説明

異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットおよびコンベア設備

【課題】 専用のセンサが不要で簡素な構成で済み、かつ電源,配線系の構成が簡素で、集中管理が行い易く、軸受の的確な異常検出に貢献できる異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットを提供する。
【解決手段】 転がり軸受6をハウジング8内に設置してなり、コンベア1等の搬送装置に装備される搬送装置用軸受ユニット10に適用する。環境エネルギによって発電する発電素子14と、この発電素子14で発電した電力を蓄電する蓄電手段と、無線送信を行う送信機13とを備える。送信機13は、蓄電手段による蓄電量が設定値に達する毎に送信を行わせる送信制御部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ベルトコンベア等の搬送装置、例えば鉄鉱石や石炭等の採掘場の搬送用コンベアに適用される異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット、およびその軸受ユニットを備えるコンベア設備に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鉱石,石炭等を搬送するベルトコンベアは、例えば採掘場からトラック載積場まで比較的長い距離で運用されるために、コンベア用軸受が多数使用される。コンベア用軸受としては、コンベア中間の各コンベアローラの両端に内蔵される軸受や、コンベア両端のコンベアローラの回転軸を支持するプランマブロックの軸受がある。
上記のような環境で使用される軸受は、回転不能となるような不具合が発生した際、早期に交換することが望ましい。しかし、長い距離に渡って多数の軸受が設置されているため、保守要員の点検では多大な時間を要し、場合によってはベルトコンベア全体を停止しなければならない状況に陥ることがある。
【0003】
その対策として、各コンベアローラに使用される軸受において、温度スイッチや警報機を設け、軸受損傷等の異常停止を検出し、警報することが提案されている(例えば、特許文献1)。同特許文献では、回転異常警報器を作動させるための手段としてコンベアローラ内に設置したロータ・ステータによる発電起電力を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3798494号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成では、ロータ・ステータによる発電機をコンベアローラ内に設置するため、構造が複雑で専用設計になり、自由度が小さい等、適用し難いという問題がある。また、異常の警報手段として、個々のコンベアローラ毎にその近傍に設置したランプの点灯、ブザーによる発信を一例として示しているが、搬送距離の長いコンベアでは、各コンベアローラ近傍のランプやブザーでは、異常の警報を確実に確認できない場合がある。
なお、各コンベアローラの異常の検出信号を配線で集中管理室に導き、集中管理すれば、異常の警報の確実な確認が行える。しかし、採掘場からトラック載積場に至る鉄鉱石,石炭の搬送用ベルトコンベアのような長い経路に沿って前記信号配線を敷設することは、配線だけでなく、その配線を支持したり接続する手段も必要で、設備が大掛かりとなり、断線の問題も有って、実用的ではない。
また、特許文献1の構成では、前記発電機とは別に異常検出用のセンサを設けることが必要であり、構成が複雑となっている。
【0006】
そこでこの発明は、これら課題を克服し、専用のセンサが不要で簡素な構成で済み、かつ電源配線や監視手段への信号配線が不要で、集中管理が行い易く、軸受の的確な異常検出に貢献できる異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットを提供することである。
この発明の他の目的は、専用のセンサが不要で簡素な構成で済み、かつコンベア経路が長くても、電源配線や監視手段への信号配線が不要で、集中管理が行い易く、多数の軸受の的確な異常検出に貢献できる異常検出機能付きコンベア設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットは、転がり軸受をハウジング内に設置してなり、搬送装置に装備される搬送装置用軸受ユニットにおいて、環境エネルギによって発電する発電素子と、この発電素子で発電した電力を蓄電する蓄電手段と、無線送信を行う送信回路部を有する送信機とを備え、この送信機は、前記蓄電手段による蓄電量が設定値に達する毎に前記送信回路部に送信を行わせる送信制御部を有する。
【0008】
