病院の壁用の家族ゾーンモジュール
医療施設において使用され、床スペースを仕切り病院設備モジュールを支えるモジュール壁システム(20)を提供する。床の上に垂直上方に立つよう構成された複数の枠ユニット(100)を備え、該複数の枠ユニット(100)は垂直方向と横方向に互いに隔てられ所定の高さ(132)と所定の幅(130)を有する複数の壁空間から成るグリッドを形成する。複数の家族ゾーンモジュール(24)が、該壁空間に配置され医療施設の壁(26)を形成するよう構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適応性のある臨床環境、特に臨床環境における壁を構築するためのモジュールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設内の壁を構築する従来の方法は、医療施設の床及び/又は天井にほぼ永久的に取付けられる木材、鋼材、及び壁板を使用する。従来の構築方法は、建築作業を完了させるために大工、塗装工、配管工、電気工等の様々な職人をスケジュールする困難さに起因する長く低信頼性の建築時間を伴う。このような従来の方法を使用して建築された部屋及び空間は、容易には再構成することができない。このような再構成は、存在する壁の取り壊しを必要とし、コストと時間が掛かり、業務を妨げるだけでなく、多量のごみ、ほこり、及び騒音を生成する。取除かれた材料は一般に再利用できず処分するしかない。
【0003】
開いた空間を複数の小部屋に分けるモジュール壁システムは周知である。このようなシステムの例が、特許文献1と特許文献2に開示されている。両方とも名称は「モジュール式病室」である。
【特許文献1】米国特許出願公開第2002−0104271号明細書
【特許文献2】米国特許第6,405,491号明細書
【0004】
《関連する出願への相互参照》
本出願は、2004年06月03日付で出願した米国仮特許出願第60/576,855号及び第60/576,868号の利益を主張する同一の譲渡人に譲渡する通常の特許出願である。これら全ての出願を本明細書に援用する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、単独でまたは組合せで特許性のある事項を構成する下記の複数の特徴のうち1つ以上又はそれらの組合せを有するシステムを含む。
【0006】
壁を構築するためのシステムは、複数の接続点を有する複数の枠ユニットと、該接続点において該枠ユニットに結合され壁を形成する複数の家族ゾーンモジュールとを備えてもよい。前記複数の枠ユニットは、垂直方向と横方向にそれぞれ所定の間隔で互いに隔てられた複数の接続点から成るグリッドを形成する。前記複数の家族ゾーンモジュールの少なくとも幾つかは、前記所定の横方向間隔の1倍を含む倍数にほぼ等しい幅と、前記所定の垂直方向間隔の1倍を含む倍数にほぼ等しい高さとを有する。
【0007】
前記家族ゾーンモジュールの幾つか例は、訪問者用収納式ベッドモジュール、電子レンジモジュール、冷蔵庫モジュール、キャビネットモジュール、引出しモジュール、展開式座モジュール、読書灯モジュール、テレビモジュール、展開式作業面モジュール、棚モジュール、洋服ダンスモジュール、飾りパネルモジュール、ホワイトボードモジュール、画鋲面モジュール、及びムードパネルモジュールである。このリストは例にすぎず、全てを網羅していることを意図していない。
【0008】
上記以外の特徴が、単独でまたは上記又は請求項に記載された特徴と組合せで特許性のある事項を構成する可能性があり、発明を実施するための現時点での最良の形態である以下の実施形態の詳細な説明から、当業者に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1と図2は、壁を構築するためのモジュール壁システム20を示す。図示のように、モジュール壁システム20は、複数の基礎構造部品22と、基礎構造部品22に結合され壁26を形成する、家族ゾーンモジュール24等の複数のモジュールとを備える。このようなシステム20は、例えば個室の病室28等の医療施設内の壁を構築するために使用される。
【0010】
図1を参照すると、家族ゾーンモジュール24は、例として収納式ベッドモジュール200(図3に示す)、電子レンジモジュール202(図4に示す)、冷蔵庫モジュール204(図5に示す)、キャビネットモジュール206(図6に示す)、引出しモジュール208(図7に示す)、展開式座モジュール210(図9に示す)、読書灯モジュール212(図10に示す)、テレビモジュール214、展開式作業面モジュール216、棚モジュール218、洋服ダンスモジュール220、飾りパネルモジュール222、ホワイトボードモジュール224、画鋲面モジュール226、及びムードパネルモジュール228である。上記リストは一例であり、全てを網羅していることを意図していない。また、病室28の家族エリアの床152上の椅子230と、病室28の家族エリアに近接した従来の壁160の窓232とが図1に示されている。
【0011】
図1の例としての壁26は、複数の家族ゾーンモジュール24を備えているが、該モジュール式壁は他の種類のモジュール、例えば患者医療モジュール、足壁モジュール、臨床壁モジュール、衛生ゾーンモジュール等(不図示)を備えてもよい。患者医療モジュールの幾つかの例は、生命徴候モジュール、サービス提供モジュール、ベッドロケータモジュール、モニターモジュール、ビューボックスモジュール、鋭利物廃棄モジュール、コンピュータ/キーボードモジュール、管投下モジュール、廃棄物管理モジュール、灯りモジュール、及び時計モジュールである。このような患者医療モジュールは、国際特許出願No.PCT/US2005/xxxxxx(attorney docket no. 7175-78002)に開示されている。この出願は本出願と同一の譲渡人に譲渡する特許出願であり、この出願を本明細書に援用する。用語「病院設備モジュール」は、広義の意味で使用されており、患者医療モジュール、足壁モジュール、臨床壁モジュール、家族ゾーンモジュール、衛生ゾーンモジュール、ドアモジュール、窓モジュール、展開式ベッドモジュール、生命徴候モジュール、装置収納モジュール等を含んでいる。
【0012】
図2に示すように、基礎構造部品22は枠ユニット100と、複数の支持部材102とを含む。本実施形態では、支持部材102は枠ユニット100に取外し可能に結合されるよう構成されたハンガーである。各枠ユニット100は一対の垂直部材110と、枠ユニット100の上部と底部の近くにおいて垂直部材110間を延びる一対の水平部材112とを備え、垂直部材110と水平部材112は、枠ユニット100の前面116と後面118の間に亘る開いた空間または空洞114を中央に有する概ね矩形の構造体を形成する。図示のように、垂直部材110と水平部材112とは概ね矩形の断面を有する管状部材から作られている。
【0013】
各枠ユニット100の垂直部材110は、枠ユニット100の前側116に面した第1の数の接続点120と、枠ユニット100の後側118に面した第2の数の接続点120とを有する。本実施形態では、第1の数の接続点120は、枠ユニット100の前方116に面しその奥行きに沿って延びる第1の数のハンガー受容穴120であり、同様に、第2の数の接続点120は、枠ユニット100の後側118に面しその奥行きに沿って延びる第2の数のハンガー受容穴120である。ハンガー受容穴120はハンガー102を受容する寸法及び形を有す。挿入された時、ハンガー102は枠ユニット100のハンガー受容穴120に嵌合し、固く適正にロックされる。図示のように、ハンガー102とハンガー受容穴120とは横断面が概ね矩形である。ハンガー102は、枠ユニット100からカンチレバー状に概ね水平に延びる。下記に説明するように、ハンガー102の長さは、ハンガー102によって支持されるモジュール24の奥行きに概ね一致する。
【0014】
各枠ユニット100の幅又はX軸に沿った、垂直部材110のハンガー受容穴120同士の中心間の横方向間隔130は固定である。図示のように、ハンガー受容穴120の中心間横方向間隔130は約2フィート(約60センチメートル)である。各枠ユニット100の高さ又はZ軸に沿った、垂直部材110のハンガー受容穴120同士の中心間の垂直方向間隔132も固定である。図示のように、高さに沿ったハンガー受容穴120の中心間間隔132は約2フィート(約60センチメートル)である。
【0015】
従って、該第1の数と第2の数のハンガー受容穴120は、所定の幅130と所定の高さ132だけ互いに隔てられ、2フィート×2フィート(約60センチメートル×約60センチメートル)のグリッドを枠ユニット100の両側116、118に形成する。各モジュール24は、該所定の幅(本実施形態では2フィート又は約0.60メートル)の1倍を含む倍数にほぼ等しい幅と、該所定の高さ(本実施形態では2フィート又は約0.60メートル)の1倍を含む倍数にほぼ等しい高さを有する。
【0016】
図2の実施形態では、第1の数のモジュール24が、枠ユニット100の前側116のハンガー102によって支持されている。第2の数のモジュール24が、枠ユニット100の後側118のハンガー102によって支持されている。図11に示すように、各モジュール24はモジュール24の上端の近くの両側に配置された一対のガイドトラック又はチャネル140と、下端の近くの両側に配置された一対のガイドトラック又はチャネル140とを有する。上端と下端の二対のガイドトラック140は、枠ユニット100の垂直部材110に取付けられた対応するハンガー102をスライド方式で受容する。ガイドトラック140とハンガー102はスライド嵌合するように寸法が決められている。適切なラッチによりモジュール24がハンガー102に固定される。
【0017】
