説明

発光装置

【課題】発光効率が高く、しかも背面側から照射される外光をも利用し得る発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置1は、発光素子3と、前記発光素子3から発せられる光を反射する反射層2とを備える。前記反射層2が、螺旋構造を有する液晶から構成されている第一層4と、前記第一層4に対して発光素子2とは反対側に配置され、前記第一層4と同じ巻き方向の螺旋構造を有する液晶から構成されている第二層5と、前記第一層4と前記第二層5との間に介在し、自身を透過する光を二つの固有偏光に分離すると共に前記固有偏光間に位相差を生じさせる第三層6とを備える。前記発光素子2の発光波長域と、前記第一層4の選択反射波長域と、前記第二層5の選択反射波長域とが、重複している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を備える発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子などの小型且つ薄型の発光素子は、ディスプレイ、照明機器などの分野への適用の拡大が期待されている。
【0003】
このような発光素子を備える発光装置は、発光効率の向上のために、しばしば反射膜を備えている。例えば特許文献1には、透明支持体上に第一の電極、有機多層膜、陰極が順次積層された有機EL素子において、前記陰極は金属からなる鏡面反射膜であることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−281080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、金属から形成される反射膜により光が反射される場合には、発光装置の背面側から照射される光は反射膜を透過しなくなる。
【0006】
一方、本発明者らは、発光素子を備える発光装置に関し、発光装置の背面側から照射される光を利用する新たな用途への発光装置の適用を検討している。例えば透明な発光装置が窓ガラスなどの建材として用いられると、建材が照明装置や表示装置としても機能し得るようになると共に、この建材を介して外光が屋内へ引き込まれるようになる。
【0007】
しかし、このような用途においては、発光効率の向上のために反射膜が使用されると、発光装置の背面側から照射される光が反射膜に遮断されてしまうという問題が生じる。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、発光効率が高く、しかも背面側から照射される外光をも利用し得る発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る発光装置は、発光素子と、前記発光素子から発せられる光を反射する反射層とを備え、
前記反射層が、
螺旋構造を有する液晶から構成されている第一層と、
前記第一層に対して発光素子とは反対側に配置され、前記第一層と同じ巻き方向の螺旋構造を有する液晶から構成されている第二層と、
前記第一層と前記第二層との間に介在し、自身を透過する光を二つの固有偏光に分離すると共に前記固有偏光間に位相差を生じさせる第三層とを備え、
前記発光素子の発光波長域と、前記第一層の選択反射波長域と、前記第二層の選択反射波長域とが、重複している。
【0010】
本発明においては、前記発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子であることが好ましい。
【0011】
本発明においては、前記第三層が液晶から構成されていることが好ましい。
【0012】
本発明に係る発光装置は、前記第三層に外場をかけることで前記第三層の分子配向を制御する外場制御手段を更に備えることが好ましい。
【0013】
本発明においては、前記外場制御手段が、前記第三層に外場をかけることで前記第三層の分子配向を、異方性がある第一の状態と、前記第一の状態よりも異方性が低く或いは異方性がない第二の状態とに切り替え可能であることが好ましい。
【0014】
本発明においては、前記第三層が、外場により分子配向が変動してから外場が取り除かれても変動後の分子配向が保持される液晶から構成されていることが好ましい。
【0015】
本発明に係る発光装置は、前記第一層と前記第二層とのうち少なくとも一方の分子配向を制御する配向制御手段を更に備えることが好ましい。
【0016】
本発明においては、前記第一層と前記第二層とのうち少なくとも一方が、コレステリックブルー相を含むことが好ましい。
【0017】
本発明においては、前記第一層と前記第二層の選択反射波長域に、450〜700nmの波長域が含まれていることが好ましい。
【0018】
本発明においては、前記第一層と前記第二層とのうち少なくとも一方が、選択反射波長域の異なる複数の液晶層を含むことも好ましい。
【0019】
本発明に係る発光装置は、前記反射層を複数備えることも好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、発光効率が高く、しかも背面側から照射される外光をも利用し得る発光装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る発光装置の一態様を示す概略の断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る発光装置の、別の態様を示す概略の断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る発光装置の、更に別の態様を示す概略の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本実施形態に係る発光装置1は、図1に示されるように、発光素子3と、反射層2とを備える。
【0023】
発光素子3は、特に有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という。)であることが好ましい。有機EL素子の素子構成としては、本発明の主旨に反しない限り、任意の構成が採用され得る。例えば有機EL素子は、白色素子でも単色素子でもよく、シングルユニット素子でもマルチユニット素子でもよく、蛍光発光素子3でもリン光発光素子3でもよく、ボトルエミッション構造を有していてもトップエミッション構造を有していてもよい。更に、有機EL素子はこれらに限定されることもない。
【0024】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、第一の電極、第二の電極、及び発光層を備え、第一の電極と第二の電極との間に発光層が介在している構造を有する。
【0025】
第一の電極は発光層3に正孔を注入する機能を果たし、第二の電極は発光層3に電子を注入する機能を果たす。第一の電極及び第二の電極は、金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料から形成されることが好ましい。このような電極材料としては、例えば、金などの金属、CuI、ITO(インジウム−スズ酸化物)、SnO2、ZnO、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)等、PEDOT、ポリアニリン等の導電性高分子、任意のアクセプタ等でドープした導電性高分子、カーボンナノチューブなどの、導電性光透過性材料が挙げられる。これらの電極材料が、例えば真空蒸着法やスパッタリング法、塗布等の方法により膜状に成形されることで、第一の電極及び第二の電極が形成され得る。
