説明

異物除去ユニットおよびそれを備える光学機器

【課題】 圧電素子により光学部材を振動させる際、光学部材端面の振動の反射の影響を受けず、光学部材の振動を正確に検出する。
【解決手段】 光路上に配置され、光束が通過する光学有効領域が設定される矩形状の光学部材と、圧電部材と、前記圧電部材の表面に形成される駆動電極およびセンサ電極を有する圧電素子とを備え、前記圧電素子は前記光学有効領域の外側で前記光学部材の一辺に沿って前記光学部材の表面に貼着され、前記センサ電極は、前記圧電素子が貼着される前記光学部材の辺方向における光学有効領域の範囲内に位置するように、前記圧電部材の表面に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵埃等の異物をふるい落とす異物除去ユニットおよびそれを備える光学機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被写体像を電気信号に変換して撮像するデジタルカメラ等の光学装置では、撮影光束を撮像素子で受光し、その撮像素子から出力される光電変換信号を画像データに変換する。このような撮像装置では、撮像素子の被写体側に、光学ローパスフィルタや赤外吸収フィルタが配置される。これらフィルタの表面に塵埃等の異物が付着すると、その付着部分が黒い点となって撮影画像に写り込み、画像の見栄えが低下してしまう。特にレンズ交換可能なデジタル一眼レフカメラでは、シャッタやクイックリターンミラーといった機械的な作動部が撮像素子の近傍に配置されており、それらの作動部から発生した塵埃等の異物が撮像素子やフィルタの表面に付着することがある。また、レンズ交換時に、レンズマウントの開口から塵埃等の異物がカメラ本体内に入り込み、これが付着することもある。
【0003】
このような現象を回避するために、撮像素子の被写体側に設けられた光学フィルタを圧電素子で振動させることにより、光学フィルタの表面に付着した塵埃等の異物を除去することが知られている。
【0004】
この際、塵埃等の異物を効率よく除去するためには、圧電素子により光学フィルタを共振周波数で振動させて、振動の振幅を大きくさせることがのぞましい。しかし、共振周波数は光学フィルタの外形、板厚、物性値などにより決定されるので、加工精度や製造工程などのバラツキ発生要因により、各々の光学フィルタごとに共振周波数は異なる。
【0005】
そこで、特許文献1に記載される発明では、矩形の光学フィルタの一辺の近傍に、その辺に平行に圧電素子を配置している。さらに、光学フィルタの振動状態を検出するために、圧電素子上に駆動用とは別に検出用電極とその裏面に検出用グランド電極を1つずつ設ける。そして、その電極電圧をモニタしながら共振周波数を探し出し、探し出した共振周波数を用いて光学フィルタを振動させ、光学フィルタの表面に付着した塵埃等を除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−17461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、光学フィルタを振動させると、光学フィルタの端面で振動の反射が発生し、その反射振動と主振動とが干渉してしまう。そして、その振動の干渉の影響で、光学フィルタの振動振幅に大小のムラが発生したり、主振動の位相とは異なる振動位相になってしまう。特に、光学フィルタが円形よりも矩形の場合、振動の干渉の影響はさらに大きくなる。よって、この振動の干渉を受ける箇所に振動検出用電極を配置してしまうと、その電極電圧に大小のムラや位相ズレが発生し、主振動を正確に検出することが困難となる。そして、主振動が誤検出されてしまうと、狙いの共振周波数や位相からズレて振動させることになり、光学フィルタの異物を除去する能力が阻害されてしまう。
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されている発明では、反射振動を考慮した振動検出用電極の配置に関しては一切記載されておらず、反射振動の影響を受けて、光学フィルタの異物を除去する能力が阻害されてしまう虞がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、圧電素子により光学部材を振動させる際、光学部材端面の振動の反射の影響を受けず、光学フィルタの振動を正確に検出することを可能にした異物除去ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、光路上に配置され、光束が通過する光学有効領域が設定される矩形状の光学部材と、圧電部材と、前記圧電部材の表面に形成される駆動電極およびセンサ電極を有する圧電素子とを備え、前記圧電素子は前記光学有効領域の外側で前記光学部材の一辺に沿って前記光学部材の表面に貼着され、前記センサ電極は、前記圧電素子が貼着される前記光学部材の辺方向における光学有効領域の範囲内に位置するように、前記圧電部材の表面に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、圧電素子により光学部材を振動させる際に、光学部材端面の振動の反射の影響を受けずに、センサ電極により振動の振幅や位相を正確に検出できるようになる。これにより、より正確に狙いの振動で光学部材を振動させることができ、光学部材の表面に付着した塵埃等の異物の除去能力を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラ100の機能構成を示すブロック図である。
【図2】撮像ユニット400の構成を概略的に示した分解斜視図である。
【図3】第1の実施形態における光学ローパスフィルタ410に励起される2つの進行波の周波数と振幅の関係を示すグラフである。
【図4】第1の実施形態におけるm次およびm+1次の振動モード形状、並びに圧電素子430aおよび430bに印加される電圧を示す図である。
【図5】2つの振動モードの進行波を同時に励起した場合の光学ローパスフィルタ410の挙動を説明する図である。
【図6】2つの振動モードの進行波を同時に励起した場合の光学ローパスフィルタ410の挙動を説明する図である。
【図7】圧電素子430aの構成を説明する図である。
【図8】圧電素子430aおよび430bのB面を光学ローパスフィルタ410の撮像素子側の面に貼着した状態を撮像素子側から見た図である。
【図9】周波数fで光学ローパスフィルタ410を振動させたときに、振動検出回路112によって検出される検出波形を説明する図である。
【図10】第1の実施形態におけるセンサ電極SFの位置の変形例を説明する図である。
【図11】第1の実施形態における圧電素子の変形例を説明する図である。
【図12】第2の実施形態における光学ローパスフィルタ410に励起される2つの定在波の周波数と振幅の関係を示すグラフである。
【図13】第2の実施形態におけるm次およびm+1次の振動モード形状、並びに圧電素子430aおよび430bに印加される電圧を示す図である。
【図14】第2の実施形態における圧電素子430aおよび430bのB面を光学ローパスフィルタ410の撮像素子側の面に貼着した状態を撮像素子側から見た図である。
【図15】第3の実施形態における圧電素子430aのB面を光学ローパスフィルタ410の撮像素子側の面に貼着した状態を撮像素子側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。異物除去ユニットを備える光学機器の一例として、デジタルカメラに、本発明を適用した例を説明する。
【0014】
図1は、第1の実施形態に係るデジタルカメラ100の機能構成を示すブロック図である。