各枠ユニット100の下部水平部材112は、医療施設の床152に該枠ユニット100を取付けるための一対の垂直に延びる貫通孔150を有する。同様に、各枠ユニット100の上部水平部材112は、医療施設の床152から天井154に延びる該枠ユニット100を天井154に取付けるための一対の垂直に延びる貫通孔150を有する。スタッド、ピン、ねじ、又はナットとボルト等の任意の適当な留め具156を、枠ユニット100を床152と天井154とに取付けるために使用してもよい。本実施形態では、モジュール24を例えば、モップ、床清掃器具等から保護できるように、枠ユニット100は、床152の代わりにベース板158に取付けられ、ベース板158は床152に取付けられる。図示のように、ベース板158は高さ約4インチ(10.16センチメートル)である。
【0018】
本実施形態では、各枠ユニット100は両側の隣接する枠ユニット100に結合される。また、医療施設の既存の通常の壁160に最も近い枠ユニット100はその壁に取付けられる。このために、各枠ユニット100の垂直部材110は複数の横方向に延びる貫通孔162を有する。スタッド、ピン、ねじ、又はナットとボルト等の任意の適当な留め具164を、各枠ユニット100を両側の隣接する枠ユニット100及び隣接する既存の通常の壁160に取付けるために使用してもよい。
【0019】
ユーティリティ管172が医療施設の機械室から病室28に配管されてもよい。ユーティリティ管172は通常、病室28の床152、天井154又は壁26を通って配管されてよい。水平部材112は垂直に延びる貫通スロット又は孔170を有し、これを通ってユーティリティ管172が枠部材110、112によって画成された開いた空間または空洞114に入る。次に、ユーティリティ管172は開いた空間114から関連するモジュール24に配管される。例として、ユーティリティ管172はデータ線、ガス管、真空管、AC/DC電力線、温水管、冷水管、及び配管を含む。
【0020】
また、ユーティリティ管172を枠ユニット100の開いた空間114から両側の隣接する枠ユニット100の開いた空間114へ配管するために、横方向に延びる貫通孔(不図示)を枠ユニット100の垂直部材110に形成してもよい。次に、ユーティリティ管172は該隣接する枠ユニット100の開いた空間114から関連するモジュール24に配管される。枠ユニット100の開いた空間114に、音及び/又は熱に対する絶縁材を充填してもよい。
【0021】
家族ゾーンモジュール24群は、ハンガー受容穴120の該所定の横方向間隔130の1倍を含む倍数にほぼ等しい幅を有する。本実施形態では、ハンガー受容穴120の該所定の横方向間隔130は約2フィート(約60センチメートル)である。従って、家族ゾーンモジュール24の幅は約2フィート(約60センチメートル)、4フィート(約120センチメートル)、6フィート(約180センチメートル)等でありうる。家族ゾーンモジュール24群は、ハンガー受容穴120の該所定の垂直方向間隔132の1倍を含む倍数にほぼ等しい高さを有する。本実施形態では、ハンガー受容穴120の該所定の垂直方向間隔132は約2フィート(約60センチメートル)である。従って、家族ゾーンモジュール24の高さは約2フィート(約60センチメートル)、4フィート(約120センチメートル)、6フィート(約180センチメートル)、8フィート(約240センチメートル)等でありうる。
【0022】
モジュール24の幅と高さはそれぞれ、ハンガー受容穴120の該所定の横方向間隔130と該所定の垂直方向間隔132の1倍を含む倍数であるが、モジュール24の奥行きは、その機能に依って変わる。例えば、飾りパネルモジュール222は奥行き約1インチ(2.54センチメートル)である。上述のように、ハンガー102の長さは該ハンガー102によって支持されるモジュール24の奥行きに概ね一致する。従って、奥行き1インチ(2.54センチメートル)の飾りパネルモジュール222を支持するハンガー102の長さも、約1インチ(2.54センチメートル)である。このようなモジュール壁システム20は国際特許出願No.PCT/US2005/xxxxxx(attorney docket no. 7175-78000)に開示されている。この出願は本出願と同一の譲渡人に譲渡する特許出願であり、この出願を本明細書に援用する。
【0023】
図3を参照すると、収納式ベッドモジュール200は、上方に延びる収納位置と外方に延びる使用位置との間を回動するために囲い又はキャビネット252に結合された台250を備える。該収納位置では、台250は囲い252内の台収容空間又は空洞254に収容され、該使用位置では、台250はキャビネット252からほぼ水平に延びる。台250は該上方に延びる収納位置と該外方に延びる使用位置との間を周知のマーフィーベッドの動きに類似した仕方で移動可能である。
【0024】
病室内のスペースは医療施設の計画において常に問題となる。病室内の独立物は患者、介護者、及び訪問者にとって障害となりうる。台250は、不使用時、邪魔にならない収納位置へ移動可能であり、介護者が患者にアクセスするための床スペースを解放する。台250の下面276は絵を備えてもよい。これにより台250が該上方に延びる収納位置にある時、その絵は家庭のような楽しい、患者または訪問者の側に不安を生じさせそうにない外観を提供する。
【0025】
囲い252は後部壁256と、一対の側壁258、260と、上部壁262と、底壁264とを有する。台収容空間254は側壁258、260と上部壁262と底壁264とによって画成される。壁258〜264の前縁は、前方に面する面266を画成する。台250は、頭端270と、足端272と、上面274(内方に面する面274とも呼ばれる)と、底面276(外方に面する面276とも呼ばれる)とを備える。空気マットレス等のマットレス278は、台250の上面274に置かれている。複数のストラップ(不図示)がマットレス278を台250に固定し、台250を収納位置に持上げた時に適正な位置に保持する。本実施形態ではマットレス278を台250に固定するためにストラップ(不図示)を使用しているが、他の適切な留め具を使用しても勿論よい。このような留め具の例は、ヴェルクロ(Velcro、登録商標)帯、ループ・タイ留め具、フック・アイ留め具、クリップ、スナップ、ジッパー等である。
【0026】
台250の頭端270に近い複数のヒンジ(不図示)が、台250がキャビネット252に対して横方向に延びる第1の軸290の周りを上げ収納位置と下げ使用位置の間を回動するように台250を囲い252に結合する。台250を持上げた時、固定具またはラッチ(不図示)が台250を台収容空洞254内に保持する。該上げ収納位置では、台250の外方に面する面276は、囲い252の外方に面する面266とほぼ面一であり、その連続する部分のように見える。該下げ使用位置では、台250は囲い252から外方へ延び、台250の頭端270は囲い252の後部壁256の近くに位置する。
【0027】
足パネル292は足端272の近くで台250に回動可能に結合され、足パネル292が台250の底面276にある足パネル収容空洞294に収容される上げ収納位置と、足パネル292が床152上に立ち、台250の足端272を支える下げ使用位置との間を回動する。台250の足端272に近い複数のヒンジ(不図示)は、足パネル292が台250に対して横方向に延びる第2の軸296の周りを回動するように足パネル292を台250に結合する。
【0028】
足パネル292が台250の足パネル収容空洞294に収容された時は、足パネル292の外方に面する面298は台250の外方に面する面276と概ね同一平面上にあり、それの連続した部分のように見える。足パネル292は介護者が足パネル292を上げ収納位置と下げ使用位置の間を移動させるのを可能にするハンドル300を備える。固定具またはロック(不図示)が足パネル292を足パネル収容空洞294に保持する。足パネル292が床152上に立ち、台250の足端272を支える下げ使用位置において、ラッチ(不図示)が足パネル292をロックする。用語「固定具」、「ラッチ」、及び「ロック」は相互に交換可能に使用される。
【0029】
読書灯302とスイッチ304が囲い252の後部壁256に配置されている。スイッチ304は読書灯302を操作する。或いは、幾つかの実施形態では、読書灯302は台250を該使用位置に下した時に自動的にオンされる。囲い252の下部306は、空気マットレス278を膨張させるための装置、例えば圧縮機、モータ、コントローラ、配管、弁等を収納する。
【0030】
例として、囲い252は幅約4フィート(約120センチメートル)、高さ約8フィート(約240センチメートル)、奥行き約1フィート(約30センチメートル)であり、下部306は幅約4フィート(約120センチメートル)、高さ約2フィート(約60センチメートル)、奥行き約1フィート(約30センチメートル)であり、足パネル292は高さ約2フィート(約60センチメートル)であり、台250は長さ約6.5フィート(約195センチメートル)である。台250が水平姿勢に下げられた時、台250の頭端270は囲い252内に約1フィート(約30センチメートル)延び、台250の残りは囲い252の外に約5.5フィート(約165センチメートル)延びる。収納式ベッドモジュール200を枠ユニット100の垂直部材110に固定するハンガー102は長さ約2フィート(約60センチメートル)である。
【0031】
収納式ベッドモジュール200を含む家族ゾーンモジュール24は、ハンガー受容穴120間の該所定の横方向間隔130(本実施形態では2フィート又は約60センチメートル)の倍数にほぼ等しい幅を有し、また、ハンガー受容穴120間の該所定の垂直方向間隔132(本実施形態では2フィート又は約60センチメートル)の倍数にほぼ等しい高さを有する。
【0032】
動作時、介護者は足パネル292を足パネル収容空洞294に保持しているラッチを解放し、足パネル292を伸ばし適正な位置にロックする。次に介護者は台250を台収容空洞254に保持しているラッチを解放し、台250を下げ使用位置に移動する。これにより足パネル292は床152上に立ち、台250の足端272を支える。台250の頭端270は、台250を囲い252に回動可能に結合するヒンジ(不図示)によって支えられる。台250を上げ収納位置に移動するには、上記手順の逆を行う。
【0033】