この構成によると、発電素子で発電した電力が蓄電手段で蓄電され、送信制御部の制御により、蓄電量が設定値に達する毎に、送信回路部による送信が行われる。発電素子は、環境エネルギによって、例えば、軸受の運転に伴う発熱や振動によって発電を行う。軸受は、潤滑不良や摩耗等の異常が生じると、発電量が多くなり、また振動も大きくなる。そのため、軸受に異常が発生すると、発電素子による発熱量が増えて、蓄電量が早く設定値に達することになり、送信回路部による送信の間隔が短くなる。そのため、受信側で、軸受ユニットからの送信の間隔を監視することで、軸受の異常判定が行える。また、軸受が停止する異常が発生した場合は、送信が行われないため、軸受ユニットを装備した搬送装置が駆動状態であるにも係わらず、信号が受信されない場合は、軸受が停止する異常が発生したと判定できる。このように、異常検出専用のセンサを設けることなく、送信用の電源となる発電素子を利用して異常検出を行うようにしたため、簡素な構成で異常検出が行える。
【0009】
また、送信には無線送信を用い、かつその送信用の電源を、軸受ユニット内の発電素子から得るようにしたため、各軸受ユニット毎に完結した異常検出、情報送信、電源確保が行えて、軸受ユニットの相互間や集中管理室への配線が不要となる。有線では配線等のインフラを敷設するため構造が複雑になり、設計の自由度が下がるのに対し、無線ではそのような課題は無くなる。このため、例えば鉄鉱石や石炭等の搬送用コンベア等のような搬送経路の長いコンベア設備においても適用が簡単に行える。また電源は、環境エネルギによって発電する発電素子を用いたため、前記のように異常検出用のセンサとして兼用させることができるうえ、回転側および静止側の両方に部品を設けることが必要なロータ・ステータによる発電機を設ける場合に比べて構成が簡素化され、かつコパクト化される。そのため、専用設計の不要化も可能で、設計の自由度も大きく得られ、適用が容易となる。既存設計の軸受ユニットに対しても容易に置換可能となる。
【0010】
この発明において、前記送信制御部は、前記蓄電手段による蓄電量が設定値に達して前記送信回路部に送信を行わせる毎に、前記蓄電手段の放電を行わせるようにしても良い。 前記蓄電手段は、電力が送信に利用されることで蓄電量が低下するが、送信に消費される電力にばらつきが生じることがあるため、さらに放電を行わせるようにすることにより、送信間隔が安定する。
【0011】
前記環境エネルギによって発電する発電素子としては、熱発電素子や振動発電素子を用いることができる。熱発電素子としてはゼーベック発電素子を用いることができる。振動発電素子としてはエレクレット素子等が用いられる。これらの発電素子によると、搬送装置の軸受が設置される環境において発生する熱や振動を利用し、発電が可能になる。また、軸受に潤滑不良や摩耗等の異常が発生した場合、発熱量や振動が増えるため、軸受異常が発電量として現れ、前記のように蓄電量が設定値に達する毎に送信させることで、異常検出のセンサに兼用できる。
【0012】
この発明において、前記送信機は、前記送信を行う信号として前記搬送装置用軸受ユニットの識別情報を送信するようにしても良い。識別情報を送信することで、受信側で、搬送装置に多数設けられる軸受ユニットの特定や、どの搬送装置の軸受ユニットであるか等の識別が行える。
【0013】
この発明において、全地球的測位システムの端末であるGPS端末を前記送信機に設けても良い。GPS端末が設けられていると、軸受ユニットの位置が特定されるため、また軸受ユニットを識別する手段を設けていなくても、異常の発生した軸受ユニットの特定が容易に行える。上記の識別情報を送信とGPS端末を併用する場合は、識別情報が搬送装置内のどの軸受ユニットかを識別するだけの情報であっても、多数設置されたどの搬送装置のどの軸受ユニットであるかを特定することができる。
【0014】
この発明において、前記異常検出機能付き搬送装置がベルトコンベアであっても良い。そのベルトコンベアは、例えば鉄鉱石や石炭等の採掘場からトラック載積場まで設けられるベルトコンベアであっても良い。ベルトコンベアでは、搬送距離が長く、多数の軸受ユニットが使用されるものがあるが、そのような場合でも、この発明の異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットによると、電源,配線系の構成が簡素で、集中管理が行い易く、軸受の的確な異常検出に貢献できる。
【0015】
ベルトコンベアに適用する場合に、前記ハウジングは、前記ベルトコンベアのベルトを掛装したコンベアローラの外周の円筒体の端部に設けられた部材であり、前記転がり軸受は、固定の軸と前記ハウジングとの間に介在して前記コンベアローラを回転自在に支持するものであっても良い。
この場合、1台のコンベアに多数設けられる各コンベアローラ毎に、この発明の異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットを適用することができる。
【0016】
前記コンベアローラに、前記円筒体の端面を蓋する合成樹脂製のカバーを設け、前記送信機は、前記カバーの内側の空間における、送信機のアンテナと前記カバーとの間に電波遮蔽性の部材が介在しない箇所に配置するのが良い。これにより、コンベアローラに内蔵の送信機アンテナから、電波遮蔽の問題を生じることなく送信が行え、またコンベアローラの端部の密封も行える。
【0017】