マイクロコンピュータ(以下、MPU)101は、例えば中央処理装置であり、デジタルカメラ100が備える各ブロックに動作を制御する。MPU101には、ミラー駆動回路102、焦点駆動回路103、シャッタ駆動回路104、画像信号処理回路105、スイッチセンサ回路106、測光回路107、圧電素子駆動回路111、振動検出回路112が接続される。これらの回路は、MPU101の制御により動作する。
【0015】
MPU101は、撮像レンズユニット200内のレンズ制御回路202とマウント接点21を介して通信を行う。MPU101は、撮像レンズユニット200が接続されると、マウント接点21を介して信号を受信することにより、撮像レンズユニット200のレンズ制御回路202と通信可能状態になったことを判断する。レンズ制御回路202は、MPU101からの制御信号を受信することにより、AF駆動回路203および絞り駆動回路204を介して撮像レンズユニット200内の撮像レンズ201および絞り205の駆動を行う。なお、図1では便宜上1枚の撮像レンズ201のみを図示しているが、実際はフォーカスレンズ等の多数のレンズ群によって構成される。
【0016】
AF駆動回路203は、例えばステッピングモータを備え、レンズ制御回路202の制御により撮像レンズ201内のフォーカスレンズ位置を変化させることにより、撮像素子33に撮影光束を合焦させる。絞り駆動回路204は、例えばオートアイリス等の絞り機構であり、レンズ制御回路202の制御により絞り205の絞り量を変化させる。
【0017】
メインミラー6は、図1に示す撮影光軸に対して45度の角度に保持された状態で、撮像レンズ201を通過する撮影光束をペンタプリズム22へ導くと共に、その一部を透過させてサブミラー30へ導く。サブミラー30は、メインミラー6を透過した撮影光束を焦点検出センサユニット31へ導く。
【0018】
ミラー駆動回路102は、例えばDCモータとギヤトレインにより構成され、メインミラー6をファインダにより被写体像を観察可能とする位置と撮影光束から待避する位置とに駆動する。メインミラー6が駆動すると、同時にサブミラー30も、焦点検出センサユニット31へ撮影光束を導く位置と、撮影光束から待避する位置とに移動する。
【0019】
焦点検出センサユニット31は、不図示の結像面近傍に配置されたフィールドレンズ、反射ミラー、2次結像レンズ、絞り、複数のCCDからなるラインセンサ等によって構成され、位相差方式の焦点検出を行う。焦点検出センサユニット31から出力される信号は、焦点駆動回路103に供給され、被写体像信号に換算された後、MPU101に送信される。
【0020】
MPU101は、被写体像信号に基づいて位相差検出法による焦点検出演算を行う。具体的にはMPU101は、被写体像信号を用いてデフォーカス量および方向を算出し、算出されたデフォーカス量および方向に従い、レンズ制御回路202およびAF駆動回路203を介して撮像レンズ201内のフォーカスレンズを合焦位置に駆動させる。
【0021】
ペンタプリズム22は、メインミラー6により反射された撮影光束を正立正像に変換反射する。これにより、撮影者はファインダ光学系を介してファインダ接眼窓18から被写体像を観察することができる。またペンタプリズム22は、撮影光束の一部を測光センサ37にも導く。測光回路107は、測光センサ37から出力された測光値を観察面上の各エリアの輝度信号に変換し、MPU101に出力する。MPU101は、輝度信号に基づいて露出値を算出する。
【0022】
シャッタユニット32は、例えば機械フォーカルプレーンシャッタであり、撮影者がファインダ接眼窓18を介して被写体像を観察する際は、シャッタ先幕が遮光位置にあるとともに、シャッタ後幕が露光位置にある状態となる。また撮影時には、シャッタ先幕が遮光位置から露光位置へ移動する露光走行を行うことにより撮像光束を通過し、後述する撮像素子33は結像された被写体像を光電変換して撮像を行う。そして設定されたシャッタ秒時が経過した後、シャッタ後幕は露光位置から遮光位置へ移動する遮光走行を行い、これにより1つの画像データにかかる撮影が完了する。なお、シャッタユニット32は、MPU101から制御命令を受けたシャッタ駆動回路104により制御される。
【0023】
画像信号処理回路105は、撮像素子33より出力されたアナログ画像信号に対して、A/D変換処理を行い、さらに得られたデジタル画像データに対してノイズ除去処理やゲイン調整処理等の様々な画像処理を実行する。スイッチセンサ回路106は、メインSW43、クリーニングSW44等のデジタルカメラ100が備えるユーザインタフェースを撮影者が操作することにより入力される入力信号をMPU101に送信する。クリーニングSW44は、光学ローパスフィルタ410の表面に付着した塵埃等の異物の除去指示を行うためのユーザインタフェースであり、撮影者はクリーニングSW44を操作することにより手動でフィルタ上の異物の除去を実行させることができる。
【0024】
異物除去ユニットとしての撮像ユニット400は、光学ローパスフィルタ410、圧電素子430、撮像素子33を含む部品がユニット化されたブロックである。撮像素子33は、例えばCMOSセンサやCCD等の撮像デバイスであり、上述したように、結像された被写体の光学像を光電変換することによりアナログ画像信号を出力する。圧電素子430は、例えばピエゾ素子等の単板の圧電素子であり、MPU101から制御信号を受信した圧電素子駆動回路111により加振され、振動を光学ローパスフィルタ410に伝えるように構成されている。
【0025】
<異物除去構造>
ここで、光学ローパスフィルタ410を振動させてフィルタ上の異物の除去を行う、異物除去ユニットとしての撮像ユニット400について、図2を参照してさらに詳細に説明する。図2は、撮像ユニット400の構成を概略的に示した分解斜視図である。
【0026】
撮像素子33の前方に配置された光学ローパスフィルタ410は、水晶からなる1枚の複屈折板であり、その形状は矩形状である。光学ローパスフィルタ410は、光路上に配置され、光束が通過する光学有効領域が設定される矩形状の光学部材である。光学ローパスフィルタ410は、光学有効領域の外側に一対の圧電素子430aおよび430bを配置する周縁部を有しており、撮影光軸中心に対して直交する方向(カメラ左右方向)は対称である。このようにした光学ローパスフィルタ410の表面には、赤外カットや反射防止などの光学的なコーティングが施されている。
【0027】
圧電素子430aおよび430bは、後述するようにそれぞれ1枚の圧電部材上に複数の電極が一体的に形成されており、短冊状の外形を有する。そして、光学ローパスフィルタ410の対向する2つの短辺に沿ってそれぞれ配置される。より詳しくは、圧電素子430aおよび430bは、光学ローパスフィルタ410の周縁部において、第1の圧電素子である圧電素子430aの長辺が光学ローパスフィルタ410の一方の短辺(一辺)と平行となるように貼着される。第2の圧電素子である圧電素子430bの長辺が光学ローパスフィルタ410の他方の短辺(他辺)と平行となるように貼着される。
【0028】
光学ローパスフィルタ410は、その辺に平行な複数の腹部および節部が生じるように波状に振動される。圧電素子430aおよび430bに周期的な電圧が印加され、圧電素子430は伸縮運動する。それに伴って光学ローパスフィルタ410も周期的な屈曲変形を生じる。具体的な振動の様子については後述する。
【0029】
光学ローパスフィルタ保持部材420は樹脂または金属で形成され、光学ローパスフィルタ410を保持する。光学ローパスフィルタ保持部材420は撮像素子保持部材510にビス固定される。
