説明

発光材料、膜、発光素子および電子機器

【課題】燐光を発光することのできる有機金属錯体を提供することを課題とする。
【解決手段】下記一般式(G1)において、Xは、−O−又は−N(R10)−を表す。
〜Rは、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素
数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のアシ
ル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、炭素数6〜12のア
リール基、のいずれかを表す。また、R10は、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロア
ルキル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数6〜12のアリール基、または炭素数4〜1
0のヘテロアリール基、のいずれかを表す。また、Mは第9族元素または第10族元素を
表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流励起によって発光することのできる物質に関する。特に三重項励起状態
からの発光が得られる物質に関する。また、その物質を用いた発光素子、発光装置に関す
る。
【背景技術】
【0002】
有機化合物を用いた発光素子は、薄型軽量、高速応答性等の特徴を有し、なおかつ自発
光であるため、これを画素部に用いた表示装置の開発が近年活発に行われている。
【0003】
発光素子の発光機構は、一対の電極間に発光層を挟んで電圧を印加することにより、陰
極から注入された電子および陽極から注入された正孔が発光層の発光中心で再結合して分
子励起子を形成し、その分子励起子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出して発光する
といわれている。励起状態には一重項励起と三重項励起が知られ、発光はどちらの励起状
態を経ても可能であると考えられている。
【0004】
このような発光素子においては、一重項励起状態に比べて三重項励起状態の方がより多
く生成されるため、三重項励起状態から発光できる材料(燐光材料)を用いることで、発
光素子の発光効率を高めることができる。そのため、これまでに、発光素子に燐光材料を
用いる試みが多くなされている。
【0005】
緑色を示す代表的な燐光材料として、イリジウム(Ir)を中心金属とする金属錯体(
以下、「Ir錯体」という)がある(例えば、非特許文献1参照。)。非特許文献1では
、2−フェニルピリジンを配位子とするIr錯体をホスト材料に分散させ、緑色発光を得
ている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】M.A.Baldo、他4名、アプライド フィジクス レターズ、Vol.75、No.1、P4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、一般的に燐光材料は、赤色や橙色といった比較的波長の長い発光を示す
ものが多く、緑色や青色の発光を示す燐光材料の報告は未だ少ない。2−フェニルピリジ
ンおよびその誘導体を配位子とするIr錯体は、緑色〜青色の波長域の発光を示すことが
知られているが、正孔が入りやすく電子が入りにくいという性質を有しているため、発光
素子に適用する場合にはその素子構造が限られてしまう。また、有機金属錯体全般に言え
ることではあるが、耐熱性に乏しいという問題もある。
【0008】
したがって、燐光材料を発光素子に適用する場合に、様々なホスト材料、正孔輸送材料、
電子輸送材料等の周辺材料との組み合わせに対応できるように、緑色〜青色の波長域の発
光を示す種々の燐光材料の開発が求められている。また、耐熱性の高い緑色、青色の燐光
材料の開発が求められている。
【0009】
上記課題に鑑み、本発明は、燐光を発光することのできる新規物質を提供することを課
題とする。特に、緑色〜青色の波長域の燐光を示す新規物質を提供することを課題とする
。また、本発明は、燐光発光を示し、かつ耐熱性に優れた新規物質を提供することを課題
とする。
【0010】
また、そのような新規物質を用いることで、緑色〜青色の波長域の発光を示す高効率な発
光素子を提供することを課題とする。また、前記発光素子を用いた発光装置を提供するこ
とを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
根拠は0147
本発明者らは、3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール誘導体を配位子とするオルトメタル錯体が緑色〜青色の波長域の燐光を示すことを見出した。また、2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール誘導体を配位子とするオルトメタル錯体が緑色〜青色の波長域の燐光を示すことを見出した。
【0012】
本発明の一は、一般式(G1)で表される構造を含む有機金属錯体である。
【0013】
【化1】

【0014】
一般式(G1)において、Xは、−O−又は−N(R10)−を表す。R〜Rは、
それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアル
コキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1
〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のい
ずれかを表す。また、R10は、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素
数1〜6のアシル基、炭素数6〜12のアリール基、または炭素数4〜10のヘテロアリ
ール基、のいずれかを表す。また、Mは第9族元素または第10族元素を表す。ここで、
アルキル基の中でも特に、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基の
中から選ばれるいずれかの基であることが好ましい。また、シクロアルキル基としてはシ
クロヘキシル基が好ましい。また、アルコキシ基の中でも特に、メトキシ基が好ましい。
また、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基が好ましい。また、アシ
ル基としてはアセチル基が好ましい。また、アシロキシ基としては、アセトキシ基が好ま
しい。また、ハロゲン基としてはフルオロ基が好ましい。また、ハロアルキル基としては
トリフルオロメチル基が好ましい。また、アリール基は置換基を有していてもよく、アリ
ール基の中でも特に、フェニル基、フルオロ基で置換されたフェニル基、トリフルオロメ
チル基で置換されたフェニル基、のいずれかが好ましい。また、ヘテロアリール基は置換
基を有していてもよく、ヘテロアリール基の中でも特に、ピリジル基が好ましい。また、
第9族元素の中でも特にイリジウムが好ましく、第10族元素の中でも特に白金が好まし
い。
【0015】
なお、上述した置換基の内、フルオロ基およびトリフルオロメチル基は、発光波長を短波
長化させる効果があるため、特に本発明においては好適である。この原因としては、フル
オロ基及びトリフルオロメチル基のような電子吸引性の置換基の導入により、有機金属錯
体のHOMO準位のエネルギーが安定化する。なぜなら、有機金属錯体のHOMO準位が
下がり、それに伴ってエネルギーギャップが大きくなるためと考えられる。
【0016】
本発明の一は、一般式(G2)で表される有機金属錯体である。
【0017】
【化2】

【0018】
一般式(G2)において、Xは、−O−又は−N(R20)−を表す。R11〜R19
は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6の
アルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素
数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、
のいずれかを表す。また、R20は、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、
炭素数1〜6のアシル基、炭素数6〜12のアリール基、または炭素数4〜10のヘテロ
アリール基、のいずれかを表す。また、Mは第9族元素または第10族元素を表す。Mが
第9族元素のときはn=2であり、Mが第10族元素のときはn=1である。Lは、モノ
アニオン性の二座配位子を表す。ここで、アルキル基の中でも特に、メチル基、エチル基
、イソプロピル基、tert−ブチル基の中から選ばれるいずれかの基であることが好ま
しい。また、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基が好ましい。また、アルコキシ
基の中でも特に、メトキシ基が好ましい。また、アルコキシカルボニル基としては、メト
キシカルボニル基が好ましい。また、アシル基としてはアセチル基が好ましい。また、ア
シロキシ基としては、アセトキシ基が好ましい。また、ハロゲン基としてはフルオロ基が
好ましい。また、ハロアルキル基としてはトリフルオロメチル基が好ましい。また、アリ
ール基は置換基を有していてもよく、アリール基の中でも特に、フェニル基、フルオロ基
で置換されたフェニル基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニル基、のいずれかが
好ましい。また、ヘテロアリール基は置換基を有していてもよく、ヘテロアリール基の中
でも特に、ピリジル基が好ましい。また、第9族元素の中でも特にイリジウムが好ましく
、第10族元素の中でも特に白金が好ましい。また、モノアニオン性の二座配位子として
は、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の二座配位子、カルボキシル基を有するモ
ノアニオン性の二座配位子、フェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座配位子、
二つの配位原子がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座配位子、のいずれかが合成が
容易であるため好ましい。
【0019】
なお、上述した置換基の内、フルオロ基およびトリフルオロメチル基は、発光波長を短波
長化させる効果があるため、特に本発明においては好適である。この原因としては、フル
オロ基及びトリフルオロメチル基のような電子吸引性の置換基の導入により、有機金属錯
体のHOMO準位のエネルギーが安定化する。なぜなら、有機金属錯体のHOMO準位が
下がり、それに伴ってエネルギーギャップが大きくなるためと考えられる。
【0020】
本発明の一は、一般式(G3)で表される構造を含む有機金属錯体である。なお、一般
式(G3)のように、発光効率および耐熱性の観点からは、中心金属として白金よりもイ
リジウムがより好適である。
【0021】
【化3】

【0022】
一般式(G3)において、Xは、−O−又は−N(R30)−を表す。R21〜R29
は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6の
アルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素
数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、
のいずれかを表す。また、R30は、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、
炭素数1〜6のアシル基、炭素数6〜12のアリール基、または炭素数4〜10のヘテロ
アリール基、のいずれかを表す。ここで、アルキル基の中でも特に、メチル基、エチル基
、イソプロピル基、tert−ブチル基の中から選ばれるいずれかの基であることが好ま
しい。また、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基が好ましい。また、アルコキシ
基の中でも特に、メトキシ基が好ましい。また、アルコキシカルボニル基としては、メト
キシカルボニル基が好ましい。また、アシル基としてはアセチル基が好ましい。また、ア
シロキシ基としては、アセトキシ基が好ましい。また、ハロゲン基としてはフルオロ基が
好ましい。また、ハロアルキル基としてはトリフルオロメチル基が好ましい。また、アリ
ール基は置換基を有していてもよく、アリール基の中でも特に、フェニル基、フルオロ基
で置換されたフェニル基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニル基、のいずれかが
好ましい。また、ヘテロアリール基は置換基を有していてもよく、ヘテロアリール基の中
でも特に、ピリジル基が好ましい。
【0023】
なお、上述した置換基の内、フルオロ基およびトリフルオロメチル基は、発光波長を短波
長化させる効果があるため、特に本発明においては好適である。この原因としては、フル
オロ基及びトリフルオロメチル基のような電子吸引性の置換基の導入により、有機金属錯
体のHOMO準位のエネルギーが安定化する。なぜなら、有機金属錯体のHOMO準位が
下がり、それに伴ってエネルギーギャップが大きくなるためと考えられる。
【0024】
本発明の一は、一般式(G4)で表される有機金属錯体である。なお、一般式(G4)
のように、発光効率および耐熱性の観点からは、中心金属として白金よりもイリジウムが
より好適である。
【0025】
【化4】

