説明

発光材料、発光材料複合体及びその製造方法、蛍光標識試薬及びその製造方法、並びに、発光素子

【課題】製造する際に大きな熱エネルギーを必要とすることが無く、環境への負荷が小さい発光材料を用いた発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子は、植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料、発光材料の表面に吸着し、あるいは又、発光材料の表面を修飾した蛍光物質、並びに、発光材料及び蛍光物質から成る蛍光材料複合体40を励起するエネルギー源20から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光材料、並びに、係る発光材料を用いた発光材料複合体及びその製造方法、蛍光標識試薬及びその製造方法、発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、白色発光ダイオード(白色LED)は、青色発光ダイオード、及び、希土類元素から成る蛍光体から構成されているが、波長520nm付近の緑色の輝度が低いといった問題を有する。このような背景の下、近年、白色LED等への応用を目指したシリコンやシリコン酸化物の発光挙動に関する研究が盛んに行われている。例えば、フュームドシリカを原料としたシリカガラスから成る発光素子が、国際公開WO2005/021449から周知である。また、フュームドシリカを原料としたシリカ微粒子から成る発光素子が、例えば、特開2007−290873から周知である。
【0003】
また、疎水性溶媒中の界面活性剤、塩基性電解質を含有する水及び親水性有機溶媒から成る逆ミセル分散系に、シランカップリング剤を添加し、水によりシランカップリング剤を加水分解して、シリカモノマーを重合させて得られたシリカナノ粒子を用いた標識試薬が、例えば、特開2008−273790から周知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2005/021449
【特許文献2】特開2007−290873
【特許文献3】特開2008−273790
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、フュームドシリカを原料とした発光素子にあっては、フュームドシリカを製造する際に大きな熱エネルギーが必要とされ、環境への負荷が大きいといった問題がある。また、特開2008−273790に開示されたシリカナノ粒子を用いた標識試薬にあっては、シリカナノ粒子は、界面活性剤が形成するミセル構造を利用しており、製造する際に、やはり、大きな熱エネルギーが必要とされ、環境への負荷が大きいといった問題がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、製造する際に大きな熱エネルギーを必要とすることが無く、環境への負荷が小さい発光材料、並びに、係る発光材料を用いた発光材料複合体及びその製造方法、蛍光標識試薬及びその製造方法、発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の発光材料は、植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料である。
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る発光材料複合体は、
(A)上述した本発明の発光材料、並びに、
(B)発光材料の表面に吸着した蛍光物質、
から成る。
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る発光材料複合体は、
(A)上述した本発明の発光材料、並びに、
(B)発光材料の表面を修飾した蛍光物質、
から成る。
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る蛍光標識試薬は、
(A)上述した本発明の発光材料、並びに、
(B)発光材料の表面に吸着した蛍光物質、
から成り、エネルギー線の照射によって蛍光物質が発光する。
【0011】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る蛍光標識試薬は、
(A)上述した本発明の発光材料、並びに、
(B)発光材料の表面を修飾した蛍光物質、
から成り、エネルギー線の照射によって蛍光物質が発光する。
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る発光素子は、
(A)上述した本発明の発光材料、
(B)発光材料の表面に吸着した蛍光物質、並びに、
(C)発光材料及び蛍光物質を励起するエネルギー源、
から成る。
【0013】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る発光素子は、