【0030】
付勢部材440は光学ローパスフィルタ410を撮像素子33の方向に付勢する。付勢部材440は光学ローパスフィルタ保持部材420に係止される。付勢部材440はデジタルカメラ100の接地電位となる部分(グランド)に電気的に接続されている。光学ローパスフィルタ410表面もデジタルカメラ100の接地電位となる部分(グランド)に電気的に接続されている。これにより、光学ローパスフィルタ410表面への塵埃等の静電気的な付着を抑制することができる。
【0031】
弾性部材450は断面が略円形の枠形状を有し、光学ローパスフィルタ410と光学ローパスフィルタ保持部材420とで挟まれる。付勢部材440が光学ローパスフィルタ410を付勢することで、弾性部材450は光学ローパスフィルタ410と光学ローパスフィルタ保持部材420との間で押しつぶされる。したがって、弾性部材450を押しつぶす力の大きさは、付勢部材440の撮像素子33方向への付勢力により決定される。なお、弾性部材450はゴムでもよいし、ポロン等のウレタンフォームを用いてもよい。
【0032】
光学部材460は、位相板(偏光解消板)と、赤外カットフィルタと、光学ローパスフィルタ410に対して屈折方向が90°異なる複屈折板と、を貼り合わせた光学部材である。光学部材460は光学ローパスフィルタ保持部材420に接着固定される。
【0033】
撮像素子保持部材510は矩形の開口部が形成され、その開口部に撮像素子33を露出させた状態で撮像素子33を固定保持する。撮像素子保持部材510はデジタルカメラ100の本体にビス等で固定される。
【0034】
マスク520は撮像素子33に撮影光路外からの余分な光が入射することを防ぐために、光学ローパスフィルタ保持部材420と撮像素子33とで挟まれて保持される。
【0035】
撮像素子付勢部材530は左右一対の板バネ状の付勢部材である。撮像素子付勢部材530は撮像素子保持部材510にビス固定され、撮像素子33を撮像素子保持部材510に押し付ける。
【0036】
以上の構成をとることにより、光学ローパスフィルタ410は、付勢部材440と弾性部材450とで挟み込まれて振動自在に支持される。
【0037】
<振動の説明>
次に、図3〜図6を用いて、本実施の形態における光学ローパスフィルタ410に発生する振動の説明を行う。本実施の形態では、光学ローパスフィルタ410の長辺方向(図中、左右方向)に進行する進行波を光学ローパスフィルタ410に発生させる。すなわち、光学ローパスフィルタ410に時間位相をずらして、次数が1つ異なる二つの曲げ振動を励起することによって、光学ローパスフィルタ410に進行波を発生させている。
【0038】
図3は、本実施の形態における光学ローパスフィルタ410に励起される2つの振動モードの周波数と振幅の関係を示すグラフである。図3に示すように、f(m)で示される周波数でm次の振動モードの曲げ振動が励起され、f(m+1)で示される周波数でm+1次の振動モードの曲げ振動が励起される。ここで、圧電素子430aおよび430bに印加する電圧の周波数fをf(m)<f<f(m+1)に設定すると、m次の振動モードの曲げ振動の共振とm+1次の振動モードの曲げ振動の共振との両方を利用することができる。fをf<f(m)に設定すると、m次の振動モードにおける共振を利用することはできるが、f(m+1)次の振動モードにおける共振点から離れるため、m+1次の振動モードにおける共振を利用することは困難となる。また、f(m+1)<fとした場合は、m+1次の振動モードにおける共振だけしか利用することができない。本実施の形態では、両方の振動モードにおける共振を利用するため、周波数fはf(m)<f<f(m+1)となる範囲で設定する。
【0039】
図4(a)および図4(b)は、mが奇数の場合のm次およびm+1次の振動モードの波形、並びに圧電素子430aおよび430bに印加される電圧を示す図である。
【0040】
図4(a)および図4(b)では、mが奇数のときの例としてm=9の場合を示す。図4(a)は光学ローパスフィルタ410をメインミラー6側から見た図である。圧電素子430aおよび430bは光学ローパスフィルタ410の撮像素子33側の表面に貼着されている。
【0041】
図4(a)に示すように、光学ローパスフィルタ410の長辺方向には、それぞれの振動モードの曲げ振動において圧電素子430の長辺方向に複数の節が等間隔で現れる。図4(b)には、それぞれの振動モードの曲げ振動において圧電素子430aおよび430bに印加される交流電圧の振幅と時間位相とを実数成分と虚数成分で表現している。図4(b)に図示される(1)はm次の振動モードの曲げ振動の交流電圧を示している。図4(b)に図示される(2)はm+1次の振動モードの交流電圧を示している。図4(b)に図示される(3)はm+1次の振動モードの曲げ振動の時間位相を90°ずらした場合の交流電圧を示している。なお、ここでは、2つの振動モードの曲げ振動で同じ振幅を出すために、m次振動モードの曲げ振動とm+1次振動モードの曲げ振動の振幅比をA:1として、各振動モードの曲げ振動の電圧をm次の振動モードの曲げ振動における振幅で規格化している。光学ローパスフィルタ410にm次の振動モードの曲げ振動と、m+1次の振動モードの曲げ振動を同時に励起させるためには、図4(b)に図示される(1)と(3)の交流電圧を加算すればよい。すなわち、図4(b)に図示される(4)に示す交流電圧を印加すればよい。ここで、m次の振動モードの曲げ振動が第1の曲げ振動に相当し、m+1次の振動モードの曲げ振動が第1の曲げ振動とは時間位相が90°異なる第2の曲げ振動に相当する。
【0042】
次に、上記の制御方法によって、2つの振動モードの曲げ振動を同時に励起した場合の光学ローパスフィルタ410の挙動について説明する。本実施形態では、9次と10次の振動モードを同時に励起する場合を考える。時間位相を90°ずらして、2つの振動モードの曲げ振動を同時に励起した場合の光学ローパスフィルタ410の各時間位相での挙動を図5および図6に図示する。図中の横軸は、光学ローパスフィルタ410内での位置を表しており、左端から右端までを0〜360の数値で表している。また、光学ローパスフィルタ410の長辺方向をX、短辺方向をY、面の法線方向をZとする。図5および図6において、Cは振動モードが9次の曲げ振動の波形、Dは振動モードが10次の曲げ振動の波形を表している。また、Eが2つのモードが合成された波形を表している。つまり、Eは実際の光学ローパスフィルタ410の振幅を表している。Fは光学ローパスフィルタ410のZ方向の加速度である。光学ローパスフィルタ410の表面に付着した異物は、光学ローパスフィルタ410が変形することによって、法線方向の力を受けて移動して行く。つまり、Z方向の加速度を示す曲線Fが正の値をとるとき、異物は面外に突き上げられ、この時間位相における光学ローパスフィルタ410の変位を示す曲線Eの法線方向の力を受ける。図中rn(n=1、2、3、…)で示した区間では、異物は右方向(X方向の正の向き)に力を受ける。図中ln(n=1、2、3、…)で示した区間では、異物は左方向(X方向負の向き)に力を受ける。結果として、Xn(n=1、2、3、…)で示す場所に異物は移動する。本実施形態では、時間位相が進むにつれて、このXn(n=1、2、3、…)がX方向正の向きに移動して行くことによって、異物がX方向正の向きに移動して行く。
【0043】
<圧電素子の電極配置>
次に、図7は、圧電素子430aの構成を説明する図である。図7は、圧電素子430aの三面図である。図7に図示するように、圧電素子430aは、1枚のピエゾ素子である圧電部材431と、圧電部材431の表面に形成される駆動電極AF、駆動電極AB、センサ電極SF、グランド電極SBの4種の電極から構成される。