【0026】
一般式(G4)において、Xは、−O−又は−N(R40)−を表す。R31〜R39
は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6の
アルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素
数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、
のいずれかを表す。また、R40は、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、
炭素数1〜6のアシル基、炭素数6〜12のアリール基、または炭素数4〜10のヘテロ
アリール基、のいずれかを表す。Lは、モノアニオン性の二座配位子を表す。ここで、ア
ルキル基の中でも特に、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基の中
から選ばれるいずれかの基であることが好ましい。また、シクロアルキル基としてはシク
ロヘキシル基が好ましい。また、アルコキシ基の中でも特に、メトキシ基が好ましい。ま
た、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基が好ましい。また、アシル
基としてはアセチル基が好ましい。また、アシロキシ基としては、アセトキシ基が好まし
い。また、ハロゲン基としてはフルオロ基が好ましい。また、ハロアルキル基としてはト
リフルオロメチル基が好ましい。また、アリール基は置換基を有していてもよく、アリー
ル基の中でも特に、フェニル基、フルオロ基で置換されたフェニル基、トリフルオロメチ
ル基で置換されたフェニル基、のいずれかが好ましい。また、ヘテロアリール基は置換基
を有していてもよく、ヘテロアリール基の中でも特に、ピリジル基が好ましい。また、モ
ノアニオン性の二座配位子としては、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の二座配
位子、カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座配位子、フェノール性水酸基を有す
るモノアニオン性の二座配位子、二つの配位原子がいずれも窒素であるモノアニオン性の
二座配位子、のいずれかが合成が容易であるため好ましい。
【0027】
なお、上述した置換基の内、フルオロ基およびトリフルオロメチル基は、発光波長を短波
長化させる効果があるため、特に本発明においては好適である。この原因としては、フル
オロ基及びトリフルオロメチル基のような電子吸引性の置換基の導入により、有機金属錯
体のHOMO準位のエネルギーが安定化する。なぜなら、有機金属錯体のHOMO準位が
下がり、それに伴ってエネルギーギャップが大きくなるためと考えられる。
【0028】
また、一般式(G2)、(G4)で表される有機金属錯体において、Lは、具体的には
、下記構造式(1)〜(5)のいずれかで表される配位子であることが好ましい。
【0029】
【化5】

【0030】
本発明の一は、一般式(G5)で表される構造を含む有機金属錯体である。
【0031】
【化6】

【0032】
一般式(G5)において、R41、R42は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカ
ルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロ
アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のいずれかを表す。また、Mは第9族元素ま
たは第10族元素を表す。ここで、アルキル基の中でも特に、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、tert−ブチル基の中から選ばれるいずれかの基であることが好ましい。
また、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基が好ましい。また、アルコキシ基の中
でも特に、メトキシ基が好ましい。また、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカ
ルボニル基が好ましい。また、アシル基としてはアセチル基が好ましい。また、アシロキ
シ基としては、アセトキシ基が好ましい。また、ハロゲン基としてはフルオロ基が好まし
い。また、ハロアルキル基としてはトリフルオロメチル基が好ましい。また、アリール基
は置換基を有していてもよく、アリール基の中でも特に、フェニル基、フルオロ基で置換
されたフェニル基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニル基、のいずれかが好まし
い。また、第9族元素の中でも特にイリジウムが好ましく、第10族元素の中でも特に白
金が好ましい。
【0033】
なお、上述した置換基の内、フルオロ基およびトリフルオロメチル基は、発光波長を短波
長化させる効果があるため、特に本発明においては好適である。この原因としては、フル
オロ基及びトリフルオロメチル基のような電子吸引性の置換基の導入により、有機金属錯
体のHOMO準位のエネルギーが安定化する。なぜなら、有機金属錯体のHOMO準位が
下がり、それに伴ってエネルギーギャップが大きくなるためと考えられる。
【0034】
本発明の一は、一般式(G6)で表される有機金属錯体である。
【0035】
【化7】

【0036】
一般式(G6)において、R43、R44は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカ
ルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロ
アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のいずれかを表す。また、Mは第9族元素ま
たは第10族元素を表す。Mが第9族元素のときはn=2であり、Mが第10族元素のと
きはn=1である。Lは、モノアニオン性の二座配位子を表す。ここで、アルキル基の中
でも特に、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基の中から選ばれる
いずれかの基であることが好ましい。また、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基
が好ましい。また、アルコキシ基の中でも特に、メトキシ基が好ましい。また、アルコキ
シカルボニル基としては、メトキシカルボニル基が好ましい。また、アシル基としてはア
セチル基が好ましい。また、アシロキシ基としては、アセトキシ基が好ましい。また、ハ
ロゲン基としてはフルオロ基が好ましい。また、ハロアルキル基としてはトリフルオロメ
チル基が好ましい。また、アリール基は置換基を有していてもよく、アリール基の中でも
特に、フェニル基、フルオロ基で置換されたフェニル基、トリフルオロメチル基で置換さ
れたフェニル基、のいずれかが好ましい。また、第9族元素の中でも特にイリジウムが好
ましく、第10族元素の中でも特に白金が好ましい。また、モノアニオン性の二座配位子
としては、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の二座配位子、カルボキシル基を有
するモノアニオン性の二座配位子、フェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座配
位子、二つの配位原子がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座配位子、のいずれかが
合成が容易であるため好ましい。
【0037】
なお、上述した置換基の内、フルオロ基およびトリフルオロメチル基は、発光波長を短波
長化させる効果があるため、特に本発明においては好適である。この原因としては、フル
オロ基及びトリフルオロメチル基のような電子吸引性の置換基の導入により、有機金属錯
体のHOMO準位のエネルギーが安定化する。なぜなら、有機金属錯体のHOMO準位が
下がり、それに伴ってエネルギーギャップが大きくなるためと考えられる。
【0038】
本発明の一は、一般式(G7)で表される構造を含む有機金属錯体である。なお、一般
式(G7)のように、発光効率および耐熱性の観点からは、中心金属として白金よりもイ
リジウムがより好適である。
【0039】
【化8】

【0040】
一般式(G7)において、R45、R46は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカ
ルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロ
アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のいずれかを表す。ここで、アルキル基の中
でも特に、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基の中から選ばれる
いずれかの基であることが好ましい。また、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基
が好ましい。また、アルコキシ基の中でも特に、メトキシ基が好ましい。また、アルコキ
シカルボニル基としては、メトキシカルボニル基が好ましい。また、アシル基としてはア
セチル基が好ましい。また、アシロキシ基としては、アセトキシ基が好ましい。また、ハ
ロゲン基としてはフルオロ基が好ましい。また、ハロアルキル基としてはトリフルオロメ
チル基が好ましい。また、アリール基は置換基を有していてもよく、アリール基の中でも
特に、フェニル基、フルオロ基で置換されたフェニル基、トリフルオロメチル基で置換さ
れたフェニル基、のいずれかが好ましい。
【0041】
なお、上述した置換基の内、フルオロ基およびトリフルオロメチル基は、発光波長を短波
長化させる効果があるため、特に本発明においては好適である。この原因としては、フル
オロ基及びトリフルオロメチル基のような電子吸引性の置換基の導入により、有機金属錯
体のHOMO準位のエネルギーが安定化する。なぜなら、有機金属錯体のHOMO準位が
下がり、それに伴ってエネルギーギャップが大きくなるためと考えられる。
【0042】
本発明の一は、一般式(G8)で表される有機金属錯体である。なお、一般式(G8)
のように、発光効率および耐熱性の観点からは、中心金属として白金よりもイリジウムが
より好適である。
【0043】
【化9】

【0044】
一般式(G8)において、R47、R48は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカ
ルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロ
アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のいずれかを表す。Lは、モノアニオン性の
二座配位子を表す。ここで、アルキル基の中でも特に、メチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、tert−ブチル基の中から選ばれるいずれかの基であることが好ましい。また、
シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基が好ましい。また、アルコキシ基の中でも特
に、メトキシ基が好ましい。また、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニ
ル基が好ましい。また、アシル基としてはアセチル基が好ましい。また、アシロキシ基と
しては、アセトキシ基が好ましい。また、ハロゲン基としてはフルオロ基が好ましい。ま
た、ハロアルキル基としてはトリフルオロメチル基が好ましい。また、アリール基は置換
基を有していてもよく、アリール基の中でも特に、フェニル基、フルオロ基で置換された
フェニル基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニル基、のいずれかが好ましい。ま
た、モノアニオン性の二座配位子としては、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の
二座配位子、カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座配位子、フェノール性水酸基
を有するモノアニオン性の二座配位子、二つの配位原子がいずれも窒素であるモノアニオ
ン性の二座配位子、のいずれかが合成が容易であるため好ましい。
【0045】
なお、上述した置換基の内、フルオロ基およびトリフルオロメチル基は、発光波長を短波
長化させる効果があるため、特に本発明においては好適である。この原因としては、フル
オロ基及びトリフルオロメチル基のような電子吸引性の置換基の導入により、有機金属錯
体のHOMO準位のエネルギーが安定化する。なぜなら、有機金属錯体のHOMO準位が
下がり、それに伴ってエネルギーギャップが大きくなるためと考えられる。
【0046】
また、一般式(G6)、(G8)で表される有機金属錯体において、Lは、具体的には
、下記構造式(1)〜(5)のいずれかで表される配位子であることが好ましい。
【0047】
【化10】