(A)上述した本発明の発光材料、
(B)発光材料の表面を修飾した蛍光物質、並びに、
(C)発光材料及び蛍光物質を励起するエネルギー源、
から成る。
【0014】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る発光素子は、
(A)上述した本発明の発光材料、並びに、
(B)発光材料を励起するエネルギー源、
から成る。
【0015】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る発光材料複合体の製造方法、あるいは、本発明の第1の態様に係る蛍光標識試薬の製造方法は、
(a)植物由来の材料を、酸素分子を含有する雰囲気中で焼成することで、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料を得た後、
(b)蛍光物質を含む溶液中に発光材料を浸漬することで、発光材料の表面に蛍光物質を吸着させる、
各工程から成る。
【0016】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る発光材料複合体の製造方法、あるいは、本発明の第2の態様に係る蛍光標識試薬の製造方法は、
(a)植物由来の材料を、酸素分子を含有する雰囲気中で焼成することで、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料を得た後、
(b)溶液に含まれた蛍光物質と発光材料とを反応させることで、発光材料の表面を蛍光物質によって修飾する、
各工程から成る。
【発明の効果】
【0017】
本発明の発光材料は、植物由来の材料を酸素分子を含有する雰囲気中で焼成することで得ることができるが故に、製造する際に大きな熱エネルギーを必要とすることが無く、環境への負荷が小さい。そして、バイオマスの新しい活用技術として、注目に値する材料である。本発明は、LEDや照明等のエレクトロニクス用途への適用だけでなく、特定の細胞や遺伝子認識を始めとする医療用蛍光試薬に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1にて得られた発光材料をBJH法により細孔径分布を調べた結果を示すグラフ、及び、MP法により細孔径分布を調べた結果を示すグラフである。
【図2】図2は、実施例1にて得られた発光材料にHeCdレーザ(波長:325nm)を照射し、発光材料のフォトルミネッセンス(PL)を測定した結果を示すグラフである。
【図3】図3は、実施例1にて得られた発光材料のカソードルミネッセンスのスペクトルを示すグラフである。
【図4】図4の(A)及び(C)は、実施例1にて得られた発光材料のカソードルミネッセンス像であり、図4の(B)及び(D)は、同じく走査型電子線顕微鏡にて観察された像である。
【図5】図5は、実施例1及び実施例2の発光材料複合体、並びに、ローダミン6Gの蛍光スペクトルを測定した結果を示すグラフである。
【図6】図6は、実施例2において。溶液に含まれた蛍光物質と発光材料とを反応させることで発光材料の表面を蛍光物質によって修飾するスキームを示す図である。
【図7】図7の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1及び実施例2の発光材料複合体の概念図である。
【図8】図8は、実施例2の蛍光標識試薬のアクセプター基が所望の分子、所望の蛋白質あるいは所望の細胞と結合した状態を示す概念図である。
【図9】図9は、実施例3の発光素子の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本発明の発光材料、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る発光材料複合体及びその製造方法、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る蛍光標識試薬及びその製造方法、並びに、本発明の第1の態様〜第3の態様に係る発光素子、全般に関する説明
2.実施例1(本発明の発光材料、本発明の第1の態様に係る発光材料複合体及びその製造方法、並びに、本発明の第1の態様に係る蛍光標識試薬及びその製造方法)
3.実施例2(本発明の発光材料、本発明の第2の態様に係る発光材料複合体及びその製造方法、並びに、本発明の第2の態様に係る蛍光標識試薬及びその製造方法)
4.実施例3(本発明の第1の態様〜第3の態様に係る発光素子、その他)
【0020】
[1.本発明の発光材料、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る発光材料複合体及びその製造方法、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る蛍光標識試薬及びその製造方法、並びに、本発明の第1の態様〜第3の態様に係る発光素子、全般に関する説明]