台250の収納位置と使用位置の間の移動を助けるために、ガスばね又は他の手段を設けてよい。他の実施形態では、台250の収納位置と使用位置の間の移動時に介護者を助けるために、ばね、カウンターバランス機構、液圧アクチュエータ、電気モータ等を使用してもよい。
【0034】
前述のように、図11に示すように、収納式ベッドモジュール200を含む家族ゾーンモジュール24は、モジュール24の上端の近くの両側に配置された一対のガイドトラック又はチャネル140と、下端の近くの両側に配置された一対のガイドトラック又はチャネル140とを有する。上端と下端の二対のガイドトラック140は、枠ユニット100の垂直部材110に取付けられた対応するハンガー102をスライド方式で受容する。ガイドトラック140とハンガー102はスライド嵌合するように寸法が決められている。適切なラッチによりモジュール24がハンガー102に固定される。
【0035】
図4を参照すると、電子レンジモジュール202は、後部壁322と、一対の側壁324、326と、上部壁328と、底壁330と、上部棚332と、下部棚334とを有するキャビネット又はハウジング320を備える。第1の区画336は上部壁328と上部棚332と側壁324、326とによって画成される。第1の区画336は通常の電子レンジ338を収容する。第2の区画340は上部棚332と下部棚334と側壁324、326とによって画成される。台所用品引出し342は第2の区画340にスライド可能に装着される。第3の区画344は下部棚334と底壁330と側壁324、326とによって画成される。食材を用意するため等のスライド式作業面346が第3の区画344に装着される。電子レンジ338はドア348と複数の制御手段350を備える。台所用品引出し342と作業面346は、それぞれハンドル352、354を備える。電気線356がコンセントから電子レンジ338へ配線される。
【0036】
図5に示すように、冷蔵庫モジュール204は家族使用と患者滋養のための小さな通常の冷蔵庫360を備える。冷蔵庫360はハンドル364を有するドア362を備える。電力コード366が冷蔵庫360へ配線される。図6を参照すると、キャビネットモジュール206は収納のための内部空間を有するキャビネット370を備える。キャビネット370は該内部空間を閉じるための回動可能にキャビネット370に結合された一対のドア372を備える。各ドア372はノブ374を有する。例としてのキャビネット370は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ4フィート(約120センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)である。該キャビネット370は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ4フィート(約120センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)であるが、キャビネット370は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ2フィート(約60センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)、又は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ2フィート(約60センチメートル)、奥行き1フィート(約30センチメートル)、又は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ4フィート(約120センチメートル)、奥行き1フィート(約30センチメートル)等であってもよい。
【0037】
図7、図8に示すように、引出しモジュール208は、後部壁382と、一対の側壁384、386と、上部壁388と、底壁390と、上部棚392と、下部棚394とを有するハウジング380を備える。第1の区画396は上部壁388と上部棚392と側壁384、386とによって画成される。第2の区画398は上部棚392と下部棚394と側壁384、386とによって画成される。第3の区画400は下部棚394と底壁390と側壁384、386とによって画成される。各区画396、398、400は、ノブ404を有する収納のための引出しユニット402を備える。例としてのハウジング380は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ2フィート(約60センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)である。図7の実施形態では、各区画396、398、400は、高さ約8インチ(約20センチメートル)である。しかし、図8の実施形態では、上の2つの区画396、398はそれぞれ高さ6インチ(約15センチメートル)であり、下の区画400は高さ1フィート(約30センチメートル)である。例としてのハウジング380は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ2フィート(約60センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)であるが、ハウジング380は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ4フィート(約120センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)、又は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ6フィート(約180センチメートル)、奥行き1.5フィート(約45センチメートル)等であってもよい。
【0038】
図9を参照すると、展開式座モジュール210はフリップダウン座パネル410を備える。一対のブレース412、例えばケーブル、ロープ、鎖、又は関節付きの連結器が水平使用姿勢の座パネル410を支える。座パネル410は該水平使用姿勢から垂直収納姿勢に回動可能である。展開式座モジュール210は、座パネル410を該収納姿勢にロックするための適当な保持機構を有する。該上げ収納位置と下げ使用位置の間の回動のために、複数のヒンジ(不図示)が座パネル410を枠部材414に結合する。座パネル410の上方に面する面416はクッション418を支える。座パネル410が収納位置にある時、座パネル410の前方に面する面420は枠部材414の前方に面する面422と概ね同一平面上にあり、それの一部のように見える。
【0039】
複数のストラップ(不図示)がクッション418を座パネル410に取付け、座パネル410が収納位置に持上げられた時に適正な位置にそれを保持する。本実施形態では、クッション418を座パネル410に取付けるためにストラップ(不図示)が使用されているが、他の適当な留め具を使用してもよい。このような留め具の例は、ヴェルクロ(Velcro、登録商標)帯、ループ・タイ留め具、フック・アイ留め具、クリップ、スナップ、ジッパー等である。
【0040】
図10に示すように、読書灯モジュール212は、後部壁432と、一対の側壁434、436と、上部壁438と、底壁440とを有する立方体430を備える。壁432〜440は内部空間または空洞442を画成する。読書灯444が関節付き入れ子式アーム上に装着され、読書灯444が空洞442外に位置する伸ばされた使用位置と、読書灯444が空洞442内に引込められた収納位置との間を移動可能である。基部端448は後部壁432に結合される。電気線450が読書灯444へ配線される。
【0041】
図1を参照して、テレビモジュール214、展開式作業面モジュール216、棚モジュール218、洋服ダンスモジュール220、飾りパネルモジュール222、ホワイトボードモジュール224、画鋲面モジュール226、及びムードパネルモジュール228を説明する。テレビモジュール214はテレビ460、DVDプレーヤ462、及びVCR464を備える。作業面モジュール216は、水平使用位置と垂直収納位置の間を回動可能なフリップダウンパネル466を備える。ブレース(不図示)、例えばケーブル、ロープ、鎖、又は関節付きの連結器を該使用位置においてパネル466を支えるために設けてもよい。複数のヒンジ(不図示)がパネル466を枠部材468に回動可能に結合する。パネル466が該水平使用位置にある時、パネル466の上方に面する面が作業面を提供する。パネル466が該収納位置にある時、パネル466は枠部材468のパネル収容開口に収容され、パネル466の外方に面する面は枠部材468の前方に面する面と概ね同一平面上にあり、それの一部のように見える。ハンドル470がパネル466の下面に設けられ、介護者がパネル466を開閉するのを可能にする。作業面モジュール216は、パネル466を該収納位置に保持するための固定具を備えてもよい。
【0042】
棚モジュール218は、後部壁と、一対の側壁と、上部壁と、底壁とによって画定された収納空間474を形成するよう構成された囲い472を備える。洋服ダンスモジュール220は、後部壁と、一対の側壁と、上部壁と、底壁とによって画定された内部空間を形成するよう構成されたキャビネット476を備える。該キャビネット476は、複数のハンガーを支持する横方向に延びるハンガー棒(不図示)を備える。該キャビネット476は該内部空間を閉じるための回動可能に取付けられた一対のドア478を備える。各ドア478はハンドル480を有する。例としてのキャビネット370は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ4フィート(約120センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)である。
【0043】