【0048】
本発明の一は、一般式(G9)で表される構造を含む有機金属錯体である。
【0049】
【化11】

【0050】
一般式(G9)において、R49、R50は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカ
ルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロ
アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のいずれかを表す。また、Mは第9族元素ま
たは第10族元素を表す。ここで、アルキル基の中でも特に、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、tert−ブチル基の中から選ばれるいずれかの基であることが好ましい。
また、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基が好ましい。また、アルコキシ基の中
でも特に、メトキシ基が好ましい。。また、アルコキシカルボニル基としては、メトキシ
カルボニル基が好ましい。また、アシル基としてはアセチル基が好ましい。また、アシロ
キシ基としては、アセトキシ基が好ましい。また、ハロゲン基としてはフルオロ基が好ま
しい。また、ハロアルキル基としてはトリフルオロメチル基が好ましい。また、アリール
基は置換基を有していてもよく、アリール基の中でも特に、フェニル基、フルオロ基で置
換されたフェニル基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニル基、のいずれかが好ま
しい。また、第9族元素の中でも特にイリジウムが好ましく、第10族元素の中でも特に
白金が好ましい。
【0051】
なお、上述した置換基の内、フルオロ基およびトリフルオロメチル基は、発光波長を短波
長化させる効果があるため、特に本発明においては好適である。この原因としては、フル
オロ基及びトリフルオロメチル基のような電子吸引性の置換基の導入により、有機金属錯
体のHOMO準位のエネルギーが安定化する。なぜなら、有機金属錯体のHOMO準位が
下がり、それに伴ってエネルギーギャップが大きくなるためと考えられる。
【0052】
本発明の一は、一般式(G10)で表される有機金属錯体である。
【0053】
【化12】

【0054】
一般式(G10)において、R51、R52は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアル
キル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ
カルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハ
ロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のいずれかを表す。また、Mは第9族元素
または第10族元素を表す。Mが第9族元素のときはn=2であり、Mが第10族元素の
ときはn=1である。Lは、モノアニオン性の二座配位子を表す。ここで、アルキル基の
中でも特に、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基の中から選ばれ
るいずれかの基であることが好ましい。また、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル
基が好ましい。また、アルコキシ基の中でも特に、メトキシ基が好ましい。また、アルコ
キシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基が好ましい。また、アシル基としては
アセチル基が好ましい。また、アシロキシ基としては、アセトキシ基が好ましい。また、
ハロゲン基としてはフルオロ基が好ましい。また、ハロアルキル基としてはトリフルオロ
メチル基が好ましい。また、アリール基は置換基を有していてもよく、アリール基の中で
も特に、フェニル基、フルオロ基で置換されたフェニル基、トリフルオロメチル基で置換
されたフェニル基、のいずれかが好ましい。また、第9族元素の中でも特にイリジウムが
好ましく、第10族元素の中でも特に白金が好ましい。また、モノアニオン性の二座配位
子としては、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の二座配位子、カルボキシル基を
有するモノアニオン性の二座配位子、フェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座
配位子、二つの配位原子がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座配位子、のいずれか
が合成が容易であるため好ましい。
【0055】
なお、上述した置換基の内、フルオロ基およびトリフルオロメチル基は、発光波長を短波
長化させる効果があるため、特に本発明においては好適である。この原因としては、フル
オロ基及びトリフルオロメチル基のような電子吸引性の置換基の導入により、有機金属錯
体のHOMO準位のエネルギーが安定化する。なぜなら、有機金属錯体のHOMO準位が
下がり、それに伴ってエネルギーギャップが大きくなるためと考えられる。
【0056】
本発明の一は、一般式(G11)で表される構造を含む有機金属錯体である。なお、一
般式(G11)のように、発光効率および耐熱性の観点からは、中心金属として白金より
もイリジウムがより好適である。
【0057】
【化13】

【0058】
一般式(G11)において、R53、R54は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアル
キル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ
カルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハ
ロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のいずれかを表す。ここで、アルキル基の
中でも特に、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基の中から選ばれ
るいずれかの基であることが好ましい。また、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル
基が好ましい。また、アルコキシ基の中でも特に、メトキシ基が好ましい。また、アルコ
キシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基が好ましい。また、アシル基としては
アセチル基が好ましい。また、アシロキシ基としては、アセトキシ基が好ましい。また、
ハロゲン基としてはフルオロ基が好ましい。また、ハロアルキル基としてはトリフルオロ
メチル基が好ましい。また、アリール基は置換基を有していてもよく、アリール基の中で
も特に、フェニル基、フルオロ基で置換されたフェニル基、トリフルオロメチル基で置換
されたフェニル基、のいずれかが好ましい。
【0059】
なお、上述した置換基の内、フルオロ基およびトリフルオロメチル基は、発光波長を短波
長化させる効果があるため、特に本発明においては好適である。この原因としては、フル
オロ基及びトリフルオロメチル基のような電子吸引性の置換基の導入により、有機金属錯
体のHOMO準位のエネルギーが安定化する。なぜなら、有機金属錯体のHOMO準位が
下がり、それに伴ってエネルギーギャップが大きくなるためと考えられる。
【0060】
本発明の一は、一般式(G12)で表される有機金属錯体である。なお、一般式(G1
2)のように、発光効率および耐熱性の観点からは、中心金属として白金よりもイリジウ
ムがより好適である。
【0061】
【化14】

【0062】
一般式(G12)において、R55、R56は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアル
キル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ
カルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハ
ロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のいずれかを表す。Lは、モノアニオン性
の二座配位子を表す。ここで、アルキル基の中でも特に、メチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、tert−ブチル基の中から選ばれるいずれかの基であることが好ましい。また
、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基が好ましい。また、アルコキシ基の中でも
特に、メトキシ基が好ましい。また、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボ
ニル基が好ましい。また、アシル基としてはアセチル基が好ましい。また、アシロキシ基
としては、アセトキシ基が好ましい。また、ハロゲン基としてはフルオロ基が好ましい。
また、ハロアルキル基としてはトリフルオロメチル基が好ましい。また、アリール基は置
換基を有していてもよく、アリール基の中でも特に、フェニル基、フルオロ基で置換され
たフェニル基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニル基、のいずれかが好ましい。
また、モノアニオン性の二座配位子としては、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性
の二座配位子、カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座配位子、フェノール性水酸
基を有するモノアニオン性の二座配位子、二つの配位原子がいずれも窒素であるモノアニ
オン性の二座配位子、のいずれかが合成が容易であるため好ましい。
【0063】
なお、上述した置換基の内、フルオロ基およびトリフルオロメチル基は、発光波長を短波
長化させる効果があるため、特に本発明においては好適である。この原因としては、フル
オロ基及びトリフルオロメチル基のような電子吸引性の置換基の導入により、有機金属錯
体のHOMO準位のエネルギーが安定化する。なぜなら、有機金属錯体のHOMO準位が
下がり、それに伴ってエネルギーギャップが大きくなるためと考えられる。
【0064】
また、一般式(G10)、(G12)で表される有機金属錯体において、Lは、具体的
には、下記構造式(1)〜(5)のいずれかで表される配位子であることが好ましい。
【0065】
【化15】

【0066】
本発明の一は、上述した一般式(G1)、(G3)、(G5)、(G7)、(G9)、
(G11)のいずれかで表される構造を含む有機金属錯体、または一般式(G2)、(G
4)、(G6)、(G8)、(G10)、(G12)のいずれかで表される有機金属錯体
を含む発光素子である。
【0067】
発光素子は、電極間に、一般式(G1)、(G3)、(G5)、(G7)、(G9)、(
G11)のいずれかで表される構造を含む有機金属錯体、または一般式(G2)、(G4
)、(G6)、(G8)、(G10)、(G12)のいずれかで表される有機金属錯体を
含む層を有し、電極間に電流が流れたときに、その有機金属錯体が発光するように構成さ
れていることが好ましい。このように、本発明の有機金属錯体を発光物質として用いた発
光素子は、燐光を得ることができる為、効率良く発光する。また、青色〜緑色の波長域の
発光を得ることができる。したがって、本発明の一は、上記一般式(G1)、(G3)、
(G5)、(G7)、(G9)、(G11)のいずれかで表される構造を含む有機金属錯
体、または一般式(G2)、(G4)、(G6)、(G8)、(G10)、(G12)の
いずれかで表される有機金属錯体を、発光物質として用いることを特徴とする発光素子で
ある。
【0068】
なお、本発明の有機金属錯体を蛍光材料と併用し、その蛍光材料の発光効率を高めるとい
う用途に用いることもできる。すなわち、発光素子において、蛍光材料に対する増感剤と
して用いることもできる。
【0069】
また、本発明の一は、上記の発光素子が複数配置されていることを特徴とする発光装置
である。
【0070】
また、本発明の一は、上記の発光素子を画素又は光源として用いることを特徴とする発
光装置である。
【0071】
また、本発明の一は、上記の発光装置を表示部に用いることを特徴とする電子機器であ
る。
【発明の効果】
【0072】
本発明によって、燐光を発光することができる有機金属錯体を得ることができる。特に
、緑色〜青色の波長域の燐光を示す有機金属錯体を得ることができる。また、燐光発光を
示し、かつ耐熱性に優れた有機金属錯体を得ることができる。また、本発明によって、増
感剤として用いることのできる有機金属錯体を得ることができる。
【0073】
本発明の有機金属錯体を発光物質として用いることによって、緑色、青緑色、又は青系
の発光を呈することのできる高効率な発光素子を得ることができる。また、本発明の有機
金属錯体を増感剤として用いることによって、効率よく発光することのできる発光素子を
得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係る発光装置の一態様について説明する図。
【図2】本発明を適用した発光装置について説明する図。
【図3】本発明を適用した発光装置に含まれる回路について説明する図。
【図4】本発明を適用した発光装置の上面図。
【図5】本発明を適用した発光装置のフレーム動作について説明する図。
【図6】本発明を適用した発光装置の断面図。
【図7】本発明を適用した発光装置について説明する図。
【図8】本発明を適用した電子機器の図。
【図9】合成例1において合成した本発明に係る有機金属錯体のH−NMRにて分析し、得られたチャート。
【図10】本発明に係る有機金属錯体の吸収スペクトル及び発光スペクトルを表す図。
【図11】合成例2において合成した本発明に係る有機金属錯体のH−NMRにて分析し、得られたチャート。
【図12】本発明に係る有機金属錯体の吸収スペクトル及び発光スペクトルを表す図。
【図13】本発明に係る有機金属錯体の吸収スペクトル及び発光スペクトルを表す図。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多く
の異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱すること
なくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従っ
て、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0076】
なお、本発明において発光素子の一対の電極のうち、陽極として機能する電極とは当該
電極の方が高くなるように電圧をかけた際、発光が得られる方の電極を言い、陰極として
機能する電極とは当該電極の方が低くなるように電圧をかけた際、発光が得られる方の電
極を言う。
(実施の形態1)
【0077】
本実施形態では、本発明の有機金属錯体について説明する。
【0078】
本発明の一態様としては、構造式(6)〜(84)で表される有機金属錯体が挙げられ
る。但し、本発明は、ここに記載したものに限定されるものではない。
【0079】
【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