本発明の発光材料、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る発光材料複合体、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る蛍光標識試薬、本発明の第1の態様〜第3の態様に係る発光素子、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る発光材料複合体の製造方法、あるいは、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る蛍光標識試薬の製造方法(以下、これらを総称して、単に、『本発明』と呼ぶ場合がある)において、植物由来の材料として、籾殻、イネ科アシ類、タケ類、珪藻等の藻類及び珪藻土から成る群から選択された少なくとも1種の材料を挙げることもできる。
【0021】
上記の好ましい形態を含む本発明にあっては、発光材料の窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、好ましくは20m2/グラム以上、より好ましくは50m2/グラム以上であることが望ましい。発光材料の窒素BET法による比表面積の値を10m2/グラム以上とすることによって、発光材料の表面に吸着する蛍光物質の量、発光材料の表面を修飾する蛍光物質の量の増加を図ることができる。
【0022】
更には、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第3の態様に係る発光素子において、エネルギー源は、限定するものではないが、紫外線又は青色の可視光を出射する発光ダイオードあるいは半導体レーザといった半導体発光素子から成るエネルギー源とすることができる。
【0023】
更には、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第2の態様に係る発光材料複合体、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る蛍光標識試薬、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る発光素子、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る発光材料複合体の製造方法、あるいは、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る蛍光標識試薬の製造方法において、蛍光物質は、ローダミンBやローダミン6Gといったローダミン誘導体;フルオレセイン及びその誘導体;クマリン;テキサスレッド;緑色蛍光タンパク質(GFP);青色蛍光タンパク質;シアン蛍光蛋白質;及び、黄色蛍光蛋白質から成る群から選択された少なくとも1種の材料である構成とすることができる。そして、発光材料に形成された微細な孔部に蛍光物質が侵入する結果、高い発光強度を得ることができる。
【0024】
更には、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第2の態様に係る蛍光標識試薬、あるいは、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る蛍光標識試薬の製造方法において、発光材料はアクセプター基を有する形態とすることができる。あるいは又、発光材料は、所望の分子、所望の蛋白質あるいは所望の細胞と結合可能であるアクセプター基を有する形態とすることができる。これらの場合、アクセプター基として、限定するものではないが、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基、チオシアナート基、エポキシ基、イソシアナート基、ケトン基等の有機官能基を例示することができるし、これらの官能基を有する材料を、シランカップリング剤等を介して発光材料の表層に形成することもできる。更には、蛋白質をアクセプター基として発光材料の表面に結合させた形態とすることもでき、このような蛋白質として、例えば、抗原(IL−2、IL−4、IL−5、IL−10、TNF−α、IFN−γ、エリスロポエチン、造血幹細胞因子、トランスフォーミング増殖因子α及びβ、神経細胞増殖因子等)や抗体(イムノグロブリンA、イムノグロブリンE、イムノグロブリンG、イムノグロブリンM)等を挙げることができる。一方、アクセプター基が結合可能である分子として、アオコの発するミクロシスチン類;ノジュラリン、シリンドロスパーモプシンといった肝臓毒;アナトキシン類やファントキシン類といった神経毒;各種の有機毒素を挙げることができる。また、アクセプター基が結合可能である所望の蛋白質として、例えば、核酸(DNA、RNA)、抗体(イムノグロブリンA、イムノグロブリンE、イムノグロブリンG、イムノグロブリンM)を挙げることができるし、抗原・抗体反応を引き起こす所望の蛋白質[例えば、抗原(IL−2、IL−4、IL−5、IL−10、TNF−α、IFN−γ、エリスロポエチン、造血幹細胞因子、トランスフォーミング増殖因子α及びβ、神経細胞増殖因子等)や抗体(イムノグロブリンA、イムノグロブリンE、イムノグロブリンG、イムノグロブリンM)]等を挙げることができる。更には、アクセプター基が結合可能である所望の細胞として、上皮細胞、収縮性細胞、血液細胞、免疫細胞、肝細胞、脂肪細胞、神経細胞、グリア細胞、生殖細胞、哺育細胞、ホルモンを分泌する細胞、感覚に関与する細胞等を挙げることができる。
