説明

異核錯体およびその製造方法

【課題】異種金属の配列をより精緻に制御することを可能とする異核錯体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】カルボン酸配位子および複数個の金属原子を有する錯体であって、金属原子が存在する主たる面において1つのカルボン酸配位子を除く全てがアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換され、前記カルボン酸配位子に電子供与性の配位子が結合したアミジン−カルボン酸錯体に、該アミジン−カルボン酸錯体の金属原子とは異なる金属原子を有する錯体を結合させた異核錯体およびその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な異核錯体およびその製造方法に関し、さらに詳しくはカルボン酸配位子が1つで他の全てがアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換されて複数個の金属原子を有するアミジン−カルボン酸錯体と前記金属とは異なる金属原子を有する錯体とが特定の配位子の組合せによって結合させた、異種金属の配列をより精緻に制御することを可能とする異核錯体およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の研究によれば、制御されたサイズを有する金属クラスターは、触媒活性等の化学的性質及び磁性等の物理的性質に関して、バルクの金属とは異なる性質を有することが明らかになっている。この金属クラスターとは複数の金属原子が直接あるいは架橋配位子を通して互いに結合して寄り集まった骨格構造を持つ金属錯体を示す用語として一般に使用される。
この金属クラスターの特異な性質を利用するために、サイズを制御した金属クラスター(以下、クラスターと略記することもある。)を簡便に且つ大量に合成する方法が必要とされている。
一方、サイズを制御したクラスターを得るために現在知られている方法としては、真空中において金属ターゲットを蒸散させて様々なサイズのクラスターを生成させ、このようにして得たクラスターから、マススペクトルの原理を用いてクラスターサイズを分離する方法(以下、金属蒸散―MS法と略記することもある。)がある。しかしながらこの方法では、サイズを制御したクラスターを簡便に且つ大量に合成することはできない。
【0003】
クラスターの特異な性質に関して、例えば非特許文献1では、この文献から転記して図1に示したように、気相中における白金触媒とメタン分子との反応性が、白金サイズに大きく影響されること、この反応のための最適なクラスターのサイズがあることを報告している。
【0004】
貴金属による触媒性能を用いる例としては、自動車用エンジン等の内燃機関から排出される排ガスの浄化を挙げることができる。この排ガスの浄化では、排ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)等を、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属を主成分とする触媒成分によって、二酸化炭素、窒素、水、酸素に転化させている。この排ガス浄化の用途では一般に、貴金属である触媒成分をアルミナ等の酸化物製多孔質担体に担持して、排ガスと触媒成分との大きい接触面積を与えるようにしている。
【0005】
触媒成分である貴金属の酸化物製多孔質担体への担持は一般に、貴金属の硝酸塩又は単一の貴金属原子を有する貴金属錯体の溶液を担体に含浸させて、担体の表面に貴金属化合物を分散させて、次いで溶液を含浸させた担体を乾燥及び焼成することによって行っている。このような方法では、簡便に大量の触媒を調製することは出来るが、金属は単原子分散状態もしくは、適当な加熱・雰囲気制御により粒子成長させた状態であり、任意の構成原子数を有する貴金属クラスターを担持させることはできない。
【0006】
こうした排ガス浄化触媒においても、貴金属資源枯渇の問題への対応と環境改善に対する要求から排ガス浄化性能のさらなら向上への期待は強く、貴金属をクラスターの状態で担持させることが提案されている。例えば、特許文献1では、カルボニル基を配位子とする金属クラスターを用いると、触媒金属を超微粒子の状態で直接に担体に担持できるとしている。
更に、特許文献2では、ロジウムイオン及び白金イオンを含む溶液に還元剤を添加し、ロジウムと白金とが固溶した合金からなる金属クラスターを得ることを開示している。
【0007】
また、特許文献3では、複数の有機多座配位子と複数の貴金属原子からなる多核錯体を担体上に析出させ、次いで有機多座配位子を除去することにより、貴金属クラスター担持触媒を製造する貴金属クラスター担持触媒の製造方法を開示している。
なお、金属錯体に関しては、多価配位子を用いて無数の金属原子を有するポリマーを得ることが知られている。例えば特許文献4では、ジカルボン酸を用いて、巨大な三次元構造を有するジカルボン酸金属錯体ポリマーを得ている。
【0008】
【特許文献1】特開平11−285644号公報
