説明

病院および実験室環境用壁内廃棄物容器

使い捨てで、軽量で、望ましくはプラスチックのカートリッジを収容するよう適合された入口を壁に備える、廃物容器が開示される。カートリッジは、それ自体の空重量のもとで、カートリッジが壁の入口内に維持される形で、その重心を配置するよう適合される。カートリッジは、無菌状態を維持するために、使い捨てのバッグをさらに収容してよい。バッグは、Oリングなどの密封装置により、所定の位置に保持することができるが、これは1つの実施形態では、バッグの上からカートリッジ上にカチッと留まる。Oリングまたはその他の密封装置は、カートリッジに処理される廃棄物の種類を示すために色分けされていることが望ましい。カートリッジは、鋭利物の処理を可能にする栓を収容するようにも適合されてよい。バッグが破損した場合、カートリッジは、密封されて処分され、それにより衛生的な無菌環境を維持してよい。容器は壁に配列され、それにより、重要な作業空間を阻害しない、便利な廃棄物処理システムを提供してよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、仮出願、米国特許出願番号60/701,106号(本発明者により2005年7月20日申請)の利益を主張する。米国特許出願番号60/701,106号の内容は、その参照により、ここに援用する。
【0002】
本日付けで本発明者により本出願とともに申請される出願の名称は、以下のとおりである。
(1)天井内焦点設置外科用ライティング;
(2)病院手術室再設計;
(3)病院外科環境における周囲照明;
(4)ヘルスケア環境における紫外線殺菌照射の使用;
(5)多機能床パッド;
(6)手術室台の再設計;
(7)無菌使い捨てカートリッジを備えるロボット床清掃。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、医療または実験室環境において廃棄物を処理するための装置と方法に関する。
【背景技術】
【0004】
医療または科学環境で廃棄物が発生すると、廃棄物は貴重なスペースを消費してしまう。通常、医療処置または科学実験の最中に発生した廃棄物は、米国特許第4,925,048号におけるノーク(Noack)の足操作式バケツなど、独立型容器として存在する、特別に印を付けられた廃棄物容器に処理される。鋭利物、普通ゴミ、バイオ品など、各種の廃棄物に対し、普通、異なる容器が必要とされる。
【0005】
以下の参考文献は、その参照により、ここに援用する。
【特許文献1】米国特許第4,925,048号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
作業環境において貴重なスペースを排除しない処理方法を提供できる発明は、利益となるであろう。さらに、医療または科学環境は、通常、完全に無菌の作業条件を要求する。設計に無菌状態を維持するための手段を組み込める装置は、さらに有益であろう。
【0007】
したがって、本発明の目的は、作業環境におけるスペースを排除しない、無菌の使い捨て容器を提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、軽量で費用効率が高い容器を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、前述の容器を、病院用バイオ廃棄物バッグなどの既存の処理手段に統合することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的うち少なくとも1つは、本発明により、全体または一部において達成され、またさらなる目的は、以下の記載と請求項によって示される。
【0011】
廃物容器について記載する。これは、下端が閉鎖され、壁の開口内に収まるようになっている成形軽量プラスチック管を備える。管はバッグを収容できる開口を有し、バッグは、特別に適合された壁の開口内への管の挿入後、管によって所定の位置に保持されることが可能であり、壁の開口も、本発明の一部として含まれる。壁は、前述の管単体での重量により、特に、管を保持することができるようになっている。管は、壁の開口内への管の挿入後に、管の重心が、管内のどこかに含まれるのではなく、近接にあり、それにより、管を壁の開口内に安定的に維持するのを補助するよう形成される。管は、さまざまな栓が管の開口内に収まることを可能にし、管の処理が必要とされる場合に、更に、容器の閉鎖を可能にするようになっている。
【0012】
