説明

発光装置、照明装置および車両用前照灯

【課題】発光部の熱を有効に利用する。
【解決手段】ヘッドランプ1は、レーザ光を出射する半導体レーザ3と、半導体レーザ3から出射された励起光により発光する発光部7と、発光部7の熱を受け取る熱伝導部材13とを備えている。熱伝導部材13は、熱伝導部材13が受け取った発光部7の熱を他の部材に伝導し、利用できるように配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高輝度光源として機能する発光装置並びに、当該発光装置を備えた車両用前照灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、励起光源として発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)や半導体レーザ(LD;Laser Diode)等の半導体発光素子を用い、これらの励起光源から生じた励起光を、蛍光体を含む発光部に照射することによって発生する蛍光を照明光として用いる発光装置の研究が盛んになってきている。
【0003】
このような発光装置に関する技術の例として特許文献1に開示された灯具がある。この灯具では、高輝度光源を実現するために、励起光源として半導体レーザを用いている。半導体レーザから発振されるレーザ光は、コヒーレントな光であるため、指向性が強く、当該レーザ光を励起光として無駄なく集光し、利用することができる。このような半導体レーザを励起光源として用いた発光装置(LD発光装置と称する)を車両用ヘッドランプに好適に適用することができる。励起光源として半導体レーザを用いることにより、LEDでは実現し得なかった高輝度の光源を実現できる。
【0004】
このようなレーザ光を励起光として用いた場合、微小な発光部、すなわち微小な体積の発光部において、発光部に照射されて吸収される励起光のうちの、蛍光体により蛍光に変換されること無く熱に変換されてしまう成分が、発光部の温度を容易に上昇させ、その結果、発光部の特性低下や熱による損傷を引き起こしてしまう。
【0005】
この問題を解決するために特許文献2の発明では、波長変換部材(発光部に相当)に熱的に接続された透光性で板状の熱伝導部材を設け、この熱伝導部材により波長変換部材の発熱を軽減している。
【0006】
また、特許文献3の発明では、波長変換部材を円筒形状のフェルールで保持し、このフェルールにワイヤ状の熱伝導部材を熱的に接続することにより波長変換部材の発熱を軽減している。
【0007】
また、特許文献4の発明では、光変換部材(発光部に相当)の、半導体発光素子が位置する側に、冷媒が流れる流路を有する放熱部材を設け、光変換部材を冷却している。
【0008】
なお、光源としての高出力LEDチップの表面に透光性のヒートシンクを熱的に接続し、高出力LEDチップを冷却する構成が特許文献5に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−150041号公報(2005年6月9日公開)
【特許文献2】特開2007−27688号公報(2007年2月1日公開)
【特許文献3】特開2007−335514号公報(2007年12月27日公開)
【特許文献4】特開2005−294185号公報(2005年10月20日公開)
【特許文献5】特表2009−513003号公報(2009年3月26日公表)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、上記従来の構成では、発光部を冷却することに重きが置かれており、発光部の熱を利用するという技術的思想は、上記特許文献には全く開示されていない。
【0011】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、発光部の熱を有効に利用できる発光装置および車両用前照灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る発光装置は、上記の課題を解決するために、励起光を出射する励起光源と、上記励起光源から出射された励起光により発光する発光部と、上記発光部と熱の伝導が可能なように接続された第1熱伝導部材とを備え、上記第1熱伝導部材は、当該第1熱伝導部材が受け取った上記発光部の熱を他の部材に伝導し、利用できるように配設されていることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、励起光を受けて発光部が発光するときに、励起光の一部が蛍光に変換させずに熱となり発光部の温度が上昇する。この熱は、発光部と熱の伝導が可能なように接続された第1熱伝導部材に伝えられた後に、他の部材に伝導され、利用される。例えば、結露の防止または除去、または、凍結の防止または融解、または融雪のために利用される。
【0014】
それゆえ、発光部の熱を有効利用でき、融雪等のために別途エネルギーを消費する必要がなくなる。
【0015】
また、上記第1熱伝導部材は、上記発光部における上記励起光が照射される面である励起光照射面の側に配置され、上記励起光を透過するものであることが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、第1熱伝導部材は、発光部の励起光照射面の側に配置され、発光部の熱を吸収することにより発光部を冷却する。この第1熱伝導部材は透光性であるため、励起光は当該第1熱伝導部材を透過して発光部に到達できる。発光部のうち、励起光照射面が最も発熱するため、第1熱伝導部材を励起光照射面の側に配置することにより効果的に発光部を冷却できる。
【0017】
また、上記第1熱伝導部材が受け取った熱は反射鏡に伝導されることが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、発光部の熱が第1熱伝導部材を介して反射鏡に伝導され、反射鏡が暖められる。それゆえ、反射鏡表面の結露(または凍結)を防止または除去できる。
【0019】
また、反射鏡の開口部に設けられ、照明光としての上記発光部の蛍光を透過する第1透光部材をさらに備え、上記第1熱伝導部材が受け取った熱は上記第1透光部材に伝導されることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、発光部の熱によって第1透光部材が暖められる。この第1透光部材は、反射鏡の開口部に設けられ、照明光を透過することにより発光装置の外部へ出射するものである。第1透光部材が暖められることにより、第1透光部材の結露の防止等を行うことができる。
【0021】
また、上記発光装置を備える車両用前照灯も本発明の技術的範囲に含まれる。この車両用前照灯では、発光部の熱を利用することにより、車両用前照灯の結露の防止または除去、または、凍結の防止または融解、または融雪を行うことができる。
【0022】
また、上記車両用前照灯は、上記発光装置が出射した照明光を透過することにより車両用前照灯の外部へ出射する第2透光部材と、上記第1熱伝導部材が受け取った熱を第2透光部材に伝導する第2熱伝導部材とをさらに備えることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、車両用前照灯に第2透光部材が設けられており、発光装置から出射された照明光は、第2透光部材を透過することにより車両用前照灯の外部へ出射される。この第2透光部材は、第2熱伝導部材を介して第1熱伝導部材と熱の授受が可能なように接続されており、第1熱伝導部材が受け取った発光部の熱は第2透光部材に伝導される。そのため、発光部の熱によって第2透光部材を暖めることができる。