【化52】

【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

【化58】

【化59】

【化60】

【化61】

【化62】

【化63】

【化64】

【化65】

【化66】

【化67】

【化68】

【化69】

【化70】

【化71】

【化72】

【化73】

【化74】

【化75】

【化76】

【化77】

【化78】

【化79】

【化80】

【化81】

【化82】

【化83】

【化84】

【化85】

【化86】

【化87】

【化88】

【化89】

【化90】

【化91】

【化92】

【化93】

【化94】

【0080】
以上に示した本発明の有機金属錯体は燐光を発光する。その為、本発明の有機金属錯体
を発光物質として用いることによって、内部量子効率が高く、発光効率の高い発光素子を
作製することができる。
【0081】
また、一般的に有機金属錯体の耐熱性は乏しい。しかしながら、本発明の有機金属錯体
は燐光発光を示し、且つ耐熱性にも優れている。
(実施の形態2)
【0082】
本発明の有機金属錯体を発光物質として用いた発光素子の態様について、図1を用いて
説明する。
【0083】
図1には、第1の電極101と第2の電極102との間に発光層113を有する発光素
子が表されている。そして、発光層113には、一般式(G1)、(G3)、(G5)、
(G7)、(G9)、(G11)のいずれかで表される構造を含む本発明に係る有機金属
錯体、または一般式(G2)、(G4)、(G6)、(G8)、(G10)、(G12)
のいずれかで表される本発明に係る有機金属錯体が含まれている。
【0084】
第1の電極101と第2の電極102との間には、発光層113の他、正孔注入層11
1、正孔輸送層112、電子輸送層114、電子注入層115、正孔阻止層121等も設
けられている。これらの層は、第1の電極101の電位が第2の電極102の電位よりも
高くなるように電圧を印加したときに、第1の電極101側から正孔が注入され第2の電
極102側から電子が注入されるように積層されている。
【0085】
ここで、正孔阻止層とは、発光層113へ正孔を輸送すると共に、第1の電極101側
から注入された正孔が発光層を突き抜けて他方の電極側へ抜けていくことを抑制する機能
、および発光層において生成された励起エネルギーが発光層から他の層へ移動してしまう
ことを抑制する機能を有する層である。図1で表されるように発光層113と電子輸送層
114との間に設けられ、正孔が突き抜けていくのを抑制することができる。
【0086】
このような発光素子において、第1の電極101側から注入された正孔と、第2の電極
102側から注入された電子とは、発光層113において再結合し、有機金属錯体は励起
状態にされる。そして、励起状態の有機金属錯体は基底状態に戻るときに発光する。この
ように、本発明に係る有機金属錯体は発光物質として機能する。
【0087】
本発明に係る有機金属錯体を発光物質として用いることによって、内部量子効率が高く
、発光効率の高い発光素子を作製することができる。さらに、本発明に係る有機金属錯体
は、耐熱性にも優れるため、そのような有機金属錯体を発光物質として用いた発光素子は
、熱安定性に優れる。その結果、信頼性の高い発光素子が得られる。
【0088】
ここで、発光層113は本発明に係る有機金属錯体を含む層である。発光層113は本
発明に係る有機金属錯体のみから形成された層であってもよいが、濃度消光を生じる場合
は、有機金属錯体の有するエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有する
物質からなる層(ホスト)中に、有機金属錯体(ゲスト)が分散するように混合された層
を形成することが好ましい。発光層113に本発明に係る有機金属錯体を分散して含ませ
ることで、発光が濃度に起因して消光してしまうことを防ぐことができる。ここで、エネ
ルギーギャップとはLUMO準位とHOMO準位との間のエネルギーギャップをいう。発
光層113に本発明に係る有機金属錯体を用いることにより緑色〜青色の波長域の高効率
な発光素子が得られる。
【0089】
本発明に係る有機金属錯体を分散状態にするために用いる物質について特に限定はない
が、1,1−ビス[4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TP
AC)等のアリールアミン誘導体の他、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(
略称:CBP)、4,4’,4’’−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略
称:TCTA)等のカルバゾール誘導体や、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリ
ジナト]亜鉛(略称:Znpp)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキ
サゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX)等の金属錯体等が好ましい。これらの物質の中から
一または二以上の物質を選択して本発明に係る有機金属錯体が分散状態となるように混合
すればよい。このように複数の化合物を含む層は、共蒸着法を用いることで形成できる。
ここで、共蒸着とは、一つの処理室内に設けられた複数の蒸着源からそれぞれ原料を気化
させ、気化した原料を気相状態で混合し、被処理物上に堆積させる蒸着法をいう。
【0090】
なお、発光層113は、蒸着法の代わりに液滴吐出法により形成することもできる。液
滴吐出法を用いることで、所定の場所に所定の量の原料を吐出することができるため、原
料コストを抑えることができる。
【0091】
また、第1の電極101と第2の電極102とについて特に限定はなく、インジウム錫
酸化物(ITO)、または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜
鉛を含むターゲットを用いて形成された酸化インジウムの他、金(Au)、白金(Pt)
、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(
Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)等を用いて形成することが
できる。また、アルミニウムの他、マグネシウムと銀との合金、アルミニウムとリチウム
との合金等も第1の電極101を形成するのに用いることができる。なお、第1の電極1
01及び第2の電極102の形成方法について特に限定はなく、例えばスパッタリング法
や蒸着法等を用いて形成することができる。なお、発光した光を外部に取り出すために、
インジウム錫酸化物等を用いて、若しくは銀、アルミニウム等を数nm〜数十nmの厚さ
となるように成膜して、第1の電極101と第2の電極102のいずれか一または両方を
形成することが好ましい。
【0092】
また、第1の電極101と発光層113との間には、図1に示すように、正孔輸送層1
12を設けてもよい。ここで、正孔輸送層112とは、第1の電極101側から注入され
た正孔を発光層113へ輸送する機能を有する層である。このように、正孔輸送層112
を設けることによって、第1の電極101と発光層113との距離を離すことができ、そ
の結果、第1の電極101に含まれている金属に起因して発光が消光することを防ぐこと
ができる。正孔輸送層112は、正孔輸送性の高い物質を用いて形成することが好ましく
、特に1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質を用いて形成することが
好ましい。なお、正孔輸送性の高い物質とは、電子よりも正孔の移動度が高く、好ましく
は電子の移動度に対する正孔の移動度の比の値(=正孔移動度/電子移動度)が100よ
りも大きい物質である。
【0093】
正孔輸送層112を形成するのに用いることができる物質の具体例としては、4,4’
−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4
,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:
TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン
(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−
フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[
4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(
略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン
(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニル
アミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略
称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等が挙げられる。また、正
孔輸送層112は、以上に述べた物質から成る層を二以上組み合わせて形成した多層構造
の層であってもよい。
【0094】
また、第2の電極102と発光層113との間には、図1に示すように、電子輸送層1
14を有していてもよい。ここで、電子輸送層114とは、第2の電極102側から注入
された電子を発光層113へ輸送する機能を有する層である。このように、電子輸送層1
14を設けることによって、第2の電極102と発光層113との距離を離すことができ
、その結果、第2の電極102に含まれている金属に起因して発光が消光することを防ぐ
ことができる。電子輸送層114は、電子輸送性の高い物質を用いて形成することが好ま
しく、特に1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質を用いて形成するこ
とが好ましい。なお、電子輸送性の高い物質とは、正孔よりも電子の移動度が高く、好ま
しくは正孔の移動度に対する電子の移動度の比の値(=電子移動度/正孔移動度)が10
0よりも大きい物質である。
【0095】
電子輸送層114を形成するのに用いることができる物質の具体例としては、トリス(
8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリ
ノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノ
リナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4
−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))等の金属錯体の
他、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−
(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2
,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(
4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:
p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略
称:BCP)、4,4−ビス(5−メチルベンズオキサゾル−2−イル)スチルベン(略
称:BzOs)等が挙げられる。また、電子輸送層114は、以上に述べた物質から成る
層を二以上組み合わせて形成した多層構造の層であってもよい。
【0096】
なお、正孔輸送層112と電子輸送層114とは、それぞれ、先に記載した物質の他、
バイポーラ性の物質を用いて形成してもよい。バイポーラ性の物質とは、電子または正孔
のいずれか一方のキャリアの移動度と他方のキャリアの移動度とを比較したときに、一方
のキャリアの移動度に対する他方のキャリアの移動度の比の値が100以下、好ましくは
10以下である物質である。バイポーラ性の物質として、例えば、2,3−ビス(4−ジ
フェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、2,3−ビス{4−[N
−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−ジベンゾ[f,h]キノキサリ
ン(略称:NPADiBzQn)等が挙げられる。バイポーラ性の物質の中でも特に、正
孔及び電子の移動度が1×10−6cm/Vs以上の物質を用いることが好ましい。ま
た同一のバイポーラ性の物質を用いて、正孔輸送層112と電子輸送層114とを形成し
ても構わない。
【0097】
さらに、第1の電極101と正孔輸送層112との間には、図1に示すように、正孔注
入層111を有していてもよい。正孔注入層111は、第1の電極101から正孔輸送層
112へ正孔の注入を補助する機能を有する層である。正孔注入層111を設けることに
よって、第1の電極101と正孔輸送層112との間のイオン化ポテンシャルの差が緩和
され、正孔が注入され易くなる。正孔注入層111は、正孔輸送層112を形成している
物質よりもイオン化ポテンシャルが小さく、第1の電極101を形成している物質よりも
イオン化ポテンシャルが大きい物質、または正孔輸送層112と第1の電極101との間
に1〜2nmの薄膜として設けたときにエネルギーバンドが曲がるような物質を用いて形
成することが好ましい。
【0098】
つまり、正孔注入層111におけるイオン化ポテンシャルが正孔輸送層112における
イオン化ポテンシャルよりも相対的に小さくなるような物質を選択することによって、正
孔注入層111を形成することができる。正孔注入層111を形成するのに用いることの
できる物質の具体例として、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(C
uPc)等のフタロシアニン系の化合物、或いはポリ(エチレンジオキシチオフェン)/
ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)等の高分子等が挙げられる。
なお、正孔注入層111をこれらの物質で形成する場合、第1の電極101は、インジウ
ム錫酸化物等の仕事関数の高い物質を用いて形成することが好ましい。
【0099】
また、第2の電極102と電子輸送層114との間には、図1に示すように、電子注入
層115を有していてもよい。ここで、電子注入層115は、第2の電極102から電子
輸送層114へ電子の注入を補助する機能を有する層である。電子注入層115を設ける
ことによって、第2の電極102と電子輸送層114との間の電子親和力の差が緩和され