飾りパネルモジュール222を該モジュール式空間を閉じる又は覆うために設けてもよい。飾りパネルモジュール222は家庭のような楽しい、患者または訪問者の側に不安を生じさせそうにない外観を提供する。飾りパネルモジュール222は様々な飾り仕上げ、例えばラミネート、プラスチックシート、ビニール壁カバー、木ベニア、塗装可能表面等を提供する。例としての飾りパネルモジュール222は奥行き約1インチ(2.54センチメートル)である。ホワイトボードモジュール224は、筆記具を保持するためにその下端に沿って凹状棚482を備えてもよい。画鋲面モジュール226は繊維またはコルクから成る画鋲面を備え、水平または垂直に置かれてよい。ムードパネルモジュール228は患者又は訪問者によって制御されるバックライト付きパネルを備え、該パネル上の色と場面を強める雰囲気を投影する。ムードパネルモジュール228は水平または垂直に置かれてよい。
【0044】
上述のように、図3〜図10には示していないが、各家族ゾーンモジュール24はモジュール24の上端の近くの両側に配置された一対のガイドトラックまたはチャネル140と、下端の近くの両側に配置された一対のガイドトラックまたはチャネル140とを図11に示すように有する。上端と下端の二対のガイドトラック140は、枠ユニット100の垂直部材110に取付けられた対応するハンガー102をスライド方式で受容する。ガイドトラック140とハンガー102はスライド嵌合するように寸法が決められている。モジュール24をハンガー102に固定するために適切なラッチを使用する。
【0045】
家族ゾーンモジュール24はハンガー受容穴120間の該所定の横方向間隔130の1倍を含む倍数にほぼ等しい幅を有し、ハンガー受容穴120間の該所定の垂直方向間隔132の1倍を含む倍数にほぼ等しい高さを有する。モジュール24の幅と高さはそれぞれ、該所定の横方向間隔130と該所定の垂直方向間隔132の1倍を含む倍数であるが、モジュール24の奥行きは、その機能に依って変わる。
【0046】
また、家族ゾーンモジュール24の多くは、病室の足壁を形成するために使用することができる。足壁ゾーンモジュールは、患者の所有物、情報、及び娯楽に関係するので、その患者のニーズに沿って設計される。従って、足壁ゾーンモジュールとしても使用できる家族ゾーンモジュール24の例は、例えば、キャビネットモジュール206、引出しモジュール208、テレビモジュール214、棚モジュール218、飾りパネルモジュール222、ホワイトボードモジュール224、画鋲面モジュール226、及びムードパネルモジュール228である。
【0047】
本発明は様々な変更と別の形態が可能であるが、本明細書において特定の幾つかの実施形態を例として図に示し、詳細に説明した。しかし、本発明を開示した特定の形態に限定することを意図したものでなく、本発明は、添付の請求項により定義された本発明の思想と範囲内に入る全ての改良物、等価物、及び別の形態を含むことは理解されるべきである。
【0048】
本明細書において説明した実施形態の様々な特徴から生じる本発明の複数の利点が存在する。説明した特徴の一部だけを含む本発明の他の実施形態は、前記複数の利点のうち少なくとも幾つかの利点を有する。当業者は、本発明の特徴のうち1つ以上を備える、添付の請求項により定義された本発明の思想と範囲内に入る実施形態を容易に思いつく可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】複数の家族ゾーンモジュールを備えるモジュール式壁を示す立面図である。
【図2】ハンガー受容穴を有する複数の枠ユニットと、該枠ユニットのハンガー受容穴に受容された複数のハンガーと、該ハンガーによって取外し可能に支持された様々な家族ゾーンモジュールとを示す図1のモジュール式壁の一部の斜視図である。
【図3】収納式ベッドモジュールの斜視図である。
【図4】電子レンジモジュールの斜視図である。
【図5】冷蔵庫モジュールの斜視図である。
【図6】キャビネットモジュールの斜視図である。
【図7】引出しモジュールの斜視図である。
【図8】引出しモジュールの斜視図である。
【図9】展開式座モジュールの斜視図である。
【図10】読書灯モジュールの斜視図である。
【図11】枠ユニットに取付けられたハンガーをスライド受容するためのガイドトラックを有するモジュールの斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
20 モジュール壁システム
24 家族ゾーンモジュール
100 枠ユニット
102 支持部材、ハンガー
110 垂直部材
112 水平部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、適応性のある臨床環境、特に臨床環境における壁を構築するためのモジュールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設内の壁を構築する従来の方法は、医療施設の床及び/又は天井にほぼ永久的に取付けられる木材、鋼材、及び壁板を使用する。従来の構築方法は、建築作業を完了させるために大工、塗装工、配管工、電気工等の様々な職人をスケジュールする困難さに起因する長く低信頼性の建築時間を伴う。このような従来の方法を使用して建築された部屋及び空間は、容易には再構成することができない。このような再構成は、存在する壁の取り壊しを必要とし、コストと時間が掛かり、業務を妨げるだけでなく、多量のごみ、ほこり、及び騒音を生成する。取除かれた材料は一般に再利用できず処分するしかない。
【0003】
開いた空間を複数の小部屋に分けるモジュール壁システムは周知である。このようなシステムの例が、特許文献1と特許文献2に開示されている。両方とも名称は「モジュール式病室」である。
【特許文献1】米国特許出願公開第2002−0104271号明細書
【特許文献2】米国特許第6,405,491号明細書
【0004】
《関連する出願への相互参照》
本出願は、2004年06月03日付で出願した米国仮特許出願第60/576,855号及び第60/576,868号の利益を主張する同一の譲渡人に譲渡する通常の特許出願である。これら全ての出願を本明細書に援用する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、単独でまたは組合せで特許性のある事項を構成する下記の複数の特徴のうち1つ以上又はそれらの組合せを有するシステムを含む。
【0006】
壁を構築するためのシステムは、複数の接続点を有する複数の枠ユニットと、該接続点において該枠ユニットに結合され壁を形成する複数の家族ゾーンモジュールとを備えてもよい。前記複数の枠ユニットは、垂直方向と横方向にそれぞれ所定の間隔で互いに隔てられた複数の接続点から成るグリッドを形成する。前記複数の家族ゾーンモジュールの少なくとも幾つかは、前記所定の横方向間隔の1倍を含む倍数にほぼ等しい幅と、前記所定の垂直方向間隔の1倍を含む倍数にほぼ等しい高さとを有する。
【0007】
前記家族ゾーンモジュールの幾つか例は、訪問者用収納式ベッドモジュール、電子レンジモジュール、冷蔵庫モジュール、キャビネットモジュール、引出しモジュール、展開式座モジュール、読書灯モジュール、テレビモジュール、展開式作業面モジュール、棚モジュール、洋服ダンスモジュール、飾りパネルモジュール、ホワイトボードモジュール、画鋲面モジュール、及びムードパネルモジュールである。このリストは例にすぎず、全てを網羅していることを意図していない。
【0008】
上記以外の特徴が、単独でまたは上記又は請求項に記載された特徴と組合せで特許性のある事項を構成する可能性があり、発明を実施するための現時点での最良の形態である以下の実施形態の詳細な説明から、当業者に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1と図2は、壁を構築するためのモジュール壁システム20を示す。図示のように、モジュール壁システム20は、複数の基礎構造部品22と、基礎構造部品22に結合され壁26を形成する、家族ゾーンモジュール24等の複数のモジュールとを備える。このようなシステム20は、例えば個室の病室28等の医療施設内の壁を構築するために使用される。
【0010】
図1を参照すると、家族ゾーンモジュール24は、例として収納式ベッドモジュール200(図3に示す)、電子レンジモジュール202(図4に示す)、冷蔵庫モジュール204(図5に示す)、キャビネットモジュール206(図6に示す)、引出しモジュール208(図7に示す)、展開式座モジュール210(図9に示す)、読書灯モジュール212(図10に示す)、テレビモジュール214、展開式作業面モジュール216、棚モジュール218、洋服ダンスモジュール220、飾りパネルモジュール222、ホワイトボードモジュール224、画鋲面モジュール226、及びムードパネルモジュール228である。上記リストは一例であり、全てを網羅していることを意図していない。また、病室28の家族エリアの床152上の椅子230と、病室28の家族エリアに近接した従来の壁160の窓232とが図1に示されている。
【0011】
図1の例としての壁26は、複数の家族ゾーンモジュール24を備えているが、該モジュール式壁は他の種類のモジュール、例えば患者医療モジュール、足壁モジュール、臨床壁モジュール、衛生ゾーンモジュール等(不図示)を備えてもよい。患者医療モジュールの幾つかの例は、生命徴候モジュール、サービス提供モジュール、ベッドロケータモジュール、モニターモジュール、ビューボックスモジュール、鋭利物廃棄モジュール、コンピュータ/キーボードモジュール、管投下モジュール、廃棄物管理モジュール、灯りモジュール、及び時計モジュールである。このような患者医療モジュールは、国際特許出願No.PCT/US2005/xxxxxx(attorney docket no. 7175-78002)に開示されている。この出願は本出願と同一の譲渡人に譲渡する特許出願であり、この出願を本明細書に援用する。用語「病院設備モジュール」は、広義の意味で使用されており、患者医療モジュール、足壁モジュール、臨床壁モジュール、家族ゾーンモジュール、衛生ゾーンモジュール、ドアモジュール、窓モジュール、展開式ベッドモジュール、生命徴候モジュール、装置収納モジュール等を含んでいる。
【0012】