コンベアローラに適用する場合に、前記ハウジングは、前記ベルトコンベアのベルトを掛装したコンベアローラが有する回転軸を支持するプランマブロックの軸受箱であっても良い。
コンベア端部のコンベアローラはプランマブロックで支持されるが、軸受の負荷が大きく、または損傷時の影響も大きいため、異常検出が重要となる。このようなプランマブロックに適用することで、異常検出の必要性の高い軸受につき、的確な異常検出を行うことができる。
【0018】
前記プランマブロックの軸受箱は、両端面に対向する開口を有し一端の開口に軸を挿入させるハウジング本体と、このハウジング本体の他端の開口を閉じる蓋部材とでなり、前記送信機、および電源を前記蓋部材に設置しても良い。蓋部材に前記送信機等を設けることで、異常検出機能付きとする軸受ユニットと検出機能を有しない通常の軸受ユニットとで、蓋部材以外の部品の共通が図れ、生産性に優れる。既存の軸受ユニットに、蓋部材を交換するだけで異常検出機能付きとすることも可能となる。
【0019】
この発明の軸受ユニット・監視装置セットは、この発明の上記いずれかかの構成の異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットと、前記送信信号を受信する受信機および異常判定手段を有する監視装置とでなり、前記異常判定手段は、前記送信機から送信されて前記受信機で受信された信号の間隔の変化から異常の判定を行う。
この軸受ユニット・監視装置セットによると、この発明の異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットにつき説明した前述の各作用,効果が得られ、信号の間隔の変化から軸受の異常の判定が行える。なお、ここで言う間隔の変化は、信号が受信されなくなった場合も含む。軸受が停止した場合、発電が行われなくなるが、信号が受信されないことで、軸受が停止する程度に異常を発生していると判定できる。
【0020】
この軸受ユニット・監視装置セットにおいて、前記異常判定手段は、常に、過去の、現在よりも定められただけ前の基準期間または基準送信回数における信号間隔と、現在の定められた対象期間または対象送信回数の信号間隔とを比較して異常判定を行うものとしても良い。例えば、比較基準期間の移動平均と対象期間の移動平均を比較する。
軸受は、長年に渡って使用された場合と、新品に近い状態の場合等とで、発熱や振動の発生状況が異なることが多い。長期使用の場合は、発熱量や振動がある程度多くても、異常とではない場合がある。そのため、送信間隔を単に設定間隔と比較しただけでは、正確な異常判定が行えない。これに対して、上記構成のように、常に、過去の現在よりも定められただけ前の基準期間または基準送信回数における信号間隔と、現在の定められた対象期間または対象送信回数の信号間隔とを比較して異常判定を行うことで、信頼性の高い異常判定を行うことができる。軸受を使用する間に、その過去の一定期間と比較して急に発熱量や振動が増えた場合は、軸受の異常である場合が多いからである。
【0021】
この発明の異常検出機能付きコンベア設備は、この発明の上記いずれかの構成の異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットを複数のコンベアに装備したものである。このような複数のコンベアを有するコンベア設備においても、電源,配線系の構成が簡素で、集中管理が行い易く、軸受の的確な異常検出に貢献できる。
この場合に、前記各コンベアに装備された前記各送信機の送信する情報を纏めて監視する集中管理盤と前記コンベアとの間に、前記送信機の送信する情報を受信して増幅し無線送信する中継装置を設けても良い。コンベアと集中管理室等の集中管理盤との距離が長い場合であっても、中継装置を用いることで、無線通信が可能である。
【発明の効果】
【0022】
この発明の異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットは、転がり軸受をハウジング内に設置してなり、搬送装置に装備される搬送装置用軸受ユニットにおいて、環境エネルギによって発電する発電素子と、この発電素子で発電した電力を蓄電する蓄電手段と、無線送信を行う送信回路部を有する送信機とを備え、この送信機は、前記蓄電手段による蓄電量が設定値に達する毎に前記送信回路部に送信を行わせる送信制御部を有するため、専用のセンサが不要で簡素な構成で済み、かつ電源配線や監視手段への信号配線が不要で、集中管理が行い易く、軸受の的確な異常検出に貢献できるという効果が得られる。
【0023】
この発明の軸受ユニット・監視装置セットは、この発明の上記いずれかの構成の異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットと、前記送信信号を受信する受信機および異常判定手段を有する監視装置とでなり、前記異常判定手段は、前記送信機から送信されて前記受信機で受信された信号の間隔の変化から異常の判定を行うため、専用のセンサが不要で簡素な構成で済み、かつ電源配線や監視手段への信号配線が不要で、集中管理が行い易く、軸受の的確な異常検出に貢献できるという効果が得られる。