【0026】
第一の電極及び第二の電極は、発光層から発せられる光を透過させ得る光透過性を有する。特に第一の電極及び第二の電極の、発光層から発せられる波長域の光の透過率が、70%以上であることが好ましい。更に、第一の電極及び第二の電極は、発光層から発せられる光の波長域以外の可視光域の光をも透過し得ることが好ましい。
【0027】
更に、第一の電極及び第二の電極のシート抵抗は数百Ω/□以下であることが好ましく、特に100Ω/□以下であることが好ましい。
【0028】
光透過率、シート抵抗等の特性が上記のように調整されるためには、第一の電極及び第二の電極の厚みは、材料により異なるが、1000nm以下であることが好ましく、10〜1000nmの範囲であれば更に好ましく、10〜200nmの範囲であれば更に好ましい。第一の電極及び第二の電極がこのような厚みであれば、発光装置1が高い柔軟性を有し得るようにもなる。
【0029】
発光層3は、有機EL素子用途の適宜の有機発光材料から形成され得る。発光層3を形成し得る有機発光材料としては、例えばアントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体(Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルアミン誘導体、各種蛍光色素等の、蛍光を発し得る化合物(蛍光発光材料)が挙げられる。発光層3はスピン多重項間遷移によりリン光を発する材料(リン光発光材料)から形成されてもよく、例えば発光層3が燐光発光する燐光発光材料、燐光発光する部位を分子内の一部に有する化合物などから形成されてもよい。発光層3は二種以上の有機発光材料から形成されてもよい。
【0030】
発光層は、蒸着、転写等の乾式プロセスにより製造されても、スピンコート、スプレーコート、ダイコート、グラビア印刷等の湿式プロセスにより製造されてもよい。
【0031】
第一の電極と発光層との間には、正孔輸送層が介在していることが好ましい。正孔輸送層は、適宜のホール輸送性を有する化合物から形成され得る。この種の化合物としては、例えば、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、2−TNATA、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、TNBなどを代表例とするトリアリールアミン系化合物;カルバゾール基を含むアミン化合物;フルオレン誘導体を含むアミン化合物などを挙げられる。
【0032】
第二の電極と発光層との間には、電子輸送層が介在していることが好ましい。電子輸送層9は、電子輸送性を有する適宜の化合物から形成され得る。この種の化合物としては、Alq3等の電子輸送性材料として知られる金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、オキサジアゾール誘導体等のヘテロ環を有する化合物などが挙げられる。
【0033】
正孔輸送層及び電子輸送層は、蒸着、転写等の乾式プロセスにより製造されても、スピンコート、スプレーコート、ダイコート、グラビア印刷等の湿式プロセスにより製造されてもよい。
【0034】
有機EL素子に透明性を付与する観点、並びに発光装置1に柔軟性を付与する観点からは、正孔輸送層、発光層、及び電子輸送層の総厚みは、50〜500nmの範囲であることが好ましい。
【0035】
反射層2は、第一層4、第二層5、及び第三層6を備え、第一層4と第二層5との間に第三層6が介在している構造を有する。
【0036】
第一層4及び第二層5は、螺旋構造を有する液晶から形成される。第一層4における螺旋構造と第二層5における螺旋構造の巻き方向は、同じ方向である。このような第一層4及び第二層5は、螺旋構造の形態に応じた選択反射波長域を有し、この選択反射波長域内の波長を有する光のうち前記螺旋構造と同じ巻き方向を有する円偏光を高効率で反射すると共に、それ以外の光を透過させる。
【0037】
前記発光素子3の発光波長域と、前記第一層4の選択反射波長域と、前記第二層5の選択反射波長域とは、少なくとも一部が重複している必要がある。
【0038】
第三層6は、自身を透過する光を二つの固有偏光に分離すると共に前記固有偏光間に位相差を生じさせる機能を有する。
【0039】
発光装置1においては、発光素子3の背面側に反射層2が配置される。本実施形態において、背面とは発光装置1からの光の出射方向とは反対側に臨む面をいい、一方、発光装置1からの光の出射方向に臨む面のことは前面という。反射層2は、第一層4が発光素子3と対向するように配置される。
【0040】
本実施形態では、発光素子3が発光すると、発光素子3から反射層2へ向かう光がまず第一層4に入射する。発光素子3から反射層2へ向かう光のうち、第一層4の選択反射波長域と第二層5の選択反射波長域とに共に含まれる波長を有する光(以下、特定光という)に着目すると、この特定光のうち第一層4の螺旋構造と同じ巻き方向を有する円偏光は、第一層4で効率良く反射される。
【0041】
特定光のうち第一層4の螺旋構造とは逆の巻き方向を有する円偏光は、第一層4を透過して第三層6に入射し、この第三層6内で偏光状態が変化する。偏光状態が変化した光には、第一層4及び第二層5の螺旋構造と同じ巻き方向を有する円偏光成分が含まれる。特に第三層6で固有偏光間の位相差が180°になる場合には、偏光状態が変化した光は第一層4及び第二層5の螺旋構造と同じ巻き方向を有する円偏光となる。この偏光状態が変化した光が更に第二層5へ入射すると、第二層5の螺旋構造と同じ巻き方向を有する円偏光成分が第二層5で効率良く反射される。
【0042】
これにより、反射層2では発光素子3が発する光のうち特定光が高効率で反射する。更に、発光素子3が発する光に、第一層4の選択反射波長域と第二層5の選択反射波長域のうちの一方のみに含まれる波長の成分が含まれていれば、この成分の一部も反射層2で反射する。このため発光装置1の発光効率が高くなる。
【0043】
一方、発光装置1の外部で発せられる光(外部光)が発光装置1にその背面側から入射すると、この外部光のうち第一層4の選択反射波長域と第二層5の選択反射波長域とに共に含まれる波長の成分は反射層2により反射され、第一層4の選択反射波長域と第二層5の選択反射波長域のうちの一方のみに含まれる波長の成分も一部は反射層2により反射されるが、それ以外の成分は反射層2を透過して発光装置1の前面側へと向かう。このため、本実施形態の発光装置1では、外部光の利用が可能となる。
【0044】
第一層4の選択反射波長域、第二層5の選択反射波長域、並びに第三層6での固有偏光間の位相差が適宜調整されることにより、反射光により発光素子3からの発光の反射効率、並びに発光装置1の背面から前面へ向けて透過する外部光の透過効率が適宜調整され得る。
【0045】
第一層4及び第二層5を構成し得る液晶としては、コレステリック液晶(カイラルネマチック液晶)、ネマチック液晶とコレステリック液晶との混合物、カイラル剤が添加されているネマチック液晶、カイラル剤が添加されているスメクチック液晶等が挙げられる。液晶は高分子であっても、低分子であっても、高分子と低分子との混合物であってもよい。液晶の螺旋構造が維持される限り、液晶には色素などの適宜の添加物が添加されていてもよい。液晶が適切な架橋剤により架橋されるなどにより、液晶の螺旋構造が固定化されていることも好ましい。架橋化のための手法としては、ガラス固定化、加熱、紫外線や電子線等のエネルギー線の照射などが、挙げられる。