【0024】
それゆえ、第2透光部材の結露の防止または除去、または、凍結の防止または融解、または融雪を行うことができ、発光部の熱を有効利用できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る発光装置は、以上のように、励起光を出射する励起光源と、上記励起光源から出射された励起光により発光する発光部と、上記発光部と熱の伝導が可能なように接続された第1熱伝導部材とを備え、上記第1熱伝導部材は、当該第1熱伝導部材が受け取った上記発光部の熱を他の部材に伝導し、利用できるように配設されている構成である。
【0026】
それゆえ、発光部の熱を有効利用でき、融雪等のために別途エネルギーを消費する必要がなくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係るヘッドランプの構成を示す断面図である。
【図2】上記ヘッドランプが備える発光部と熱伝導部材とが接着層によって接着されている構造を示す図である。
【図3】拡散剤の好ましい一例を示す断面図である。
【図4】(a)は、半導体レーザの回路図を模式的に示したものであり、(b)は、半導体レーザの基本構造を示す斜視図である。
【図5】(a)〜(c)は、固定部の変形例を示す図である。
【図6】上記発光部の変更例を示す断面図である。
【図7】上記ヘッドランプが備える発光部および熱伝導部材の具体例を示す図である。
【図8】本発明の別の実施形態に係るヘッドランプの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。ここでは、本発明の照明装置の一例として、自動車用のヘッドランプ(発光装置、照明装置、車両用前照灯)1を例に挙げて説明する。ただし、本発明の照明装置は、自動車以外の車両・移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプとして実現されてもよいし、その他の照明装置として実現されてもよい。その他の照明装置として、例えば、サーチライト、街灯、信号機を挙げることができる。
【0029】
また、ヘッドランプ1は、走行用前照灯(ハイビーム)の配光特性基準を満たしていてもよいし、すれ違い用前照灯(ロービーム)の配光特性基準を満たしていてもよい。
【0030】
(ヘッドランプ1の構成)
まず、図1を参照しながら、ヘッドランプ1の構成について説明する。図1は、ヘッドランプ1の構成を示す断面図である。同図に示すように、ヘッドランプ1は、半導体レーザアレイ2と、非球面レンズ4と、光ファイバー5と、フェルール6と、発光部7と、反射鏡8と、透明板(第1透光部材)9と、ハウジング10と、エクステンション11と、レンズ(第2透光部材)12と、熱伝導部材(第1熱伝導部材)13と接着層15とを備えている。接着層15は熱伝導部材13と発光部7との間隙に充填される間隙層として機能する。また、図2に示すように、接着層15には拡散剤16が含まれている。図2は、発光部7と熱伝導部材13とが接着層15によって接着されている構造を示す図である。
【0031】
(半導体レーザアレイ2/半導体レーザ3)
半導体レーザアレイ2は、励起光を出射する励起光源として機能し、複数の半導体レーザ(励起光源)3を基板上に備えるものである。半導体レーザ3のそれぞれから励起光としてのレーザ光が発振される。なお、励起光源として複数の半導体レーザ3を用いる必要は必ずしもなく、半導体レーザ3を1つのみ用いてもよいが、高出力のレーザ光を得るためには、複数の半導体レーザ3を用いる方が容易である。
【0032】
半導体レーザ3は、1チップに1つの発光点を有するものであり、例えば、405nm(青紫色)のレーザ光を発振し、出力1.0W、動作電圧5V、電流0.6Aのものであり、直径5.6mmのパッケージに封入されているものである。半導体レーザ3が発振するレーザ光は、405nmに限定されず、380nm以上470nm以下の波長範囲にピーク波長を有するレーザ光であればよい。
【0033】
なお、380nmより小さい波長のレーザ光を発振する良質な短波長用の半導体レーザを作製することが可能であれば、本実施の形態の半導体レーザ3として、380nmより小さい波長のレーザ光を発振するように設計された半導体レーザを用いることも可能である。
【0034】
また、本実施形態では、励起光源として半導体レーザを用いたが、半導体レーザの代わりに、発光ダイオードを用いることも可能である。
【0035】
(非球面レンズ4)
非球面レンズ4は、半導体レーザ3から発振されたレーザ光(励起光)を、光ファイバー5の一方の端部である入射端部5bに入射させるためのレンズである。例えば、非球面レンズ4として、アルプス電気製のFLKN1 405を用いることができる。上述の機能を有するレンズであれば、非球面レンズ4の形状および材質は特に限定されないが、405nm近傍の透過率が高く、かつ耐熱性のよい材料であることが好ましい。
【0036】
(光ファイバー5)
(光ファイバー5の配置)
光ファイバー5は、半導体レーザ3が発振したレーザ光を発光部7へと導く導光部材であり、複数の光ファイバーの束である。この光ファイバー5は、上記レーザ光を受け取る複数の入射端部5bと、入射端部5bから入射したレーザ光を出射する複数の出射端部5aとを有している。複数の出射端部5aは、発光部7のレーザ光照射面(励起光照射面)7aにおける互いに異なる領域に対してレーザ光を出射する。
【0037】
例えば、複数の光ファイバー5の出射端部5aは、レーザ光照射面7aに対して平行な平面において並んで配置されている。このような配置により、出射端部5aから出射されるレーザ光の光強度分布における最も光強度が大きいところ(各レーザ光がレーザ光照射面7aに形成する照射領域の中央部分(最大光強度部分))が、発光部7のレーザ光照射面7aの互いに異なる部分に対して出射されるため、発光部7のレーザ光照射面7aに対してレーザ光を2次元平面的に分散して照射することができる。
【0038】
それゆえ、発光部7にレーザ光が局所的に照射されることにより、発光部7の一部が著しく劣化することを防止できる。
【0039】
なお、光ファイバー5は複数の光ファイバーの束(すなわち複数の出射端部5aを備えた構成)である必要は必ずしもなく、出射端部5aは1つであってもよい。
【0040】
また、出射端部5aは、レーザ光照射面7aに接触していてもよいし、僅かに間隔をおいて配置されてもよい。特に、出射端部5aがレーザ光照射面7aと間隔をおいて配置される場合、その間隔は、出射端部5aから出射され円錐状に拡がるレーザ光が、レーザ光照射面7aに全て照射されるように定められることが好ましい。
【0041】
(光ファイバー5の材質および構造)
光ファイバー5は、中芯のコアを、当該コアよりも屈折率の低いクラッドで覆った2層構造をしている。コアは、レーザ光の吸収損失がほとんどない石英ガラス(酸化ケイ素)を主成分とするものであり、クラッドは、コアよりも屈折率の低い石英ガラスまたは合成樹脂材料を主成分とするものである。例えば、光ファイバー5は、コアの径が200μm、クラッドの径が240μm、開口数NAが0.22の石英製のものであるが、光ファイバー5の構造、太さおよび材質は上述のものに限定されず、光ファイバー5の長軸方向に対して垂直な断面は矩形であってもよい。
