説明

発泡性樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体

【課題】良好な寸法安定性を維持しつつ、外部からの衝撃をより吸収しうる発泡成形体を製造し得る発泡性樹脂粒子を提供することを課題とする。
【解決手段】α−メチルスチレン成分10〜30重量%、スチレン成分69〜89.995重量%及び架橋性単量体成分0.005〜1重量%を含む熱可塑性樹脂を含有する樹脂と、前記樹脂に含浸させたペンタンのみからなる揮発性発泡剤とを含むことを特徴とする発泡性樹脂粒子により上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体に関する。更に詳しくは、本発明は、ペンタンのみからなる揮発性発泡剤を含有することで、撓み値が向上した発泡成形体を与える発泡性樹脂粒子、その製造方法、発泡性樹脂粒子に由来する予備発泡粒子及び発泡成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発泡性樹脂粒子として発泡性ポリスチレン粒子が汎用されている。この発泡性ポリスチレン粒子を型内発泡成形することによってポリスチレン発泡成形体を得ることができる。
しかしながら、ポリスチレン発泡成形体は、原料となる単量体がスチレンであるために耐熱性が低いことが知られている。そのため、ポリスチレン発泡成形体は、配管の保温材、屋根用断熱材、自動車部材、ソーラーシステム用保温材、給湯器保温材等の高温下において長期間にわたって使用される用途、即ち、耐熱性が要求される用途には寸法安定性に欠けるために使用できなかった。
上記課題を解決すべく、本発明の発明者は、寸法安定性の向上を目的として、特定の種類の単量体成分から構成される発泡性樹脂粒子を、特開2009−138146号公報(特許文献1)に記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−138146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記公報に記載の発泡性樹脂粒子は、良好な寸法安定性の発泡成形体を提供可能であるとされている。しかしながら、良好な寸法安定性を維持しつつ、外部からの衝撃をより吸収しうる発泡成形体の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の発明者は、鋭意検討の結果、良好な寸法安定性を維持しつつ、外部からの衝撃をより吸収するには、揮発性発泡剤として、ブタンを使用せずに、ペンタンのみを使用することで、ペンタンの可塑剤としての働きに由来する外部からの衝撃の吸収性を向上させ得る向上した撓み性を発泡成形体に付与できることを意外にも見出すことで本発明に至った。
かくして本発明によれば、α−メチルスチレン成分10〜30重量%、スチレン成分69〜89.995重量%及び架橋性単量体成分0.005〜1重量%を含む熱可塑性樹脂を含有する樹脂と、前記樹脂に含浸させたペンタンのみからなる揮発性発泡剤とを含むことを特徴とする発泡性樹脂粒子が提供される。
【0006】
また、本発明によれば、上記発泡性樹脂粒子を予備発泡させて得られた予備発泡粒子が提供される。
更に、本発明によれば、上記予備発泡粒子を発泡成形させて得られた発泡成形体が提供される。
また、本発明によれば、上記発泡性樹脂粒子の製造方法であり、
水性媒体中に、α−メチルスチレン、スチレン及び架橋性単量体を含有する単量体組成物を供給後又は供給しながら、単量体組成物を重合に付して樹脂粒子を得る工程と、
重合後又は重合しながら樹脂粒子にペンタンのみからなる揮発性発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得る工程と
を含むことを特徴とする発泡性樹脂粒子の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、寸法安定性を良好に保ちつつ、撓み性が向上した発泡成形体を提供できる。加えて、そのような優れた性質の発泡成形体を製造可能な発泡性樹脂粒子、その製造方法、及びその発泡性樹脂粒子に由来する予備発泡粒子を提供できる。
ペンタンが、樹脂100重量部に対して、5〜10重量部含まれる場合、寸法安定性を良好に保ちつつ、より撓み性が向上した発泡成形体を製造可能な発泡性樹脂粒子を提供できる。