【特許文献2】特開平9−253490号公報
【特許文献3】特開2006−55807号公報
【特許文献4】特開2000−109485号公報
【非特許文献1】「アドソープション アンド リアクション モレキュール オンクラスター イオン」(”Adsorption and Reaction of Methanol Molecule on Nickel Cluster Ions,Nin+(n=3−11).”)、 M. Ichihashi,T. Hanmura,R.T.Yadav and T. Kondow,J.Phys.Chem.A,104,11885(2000)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、公知の特許文献に記載された発明によっては、金属クラスターを任意のサイズ(金属原子数を示す。)に制御することができないことが明らかである。
このため、本発明者らは、サイズを制御した金属又は金属酸化物クラスターを簡便に且つ大量に合成することを可能にする複数錯体含有化合物に関する発明を既に特許出願し(特願2006−191817号)、さらに、複数錯体含有化合物におけるサイズをより緻密に制御することを可能とする錯体に関する発明を既に特許出願した(特願2007−244095号)。
本発明は、異種金属の配列をより精緻に制御することを可能とする異核錯体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、カルボン酸配位子および複数個の金属原子を有する錯体であって、金属原子が存在する主たる面において1つのカルボン酸配位子を除く全てがアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換され、前記カルボン酸配位子に電子供与性の配位子が結合したアミジン−カルボン酸錯体に、
該アミジン−カルボン酸錯体の金属原子とは異なる金属原子を有する錯体を結合させた異核錯体に関する。
【0011】
また、本発明は、複数個の金属原子(M)を有するカルボン酸錯体の金属原子が存在する主たる面においてカルボン酸配位子の内の一つを残してアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換し、残りの一つのカルボン酸配位子に電子供与性の配位子を置換し、前記金属原子とは異なる金属原子(M)を有する錯体と結合させる異核錯体の製造方法に関する。
【0012】
本発明において、金属原子が存在する主たる面とは、複数個の金属原子によって形成される面が1つである場合はその面を、2つ以上ある場合には金属原子と他の配位子との合計の数が最も多い面をいい、金属原子と他の配位子との合計の数が同じ場合には同数のいずれかの面をいう。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、原子数を制御した金属又は金属酸化物クラスターを簡便に且つ大量に合成することを可能にする原子数をより緻密に、且つ異種金属の配列をより精緻に制御することを可能とする異核錯体を得ることができる。
また、本発明によれば、原子数を制御した金属又は金属酸化物クラスターを簡便に且つ大量に合成することを可能にする原子数をより緻密に、且つ異種金属の配列をより精緻に制御することを可能とする異核錯体を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の異核錯体は、カルボン酸配位子および複数個の金属原子を有する錯体であって、金属原子が存在する主たる面において1つのカルボン酸配位子を除く全てがアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換され、前記カルボン酸配位子に電子供与性の配位子が結合したアミジン−カルボン酸錯体(以下、第1の錯体成分ということもある。)に、該アミジン−カルボン酸錯体の金属原子とは異なる金属原子を有する錯体(以下、第2の錯体成分ということもある。)を結合させた錯体である。
本発明においては、前記のカルボン酸配位子に電子供与性の配位子が結合したアミジン−カルボン酸錯体と前記錯体の金属原子と異なる金属原子を有する錯体を結合させるので、サイズを制御したクラスターであって、異種金属を精緻に配列させたクラスターを容易に得ることが可能となる。
【0015】
前記の第1の錯体成分は、複数個の金属原子を有する錯体であって、金属原子が存在する主たる面において1つのカルボン酸配位子以外の全てがアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換され、前記カルボン酸配位子に電子供与性の配位子が結合したアミジン−カルボン酸錯体である。
また、本発明において、アミジン配位子とはアミジン基を有する又はアミジン基に基づく配位子をいう。従って、他の原子との結合によりN=Nの不飽和基がN−Nの飽和基になったものをも含んで用いられる。
【0016】
前記のカルボン酸配位子としては、下記の式を有する一価カルボン酸配位子が挙げられる。
【0017】
【化1】