【0046】
第一層4及び第二層5のうち少なくとも一方がコレステリック液晶から構成される場合、このコレステリック液晶を構成する材料(液晶物質)としては、高分子液晶物質と低分子液晶物質が挙げられる。高分子液晶物質としては、各種の主鎖型高分子液晶物質、側鎖型高分子液晶物質、これらの混合物等が挙げられる。
【0047】
主鎖型高分子液晶物質としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリベンズオキサゾール系、ポリベンズチアゾール系、ポリアゾメチン系、ポリエステルアミド系、ポリエステルカーボネート系、ポリエステルイミド系等の高分子液晶物質、これらの混合物等が挙げられる。
【0048】
側鎖型高分子液晶物質としては、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリビニル系、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリマロネート系、ポリエステル系等の直鎖状または環状構造の骨格鎖を有する物質に側鎖としてメソゲン基が結合した高分子液晶物質、これらの混合物等が挙げられる。
【0049】
高分子液晶物質の構成単位としては、芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位等が挙げられる。
【0050】
低分子液晶物質としては、飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、不飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、ビフェニルカルボン酸誘導体類、芳香族オキシカルボン酸誘導体類、シッフ塩基誘導体類、ビスアゾメチン化合物誘導体類、アゾ化合物誘導体類、アゾキシ化合物誘導体類、シクロヘキサンエステル化合物誘導体類、ステロール化合物誘導体類などの末端に反応性官能基を導入した液晶性を示す化合物や、前記化合物誘導体類のなかで液晶性を示す化合物に架橋性化合物を添加した組成物などが挙げられる。
【0051】
液晶物質の具体的な一例としては、コレステロール分子のOH基を種々のラジカルで置換することで得られるコレステロール誘導体が挙げられる。コレステロール誘導体としては、コレステリルプロミネート、コレステリルベンゾネート、コレステリルパルミネートなどが挙げられる。
【0052】
第一層4及び第二層5のうち少なくとも一方がネマチック液晶を用いて形成される場合、ネマチック液晶を形成するための液晶物質は、高分子液晶物質、低分子液晶物質のいずれでもよい。高分子液晶物質としては、各種の主鎖型高分子液晶物質、側鎖型高分子液晶物質、これらの混合物などが挙げられる。
【0053】
主鎖型高分子液晶物質としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリベンズオキサゾール系、ポリベンズチアゾール系、ポリアゾメチン系、ポリエステルアミド系、ポリエステルカーボネート系、ポリエステルイミド系等の高分子液晶物質、これらの混合物等が挙げられる。
【0054】
側鎖型高分子液晶物質としては、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリビニル系、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリマロネート系、ポリエステル系等の直鎖状または環状構造の骨格鎖を有する物質に側鎖としてメソゲン基が結合した高分子液晶物質、これらの混合物などが挙げられる。
【0055】
低分子液晶物質としては、飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、不飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、ビフェニルカルボン酸誘導体類、芳香族オキシカルボン酸誘導体類、シッフ塩基誘導体類、ビスアゾメチン化合物誘導体類、アゾ化合物誘導体類、アゾキシ化合物誘導体類、シクロヘキサンエステル化合物誘導体類、ステロール化合物誘導体類などの末端に反応性官能基を導入した液晶性を示す化合物や、前記化合物誘導体類のなかで液晶性を示す化合物に架橋性化合物を添加した組成物などが挙げられる。
【0056】
ネマチック液晶を形成するための液晶物質の具体例を下記[化1]に示す。これらの液晶物質のうち複数種が適宜併用されてもよい。
【0057】
【化1】

第一層4及び第二層5のうち少なくとも一方がスメクチック液晶を用いて形成される場合、スメクチック液晶を形成するための液晶物質としては、2−(4−ヘキシロキシ−フェニル)−5−オクチル−ピリミジン、5−ヘキシル−2−(4’−ペンチル−ビフェニル−4−イル)−ピリミジン、[1,1’,4,1”]ターフェニル−4,4”−ジカルボン酸ビス−(1−メチル−ヘプチル)エステルなどが挙げられるが、これらに制限されない。
【0058】
ネマチック液晶又はスメクチック液晶にカイラル剤が添加される場合、適宜のカイラル剤が使用され得る。カイラル剤の具体例を下記[化2]に示す。
【0059】
【化2】

第一層4を構成する液晶と第二層5を構成する液晶のうち少なくとも一方には、コレステリックブルー相が含まれていることも好ましい。コレステリックブルー相は、螺旋軸が3次元的に周期構造を形成しているため、第一層4(第二層5の場合も同様)にコレステリックブルー相が含まれていると、種々の入射角で入射する光が第一層4により反射され得るようになる。コレステリックブルー相は、コレステリックブルー相I、コレステリックブルー相IIなど、いかなる構造であってもよい。更に、液晶の螺旋構造が固定化されていない場合には、コレステリックブルー相の配向は、外場の変化に応じて非常に速やかに変化する。このため、発光装置1が後述する配向制御手段を備える場合には、コレステリックブルー相を含む第一層4(第二層5の場合も同様)に外場をかけら、或いは第一層4にかけられている外場が変化させられることで、第一層4の光の反射性並びに透過性が速やかに切り替え可能となる。この場合の外場としては、第一層4を構成する液晶の組成などに応じ、磁界、電界、光、温度などが挙げられる。
【0060】
コレステリックブルー相を含む液晶を形成するための液晶物質としては、例えば、チッソ社製の混合液晶である商品名JC1041を48.2質量%、ネマチック液晶を形成する液晶物質である4−シアノ−4’−ペンチルビフェニルを47.4質量%、メルク社製のカイラル剤である商品名ZLI−4572を4.4質量%の割合で混合することで得られる組成物が知られているが、これに限られない。
【0061】
コレステリックブルー相が含まれる液晶には、コレステリックブルー相が発現する温度域の拡大、機械的強度の向上、外場による配向の切り替え速度の高速化などのために、高分子材料や架橋剤などの添加剤が添加されていてもよい。
【0062】
液晶物質から第一層4又は第二層5を形成するための方法としては、公知の方法が採用され得る。例えば液晶物質が適宜の基材上に塗布され、更に熱処理が施されることでシート状に成形されることで、第一層4又は第二層5が形成される。