発泡性樹脂粒子が、それから得られた50倍の発泡成形体から切り出した厚さ30mm×幅750mm×長さ300mmの試験片に、14〜17mmの撓み値を与える場合、寸法安定性を良好に保ちつつ、より撓み性が向上した発泡成形体を製造可能な発泡性樹脂粒子を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発泡性樹脂粒子)
本発明の発泡性樹脂粒子は、α−メチルスチレン成分、スチレン成分及び架橋性単量体成分を含有する樹脂と、樹脂に含浸させたペンタンのみからなる揮発性発泡剤とを含む。
(1)α−メチルスチレン成分
樹脂中におけるα−メチルスチレン成分の含有量は、10〜30重量%である。10重量%より少ないと、発泡性樹脂粒子から得られる発泡成形体の耐熱性が低下することがある。一方、30重量%より多いと、発泡性樹脂粒子の耐熱性が高くなり過ぎて発泡性が低下することがある。好ましい含有量は、15〜25重量%である。
【0009】
(2)スチレン成分
樹脂中におけるスチレン成分の含有量は、69〜89.995重量%である。69重量%より少ないと、発泡性樹脂粒子の耐熱性が高くなり過ぎて発泡性が低下することがある。一方、89.995重量%より多いと、発泡性樹脂粒子から得られる発泡成形体の耐熱性が低下することがある。より好ましい含有量は、75〜85重量%である。
【0010】
(3)架橋性単量体成分
架橋性単量体成分を樹脂に付与する架橋性単量体としては、樹脂に架橋構造を付与できるものであれば、特に限定されない。例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等のアルキレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体等が挙げられる。この内、ジビニルベンゼンが好ましい。
樹脂中における架橋性単量体成分の含有量は、0.005〜1重量%である。0.005重量%より少ないと、発泡性樹脂粒子から得られる発泡成形体の耐熱性が低下することがある。1重量%より多いと、発泡性樹脂粒子の耐熱性が高くなり過ぎて発泡性が低下することがある。より好ましい含有量は、0.01〜0.5重量%である。
【0011】
(4)揮発性発泡剤
揮発性発泡剤は、ペンタンのみである。発泡性樹脂粒子が、ペンタンのみを含むことで、発泡性を維持したまま、ペンタンによる樹脂の可塑性の向上による発泡成形体の撓み値の向上を期待できる。
ペンタンは、ノルマルペンタン及びイソペンタンのいずれか単独であってもよく、両者の混合物であってもよい。
【0012】
揮発性発泡剤を樹脂に含浸させることにより発泡性樹脂粒子が得られるが、含浸時の揮発性発泡剤の添加量は、得ようとする発泡成形体の発泡倍率によって適宜、調整できる。その添加量は、樹脂100重量部に対して3〜18重量部が好ましい。添加量が3重量部より少ない場合、発泡性樹脂粒子を用いて得られる発泡成形体の高発泡倍率化が困難となることがある。また、少ない場合、発泡性樹脂粒子を発泡させて得られる発泡粒子同士の熱融着が不充分となって、発泡成形体の外観性が低下することがある。加えて、少ない場合、ペンタンによる樹脂の可塑性の向上効果が十分得られないことがある。一方、添加量が18重量部より多い場合、発泡性樹脂粒子を用いて得られる発泡成形体に収縮が生じることがある。加えて、発泡性樹脂粒子に由来する予備発泡粒子中の発泡剤の調整や発泡成形に時間を要して製造効率が低下することがある。より好ましい添加量は、4〜16重量部である。
【0013】
(5)その他成分
発泡性樹脂粒子は、気泡の平均弦長を調整しかつ発泡性樹脂粒子から得られる発泡成形体の耐熱性を向上させるために、気泡調整剤を含有していてもよい。気泡調整剤としては、例えば、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等の脂肪族ビスアマイド、ステアリン酸アミド、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
発泡性樹脂粒子中における気泡調整剤の含有量は、0.2重量%以下であることが好ましい。0.2重量%より多いと、発泡性樹脂粒子の耐熱性が低下することがある。より好ましい含有量は、0.01〜0.1重量%である。