【0018】
(Rは、水素、又は置換若しくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂環式基又はアラルキル基である。)
また、前記のアミジン配位子としては、下記の式を有する一価又は多価のアミジン配位子が挙げられる。
【0019】
【化2】

【0020】
(R〜Rはそれぞれ独立に、水素、又は置換若しくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂環式基若しくはアラルキル基であり、Rはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、アラルキレン基又は二価の脂環式基であり、且つnは0〜5の整数である。)
【0021】
そして、前記の第1の錯体成分における電子供与性の配位子が結合する前の錯体の好適例を以下の式に示す。
【0022】
【化3】

(式中、Phはフェニル基を示す。)
【0023】
前記の第1の錯体成分を与える錯体は、複数の金属原子を有し且つ金属原子が存在する主たる面において1つのカルボン酸配位子以外の全てがアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換されていることが必要である。
前記の複数の金属原子が存在する主たる面において、各金属原子に配位したカルボン酸配位子のうち1個がカルボン酸配位子であって反応性を有し、他は全てがアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換されていることによってジカルボン酸との反応性を有さず、錯体含有化合物のサイズをより緻密に制御することを可能とする。
【0024】
以下、前記の金属原子が存在する主たる面について、配位子がアミジン配位子およびカルボン酸配位子である実施態様において、複数個の金属原子によって形成される面が1つである場合、複数個の金属原子によって形成される面が2つ以上ある場合であって金属原子と他の配位子との合計の数が最も多い1つの面がある場合、金属原子と他の配位子との合計の数が同じ場合の3つの錯体に類型化して説明する。
【0025】
先ず、複数個の金属原子によって形成される面が1つである場合として、下記の式で示される化学構造が挙げられる。
【0026】
【化4】

(式中、Mは金属原子、例えばPdで、Xはアミジン配位子で、Yはカルボン酸配位子である。)
【0027】
第2に、複数個の金属原子によって形成される面が2つ以上ある場合であって金属原子と他の配位子との合計の数が最も多い1つの面がある場合として、下記の式で示される化学構造が挙げられる。
【0028】
【化5】

(式中、Mは金属原子、例えばPtで、Xはアミジン配位子で、YおよびZはカルボン酸配位子である。)
【0029】
そして、金属原子と他の配位子との合計の数が同じ場合として、下記の式で示される化学構造が挙げられる。
【0030】
【化6】

(式中、Mは金属原子、例えばRhで、Xはアミジン配位子で、Yはカルボン酸配位子である。)
【0031】
前記の第1の錯体成分を構成する金属(M)としては、遷移金属であれば特に制限はなく、例えばチタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金(Pt)及び金から選ばれる金属であってよく、特にPd、Pt又はRhが好適であり、その中でも特にPtが好適である。
【0032】
前記の第1の錯体成分としては、アミジン−カルボン酸錯体を形成することができる任意のカルボン酸配位子、特に一価カルボン酸配位子でよく、例えば下記の式を有するカルボン酸配位子を挙げることができる。
【0033】
【化7】

(Rは、水素、又は置換若しくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂環式基又はアラルキル基である。)
【0034】
例えば、Rは、水素、又は置換若しくは無置換のC〜C30(すなわち炭素原子数1〜30)(以下同様)、特にC〜C10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂環式基又はアラルキル基であってよい。またRは、水素、又はC〜C、特にC〜Cのアルキル基、アルケニル基であってよい。
【0035】
具体的なカルボン酸配位子としては、ギ酸(ホルマト)配位子、酢酸(アセタト)配位子、プロピオン酸(プロピオナト)配位子、エチレンジアミン四酢酸配位子を挙げることができる。
【0036】
前記の第1の錯体成分を構成するアミジン配位子としては、下記の式を有する一価又は多価のアミジン配位子であってよい。
【0037】
【化8】

【0038】
(R〜Rはそれぞれ独立に、水素、又は置換若しくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂環式基若しくはアラルキル基であり、Rはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、アラルキレン基又は二価の脂環式基であり、且つはnは0〜5の整数である。)
【0039】
ここで、アミジン配位子の炭素上の置換基であるRおよびRはそれぞれ独立に、水素、又は置換若しくは無置換のC〜C10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂環式基若しくはアラルキル基であってよく、特に水素又は置換若しくは無置換のフェニル基であってよい。
【0040】
また、アミジン配位子の窒素上の置換基であるRおよびRはそれぞれ独立に、置換又は無置換のアリール基又は脂環式基、特に置換又は無置換のC〜C30のアリール基又は脂環式基、さらに特に置換又は無置換のフェニル基であってよい。この置換フェニル基としては、パラ位が置換されたフェニル基、特にパラ位がC〜C10のアルコキシ基、C〜C10のアシル基、ハロゲン原子で置換されたフェニル基又はメタ位がジフェニルフォスフィノ基で置換されたフェニル基、さらに特にはパラ位がC〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアシル基キル基又はハロゲン原子で置換されたフェニル基、さらにメタ位がジフェニルフォスフィノ基で置換されたフェニル基を挙げることができる。
【0041】
アミジン配位子の窒素上の置換基であるR及びRが立体的にかさばる基、例えば置換又は無置換のアリール基又は脂環式基、特にパラ位が置換されているフェニル基である場合、この置換基の立体障害によってアミジン配位子同士が隣接して配位しないようにして、アミジン配位子を、選択的な位置に配位させること又は一部にのみ配位させることができる。
【0042】
前記アミジン配位子においてアミジン配位子同士を結合しているRは、置換若しくは無置換のC〜C10のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、アラルキレン基、又は二価の脂環式基、例えばC〜Cのアルキレン基、特にCのアルキレン基であってよい。
【0043】
例えば、前記の第1の錯体成分におけるアミジン配位子としては、n=0のアミジン配位子、すなわち下記の式を有する一価のアミジン配位子であってよい。
【0044】
【化9】