【0063】
基材としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等から形成されるフィルム、これらのフィルムの一軸延伸フィルム等が挙げられる。
【0064】
この基材には必要により、予め配向能を発現させるための処理が施される。配向能とは、液晶を構成する分子の配向を誘引する能力である。配向能を発現させるための処理としては、基材を適度な条件で加熱しながら延伸する処理、基材の表面をレーヨン布等で一方向に擦るいわゆるラビング処理、基材の表面上にポリイミド、ポリビニルアルコール、シランカップリング剤等の公知の配向剤からなる分子配向層を重ねる処理、酸化珪素等を斜方蒸着する処理などが挙げられる。
【0065】
第一層4が基材上で形成される場合には、第一層4は基材に積層されたままこの基材と共に反射層2に組み込まれても、基材から分離されてから反射層2に組み込まれても、いずれでもよい。第二層5の場合も同様である。
【0066】
第一層4及び第二層5の選択波長領域は、第一層4及び第二層5を構成する液晶の螺旋構造における螺旋ピッチに依存する。液晶の螺旋ピッチは、公知の方法により制御され得る。例えば、液晶物質が第一層4が形成される際の雰囲気の温度、磁界、電界等が調整されたり、液晶物質にUV光等の光を照射されると共にその照射光量が調整されたり、液晶物質中のコレステリック液晶物質やカイラル剤などの添加濃度が調整されたりすることで、液晶の螺旋ピッチが調整され得る。
【0067】
第一層4及び第二層5の選択波長域の広さは、適宜の方法により調整され得る。例えば第一層4が異常光屈折率と常光屈折率との差の大きい液晶(屈折率異方性が高い液晶)から形成されると、第一層4の選択波長領域が広くなる。第二層5の場合も同様である。液晶の屈折率異方性を高めるための手法としては、液晶中の分子をビフェニル基等で修飾すること、液晶中の分子の二次のオーダーパラメータを大きくする(分子の配向性を高める)ことなどが、挙げられる。
【0068】
第一層4が、螺旋ピッチが部分的に変調している螺旋構造を有する液晶から構成される場合も、その螺旋構造に応じて第一層4の選択波長領域が広くなる。第二層5の場合も同様である。このような液晶は、公知の手法により形成され得る。例えば温度勾配や電界勾配がかけられている雰囲気下で液晶物質が成形されることで、螺旋ピッチが部分的に変調している螺旋構造を有する液晶が形成され得る。
【0069】
第一層4が、液晶から構成される複数の層(液晶層)を含み、これらの液晶層が反射層2と発光素子3との積層方向に沿って積層し、更にこれらの液晶層の選択波長領域が互いに異なる場合も、各液晶層の選択反射波長域に応じて第一層4の選択波長領域が広くなる。第二層5の場合も同様である。液晶層は、単層からなる第一層4や第二層5が形成される場合と同じ手法により形成され得る。複数の液晶層を含む第一層4又は第二層5は、例えば複数の液晶層が順次積層されながら形成されることで作製される。複数の液晶層が別個に形成されてから、これらの液晶層が重ねられることで第一層4又は第二層5が作製されてもよい。
【0070】
第一層4と第二層5のうち少なくとも一方が、同じ選択反射波長域を有する複数の液晶層を含んでもよい。この場合は、液晶層の積層数に応じて反射層2の反射率が高くなる。
【0071】
第一層4及び第二層5の少なくとも一方内において、光学特性の異なる複数の液晶層が反射層2と発光素子3との積層方向と直交する方向に並んで配されていてもよい。この場合は反射層2の光学特性が反射層2と発光素子3との積層方向と直交する方向に分布を有し得るようになる。
【0072】
第一層4が複数の液晶層を含む場合には、隣合う液晶層間に、必要に応じて光学設計調整層、分子配向層、結合層などが介在してもよい。第二層5の場合も同様である。分子配向層の構成については既に説明したとおりである。光学設計調整層及び結合層は、光路長や光の位相を調整するために使用される層である。このうち光学設計調整層と結合層の機能は同じであるが、進行方向の異なる光を結合させる目的を有する層を特に結合層と称する。光学設計調整層及び結合層は、光透過性を有する適宜の材料から形成され得る。光学設計調整層及び結合層は、特定の偏光状態にある光のみを吸収する材料からも形成され得る。
【0073】
上記の通り第一層4及び第二層5の選択波長域の中心波長及び広さは適宜調整され得る。特に第一層4及び第二層5の選択波長領域に450〜700nmの波長域が含まれている場合、すなわち、第一層4及び第二層5の選択波長領域が450〜700nmの波長域と一致し、或いはこれよりも広い場合には、反射層2は白色光を高効率で反射する。この場合において、特に白色光を発する発光素子3が用いられると、発光装置1の発光効率が非常に高くなる。
【0074】
第一層4及び第二層5は液晶から構成されるため、第一層4及び第二層5ではブラッグ反射により光が反射し、且つ反射する光の多くは第一層4及び第二層5の表層部分で反射する。このため、第一層4及び第二層5で光が反射する際には光の減衰が少なくなり、このため反射層2の光反射性が高くなる。発光装置1の発光効率の向上のためには、第一層4及び第二層5の、特定光中の螺旋構造と同じ巻き方向を有する円偏光成分の反射率が、60%以上であることが好ましく、70%以上であれば更に好ましい。特に、第一層4及び第二層5の選択波長領域に450〜700nmの波長域が含まれている場合、第一層4及び第二層5の、螺旋構造と同じ巻き方向を有する円偏光成分の反射率が、450〜700nmの波長域で60%以上、或いは更に70%以上であれば、発光装置1の発光効率が特に高くなる。但し、第一層4及び第二層5の選択波長領域に450〜700nmの波長域が含まれていても、特定光の波長域が450〜700nmの波長域よりも狭い場合には、第一層4及び第二層5の、特定光中の螺旋構造と同じ巻き方向の偏光の反射率が60%以上、或いは更に70%以上であれば、充分に発光装置1の発光効率が向上する。第一層4及び第二層5の、特定の波長域の光の反射率を向上するためには、例えば第一層4及び第二層5の選択波長領域の中心波長と前記特定の波長域の中心波長とを一致させたり、第一層4及び第二層5の厚みを調整して螺旋構造の巻き数を増やしたりするなどの手法が採用され得る。
【0075】
第一層4を構成する液晶の螺旋構造が固定化されていない場合には、発光装置1は第一層4の分子配向を制御する配向制御手段を備えることも好ましい。この場合、第一層4の配向が配向制御手段により制御されることで、第一層4の光の反射特性及び透過特性が調整可能となる。第二層5の場合も同様である。配向制御手段としては、第一層4又は第二層5に磁界、電界、光、温度などの外場をかけ、或いはこの外場を変動させる手段が挙げられる。
【0076】
例えば第一層4がコレステリック液晶から構成される場合に、配向制御手段により第一層4に電界又は磁界がかけられると、第一層4の螺旋構造が歪み、これにより第一層4の反射率が低下され得る。また、配向制御手段により第一層4に温度、電界、磁界等がかけられることで、第一層4を構成する液晶がアイソトロピック状態になると、第一層4の反射率が例えば10%以下まで大幅に低下し得る。第二層5の場合も同様である。
【0077】