【0025】
本発明の第1の態様〜第2の態様に係る発光材料複合体の製造方法あるいは蛍光標識試薬の製造方法においては、植物由来の材料を、酸素分子を含有する雰囲気中で焼成するが、ここで、酸素分子を含有する雰囲気として、具体的には、大気雰囲気や高濃度酸素雰囲気(例えば、100%酸素雰囲気)等といった酸素によって炭化水素成分を除去できる雰囲気を挙げることができる。また、焼成温度、焼成時間として、500゜C乃至1000゜C、1時間乃至5時間を例示することができる。尚、焼成後、塩酸や硝酸等を用いた処理によって、余分なミネラル分を除去し、発光材料を精製することが可能となる。
【0026】
また、本発明の第1の態様に係る発光材料複合体の製造方法あるいは蛍光標識試薬の製造方法において、蛍光物質が含まれる溶液(溶媒)として、具体的には、分解温度以下で蛍光物質を溶解することが可能であり、細孔内に進入するのに適当な粘性を有するといった条件を満たす溶媒ならば、如何なる溶媒も用いることができる。また、蛍光物質を含む溶液中に発光材料を浸漬する時間として、例えば、6時間乃至12時間を挙げることができる。
【0027】
一方、本発明の第2の態様に係る発光材料複合体の製造方法あるいは蛍光標識試薬の製造方法において、蛍光物質が含まれる溶液として、具体的には、分解温度以下で蛍光物質を溶解可能であり、発光材料の細孔表面上の官能基と蛍光物質とが化学反応を進行することが可能であり、また、低い蒸気圧を有するといった条件を満たす溶媒ならば、如何なる溶媒も用いることができる。溶液に含まれた蛍光物質と発光材料との反応条件として、具体的には、発光材料と蛍光材料共に分解温度以下で反応が可能であるといった条件を挙げることができる。
【0028】
窒素BET法とは、吸着剤(ここでは、発光材料)に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより吸着等温線を測定し、測定したデータを式(1)で表されるBET式に基づき解析する方法であり、この方法に基づき比表面積や細孔容積等を算出することができる。具体的には、窒素BET法により比表面積の値を算出する場合、先ず、吸着剤(発光材料)に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより、吸着等温線を求める。そして、得られた吸着等温線から、式(1)あるいは式(1)を変形した式(1’)に基づき[p/{Va(p0−p)}]を算出し、平衡相対圧(p/p0)に対してプロットする。そして、このプロットを直線と見なし、最小二乗法に基づき、傾きs(=[(C−1)/(C・Vm)])及び切片i(=[1/(C・Vm)])を算出する。そして、求められた傾きs及び切片iから式(2−1)、式(2−2)に基づき、Vm及びCを算出する。更には、Vmから、式(3)に基づき比表面積asBETを算出する(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第62頁〜第66頁参照)。尚、この窒素BET法は、JIS R 1626−1996「ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法」に準じた測定方法である。
【0029】
a=(Vm・C・p)/[(p0−p){1+(C−1)(p/p0)}] (1)
[p/{Va(p0−p)}]
=[(C−1)/(C・Vm)](p/p0)+[1/(C・Vm)] (1’)
m=1/(s+i) (2−1)
C =(s/i)+1 (2−2)
sBET=(Vm・L・σ)/22414 (3)
【0030】
但し、
a:吸着量
m:単分子層の吸着量
p :窒素の平衡時の圧力
0:窒素の飽和蒸気圧
L :アボガドロ数
σ :窒素の吸着断面積
である。
【0031】
窒素BET法により細孔容積Vpを算出する場合、例えば、求められた吸着等温線の吸着データを直線補間し、細孔容積算出相対圧で設定した相対圧での吸着量Vを求める。この吸着量Vから式(4)に基づき細孔容積Vpを算出することができる(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第62頁〜第65頁参照)。尚、窒素BET法に基づく細孔容積を、以下、単に『細孔容積』と呼ぶ場合がある。
【0032】