【0045】
具体的なアミジン配位子としては、N,N’−ビス(p−メトキシフェニル)ホルミアミジン、N,N’−ビス(p−アセチルフェニル)ホルミアミジン、N,N’−ビス(p−クロロフェニル)ホルミアミジン、N,N’−ビス[(2−ジフェニルフォスフィノ)フェニル]ホルミアミジン等を挙げることができる。
【0046】
前記の第1の錯体成分を構成するハロゲン配位子としては、フッ素配位子、塩素配位子、臭素配位子又は沃素配位子が挙げられ、好適には塩素配位子が挙げられる。
【0047】
前記の第1の錯体成分は、複数個の金属原子(M)を有する錯体であって、金属原子が存在する主たる面において1つのカルボン酸配位子以外の全てがアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換され、前記カルボン酸配位子に電子供与性の配位子が結合したアミジン−カルボン酸錯体である。
そして、前記の第1の錯体成分を構成する電子供与性の配位子としては、カルボン酸配位子と結合してアミジン−カルボン酸錯体に電子供与性を与える配位子であれば特に制限はなく、例えば、アミン、イミン、アルコキシ、カルボニル、ホスフィン、ニトリル、チオラトなど、好適にはアミンなどの電子供与性基を含み、且つカルボキシル基、アミノ基、アミド基、イミド基などのカルボン酸配位子と結合可能な基を含む電子供与性化合物に基づく配位子が挙げられる。前記の電子供与性化合物として、例えばイソニコチン酸が好適に挙げられる。
前記の第1の錯体成分としては、例えば、下記の式を有する錯体が挙げられる。
【0048】
【化10】