【0024】
この発明の異常検出機能付きコンベア設備は、この発明の上記のいずれかの構成の異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットを複数のコンベアに装備したものであるため、専用のセンサが不要で簡素な構成で済み、かつコンベア経路が長くても、電源,配線系の構成が簡素で、集中管理が行い易く、多数の軸受の的確な異常検出に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の一実施形態に係る異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットを備えたコンベアローラの断面図である。
【図2】同コンベアローラの部分拡大断面図である。
【図3】他の実施形態に係る異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットであるプランマブロックの切欠斜視図である。
【図4】同プランマブロックの正面図である。
【図5】さらに他の実施形態に係る異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットであるプランマブロックの切欠斜視図である。
【図6】各実施形態における電源、送信機、および監視装置のブロック図である。
【図7】同電源および送信機の変形例のブロック図である。
【図8】同電源の蓄電手段の発電素子による蓄電と放電の繰り返し状況を示すグラフである。
【図9】(A),(B)はそれぞれ正常時および異常発生時における同放電の繰り返し周期の変化を示す説明図である。
【図10】実施形態の異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットを適用したコンベアの正面図である。
【図11】同コンベアを複数台設置した設備の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この発明の実施形態を図面と共に説明する。図10は、この異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットを装備した搬送装置であるコンベア1の正面図である。コンベア1は、ベルトコンベアであり、無端のコンベアベルト2が両端のコンベアローラ3,3間に掛装され、中間部分では、搬送方向(A方向)に並ぶ複数のコンベアローラ4によりコンベアベルト2の下面が支持されている。この他に、テンション付与用のコンベアローラ4Aが設けられている。コンベアベルト2の回動駆動は、両端のコンベアローラ3のいずれか一方を、モータ(図示せず)で回転させることで行う。
中間のコンベアローラ4の例を図1,2に示し、両端のコンベアローラ3を支持するプランマブロックの例を図3〜5に示す。
【0027】
図1において、コンベアローラ4は、固定軸5に軸受6を介して回転自在に取付けられた円筒体7から構成されている。固定軸5は、コンベアフレーム1aに両端が固定されている。円筒体7には、両端に側板となる段付き円筒状のハウジング8が設けられ、このハウジング8の小径の円筒部8a内に軸受6が嵌め込まれている。ハウジング8は、その大径の円筒部8b(図2)で円筒体7の内周に嵌合している。軸受6は、深溝玉軸受等の転がり軸受からなり、その内輪は固定軸5の外周に嵌合している。前記軸受6とハウジング8とで、軸受ユニット10が構成される。この軸受ユニット10が、後述の電源および送信機等共に、異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットを構成する。
【0028】
ハウジング8における軸受6の外側には、カバー9とラビリンスシール29とが取付けられ、軸受6や円筒体7の内部への雨水や塵埃の侵入を防止している。ラビリンスシール29は、固定軸5に設けられた固定側シール部材29aと、ハウジング8に取付けられた回転側シール部材29bとで構成さる。
【0029】
コンベアローラ4の両端のハウジング8内には、軸受6とカバー9の間に、電源12と送信機13とが配置されている。軸受6と電源12との間には間座11が介在しているが、間座11を設けずに、電源12を軸受6に接して配置しても良い。前記電源12、および送信機13は、固定側となる固定軸5の外周に固定されている。前記電源12および送信機13は、固定軸5の外周の一部に設けても、また全周に渡って設けても良い。カバー9は合成樹脂製とされ、送信機13は、そのアンテナが、カバー9の内側の空間における、カバー9との間に金属等の電波遮蔽性の部材が介在しない箇所に配置される。図1,図2の例では、ラビリンスシール29の回転側シール部材29bがカバー9と送信機13との間に介在しているが、この回転側シール部材29bの介在部分または全体が、電波遮蔽性を有しないように合成樹脂製とされている。
【0030】