p=(V/22414)×(Mg/ρg) (4)
【0033】
但し、
V :相対圧での吸着量
g:窒素の分子量
ρg:窒素の密度
である。
【0034】
メソ細孔の孔径は、例えば、BJH法に基づき、その孔径に対する細孔容積変化率から細孔の分布として算出することができる。BJH法は、細孔分布解析法として広く用いられている方法である。BJH法に基づき細孔分布解析をする場合、先ず、吸着剤(発光材料)に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより、脱着等温線を求める。そして、求められた脱着等温線に基づき、細孔が吸着分子(例えば窒素)によって満たされた状態から吸着分子が段階的に着脱する際の吸着層の厚さ、及び、その際に生じた孔の内径(コア半径の2倍)を求め、式(5)に基づき細孔半径rpを算出し、式(6)に基づき細孔容積を算出する。そして、細孔半径及び細孔容積から細孔径(2rp)に対する細孔容積変化率(dVp/drp)をプロットすることにより細孔分布曲線が得られる(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第85頁〜第88頁参照)。
【0035】
p=t+rk (5)
pn=Rn・dVn−Rn・dtn・c・ΣApj (6)
但し、
n=rpn2/(rkn−1+dtn2 (7)
【0036】
ここで、
p:細孔半径
k:細孔半径rpの細孔の内壁にその圧力において厚さtの吸着層が吸着した場合のコア半径(内径/2)
pn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの細孔容積
dVn:そのときの変化量
dtn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの吸着層の厚さtnの変化量
kn:その時のコア半径
c:固定値
pn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの細孔半径
である。また、ΣApjは、j=1からj=n−1までの細孔の壁面の面積の積算値を表す。
【0037】
マイクロ細孔の孔径は、例えば、MP法に基づき、その孔径に対する細孔容積変化率から細孔の分布として算出することができる。MP法により細孔分布解析を行う場合、先ず、吸着剤(発光材料)に窒素を吸着させることにより、吸着等温線を求める。そして、この吸着等温線を吸着層の厚さtに対する細孔容積に変換する(tプロットする)。そして、このプロットの曲率(吸着層の厚さtの変化量に対する細孔容積の変化量)に基づき細孔分布曲線を得ることができる(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第72頁〜第73頁、第82頁参照)。
【実施例1】
【0038】
実施例1は、本発明の発光材料、本発明の第1の態様に係る発光材料複合体及びその製造方法、並びに、本発明の第1の態様に係る蛍光標識試薬及びその製造方法に関する。
【0039】
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例3にあっては、植物由来の材料として籾殻(鹿児島県・輝北産 イセヒカリ)を用いた。そして、先ず、この植物由来の材料を酸素分子を含有する雰囲気中で焼成した。具体的には、500ミリリットルの三角ビーカーに入れ、大気開放系にて、石英マントルヒーターを用いて500゜Cで5時間焼成することで灰化させた。得られた粉状の発光材料は、表1に示すように、植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料であった。尚、元素分析のための測定機器としてエネルギー分散型X線分析装置(JED−2200F;日本電子株式会社製)を用い、エネルギー分散法(EDS)により各元素を定量した。そして、含有量を重量比(重量%)として算出した。測定条件は、走査電圧15kV、照射電流13μAとした。
【0040】

【0041】
発光材料の窒素BET法による比表面積の値は80m2/グラムであった。BJH法により細孔径分布を調べたところ、図1の(A)に示すように、10nmと30nmにピークを持つことが判った。また、MP法により細孔径分布を調べたところ、図1の(B)に示すように、0.7nmにピークを持つことが判った。
【0042】
こうして得られた発光材料にHeCdレーザ(波長:325nm)を照射し、発光材料のフォトルミネッセンス(PL)を測定した。その結果を図2に示すが、発光材料は波長420nmで発光していることが判った。尚、図2の縦軸はフォトルミネッセンス強度(単位:任意)を示し、横軸は発光波長(単位:nm)を示す。更には、こうして得られた発光材料に電子線ビームを照射して、カソードルミネッセンス(CL)のスペクトルを測定し、また、カソードルミネッセンス像を得た。併せて、走査型電子線顕微鏡(SEM)での観察を行った。カソードルミネッセンスのスペクトルを図3に示す。尚、図3の縦軸はカソードルミネッセンス強度(単位:任意)を示し、横軸は発光波長(単位:nm)を示す。また、カソードルミネッセンス像を図4の(A)及び(C)に示し、SEM像を図4の(B)及び(D)に示すが、図4の(A)及び(B)は同一視野であり、図4の(C)及び(D)は同一視野である。