図2に示すように、基礎構造部品22は枠ユニット100と、複数の支持部材102とを含む。本実施形態では、支持部材102は枠ユニット100に取外し可能に結合されるよう構成されたハンガーである。各枠ユニット100は一対の垂直部材110と、枠ユニット100の上部と底部の近くにおいて垂直部材110間を延びる一対の水平部材112とを備え、垂直部材110と水平部材112は、枠ユニット100の前面116と後面118の間に亘る開いた空間または空洞114を中央に有する概ね矩形の構造体を形成する。図示のように、垂直部材110と水平部材112とは概ね矩形の断面を有する管状部材から作られている。
【0013】
各枠ユニット100の垂直部材110は、枠ユニット100の前側116に面した第1の数の接続点120と、枠ユニット100の後側118に面した第2の数の接続点120とを有する。本実施形態では、第1の数の接続点120は、枠ユニット100の前方116に面しその奥行きに沿って延びる第1の数のハンガー受容穴120であり、同様に、第2の数の接続点120は、枠ユニット100の後側118に面しその奥行きに沿って延びる第2の数のハンガー受容穴120である。ハンガー受容穴120はハンガー102を受容する寸法及び形を有す。挿入された時、ハンガー102は枠ユニット100のハンガー受容穴120に嵌合し、固く適正にロックされる。図示のように、ハンガー102とハンガー受容穴120とは横断面が概ね矩形である。ハンガー102は、枠ユニット100からカンチレバー状に概ね水平に延びる。下記に説明するように、ハンガー102の長さは、ハンガー102によって支持されるモジュール24の奥行きに概ね一致する。
【0014】
各枠ユニット100の幅又はX軸に沿った、垂直部材110のハンガー受容穴120同士の中心間の横方向間隔130は固定である。図示のように、ハンガー受容穴120の中心間横方向間隔130は約2フィート(約60センチメートル)である。各枠ユニット100の高さ又はZ軸に沿った、垂直部材110のハンガー受容穴120同士の中心間の垂直方向間隔132も固定である。図示のように、高さに沿ったハンガー受容穴120の中心間間隔132は約2フィート(約60センチメートル)である。
【0015】
従って、該第1の数と第2の数のハンガー受容穴120は、所定の幅130と所定の高さ132だけ互いに隔てられ、2フィート×2フィート(約60センチメートル×約60センチメートル)のグリッドを枠ユニット100の両側116、118に形成する。各モジュール24は、該所定の幅(本実施形態では2フィート又は約0.60メートル)の1倍を含む倍数にほぼ等しい幅と、該所定の高さ(本実施形態では2フィート又は約0.60メートル)の1倍を含む倍数にほぼ等しい高さを有する。
【0016】
図2の実施形態では、第1の数のモジュール24が、枠ユニット100の前側116のハンガー102によって支持されている。第2の数のモジュール24が、枠ユニット100の後側118のハンガー102によって支持されている。図11に示すように、各モジュール24はモジュール24の上端の近くの両側に配置された一対のガイドトラック又はチャネル140と、下端の近くの両側に配置された一対のガイドトラック又はチャネル140とを有する。上端と下端の二対のガイドトラック140は、枠ユニット100の垂直部材110に取付けられた対応するハンガー102をスライド方式で受容する。ガイドトラック140とハンガー102はスライド嵌合するように寸法が決められている。適切なラッチによりモジュール24がハンガー102に固定される。
【0017】
各枠ユニット100の下部水平部材112は、医療施設の床152に該枠ユニット100を取付けるための一対の垂直に延びる貫通孔150を有する。同様に、各枠ユニット100の上部水平部材112は、医療施設の床152から天井154に延びる該枠ユニット100を天井154に取付けるための一対の垂直に延びる貫通孔150を有する。スタッド、ピン、ねじ、又はナットとボルト等の任意の適当な留め具156を、枠ユニット100を床152と天井154とに取付けるために使用してもよい。本実施形態では、モジュール24を例えば、モップ、床清掃器具等から保護できるように、枠ユニット100は、床152の代わりにベース板158に取付けられ、ベース板158は床152に取付けられる。図示のように、ベース板158は高さ約4インチ(10.16センチメートル)である。
【0018】
本実施形態では、各枠ユニット100は両側の隣接する枠ユニット100に結合される。また、医療施設の既存の通常の壁160に最も近い枠ユニット100はその壁に取付けられる。このために、各枠ユニット100の垂直部材110は複数の横方向に延びる貫通孔162を有する。スタッド、ピン、ねじ、又はナットとボルト等の任意の適当な留め具164を、各枠ユニット100を両側の隣接する枠ユニット100及び隣接する既存の通常の壁160に取付けるために使用してもよい。
【0019】
ユーティリティ管172が医療施設の機械室から病室28に配管されてもよい。ユーティリティ管172は通常、病室28の床152、天井154又は壁26を通って配管されてよい。水平部材112は垂直に延びる貫通スロット又は孔170を有し、これを通ってユーティリティ管172が枠部材110、112によって画成された開いた空間または空洞114に入る。次に、ユーティリティ管172は開いた空間114から関連するモジュール24に配管される。例として、ユーティリティ管172はデータ線、ガス管、真空管、AC/DC電力線、温水管、冷水管、及び配管を含む。
【0020】
また、ユーティリティ管172を枠ユニット100の開いた空間114から両側の隣接する枠ユニット100の開いた空間114へ配管するために、横方向に延びる貫通孔(不図示)を枠ユニット100の垂直部材110に形成してもよい。次に、ユーティリティ管172は該隣接する枠ユニット100の開いた空間114から関連するモジュール24に配管される。枠ユニット100の開いた空間114に、音及び/又は熱に対する絶縁材を充填してもよい。
【0021】
家族ゾーンモジュール24群は、ハンガー受容穴120の該所定の横方向間隔130の1倍を含む倍数にほぼ等しい幅を有する。本実施形態では、ハンガー受容穴120の該所定の横方向間隔130は約2フィート(約60センチメートル)である。従って、家族ゾーンモジュール24の幅は約2フィート(約60センチメートル)、4フィート(約120センチメートル)、6フィート(約180センチメートル)等でありうる。家族ゾーンモジュール24群は、ハンガー受容穴120の該所定の垂直方向間隔132の1倍を含む倍数にほぼ等しい高さを有する。本実施形態では、ハンガー受容穴120の該所定の垂直方向間隔132は約2フィート(約60センチメートル)である。従って、家族ゾーンモジュール24の高さは約2フィート(約60センチメートル)、4フィート(約120センチメートル)、6フィート(約180センチメートル)、8フィート(約240センチメートル)等でありうる。
【0022】
モジュール24の幅と高さはそれぞれ、ハンガー受容穴120の該所定の横方向間隔130と該所定の垂直方向間隔132の1倍を含む倍数であるが、モジュール24の奥行きは、その機能に依って変わる。例えば、飾りパネルモジュール222は奥行き約1インチ(2.54センチメートル)である。上述のように、ハンガー102の長さは該ハンガー102によって支持されるモジュール24の奥行きに概ね一致する。従って、奥行き1インチ(2.54センチメートル)の飾りパネルモジュール222を支持するハンガー102の長さも、約1インチ(2.54センチメートル)である。このようなモジュール壁システム20は国際特許出願No.PCT/US2005/xxxxxx(attorney docket no. 7175-78000)に開示されている。この出願は本出願と同一の譲渡人に譲渡する特許出願であり、この出願を本明細書に援用する。
【0023】
図3を参照すると、収納式ベッドモジュール200は、上方に延びる収納位置と外方に延びる使用位置との間を回動するために囲い又はキャビネット252に結合された台250を備える。該収納位置では、台250は囲い252内の台収容空間又は空洞254に収容され、該使用位置では、台250はキャビネット252からほぼ水平に延びる。台250は該上方に延びる収納位置と該外方に延びる使用位置との間を周知のマーフィーベッドの動きに類似した仕方で移動可能である。
【0024】
病室内のスペースは医療施設の計画において常に問題となる。病室内の独立物は患者、介護者、及び訪問者にとって障害となりうる。台250は、不使用時、邪魔にならない収納位置へ移動可能であり、介護者が患者にアクセスするための床スペースを解放する。台250の下面276は絵を備えてもよい。これにより台250が該上方に延びる収納位置にある時、その絵は家庭のような楽しい、患者または訪問者の側に不安を生じさせそうにない外観を提供する。
【0025】
囲い252は後部壁256と、一対の側壁258、260と、上部壁262と、底壁264とを有する。台収容空間254は側壁258、260と上部壁262と底壁264とによって画成される。壁258〜264の前縁は、前方に面する面266を画成する。台250は、頭端270と、足端272と、上面274(内方に面する面274とも呼ばれる)と、底面276(外方に面する面276とも呼ばれる)とを備える。空気マットレス等のマットレス278は、台250の上面274に置かれている。複数のストラップ(不図示)がマットレス278を台250に固定し、台250を収納位置に持上げた時に適正な位置に保持する。本実施形態ではマットレス278を台250に固定するためにストラップ(不図示)を使用しているが、他の適切な留め具を使用しても勿論よい。このような留め具の例は、ヴェルクロ(Velcro、登録商標)帯、ループ・タイ留め具、フック・アイ留め具、クリップ、スナップ、ジッパー等である。
【0026】