【0044】
図7に図示するように、圧電部材431のF面(第1の面)には、駆動電極AFが2つとセンサ電極SFが1つ形成される。すなわち、駆動電極は圧電部材のF面(第1の面)に複数形成されている。圧電部材431のB面(第2の面)には、駆動電極ABが2つとグランド電極SBが1つ形成される。2つの駆動電極AFと2つの駆動電極ABは、それぞれ圧電部材431を挟んで表裏の関係となるように形成される。2つの駆動電極AFおよび2つの駆動電極ABは、光学ローパスフィルタ410に振動を励起させるための駆動電極である。
【0045】
制御回路である圧電素子駆動回路111が、2つの駆動電極AFと2つの駆動電極ABに対して交互に電圧を印加することで、光学ローパスフィルタ410を振動させる。
【0046】
センサ電極SFは、光学ローパスフィルタ410の振動を検出するための振動検出電極である。センサ電極SFは、圧電部材431のF面(第1の面)で2つの駆動電極AFの間に形成される。グランド電極SBは、デジタルカメラ100の接地電位となる部分(グランド)に電気的に接続される。グランド電極SBは、圧電部材431のB面(第2の面)で2つの駆動電極ABの間に形成される。センサ電極SFとのグランド電極SBは、それぞれ圧電部材431を挟んで表裏の関係となるように形成される。
【0047】
センサ電極SFは、接地電圧となるグランド電極SBに対して、センサ電極SFの発生する出力電圧がどのように変化するかを監視して、光学ローパスフィルタ410の振動を検出する。
【0048】
駆動電極AF、駆動電極AB、センサ電極SF、グランド電極SBは、ACF(異方性導電フィルム)を用いた熱圧着によって不図示の圧電素子用フレキシブルプリント基板に接続される。駆動電極AFおよび駆動電極ABは、圧電素子用フレキシブルプリント基板の配線パターンを介して、圧電素子駆動回路111に接続される。振動検出電極であるセンサ電極SFは、圧電素子用フレキシブルプリント基板の配線パターンを介して、振動検出回路112に接続される。グランド電極SBは、圧電素子用フレキシブルプリント基板の配線パターンを介して、デジタルカメラ100の接地電位となる部分に接続される。
【0049】
このように構成された圧電素子430aは、圧電素子430aの長辺が光学ローパスフィルタ410の一方の短辺(一辺)に対して平行になるように、圧電部材431のF面もしくはB面を光学ローパスフィルタ410に貼着する。
【0050】
なお、圧電素子430bも圧電素子430aと同様に構成される。圧電素子430bは、圧電素子430bの長辺が光学ローパスフィルタ410の他方の短辺(他辺)に対して平行になるように、圧電部材431のF面もしくはB面を光学ローパスフィルタ410に貼着する。
【0051】
<センサ電極の配置>
次に、圧電素子430aおよび430bを光学ローパスフィルタ410に貼着した際に、圧電素子430aおよび430bにそれぞれ形成されるセンサ電極SFの位置について説明する。
【0052】
図8は、圧電素子430aおよび430bのB面を光学ローパスフィルタ410の撮像素子側の面に貼着した状態を撮像素子側から見た図である。図8に示すように、圧電素子430aの長辺は光学ローパスフィルタ410の一方の短辺(一辺)に沿うように、圧電素子430aは光学ローパスフィルタ410に貼着される。圧電素子430aの長辺の長さは光学ローパスフィルタ410の一方の短辺(一辺)の長さとほぼ等しい。図8に示すように、圧電素子430bの長辺は光学ローパスフィルタ410の他方の短辺(他辺)に沿うように、圧電素子430aは光学ローパスフィルタ410に貼着される。圧電素子430bの長辺の長さは光学ローパスフィルタ410の短辺とほぼ等しい。
【0053】
上述したように周波数f(f(m)<f<f(m+1))で光学ローパスフィルタ410を振動させ、異物を搬送させる。このとき、周波数fは、f(m)からf(m+1)の間で、最も搬送に適した進行波が励起される周波数でなければならない。
【0054】
図8は、周波数fにおける進行波の概略図を表している。図8は、光学ローパスフィルタ410、圧電素子430aおよび430bのみを、撮像素子側から見た図である。また、図中の斜線で囲まれた領域は、デジタルカメラ100に入射した撮影光束が通過する光学有効領域である。
【0055】
図8に図示するように、光学ローパスフィルタ410の長辺方向、すなわち圧電素子430aおよび430bが貼着される光学ローパスフィルタ410の短辺と直交する方向に進行する進行波が励起される。このとき、光学ローパスフィルタ410の短辺方向には、図示するような1次の振動モードの定常波が発生する。図中の点線は、この1次の定常波の節を表している。この1次の定常波の節は、光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸を対称として、光学ローパスフィルタ410の短辺方向に1つずつ出現する。この1次の定常波は、周波数f(m)(m次の振動モード)と周波数f(m+1)(m+1次の振動モード)との間の周波数において発生する定常波である。
【0056】
光学ローパスフィルタ410の表面に付着した異物は、光学ローパスフィルタ410の長辺方向に進行する進行波と、光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する1次の定常波との合成波によって、光学ローパスフィルタ410の長辺方向に搬送される。
【0057】
異物を搬送する合成波の振幅は、光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する1次の定常波の腹となる光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸で、最大となる。異物を搬送する合成波の振幅は、光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸から光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する1次の定常波の節となる部分に近づくにつれ、小さくなる。そして、異物を搬送する合成波の振幅は、光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する1次の定常波の節となる部分で、最小となる。
【0058】
したがって、光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する1次の定常波の節となる部分では、異物を搬送するために十分な振幅が得られない可能性がある。
【0059】
本実施形態では、光学ローパスフィルタの大きさを最適化することで、この1次の定常波の節を光学有効領域の外側に発生させている。すなわち、1次の定常波の節が光学有効領域の外側に発生するように、光学ローパスフィルタの大きさを設定している。これによって、光学ローパスフィルタ410の光学有効領域内では異物を搬送するために十分な振幅を得ることができる。
【0060】
光学ローパスフィルタ410の長辺方向に進行する進行波は、光学ローパスフィルタ410の長辺の端、すなわち圧電素子430aおよび430bが貼着されていない光学ローパスフィルタ410の端で反射する。これによって、光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する1次の定常波とは別の振動が発生する。
【0061】