通常の使用では、空の管は、管内の開口に挿入されるバッグを有するが、バッグの上部は、バッグを固定するのを補助するために、管の開口の周りに巻き付けられてよい。廃棄物バッグ上に、またカートリッジの上へカチッと留まるようになっている、Oリングまたは他の密封装置は、それからバッグとカートリッジ上に固定されてよい。Oリングまたは他の密封装置は、色分け(カラー・コード)されていて、また、さまざまな形式でバッグとカートリッジ上にカチッと留まることができることが望ましい。1つの形式では、Oリングは、カートリッジの縁部上に固定する柔軟なフックを有し、あるいは、Oリングは、標準的な台所容器の蓋のように(Tupperware(登録商標)によって製造されるもののように)作られてもよい。Oリングのあらゆる実施形態において、カートリッジは、Oリングを固定するようになっている。Oリングに類似するが、必ずしも「O」型ではない、角型密封装置など、他の密封装置も使用してよい。
【0013】
管は、次に、壁の開口に挿入される。バッグが一杯になったあと、バッグは除去され、新しいバッグが挿入されてよい。バッグはカートリッジの無菌状態を維持し、そのため環境の無菌状態を維持するのに役に立つ。バッグが破損した場合、管は、栓で閉鎖され、処分される。管は軽量プラスチックから作られているため、処理は容易であり、また費用が考慮されている。容器には、針または肩甲骨先端などの鋭利器具の処理を可能とするために、特別な鋭利物栓が取り付けられてよい。特別な鋭利物栓は、カートリッジの内容物が、人に刺さったり、切ったりするのを防止するようになっている。望ましい実施形態では、鋭利物栓は管にカチッとはまり、管が一杯になったあと、鋭利物栓は、栓の開口上を摺動し、カチッと所定の位置に永久的にはまるプラスチックシートで密封されてよい。最後に、壁の開口は、さまざまな処理管への便利なアクセスを提供するために、壁に配列されてよい。壁の開口、Oリング留め具または他のカチッと留められる固定装置、あるいは全てのものが、壁の開口と管の組み合わせにより提供される廃棄物容器の種類を容易に識別するために、色分けされていることが望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、添付の図面と関連して、最もよく理解できる。本発明は、以下の図面に示される正確な実施形態に限定されないことに留意されたい。
【0015】
図1に見られるように、廃棄物容器カートリッジ106は、丸みのある逆「L」字型のような望ましい形状を有する。カートリッジを壁に保持する補助をするのであれば、他の形状も使用してよい。例えば、逆ではない「L」字型は、適切ではないであろう。
【0016】
外側の成形面は、さまざまな材質が可能であるが、カートリッジ106の全体として、軽量プラスチックから成ることが望ましい。成形と材質は、望ましい実施形態のように、第2の壁要素内外への滑らかな摺動を可能とするようになっていてもよい。あるいは、材質は、動きをよりしにくくするものにするようになっていてもよい。
【0017】
管構造106は、内部100を定める。図示されるように、管106は、単一の入口を備える管を提供する底面を有する。縁部102の外周は、第2の壁要素内にぴったりと収まり、また、縁部の周内にさまざまな栓が嵌まるように設計されている。
【0018】
図2では、鋭利物栓128が示される。栓124の表面は、カートリッジ・管106の縁部102内にはまるようになった外周で終結する。栓124の中心には、カートリッジ106の内部100内への開口122がある。開口122は、開口への使用者の指の不慮の挿入を防止する、筐体(ハウジング)126に囲まれている。シート120は、筐体126の内部を閉鎖して、それにより、穴122を閉鎖してよい。筐体126は、例えば、120の一方向進行のみを可能とするようになった隆起などにより(隆起は図示しない)、120が122の穴を再び開けるのを防止するようになっている。
【0019】
図3には、カートリッジ栓130の典型的な実施形態が示されている。通常の使用では、カートリッジ106の空洞100内の内部廃棄物バッグ156(図示しない)は、除去される。そして新しい空の廃棄物バッグが、挿入されてよい。バッグが破損している場合、栓130を開口100にぴったりと挿入して、取っ手132をハンドルとして使用して、縁部102の周りを密封してよい。
【0020】
図4は、カートリッジ106と壁の開口150の組み合わせの側面図を、カートリッジ106とその表面104が、壁開口にほぼ完全に挿入された状態で示している。カートリッジ106は、空洞100に挿入され、縁部102の周りに巻き付けられた廃棄物バッグ156を有する。カートリッジが壁の開口に完全に挿入されると、バッグ156は、縁部102と面取り部160の外側に押し付けられる。面取り部・縁部の設計は、1つの典型的な実施形態である。面取り部の代わりに、切欠きと接合するようになっている縁部を伴う凹状切欠きにもできる。「X」のマークによって示されるように、全ての望ましい実施形態における重心は、空洞100への入口の下で、壁の付近に配置される。これは、カートリッジ106が、それ自体の重量のもとで、その位置を150の壁の空洞内に維持するのを補助する。