【0014】
発泡性樹脂粒子は、難燃剤を含有していてもよい。本発明の発泡性樹脂粒子は、難燃剤を含有しても、良好な発泡性を維持できる。
難燃剤としては、発泡性樹脂粒子に難燃性を付与できれば、特に限定されない。その内、発泡性樹脂粒子の耐熱性及び発泡性を低下させることなく、少量で良好な難燃性を付与可能な、分解温度が140〜250℃である難燃剤が好ましい。より好ましい難燃剤は、分解温度が140〜250℃でかつ融点が80℃以上である難燃剤であり、分解温度が140〜250℃でかつ融点が80〜200℃である難燃剤が特に好ましい。
【0015】
なお、難燃剤の分解温度とは、示差熱分析装置を用いて窒素雰囲気中にて試料を10℃/分の昇温速度で昇温し、試料が1重量%減少する温度をいう。難燃剤の融点とは、示差熱分析装置を用いて窒素雰囲気中にて試料を10℃/分の昇温速度で測定されたものをいう。
分解温度が140〜250℃である難燃剤としてハロゲン系難燃剤を挙げることができる。具体的には、テトラブロモシクロオクタン(分解温度:167℃、融点:105℃)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)(分解温度:206℃、融点:120℃)及びテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−メチルプロピルエーテル)(分解温度:233℃、融点:110℃)等が挙げられ、テトラブロモシクロオクタンが好ましい。
【0016】
発泡性樹脂粒子中における難燃剤の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。0.5重量部より少ないと、発泡性樹脂粒子に充分な難燃性を付与できないことがある。一方、10重量部より多いと、発泡性樹脂粒子の耐熱性及び発泡性が低下することがある。より好ましい含有量は、0.8〜8重量部である。
【0017】
難燃剤は、難燃助剤と併用してもよい。併用することによって発泡性樹脂粒子に更に優れた難燃性を付与できる。このような難燃助剤としては、特に限定されないが、1時間半減期温度が100〜250℃であるものが好ましい。具体的な、難燃助剤としては、例えば、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。
発泡性樹脂粒子中における難燃助剤の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.2〜2.0重量部が好ましい。0.2重量部より少ないと、発泡性樹脂粒子の難燃性が低下することがある。2.0重量部より多いと、発泡性樹脂粒子の難燃性に変化がないことが多い。より好ましい含有量は、0.2〜1.5重量部である。
【0018】
(6)撓み値
発泡性樹脂粒子は、それから得られた50倍の発泡成形体から切り出した厚さ30mm×幅750mm×長さ300mmの試験片に、14〜17mmの撓み値を与えることができる。この撓み値は、揮発性発泡剤としてペンタンのみを使用することで実現可能な値である。
【0019】
(発泡性樹脂粒子の製造)
発泡性樹脂粒子の製造方法としては、例えば、α−メチルスチレン、スチレン及び架橋性単量体を含有する単量体組成物を、塊状重合、懸濁重合、分散重合、乳化重合等により重合させて得られた樹脂粒子に、揮発性発泡剤を含浸させる方法が挙げられる。なお、α−メチルスチレン、スチレン及び架橋性単量体の使用量は、対応するα−メチルスチレン成分、スチレン成分及び架橋性単量体成分の含有量と同じである。
【0020】
より具体的には、例えば、
(a)α−メチルスチレン、スチレン及び架橋性単量体を含有する単量体組成物を重合開始剤の存在下にて塊状重合させて熱可塑性樹脂を得た後、この熱可塑性樹脂をペレット化して樹脂粒子を製造し、この樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を製造する方法、
(b)水性媒体中に、α−メチルスチレン、スチレン及び架橋性単量体を含有する単量体組成物を供給後又は供給しながら、単量体組成物を重合(懸濁重合)に付して樹脂粒子を得る工程と、