台250の頭端270に近い複数のヒンジ(不図示)が、台250がキャビネット252に対して横方向に延びる第1の軸290の周りを上げ収納位置と下げ使用位置の間を回動するように台250を囲い252に結合する。台250を持上げた時、固定具またはラッチ(不図示)が台250を台収容空洞254内に保持する。該上げ収納位置では、台250の外方に面する面276は、囲い252の外方に面する面266とほぼ面一であり、その連続する部分のように見える。該下げ使用位置では、台250は囲い252から外方へ延び、台250の頭端270は囲い252の後部壁256の近くに位置する。
【0027】
足パネル292は足端272の近くで台250に回動可能に結合され、足パネル292が台250の底面276にある足パネル収容空洞294に収容される上げ収納位置と、足パネル292が床152上に立ち、台250の足端272を支える下げ使用位置との間を回動する。台250の足端272に近い複数のヒンジ(不図示)は、足パネル292が台250に対して横方向に延びる第2の軸296の周りを回動するように足パネル292を台250に結合する。
【0028】
足パネル292が台250の足パネル収容空洞294に収容された時は、足パネル292の外方に面する面298は台250の外方に面する面276と概ね同一平面上にあり、それの連続した部分のように見える。足パネル292は介護者が足パネル292を上げ収納位置と下げ使用位置の間を移動させるのを可能にするハンドル300を備える。固定具またはロック(不図示)が足パネル292を足パネル収容空洞294に保持する。足パネル292が床152上に立ち、台250の足端272を支える下げ使用位置において、ラッチ(不図示)が足パネル292をロックする。用語「固定具」、「ラッチ」、及び「ロック」は相互に交換可能に使用される。
【0029】
読書灯302とスイッチ304が囲い252の後部壁256に配置されている。スイッチ304は読書灯302を操作する。或いは、幾つかの実施形態では、読書灯302は台250を該使用位置に下した時に自動的にオンされる。囲い252の下部306は、空気マットレス278を膨張させるための装置、例えば圧縮機、モータ、コントローラ、配管、弁等を収納する。
【0030】
例として、囲い252は幅約4フィート(約120センチメートル)、高さ約8フィート(約240センチメートル)、奥行き約1フィート(約30センチメートル)であり、下部306は幅約4フィート(約120センチメートル)、高さ約2フィート(約60センチメートル)、奥行き約1フィート(約30センチメートル)であり、足パネル292は高さ約2フィート(約60センチメートル)であり、台250は長さ約6.5フィート(約195センチメートル)である。台250が水平姿勢に下げられた時、台250の頭端270は囲い252内に約1フィート(約30センチメートル)延び、台250の残りは囲い252の外に約5.5フィート(約165センチメートル)延びる。収納式ベッドモジュール200を枠ユニット100の垂直部材110に固定するハンガー102は長さ約2フィート(約60センチメートル)である。
【0031】
収納式ベッドモジュール200を含む家族ゾーンモジュール24は、ハンガー受容穴120間の該所定の横方向間隔130(本実施形態では2フィート又は約60センチメートル)の倍数にほぼ等しい幅を有し、また、ハンガー受容穴120間の該所定の垂直方向間隔132(本実施形態では2フィート又は約60センチメートル)の倍数にほぼ等しい高さを有する。
【0032】
動作時、介護者は足パネル292を足パネル収容空洞294に保持しているラッチを解放し、足パネル292を伸ばし適正な位置にロックする。次に介護者は台250を台収容空洞254に保持しているラッチを解放し、台250を下げ使用位置に移動する。これにより足パネル292は床152上に立ち、台250の足端272を支える。台250の頭端270は、台250を囲い252に回動可能に結合するヒンジ(不図示)によって支えられる。台250を上げ収納位置に移動するには、上記手順の逆を行う。
【0033】
台250の収納位置と使用位置の間の移動を助けるために、ガスばね又は他の手段を設けてよい。他の実施形態では、台250の収納位置と使用位置の間の移動時に介護者を助けるために、ばね、カウンターバランス機構、液圧アクチュエータ、電気モータ等を使用してもよい。
【0034】
前述のように、図11に示すように、収納式ベッドモジュール200を含む家族ゾーンモジュール24は、モジュール24の上端の近くの両側に配置された一対のガイドトラック又はチャネル140と、下端の近くの両側に配置された一対のガイドトラック又はチャネル140とを有する。上端と下端の二対のガイドトラック140は、枠ユニット100の垂直部材110に取付けられた対応するハンガー102をスライド方式で受容する。ガイドトラック140とハンガー102はスライド嵌合するように寸法が決められている。適切なラッチによりモジュール24がハンガー102に固定される。
【0035】
図4を参照すると、電子レンジモジュール202は、後部壁322と、一対の側壁324、326と、上部壁328と、底壁330と、上部棚332と、下部棚334とを有するキャビネット又はハウジング320を備える。第1の区画336は上部壁328と上部棚332と側壁324、326とによって画成される。第1の区画336は通常の電子レンジ338を収容する。第2の区画340は上部棚332と下部棚334と側壁324、326とによって画成される。台所用品引出し342は第2の区画340にスライド可能に装着される。第3の区画344は下部棚334と底壁330と側壁324、326とによって画成される。食材を用意するため等のスライド式作業面346が第3の区画344に装着される。電子レンジ338はドア348と複数の制御手段350を備える。台所用品引出し342と作業面346は、それぞれハンドル352、354を備える。電気線356がコンセントから電子レンジ338へ配線される。
【0036】
図5に示すように、冷蔵庫モジュール204は家族使用と患者滋養のための小さな通常の冷蔵庫360を備える。冷蔵庫360はハンドル364を有するドア362を備える。電力コード366が冷蔵庫360へ配線される。図6を参照すると、キャビネットモジュール206は収納のための内部空間を有するキャビネット370を備える。キャビネット370は該内部空間を閉じるための回動可能にキャビネット370に結合された一対のドア372を備える。各ドア372はノブ374を有する。例としてのキャビネット370は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ4フィート(約120センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)である。該キャビネット370は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ4フィート(約120センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)であるが、キャビネット370は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ2フィート(約60センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)、又は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ2フィート(約60センチメートル)、奥行き1フィート(約30センチメートル)、又は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ4フィート(約120センチメートル)、奥行き1フィート(約30センチメートル)等であってもよい。
【0037】
図7、図8に示すように、引出しモジュール208は、後部壁382と、一対の側壁384、386と、上部壁388と、底壁390と、上部棚392と、下部棚394とを有するハウジング380を備える。第1の区画396は上部壁388と上部棚392と側壁384、386とによって画成される。第2の区画398は上部棚392と下部棚394と側壁384、386とによって画成される。第3の区画400は下部棚394と底壁390と側壁384、386とによって画成される。各区画396、398、400は、ノブ404を有する収納のための引出しユニット402を備える。例としてのハウジング380は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ2フィート(約60センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)である。図7の実施形態では、各区画396、398、400は、高さ約8インチ(約20センチメートル)である。しかし、図8の実施形態では、上の2つの区画396、398はそれぞれ高さ6インチ(約15センチメートル)であり、下の区画400は高さ1フィート(約30センチメートル)である。例としてのハウジング380は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ2フィート(約60センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)であるが、ハウジング380は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ4フィート(約120センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)、又は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ6フィート(約180センチメートル)、奥行き1.5フィート(約45センチメートル)等であってもよい。
【0038】
図9を参照すると、展開式座モジュール210はフリップダウン座パネル410を備える。一対のブレース412、例えばケーブル、ロープ、鎖、又は関節付きの連結器が水平使用姿勢の座パネル410を支える。座パネル410は該水平使用姿勢から垂直収納姿勢に回動可能である。展開式座モジュール210は、座パネル410を該収納姿勢にロックするための適当な保持機構を有する。該上げ収納位置と下げ使用位置の間の回動のために、複数のヒンジ(不図示)が座パネル410を枠部材414に結合する。座パネル410の上方に面する面416はクッション418を支える。座パネル410が収納位置にある時、座パネル410の前方に面する面420は枠部材414の前方に面する面422と概ね同一平面上にあり、それの一部のように見える。