、電子が注入され易くなる。電子注入層115は、電子輸送層114を形成している物質
よりも電子親和力が大きく第2の電極102を形成している物質よりも電子親和力が小さ
い物質、または電子輸送層114と第2の電極102との間に1〜2nmの薄膜として設
けたときにエネルギーバンドが曲がるような物質を用いて形成することが好ましい。
【0100】
つまり、電子注入層115における電子親和力が電子輸送層114における電子親和力
よりも相対的に大きくなるような物質を選択することによって、電子注入層115を形成
することができる。電子注入層115を形成するのに用いることのできる物質の具体例と
して、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、アルカリ金属のフッ化物、アルカリ土類金
属のフッ化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物等の無機物が挙げられ
る。また、無機物の他、BPhen、BCP、p−EtTAZ、TAZ、BzOs等の電
子輸送層114を形成するのに用いることのできる物質も、これらの物質の中から、電子
輸送層114の形成に用いる物質よりも電子親和力が大きい物質を選択することによって
、電子注入層115を形成する物質として用いることができる。なお、電子注入層115
をこれらの物質で形成する場合、第1の電極101は、アルミニウム等の仕事関数の低い
物質を用いて形成することが好ましい。
【0101】
以上に述べた本発明に係る発光素子において、正孔注入層111、正孔輸送層112、
発光層113、電子輸送層114、電子注入層115は、それぞれ、蒸着法、またはイン
クジェット法、または塗布法等、いずれの方法で形成しても構わない。また、第1の電極
101または第2の電極102についても、スパッタリング法または蒸着法等、いずれの
方法を用いて形成しても構わない。
【0102】
また、正孔注入層111に換えて正孔発生層を設けてもよいし、または電子注入層11
5に換えて電子発生層を設けてもよい。正孔発生層若しくは電子発生層を設けることによ
って、層の厚さに依存した電圧の上昇が非常に少ない発光素子を作製することができる。
【0103】
ここで、正孔発生層とは、正孔を発生する層である。電子よりも正孔の移動度が高い物
質及びバイポーラ性の物質の中から選ばれた少なくとも一の物質と、これらの物質に対し
て電子受容性を示す物質とを混合することによって正孔発生層を形成することができる。
ここで、電子よりも正孔の移動度が高い物質としては、正孔輸送層112を形成するのに
用いることのできる物質と同様の物質を用いることができる。また、バイポーラ性の物質
についても、TPAQn等の先に記載したバイポーラ性の物質を用いることができる。ま
た、電子よりも正孔の移動度が高い物質及びバイポーラ性の物質の中でも特にトリフェニ
ルアミンを骨格に含む物質を用いることが好ましい。トリフェニルアミンを骨格に含む物
質を用いることによって、正孔をより発生し易くなる。また、電子受容性を示す物質とし
ては、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等の金
属酸化物を用いることが好ましい。
【0104】
また、電子発生層とは、電子を発生する層である。正孔よりも電子の移動度が高い物質
及びバイポーラ性の物質の中から選ばれた少なくとも一の物質と、これらの物質に対して
電子供与性を示す物質とを混合することによって電子発生層を形成することができる。こ
こで、正孔よりも電子の移動度が高い物質としては電子輸送層114を形成するのに用い
ることのできる物質と同様の物質を用いることができる。また、バイポーラ性の物質につ
いても、TPAQn等の先に記載したバイポーラ性の物質を用いることができる。また、
電子供与性を示す物質としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中から選ばれた
物質、具体的にはリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、カリウ
ム(K)、マグネシウム(Mg)等を用いることができる。また、アルカリ金属酸化物ま
たはアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属窒化物、アルカリ土類金属窒化物等、具体的
にはリチウム酸化物(LiO)、カルシウム酸化物(CaO)、ナトリウム酸化物(N
O)、カリウム酸化物(KO)、マグネシウム酸化物(MgO)から選ばれる少な
くとも一の物質も電子供与性を示す物質として用いることができる。また、アルカリ金属
フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物、具体的にはフッ化リチウム(LiF)、フッ化セ
シウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のフッ化物を用いることができる。
【0105】
なお、以上に述べたような本発明に係る発光素子において、発光層とは異なるその他の
層、具体的には、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等を設けるか否かに
ついては任意であり、発明の実施者が適宜選択すればよい。但し、正孔輸送層、電子輸送
層を設けた場合には、電極あるいは正孔注入層、あるいは電子注入層等に含まれる金属に
起因して消光が生じてしまうことを低減する効果が得られる。また、電子注入層、正孔注
入層等を設けることによって、電極からの電子または正孔の注入を効率良く行うことがで
きるという効果が得られる。
(実施の形態3)
【0106】
本発明に係る有機金属錯体を発光物質として用いた本発明に係る発光素子は、効率良く
発光するため、少ない電流量で発光させることができる。そのため、本発明に係る発光素
子を画素として用いた本発明に係る発光装置は、低消費電力で動作する。本形態では、表
示機能を有する発光装置の回路構成および駆動方法について図2〜5を用いて説明する。
【0107】
図2は、本実施の形態に係る発光装置を上面からみた模式図である。図2において、基
板200上には、画素部211と、信号線駆動回路212と、書込用走査線駆動回路21
3と、消去用走査線駆動回路214とが設けられている。信号線駆動回路212と、書込
用走査線駆動回路213と、消去用走査線駆動回路214とは、それぞれ、配線群を介し
て、外部入力端子であるFPC(フレキシブルプリントサーキット)203と接続してい
る。そして、信号線駆動回路212と、書込用走査線駆動回路213と、消去用走査線駆
動回路214とは、それぞれ、FPC203からビデオ信号、クロック信号、スタート信
号、リセット信号等を受け取る。またFPC203にはプリント配線基板(PWB)20
4が取り付けられている。なお、駆動回路部は、上記のように必ずしも画素部211と同
一基板上に設けられている必要はなく、例えば、配線パターンが形成されたFPC上にI
Cチップを実装したもの(TCP)等を利用し、基板外部に設けられていてもよい。
【0108】
画素部211には、列方向に延びた複数の信号線が行方向に並んで配列している。また
、電流供給線が行方向に並んで配列している。また、画素部211には、行方向に延びた
複数の走査線が列方向に並んで配列している。また画素部211には、発光素子を含む一
組の回路が複数配列している。
【0109】
図3は、一画素を動作するための回路を表した図である。図3に示す回路には、第1の
トランジスタ301と第2のトランジスタ302と発光素子303とが含まれている。
【0110】
第1のトランジスタ301と、第2のトランジスタ302とは、それぞれ、ゲート電極
と、ドレイン領域と、ソース領域とを含む三端子の素子であり、ドレイン領域とソース領
域の間にチャネル領域を有する。ここで、ソース領域とドレイン領域とは、トランジスタ
の構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソース領域またはドレイン領域である
かを限定することが困難である。そこで、本形態においては、ソースまたはドレインとし
て機能する領域を、それぞれトランジスタの第1電極、トランジスタの第2電極と表記す
る。
【0111】
走査線311と、書込用走査線駆動回路313とはスイッチ318によって電気的に接
続または非接続の状態になるように設けられている。また、走査線311と、消去用走査
線駆動回路314とはスイッチ319によって電気的に接続または非接続の状態になるよ
うに設けられている。また、信号線312は、スイッチ320によって信号線駆動回路3
15または電源316のいずれかに電気的に接続するように設けられている。そして、第
1のトランジスタ301のゲートは走査線311に電気的に接続している。また、第1の
トランジスタの第1電極は信号線312に電気的に接続し、第2電極は第2のトランジス
タ302のゲート電極と電気的に接続している。第2のトランジスタ302の第1電極は
電源線317と電気的に接続し、第2電極は発光素子303に含まれる一の電極と電気的
に接続している。なお、スイッチ318は、書込用走査線駆動回路313に含まれていて
もよい。また、スイッチ319についても消去用走査線駆動回路314の中に含まれてい
てもよい。また、スイッチ320についても信号線駆動回路315の中に含まれていても
よい。なお、第2のトランジスタ302のゲートと電源線との間に容量素子を有していて
もよい。
【0112】
また、画素におけるトランジスタや発光素子等の配置について特に限定はないが、例え
ば図4の上面図に表すように配置することができる。図4において、第1のトランジスタ
401の第1電極は信号線404に接続し、第2の電極は第2のトランジスタ402のゲ
ート電極に接続している。また、第2のトランジスタ402の第1電極は電源線405に
接続し、第2電極は発光素子の電極406に接続している。走査線403の一部は第1の
トランジスタ401のゲート電極として機能する。第2のトランジスタ402のゲート配
線と電源線405とが重なっている領域407は容量素子としての役割を有する。
【0113】
次に、駆動方法について説明する。図5は時間経過に伴ったフレームの動作について説
明する図である。図5において、横方向は時間経過を表し、縦方向は走査線の走査段数を
表している。
【0114】
本発明に係る発光装置を用いて画像表示を行うとき、表示期間においては、画面の書き
換え動作と表示動作とが繰り返し行われる。この書き換え回数について特に限定はないが
、画像をみる人がちらつき(フリッカ)を感じないように少なくとも1秒間に60回程度
とすることが好ましい。ここで、一画面(1フレーム)の書き換え動作と表示動作を行う
期間を1フレーム期間という。
【0115】
1フレームは、図5に示すように、書き込み期間501a、502a、503a、50
4aと保持期間501b、502b、503b、504bとを含む4つのサブフレーム5
01、502、503、504に時分割されている。発光するための信号を与えられた発
光素子は、保持期間において発光状態となっている。各々のサブフレームにおける保持期
間の長さの比は、第1のサブフレーム501:第2のサブフレーム502:第3のサブフ
レーム503:第4のサブフレーム504=2:2:2:2=8:4:2:1と
なっている。これによって4ビット階調を表現することができる。但し、ビット数及び階
調数はここに記すものに限定されず、例えば8つのサブフレームを設け8ビット階調を行
えるようにしてもよい。
【0116】
1フレームにおける動作について説明する。まず、サブフレーム501において、1行
目から最終行まで順に書き込み動作が行われる。従って、行によって書き込み期間501
aの開始時間が異なる。書き込み期間501aが終了した行から順に保持期間501bへ
と移る。当該保持期間501bにおいて、発光するための信号を与えられている発光素子
は発光状態となっている。また、保持期間501bが終了した行から順に次のサブフレー
ム502へ移り、サブフレーム501の場合と同様に1行目から最終行まで順に書き込み
動作が行われる。サブフレーム504の保持期間504b迄以上のような動作を繰り返し
、サブフレーム504における動作を終了する。サブフレーム504における動作を終了
したら次のフレームへ移る。このように、各サブフレームにおいて発光した時間の積算時
間が、1フレームにおける各々の発光素子の発光時間となる。この発光時間を発光素子ご
とに変えて一画素内で様々に組み合わせることによって、明度および色度の異なる様々な
表示色を形成することができる。
【0117】
サブフレーム504のように、最終行目までの書込が終了する前に、既に書込を終え、
保持期間に移行した行における保持期間を強制的に終了させたいときは、保持期間504
bの後に消去期間504cを設け、強制的に非発光の状態となるように制御することが好
ましい。そして、強制的に非発光状態にした行については、一定期間、非発光の状態を保
つ(この期間を非発光期間504dとする。)。そして、最終行目の書込期間504aが
終了したら直ちに、一行目から順に次の(またはフレーム)の書込期間に移行する。これ
によって、サブフレーム504の書き込み期間504aと、その次のサブフレームの書き
込み期間とが重畳することを防ぐことができる。
【0118】
なお、本形態では、サブフレーム501乃至504は保持期間の長いものから順に並ん
でいるが、必ずしも本実施の形態のような並びにする必要はなく、例えば保持期間の短い
ものから順に並べられていてもよいし、または保持期間の長いものと短いものとがランダ
ムに並んでいてもよい。また、サブフレームは、さらに複数のフレームに分割されていて
もよい。つまり、同じ映像信号を与えている期間、走査線の走査を複数回行ってもよい。
【0119】
ここで、書込期間および消去期間における、図3で示す回路の動作について説明する。
【0120】
まず書込期間における動作について説明する。書込期間において、n行目(nは自然数
)の走査線311は、スイッチ318を介して書込用走査線駆動回路313と電気的に接
続し、消去用走査線駆動回路314とは非接続である。また、信号線312はスイッチ3
20を介して信号線駆動回路315と電気的に接続している。ここで、n行目(nは自然
数)の走査線311に接続した第1のトランジスタ301のゲートに信号が入力され、第
1のトランジスタ301はオンとなる。そして、この時、1列目から最終列目迄の信号線
312に同時に映像信号が入力される。なお、各列の信号線312から入力される映像信
号は互いに独立したものである。信号線312から入力された映像信号は、各々の信号線
312に接続した第1のトランジスタ301を介して第2のトランジスタ302のゲート
電極に入力される。この時第2のトランジスタ302に入力された信号によって発光素子
303は発光または非発光が決まる。例えば、第2のトランジスタ302がPチャネル型
である場合は、第2のトランジスタ302のゲート電極にLow Levelの信号が入
力されることによって発光素子303が発光する。一方、第2のトランジスタ302がN