重合後又は重合しながら樹脂粒子にペンタンのみからなる揮発性発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得る工程とを経ることで発泡性樹脂粒子を製造する方法
が挙げられる。
【0021】
上記(a)及び(b)の方法の内、ペレット化する工程が不要で、製造効率に優れ、難燃剤や難燃助剤の分解のおそれの少ない、(b)の方法が好ましい。なお、発泡性樹脂粒子中に難燃剤や難燃助剤を含有させる場合には、単量体組成物の重合時や、上記(a)の方法においてはペレット化する時に、反応系や熱可塑性樹脂中に難燃剤や難燃助剤を添加すればよい。
【0022】
更に、(b)の方法の懸濁重合の中でもシード重合により発泡性樹脂粒子を製造することが好ましい。
シード重合の要領としては、次の通りである。
まず、メチルアルコールやエチルアルコール等のアルコールや水等の水性媒体中に種粒子を分散させてなる分散液を作製する。次に、α−メチルスチレン、スチレン及び架橋性単量体を含有する単量体組成物を分散液中に供給して種粒子中に上記単量体組成物を吸収させる。吸収後、単量体組成物を、重合開始剤の存在下にて、好ましくは60〜150℃にて重合させて樹脂粒子を得る。単量体組成物の重合は、種粒子へ単量体組成物を吸収させながら行ってもよい。得られた樹脂粒子に、揮発性発泡剤を含浸して発泡性樹脂粒子を得ることができる。揮発性発泡剤の含浸は、単量体組成物を重合させながら行ってもよい。また、単量体組成物は、これを構成する単量体を全て同時に分散液中に供給する必要はなく、単量体の全部あるいは一部を別々のタイミングで分散液中に供給してもよい。発泡性樹脂粒子中に難燃剤や難燃助剤を含有させる場合には、難燃剤や難燃助剤を単量体組成物や分散液中に添加しても、あるいは、種粒子中に含有させてもよい。
【0023】
単量体組成物は、種粒子100重量部に対して、10〜300重量部添加することが好ましい。
ここで、種粒子を構成する熱可塑性樹脂がポリスチレンである場合には、単量体組成物は、種粒子100重量部に対して、α−メチルスチレン13.3〜300重量部、スチレン0〜799.95重量部及び架橋性単量体0.00665〜10重量部を含有していることが好ましい。より好ましい単量体組成物は、α−メチルスチレン19.95〜250重量部、スチレン0〜749.9重量部及び架橋性単量体0.0133〜5重量部を含有している単量体組成物である。なお、種粒子を構成する熱可塑性樹脂がポリスチレンである場合には、単量体組成物にスチレンが含有されていなくてもよい。
【0024】
発泡性樹脂粒子をシード重合によって製造する場合、種粒子の粒子径を予め揃えておくことによって粒子径分布が狭く所望粒子径を有する発泡性樹脂粒子を得ることができる。具体的には、上記懸濁重合(シード重合)によって得られた樹脂粒子を分級し、あるいは、塊状重合によって得られた熱可塑性樹脂を所望の粒子径にペレット化することによって、粒子径の揃った種粒子を得ることができる。
【0025】
種粒子の使用量は、重合終了時に得られる樹脂粒子の全量に対して10〜75重量%が好ましく、15〜50重量%がより好ましい。これは、種粒子の使用量が少ないと、シード重合時における単量体組成物の重合率を適正範囲に制御することが困難となることがあるからである。困難となった結果、得られる樹脂粒子を構成している熱可塑性樹脂が高分子量化して発泡性樹脂粒子の発泡性が低下し、あるいは、微粉末状の熱可塑性樹脂が多量に発生して製造効率が低下することがある。一方、種粒子の使用量が多いと、成形品の外観が低下することがある。
【0026】
懸濁重合を行う際に、単量体組成物の液滴及び種粒子の分散性を安定させるために分散剤を用いてもよい。分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難溶性無機化合物等が挙げられる。この内、水溶性高分子と難溶性無機化合物を併用することが好ましい。
【0027】
難溶性無機化合物を用いる場合には、アニオン界面活性剤を併用できる。アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸又はその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。
【0028】