【0042】
また、光ファイバー5は、可撓性を有しているため、出射端部5aの、発光部7のレーザ光照射面7aに対する配置を容易に変えることができる。それゆえ、発光部7のレーザ光照射面7aの形状に沿って出射端部5aを配置することができ、レーザ光を発光部7のレーザ光照射面7aの全面にわたってマイルドに照射することができる。
【0043】
また、光ファイバー5は、可撓性を有しているため、半導体レーザ3と発光部7との相対位置関係を容易に変更できる。また、光ファイバー5の長さを調整することにより、半導体レーザ3を発光部7から離れた位置に設置することができる。
【0044】
それゆえ、半導体レーザ3を、冷却しやすい位置または交換しやすい位置に設置できるなど、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。すなわち、入射端部5bと出射端部5aとの位置関係を容易に変更することができ、半導体レーザ3と発光部7との位置関係を容易に変更することができるので、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。
【0045】
なお、導光部材として光ファイバー以外の部材、または光ファイバーと他の部材とを組み合わせたものを用いてもよい。例えば、レーザ光の入射端部と出射端部とを有する円錐台形状(または角錐台形状)の導光部材を1つまたは複数用いてもよい。
【0046】
(フェルール6)
フェルール6は、光ファイバー5の複数の出射端部5aを発光部7のレーザ光照射面に対して所定のパターンで保持する。このフェルール6は、出射端部5aを挿入するための孔が所定のパターンで形成されているものでもよいし、上部と下部とに分離できるものであり、上部および下部の接合面にそれぞれ形成された溝によって出射端部5aを挟み込むものでもよい。
【0047】
このフェルール6は、反射鏡8から延出する棒状または筒状の部材などによって反射鏡8に対して固定されていてもよいし、熱伝導部材13に対して固定されていてもよい。フェルール6の材質は、特に限定されず、例えばステンレススチールである。また、1つの発光部7に対して、複数のフェルール6を配置してもよい。
【0048】
なお、光ファイバー5の出射端部5aが1つの場合には、フェルール6を省略することも可能である。ただし、出射端部5aのレーザ光照射面7aに対する相対位置を正確に固定するために、フェルール6を設けることが好ましい。
【0049】
(発光部7)
(発光部7の組成)
発光部(波長変換部材)7は、出射端部5aから出射されたレーザ光を受けて発光するものであり、レーザ光を受けて発光する蛍光体を含んでいる。具体的には、発光部7は、蛍光体保持物質(封止材)としてのシリコーン樹脂の内部に蛍光体が分散されているものである。シリコーン樹脂と蛍光体との割合は、10:1程度である。また、発光部7は、蛍光体を押し固めたものであってもよい。蛍光体保持物質は、シリコーン樹脂等の樹脂材料に限定されず、いわゆる有機無機ハイブリッドガラスや無機ガラスであってもよい。
【0050】
上記蛍光体は、例えば、酸窒化物系のものであり、青色、緑色および赤色に発光する蛍光体のいずれか1つ以上がシリコーン樹脂に分散されている。半導体レーザ3は、405nm(青紫色)のレーザ光を発振するため、発光部7に当該レーザ光が照射されると複数の色が混合され白色光が発生する。それゆえ、発光部7は、波長変換材料であるといえる。
【0051】
なお、半導体レーザ3は、450nm(青色)のレーザ光(または、440nm以上490nm以下の波長範囲にピーク波長を有する、いわゆる「青色」近傍のレーザ光)を発振するものでもよく、この場合には、上記蛍光体は、黄色の蛍光体、または緑色の蛍光体と赤色の蛍光体との混合物である。黄色の蛍光体とは、560nm以上590nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。緑色の蛍光体とは、510nm以上560nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。赤色の蛍光体とは、600nm以上680nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。
【0052】
(蛍光体の種類)
発光部7は、酸窒化物系蛍光体またはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体を含んでいることが好ましい。これらの材料は、半導体レーザ3から発せられた極めて強いレーザ光(出力および光密度)に対しての耐性が高く、レーザ照明光源に最適である。
【0053】
代表的な酸窒化物系蛍光体として、サイアロン蛍光体と通称されるものがある。サイアロン蛍光体とは、窒化ケイ素のシリコン原子の一部がアルミニウム原子に、窒素原子の一部が酸素原子に置換された物質である。窒化ケイ素(Si)にアルミナ(Al)、シリカ(SiO)および希土類元素などを固溶させて作ることができる。
【0054】
一方、半導体ナノ粒子蛍光体の特徴の一つは、同一の化合物半導体(例えばインジュウムリン:InP)を用いても、その粒子径をナノメータサイズに変更することにより、量子サイズ効果によって発光色を変化させることができる点である。例えば、InPでは、粒子サイズが3〜4nm程度のときに赤色に発光する(ここで、粒子サイズは透過型電子顕微鏡(TEM)にて評価した)。
【0055】
また、この半導体ナノ粒子蛍光体は、半導体ベースであるので蛍光寿命が短く、励起光のパワーを素早く蛍光として放射できるのでハイパワーの励起光に対して耐性が強いという特徴もある。これは、この半導体ナノ粒子蛍光体の発光寿命が10ナノ秒程度と、希土類を発光中心とする通常の蛍光体材料に比べて5桁も小さいためである。
【0056】
さらに、上述したように、発光寿命が短いため、レーザ光の吸収と蛍光体の発光とを素早く繰り返すことができる。その結果、強いレーザ光に対して高効率を保つことができ、蛍光体からの発熱を低減させることができる。
【0057】
よって、発光部7が熱により劣化(変色や変形)するのを、より抑制することができる。これにより、光の出力が高い発光素子を光源として用いる場合に、発光装置の寿命が短くなるのをより抑制することができる。
【0058】
(発光部7の形状・サイズ)
発光部7の形状および大きさは、例えば、直径3.2mmおよび厚さ1mmの円柱形状であり、出射端部5aから出射されたレーザ光を、当該円柱の底面であるレーザ光照射面7aにおいて受光する。
【0059】
また、発光部7は、円柱形状でなく、直方体であってもよい。例えば、3mm×1mm×1mmの直方体である。この場合、半導体レーザ3からのレーザ光を受けるレーザ光照射面の面積は、3mmである。日本国内で法的に規定されている車両用ヘッドランプの配光パターン(配光分布)は、鉛直方向に狭く、水平方向に広いため、発光部7の形状を、水平方向に対して横長(断面略長方形形状)にすることにより、上記配光パターンを実現しやすくなる。
【0060】