チャネル型である場合は、第2のトランジスタ302のゲート電極にHigh Leve
lの信号が入力されることによって発光素子303が発光する。
【0121】
次に消去期間における動作について説明する。消去期間において、n行目(nは自然数
)の走査線311は、スイッチ319を介して消去用走査線駆動回路314と電気的に接
続し、書込用走査線駆動回路313とは非接続である。また、信号線312はスイッチ3
20を介して電源316と電気的に接続している。ここで、n行目の走査線311に接続
した第1のトランジスタ301のゲートに信号が入力され、第1のトランジスタ301は
オンとなる。そして、この時、1列目から最終列目迄の信号線312に同時に消去信号が
入力される。信号線312から入力された消去信号は、各々の信号線312に接続した第
1のトランジスタ301を介して第2のトランジスタ302のゲート電極に入力される。
この時第2のトランジスタ302に入力された信号によって、電源線317から発光素子
303への電流の供給が阻止される。そして、発光素子303は強制的に非発光となる。
例えば、第2のトランジスタ302がPチャネル型である場合は、第2のトランジスタ3
02のゲート電極にHigh Levelの信号が入力されることによって発光素子30
3は非発光となる。一方、第2のトランジスタ302がNチャネル型である場合は、第2
のトランジスタ302のゲート電極にLow Levelの信号が入力されることによっ
て発光素子303は非発光となる。
【0122】
なお、消去期間では、n行目(nは自然数)については、以上に説明したような動作に
よって消去する為の信号を入力する。しかし、前述のように、n行目が消去期間であると
共に、他の行(m行目(mは自然数)とする。)については書込期間となる場合がある。
このような場合、同じ列の信号線を利用してn行目には消去の為の信号を、m行目には書
込の為の信号を入力する必要があるため、以下に説明するような動作させることが好まし
い。
【0123】
先に説明した消去期間における動作によって、n行目の発光素子303が非発光となっ
た後、直ちに、走査線311と消去用走査線駆動回路314とを非接続の状態とすると共
に、スイッチ320を切り替えて信号線312と信号線駆動回路315と接続させる。そ
して、信号線312と信号線駆動回路315とを接続させると共に、走査線311と書込
用走査線駆動回路313とを接続させる。そして、書込用走査線駆動回路313からm行
目の信号線に選択的に信号が入力され、第1のトランジスタ301がオンすると共に、信
号線駆動回路315からは、1列目から最終列目迄の信号線312に書込の為の信号が入
力される。この信号によって、m行目の発光素子303は、発光または非発光となる。
【0124】
以上のようにしてm行目について書込期間を終えたら、直ちに、n+1行目の消去期間
に移行する。その為に、走査線311と書込用走査線駆動回路313を非接続とすると共
に、スイッチ320を切り替えて信号線312を電源316と接続する。また、走査線3
11と書込用走査線駆動回路313を非接続とすると共に、走査線については、消去用走
査線駆動回路314と接続状態にする。そして、消去用走査線駆動回路314からn+1
行目の走査線311に選択的に信号を入力して第1のトランジスタ301がオンすると共
に、電源316から消去信号が入力される。このようにして、n+1行目の消去期間を終
えたら、直ちに、m行目の書込期間に移行する。以下、同様に、消去期間と書込期間とを
繰り返し、最終行目の消去期間まで動作させればよい。
【0125】
なお、本実施の形態では、n行目の消去期間とn+1行目の消去期間との間にm行目の
書込期間を設ける態様について説明したが、本発明はこれに限らず、n−1行目の消去期
間とn行目の消去期間との間にm行目の書込期間を設けてもよい。
【0126】
また、本実施形態では、サブフレーム504のように非発光期間504dを設けるとき
において、消去用走査線駆動回路314と或る一の走査線311とを非接続状態にすると
共に、書込用走査線駆動回路313と他の走査線311とを接続状態にする動作を繰り返
している。このような動作は、特に非発光期間を設けないフレームにおいて行っても構わ
ない。
(実施の形態4)
【0127】
本発明に係る発光素子を含む発光装置の断面図の一態様について、図6を用いて説明す
る。
【0128】
図6において、四角の点線で囲まれているのは、本発明に係る発光素子12を駆動する
ために設けられているトランジスタ11である。発光素子12は、第1の電極13と第2
の電極14との間に正孔を発生する層と電子を発生する層と発光物質を含む層とが積層さ
れた層15を有する本発明に係る発光素子である。トランジスタ11のドレインと第1の
電極13とは、第1層間絶縁膜16(16a、16b、16c)を貫通している配線17
によって電気的に接続されている。また、発光素子12は、隔壁層18によって、隣接し
て設けられている別の発光素子と分離されている。このような構成を有する本発明に係る
発光装置は、本実施形態において、基板10上に設けられている。
【0129】
なお、図6に示されたトランジスタ11は、半導体層を中心として基板と逆側にゲート
電極が設けられたトップゲート型のものである。但し、トランジスタ11の構造について
は、特に限定はなく、例えばボトムゲート型のものでもよい。またボトムゲートの場合に
は、チャネルを形成する半導体層の上に保護膜が形成されたもの(チャネル保護型)でも
よいし、或いはチャネルを形成する半導体層の一部が凹状になったもの(チャネルエッチ
型)でもよい。
【0130】
また、トランジスタ11を構成する半導体層は、結晶性、非結晶性のいずれのものでも
よい。また、微結晶(マイクロクリスタル)等でもよい。
【0131】
なお、微結晶半導体とは、次のようなものである。非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶
を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体で
あって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいるものである。また
少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶粒を含んでいる。微結晶半導
体のラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしている。X線回折では
Si結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未
結合手(ダングリングボンド)を終端化させるため水素またはハロゲンを少なくとも1原
子%またはそれ以上含ませている。微結晶半導体は、SiH、Si、SiH
、SiHCl、SiCl、SiFなどのガスをグロー放電分解(プラズマCV
D)して形成する。を用いることができる。これらのガスをH、又は、HとHe、A
r、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈しても良い。希釈率は
2〜1000倍の範囲。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MH
z〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHz。基板加熱温度は300℃以下で
よく、好ましくは100〜250℃。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの
大気成分の不純物は1×1020/cm以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は
5×1019/cm以下、好ましくは1×1019/cm以下とする。
【0132】
また、半導体層が結晶性のものの具体例としては、単結晶または多結晶性の珪素、或い
はシリコンゲルマニウム等から成るものが挙げられる。これらはレーザー結晶化によって
形成されたものでもよいし、例えばニッケル等を用いた固相成長法による結晶化によって
形成されたものでもよい。
【0133】
なお、半導体層が非晶質の物質、例えばアモルファスシリコンで形成される場合には、
トランジスタ11およびその他のトランジスタ(発光素子を駆動するための回路を構成す
るトランジスタ)は全てNチャネル型トランジスタで構成された回路を有する発光装置で
あることが好ましい。それ以外については、Nチャネル型またはPチャネル型のいずれか
一のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよいし、両方のトランジスタで
構成された回路を有する発光装置でもよい。
【0134】
さらに、第1層間絶縁膜16は、図6(A)、(B)、(C)に示すように多層でもよ
いし、または単層でもよい。なお、16aは酸化珪素や窒化珪素のような無機物から成り
、16bはアクリルやシロキサン(なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含
む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が
構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭
化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として
、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。)、塗布成膜可能な酸
化珪素等の自己平坦性を有する物質から成る。さらに、16cはアルゴン(Ar)を含む
窒化珪素膜から成る。なお、各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述
べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合
わせてもよい。このように、第1層間絶縁膜16は、無機物または有機物の両方を用いて
形成されたものでもよいし、または無機物と有機物のいずれか一で形成されたものでもよ
い。
【0135】
隔壁層18は、エッジ部において、曲率半径が連続的に変化する形状であることが好ま
しい。また隔壁層18は、アクリルやシロキサン、レジスト、酸化珪素等を用いて形成さ
れる。なお隔壁層18は、無機物と有機物のいずれか一で形成されたものでもよいし、ま
たは両方を用いて形成されたものでもよい。
【0136】
なお、図6(A)、(C)では、第1層間絶縁膜16のみがトランジスタ11と発光素
子12の間に設けられた構成であるが、図6(B)のように、第1層間絶縁膜16(16
a、16b)の他、第2層間絶縁膜19(19a、19b)が設けられた構成のものであ
ってもよい。図6(B)に示す発光装置においては、第1の電極13は第2層間絶縁膜1
9を貫通し、配線17と接続している。
【0137】
第2層間絶縁膜19は、第1層間絶縁膜16と同様に、多層でもよいし、または単層で
もよい。19aはアクリルやシロキサン、塗布成膜可能な酸化珪素等の自己平坦性を有す
る物質から成る。さらに、19bはアルゴン(Ar)を含む窒化珪素膜から成る。なお、
各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いて
もよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、
第2層間絶縁膜19は、無機物または有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、
または無機物と有機物のいずれか一で形成されたものでもよい。
【0138】
発光素子12において、第1の電極13および第2の電極14がいずれも透光性を有す
る物質で構成されている場合、図6(A)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極
13側と第2の電極14側の両方から発光を取り出すことができる。また、第2の電極1
4のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図6(B)の白抜きの矢印で表され
るように、第2の電極14側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第1の電
極13は反射率の高い材料で構成されているか、または反射率の高い材料から成る膜(反
射膜)が第1の電極13の下方に設けられていることが好ましい。また、第1の電極13
のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図6(C)の白抜きの矢印で表される
ように、第1の電極13側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第2の電極
14は反射率の高い材料で構成されているか、または反射膜が第2の電極14の上方に設
けられていることが好ましい。
【0139】
また、発光素子12は、第1の電極13の電位よりも第2の電極14の電位が高くなる
ように電圧を印加したときに動作するように層15が積層されたものであってもよいし、
或いは、第1の電極13の電位よりも第2の電極14の電位が低くなるように電圧を印加
したときに動作するように層15が積層されたものであってもよい。前者の場合、トラン
ジスタ11はNチャネル型トランジスタであり、後者の場合、トランジスタ11はPチャ
ネル型トランジスタである。
【0140】
以上のように、本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するア
クティブ型の発光装置について説明した。但し、アクティブ型の発光装置に限らず、パッ
シブ型の発光装置に本発明を適用してもよい。
【0141】
図7には本発明を適用して作製したパッシブ型の発光装置の斜視図を示す。図7におい
て、基板701上には電極702と電極706との間には発光物質を含む層及び電子を発
生する層、正孔を発生する層が順に積層した層705が設けられている。電極702の端
部は絶縁層703で覆われている。そして、絶縁層703上には隔壁層704が設けられ
ている。隔壁層704の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁と
の間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層704の短辺方向の断面は
、台形状であり、底辺(絶縁層703の面方向と同様の方向を向き、絶縁層703と接す
る辺)の方が上辺(絶縁層703の面方向と同様の方向を向き、絶縁層703と接しない
辺)よりも短い。このように、隔壁層704を設けることで、静電気等に起因した発光素
子の不良を防ぐことが出来る。また、パッシブ型の発光装置においても、低駆動電圧で動
作する本発明に係る発光素子を含むことによって、低消費電力で駆動させることができる