【0049】
前記の第1の錯体成分は、一般的には例えば下記の工程を含む方法によって形成することができる。
(a)複数個の金属原子に、複数個のカルボン酸配位子が配位してなる、カルボン酸錯体を提供すること、
(b)金属原子が存在する主たる面において1つのカルボン酸配位子がアミジン配位子で置換される量以上のアミジン配位源を提供すること、並びに
(c)カルボン酸錯体とアミジン配位源とを溶媒中で混合して、カルボン酸錯体のカルボン酸配位子の1つをアミジン配位子で置換して錯体を得ること、
(d)金属原子が存在する主たる面において2つのカルボン酸配位子がアミジン配位子又はハロゲン配位子で置換される量以上のアミジン配位源又はハロゲン配位源を提供すること、
(e)錯体とアミジン配位源又はハロゲン配位源とを溶媒中で混合して、金属原子が存在する主たる面において錯体のカルボン酸配位子の1つを残してアミジン配位子又はハロゲン配位子で置換して錯体を提供すること、並びに
(f)得られた錯体と電子供与性化合物を溶媒中で混合して錯体のカルボン酸配位子とカルボキシル基、アミノ基、アミド基、イミド基など、好適にはカルボキシル基と結合させて錯体を得ること。
【0050】
前記の第1の錯体における好適な1実施態様のアミジン−カルボン酸錯体(以下、3キャップ錯体と略記することもある。)およびジカルボン酸を用いることによってサイズが制御された集積化される錯体含有化合物を生成させる反応について、第1の錯体におけるアミジン−カルボン酸錯体(3キャップ錯体)を用いてサイズが制御されて集積化された錯体含有化合物を得るための反応工程によって、複数錯体含有化合物用出発原料の1例であるtrans−2置換体(以下、t−2置換体と略記することもある。)を用いて説明する。
【0051】
なお、前記のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、テトラフルオロテレフタル酸などを挙げることができる。
また、前記のtrans−2置換体は、[Pt(CHCOO)](オクタカルボン酸四白金)と過剰量のアミジン化合物であるN,N‘―ビフェニルホルムアミジンとから、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で反応させることによって得ることができる。
【0052】
先ず、前記の1実施態様のアミジン−カルボン酸錯体と過剰量のジカルボン酸源としてのジカルボン酸とを反応させて、アミジン−カルボン酸錯体にジカルボン酸が1個付加した錯体(錯体1)を生成させる(反応1)。
前記の反応で使用されなかったジカルボン酸はそれ自体公知の方法、例えば液体クロマトグラフィー分離によって除去され得る。
【0053】
次いで、得られた錯体と過剰量のtrans−2置換体とを反応させて、錯体2にtrans−2置換体が1個付加した錯体(以下、錯体2と略記することもある。)を生成させる(反応2)。
反応で使用されなかったtrans−2置換体は、例えば液体クロマトグラフィー分離によって除去され得る。
【0054】
次いで、得られた錯体2と過剰量のジカルボン酸とを反応させて、錯体2にジカルボン酸が1個付加した錯体(以下、錯体3と略記することもある。)を生成させる(反応3)。
反応で使用されなかったジカルボン酸は、例えば液体クロマトグラフィー分離によって除去され得る。
【0055】
次いで、得られた錯体3と等量の3キャップ錯体とを反応させ、錯体3に3キャップ錯体が1個付加した生成物を生成させる(反応4)。
これら一連の反応によって、trans−2置換体の両端の2つのカルボン酸配位子に3キャップ錯体が各々付加した単一の集積化錯体化合物を得ることができる。
【0056】
前記の反応4において、錯体3と等量の3キャップ錯体とを反応させる代わりに錯体3に対して反応3以下の反応を繰り返すことによって2個のtrans−2置換体が結合した錯体の両端の2つのカルボン酸配位子に3キャップ錯体が各々付加した単一の分子量を有する下記式で示される均一集積化錯体化合物(n=2)を得ることができる。同様にして、ジカルボン酸付加、trans−2置換体の付加、過剰量のジカルボン酸およびtrans−2置換体の除去をn回以上繰り返した後、最後に当量の3キャップ錯体を反応させることによって、下記式で示される単一の分子量を有する集積化錯体化合物を得ることができる。
錯体2−(trans−2置換体ジカルボン酸付加錯体)−3キャップ錯体
(n:2以上の任意の整数である。)
【0057】
つまり、前記の集積化錯体化合物を用いれば、前記式においてnが2以上の任意の値であるn個のtrans−2置換体の両端に3キャップ錯体が結合した単一分子量の、従って任意の金属原子を有する集積化錯体化合物、従ってサイズを制御した金属を与える均一な集積化錯体化合物を得ることができるのである。
【0058】
本発明の異核錯体は、前述のように前記の第1の錯体成分である複数個の金属原子を有する錯体であって、金属原子が存在する主たる面において1つのカルボン酸配位子以外の全てがアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換され、前記カルボン酸配位子に電子供与性の配位子が結合したアミジン−カルボン酸錯体に、第2の錯体成分である前記の金属原子とは異なる金属原子を有する錯体を結合させた錯体である。