ここで必要とされる発光部7の厚みは、発光部7における蛍光体保持物質と蛍光体との割合に従って変化する。発光部7における蛍光体の含有量が多くなれば、レーザ光が白色光に変換される効率が高まるため発光部7の厚みを薄くできる。発光部7を薄くすれば熱伝導部材13への放熱効果も高まる効果があるが、あまり薄くするとレーザ光が蛍光に変換されず外部に放射される恐れがあり、蛍光体での励起光の吸収の観点からすると発光部の厚みは蛍光体の粒径の少なくとも10倍以上あることが好ましい。この観点からするとナノ粒子蛍光体を用いた場合の発光部の厚みは0.01μm以上であればよいことになるが、封止材中への分散等、製造プロセスの容易性を考慮すると10μm以上、すなわち0.01mm以上が好ましい。逆に厚くしすぎると反射鏡8の焦点からのずれが大きくなり配光パターンがぼけてしまう。
【0061】
このため酸窒化物蛍光体を用いた発光部7の厚みとしては、0.2mm以上、2mm以下が好ましい。ただし、蛍光体の含有量を極端に多くした場合(典型的には蛍光体が100%)、厚みの下限はこの限りではない。
【0062】
さらに、発光部7のレーザ光照射面7aは、平面である必要は必ずしもなく、曲面であってもよい。ただし、レーザ光の反射を抑えるためには、レーザ光照射面7aはレーザ光の光軸に対して垂直な平面であることが好ましい。
【0063】
また、発光部7は、図1および図2に示すように、熱伝導部材13の面のうち、レーザ光が照射される側とは反対側の面に接着層15によって固定されている。
【0064】
(反射鏡8)
反射鏡8は、発光部7から出射した光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成するものである。すなわち、反射鏡8は、発光部7からの光を反射することにより、ヘッドランプ1の前方へ進む光線束を形成する。この反射鏡8は、例えば、金属薄膜がその表面に形成された曲面形状(カップ形状)の部材である。
【0065】
(透明板9)
透明板9は、反射鏡8の開口部に設けられ、照明光としての発光部7の蛍光を透過する透明な樹脂板である。この透明板9を、半導体レーザ3からのレーザ光を遮断するとともに、発光部7においてレーザ光を変換することにより生成された白色光(インコヒーレントな光)を透過する材質で形成することが好ましい。発光部7によってコヒーレントなレーザ光は、そのほとんどがインコヒーレントな白色光に変換される。しかし、何らかの原因でレーザ光の一部が変換されない場合も考えられる。このような場合でも、透明板9によってレーザ光を遮断することにより、レーザ光が外部に漏れることを防止できる。
【0066】
また、透明板9は、熱伝導部材13と共に、発光部7を固定するために用いられてもよい。すなわち、発光部7を熱伝導部材13と透明板9とで挟持してもよい。この場合、透明板9は、発光部7と熱伝導部材13との相対位置関係を固定する固定部として機能する。発光部7を熱伝導部材13と透明板9とで挟持することにより、接着層15の接着力が弱い場合でも発光部7の位置をより確実に固定できる。
【0067】
このとき、透明板9が、発光部7よりも高い熱伝導率を有しているもの(例えば、発光部を構成する封止材がシリコーン樹脂の場合に、ガラス)であれば、透明板9による発光部7の冷却効果を得ることができる。
【0068】
なお、発光部7を熱伝導部材13のみで固定する場合には、透明板9を省略することも可能である。
【0069】
(ハウジング10)
ハウジング10は、ヘッドランプ1の本体を形成しており、反射鏡8等を収納している。光ファイバー5は、このハウジング10を貫いており、半導体レーザアレイ2は、ハウジング10の外部に設置される。半導体レーザアレイ2は、レーザ光の発振時に発熱するが、ハウジング10の外部に設置することにより半導体レーザアレイ2を効率良く冷却することが可能となる。したがって、半導体レーザアレイ2から発生する熱による、発光部7の特性劣化や熱的損傷等が防止される。
【0070】
また、半導体レーザ3は、万一故障した時のことを考慮すると、交換しやすい位置に設置することが好ましい。これらの点を考慮しなければ、半導体レーザアレイ2をハウジング10の内部に収納してもよい。
【0071】
(エクステンション11)
エクステンション11は、反射鏡8の前方の側部に設けられており、ヘッドランプ1の内部構造を隠して、ヘッドランプ1の見栄えを良くするとともに、反射鏡8と車体との一体感を高めている。このエクステンション11も反射鏡8と同様に金属薄膜がその表面に形成された部材である。
【0072】
(レンズ12)
レンズ12は、ハウジング10の開口部に設けられており、ヘッドランプ1を密封している。発光部7が発生し、反射鏡8によって反射された光は、レンズ12を通ってヘッドランプ1の前方へ出射される。すなわち、レンズ12は、照明光としての発光部7の蛍光を透過することにより車両用前照灯の外部へ出射する透光部材である。
【0073】
(熱伝導部材13)
熱伝導部材(高熱伝導部材)13は、発光部7における励起光が照射される面であるレーザ光照射面(励起光照射面)7aの側に配置され、発光部7の熱を受け取る透光性の部材であり、発光部7と熱的に(すなわち、熱エネルギーの授受が可能なように)接続されている。具体的には、発光部7と熱伝導部材13とは、図2に示すように、接着層(間隙層)15によって接着されている。図2は、発光部7が接着層15によって熱伝導部材13に接着されている状態を示す図である。
【0074】
熱伝導部材13は、板状の部材であり、その一方の端部が発光部7のレーザ光照射面7a熱的に接触しており、他方の端部が反射鏡8に接続されている。すなわち、熱伝導部材13は、受け取った発光部7の熱を他の部材に伝導し、利用できるように配設されている。
【0075】
熱伝導部材13は、このような形状および接続形態を有することで、微小な発光部7を発光部固定位置で保持しつつ、発光部7から発生する熱を反射鏡8に伝導する。この構成により、反射鏡8が暖められ、反射鏡8の表面の結露が防止または除去される。
【0076】
なお、熱伝導部材13は、発光部7によって暖められるため、熱伝導部材13そのものが結露した場合でも、その結露(くもり)が除去される。
【0077】
熱伝導部材13の熱を効率良く反射鏡8の全体に伝えるためには、反射鏡8を金属によって形成することが好ましい。ただし、軽量化を図るために反射鏡8を樹脂で形成する場合には、熱伝導部材13の熱を反射鏡8の表面全体に伝えるために、反射鏡8の表面に熱伝導部材13と熱的に接続された金属線を設けてもよい。
【0078】
発光部7の熱を効率良く伝導するために、熱伝導部材13の熱伝導率は、20W/mK以上であることが好ましい。また、半導体レーザ3から出射されたレーザ光は、熱伝導部材13を透過して発光部7に到達する。そのため、熱伝導部材13は、透光性の優れた材質からなるものであることが好ましい。
【0079】
これらの点を考慮して、熱伝導部材13の材質としては、サファイア(Al)やマグネシア(MgO)、窒化ガリウム(GaN)、スピネル(MgAl)が好ましい。これらの材料を用いることにより、熱伝導率20W/mK以上を実現できる。
【0080】
また、図2において符号13cで示す熱伝導部材13の厚み(熱伝導部材13における、レーザ光照射面7aの側に位置する第1面13aと当該第1面13aと対向する第2面13bとの間の厚み)は、0.3mm以上、3.0mm以下が好ましい。0.3mmよりも薄いと発光部7の放熱を十分にできず、発光部7が劣化してしまう可能性がある。また、3.0mmを超えるような厚みにすると、照射されたレーザ光の熱伝導部材13における吸収が大きくなり、励起光の利用効率が顕著に下がる。
【0081】