外場が電界である場合には、第一層4又は第二層5の厚み方向の両面に積層される透明電極と、二つの透明電極間に電界を印加し或いはこの電界を変動させる電源とで、配向制御手段が構成され得る。この場合、液晶を構成する分子は外場に対して正の誘電異方性を有していても、負の誘電異方性を有していてもよい。外場が磁界である場合には例えば磁極を備える配向制御手段が、外場が光である場合には例えば光源を備える配向制御手段が、外場が温度である場合には例えば適宜の温度制御装置を備える配向制御手段が、それぞれ用いられ得る。
【0078】
第一層4及び第二層5の厚みに特に制限はないが、発光装置1の薄型化の観点からは1〜500μmの範囲であることが好ましい。
【0079】
一方、第三層6は、屈折率異方性を有する適宜の材料から形成され得る。このような材料としては、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリビニルアルコール等から形成される一軸延伸フィルムや二軸延伸フィルムなどの有機材料、石英や方解石などの一軸結晶や二軸結晶などの無機材料が、挙げられる。
【0080】
第三層6が液晶から構成されることも好ましい。この場合、液晶の自己組織的な配向特性を利用して第三層6を作製することが可能となるため、第三層6が容易に作製され、且つ第三層6の大面積化も容易となる。
【0081】
第三層6を構成し得る液晶としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶などが挙げられ、第三層6中に複数種の液晶が混在していてもよい。これらの液晶を形成するための液晶物質としては、第一層4及び第二層5について説明したものと同様の液晶材料が使用され得る。
【0082】
第三層6が液晶から構成される場合、第三層6は更に液晶以外の他の材料を含んでいてもよい。例えば第三層6は、厚み調整や光学設計などのために、適宜のフィラー、スペーサ、色素などを含有してもよい。
【0083】
第三層6の厚みは、第三層6の光学設計に応じて適宜調整されるが、反射層2の薄型化の観点からは、この厚みが500μm以下であることが好ましい。
【0084】
第三層6を構成する液晶が適切な架橋剤により架橋されるなどにより、この液晶の配向が固定化されていてもよい。架橋化のための手法としては、ガラス固定化、加熱、紫外線や電子線等のエネルギー線の照射などが、挙げられる。第三層6を構成する液晶の配向は固定化されていなくてもよい。
【0085】
第三層6が螺旋構造を有する場合には、少なくとも特定光のうち第一層4を透過する円偏光成分が第三層6も透過するように、第三層6の螺旋構造が調整されることが好ましい。第一層4の選択波長域にある光のうち第一層4を透過する円偏光成分が第三層6も透過するように、第三層6の螺旋構造が調整されることも、好ましい。
【0086】
第三層6が二つの固有偏光間に生じさせる位相差は、160°〜200°の範囲であることが好ましい。特に反射層2による特定光の反射率向上のためには、前記位相差が180°であることが理想的である。この場合、上述のとおり、特に第三層6で偏光状態が変化した光が第一層4及び第二層5の螺旋構造と同じ巻き方向を有する円偏光となり、このためこの光が第二層5で効率良く反射される。但し、この位相差の好ましい値は、反射層2に要求される光反射性及び光透過性、反射層2が備える第三層6以外の層の構成などに応じて変動し得る。この第三層6が二つの固有偏光間に生じさせる位相差は、第三層6を構成する材料の種類、この材料の異方性の程度、第三層6の厚みなどを変更することで適宜調整され得る。
【0087】
第三層6が液晶から構成され、この液晶の螺旋構造が固定化されていない場合には、発光装置1は第三層6の分子配向を外場により制御する外場制御手段を備えることも好ましい。この場合、第三層6の配向が外場制御手段により制御されることで、第三層6の光の透過特性が調整可能となる。このため、外場制御手段によって反射層2の光反射性並びに光透過性が調節可能となる。
【0088】
外場制御手段としては、第三層6に磁界、電界、光、温度などの外場をかけ、或いはこの外場を変動させる手段が挙げられる。例えば外場が電界である場合には、図2に示されるように、第三層6の厚み方向の両面に積層される透明電極7,8と、二つの透明電極7,8間に電圧を印加し或いはこの電圧を変動させる電源8とで、外場制御手段が構成され得る。第一層4及び第二層5の分子配向が固定化されて外場により変動しない場合には、図2に示されるように、外場制御手段を構成する二つの透明電極7,8は第一層4の第三層6とは反対側の外面、並びに第二層5の第三層6とは反対側の外面に、それぞれ積層していてもよい。外場制御手段を構成する透明電極は、発光素子3の電極(第一の電極又は第二の電極)を兼ねてもよい。第三層6における液晶を構成する分子は外場に対して正の誘電異方性を有していても、負の誘電異方性を有していてもよい。外場が磁界である場合には例えば磁極を備える外場制御手段が、外場が光である場合には例えば光源を備える外場制御手段が、外場が温度である場合には例えば適宜の温度制御装置を備える外場制御手段が、それぞれ用いられ得る。
【0089】
発光装置1が外場制御手段を備える場合、外場制御手段によって、第三層6の分子配向が、異方性がある第一の状態と、第一の状態よりも異方性が低く或いは異方性がない第二の状態とに切り替え可能であることが好ましい。この場合、第三層6の分子配向が第一の状態にあれば第三層6を透過する固有偏光間の位相差が大きくなり、第三層6の分子配向が第二の状態にあれば第三層6を透過する固有偏光間の位相差が小さくなるか、或いは位相差が生じなくなる。このように第三層6の分子配向が第一の状態と第二の状態に切り替えられることで、反射層2の光反射性並びに光透過性が調節可能となる。
【0090】
例えば第一の状態にある第三層6が二つの固有偏光間に生じさせる位相差が160°〜200°の範囲となる場合には、第一の状態で反射層2による光の反射率が高くなる。この第三層6の分子配向が第二の状態になると、第三層6が二つの固有偏光間に生じさせる位相差は前記範囲よりも小さくなり、或いは位相差が生じなくなる。この場合、反射層2による光の反射率が低くなると共に、反射層2の光透過性が高くなる。
【0091】
更に、外場制御手段によって第三層6の分子配向が、第一の状態と第二の状態との間で連続的に調整可能であり、或いは多段階に調整可能であれば、反射層2の光反射性並びに光透過性が細かく調節可能となる。
【0092】
第一の状態では第三層6を構成する液晶の二次のオーダーパラメータは0.6以上であることが好ましく、第二の状態では第三層6を構成する液晶の二次のオーダーパラメータは0.4以下であることが好ましい。この液晶の二次のオーダーパラメータは、第三層6を構成する液晶の種類に応じ、外場制御手段により第三層6にかけられる外場が調節されることで、適宜調整され得る。
【0093】
第三層6の分子配向が第二の状態にあるときに第三層6を構成する液晶中の分子が微視的に配向していてもよく、また第三層6の分子配向が第一の状態にあるときに第三層6を構成する液晶中の分子が巨視的にランダムに配向していてもよい。
【0094】
発光装置1が外場制御手段を備える場合、第三層6が、外場により分子配向が変動してから外場が取り除かれても変動後の分子配向が保持される液晶から構成されていることも好ましい。すなわち、例えば第三層6に外場制御手段により外場がかけられることで分子配向が第一の状態になったら、外場が取り除かれても分子配向が第一の状態のまま維持され、また第三層6に外場制御手段により外場がかけられることで分子配向が第二の状態になったら、外場が取り除かれても分子配向が第二の状態のまま維持されることが好ましい。この場合、外場制御手段を作動させるために要するエネルギーが節減される。