前記の第2の錯体成分としては、前記の金属原子とは異なる金属原子を有する錯体が挙げられる。
【0059】
前記の第2の錯体成分における金属原子(M)としては、遷移金属であれば特に制限はなく、例えばチタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金(Pt)及び金から選ばれる金属であって前記の第1の錯体成分における金属原子とは異なる金属が挙げられる。例えば、第1の錯体成分における金属原子がPtである場合は、第2の錯体成分における金属原子としてはPd又はRhが好適であり、その中でも特にRhが好適である。
【0060】
また、前記の第2の錯体成分としては、前記の金属を有し電子受容性の配位子を持つ化合物に基づくものが挙げられ、例えば前記の金属を有するカルボニル錯体に基づく成分を挙げることができる。前記の金属を有するカルボニル錯体として、オクタアセタト4ロジウム錯体、テトラアセタト2ロジウム錯体、オクタアセタト4パラジウム錯体、テトラアセタト2パラジウム錯体、好適にはテトラアセタト2ロジウム錯体を挙げることができる。
【0061】
本発明の異核錯体は、前記の複数個の金属原子(M)を有するカルボン酸錯体の金属原子が存在する主たる面においてカルボン酸配位子の内の一つを残してアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換し、残りの一つのカルボン酸配位子に電子供与性の配位子を置換し、前記金属原子とは異なる金属原子(M)を有する錯体と結合させることによって得ることができる。
本発明の異核錯体の製造方法について、本発明の製造方法の1実施態様を示す図2を用いて説明する。
【0062】
図2において、先ずスキーム1で、複数個の金属原子(M:Pt)を有するカルボン酸錯体(1)と電子供与性化合物(イソニコチン酸)と溶媒中で混合して錯体のカルボン酸配位子とカルボン酸、ハロゲン化カルボニル等とを結合させて金属原子が存在する主たる面においてカルボン酸配位子の内の一つを残してアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換し、残りの一つのカルボン酸配位子に電子供与性の配位子を置換した錯体(2)を形成する。次いで、スキーム2で、前記の錯体(2)と前記金属原子とは異なる金属原子(M)を有する錯体(3)と溶媒中で混合して、両錯体の電子供与性(図2ではN原子)と電子受容性(図2ではRh原子)とによって結合させることによって異核錯体(4)を得ることができる。
【0063】
本発明の異核錯体を用いた触媒の製造方法、特に排ガス浄化触媒の製造方法としては、前記の均一な異核錯体を含む溶液又は懸濁液に多孔質担体を含浸させた後、好適には不活性雰囲気下に加熱し、乾燥・焼成して、多孔質担体上に金属クラスターを担持させる方法を挙げることができる。
【0064】
前記の多孔質担体としては、特に制限はなく、例えば基材内に多数の微細な気孔を有する、コージェライト、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素等の、耐熱性を有するセラミック材料からなるハニカム基材を用いることが好ましく、優れた耐熱性と低い熱膨張係数を有するコージェライトハニカムを用いることが好ましい。このハニカム基材は、両端が開口した多数のセルを有するものが好ましい。また、ハニカム基材のセル壁に存在する気孔は実質的に非貫通孔であることが好ましく、セル壁が40〜75%の気孔率と10〜50μmの気孔径を有するものを用いることが好ましい。
【0065】
前記の多孔質担体は表面に多数の活性点、例えばOH基、O基等の官能基や突起などの欠陥部を有しており必要ならばOH基の付加などの前処理を行った後、前記の均一な異核錯体を含む溶液又は懸濁液に多孔質担体を含浸処理することにより、活性点に均一な異核錯体が化学的又は物理的に吸着され、後処理の乾燥・焼成工程によって金属をクラスターの状態で担持させることができる。
【0066】
以下、この発明の実施例を示す。
以下の実施例は単に説明するためのものであり、この発明を限定するものではない。
以下の各例において、分析は以下に示す測定機器および測定法で行った。
NMR(H、13C{H}、31P{H}NMR):VARIAN−MERCURY300−C/H(VARIAN社)を用いた。
NMR(195Pt{H}NMR):日本電子社のJEOL−lamada500(107.4MHzを用いた。
Hおよび13C NMRスペクトルのケミカルシフトはテトラメチルシランを基準としてppm(δ)で標記した。
195Pt{H}NMR)スペクトルはKPtCl(δ−1622)を基準とした。
ESIマススペクトルは日本電子社のJEOL SX−102を用いた。
IRスペクトルは日本分光社のJASCO FT/IR−230を用いた。
元素分析:Parkin−Elmer 2400(Parkin−Elmer社)
MP(融点):ヤナコ社のYanaco MP−52982
【0067】
全ての反応は、シュレンク管あるいは一般的な真空ラインにてアルゴン雰囲気下で行った。溶媒はアルゴン雰囲気下で脱水したものを用いた。NMR測定用重溶媒はCDClとCDClを用いた。下記式で示されるオクタアセト4白金錯体[Pt(OAc)]は下記文献1に、
【0068】
【化11】