熱伝導部材13を適切な厚みで発光部7に当接させることにより、特に発光部7での発熱が1Wを超えるような極めて強いレーザ光を照射しても、その発熱が迅速且つ効率的に放熱され、発光部7が損傷(劣化)してしまうことを防止できる。
【0082】
なお、熱伝導部材13は、折れ曲がりのない板状のものであってもよいし、折れ曲がった部分や湾曲した部分を有していてもよい。ただし、発光部7が接着される部分は、接着の安定性の観点から平面(板状)である方が好ましい。
【0083】
(熱伝導部材13の変更例)
熱伝導部材13は、透光性を有する部分(透光部)と透光性を有さない部分(遮光部)とを有していてもよい。この構成の場合、透光部は発光部7のレーザ光照射面7aを覆うように配置され、遮光部はその外側に配置される。
【0084】
遮光部は、金属(例えば銅やアルミ)の放熱パーツであってもよいし、アルミや銀その他、照明光を反射させる効果のある膜が透光性部材の表面に形成されているものであってもよい。
【0085】
(接着層15)
接着層15は、熱伝導部材13とレーザ光照射面7aとの間の隙間を埋める接着剤の層である。発光部7に含まれる蛍光体の大きさは直径1〜20μm前後であり、例えばサファイアからなる研磨された熱伝導部材13の表面に発光部7を当接させれば、比較的大きな隙間が生じる。熱伝導部材13と発光部7のレーザ光照射面7aとの間に接着層15を設けることにより、この隙間を埋めることができる。これにより、熱伝導部材13とレーザ光照射面7aとの接触面積が実質的に増える。そのため、熱伝導部材13の熱吸収効率を高めることができる。このとき接着層15が、発光部7と同等か、それよりも高い熱伝導率を有していれば、熱伝導部材13の熱吸収効率をさらに高めることができる。
【0086】
また、接着層15は、発光部7と熱伝導部材13との熱膨張率の差を吸収する柔軟性(または粘性)を有していることが好ましい。発光部7が発熱した場合、発光部7と熱伝導部材13とでは熱膨張率が異なるため、その熱膨張率の差によって発光部7が熱伝導部材13から剥離する可能性がある。
【0087】
接着層15が熱伝導部材との熱膨張率の差を吸収する柔軟性(または粘性)を有していれば、発光部7の発熱により当該発光部7が熱伝導部材13から剥離することを防止できる。
【0088】
接着層15の一例として、アーデル社製の可視光重合型光学用接着剤エピカコール(Epixacolle)EP433を挙げることができる。この製品の熱伝導率は開示されていないが、アクリル系接着剤であることから、0.1〜0.3W/mK程度と考えられる。
【0089】
また、接着層15の厚み(熱伝導部材13とレーザ光照射面7aとの間の厚み)は、1μm以上、30μm以下であることが好ましい。接着層15の厚みを1μm以上、30μm以下にすることにより、接着層15の熱伝導率が発光部7の熱伝導率よりも低い場合でも、接着層15の熱抵抗を小さくでき、発光部7において生じた熱を、接着層15を介して熱伝導部材13に効率良く伝えることができる。例えば、接着層15の熱伝導率が1W/mKであり、かつ接着層15の厚みが0.1mmの場合と、接着層15の熱伝導率が0.2W/mKであり、かつ接着層15の厚みが20μm(=0.02mm)の場合とでは、熱抵抗は、結果的に同じになる。
【0090】
(拡散剤16)
接着層15には拡散剤16が含まれていてもよい。レーザ光はコヒーレントな光であり、発光部7において蛍光に変換または拡散されずにそのまま外部に放射されると人体に害を及ぼす可能性がある。接着層15に拡散剤16を含めることにより、光ファイバー5から出射されたレーザ光が拡散される。
【0091】
それゆえ、発光部7においてレーザ光が全て蛍光に変換または拡散されない事態が生じても、予めレーザ光を拡散剤16によって拡散しておくことで、コヒーレントな光が外部にもれる可能性を低減できる。
【0092】
拡散剤16の好ましい材質として、SiOビーズ(真球形状、粒径:数nm〜数μm、0.1%〜数%接着層15に混合させる)、Alビーズ、ダイヤモンドビーズ等を挙げることができる。拡散剤16が多すぎると発光部7に到達するレーザ光が低減してしまうため、拡散剤16の量は、接着層15の1gあたり1mg〜30mg程度が好ましい。
【0093】
なお、このような無機物の透明体を混合させることにより、接着層15の熱伝導率を向上させる効果も得られる。SiOは、アクリル系樹脂よりも高い1.38W/mKであり、ダイヤモンド粒子を用いれば熱伝導率は800〜2000W/mKと非常に高いため、結果的に接着層15の熱伝導率を大幅に向上させることができる。
【0094】
(間隙層と発光部7との材質の組み合わせ)
上述のように、接着層15は、発光部7と同等か、それよりも高い熱伝導率を有していることが好ましい。接着層15は、本発明の間隙層のうち、接着剤を含むものであるため、ここでは間隙層という上位概念の表現を用いて、その材質の一例を説明する。
【0095】
間隙層および発光部7の材質の一例を表1に示す。これらの例の中には、間隙層の熱伝導率を高めるために拡散剤16と同様の材質からなる高熱伝導フィラー(高熱伝導性添加材)を間隙層に含めているものもある。高熱伝導フィラーとは、熱伝導性の高い材質を含む透光性の粒子である。
【0096】
以下の説明では、高熱伝導フィラーのうち、樹脂よりも熱伝導率が高いものを高熱伝導フィラーAと称し、高熱伝導フィラーAのうち、ガラスよりも熱伝導率が高いものを高熱伝導フィラーBと称する。
【0097】
高熱伝導フィラーAに属する材料の例としては、SiOビーズ、Alビーズ、ダイヤモンドビーズ等を挙げることができる。高熱伝導フィラーBに属する材料の例としては、Alビーズ、ダイヤモンドビーズ等を挙げることができる。
【0098】
【表1】

【0099】
例えば、間隙層をアクリル系接着剤で形成し、発光部7の封止材として樹脂系の材料(例えば、エポキシ、シリコーン、HBG(HyBrid Glass;有機無機ハイブリッドガラス)))を用いれば、間隙層の熱伝導率は、発光部7と同等となる。
【0100】
また、間隙層の熱伝導率が、発光部7の熱伝導率よりも高くなる組み合わせとして、例えば次の2タイプを挙げることができる。
【0101】
(1)発光部7の封止材が樹脂系の材料であるときは、間隙層として、アクリル系接着剤、高熱伝導フィラーAを混練したアクリル系接着剤、ガラスペースト(典型的には低融点ガラスを用いたもの)、または高熱伝導フィラーAまたはBを混練したガラスペーストを使用できる。
【0102】
この場合、高熱伝導フィラーAとして、アクリル系接着剤よりも高熱伝導である、熱伝導率が1W/mK程度のSiO(シリカ)ビーズ、熱伝導率が20〜40W/mK程度のAl(サファイア)ビーズ、熱伝導率が1000〜2000W/mK程度のダイヤモンドビーズを用いることができる。
【0103】
(2)発光部7の封止材が無機ガラスのときは、間隙層としては、低融点ガラス等を用いたガラスペースト、もしくはガラスペーストに高熱伝導フィラーBを混ぜたものを使用できる。
【0104】
低融点ガラスを用いると言えども、融かして接着するためには少なくとも400℃程度以上には加熱する必要があるため、高熱伝導フィラーは、使用するガラスペーストの溶融温度程度では、溶けたり、変質したりしないことが要求される。
【0105】
前述した高熱伝導フィラーの一例である、SiOビーズ(シリカ)の融点は1713℃、Alビーズの融点は2030℃、ダイヤモンドの融点は3550℃あるため、低融点ガラスの溶融温度程度では融けたり変質したりすることはない。