【0043】
更には、こうして得られた発光材料を、蛍光物質を含む溶液中に浸漬することで、発光材料の表面に蛍光物質を吸着させた。具体的には、発光材料0.15グラムを0.01モル/リットルのローダミン6G/エタノール溶液10ミリリットルに一晩浸漬した。蛍光物質を一種、物理的に吸着させた後、メタノール及びトルエンにて十分洗浄を行った。最後に、得られた発光材料複合体を、40゜Cにて真空乾燥させた。
【0044】
こうして得られた実施例1の発光材料複合体あるいは蛍光標識試薬は、
(A)植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料、及び、
(B)発光材料の表面に吸着した蛍光物質(具体的には、ローダミン6G)、
から成る。図5に、波長370nmの紫外線を照射したときの実施例1の発光材料複合体(蛍光標識試薬)の蛍光スペクトルを測定した結果(曲線「A」参照)、及び、ローダミン6Gの蛍光スペクトルを測定した結果(曲線「C」参照)を、図5に示す。尚、図5の縦軸はフォトルミネッセンス強度(単位:任意)を示し、横軸は発光波長(単位:nm)を示す。図5の曲線「C」から、ローダミン6Gに波長370nmの紫外線を照射しても、ローダミン6Gは発光していないことが判る。また、実施例1の発光材料複合体の概念図を図7の(A)に示す。尚、図7の(A)において、発光材料を灰色の不定形で示し、蛍光物質を黒丸で示す。
【0045】
更には、こうして得られた実施例1の蛍光標識試薬に、実施例1にあっては、ジメトキシフェニルシランで発光材料表面を修飾し、その後、発煙硫酸雰囲気中に浸すといった処理を施し、発光材料がアクセプター基(具体的には、スルホン基)を有する形態の蛍光標識試薬を得た。具体的には、発光材料の表面に、プローブ分子としてのスルフォニルフェニルシランが化学的に結合している。ここで、実施例1の蛍光標識試薬にあっては、外部からのエネルギー線(測定用エネルギー線、例えば、波長370nmの紫外線)の照射によって蛍光物質(具体的には、ローダミン6G)が発光する。そして、このようなアクセプター基を発光材料に付与することで、蛍光標識試薬は、細胞表面蛋白質(『物質A』と呼ぶ)と結合可能となる。
【0046】
即ち、所定質量の蛍光標識試薬と所定質量の物質Aとを混合した液体を濾過して、蛍光標識試薬と結合していない物質Aを除去した後、濾過残渣である混合物に上記の波長を有する紫外線を照射したときの発光量を予め調べ、物質Aの質量と発光量の関係を検量線として作成しておく。これによって、所定質量の蛍光標識試薬と物質Aとを混合した液体を濾過して、物質Aと結合していない蛍光標識試薬を除去した後、濾過残渣である混合物に上記の波長を有する紫外線を照射したときの発光量を測定することで、物質Aの質量(含有率)を得ることができる。あるいは又、物質Aの存在を定性的に確認することができる。
【実施例2】
【0047】
実施例2は、本発明の第2の態様に係る発光材料複合体及びその製造方法、並びに、本発明の第2の態様に係る蛍光標識試薬及びその製造方法に関する。
【0048】
実施例2にあっては、先ず、実施例1と同様の方法に基づき、実施例1と同じ発光材料を得た。そして、その後、溶液に含まれた蛍光物質と発光材料とを反応させることで、発光材料の表面を蛍光物質によって化学的に修飾した。具体的には、発光材料1グラムとトリメトキシクロロプロピルシラン(TMCPS)2.8グラムを20ミリリットルのトルエンにてオイルバスを130゜Cに設定して10時間還流を行った。攪拌子の回転数を300rpmとした。その後、濾過によって溶媒を除去し、50゜Cにて減圧乾燥を行った。次に、得られたRHS−CPS(籾殻の表面がクロロプロピルシランで修飾された物質)0.5グラムとローダミン6G(Rh6G)20.26ミリグラムとをトルエン:エタノール=1:1の溶液で8時間還流させた。反応後、メタノール及びトルエンにて十分洗浄を行った。最後に、得られた発光材料複合体を、40゜Cにて真空乾燥させた。以上のスキームを図6に示す。
【0049】
こうして得られた実施例2の発光材料複合体あるいは蛍光標識試薬は、
(A)植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料、及び、
(B)発光材料の表面を修飾した蛍光物質(具体的には、ローダミン6G)、
から成る。図5に、波長370nmの紫外線を照射したときの実施例2の発光材料複合体(蛍光標識試薬)の蛍光スペクトルを測定した結果(曲線「B」参照)を示す。また、実施例1の発光材料複合体の概念図を図7の(B)に示す。尚、図7の(B)において、発光材料を灰色の不定形で示し、蛍光物質を黒丸で示し、クロロプロピルシランを折れ線で示す。