電源12は、送信機13の駆動用電源となるが、軸受6の異常検出用のセンサとしての機能を兼用する。図6にブロック図で示すように、電源12は、発電素子14、整流・充電回路15、および蓄電手段16により構成される。発電素子14は、この素子の環境における環境エネルギによって発電する熱発電素子や振動発電素子を用いることができる。熱発電素子としてはゼーベック発電素子を用いることができる。振動発電素子としては、エレクレット素子等が用いられる。熱発電素子の場合、素子の高温側を内部に配置し、外気側を低温側に配置することにより、必要な電力を発電させることができる。さらに、外気側の大気との接触面積を増やし、放熱を促進するように櫛形(フィン)形状とすれば、より一層温度差がつき、発電量を増加させることができる。
【0031】
蓄電手段16は、コンデンサ、またはリチウム二次電池等の蓄電池である。整流・充電回路15は、発電素子14で発電された電流を整流し、蓄電手段16に充電する回路である。
【0032】
送信機13は、送信用のアンテナ17、送信回路部18、および送信制御部19を有する。送信回路部18は、送信する情報を、定められた変調形式で変調してアンテナ17から電波として送信させる回路である。送信する情報は任意の情報で良いが、軸受ユニット10を識別する識別情報を含むことが好ましい。この識別情報は、送信回路部18または送信制御部19で記憶しておいても良く、また送信制御部19とは別に設けた記憶手段(図示せず)で記憶するようにしても良い。前記識別情報を送信回路部18に送信させる機能は、送信制御部19等に設けられる。なお、この例では電波で送信するものとしているが、無線で送信するものであれば、電波以外の手段を利用して送信するものであっても良い。
【0033】
送信制御部19は、蓄電手段16の充電量(例えば、蓄電した電荷)が設定値に達するか否かを判定し、設定値に達すると送信を行わせる手段である。送信制御部19は、送信回路部18に対して蓄電手段16の接続を開閉するスイッチング回路等の電子回路等からなる。蓄電手段16の充電量の判定は、例えば蓄電手段16の端子電圧で行う。送信間隔は電源12の発電素子14の発電電力に依存するが、例えば、発電素子14が100μW程度の発電が可能なものである場合、5分毎に送信を行うことができる。送信制御部19は、前記設定値に達して送信を行わせた後、蓄電手段16に蓄電量が零または放電停止用の設定値以下になるまで放電させるものとしても良い。蓄電手段16は電力が送信に利用されると蓄電量が低下するが、送信に消費される電力は必ずしも一定ではないため、さらに放電を行わせるようにすることで、送信間隔が安定する。
【0034】
なお、図7に示すように、GPS端末21を送信機13に付随して設けても良い。GPS端末21は、全地球的測位システム(GPS)の端末である。GPS端末21は、位置を知らせるための情報を送信するが、その送信信号に応じてGPSより送信された位置情報を取得し、その位置情報をさらに送信機13から他の送信情報と共に送信するようにしても良い。前記送信機13で送信する識別情報は、一つのコンベア1におけるどの部位の軸受ユニット10であるかのみを識別する情報であっても良く、その場合でも、GPS端末21の位置情報と組み合わせることで、どのコンベア1のどの軸受ユニット10であるかまでを特定することができる。
【0035】
図6において、監視装置45は、集中管理室の集中管理盤42等に設けられ、軸受ユニット10の送信機13から送信された信号を監視する装置である。これら監視装置45と異常検出機能付きの搬送装置用軸受ユニット10とで、軸受ユニット・監視装置セット50が構成される。監視装置45は、軸受ユニット10の送信機13の送信信号を受信する受信機47と、異常判定手段48と、軸受ユニット特定手段49とを有する。受信機47は、アンテナ52および受信回路部51を有する。軸受ユニット特定手段49は、受信機47で受信した信号から、どの軸受ユニット10の信号であるかを特定する手段であり、送信情報中の識別情報によって特定する。軸受ユニット10にGPS端末21が設けられている場合は、軸受ユニット特定手段49は、GPS端末21による位置の信号により、またはGPS端末21による位置の信号と前記識別情報との両方を用いて、軸受ユニット10を特定する。
【0036】
異常判定手段48は、送信機13から送信されて受信機47で受信された信号の間隔の変化から異常の判定を行う。異常判定手段48の具体的な判定処理については、後に図8,図9と共に説明する。
【0037】
なお、上記の例では、電源12および送信機13は個別に軸受ユニット10に設置したが、これら電源12と送信機13とを一体に組み合わされた電源・送信機モジュール(図示せず)とし、この電源・送信機モジュールを軸受ユニット10に設置するようにしても良い。
【0038】
図3,図4は、プランマブロック10Pからなる軸受ユニットに適用した例を示す。このプランマブロック10Pは、図10のコンベア1における両端のコンベアローラ3が有する回転軸31を支持するものであり、プランマブロック軸受箱であるハウジング32内に、回転軸31を支持する軸受36を設けて構成される。軸受36は、複列自動調心ころ軸受等の転がり軸受からなる。ハウジング32は、ハウジング本体32aと蓋部材32bとでなる。ハウジング本体32aは、内部に軸受36が設置されるものであり、両端面に対向する開口を有し一端の開口に回転軸31を挿入させる。蓋部材32bは他端の開口を閉じる部材である。