光学ローパスフィルタ410の長辺の端に発生する反射波は、異物を搬送する合成波と干渉する。この干渉によって、光学ローパスフィルタ410の長辺の端付近では、合成波の振幅に大小のムラが発生し、異物を搬送する合成波の位相とは異なる位相の振動が発生してしまう。
【0062】
したがって、センサ電極SFが光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する1次の定常波の節よりも外側に位置すると、センサ電極SFは異物を搬送する合成波を精度よく検出することができない。
【0063】
一方、センサ電極SFが光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する1次の定常波の節上に位置すると、異物を搬送する合成波の振幅が小さいので、振動とノイズとの判別が難しくなる。
【0064】
このようなことから、センサ電極SFが光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する1次の定常波の節と節の間に位置するように、圧電素子430aおよび430bを光学ローパスフィルタ410に貼着している。すなわち、センサ電極SFは、圧電素子430aおよび430bが貼着される光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する振動の複数の節間に位置する。本実施形態では、センサ電極SFの位置を、光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸上としている。これによって、センサ電極SFは、振幅が最大となる合成波を検出することができるので、振動とノイズとの判別が容易となる。また、光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸に近づくにつれ、光学ローパスフィルタ410の長辺の端に発生する反射波による影響も小さくなる。
【0065】
したがって、センサ電極SFの位置を光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸上とすることで、センサ電極SFは異物を搬送する合成波を精度よく検出することができる。
【0066】
なお、センサ電極SFの大きさは、センサ電極SFからの出力電圧がノイズレベルより十分大きくなる程度の大きさであればよい。駆動電極AFは、光学ローパスフィルタ410に振動を励起させるための電極であるので、可能な限り大きく形成することが好ましい。
【0067】
<振動状態の検出>
図9を用いて、光学ローパスフィルタ410の振動状態の検出について説明する。図9は、周波数fで光学ローパスフィルタ410を振動させたときに、振動検出回路112によって検出される検出波形を表している。振動検出回路112は、圧電部材431の伸縮によって生じる電位差を検出する回路である。
【0068】
光学ローパスフィルタ410の振動に伴って、圧電効果によりセンサ電極SFには正弦波の電圧が発生する。このとき、グランド電極SBは常に接地電圧(0[V])に保たれているので、振動検出回路112により、図9に示される正弦波形VSFが得られる。ここで検出される電位差Vaは、光学ローパスフィルタ410の振幅に比例するものである。このとき検出される位相θは、光学ローパスフィルタ410の振動位相を表すものである。したがって、出力電圧波形を監視することで、光学ローパスフィルタ410に発生する合成波を検出することが可能となる。そして、電位差Vaおよび位相θを所定の値になるように、圧電素子430aおよび430bへの印加電圧や印加電圧周波数をフィードバック制御することで、所望の搬送振動を発生させることが出来る。
【0069】
また、故障検出もしくは異常検出を行うことも可能である。例えば、振動検出回路112により検出される電位差Vaが想定される大きさに対して大幅に異なる場合は、光学ローパスフィルタ410の振動が異常と推定される。よって、異物除去ユニットの動作停止および交換などの対処を施すことができる。
【0070】
(第1の実施形態の変形例)
次に、図10を用いて、圧電素子430aおよび430bにそれぞれ形成されるセンサ電極SFの位置の変形例を示す。
図10(a)および図10(b)に示す変形例では、センサ電極SFを挟む2つの駆動電極AFの大きさが異なる。そして、センサ電極SFが光学ローパスフィルタ410の中心軸と光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する1次の定常波の節との間に配置されている。
【0071】
図10(a)は、圧電素子1430aおよび1430bのB面を光学ローパスフィルタ410の撮像素子側の面に貼着した状態を撮像素子側から見た図である。図10(a)では、圧電素子1430aに形成されるセンサ電極SFと圧電素子1430bに形成されるセンサ電極SFとの位置関係が、光学ローパスフィルタ410の長辺方向の中心線に対して線対称となっている。
【0072】
図10(b)は、圧電素子2430aおよび2430bのB面を光学ローパスフィルタ410の撮像素子側の面に貼着した状態を撮像素子側から見た図である。図10(b)では、圧電素子2430aに形成されるセンサ電極SFと圧電素子2430bに形成されるセンサ電極SFとの位置関係が、光学ローパスフィルタ410の中心点を中心とする点対称となっている。発生する合成波が対称であるので、2つのセンサ電極SFの位置関係を線対称もしくは点対称とすることで、2つのセンサ電極SFの出力電圧のレベルをほぼ同レベルにすることができる。
【0073】
図10(a)および図10(b)に図示した圧電素子1430a、1430b、2430aおよび2430bの長辺の長さは、それぞれ光学ローパスフィルタ410の短辺の長さとほぼ等しい。
【0074】
これに対して、図10(c)、図10(d)および図10(e)に図示する変形例では、それぞれの圧電素子の長辺の長さが光学ローパスフィルタ410の短辺の長さよりも短くなっている。
【0075】
図10(c)は、圧電素子3430aおよび3430bのB面を光学ローパスフィルタ410の撮像素子側の面に貼着した状態を撮像素子側から見た図である。図10(c)に図示するように、光学ローパスフィルタ410の一方の短辺(一辺)における、光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸から図中の光学ローパスフィルタ410の下方の領域に、圧電素子3430aが貼着される。図10(c)に図示するように、光学ローパスフィルタ410の他方の短辺(他辺)における、光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸から図中の光学ローパスフィルタ410の上方の領域に、圧電素子3430bが貼着される。図10(c)に図示するように、2つのセンサ電極SFはそれぞれ光学ローパスフィルタ410の中心軸上に配置されている。そして、圧電素子3430aに形成される駆動電極AFと圧電素子3430bに形成される駆動電極AFとの位置関係は、光学ローパスフィルタ410の中心点を中心とする点対称となっている。
【0076】