また、単量体組成物の重合には、重合開始剤が通常使用される。重合開始剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ3,3,5トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。これら重合開始剤は、単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0029】
特に、樹脂粒子を構成している熱可塑性樹脂の重量平均分子量を調整し、残存単量体を減少させるために、10時間半減期温度の異なる二種類の重合開始剤を用い、10時間半減期温度が高い方の重合開始剤の10時間半減期温度が80〜120℃で、かつ、10時間半減期温度が低い方の重合開始剤の10時間半減期温度が70〜110℃であることが好ましい。
【0030】
重合開始剤を種粒子あるいは種粒子から成長途上の樹脂粒子に均一に吸収させるために、重合開始剤を分散液中に添加するにあたって、重合開始剤を水性媒体中に予め懸濁又は乳化分散させた上で分散液中に添加するか、あるいは、重合開始剤を単量体組成物あるいは単量体組成物のいずれかの単量体に予め溶解させた上で分散液中に添加することが好ましい。
シード重合によって得られた樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸させ、あるいは、シード重合の途中に種粒子から成長途上の樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸させて、発泡性樹脂粒子を製造できる。
【0031】
(予備発泡粒子)
発泡性樹脂粒子は、予備発泡機で予備発泡されて予備発泡粒子とされる。予備発泡は、特に限定されず、公知の条件で行うことができる。
【0032】
(発泡成形体)
予備発泡粒子は、必要に応じて、常圧にて熟成された上で、発泡成形機の金型内に充填され、加熱蒸気等の加熱媒体により二次発泡させられて発泡圧によって互いに熱融着一体化することで、所望形状を有する発泡成形体とされる。
発泡成形体の平均弦長は、40〜310μmが好ましく、60〜250μmがより好ましい。これは、発泡成形体の気泡の平均弦長が小さいと、発泡成形体中における気泡壁の数、即ち、気泡壁の表面積が多くなり過ぎて各気泡壁の厚さが薄くなり、気泡壁の数は多くなって熱の遮断回数は多くなるものの、気泡壁による熱の遮断効果の低下度合いの方が大きくなってしまい、結果として、発泡成形体の断熱性が低下してしまうからである。
一方、発泡成形体の平均弦長が大きいと、発泡成形体の厚み方向における全体の気泡数が減少し、その結果、気泡壁による熱の遮断回数が減少し、発泡成形体の断熱性が低下してしまうからである。
【実施例】
【0033】
以下、実施例によって本発明の具体例を示すが、以下の実施例は本発明の例示にすぎず、本発明は以下の実施例のみに限定されない。なお、以下において、特記しない限り、「部」及び「%」は重量基準である。
以下の実施例及び比較例における各種測定方法を下記する。
【0034】
<重量平均分子量>
重量平均分子量は、下記の要領で測定されたスチレン換算重量平均分子量をいう。
即ち、ポリスチレン系樹脂30mgをクロロホルム10ミリリットルで溶解する。得られた溶液を、非水系0.45μmのクロマトディスクで濾過した後、クロマトグラフを用いて平均分子量を下記条件にて測定する。
ガスクロマトグラフ:Water社製商品名「Detector 484,Pump 510」
カラム:昭和電工社製
商品名「Shodex GPC K−806L(φ8.0×300mm)」2本
カラム温度:40℃
キャリアーガス:クロロホルム
キャリアーガス流量:1.2ミリリットル/分
注入・ポンプ温度:室温
検出:UV254nm
注入量:50マイクロリットル
検量線用標準ポリスチレン:昭和電工社製商品名「shodex」重量平均分子量:1030000及び東ソー社製の重量平均分子量:5480000,3840000,355000,102000,37900,9100,2630,495のポリスチレン
【0035】
<平均粒子径の測定方法>