【0039】
この例では、ハウジング32のハウジング本体32aの上面部に、電源12および送信機13を埋め込んで構成される。例えば、ハウジング32の表面に凹部を設けてその中に電源12および送信機13を配置する。電源12および送信機13は、図1,2の例で前述した構成のものが使用できるが、送信機13は、アンテナ17(図6)が大気に露出するように設ける。電源12および送信機13は、前述のように電源・送信機モジュールとして一体化されたものであっても良い。また、この例においても、前記と同様にGPS端末21をハウジング32に設置しても良い。
【0040】
図3,4の例では、ハウジング本体32aに電源12等を設けたが、図5に示すように、ハウジング32の蓋部材32bに、電源12および送信機13を埋め込んで設置しても良い。この場合も、送信機13は、アンテナ17(図6)が大気に露出するように設ける。
【0041】
これら図3,4の例および図5の例における、電源12および送信機13の構成については、図1,2と共に前述した例と同様である。
【0042】
図11は、図10のコンベア1、つまり異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット10が装備されたコンベア1を複数台設置した異常検出機能付きコンベア設備を示す。このコンベア設備は、例えば、鉄鉱石や石炭等の搬送用であって、コンベア1を縦列に配列したコンベア列が、採掘場からトラック載積場に渡って設けられる。
この例では、集中管理盤42を備えた集中管理室53と、中継装置43とが設置される。集中管理盤42は、アンテナ52および受信機(図示せず)と、各コンベア1およびその各異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット10を示した絵図または表による表示装置(図示せず)を有していて、その絵図または表上に、各軸受ユニット10の異常発生情報を表示する機能を有する。上記の軸受ユニット10を示した絵図または表は、一つの表示装置の画面に画像として表示されるものであっても良い。
集中管理盤42は、前述の異常判定手段48を有する監視装置45を有していて、その異常判断結果を前記表示装置に表示する。中継装置43は、各コンベア1と集中管理盤42との間に設置され、各コンベア1の送信機13の送信する情報を受信して増幅し無線送信する装置である。
【0043】
上記構成によると、発電素子14(図6)で発電した電力が蓄電手段16で蓄電され、送信制御部19の制御により、蓄電量が設定値に達する毎に、送信回路部18による送信が行われる。蓄電手段16の充電量の判定は、例えば蓄電手段16の端子電圧で行う。図8は、その様子を示し、縦軸が蓄電手段16の端子電圧Vであり、横軸が時間tである。以下は、発電素子14がゼーベック発電素子等の熱発電素子の場合である。
【0044】
軸受6,36は運転に伴って発熱するため、大気等の周囲雰囲気との温度差により、発電素子14により発電が行われる。発電電力は蓄電手段16に充電される。図8に示すように、蓄電手段16は充電量が増えるに従って端子電圧Vが高くなり、充電量が設定まで増大すると、つまり端子電圧Vが設定値VA まで上昇すると、送信制御部19のスイッチング動作等の制御により、送信回路部18によって送信が行われる。この送信によって蓄電手段16の蓄電電力が消費され、端子電圧Vが低下する。このとき、送信制御部19は、送信後に、蓄電手段16の蓄電量が放電停止用の設定値以下になるまで、つまり端子電圧Vが放電停止用の設定電圧VB に低下するまで、放電を行うようにしても良い。この後、発電素子14による発電で再び蓄電量が増えて端子電圧Vが上昇し、設定値VA まで上昇すると送信および放電が行われる。このような動作が繰替えされる。
【0045】
軸受3,36の温度が一定であると、発電素子14による発電量も一定であるため、送信の周期Tが一定となる。しかし、軸受3,36の異常等により温度が上昇すると、送信周期Tが短くなる。
具体例を挙げると、軸受温度が40°Cのときの発電素子14の発電状態が端子電圧Vで1V/hであるとすると、軸受温度が50°C位になると、発電素子14の発電状態が端子電圧Vで1.5V/hとなる。そのため、送信頻度は1.5倍(送信周期は2/3)となる。
【0046】
監視装置45の異常判定手段48は、このように送信される信号を監視し、例えば図9(A)のように送信頻度が一定であると、正常であると判断し、同図(B)の区間tcの間のように、送信頻度が多く(送信周期Tが短く)なると、軸受の異常が発生したと判定し、その判定結果を出力する。
また、軸受3,36が異常により停止してしまうと、全く送信が行われなくなるため、コンベア1の駆動源の駆動が行われていても、設定時間内に送信信号が受信されない場合は、軸受3,36が停止に至る程度の異常であると判定する。
【0047】