図10(d)は、圧電素子4430aおよび4430bのB面を光学ローパスフィルタ410の撮像素子側の面に貼着した状態を撮像素子側から見た図である。図10(d)に図示するように、光学ローパスフィルタ410の一方の短辺(一辺)における、光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸から図中の光学ローパスフィルタ410の上方の領域に、圧電素子4430aが貼着される。図10(d)に図示するように、光学ローパスフィルタ410の他方の短辺(他辺)における、光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸から図中の光学ローパスフィルタ410の上方の領域に、圧電素子4430bが貼着される。図10(d)に図示するように、2つのセンサ電極SFがそれぞれ光学ローパスフィルタ410の中心軸と光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する1次の定常波の節との間に配置されている。2つのセンサ電極SFの位置関係が、光学ローパスフィルタ410の長辺方向の中心線に対して線対称となっている。
【0077】
図10(e)は、圧電素子5430aおよび5430bのB面を光学ローパスフィルタ410の撮像素子側の面に貼着した状態を撮像素子側から見た図である。図10(e)に図示するように、光学ローパスフィルタ410の一方の短辺(一辺)における、光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸から図中の光学ローパスフィルタ410の下方の領域に、圧電素子5430aが貼着される。図10(e)に図示するように、光学ローパスフィルタ410の他方の短辺(他辺)における、光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸から図中の光学ローパスフィルタ410の上方の領域に、圧電素子5430bが貼着される。図10(e)に図示するように、2つのセンサ電極SFがそれぞれ光学ローパスフィルタ410の中心軸と光学ローパスフィルタ410の短辺方向に発生する1次の定常波の節との間に配置されている。2つのセンサ電極SFの位置関係が、光学ローパスフィルタ410の中心点を中心とする点対称となっている。
【0078】
図11(a)は圧電素子の変形例を説明する図である。図11(a)は、圧電素子6430aの三面図である。図11(a)に図示するように、圧電素子6430aは、1枚のピエゾ素子である圧電部材431と、圧電部材431の表面に形成される駆動電極AF、センサ電極SF、グランド電極SBの3種の電極から構成される。
【0079】
図11(a)に図示するように、圧電部材431のF面(第1の面)には、駆動電極AFが2つとセンサ電極SFが1つ形成される。圧電部材431のB面(第2の面)には、デジタルカメラ100の接地電位となる部分(グランド)に電気的に接続されるグランド電極SBのみが形成される。
【0080】
制御回路である圧電素子駆動回路111が、駆動電極AFに交流電圧を印加することで、光学ローパスフィルタ410を振動させる。
【0081】
センサ電極SFは、光学ローパスフィルタ410の振動を検出するための振動検出電極である。センサ電極SFは、圧電部材431のF面で2つの駆動電極AFの間に形成される。センサ電極SFの裏面にはグランド電極SBが形成され、センサ電極SFとのグランド電極SBは、それぞれ圧電部材431を挟んで表裏の関係となるように形成される。
【0082】
センサ電極SFは、接地電圧となるグランド電極SBに対して、センサ電極SFの発生する出力電圧がどのように変化するかを監視して、光学ローパスフィルタ410の振動を検出する。
【0083】
駆動電極AF、センサ電極SF、グランド電極SBは、不図示の圧電素子用フレキシブルプリント基板に接続される。そして、駆動電極AFは、圧電素子用フレキシブルプリント基板の配線パターンを介して圧電素子駆動回路111に接続される。センサ電極SFは、圧電素子用フレキシブルプリント基板の配線パターンを介して振動検出回路112に接続される。グランド電極SBは、圧電素子用フレキシブルプリント基板の配線パターンを介してデジタルカメラ100の接地電位となる部分に接続される。
【0084】
このように構成された圧電素子6430aは、圧電素子6430aの長辺が光学ローパスフィルタ410の一方の短辺(一辺)に対して平行になるように、圧電部材431のF面もしくはB面を光学ローパスフィルタ410に貼着する。
なお、圧電素子6430bも圧電素子6430aと同様に構成される。圧電素子6430bは、圧電素子6430bの長辺が光学ローパスフィルタ410の他方の短辺(他辺)に対して平行になるように、圧電部材431のF面もしくはB面を光学ローパスフィルタ410に貼着する。
【0085】
図11(b)は圧電素子の変形例を説明する図である。図11(b)は、圧電素子7430aの三面図である。図11(b)に図示するように、圧電素子7430aは、1枚のピエゾ素子である圧電部材431と、圧電部材431の表面に形成される駆動電極AF、駆動電極AB、センサ電極SF、グランド電極SB、駆動電極AB’、グランド電極SB’から構成される。
【0086】
図11(b)に図示する駆動電極AF、駆動電極AB、センサ電極SF、グランド電極SBは、それぞれ図7に図示した駆動電極AF、駆動電極AB、センサ電極SF、グランド電極SBと同様に機能する。ただし、図11(b)に図示する駆動電極AFは図7に図示した駆動電極AFとは異なり、圧電部材431のF面にて、センサ電極SFによって2つに分断されていない。すなわち、図中のセンサ電極SFよりも上方に形成される駆動電極AFとセンサ電極SFよりも下方に形成される駆動電極AFとは、センサ電極SFの左側で接続されている。同様に、図11(b)に図示する駆動電極ABも図中のグランド電極SBよりも上方に形成される駆動電極ABとグランド電極SBよりも下方に形成される駆動電極ABとは、グランド電極SBの右側で接続されている。図11(b)に図示するように、グランド電極SBの右側に位置する駆動電極ABとセンサ電極SFの左側に位置する駆動電極AFとは圧電部材431を挟んで表裏の関係となる。
【0087】
図11(b)に図示するように、センサ電極SFおよびグランド電極SBには図中の下方に向けて引き出し線が形成されている。また、センサ電極SFおよびグランド電極SBは引き出し線も合わせて、圧電部材431を挟んで表裏の関係となるように形成される。また、圧電部材431のF面に形成される駆動電極AB’はビアなどを介して駆動電極ABと電気的に接続され、圧電部材431のF面に形成されるグランド電極SB’はビアなどを介してグランド電極SBと電気的に接続されている。
【0088】
本変形例では、図11(b)に示す点線四角枠の領域に駆動電極AF、駆動電極AB、センサ電極SF、グランド電極SBを形成することができる。これによって、圧電素子7430aを不図示の圧電素子用フレキシブルプリント基板に接続する際に、点線四角枠の領域ですべての電極と接続することが可能となる。また、圧電素子7430aとフレキシブルプリント基板との接続をACFによる熱圧着にて行う場合には、熱圧着箇所とセンサ電極SFまでの距離を遠くすることができる。これによって、熱圧着箇所に必要以上に熱が加わって分極破壊が起こったとしても、センサ電極SFの特性劣化は起こらない。
【0089】
さらに、圧電素子7430aのB面にはフレキシブルプリント基板との接続部が形成されないので、圧電素子7430aのB面は段差のない平坦面を光学ローパスフィルタ410の撮像素子側の表面に貼着することができる。
これによって、圧電素子7430aの接着性が向上するとともに、光学ローパスフィルタ410の振動効率も向上する。
【0090】
図11(c)は圧電素子の変形例を説明する図である。図11(c)は、圧電素子8430aの三面図である。図11(c)に図示するように、圧電素子8430aは、1枚のピエゾ素子である圧電部材431と、圧電部材431の表面に形成される駆動電極AF、センサ電極SF、グランド電極SB、グランド電極SB’から構成される。