【0095】
外場制御手段が外場として電界をかける手段である場合の、第三層6の好ましい一態様においては、第三層6がコレステリック液晶から構成される。この場合、第三層6は外場制御手段によってかけられる電界により分子配向が変動してから電界が取り除かれても変動後の分子配向が保持される。すなわち、コレステリック液晶は双安定性(メモリ性)を備えており、液晶に印加する電界強度が調節されることでプレーナ配向にある状態、フォーカルコニック配向にある状態、プレーナ配向とフォーカルコニック配向とが混在した中間的な状態の、いずれかの状態になる。更に、一旦プレーナ配向にある状態、フォーカルコニック配向にある状態又はそれらが混在した中間的な状態になると、その後は無電界下においても安定してその状態が維持される。このため、例えば外場制御手段により第三層6にその構成に応じた直流パルス電界が印加されると、第三層6の分子配向がプラナー配向からフォーカル配向に変化し、この状態から電界が取り除かれても分子配向は維持される。また外場制御手段により第三層6にその構成に応じた矩形波電界が印加されると、第三層6の分子配向がフォーカルコニック配向からプラナー配向に変化し、この状態から電界が取り除かれても分子配向は維持される。第三層6の分子配向がプレーナ配向にある状態又はプレーナ配向が優勢な状態が第一の状態に設定されると共に、フォーカルコニック配向にある状態又はフォーカルコニック配向が優勢な状態が第二の状態に設定され得る。第三層6には、無電界下において分子配向が維持されやすくなるように、適宜の架橋材料が添加されてもよい。
【0096】
反射層2を構成する複数の各層の光学特性は、反射層2と発光素子3との積層方向と直交する方向に一様であっても、この方向に分布を有していても、いずれでもよい。
【0097】
更に、反射層2は、光反射性並びに光透過性の調整などのために、第一層4及び第二層5とは逆の巻き方向の螺旋構造を有する液晶から形成される層を更に備えてもよい。
【0098】
反射層2における第三層6と第一層4及び第二層5とは、直接積層していてもよく、第三層6と第一層4及び第二層5との間に別の層が介在していてもよい。反射層2と発光素子3も、直接積層していてもよく、反射層2と発光素子3との間に別の層が介在していてもよい。第三層6と第一層4との間、第三層6と第二層5との間、並びに反射層2と発光素子3との間に介在し得る層としては、分子配向層、光学設計調整層、結合層などが挙げられる。これらの層の構成については既に説明した通りである。
【0099】
反射層2を構成する複数の層は、適宜の手法により積層され得る。
【0100】
例えば第一層4及び第二層5を構成する液晶が流動性を有さず、第三層6を構成する液晶が流動性を有する場合には、第一層4及び第二層5がシート状に形成され、両者の間に第三層6を構成する液晶が充填されることで、反射層2が構成される。この場合、第一層4と第二層5の間の外周部分に適宜の封止材が介在することで、第三層6が第一層4と第二層5との間に封入される。更に発光装置1が第三層6に電界を加える外場制御手段を備える場合、外場制御手段の透明電極は第一層4の外面及び第二層5の外面にそれぞれ重ねられる。
【0101】
発光装置1は、図3に示されるように、複数の反射層2を備えてもよい。この場合、発光素子3から発せられる光が複数の反射層2により反射されることで、発光装置1の発光効率が更に向上する。更に、発光装置1が、反射する光の波長域が互いに異なる複数の反射層2を備えている場合には、発光素子3から発せられる広い波長域の光が、複数の反射層2によって反射され得るようになる。
【0102】
発光装置1は、適宜の基材を備えていてもよい。基材は例えば発光素子3にその前面側に重ねて積層され、或いは反射層2にその背面側に重ねて積層される。発光素子3の前面側と反射層2の背面側にそれぞれ基材が重ねられることも好ましい。このような基材により、発光素子3や反射層2が保護され得る。基材が配置される位置は、前記の位置以外に、第一層4と第三層6との間、第三層6と第二層5との間、反射層2と発光素子3との間などであってもよい。基材が発光素子3の基板を兼ねてもよい。基材が反射膜に重ねられる場合には、基材を構成する材料が反射膜に真空蒸着法、スパッタリング法、塗布法などの手法により積層されることが基材が形成されてもよい。基材の厚みは特に制限されないが、基材が充分な機械的強度を有するためには、50nm以上であることが好ましい。
【0103】
基材は光透過性を有することが好ましい。基材の材質としては、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどの透明ガラス、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂などの適宜の樹脂材料が挙げられる。基材の形状は板状であってもフィルム状であってもよい。基材は、透明性を有していれば、発光装置1の用途などに応じて、例えば無色透明であっても、着色されていても、磨りガラス状であってもよい。
【0104】
本実施形態に係る発光装置1は、用途に応じ、可撓性を有することが好ましい。この場合、例えば発光装置1を保管する際には発光装置1を筒状に巻いたり折りたたんだりすることで保管場所の省スペース化を図り、発光装置1を使用する際には発光装置1を使用場所へ運んでから広げて使用することが可能となる。可撓性を有する発光装置1が構成されるためには、発光素子3が有機EL素子であることが好ましい。有機EL素子は主として有機材料から形成されるため、有機EL素子には柔軟性が容易に付与され、このため発光素子3が可撓性を有し得るようになる。第三層6は液晶から構成されることが好ましく、この場合、第三層6にも柔軟性が容易に付与されるようになり、このため反射層2に柔軟性が容易に付与されるようになる。反射層2を構成する液晶に適宜の架橋材料が添加されていることも好ましく、この場合、柔軟且つ曲げ応力に強い反射層2が形成され得る。発光素子3及び反射層2は、柔軟性が付与されるように薄型に形成されることが好ましい。特に発光素子3の厚みが50〜500nmに形成され、反射層2の厚みが1〜500μmに形成されることが好ましい。発光素子3が基材を備える場合には、薄型且つ可撓性を有する基材が使用されることが好ましい。基材を構成する材料が硬質であっても、薄型化されていれば基材は可撓性を有し得る。例えば基材がガラスから形成される場合には、ガラスの種類にもよるが、基材の厚みが200μm以下であることが好ましく、更に80μm以下であることが好ましい。基材が樹脂から形成される場合には、樹脂の種類にもよるが、基材の厚みが500μm以下であることが好ましく、更に150μm以下であることが好ましい。
【0105】
本実施形態に係る発光装置1は、用途に応じ、剛性を有することも好ましい。この場合、例えば発光装置1を窓ガラスなどの建材として使用することができるようになる。剛性を有する発光装置1が構成されるためには、例えば発光装置1が剛性を有する基材を備える。基材は発光装置1が充分な剛性を有する程度の厚みを有していればよいが、例えば基材がガラスから形成される場合には、ガラスの種類にもよるが、基材の厚みが100μm以上であることが好ましく、更に200μm以上であることが好ましい。基材が樹脂から形成される場合には、樹脂の種類にもよるが、基材の厚みが100μm以上であることが好ましく、更に150μm以上であることが好ましい。発光装置1が剛性を有する場合には発光素子3及び反射層2の厚みに制限はないが、発光装置1を剛性を有する範囲で薄型化する観点からは、これらの厚みは発光装置1が可撓性を有する場合と同様、薄い方が好ましい。