異常判定手段48において、送信頻度がどの程度になれば異常であると判定するかは、経験やシミュレーション等によって適宜設定すれば良い。また、送信頻度あるいは送信周期を単に設定値と比較して異常有無の判定を行う他に、統計学的な処理を行って異常有無の判定を行うようにしても良い。
例えば、異常判定手段48は、常に、過去の、現在よりも定められただけ前の基準期間または基準送信回数における信号間隔と、現在の定められた対象期間または対象送信回数の信号間隔とを比較して異常判定を行うようにしても良い。
【0048】
図9(B)の具体例で説明すると、現在時刻がt1であるとして、過去における、現在t1よりも定められただけ(例えば信号3回分だけ)前の基準送信回数(3回)(図9(B)では区間ta)における平均の信号間隔と、現在(t1)の定められた対象送信回数(例えは信号3回分)(図9(B)では区間tb)の平均の信号間隔とを比較して、その差が設定値以上であれば、異常であると判定する。換言すれば、移動平均同士を比較する。
【0049】
軸受は、長年に渡って使用された場合と、新品に近い状態の場合等とで、発熱や振動の発生状況が異なることが多い。長期使用の場合は、発熱量や振動がある程度多くても、異常ではない場合がある。そのため、送信間隔を単に設定間隔と比較しただけでは、正確な異常判定が行えない。これに対して、上記構成のように、常に、過去の現在よりも定められただけ前の基準期間または基準送信回数における信号間隔と、現在の定められた対象期間または対象送信回数の信号間隔とを比較して異常判定を行うことで、信頼性の高い異常判定を行うことができる。軸受を使用する間に、その過去の一定期間と比較して急に発熱量や振動が増えた場合は、軸受の異常である場合が多いからである。
【0050】
このように、軸受ユニット10からの送信の間隔を監視することで、軸受3,36の異常判定が行える。また、軸受3,36が停止する異常が発生した場合は、送信が行われないため、軸受ユニット10を装備したコンベア1が駆動状態であるにも係わらず、信号が受信されない場合は、軸受3,36が停止する異常が発生したと判定できる。このように、異常検出専用のセンサを設けることなく、送信用の電源12となる発電素子14を利用して異常検出を行うようにしたため、簡素な構成で異常検出が行える。そのため、不具合が発生した際に、回転不能に至るよりも前に、軸受6,36を早期に交換することができる。
【0051】
また、送信用の電力を、軸受ユニット10内の発電素子14から得るようにしたため、各軸受ユニット10毎に完結した異常検出、情報送信、電源確保が行えて、軸受ユニット10の相互間や集中管理室への配線が不要となる。このように、電力配線および信号配線とも不要となる。有線では配線等インフラを敷設するため構造が複雑になり、設計の自由度が下がるのに対し、無線ではそのような課題は無くなる。また、コンベア1の距離が長い場合は、送信可能範囲内毎に中継装置43をコンベア1に沿って設置することにより、集中管理室42まで無線で送信可能となる。このため、例えば鉄鉱石や石炭等の搬送用コンベア等のような搬送経路の長いコンベア設備においても適用が簡単に行える。
【0052】
軸受ユニット10から無線送信する場合、アンテナ17は金属で覆われると通信不能となるが、屋外で使用されるベルトコンベア1では、図1〜5の例に示すように、アンテナ面を外気側に配置することにより良好な通信状態が得られる。
【0053】
また、発電には、環境エネルギによって発電する発電素子14を用いたため、センサとして兼用できる利点の他に、回転側および静止側の両方に部品を設けることで必要なロータ・ステータによる発電機を設ける場合に比べて構成が簡素化され、かつコンパクト化される。そのため、専用設計の不要化も可能で、設計の自由度も大きく得られ、適用が容易となる。既存設計の軸受ユニットとも容易に置換可能となる。
【0054】
発電素子14として、熱発電素子( ゼーベック素子) を用いる場合は、素子の高温側を内部に配置し外気側を低温側に配置することにより、必要な電力を発電させることが出来る。更に、外気側の外気との接触面積を増やし、放熱を促進するよう櫛型( フィン) 形状とすれば、一層温度差が付き発電量を増加させることが出来る。
【0055】
各軸受ユニット10の送信機13から識別情報をセンサ情報と共に送信するようにした場合は、どの軸受6,36の情報か識別できるが、個々の機器を組み合わせて使用する時や、多数のコンベア1を備えた設備の場合は、GPS端末21と連動させることにより、どのコンベア1のどの軸受6,36であるかをを特定することが可能となる。
【0056】
なお、前記の実施形態は、搬送装置がベルトコンベア1である場合つき説明したが、この発明は、ベルト形式以外のコンベアや、さらにコンベア以外の搬送装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1…コンベア(搬送装置)
2…コンベアベルト
3…コンベアローラ
4…コンベアローラ
5…固定軸
6…軸受
7…円筒体
8…ハウジング
9…カバー
10…軸受ユニット
10P…プランマブロック
12…電源
13…送信機