【0050】
更には、こうして得られた実施例2の蛍光標識試薬に対して、実施例1と同様の処理を施すことで、実施例1と同様に、発光材料がアクセプター基を有する形態の実施例2の蛍光標識試薬を得た。実施例2の蛍光標識試薬にあっても、実施例1と同様の方法にて用いることで、物質Aの質量(含有率)の測定を行うことができる。尚、実施例2の蛍光標識試薬のアクセプター基が物質Aと結合した状態を、図8の概念図に示す。二股状の形状及びそれから延びる線分の部分がアクセプター基を有する分子を模式的に表している。
【実施例3】
【0051】
実施例3は、本発明の第1の態様〜第3の態様に係る発光素子に関する。
【0052】
実施例3の発光素子は、実施例1にて得られた発光材料及びその表面に吸着した蛍光物質(これらは、実質的に実施例1にて得られた発光材料複合体である)、並びに、発光材料及び蛍光物質を励起するエネルギー源(具体的には、波長560nm若しくは570nmを出射する発光ダイオード)から成る。あるいは又、実施例1にて得られた発光材料及びその表面を修飾した蛍光物質(これらは、実質的に実施例2にて得られた発光材料複合体である)、並びに、発光材料及び蛍光物質を励起するエネルギー源から成る。あるいは又、実施例1にて得られた発光材料、並びに、発光材料を励起するエネルギー源から成る。
【0053】
実施例3の発光素子の模式的な断面図を図9に示す。この発光素子10は、支持体に固定されたエネルギー源としての発光ダイオード20、及び、プラスチック製のキャップ30から構成されている。具体的には、発光ダイオード20の光出射部にキャップ30が被せられている。キャップ30は、発光ダイオード20を空間31を介して覆っている。また、具体的には、発光ダイオード20はサブマウント21に固定され、発光ダイオード20は、サブマウント21に設けられた配線(図示せず)、金線23A,23Bを介して外部電極24A,24Bに電気的に接続され、外部電極24A,24Bは駆動回路(図9には図示せず)に電気的に接続されている。サブマウント21は接着剤を介してヒートシンク25に取り付けられている。ヒートシンク25は、支持部材22に接着剤にて接着されている。支持部材22は、PMMA樹脂から成り、射出成形法にて成形されている。キャップ30と発光素子10との間の空間31内には、実施例1にて得られた発光材料、あるいは、実施例1にて得られた発光材料複合体、あるいは、実施例2にて得られた発光材料複合体40が充填されている。キャップ30は、アクリル系樹脂から成り、射出成形法にて成形されている。このような発光材料あるいは発光材料複合体40を空間31に充填することによって、発光ダイオード20から出射された光が、発光材料あるいは発光材料複合体40を励起し、発光材料あるいは発光材料複合体40からの光(具体的には、白色光)がキャップ30を介して外部に出射される。
【0054】
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。実施例にあっては、植物由来の材料として、籾殻を用いる場合について説明したが、その他、イネ科アシ類、タケ類、珪藻等の藻類及び珪藻土を用いることもでき、これらを、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。また、発光素子の構造、構成は、図9に示した構造、構成に限定されない。例えば、発光材料あるいは発光材料複合体をバルク状とし、係る形態の発光材料あるいは発光材料複合体にエネルギー源としての発光ダイオードを照射するの構造、構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0055】
10・・・発光素子、20・・・発光ダイオード、21・・・サブマウント、22・・・支持部材、23A,23B・・・金線、24A,24B・・・外部電極、25・・・ヒートシンク、30・・・キャップ、31・・・空間、40・・・発光材料あるいは発光材料複合体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料、
(B)発光材料の表面に吸着した蛍光物質、並びに、
(C)発光材料及び蛍光物質を励起するエネルギー源、
から成る発光素子。
【請求項2】
(A)植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料、
(B)発光材料の表面を修飾した蛍光物質、並びに、
(C)発光材料及び蛍光物質を励起するエネルギー源、
から成る発光素子。
【請求項3】
(A)植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料、並びに、
(B)発光材料を励起するエネルギー源、
から成る発光素子。
【請求項4】