【0106】
本実施形態に係る発光装置1の用途は特に制限されず、この発光装置1は、例えば上記のような建材を兼ねる照明装置や表示装置、並びに可撓性を有する可搬型の照明装置や表示装置をはじめ、種々の形態の照明装置や表示装置として構成され得る。
【0107】
本実施形態に係る発光装置1は、反射層2を構成する複数の層の光学特性が上記説明した範囲で調整されることで、種々の光透過特性及び光反射特性を有し得る。
【0108】
例えば、発光素子3の発光が単色光或いは可視光域全体に対して狭い波長域であり、更にそれに応じて第一層4及び第二層5の選択反射波長域も可視光域全体に対して狭い場合には、発光素子3からの発光が反射層2で反射されることで、発光装置1の発光効率が高くなる。発光装置1の背面側から発光装置1へ入射する外光は、反射層2で一部反射されるが、残りは発光装置1を透過して発光装置1の前面側から出射する。このため、外光の利用が可能となる。この発光装置1が更に外場制御手段を備える場合には、外場制御手段により第三層6の分子配向が第一の状態から第二の状態に切り替えられると、反射層2による発光素子3からの発光の反射率が低くなると共に、発光装置1における外光の透過率が高くなる。このようにして発光装置1の特性が適宜調整可能となる。
【0109】
発光素子3が白色光を発し、それに応じて第一層4及び第二層5の選択反射波長域が可視光域全体を含む場合には、発光素子3からの発光が反射層2で反射されることで、発光装置1の発光効率が高くなる。発光装置1の背面側から発光装置1へ入射する外光は、反射層2で全て或いは大部分が反射される。この発光装置1が更に外場制御手段を備える場合には、外場制御手段により第三層6の分子配向が第一の状態から第二の状態に切り替えられると、反射層2による発光素子3からの発光の反射率が低くなると共に、外光が発光装置1を透過して外光が利用可能となる。このようにして発光装置1の特性が適宜調整可能となる。
【0110】
上記の発光装置1の光透過特性及び光反射特性に関する挙動は便宜上単純化されており、実際は発光装置1内で共振現象や位相変換などが誘起されるため、発光装置1は光学的特性に関して非常に複雑な挙動をする。発光装置1を構成する複数の層の光学特性が適宜調整されることで、発光素子3の発光を反射層2で効率よく反射しながら、この発光素子3の発光の波長域にある外光を効率良く透過し得る発光装置1も構成され得る。
【実施例】
【0111】
以下、本実施形態に係る発光素子の更に具体的な実施例を提示する。但し、言うまでもなく、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。
【0112】
[実施例1]
ネマチック液晶物質(メルク社製、品番E44)、カイラル剤(メルク社製、品番S−811)、及び光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184)を含有する第一の組成物を用意した。第一の組成物におけるカイラル剤の濃度は30質量%、光重合開始剤の濃度は2質量%とした。
【0113】
ネマチック液晶物質(メルク社製、品番E44)、及び光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184)を含有する第二の組成物を用意した。第二の組成物における光重合開始剤の濃度は2質量%とした。
【0114】
厚み100nmのIZO膜からなる第二の電極を備える有機EL素子(発光波長域480〜680nm)の前記第二の電極上に、ポリイミド配向材料(JSR株式会社製、品番254)を塗布成膜することで、分子配向層を形成した。この分子配向層に更にラビング処理を施した。
【0115】
分子配向層に対向させてガラス基板を配置し、両者の間に厚み6μmのスペーサを介在させた。続いて、この分子配向層とガラス基板との間に第一の組成物を充填し、更にこの第一の組成物に紫外線を照射することで硬化させた。これにより、コレステリック液晶から構成される第一層を形成した。続いて第一層からガラス基板及びスペーサを外した。
【0116】
第一層に対向させてガラス基板を配置し、両者の間に厚み3μmのスペーサを介在させた。続いて、この第一層とガラス基板との間に第二の組成物を充填し、更にこの第二の組成物に紫外線を照射することで硬化させた。これにより、ネマチック液晶から構成される第三層を形成した。続いて第三層からガラス基板及びスペーサを外した。
【0117】
続いて、第一層の場合と同じ手法により、第三層に重ねて第二層を形成した。
【0118】
以上のようにして、発光装置を作製した。この発光装置の反射層における第一層及び第二層の選択反射波長域は570〜640nm(すなわち、特定光の波長域は570〜640nm)、反射層による特定光の反射率は87%、発光装置の白色光(波長450〜700nm)の透過率は82%(特定光以外の波長域における平均値)である。
【0119】
[実施例2]
49.2質量%の2−(4−ヘキシロキシ−フェニル)−5−オクチル−ピリミジン、25.1質量%の5−ヘキシル−2−(4’−ペンチル−ビフェニル−4−イル)−ピリミジン、及び25.6質量%の[1,1’,4,1”]ターフェニル−4,4”−ジカルボン酸ビス−(1−メチル−ヘプチル)エステルからの混合物からなるカイラルスメクチック液晶、並びに光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184)を含有する第三の組成物を用意した。第三の組成物における光重合開始剤の濃度は2質量%とした。
【0120】
二枚のガラス板にそれぞれポリイミド配向材料(JSR株式会社製、品番JALS−2021−R2)を塗布成膜することで、分子配向層を形成した。これらの分子配向層に更にラビング処理を施した。この二つの分子配向膜を対向させて配置し、両者の間に厚み50μmのスペーサを介在させた。
【0121】
二つの分子配向層の間に第三の組成物を充填し、更にこの第三の組成物に紫外線を照射することで硬化させた。これにより、カイラルスメクチック液晶から構成される第一層を形成した。続いて第一層からガラス基板及びスペーサを外した。
【0122】
第一層と同じ方法により、第二層も形成した。
【0123】
第一層と第二層とを20μmの隙間をあけて対向させると共に、この隙間にフィラーを分散させて配置した。更に第一層と第二層との間の隙間にネマチック液晶物質(メルク社製、品番E44)を毛細管現象を利用して充填した。これにより、第一層と第二層との間に第三層を形成し、反射層を得た。
【0124】
この反射層の第一層を、実施例1の場合と同じ構成を有する発光素子の第二の電極上に接着した。
【0125】
以上のようにして、発光装置を作製した。この発光装置の反射層における第一層及び第二層の選択反射波長域は590〜620nm(すなわち、特定光の波長域は590〜620nm)、反射層による特定光の反射率は62%、発光装置の白色光の透過率は89%である。
【0126】
[実施例3]
実施例1において、第一層と第二層との間に第三層を形成してから、第一層の外面上と第二層の外面上に、それぞれ外場制御手段の透明電極を形成した。それ以外は実施例1と同じ方法で、発光装置を得た。