【0142】
本発明に係る有機金属錯体を発光物質として用いた本発明に係る発光素子は、効率良く
発光するため、本発明に係る発光素子を画素として用いた本発明に係るアクティブ型及び
パッシブ型の発光装置は、低消費電力で動作する。なお、アクティブ型の発光装置の場合
、本発明に係る有機金属錯体をR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の画素のG(緑色)
やB(青色)に用い、R(赤色)に公知の燐光材料を用いることで、発光効率の高い発光
素子を得ることができる。したがって、この発光素子を画素として用いた本発明に係るア
クティブ型の発光装置は、より低消費電力で動作させることができる。
(実施の形態5)
【0143】
本発明に係る発光素子を含む発光装置は低消費電力で動作させることができるため、本
発明によって、低消費電力の電子機器を得ることができる。
【0144】
本発明を適用した発光装置を実装した本発明に係る電子機器の一実施例を図8に示す。
【0145】
図8(A)は、本発明を適用して作製したコンピュータであり、本体5521、筐体5
522、表示部5523、キーボード5524などによって構成されている。表示部55
23には、実施の形態1、2で説明した本発明に係る有機金属錯体を発光物質として用い
た発光素子がマトリクス状に配置された発光装置が組み込まれている。このように、本発
明に係る有機金属錯体を含む発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことでコ
ンピュータを完成できる。このようなコンピュータの表示部は効率よく発光するため、消
費電力を少なくすることができる。
【0146】
図8(B)は、本発明を適用して作製した電話機であり、本体5552には表示部55
51と、音声出力部5554、音声入力部5555、操作スイッチ5556、5557、
アンテナ5553等によって構成されている。表示部5551には、実施の形態1、2で
説明した本発明に係る有機金属錯体を発光物質として用いた発光素子がマトリクス状に配
置された発光装置が組み込まれている。このように、本発明に係る有機金属錯体を含む発
光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことで電話機を完成できる。このような
電話機の表示部は効率よく発光するため、消費電力を少なくすることができる。
【0147】
図8(C)は、本発明を適用して作製したテレビ受像機であり、表示部5531、筐体
5532、スピーカー5533などによって構成されている。表示部5531には、実施
の形態1、2で説明した本発明に係る有機金属錯体を発光物質として用いた発光素子がマ
トリクス状に配置された発光装置が組み込まれている。このように、本発明に係る有機金
属錯体を含む発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことでテレビ受像機を完
成できる。このようなテレビ受像機の表示部は効率よく発光するため、消費電力を少なく
することができる。
【0148】
以上のように本発明に係る発光装置は、各種電子機器の表示部として用いるのに非常に
適している。なお、本形態では、パーソナルコンピュータ、電話機等について述べている
が、この他にナビゲイション装置、或いはカメラ等に本発明に係る発光素子を有する発光
装置を実装しても構わない。
【実施例1】
【0149】
〔合成例1〕
構造式(13)で表される本発明に係る有機金属錯体(名称:ビス[3,5−ビス(4
−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−1,2,4−トリアゾラト](ピコリナ
ト)イリジウム(III)、略称:[Ir(t−Butaz)(pic)])の合成法
について説明する。
【0150】
〔ステップ1:複核錯体([Ir(t−Butaz)Cl])の合成〕
まず、2−エトキシエタノール30mlと水10mlとの混合液を溶媒として、配位子
H(t−Butaz)(3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−4−フェニ
ル−[1,2,4]トリアゾール)[H.W.SANDS.CORP.製]を2.59g
、塩化イリジウム(IrCl・HO)を0.76g混合し、窒素雰囲気下において1
4時間還流することにより、複核錯体[Ir(t−Butaz)Cl] を得た(黄
色粉末、収率53%)。ステップ1の合成に係る合成スキーム(a−1)を次に示す。
【0151】
【化95】