【0021】
図5は、丸みのある入口を有する廃棄物容器の配列の可能な配置を示している。例えば、廃棄物容器172、174、および176は、それぞれゴミ、バイオ品、鋭利物用であってよく、また、色分け(カラー・コード)付きの密封留め具、色付き縁部周囲、または、色付きカートリッジなどによる色分け手段178をさらに備え、それにより、廃物配列170を形成してもよい。色分け(カラー・コード)は、カートリッジに処理される廃棄物の種類を識別するのに役立つ。例えば、赤いOリングなどの赤い密封留め具は、バイオ廃棄物を受容するとものしてカートリッジを識別するために使用でき、一方青い密封留め具は、通常ゴミ廃棄物を示すことができる。
【0022】
図6は、本発明のさらなる実施形態を示している。図面に関連して、管106は、バッグ156が挿入されて示され、管とバッグは壁の開口に挿入され、160に寄り掛かっている。この実施形態における縁部102は、密封装置200が、留め具204によって、縁部102の上にカチッと留まるよう適合されている。あるいは、密封装置は、Tupperware(登録商標)によって製造されるもののような標準的台所容器の蓋のように、縁部102の上にカチッと留まるものとも考えられる。上記の鋭利物および密封栓は、カートリッジ周囲の所定の位置に保持される留め具により適合されてもよい。ライン202は、密封装置の内周の境界を画定しているが、これは(ラインの内側)カートリッジへのアクセスを可能とするために開いている。密封装置200は、バッグ156をしっかりと保持するよう機能する。密封装置は、付属の廃棄物バッグ、および、カートリッジのうちの少なくとも一方に処分される廃棄物の種類の識別を可能とするため、色分けされていることが望ましい。
【0023】
前述の記載、特定の用語、および視覚的記載は、好ましい実施形態を説明するために使用されるものである。ただし、用語および図面は例示のためのみであって、本発明の範囲を限定することを意図していないため、使用される用語または描写される図面による、先行技術に示されるものを超える不必要な限定に解釈されるものではない。添付の請求項に示される発明の範囲から逸脱することなく、本発明にその他の変更を加えてよいことは、さらに理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】管の斜視図であり、開口と管の1つの可能な形状を示している。
【図2】鋭利物栓の1つの可能な実施形態の斜視図である。
【図3】廃棄物管栓の1つの可能な実施形態の斜視図である。
【図4】廃棄物バッグが管に挿入された状態の、壁に挿入された管の側面詳細図である。
【図5】下部鋭利物容器を含む廃棄物容器の1つの可能な配列の直接前方図である。
【図6】廃棄物バッグが管に挿入され、また廃棄物バッグがカチッと留められる固定装置により所定の位置に保持された状態の、壁に挿入された管の側面詳細図である。
【符号の説明】
【0025】
100 管部材開口
102 管部材縁部
104 管部材成形面
106 管部材・カートリッジ
120 鋭利物閉鎖シート
122 鋭利物栓開口
124 鋭利物栓表面
126 鋭利物栓保護筐体
128 鋭利物栓
130 廃棄物栓
132 廃棄物栓取っ手
150 管部材に適合した壁
154 管部材の重心
156 廃棄物バッグ
160 壁面取り部
170 廃物容器配列
172 廃物容器
174 バイオ品容器
176 鋭利物容器
178 色分け手段
200 カチッと留められる密封具
202 密封具の周囲
204 密封具の留め具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院および実験室環境のための廃物容器であって、
壁の開口に収容され、挿入されるようになっているカートリッジを備え、
前記壁は、病院、または、実験室環境にあり、
前記カートリッジは、空洞と、前記空洞への開口を有し、
前記カートリッジは、前記壁に対して密封されるよう適合され、
前記カートリッジは、前記カートリッジ上または内に含まれない重心を有し、
前記カートリッジは、前記開口への挿入後に、除去可能である、
ことを特徴とする廃物容器。
【請求項2】