植物由来の材料は、籾殻、イネ科アシ類、タケ類、珪藻等の藻類及び珪藻土から成る群から選択された少なくとも1種の材料である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項5】
発光材料の窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項6】
エネルギー源は、紫外線又は青色の可視光を出射する発光ダイオードから成る請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項7】
蛍光物質は、ローダミン誘導体、フルオレセイン及びその誘導体、クマリン、テキサスレッド、緑色蛍光タンパク質、青色蛍光タンパク質、シアン蛍光蛋白質、黄色蛍光蛋白質から成る群から選択された少なくとも1種の材料である請求項1又は請求項2に記載の発光素子。
【請求項8】
(A)植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料、並びに、
(B)発光材料の表面に吸着した蛍光物質、
から成る発光材料複合体。
【請求項9】
(A)植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料、並びに、
(B)発光材料の表面を修飾した蛍光物質、
から成る発光材料複合体。
【請求項10】
植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料。
【請求項11】
(A)植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料、並びに、
(B)発光材料の表面に吸着した蛍光物質、
から成り、エネルギー線の照射によって蛍光物質が発光する蛍光標識試薬。
【請求項12】
(A)植物由来の材料を原料とし、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料、並びに、
(B)発光材料の表面を修飾した蛍光物質、
から成り、エネルギー線の照射によって蛍光物質が発光する蛍光標識試薬。
【請求項13】
植物由来の材料は、籾殻、イネ科アシ類、タケ類、珪藻等の藻類及び珪藻土から成る群から選択された少なくとも1種の材料である請求項11又は請求項12に記載の蛍光標識試薬。
【請求項14】
発光材料の窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上である請求項11又は請求項12に記載の蛍光標識試薬。
【請求項15】
発光材料はアクセプター基を有する請求項11又は請求項12に記載の蛍光標識試薬。
【請求項16】
発光材料は、所望の分子、所望の蛋白質あるいは所望の細胞と結合可能であるアクセプター基を有する請求項11又は請求項12に記載の蛍光標識試薬。
【請求項17】
(a)植物由来の材料を、酸素分子を含有する雰囲気中で焼成することで、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料を得た後、
(b)蛍光物質を含む溶液中に発光材料を浸漬することで、発光材料の表面に蛍光物質を吸着させる、
各工程から成る発光材料複合体の製造方法。
【請求項18】
(a)植物由来の材料を、酸素分子を含有する雰囲気中で焼成することで、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料を得た後、
(b)溶液に含まれた蛍光物質と発光材料とを反応させることで、発光材料の表面を蛍光物質によって修飾する、
各工程から成る発光材料複合体の製造方法。
【請求項19】
(a)植物由来の材料を、酸素分子を含有する雰囲気中で焼成することで、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料を得た後、
(b)蛍光物質を含む溶液中に発光材料を浸漬することで、発光材料の表面に蛍光物質を吸着させる、
各工程から成る蛍光標識試薬の製造方法。
【請求項20】
(a)植物由来の材料を、酸素分子を含有する雰囲気中で焼成することで、ケイ素の含有率が40重量%以上であり、且つ、酸素の含有率が40重量%以上である酸化ケイ素を主成分とした発光材料を得た後、
(b)溶液に含まれた蛍光物質と発光材料とを反応させることで、発光材料の表面を蛍光物質によって修飾する、
各工程から成る蛍光標識試薬の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図9】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−215792(P2010−215792A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64566(P2009−64566)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】