【0039】
複数のストラップ(不図示)がクッション418を座パネル410に取付け、座パネル410が収納位置に持上げられた時に適正な位置にそれを保持する。本実施形態では、クッション418を座パネル410に取付けるためにストラップ(不図示)が使用されているが、他の適当な留め具を使用してもよい。このような留め具の例は、ヴェルクロ(Velcro、登録商標)帯、ループ・タイ留め具、フック・アイ留め具、クリップ、スナップ、ジッパー等である。
【0040】
図10に示すように、読書灯モジュール212は、後部壁432と、一対の側壁434、436と、上部壁438と、底壁440とを有する立方体430を備える。壁432〜440は内部空間または空洞442を画成する。読書灯444が関節付き入れ子式アーム上に装着され、読書灯444が空洞442外に位置する伸ばされた使用位置と、読書灯444が空洞442内に引込められた収納位置との間を移動可能である。基部端448は後部壁432に結合される。電気線450が読書灯444へ配線される。
【0041】
図1を参照して、テレビモジュール214、展開式作業面モジュール216、棚モジュール218、洋服ダンスモジュール220、飾りパネルモジュール222、ホワイトボードモジュール224、画鋲面モジュール226、及びムードパネルモジュール228を説明する。テレビモジュール214はテレビ460、DVDプレーヤ462、及びVCR464を備える。作業面モジュール216は、水平使用位置と垂直収納位置の間を回動可能なフリップダウンパネル466を備える。ブレース(不図示)、例えばケーブル、ロープ、鎖、又は関節付きの連結器を該使用位置においてパネル466を支えるために設けてもよい。複数のヒンジ(不図示)がパネル466を枠部材468に回動可能に結合する。パネル466が該水平使用位置にある時、パネル466の上方に面する面が作業面を提供する。パネル466が該収納位置にある時、パネル466は枠部材468のパネル収容開口に収容され、パネル466の外方に面する面は枠部材468の前方に面する面と概ね同一平面上にあり、それの一部のように見える。ハンドル470がパネル466の下面に設けられ、介護者がパネル466を開閉するのを可能にする。作業面モジュール216は、パネル466を該収納位置に保持するための固定具を備えてもよい。
【0042】
棚モジュール218は、後部壁と、一対の側壁と、上部壁と、底壁とによって画定された収納空間474を形成するよう構成された囲い472を備える。洋服ダンスモジュール220は、後部壁と、一対の側壁と、上部壁と、底壁とによって画定された内部空間を形成するよう構成されたキャビネット476を備える。該キャビネット476は、複数のハンガーを支持する横方向に延びるハンガー棒(不図示)を備える。該キャビネット476は該内部空間を閉じるための回動可能に取付けられた一対のドア478を備える。各ドア478はハンドル480を有する。例としてのキャビネット370は幅2フィート(約60センチメートル)、高さ4フィート(約120センチメートル)、奥行き2フィート(約60センチメートル)である。
【0043】
飾りパネルモジュール222を該モジュール式空間を閉じる又は覆うために設けてもよい。飾りパネルモジュール222は家庭のような楽しい、患者または訪問者の側に不安を生じさせそうにない外観を提供する。飾りパネルモジュール222は様々な飾り仕上げ、例えばラミネート、プラスチックシート、ビニール壁カバー、木ベニア、塗装可能表面等を提供する。例としての飾りパネルモジュール222は奥行き約1インチ(2.54センチメートル)である。ホワイトボードモジュール224は、筆記具を保持するためにその下端に沿って凹状棚482を備えてもよい。画鋲面モジュール226は繊維またはコルクから成る画鋲面を備え、水平または垂直に置かれてよい。ムードパネルモジュール228は患者又は訪問者によって制御されるバックライト付きパネルを備え、該パネル上の色と場面を強める雰囲気を投影する。ムードパネルモジュール228は水平または垂直に置かれてよい。
【0044】
上述のように、図3〜図10には示していないが、各家族ゾーンモジュール24はモジュール24の上端の近くの両側に配置された一対のガイドトラックまたはチャネル140と、下端の近くの両側に配置された一対のガイドトラックまたはチャネル140とを図11に示すように有する。上端と下端の二対のガイドトラック140は、枠ユニット100の垂直部材110に取付けられた対応するハンガー102をスライド方式で受容する。ガイドトラック140とハンガー102はスライド嵌合するように寸法が決められている。モジュール24をハンガー102に固定するために適切なラッチを使用する。
【0045】
家族ゾーンモジュール24はハンガー受容穴120間の該所定の横方向間隔130の1倍を含む倍数にほぼ等しい幅を有し、ハンガー受容穴120間の該所定の垂直方向間隔132の1倍を含む倍数にほぼ等しい高さを有する。モジュール24の幅と高さはそれぞれ、該所定の横方向間隔130と該所定の垂直方向間隔132の1倍を含む倍数であるが、モジュール24の奥行きは、その機能に依って変わる。
【0046】
また、家族ゾーンモジュール24の多くは、病室の足壁を形成するために使用することができる。足壁ゾーンモジュールは、患者の所有物、情報、及び娯楽に関係するので、その患者のニーズに沿って設計される。従って、足壁ゾーンモジュールとしても使用できる家族ゾーンモジュール24の例は、例えば、キャビネットモジュール206、引出しモジュール208、テレビモジュール214、棚モジュール218、飾りパネルモジュール222、ホワイトボードモジュール224、画鋲面モジュール226、及びムードパネルモジュール228である。
【0047】
本発明は様々な変更と別の形態が可能であるが、本明細書において特定の幾つかの実施形態を例として図に示し、詳細に説明した。しかし、本発明を開示した特定の形態に限定することを意図したものでなく、本発明は、添付の請求項により定義された本発明の思想と範囲内に入る全ての改良物、等価物、及び別の形態を含むことは理解されるべきである。
【0048】
本明細書において説明した実施形態の様々な特徴から生じる本発明の複数の利点が存在する。説明した特徴の一部だけを含む本発明の他の実施形態は、前記複数の利点のうち少なくとも幾つかの利点を有する。当業者は、本発明の特徴のうち1つ以上を備える、添付の請求項により定義された本発明の思想と範囲内に入る実施形態を容易に思いつく可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】複数の家族ゾーンモジュールを備えるモジュール式壁を示す立面図である。
【図2】ハンガー受容穴を有する複数の枠ユニットと、該枠ユニットのハンガー受容穴に受容された複数のハンガーと、該ハンガーによって取外し可能に支持された様々な家族ゾーンモジュールとを示す図1のモジュール式壁の一部の斜視図である。
【図3】収納式ベッドモジュールの斜視図である。
【図4】電子レンジモジュールの斜視図である。
【図5】冷蔵庫モジュールの斜視図である。
【図6】キャビネットモジュールの斜視図である。
【図7】引出しモジュールの斜視図である。
【図8】引出しモジュールの斜視図である。
【図9】展開式座モジュールの斜視図である。
【図10】読書灯モジュールの斜視図である。
【図11】枠ユニットに取付けられたハンガーをスライド受容するためのガイドトラックを有するモジュールの斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
20 モジュール壁システム
24 家族ゾーンモジュール
100 枠ユニット
102 支持部材、ハンガー
110 垂直部材
112 水平部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療施設において使用されるモジュール壁システムであって、
横に並んで配列された複数の枠ユニットと、
該枠ユニットに結合され該医療施設の壁を形成する複数の家族ゾーンモジュールと
を備えるモジュール壁システム。
【請求項2】
前記複数の枠ユニットは、垂直方向と横方向に互いに隔てられ所定の高さと所定の幅を有する複数の壁空間から成るグリッドを形成し、前記複数の家族ゾーンモジュールは、該壁空間に配置され壁を形成するよう構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の家族ゾーンモジュールの少なくとも幾つかは、前記壁空間の前記所定の幅の1倍を含む倍数にほぼ等しい幅と、前記壁空間の前記所定の高さの1倍を含む倍数にほぼ等しい高さとを有する請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記各枠ユニットは、所定の高さと所定の幅だけ互いに隔てられグリッドを形成する複数の接続点を有し、前記複数の家族ゾーンモジュールは該接続点において該枠ユニットに結合され壁を形成する請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の家族ゾーンモジュールの少なくとも幾つかは、前記所定の幅の1倍を含む倍数にほぼ等しい幅と、前記所定の高さの1倍を含む倍数にほぼ等しい高さとを有する請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記接続点において前記枠ユニットに取外し可能に結合されるよう構成された複数の支持部材を備え、