【0152】
〔ステップ2:本発明に係る有機金属錯体(略称:[Ir(t−Butaz)(pic
)])の合成〕
ジクロロメタン20mlを溶媒として、上記で得られた[Ir(t−Butaz)Cl
を0.60g、ピコリン酸(Hpic)を0.28g混合し、窒素雰囲気下にて1
8時間還流した。反応溶液を濃縮乾固し、クロロホルムにて再結晶を行い、本発明に係る
有機金属錯体Ir(t−Butaz)(pic)を得た(黄色結晶、収率72%)。ス
テップ2の合成に係る合成スキーム(a−2)を次に示す。
【0153】
【化96】

【0154】
得られた化合物の質量分析結果を下記に示す。
【0155】
MS:m/z 1133([M+H]),1155([M+Na]
【0156】
得られた化合物の核磁気共鳴分光法(H−NMR)の結果を下記に示す。また、H−
NMRのチャートを図9に示す。
【0157】
H−NMR.δ(CDCl):8.32(d,1H),7.96(d,1H),7.
81(td,1H),7.59(m,9H),7.44(m,2H),7.35−7.1
7(m,8H),6.82(d,1H),6.67(m,2H),6.57(dd,1H
),6.27−6.20(m,2H),1.26(s,9H),1.24(s,9H),
1.16(s,9H),1.12(s,9H)
【0158】
また、得られた本発明に係る有機金属錯体Ir(t−Butaz)(pic)の分解温
度T を示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子株式会社製,TG/DTA 320
型)により測定したところ、T =410 ℃であり、良好な耐熱性を示すことがわか
った。
【0159】
次に、図10にIr(t−Butaz)(pic)のジクロロメタン中における(a)
吸収スペクトル、(b)発光スペクトル(PL)の室温での測定結果を示す。なお、図1
0において、横軸は波長(nm)、縦軸は吸収及び発光の強度(任意単位)を表す。図1
0から分かるように、本発明に係る有機金属錯体Ir(t−Butaz)(pic)は
318nm(sh),348nm(sh),382nm,450nm(sh)に吸収ピー
クを有し、509nmに発光ピークを有し、緑色に発光した。
【0160】
本発明に係る有機金属錯体Ir(t−Butaz)(pic)のジクロロメタン溶液に
光照射し、酸素を溶存させると化合物由来の発光がほとんど見られないのに対し、アルゴ
ンを溶存させると発光が見られることから、燐光を発する物質と同様の傾向を示した。こ
のことから、Ir(t−Butaz)(pic)由来の発光は燐光であることが確認で
きる。
【0161】
〔合成例2〕
本合成例2では、構造式(15)で表される本発明に係る有機金属錯体(名称:ビス[
3,5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−1,2,4−トリアゾ
ラト][テトラキス(1−ピラゾリル)ボラト]イリジウム(III)、略称:[Ir(
t−Butaz)(bpz)])の合成法について説明する。
【0162】
〔ステップ1:本発明に係る有機金属錯体(略称:[Ir(t−Butaz)(bpz
)])の合成〕
まず、40mLのジクロロメタンに合成例1のステップ1で得られた複核錯体[Ir(
t−Butaz)Cl]を1.14g懸濁させた。その懸濁液に、40mLのメタノ
ール溶媒にトリフルオロメタンスルホン酸銀を0.36g溶解させた溶液を滴下した。滴
下後、懸濁液を室温にて2時間撹拌し、さらに遠心分離を行った。遠心分離によって得ら
れた上澄み液をデカンテーションにて取り分け、濃縮乾固した。次に、アセトニトリル3
0mLの溶媒に、濃縮乾固して得られた固体とテトラキス(1−ピラゾリル)ボラートカ
リウム塩(Acros Organics社製)0.61gとを混合し、その混合物を窒
素雰囲気下にて20時間還流し、黄色粉末(収率47%)を得た。
本合成の合成スキーム(a−2’)を次に示す。
【0163】
【化97】

【0164】
得られた黄色粉末を核磁気共鳴分光法(H−NMR)によって分析したところ、下記
のような結果が得られ、本発明の有機金属錯体のひとつであり、構造式(15)で表され
る[Ir(t−Butaz)(bpz)]であることが分かった。また、H−NM
Rのチャートを図11に示す。
【0165】
H−NMR.δ(CDCl):7.86(m,1H),7.74(m,4H),7.
67−7.58(m,14H),7.46(d,4H),7.37(d,2H),6.6
6(m,3H),6.57(dd,2H),6.35(m,1H),6.22−6.19
(m,5H),1.34(s,18H),1.08(s,18H)
【0166】
次に、図12にIr(t−Butaz)(bpz)のジクロロメタン中における(a
)吸収スペクトル、(b)発光スペクトル(PL)の室温での測定結果を示す。なお、図
12において、横軸は波長(nm)、縦軸は吸収及び発光の強度(任意単位)を表す。図
12から分かるように、本発明に係る有機金属錯体Ir(t−Butaz)(bpz
)は366nm,325nm(sh),450nmに吸収ピークを有し、458nm,4
89nmに発光ピークを有し、水色に発光した。
【0167】
〔合成例3〕
本合成例3では、構造式(55)で表される本発明に係る有機金属錯体(名称:ビス(
2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾラト)(ピコリナト)イリジウム(II
I)、略称:[Ir(poda)(pic)])の合成法について説明する。
【0168】
〔ステップ1:複核錯体([Ir(poda)Cl])の合成〕
まず、2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール1.37g(6.15mm
ol)、塩化イリジウム・一水和物0.5g(1.67mmol)を100mL三口フラ
スコへ入れ、さらに2−エトキシエタノール30mL、水10mLを加えて100℃で1
5時間加熱した。反応後、メンブランフィルターによりろ過したところ目的物の黄色固体
0.45g(収率40%)を得た。ステップ1の合成に係る合成スキーム(b−1)を次
に示す。
【0169】
【化98】

【0170】
[ステップ2:本発明に係る有機金属錯体(略称:[Ir(poda)(pic)])
の合成]
ステップ1で得た[Ir(poda)Cl]を0.45g(0.336mmol)、
ピコリン酸を0.10g(0.839mmol)、炭酸ナトリウムを0.36g(3.3
6mmol)を100mL三口フラスコへ入れ、さらに2−エトキシエタノール30mL
を加えて140℃で15時間加熱した。反応後、溶液を水で洗浄後、水層をクロロホルム
で抽出し、得られたクロロホルム溶液を有機層と併せて飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネ
シウムで乾燥した。ろ過、濃縮し得られた物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル)により精製し、クロロホルム及びヘキサンにより再結晶したところ目的物の黄
色固体0.27g(収率54%)を得た。ステップ2の合成に係る合成スキーム(b−2
)を次に示す。
【0171】
【化99】

【0172】
また、得られた本発明に係る有機金属錯体Ir(poda)(pic)の分解温度T
を示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子株式会社製,TG/DTA 320型)に
より測定したところ、440℃で完全に分解した。このことから、良好な耐熱性を示すこ
とがわかった。
【0173】
次に、図13にIr(poda)(pic)のジクロロメタン中における(a)吸収ス
ペクトル及び(b)発光スペクトル(PL)の室温での測定結果を示す。なお、図13に
おいて、横軸は波長(nm)、縦軸は吸収及び発光の強度(任意単位)を表す。図13か
ら分かるように、本発明に係る有機金属錯体Ir(poda)(pic)は330nm
(sh)、360nm(sh)、400nm(sh)、420nm(sh)に吸収ピーク
を有し、508nmに発光ピークを有し、緑色に発光した。
【0174】
本発明に係る有機金属錯体Ir(poda)(pic)のジクロロメタン溶液に光照射
し、酸素置換すると化合物由来の発光がほとんど見られないのに対し、アルゴン置換する
と発光が見られることから、燐光を発する物質と同様の傾向を示した。このことから、I
r(poda)(pic)由来の発光は燐光であることが確認できる。
【符号の説明】
【0175】
10 基板
11 トランジスタ
12 発光素子
13 第1の電極
14 第2の電極
15 層
16 層間絶縁膜
17 配線
18 隔壁層
19 層間絶縁膜
101 第1の電極
102 第2の電極
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 発光層
114 電子輸送層
115 電子注入層
121 正孔阻止層
200 基板
203 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
204 プリント配線基盤(PWB)
211 画素部
212 信号線駆動回路
213 書込用走査線駆動回路
214 消去用走査線駆動回路
301 トランジスタ
302 トランジスタ
303 発光素子
311 走査線
312 信号線
313 書込用走査線駆動回路
314 消去用走査線駆動回路
315 信号線駆動回路
316 電源
317 電源線
318 スイッチ
319 スイッチ
320 スイッチ
401 トランジスタ
402 トランジスタ
403 走査線
404 信号線
405 電源線
406 電極
407 領域
501 サブフレーム
502 サブフレーム
503 サブフレーム
504 サブフレーム
701 基板
702 電極
703 絶縁層
704 隔壁層
705 層
706 電極
501a 期間
501b 保持期間
504b 保持期間
504c 消去期間
504d 非発光期間
5521 本体
5522 筐体
5523 表示部
5524 キーボード
5531 表示部
5532 筐体
5533 スピーカー
5551 表示部
5552 本体
5553 アンテナ
5554 音声出力部
5555 音声入力部
5556 操作スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール誘導体を配位子とするオルトメタル錯体を発光中心として有する発光材料。
【請求項2】
一般式(G1)で表される発光中心を有する発光材料。
【化1】


(式中、Xは、−N(R10)−を表す。R〜Rは、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のいずれかを表す。また、R10は、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数6〜12のアリール基、または炭素数4〜10のヘテロアリール基、のいずれかを表す。また、Mは第9族元素または第10族元素を表す。)
【請求項3】
一般式(G3)で表される発光中心を有する発光材料。
【化2】


(式中、Xは、−N(R30)−を表す。R21〜R29は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のいずれかを表す。また、R30は、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数6〜12のアリール基、または炭素数4〜10のヘテロアリール基、のいずれかを表す。)
【請求項4】
一般式(G5)で表される発光中心を有する発光材料。
【化3】


(式中、R41、R42は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のいずれかを表す。また、Mは第9族元素または第10族元素を表す。)
【請求項5】
一般式(G7)で表される発光中心を有する発光材料。
【化4】


(式中、R45、R46は、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシロキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、のいずれかを表す。)
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光材料を有する膜。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発光材料を有する発光素子。
【請求項8】
請求項7に記載の発光素子を有する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−207035(P2012−207035A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−157155(P2012−157155)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【分割の表示】特願2006−282319(P2006−282319)の分割
【原出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】