【0106】
(1)〜(2)のいずれの場合も、間隙層の熱伝導率が発光部の熱伝導率よりも高くなるように、間隙層に混ぜる高熱伝導フィラーを選択すればよい。
【0107】
ただし、間隙層の熱伝導率は、混ぜる高熱伝導フィラーの材質だけではなく、その濃度にも依存する。例えば、きわめて微量のダイヤモンドペーストを混合させたときよりも、サファイアビーズを比較的多量に混合させたときの方が、熱伝導率が高くなる。それゆえ、間隙層に混合させる高熱伝導フィラーの材質および量を調整することで、間隙層の熱伝導率を調整すればよい。
【0108】
また、複数種類の高熱伝導フィラーを間隙層に混合させてもよい。
【0109】
(熱抵抗について)
上述の説明では、熱伝導率に注目して各部材の材質について説明したが、熱抵抗という観点から本発明を捉えることもできる。
【0110】
本明細書中における熱抵抗とは、次の(1)式で表され、熱の伝わり難さを示す数値である。
【0111】
熱抵抗=(1/熱伝導率)・(放熱経路の長さ/放熱断面積)・・・(1)
他のパラメータが同じであれば、熱伝導率が高まると熱抵抗は低下する。それゆえ、発光部7および間隙層の熱伝導率を高めることは、これらの部材の熱抵抗を低下させることになる。
【0112】
熱抵抗を低下させる方法として、熱伝導率を高める以外にも、放熱面積(他の部材との接合面積)を増加させる、当該部材の厚みを低下させるなどの方法を用いることができる。
【0113】
なお、熱抵抗とは、熱の伝わり難さを示す数値であればよく、(1)式によって規定した以外の熱抵抗の概念を本発明に適用してもよい。
【0114】
(拡散剤16の形状)
また、上述の説明では、高熱伝導フィラーの例としてSiOビーズ等を挙げたが、高熱伝導フィラーは、球状である必要はなく、棒状や不定形であっても構わない。ただし、間隙層の厚みを制御するという観点からは、径が揃った真球であることが好ましい。
【0115】
図3は、拡散剤16の好ましい一例を示す断面図である。同図に示すように、拡散剤16は、所定の直径を有するほぼ球状(好ましくは、真球)の粒子であり、発光部7と熱伝導部材13との間の距離を一定に維持するとともに、熱伝導部材13および発光部7に接触することにより、発光部7の熱を熱伝導部材13に伝導する役割を有している。
【0116】
この拡散剤16は、熱伝導部材13と発光部7との間において一層のみ存在していることが好ましく、拡散剤16の間に間隙材(接着剤またはガラスペースト等)が充填されている。このような拡散剤16を設けることにより、間隙材が熱伝導率の低いアクリル系接着剤等の材質からなるものであっても、発光部7の熱を熱伝導部材13に効率良く伝導することができる。
【0117】
なお、熱伝導部材13と発光部7との間の距離が一定に保たれるのであれば、拡散剤16が複数の層を形成していてもよい。
【0118】
(半導体レーザ3の構造)
次に、半導体レーザ3の基本構造について説明する。図4(a)は、半導体レーザ3の回路図を模式的に示したものであり、図4(b)は、半導体レーザ3の基本構造を示す斜視図である。同図に示すように、半導体レーザ3は、カソード電極23、基板22、クラッド層113、活性層111、クラッド層112、アノード電極21がこの順に積層された構成である。
【0119】
基板22は、半導体基板であり、本願のように蛍光体を励起する為の青色〜紫外の励起光を得る為にはGaN、サファイア、SiCを用いることが好ましい。一般的には、半導体レーザ用の基板の他の例として、Si、GeおよびSiC等のIV属半導体、GaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSbおよびAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体、ZnO、Al、SiO、TiO、CrOおよびCeO等の酸化物絶縁体、並びに、SiNなどの窒化物絶縁体のいずれかの材料が用いられる。
【0120】
アノード電極21は、クラッド層112を介して活性層111に電流を注入するためのものである。
【0121】
カソード電極23は、基板22の下部から、クラッド層113を介して活性層111に電流を注入するためのものである。なお、電流の注入は、アノード電極21・カソード電極23に順方向バイアスをかけて行う。
【0122】
活性層111は、クラッド層113及びクラッド層112で挟まれた構造になっている。
【0123】
また、活性層111およびクラッド層の材料としては、青色〜紫外の励起光を得る為にはAlInGaNから成る混晶半導体が用いられる。一般に半導体レーザの活性層・クラッド層としては、Al、Ga、In、As、P、N、Sbを主たる組成とする混晶半導体が用いられ、そのような構成としても良い。また、Zn、Mg、S、Se、TeおよびZnO等のII−VI属化合物半導体によって構成されていてもよい。
【0124】
また、活性層111は、注入された電流により発光が生じる領域であり、クラッド層112及びクラッド層113との屈折率差により、発光した光が活性層111内に閉じ込められる。
【0125】
さらに、活性層111には、誘導放出によって増幅される光を閉じ込めるために互いに対向して設けられる表側へき開面114・裏側へき開面115が形成されており、この表側へき開面114・裏側へき開面115が鏡の役割を果す。
【0126】
ただし、完全に光を反射する鏡とは異なり、誘導放出によって増幅される光の一部は、活性層111の表側へき開面114・裏側へき開面115(本実施の形態では、便宜上表側へき開面114とする)から出射され、励起光L0となる。なお、活性層111は、多層量子井戸構造を形成していてもよい。
【0127】
なお、表側へき開面114と対向する裏側へき開面115には、レーザ発振のための反射膜(図示せず)が形成されており、表側へき開面114と裏側へき開面115との反射率に差を設けることで、低反射率端面である、例えば、表側へき開面114より励起光L0の大部分を発光点103から照射されるようにすることができる。
【0128】
クラッド層113・クラッド層112は、n型およびp型それぞれのGaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSb、及びAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、並びに、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体のいずれの半導体によって構成されていてもよく、順方向バイアスをアノード電極21及びカソード電極23に印加することで活性層111に電流を注入できるようになっている。
【0129】
クラッド層113・クラッド層112および活性層111などの各半導体層との膜形成については、MOCVD(有機金属化学気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法、CVD(化学気相成長)法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。各金属層の膜形成については、真空蒸着法やメッキ法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。
【0130】
(発光部7の発光原理)