前記空洞内部に廃棄物バッグをさらに備え、前記廃棄物バッグの上部は、任意に、前記開口の周囲に巻き付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の廃物容器。
【請求項3】
前記開口を密封するようになっている栓をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の廃物容器。
【請求項4】
前記栓は、前記栓の外面上に備えられるグリップを有することを特徴とする、請求項3に記載の廃物容器。
【請求項5】
前記栓は、前記栓の最上部から前記栓の底部までの溝を提供することを特徴とする、請求項3に記載の廃物容器。
【請求項6】
前記栓の溝は、使用者の指の不慮の挿入を防止するようになっている保護筐体に囲まれ、また、前記栓の溝は、前記溝を永久的に閉鎖するシートによって密封されることを特徴とする、請求項5に記載の廃物容器。
【請求項7】
前記栓は色分けされていることを特徴とする、請求項3に記載の廃物容器。
【請求項8】
前記開口の周辺は、前記カートリッジの空洞に挿入される廃棄物の種類を指示するために色分けされていることを特徴とする、請求項1に記載の廃物容器。
【請求項9】
前記開口の周辺は、使用者の指が挿入されるのを可能とし、それにより、前記使用者の指が、前記カートリッジを除去するのを可能とするようになっている凹状切欠きを備えることを特徴とする、請求項1に記載の廃物容器。
【請求項10】
廃棄物バッグの上から、また前記カートリッジの縁部であって、前記開口の周上の前記縁部の上にカチッと留まる密封装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の廃物容器。
【請求項11】
前記密封装置は色分けされていることを特徴とする、請求項10に記載の廃物容器。
【請求項12】
前記密封装置はOリングであることを特徴とする、請求項11に記載の廃物容器。
【請求項13】
病院または実験室廃棄物の衛生的処理の方法であって、
請求項11に記載の廃物容器を提供する段階と、
廃棄物バッグを前記カートリッジに挿入する段階と、
前記カートリッジを前記開口に挿入する段階と、
廃棄物を記カートリッジ内部の前記廃棄物バッグ内に設置するにより、前記廃棄物を前記カートリッジ内に処理する段階と、
前記廃棄物バッグが破損した場合に、前記カートリッジの入口を密封するようになっている栓で、前記カートリッジを密封し、前記カートリッジを前記開口から除去し、新しいカートリッジに新しい廃棄物バッグを挿入し、それから前記新しいカートリッジを前記開口に挿入する段階と、
一杯になり、破損していない場合に、前記廃棄物バッグを除去し、前記廃棄物バッグを新しい廃棄物バッグと交換する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記廃棄物バッグが前記カートリッジに挿入されたあとに、前記廃棄物バッグの上に前記色分けされた密封装置を設置し、次に、前記密封装置を、前記カートリッジ上にカチッと留める段階をさらに含み、また、前記カートリッジを密封する前、または、前記廃棄物バッグを除去する前に、前記色分けされた密封装置を除去する段階を含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
病院または実験室廃棄物の衛生的処理の方法であって、
前記栓が色分けされている、請求項6に記載の廃物容器を提供する段階と、
前記カートリッジを前記開口に挿入する段階と、
前記栓の溝を通して、廃棄物を前記カートリッジ空洞に設置することにより、前記廃棄物を前記カートリッジ内に処理する段階と、
前記カートリッジ空洞が一杯のとき、前記シートで前記溝を密封する段階と、
前記カートリッジを前記開口から除去する段階と、
前記カートリッジと栓の組み合わせを、新しいカートリッジと栓の組み合わせと交換する段階と、
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−502241(P2009−502241A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522968(P2008−522968)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/028234
【国際公開番号】WO2007/012045
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(508018288)オプティマス サーヴィシーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (7)
【Fターム(参考)】