【0127】
この発光装置の反射層における第一層及び第二層の選択反射波長域は570〜640nm(すなわち、特定光の波長域は570〜640nm)である。
【0128】
この発光装置における第三層の分子配向が第一の状態にあるとき、反射層による特定光の反射率は88%、発光装置の白色光の透過率は80%である。一方、この発光装置における第三層の分子配向が外場制御手段により第二の状態に切り替えられると、反射層による特定光の反射率は40%、発光装置の白色光の透過率は66%である。
【0129】
[実施例4]
二枚のガラス板にそれぞれポリイミド配向材料(JSR株式会社製、品番254)を塗布成膜することで、分子配向層を形成した。これらの分子配向層に更にラビング処理を施した。この二つの分子配向膜を対向させて配置し、両者の間に厚み50μmのスペーサを介在させた。
【0130】
二つの分子配向層の間に第一の組成物を充填した。この第一の組成物に温度コントローラを用いて温度勾配を生じさせながら、この第一の組成物に紫外線を照射することで硬化させた。これにより、コレステリック液晶から構成される第一層を形成した。続いて第一層からガラス基板及びスペーサを外した。
【0131】
第一層と同じ方法により、第二層も形成した。
【0132】
第一層と第二層とを20μmの隙間をあけて対向させると共に、この隙間にフィラーを分散させて配置した。更に第一層と第二層との間の隙間にネマチック液晶物質(メルク社製、品番E44)を毛細管現象を利用して充填した。これにより、第一層と第二層との間に第三層を形成し、反射層を得た。
【0133】
この反射層の第一層を、実施例1の場合と同じ構成を有する発光素子の第二の電極上に接着した。
【0134】
以上のようにして、発光装置を作製した。この発光装置の反射層における第一層及び第二層の選択反射波長域は450〜700nm(すなわち、特定光の波長域は450〜700nm)、反射層による特定光の反射率は73%、発光装置の白色光の透過率は85%である。
【0135】
[実施例5]
ネマチック液晶物質(メルク社製、品番E44)、カイラル剤(メルク社製、品番R−811)、及び光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア)を含有する第四の組成物を用意した。第四の組成物におけるカイラル剤の濃度は30質量%、光重合開始剤の濃度は2質量%とした。
【0136】
実施例4の場合を同じ手法により、第一層、第二層、及び第三層を形成した。続いて、第一層に対向させてガラス基板を配置し、両者の間に厚み50μmのスペーサを介在させた。続いて、この第一層とガラス基板との間に第四の組成物を充填し、更にこの第四の組成物に紫外線を照射することで硬化させた。これにより、コレステリック液晶から構成され、第一層及び第二層とは逆向きの螺旋構造を有する液晶層を形成した。続いてこの液晶層からガラス基板及びスペーサを外した。これにより反射層を得た。
【0137】
この反射層の液晶層を、実施例1の場合と同じ構成を有する発光素子の第二の電極上に接着した。
【0138】
以上のようにして、発光装置を作製した。この発光装置の反射層における第一層及び第二層の選択反射波長域は450〜700nm、液晶層の選択反射波長域は450〜700nm、反射層による特定光の反射率は73%、発光装置の白色光の透過率は85%である。
【0139】
[実施例6]
実施例1における反射層と同じ構造を有する第一の反射層、第二の反射層、及び第三の反射層を作製した。第一の反射層の第二層と第二の反射層の第一層を対向させ、両者をガラス板を介して接着した。更に第二の反射層の第二層と第三の反射層の第一層を対向させ、両者をガラス板を介して接着した。更に第一の反射層の第一層を、実施例1の場合と同じ構成を有する発光素子の第二の電極上に接着した。これにより発光装置を得た。
【0140】
この発光装置の反射層による特定光の反射率は93%、発光装置の白色光の透過率は84%である。
【符号の説明】
【0141】
1 発光装置
2 反射層
3 発光素子
4 第一層
5 第二層
6 第三層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、前記発光素子から発せられる光を反射する反射層とを備え、
前記反射層が、
螺旋構造を有する液晶から構成されている第一層と、
前記第一層に対して発光素子とは反対側に配置され、前記第一層と同じ巻き方向の螺旋構造を有する液晶から構成されている第二層と、
前記第一層と前記第二層との間に介在し、自身を透過する光を二つの固有偏光に分離すると共に前記固有偏光間に位相差を生じさせる第三層とを備え、
前記発光素子の発光波長域と、前記第一層の選択反射波長域と、前記第二層の選択反射波長域とが、重複している発光装置。
【請求項2】
前記発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子である請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第三層が液晶から構成されている請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第三層に外場をかけることで前記第三層の分子配向を制御する外場制御手段を更に備える請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記外場制御手段が、前記第三層に外場をかけることで前記第三層の分子配向を、異方性がある第一の状態と、前記第一の状態よりも異方性が低く或いは異方性がない第二の状態とに切り替え可能である請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第三層が、外場により分子配向が変動してから外場が取り除かれても変動後の分子配向が保持される液晶から構成されている請求項4又は5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第一層と前記第二層とのうち少なくとも一方の分子配向を制御する配向制御手段を更に備える請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第一層と前記第二層とのうち少なくとも一方が、コレステリックブルー相を含む請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第一層と前記第二層の選択反射波長域に、450〜700nmの波長域が含まれている請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第一層と前記第二層とのうち少なくとも一方が、選択反射波長域の異なる複数の液晶層を含む請求項1乃至9のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項11】
前記反射層を複数備える請求項1乃至10のいずれか一項に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−190645(P2012−190645A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52991(P2011−52991)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】