【0091】
図11(c)に図示する駆動電極AF、センサ電極SF、グランド電極SB、グランド電極SB’は、それぞれ図11(b)に図示した駆動電極AF、センサ電極SF、グランド電極SB、グランド電極SB’と同様に機能する。圧電部材431のB面には、デジタルカメラ100の接地電位となる部分(グランド)に電気的に接続されるグランド電極SBのみが形成される。圧電部材431のF面に形成されるグランド電極SB’はビアなどを介してグランド電極SBと電気的に接続されている。
【0092】
本変形例では、図11(c)に示す点線四角枠の領域に駆動電極AF、センサ電極SF、グランド電極SBを形成することができる。
【0093】
このような構成とすることで、図11(b)に図示する変形例と同様の効果を得ることができる。
【0094】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
上述した第1の実施形態では、光学ローパスフィルタ410の長辺方向に進行する進行波を光学ローパスフィルタ410に発生させた。これに代えて、第2の実施形態では、光学ローパスフィルタ410の長辺方向、すなわち圧電素子430aおよび430bが貼着される光学ローパスフィルタ410の短辺と直交する方向に定常波を発生させている。したがって、デジタルカメラ100の機能構成は図1に示すブロック図と同様であり、撮像ユニット400の構成は図2に示す分解斜視図と同じである。
【0095】
本実施形態では、光学ローパスフィルタ410の長辺方向に定常波を発生させ、光学ローパスフィルタ410の法線方向に異物をはじき飛ばし、異物を除去する。
【0096】
図12は、本実施の形態における光学ローパスフィルタ410に励起される2つの定常波の周波数と振幅の関係を示すグラフである。図12に示すように、f(m)で示される周波数でm次の振動モードの曲げ振動が励起され、f(m+1)で示される周波数でm+1次の振動モードの曲げ振動が励起される。ここで、圧電素子430aおよび430bに印加する電圧の周波数fをf=f(m)およびf=f(m+1)に設定することで、m次の振動モードにおける共振とm+1次の振動モードにおける共振とを利用することができる。
【0097】
図13(a)および図13(b)は、mが奇数の場合のm次およびm+1次の振動モードの波形、並びに圧電素子430aおよび430bに印加される電圧を示す図である。図13(a)および図13(b)では、mが奇数のときの例としてm=9の場合を示す。図13(a)は光学ローパスフィルタ410をメインミラー6側から見た図である。圧電素子430aおよび430bは光学ローパスフィルタ410の撮像素子33側の表面に貼着されている。
【0098】
図13(a)に示すように、光学ローパスフィルタ410の長辺方向には、それぞれの振動モードの曲げ振動において圧電素子430の長辺方向に複数の節が等間隔で現れる。図13(b)には、それぞれの振動モードの曲げ振動において圧電素子430aおよび430bに印加される交流電圧の振幅が、実数成分と虚数成分で表されている。図13(b)に図示される(1)はm次の振動モードの曲げ振動の交流電圧を示している。図13(b)に図示される(2)はm+1次の振動モードの曲げ振動の交流電圧を示している。なお、ここでは、ある周波数の交流電圧に対するm次振動モードの曲げ振動とm+1次振動モードの曲げ振動の振幅比をA:1として、2つのモードで同じ振幅を出すために、各振動モードの曲げ振動の電圧をm次の振動モードにおける振幅で規格化している。
【0099】
印加電圧(1)と(2)を交互に印加することで、光学ローパスフィルタ410の長辺方向に次数が異なる2つの定常波を発生させる。具体的には、光学ローパスフィルタ410に、周波数f(m)でm次の振動モードの曲げ振動を励振することで、第1の定常波を発生させる。そして、周波数f(m+1)でm+1次の振動モードの曲げ振動を励振することで、第2の定常波を発生させる。これを交互に繰り返すことによって光学ローパスフィルタ410の表面に付着した異物をはじき飛ばし、異物を除去することができる。
【0100】
光学ローパスフィルタ410に次数が1つ異なる2つの定常波を発生させることで、第1の定常波の節上に付着した異物であっても、光学ローパスフィルタ410を第2の定常波で振動させることで、除去することができる。すなわち、次数の隣あう奇数節と偶数節の振動モードを使用すると、出現する節はそれぞれ異なる位置となり、異物除去効果が高い。
【0101】
また、使用する定常波は2つに限定されるものではなく、周波数f=f(m)、f(m+1)、f(m+2)と次数が隣接する3つの定常波を交互に発生させてもよいし、それ以上の数の定常波を交互に発生させてもよい。
【0102】
図14は、圧電素子430aおよび430bのB面を光学ローパスフィルタ410の撮像素子側の面に貼着した状態を撮像素子側から見た図である。図14に示すように、圧電素子430aの長辺が光学ローパスフィルタ410の一方の短辺(一辺)に沿うように、圧電素子430aは光学ローパスフィルタ410に貼着される。圧電素子430aの長辺の長さは光学ローパスフィルタ410の短辺の長さとほぼ等しい。図14に示すように、圧電素子430bの長辺は光学ローパスフィルタ410の他方の短辺(他辺)に沿うように、圧電素子430aは光学ローパスフィルタ410に貼着される。圧電素子430bの長辺の長さは光学ローパスフィルタ410の短辺の長さとほぼ等しい。
【0103】
図14は、周波数f=f(m)における振動モードの曲げ振動の概略図を表している。図14は、光学ローパスフィルタ410、圧電素子430aおよび430bのみを、撮像素子側から見た図である。また、図中の斜線で囲まれた領域は、デジタルカメラ100に入射した撮影光束が通過する光学有効領域である。なお、mが奇数のときの例としてm=9の場合を示す。
【0104】
図14に図示するように、光学ローパスフィルタ410の長辺方向、すなわち圧電素子430aおよび430bが貼着される光学ローパスフィルタ410の短辺と直交する方向には、定常波が励起される。図中の点線はこの定常波の節を表している。第1の実施形態と同じように、光学ローパスフィルタ410の短辺方向には、1次の定常波が発生する。しかし、長辺方向に定常波を発生させる場合には、短辺方向に発生する1次の定常波の振幅が長辺方向に発生する定常波の振幅と比較して極めて小さくなる。したがって、長辺方向に定常波を発生させる場合には、長辺方向に発生する定常波の振幅は、短辺方向に発生する1次の定常波の振幅によってほとんど変化しない。
【0105】
光学ローパスフィルタ410の長辺方向に発生する定常波は、光学ローパスフィルタ410の長辺の端、すなわち圧電素子430aおよび430bが貼着されていない光学ローパスフィルタ410の端で反射する。光学ローパスフィルタ410の長辺の端に発生する反射波は、光学ローパスフィルタ410の長辺方向に発生する定常波と干渉する。この干渉によって、光学ローパスフィルタ410の長辺の端付近では、定常波の振幅に大小のムラが発生し、定常波の位相とは異なる位相の振動が発生してしまう。
【0106】
したがって、センサ電極SFが光学ローパスフィルタ410の長辺の端付近に位置すると、センサ電極SFは光学ローパスフィルタ410の長辺方向に発生する定常波を精度よく検出することができない。
【0107】
このようなことから、図中Lで示す光学ローパスフィルタ410の短辺方向における光学有効領域の範囲内にセンサ電極SFが位置するように、圧電素子430aおよび430bを光学ローパスフィルタ410に貼着している。本実施形態では、センサ電極SFの位置を、光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸上としている。これによって、光学ローパスフィルタ410の長辺の端に発生する反射波による影響を最小にすることができる。