該支持部材は該枠ユニットからカンチレバー状に概ね水平に延び、前記複数の家族ゾーンモジュールは該支持部材に結合され壁を形成するよう構成されている請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記各家族ゾーンモジュールは、その両側に配置されたガイドトラックの対を1つ以上備え、該ガイドトラックの対は対向して配置された支持部材の関連する対を受容するように寸法設定及び配置されている請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記家族ゾーンモジュールは、収納式ベッドモジュールと、電子レンジモジュールと、冷蔵庫モジュールと、キャビネットモジュールと、引出しモジュールと、展開式座モジュールと、読書灯モジュールと、テレビモジュールと、展開式作業面モジュールと、棚モジュールと、洋服ダンスモジュールと、飾りパネルモジュールと、ホワイトボードモジュールと、画鋲面モジュールと、ムードパネルモジュールとのうち1つ以上を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記収納式ベッドモジュールは、囲いに結合され下げ使用位置と上げ収納位置との間を移動可能な台を備え、該下げ使用位置においては、該台は該囲いからほぼ水平に延びる請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記台が前記収納位置にある時は、該台の外方に面する下面は、楽しい外観を作るために使用可能な面を提供する請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記台の上方に面する面上に位置するマットレスを備える請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記マットレスは、前記台が前記収納位置に持上げられた時、適切な位置に保持されるよう該台に取付けられる請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記マットレスは、空気マットレスである請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記収納式ベッドモジュールは、前記台に結合され下げ使用位置と上げ収納位置との間を移動可能な足パネルを備え、該下げ使用位置においては、該足パネルは床の上に立ち、該台を支える請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記収納式ベッドモジュールは、前記台の頭端の近くに読書灯を備える請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記収納式ベッドモジュールは、前記台の前記収納位置と使用位置との間の移動を助けるガスばねを備える請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記展開式座モジュールは、下げ使用位置と上げ収納位置との間を移動可能な座パネルを備える請求項8に記載のシステム。
【請求項18】
前記展開式座モジュールは、前記下げ使用位置において前記座パネルを支えるブレースを備える請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記展開式座モジュールは、前記座パネルの上方に面する面上に位置するクッションを備える請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記クッションは、前記座パネルが前記収納位置に持上げられた時、適切な位置に保持されるよう該座パネルに取付けられる請求項19に記載のシステム。
【請求項1】
医療施設において使用されるモジュール壁システムであって、
横に並んで配列された複数の枠ユニットと、
該枠ユニットに結合され該医療施設の壁を形成する複数の家族ゾーンモジュールと
を備えるモジュール壁システム。
【請求項2】
前記複数の枠ユニットは、垂直方向と横方向に互いに隔てられ所定の高さと所定の幅を有する複数の壁空間から成るグリッドを形成し、前記複数の家族ゾーンモジュールは、該壁空間に配置され壁を形成するよう構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の家族ゾーンモジュールの少なくとも幾つかは、前記壁空間の前記所定の幅の1倍を含む倍数にほぼ等しい幅と、前記壁空間の前記所定の高さの1倍を含む倍数にほぼ等しい高さとを有する請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記各枠ユニットは、所定の高さと所定の幅だけ互いに隔てられグリッドを形成する複数の接続点を有し、前記複数の家族ゾーンモジュールは該接続点において該枠ユニットに結合され壁を形成する請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の家族ゾーンモジュールの少なくとも幾つかは、前記所定の幅の1倍を含む倍数にほぼ等しい幅と、前記所定の高さの1倍を含む倍数にほぼ等しい高さとを有する請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記接続点において前記枠ユニットに取外し可能に結合されるよう構成された複数の支持部材を備え、
該支持部材は該枠ユニットからカンチレバー状に概ね水平に延び、前記複数の家族ゾーンモジュールは該支持部材に結合され壁を形成するよう構成されている請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記各家族ゾーンモジュールは、その両側に配置されたガイドトラックの対を1つ以上備え、該ガイドトラックの対は対向して配置された支持部材の関連する対を受容するように寸法設定及び配置されている請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記家族ゾーンモジュールは、収納式ベッドモジュールと、電子レンジモジュールと、冷蔵庫モジュールと、キャビネットモジュールと、引出しモジュールと、展開式座モジュールと、読書灯モジュールと、テレビモジュールと、展開式作業面モジュールと、棚モジュールと、洋服ダンスモジュールと、飾りパネルモジュールと、ホワイトボードモジュールと、画鋲面モジュールと、ムードパネルモジュールとのうち1つ以上を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記収納式ベッドモジュールは、囲いに結合され下げ使用位置と上げ収納位置との間を移動可能な台を備え、該下げ使用位置においては、該台は該囲いからほぼ水平に延びる請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記台が前記収納位置にある時は、該台の外方に面する下面は、楽しい外観を作るために使用可能な面を提供する請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記台の上方に面する面上に位置するマットレスを備える請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記マットレスは、前記台が前記収納位置に持上げられた時、適切な位置に保持されるよう該台に取付けられる請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記マットレスは、空気マットレスである請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記収納式ベッドモジュールは、前記台に結合され下げ使用位置と上げ収納位置との間を移動可能な足パネルを備え、該下げ使用位置においては、該足パネルは床の上に立ち、該台を支える請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記収納式ベッドモジュールは、前記台の頭端の近くに読書灯を備える請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記収納式ベッドモジュールは、前記台の前記収納位置と使用位置との間の移動を助けるガスばねを備える請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記展開式座モジュールは、下げ使用位置と上げ収納位置との間を移動可能な座パネルを備える請求項8に記載のシステム。
【請求項18】
前記展開式座モジュールは、前記下げ使用位置において前記座パネルを支えるブレースを備える請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記展開式座モジュールは、前記座パネルの上方に面する面上に位置するクッションを備える請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記クッションは、前記座パネルが前記収納位置に持上げられた時、適切な位置に保持されるよう該座パネルに取付けられる請求項19に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−501877(P2008−501877A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515489(P2007−515489)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/019085
【国際公開番号】WO2005/120301
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(501453167)ヒル−ロム サービシーズ,インコーポレイティド (54)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/019085
【国際公開番号】WO2005/120301
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(501453167)ヒル−ロム サービシーズ,インコーポレイティド (54)
【Fターム(参考)】
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