14…発電素子
16…蓄電手段
17…アンテナ
19…送信制御部
21…GPS端末
31…回転軸
32…ハウジング
32a…ハウジング本体
32b…蓋部材
36…軸受
42…集中管理盤
43…中継装置
45…監視装置
48…異常判定手段
50…軸受ユニット・監視装置セット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転がり軸受をハウジング内に設置してなり、搬送装置に装備される搬送装置用軸受ユニットにおいて、
環境エネルギによって発電する発電素子と、この発電素子で発電した電力を蓄電する蓄電手段と、無線送信を行う送信回路部を有する送信機とを備え、この送信機は、前記蓄電手段による蓄電量が設定値に達する毎に前記送信回路部に送信を行わせる送信制御部を有する異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット。
【請求項2】
請求項1において、前記送信制御部は、前記蓄電手段による蓄電量が設定値に達して前記送信回路部に送信を行わせる毎に、前記蓄電手段の放電を行わせる異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記発電素子が熱発電素子である異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、前記発電素子が振動発電素子である異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記送信機は、前記送信を行う信号として前記搬送装置用軸受ユニットの識別情報を送信する異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、全地球的測位システムの端末であるGPS端末を前記送信機に設けた異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記異常検出機能付き搬送装置がベルトコンベアである異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット。
【請求項8】
請求項7において、前記ハウジングは、前記ベルトコンベアのベルトを掛装したコンベアローラの外周の円筒体の端部に設けられた部材であり、前記転がり軸受は、固定の軸と前記ハウジングとの間に介在して前記コンベアローラを回転自在に支持する異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット。
【請求項9】
請求項8において、前記コンベアローラに、前記円筒体の端面を蓋する合成樹脂製のカバーを設け、前記送信機は、前記カバーの内側の空間における、前記送信機のアンテナと前記カバーとの間に電波遮蔽性の部材が介在しない箇所に配置した異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット。
【請求項10】
請求項7において、前記ハウジングは、前記ベルトコンベアのベルトを掛装したコンベアローラが有する回転軸を支持するプランマブロックの軸受箱である異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット。
【請求項11】
請求項10において、前記プランマブロックの軸受箱は、両端面に対向する開口を有し一端の開口に軸を挿入させるハウジング本体と、このハウジング本体の他端の開口を閉じる蓋部材とでなり、前記センサ、送信機、および電源を前記蓋部材に設置した異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニット。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットと、前記送信信号を受信する受信機および異常判定手段を有する監視装置とでなり、前記異常判定手段は、前記送信機から送信されて前記受信機で受信された信号の間隔の変化から異常の判定を行う軸受ユニット・監視装置セット。
【請求項13】
請求項12において、前記異常判定手段は、常に、過去の、現在よりも定められただけ前の基準期間または基準送信回数における信号間隔と、現在の定められた対象期間または対象送信回数の信号間隔とを比較して異常判定を行う軸受ユニット・監視装置セット。
【請求項14】
請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の異常検出機能付き搬送装置用軸受ユニットを複数のコンベアに装備した異常検出機能付きコンベア設備。
【請求項15】
請求項14において、前記各コンベアに装備された前記各送信機の送信する情報を纏めて監視する集中管理盤と前記コンベアとの間に、前記送信機の送信する情報を受信して増幅し無線送信する中継装置を設けた異常検出機能付きコンベア設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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