【0069】
下記式で示されるテトラアセト2ロジウムは下記文献2に、
【0070】
【化12】

【0071】
そして、下記式で示されるHdpfamは下記文献3に従って各々合成した。
【0072】
【化13】

【0073】
文献1:社団法人日本化学会編、第4版実験化学講座17巻 無機錯体、452頁、1991年
文献2:(a)社団法人日本化学会編、第5版実験化学講座22 金属錯体・遷移金属クラスター、108
(b)ジー.エー.レンペル、ピーレグジディンス、エイチスミス、ジーウイルキンソン、無機化学合成(G.A.Rempel、P.Legzdins、H.Smith、G.Wilkinson、Inorg.Synth.)1972,8,90
文献3:TSUKADA、N;Tamaru、O;Inoue、Y. Organometallics 21、2521(2002)
【0074】
参考例1
[Pt(OAc)(dpfam)]の合成
シュレンクにPt(OAc)177mg(141μmol、1.0eq)、Hdpfam(N,N’−ビス[(2−ジフェニルフォスフィノ)フェニル]ホルミアミジン)100mg(176μmol、1.3eq)を秤取し、CHCl6mLを加えて、室温で12時間攪拌した。攪拌後、減圧下で溶媒を留去し、CHCN(5mLx1、1mLx2)、EtO(5mLx3)で洗浄することにより92mgの赤茶色固体を得た(収率37%)。
この反応を下記の化学式に示す。
【0075】
【化14】

(式中、Phはフェニル基である。)
【0076】
得られた固体についての測定結果を次に示す。
H NMR(300MHz、CDCl、308K):δ 1.08(s、3H、axCCH)、1.39(s、3H、axCCH)、1.43(s、6H、eqCCH)、1.72(s、6H、axCCH)、2.22(s、3H、eqCCH)、7.09−7.64(m、24H、芳香族プロトン)、7.95−8.07(m、4H、芳香族プロトン)、9.12(s、1H、−NCHN−).
31P{H}NMR(121 MHz、CDCl、308K):d8.25(s、Pt(1)−P(5)Pt(2)−P(6)=1587Hz、Pt(1)−P(6)Pt(2)−P(5)=519Hz、P(5)−P(6)=545Hz、−PPh).
mp 193−198℃(dec.).
515014Ptに対する計算値:C34.86; H2.87; N 1.59.実測値:C 34.89;H 2.91;N 1.52
得られた固体は、前記反応式の右辺の化学式に示される[Pt(OAc)(dpfam)]の錯体であった。
【0077】
参考例2
[Pt(OAc)(dpfam)Cl]の合成
シュレンクに[Pt(OAc)(dpfam)]21.0mg(12μmol)、NaClの5.5mg(94μmol)を秤取し、CHCl2mL、MeOH6mL、HO2mLを加えて、室温で18時間攪拌した。攪拌後、減圧下で溶媒を留去し赤茶色固体を得た。この固体をCHClに溶かしてグラスフィルターを用いてろ過を行い、EtO(6mLx3)で洗浄することにより17.5mgの赤茶色固体を得た(収率86%)。
この反応を下記の化学式に示す。
【0078】
【化15】

