番組の収録日を配置した軸上において、範囲を限定した選択ワクを設けてその選択ワク内に入る前記プロットした点を選択し、この選択されたプロット点の番組情報を表示するよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする選択装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−270371(P2006−270371A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84042(P2005−84042)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】