次に、半導体レーザ3から発振されたレーザ光による蛍光体の発光原理について説明する。
【0131】
まず、半導体レーザ3から発振されたレーザ光が発光部7に含まれる蛍光体に照射されることにより、蛍光体内に存在する電子が低エネルギー状態から高エネルギー状態(励起状態)に励起される。
【0132】
その後、この励起状態は不安定であるため、蛍光体内の電子のエネルギー状態は、一定時間後にもとの低エネルギー状態(基底準位のエネルギー状態または励起準位と基底準位との間の準安定準位のエネルギー状態)に遷移する。
【0133】
このように、高エネルギー状態に励起された電子が、低エネルギー状態に遷移することによって蛍光体が発光する。
【0134】
白色光は、等色の原理を満たす3つの色の混色、または補色の関係を満たす2つの色の混色で構成でき、この原理・関係に基づき、半導体レーザから発振されたレーザ光の色と蛍光体が発する光の色とを、上述のように組み合わせることにより白色光を発生させることができる。
【0135】
(固定部の変更例)
上述の説明では、発光部7の熱伝導部材13に対する相対位置を固定する固定部として、透明板9を例に挙げたが、上記固定部は透明板9である必要はなく、発光部7のレーザ光照射面7aと対向する面(蛍光出射面と称する)の少なくとも一部に圧接する圧接面と、当該圧接面と熱伝導部材13との相対位置関係を固定する当接面固定部とを備えるものであればよい。
【0136】
圧接面と熱伝導部材13との相対位置が固定されており、その圧接面が発光部7の蛍光出射面に圧接する(多少の圧力をかけて蛍光出射面に接する)ことにより、発光部7を熱伝導部材13に対して固定できる。
【0137】
図5(a)〜(c)は、固定部の変形例を示す図である。固定部として、例えば、図5(a)に示すように、発光部7が円柱形状の場合には、発光部7の蛍光出射面と接する面を有し、熱伝導部材13に接続(接着または溶接)されている円筒形状の中空部材20aや、図5(b)に示すように、発光部7が直方体または立方体である場合には、直方体または立方体の中空部材20bを用いてもよい。ただし、中空部材20a・20bにおいて、熱伝導部材13に接続される側の面は開口している。
【0138】
また、図5(c)に示すように、固定部20cの、蛍光出射面と接する面の一部(特に中央部)が開口していてもよい。この構成により、発光部7から出射される蛍光が固定部に吸収されることで当該蛍光をロスすることを防止できる。固定部は、透光性の部材であることが好ましいが、上記中央部が開口していれば、透光性のない物質(例えば、金属)で固定部を形成してもよい。
【0139】
また、固定部として複数のワイヤを用い、これらワイヤの一方の端部を発光部7に接続し、他方の端部を熱伝導部材13に接続してもよい。
【0140】
(熱伝導部材13の変更例)
熱伝導部材13を、反射鏡8ではなく透明板9に接続してもよい。この構成により、発光部7の熱は熱伝導部材13を介して透明板9に伝導される。透明板9をガラスによって形成すれば、熱伝導部材13から熱を効率良く受け取ることができる。
【0141】
熱伝導部材13と透明板9との接続様式は特に限定されない。例えば、熱伝導部材13を円柱形状や立方体などの中空を有する立体形状として形成し、発光部7を覆う形で熱伝導部材13を透明板9に接続してもよい。すなわち、熱伝導部材13は、発光部7のレーザ光照射面と熱伝導が可能なように接触するとともにレーザ光を透過する励起光透過面と、当該励起光透過面と透明板9との相対位置関係を固定する励起光透過面固定部とを有していてもよい。
【0142】
(発光部7の変更例)
図6は、発光部7の変更例を示す断面図である。図6に示すように、発光部7および接着層15の側面に反射膜17を形成してもよい。この反射膜17は、接着層15の外側表面(発光部7および熱伝導部材13と接していない表面)の少なくとも一部を覆う光反射性の膜であり、例えば、金属薄膜(例えば、アルミニウム薄膜)である。
【0143】
接着層15が拡散剤16を含んでいるため、レーザ光が拡散剤16によって拡散されることで、発光部7に向かわずに、接着層15の側面からもれるレーザ光(迷光と称する)が発生する。反射膜17を接着層15の側面に設けることによって、上記迷光が反射膜17に反射し、接着層15の内部にとどまる。それゆえ、レーザ光の利用効率を高めることができる。
【0144】
なお、反射膜17は、少なくとも接着層15の側面を覆えばよく、発光部7の側面をも覆う必要はかならずしもない。しかし、発光部7の側面を反射膜17で覆うことにより、反射膜17による発光部7の冷却効果を得ることができる。反射膜17を発光部7よりも熱伝導性の高い物質で形成することにより、この効果を高めることができる。
【0145】
なお、図2に示すように、反射膜17を接着層15の側面のみならず発光部7の側面にも設けてもよい。この構成により、反射膜17によっても発光部7の冷却効果を得ることができる。反射膜17を発光部7よりも熱伝導性の高い物質で形成することにより、この効果を高めることができる。
【0146】
また、発光部7を熱伝導部材13に対して物理的な力で接触させてもよい。その場合には、接着層15を設ける必要は必ずしもない。
【0147】
(ヘッドランプ1の効果)
発光部7をハイパワーのレーザ光で励起すると、発光部7が激しく劣化する。発光部7の劣化は、発光部7に含まれる蛍光体そのものの劣化とともに、蛍光体を取り囲む封止材(例えば、シリコーン樹脂)の劣化によって主に引き起こされる。上述のサイアロン蛍光体は、レーザ光が照射されると60〜80%の効率で光を発生させるが、残りは熱となって放出される。この熱によって蛍光体を取り囲む物質が劣化すると考えられる。
【0148】
ヘッドランプ1では、熱伝導部材13が、発光部7の励起光照射面の側に配置され、発光部7の熱を吸収することにより発光部7を冷却する。発光部7のうち、励起光照射面が最も発熱するため、熱伝導部材13を励起光照射面と熱的に接続することにより効果的に発光部7を冷却できる。
【0149】
これにより、レーザ光を励起光源とした超高輝度な光源としてのヘッドランプの寿命を延ばし、その信頼性を高めることができる。
【0150】
そして、熱伝導部材13が発光部7から受け取った熱は、ヘッドランプ1の内部(特に反射鏡8の表面)における結露の防止または除去、または、凍結の防止または融解のために利用される。
【0151】
それゆえ、発光部7の熱を有効利用でき、結露の防止等のために別途エネルギーを消費する必要がなくなり、ヘッドランプ1の消費電力を低減できる。
【実施例】
【0152】
次に本発明の一実施例について図7を用いて説明する。図7は、発光部7および熱伝導部材13の具体例を示す図である。
【0153】
発光部7として、封止材中に酸窒化物系蛍光体(Caα−SiAlON:CeおよびCASN:Eu)を分散させた波長変換部材を用いた。この発光部7は、直径3mm、厚さ1.5mmの円盤状のものである。
【0154】
熱伝導部材13として、厚さ0.5mmのサファイア板(熱伝導率:42W/mK)を用い、この熱伝導部材13にアーデル社製の可視光重合型光学用接着剤エピカコール(Epixacolle)EP433を接着層15として用いて発光部7を接着した。この状態が図7に示されている。
【0155】
Caα−SiAlON:CeとCASN:Euとで作製した発光部の場合、励起光を照明光(蛍光)に変換する効率は、約70%である。10Wの励起光を照射するとそのうち3Wは照明光に変換されず熱に変わる。