【0108】
センサ電極SFの大きさは、センサ電極SFからの出力電圧がノイズレベルより十分大きくなる程度の大きさであればよい。駆動電極AFは、光学ローパスフィルタ410に振動を励起させるための電極であるので、可能な限り大きく形成することが好ましい。
【0109】
上述したように、第1の実施形態と第2の実施形態とは、光学ローパスフィルタ410の長辺方向に発生させる振動の種類が異なるだけである。したがって、第1の実施形態において説明した様々な変形例は、第2の実施形態においても同じように実施することができる。
【0110】
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
上述した第2の実施形態では、2つの圧電素子430aおよび430bに電圧を印加することで、光学ローパスフィルタ410の長辺方向に定常波を発生させている。これに代えて、第3の実施形態では、1つの圧電素子430aに電圧を印加することで、光学ローパスフィルタ410の長辺方向に定常波を発生させている。したがって、第2の実施形態にて光学ローパスフィルタ410に貼着されていた圧電素子430bが、第3の実施形態にはない点でのみ、第3の実施形態は第2の実施形態と相違している。
【0111】
図15は、圧電素子430aのB面を光学ローパスフィルタ410の撮像素子側の面に貼着した状態を撮像素子側から見た図である。図14に示すように、圧電素子430aの長辺が光学ローパスフィルタ410の一方の短辺(一辺)に沿うように、圧電素子430aは光学ローパスフィルタ410に貼着される。圧電素子430aの長辺の長さは光学ローパスフィルタ410の短辺の長さとほぼ等しい。
【0112】
図15は、周波数f=f(m)における振動モードの曲げ振動の概略図を表している。図14は、光学ローパスフィルタ410および圧電素子430aのみを、撮像素子側から見た図である。また、図中の斜線で囲まれた領域は、デジタルカメラ100に入射した撮影光束が通過する光学有効領域である。なお、mが奇数のときの例としてm=9の場合を示す。
【0113】
図15に図示するように、光学ローパスフィルタ410の長辺方向、すなわち圧電素子430aが貼着される光学ローパスフィルタ410の短辺と直交する方向には、定常波が励起される。図中の点線はこの定常波の節を表している。
【0114】
第2の実施形態と同様に、光学ローパスフィルタ410の長辺方向に発生する定常波は、光学ローパスフィルタ410の長辺の端で反射する。光学ローパスフィルタ410の長辺の端に発生する反射波は、光学ローパスフィルタ410の長辺方向に発生する定常波と干渉する。
【0115】
したがって、第3の実施形態においても、図中Lで示す光学ローパスフィルタ410の短辺方向における光学有効領域の範囲内にセンサ電極SFが位置するように、圧電素子430aを光学ローパスフィルタ410に貼着している。
【0116】
本実施形態では、センサ電極SFの位置を、光学ローパスフィルタ410の短辺方向の中心軸上としている。これによって、光学ローパスフィルタ410の長辺の端に発生する反射波による影響を最小にすることができる。
【0117】
なお、本発明でいう光学部材は光学ローパスフィルタ410に限定されるものではない。上述した実施の形態では水晶複屈折板に振動を励起する構成としたが、複屈折板の材質は水晶ではなくニオブ酸リチウムを用いてもよい。また、複屈折板と位相板と赤外吸収フィルタとの貼り合わせによって構成される光学ローパスフィルタや赤外吸収フィルタ単体に振動を励起する構成にしてもよい。また、複屈折板の前に配置したガラス板単体に振動を励起する構成にしてもよい。
【0118】
以上、本実施の形態ではデジタルカメラに本発明を適用した例を説明したが、液晶プロジェクタ等の光学機器にも本発明を適用することが可能である。液晶プロジェクタのような光学機器においても、投影光学系の光学部材の表面に塵埃等の異物が付着した場合、異物の影が投影されてしまうため、本実施の形態と同様の構成を取り得る。
【符号の説明】
【0119】
111 圧電素子駆動回路
112 振動検出回路
400 撮像ユニット
410 光学ローパスフィルタ
430a、430b 圧電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光路上に配置され、光束が通過する光学有効領域が設定される矩形状の光学部材と、
圧電部材と、前記圧電部材の表面に形成される駆動電極およびセンサ電極を有する圧電素子とを備え、
前記圧電素子は前記光学有効領域の外側で前記光学部材の一辺に沿って前記光学部材の表面に貼着され、
前記センサ電極は、前記圧電素子が貼着される前記光学部材の辺方向における光学有効領域の範囲内に位置するように、前記圧電部材の表面に形成されることを特徴とする異物除去ユニット。
【請求項2】
光路上に配置され、光束が通過する光学有効領域が設定される矩形状の光学部材と、
圧電部材と、前記圧電部材の表面に形成される駆動電極およびセンサ電極を有する圧電素子とを備え、
前記圧電素子は前記光学有効領域の外側で前記光学部材の一辺に沿って前記光学部材の表面に貼着され、
前記センサ電極は、前記圧電素子が貼着される前記光学部材の辺方向に発生する振動の複数の節間に位置するように、前記圧電部材の表面に形成されることを特徴とする異物除去ユニット。
【請求項3】
前記複数の節が前記光学有効領域の外側に発生するように、前記光学部材の大きさを設定することを特徴とする請求項2の記載の異物除去ユニット。
【請求項4】
前記センサ電極は、前記圧電素子が貼着される前記光学部材の辺方向の中心軸上に位置するように、前記圧電部材の表面に形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の異物除去ユニット。
【請求項5】
前記駆動電極は前記圧電部材の第1の面に複数形成され、前記センサ電極は前記圧電部材の第1の面で前記複数の駆動電極の間に形成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の異物除去ユニット。
【請求項6】
前記圧電素子は、第1の曲げ振動と、前記第1の曲げ振動と時間位相が異なるとともに、前記第1の曲げ振動と次数が1つ異なる第2の曲げ振動とを同時に励起することで、前記圧電素子が貼着される前記光学部材の辺と直交する方向に進行する進行波を発生させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の異物除去ユニット。
【請求項7】
前記圧電素子は、第1の曲げ振動を励起することで、前記圧電素子が貼着される前記光学部材の辺と直交する方向に第1の定常波を発生させ、前記第1の曲げ振動と次数が1つ異なる第2の曲げ振動を励起することで、前記圧電素子が貼着される前記光学部材の辺と直交する方向に第2の定常波を発生させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の異物除去ユニット。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載した異物除去ユニットを備えた光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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