(式中、Phはフェニル基であり、LはCHCOOである。)
【0079】
得られた固体についての測定結果を次に示す。
H NMR(300MHz、CDCl、308K):δ 1.30(s、3H、axCCH)、1.61(s、6H、axCCH)、1.70(s、3H、axCCH)、2.24(s、3H、eqCCH)、7.05−7.63(m、24H、芳香族プロトン)、8.02−8.18(m、4H、芳香族プロトン)、8.79(s、1H、−NCHN−).
31P{1H}NMR(121 MHz、CDCl、308K):δ10.4(s、Pt(1)−P(5)Pt(2)−P(6)=1583Hz、Pt(1)−P(6)Pt(2)−P(5)=504Hz、P(5)−P(6)=590 Hz、−PPh).
MS(ESI+):m/z1674([M−Cl]).
mp 229−230℃(dec.).
バイルシュタイン試験(Beilstein test):+(positive)
4744Cl10Ptに対する計算値:C、33.01; H、2.59; N、1.64.実測値:C、32.90;H、2.91;N、 1.54
得られた固体は、[Pt(OAc)(dpfam)Cl]の錯体であった。
【0080】
実施例1
[Pt(OAc)(dpfam)Cl(OCCN)]の合成
図2に示すスキーム1に従って、シュレンクに[Pt(OAc)(dpfam)Cl](スキーム1中、1として表示)38.5mg(23μmol)、イソニコチン酸28.3mg(230μmol、10eq.)を秤取し、CHCl4mL、MeOH10mL、HO4mLを加えて、室温で15時間攪拌した。攪拌後、減圧下で溶媒を留去し赤茶色固体を得た。この固体をCHClに溶かしてグラスフィルターを用いてろ過を行い、EtO(6mLx3)で洗浄することにより22.3mgの赤茶色固体を得た(収率56%)。
【0081】
得られた固体についての測定結果を次に示す。
H NMR(300MHz、CDCl、308K):δ 1.32(s、3H、axCCH)、1.62(s、6H、axCCH)、1.72(s、3H、axCCH)、7.00−7.70(m、24H、芳香族プロトン)、8.06−8.25(m、4H、芳香族プロトン)、8.15(d、J=6.0Hz、2H、−CN)、8.58(d、J=6.0Hz、2H、−CN)、8.78(d、1H、−NCHN−).
31P{1H}NMR(121 MHz、CDCl、308K):δ11.6(s、Pt(1)−P(5)Pt(2)−P(6)=1589Hz、Pt(1)−P(6)Pt(2)−P(5)=480Hz、P(5)−P(6)=601 Hz、−PPh).
MS(ESI+):m/z1737([M−Cl]).
mp 258−259℃(dec.).
5145Cl10Ptに対する計算値:C、34.55; H、2.56; N、2.37.実測値:C、34.25;H、2.30;N、 2.28
得られた固体は、[Pt(OAc)(dpfam)Cl(OCCN)]の錯体であった。
【0082】
実施例2
{[Pt(OAc)(dpfam)Cl(OCCN)][Rh(OAc)]}の合成
図2に示すスキーム2に従って、シュレンクに[Pt(OAc)(dpfam)Cl(OCCN)](スキーム2中、化合物:2として表示)19.2mg(11μmol)、[Rh(OAc)](スキーム2中、化合物:3として表示)2.5mg(5.7μmol、0.52eq.)を秤取し、CHCl4mLを加えて、室温で30分間攪拌した。攪拌後、減圧下で溶媒を留去し赤茶色固体21.7mgを得た。
【0083】
得られた固体についての測定結果を次に示す。
H NMR(300MHz、CDCl、308K):δ 1.34(s、6H、axCCH)、1.65(s、12H、axCCH)、1.76(s、6H、axCCH)、1.91(s、12H、Rh(OCCH)、7.03−7.69(m、48H、芳香族プロトン)、8.07−8.20(m、8H、芳香族プロトン)、8.57(d、J=6.9Hz、4H、−CN)、8.78(s、2H、−NCHN−)、9.20(brs、4H、−CN).
31P{1H}NMR(121 MHz、CDCl、308K):δ11.5(s、Pt(1)−P(5)Pt(2)−P(6)=1575Hz、Pt(1)−P(6)Pt(2)−P(5)=494Hz、P(5)−P(6)=590 Hz、−PPh).
110102Cl28PtRhに対する計算値:C、33.13; H、2.58; N、2.11.実測値:C、33.30;H、2.37;N、 1.93
得られた固体は、[Pt(OAc)(dpfam)Cl(OCCN)]の錯体であった。
【0084】
以上の結果は、本発明の異核錯体によればカルボン酸配位子および複数個の金属原子(Pt)を有する錯体であって、金属原子が存在する主たる面において1つのカルボン酸配位子を除く全てがアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換され、前記カルボン酸配位子に電子供与性の配位子が結合したアミジン−カルボン酸錯体と該アミジン−カルボン酸錯体の金属原子とは異なる金属原子(Rh)を有する錯体を結合させた異核錯体が得られたことを示す。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、非特許文献1から抜粋したPtクラスターサイズと反応性との関係を示すグラフである。
【図2】図2は、この発明の1実施態様のアミジン−カルボン酸錯体を合成するスキーム1、次いで異核錯体を合成するスキーム2からなる反応工程を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸配位子および複数個の金属原子を有する錯体であって、金属原子が存在する主たる面において1つのカルボン酸配位子を除く全てがアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換され、前記カルボン酸配位子に電子供与性の配位子が結合したアミジン−カルボン酸錯体に、
該アミジン−カルボン酸錯体の金属原子とは異なる金属原子を有する錯体を結合させた異核錯体。
【請求項2】
複数個の金属原子(M)を有するカルボン酸錯体の金属原子が存在する主たる面においてカルボン酸配位子の内の一つを残してアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換し、残りの一つのカルボン酸配位子に電子供与性の配位子を置換し、前記金属原子とは異なる金属原子(M)を有する錯体と結合させる異核錯体の製造方法。
【請求項3】
複数個の金属原子(M)がPtであり、前記金属原子とは異なる金属原子(M)がRhである請求項2に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−59112(P2010−59112A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227449(P2008−227449)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】