【0156】
蛍光体を封止する封止材の熱伝導率は、シリコーン樹脂や有機無機ハイブリッドガラスで0.1〜0.2W/mK程度、無機ガラスで1〜2W/mK程度である。例えば、熱伝導率0.2W/mKの3mm×3mm×厚さ1mmの発熱体の3mm×3mm平面で1Wの発熱があり、上記発熱体が外部と熱的に絶縁されている場合を熱シミュレーションにより計算すると、発熱体の温度は500℃以上(555.6℃)になる。
【0157】
ちなみに、熱伝導率2W/mKの封止材を用いると同じ大きさ・同じ発熱量の発熱体であっても温度上昇は55.6℃となる。すなわち、封止材の熱伝導率は非常に重要である。また、封止材の熱伝導率は2W/mKのまま、発熱体のサイズを3mm×1mm×厚さ1mmとすると、温度上昇は166.7℃となる。それゆえ、輝度を高くするために発光部7のサイズを小さくすればするほど、同じ発熱量でも温度上昇が激しくなり、発光部7に負担がかかるようになる。
【0158】
これに対して、上述の発熱体(3mm×3mm×厚さ1mm、熱伝導率0.2W/mK)に熱伝導率40W/mKの熱伝導板(3mm×10mm×厚さ0.5mm)を熱的に接着した場合には、発熱体の温度上昇は170℃程度に抑えられる。熱伝導板の厚みを0.5mmから1.0mmとすることによって温度上昇は半分の85℃程度に抑制できる。さらに、発熱体の厚みを1mmからより薄い方向にもっていくことによっても、熱伝導板への放熱性が向上するため、なお一層、発熱体の温度上昇を低下させることができる。
【0159】
蛍光体発光部の温度を凡そ200℃程度以下にし、さらに、蛍光体として、酸窒化物系蛍光体またはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体を用いることによって、特に発光部7での発熱が1Wを超えるような極めて強い励起光を照射しても、その発熱がはややか且つ効率的に放熱され、発光部7が損傷(劣化)してしまうことを防止できるようになる。
【0160】
また、この発光部7を構成する封止材としては、有機無機ハイブリッドガラス、または無機ガラスが好ましく、シリコーン樹脂を使用する場合は、熱シミュレーションを厳密に行い温度上昇を150℃程度以下に抑えることが好ましい。有機無機ハイブリッドガラスであれば温度は250℃から300℃程度まで許容される。また、無機ガラスであれば500℃以上でも問題ない。
【0161】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。図8は、本発明の別の実施形態に係るヘッドランプ30の構成を示す概略図である。
【0162】
本実施形態のヘッドランプ30においては、熱伝導部材13の、反射鏡8と接続されている一方の端部は反射鏡8から延出しており、当該端部にヒートパイプ(第2熱伝導部材)14が接続されている。
【0163】
ヒートパイプ14は、銅などの熱伝導性の高い金属性のパイプの内部に作動液を封入したものである。作動液を毛細管現象によって迅速に移動させるために、ヒートパイプ14の内部に毛細管を設けてもよい。
【0164】
このヒートパイプ14の他方の端部は、エクステンション11に設けられた開口部を通ってレンズ12への熱の伝導が可能なようにレンズ12に接続されている。
【0165】
このヒートパイプ14によって、熱伝導部材13が受け取った発光部7の熱は、レンズ12に伝導され、レンズ12が暖められるとともに発光部7の熱が外気に放熱される。
【0166】
レンズ12は、外気に直接さらされており、寒冷地ではレンズ12に雪が付着することがある。ヘッドランプ30では、発光部7の熱によってレンズ12が暖められるため、レンズ12に付着した雪を溶かすことができる。別の熱源を利用してレンズ12に付着した雪を溶かすこともできるが、発光部7の熱を利用することによって、エネルギーを節約することができる。
【0167】
熱伝導部材13の熱をレンズ12に伝達する熱伝導部材は、ヒートパイプに限定されず、例えば金属性の細線であってもよい。
【0168】
(その他の変更例)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0169】
例えば、励起光源として高出力のLEDを用いてもよい。この場合には、450nmの波長の光(青色)を出射するLEDと、黄色の蛍光体、または緑色および赤色の蛍光体とを組み合わせることにより白色光を出射する発光装置を実現できる。
【0170】
また、励起光源として、半導体レーザ以外の固体レーザを用いてもよい。ただし、半導体レーザを用いる方が、励起光源を小型化できるため好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明は、高輝度で長寿命な発光装置や照明装置、特に車両用等のヘッドランプに適用することができる。
【符号の説明】
【0172】
1 ヘッドランプ(発光装置、車両用前照灯)
2 半導体レーザアレイ(励起光源)
3 半導体レーザ(励起光源)
7 発光部
7a レーザ光照射面(励起光照射面)
8 反射鏡
9 透明板(第1透光部材)
12 レンズ(第2透光部材)
13 熱伝導部材
14 ヒートパイプ(第2熱伝導部材)
30 ヘッドランプ(発光装置、車両用前照灯)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を出射する励起光源と、
上記励起光源から出射された励起光により発光する発光部と、
上記発光部と熱の伝導が可能なように接続された第1熱伝導部材とを備え、
上記第1熱伝導部材は、当該第1熱伝導部材が受け取った上記発光部の熱を他の部材に伝導し、利用できるように配設されていることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
上記第1熱伝導部材は、上記発光部における上記励起光が照射される面である励起光照射面の側に配置され、上記励起光を透過するものであることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
上記第1熱伝導部材が受け取った熱は反射鏡に伝導されることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
反射鏡の開口部に設けられ、照明光としての上記発光部の蛍光を透過する第1透光部材をさらに備え、
上記第1熱伝導部材が受け取った熱は上記第1透光部材に伝導されることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置を備えることを特徴とする車両用前照灯。
【請求項6】
上記発光装置が出射した照明光を透過することにより車両用前照灯の外部へ出射する第2透光部材と、
上記第1熱伝導部材が受け取った熱を第2透光部材に伝導する第2熱伝導部材とをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の車両用前照灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−59453(P2012−59453A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199959(P2010−199959)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】