試料約50gをロータップ型篩振とう機(飯田製作所社製)を用いて、篩目開き3.35mm、2.80mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mm、0.85mm、0.71mm、0.60mm、0.50mm、0.425mm、0.355mm、0.300mm、0.250mm、0.212mm、0.180mmのJIS標準篩で5分間分級する。篩網上の試料重量を測定し、その結果から得られた累積重量分布曲線を元にして累積重量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径として求める。
【0036】
<含有発泡剤量(ガス量)測定>
発泡剤含浸後、15℃に設定した冷蔵庫で360時間保管した発泡性樹脂粒子を5〜20mg精秤し測定試料とする。この測定試料を180〜200℃に保持された熱分解炉(島津製作所社製:PYR−1A)にセットし測定試料を密閉後、120秒間に亘って加熱して発泡剤成分を放出させる。この放出された発泡剤成分をガスクロマトグラフ(島津製作所社製:GC−14B、検出器:FID)を用いて下記条件にて発泡剤成分のチャートを得る。予め測定しておいた、発泡剤成分の検量線に基づいて、得られたチャートから発泡性樹脂粒子中の発泡剤含有量(重量%)を算出する。
【0037】
<耐熱性(加熱寸法変化率)>
発泡成形体から、縦120mm×横120mm×高さ30mmの直方体形状の試験片を切り出す。この試験片について、90℃にて168時間にわたって放置した後の加熱寸法変化率をJIS K6767:1999(高温時の寸法安定性:B法)に準拠して測定する。なお、加熱寸法変化率が±0.5%以内の場合を「○」とし、加熱寸法変化率が−0.5%を下回るかあるいは0.5%を上回っている場合を「×」とする。
【0038】
<燃焼性試験>
発泡成形体から縦200mm×横25mm×高さ10mmの直方体形状の試験片5個をバーチカルカッターにて切り出す。この試験片を、60℃オーブンで1日間養生後、JIS A9511:2006の測定方法Aに準じて消炎時間を測定する。5個の試験片の平均値を平均消炎時間とし、下記基準に基づいて総合的に燃焼性を評価する。なお、上記JIS規格では消炎時間が3秒以内である必要があり、2秒以内が好ましく、1秒以内がより好ましいとされている。
「×」は、消炎時間が3秒を超えているか、又は、試験片の1個でも残じんがあるかもしくは燃焼限界指示線を超えて燃焼する場合を意味する。また、「○」は、消炎時間が3秒以内であり、5個のサンプル全てにおいて、残じんがなく燃焼限界指示線を超えて燃焼しない場合を意味する。
【0039】
<平均弦長>
発泡成形体の平均弦長は、ASTM D2842−69の試験方法に準拠して測定されたものをいう。具体的には、発泡成形体を略二等分となるように切断し、切断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製 商品名「S−3000N」)を用いて17倍に拡大して撮影する。
次に、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、任意の箇所に長さ60mmの直線を一本、描く、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出する。
平均弦長t=60/(気泡数×写真の倍率)
なお、直線を描くにあたっては、できるだけ直線が気泡に点接触することなく貫通した状態となるようにする。また、一部の気泡が直線に点接触してしまう場合には、この気泡も気泡数に含め、更に、直線の両端部が気泡を貫通することなく、気泡内に位置した状態となる場合には、直線の両端部が位置している気泡も気泡数に含める。
更に、撮影した画像の任意の5箇所において上述と同様の要領で平均弦長を算出し、これらの平均弦長の相加平均値を発泡成形体の平均弦長とする。
【0040】
<熱伝導率(断熱性)>
発泡成形体から、縦200mm×横200mm×高さ10〜25mmの直方体形状の試験片を切り出す。熱伝導率の測定には英弘精機産業社から商品名「HC−074/200」にて市販されている装置を用いる。具体的には、次のように測定する。まず、この測定装置の低温板を試験片の平均温度より15℃低くかつ高温板を試験片の平均温度よりも15℃高く設定する。そして、試験片の熱伝導率をJIS A 1412−2:1999「熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第2部:熱流計法(HFM法)」記載の方法に準拠して熱伝導率を測定する。なお、試験片の平均温度は、0℃、20℃、30℃の3点とする。得られた熱伝導率に基づいて、横軸を温度、縦軸を熱伝導率とした回帰直線を描き、試験片の23℃における熱伝導率(A)を算出する。
【0041】
更に、米国標準規格技術研究所の押出法ポリスチレン標準板(NIST−SRM1453)の熱伝導率を上記と同様の要領で測定する。そして、押出法ポリスチレン標準板の熱伝導率(B)及び公称値(C)(23℃算出値)を用いて測定装置の補正を下記式によって行い、補正後の値を試験片の熱伝導率とする。
熱伝導率λ(W/m・K)=A×C/B
A:試験片の23℃での熱伝導率
B:押出法ポリスチレン標準板の23℃での熱伝導率
C:押出法ポリスチレン標準板の公称値(23℃算出値)
【0042】
(撓み値)
JIS K7221−1:2006「硬質発泡プラスチック−曲げ試験−第1部:曲げ試験」に記載の方法に準拠して曲げ強さを測定する。
得られた嵩倍数50倍の発泡成形体を温度50℃で1日間乾燥した後、この発泡成形体から75mm×300mm×30mm(厚さ)の試験片を切り出す。
次いで、万能試験機(オリエンテック社製、テンシロン(登録商標)UCT―10T)に先端冶具として加圧くさび10R及び支持台10Rを装着し、支点間距離200mmで試験片をセットし、圧縮速度10mm/分の条件で曲げ試験を行う。この試験において、破断検出感度を0.5%に設定し、直前荷重サンプリング点と比較して、その減少が設定値0.5%を超えた時、直前のサンプリング点を曲げ破断点変位量(mm)として測定する。得られた曲げ破断点変位量を成形品の撓み値とする。なお、成形品の撓み値が17mm以下〜14mm以上を○、14mm未満を×とする。
【0043】
(実施例1)
(1)種粒子の製造
内容積100リットルの撹拌機付オートクレーブに第三リン酸カルシウム(大平化学社製)120g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.4g、ベンゾイルパーオキサイド(純度75重量%)160g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート30g、イオン交換水40kg及びスチレン単量体40kgを供給して撹拌羽を100rpmの回転速度にて回転させて撹拌して水性懸濁液を形成した。
【0044】
次に、撹拌羽を100rpmの回転速度で回転させて水性懸濁液を撹拌しながらオートクレーブ内の温度を90℃まで昇温して90℃にて6時間にわたって保持し、更に、オートクレーブ内の温度を120℃まで昇温し、120℃で2時間にわたって保持することによって、スチレン単量体を懸濁重合した。
しかる後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、オートクレーブ内からポリスチレン粒子を取り出して洗浄、脱水を複数回にわたって繰り返し行い、乾燥工程を経た後、ポリスチレン粒子を分級して、粒子径が0.5〜0.7mmでかつ重量平均分子量が24万のポリスチレン粒子を得た。
【0045】
(2)発泡性樹脂粒子の製造
次に、別の100リットルの撹拌機付オートクレーブにイオン交換水35kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4g及びピロリン酸マグネシウム200gを供給した後、オートクレーブ内に上記ポリスチレン粒子8000gを種粒子として供給し撹拌して水中に均一に分散させた。
上記とは別に、イオン交換水5kgにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3gを溶解させてなる分散液を作製する一方、スチレン1994g、α−メチルスチレン500g及びジビニルベンゼン6gに、重合開始剤である2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(10時間半減期温度:100℃)100g及びジクミルパーオキサイド(10時間半減期温度:116℃)100gを溶解させてスチレン系単量体溶液を作製し、このスチレン系単量体溶液を上記分散液に添加してホモミキサーを用いて撹拌して乳濁化させて乳濁液を得た。
【0046】
そして、オートクレーブ内を80℃に加熱、保持した上でオートクレーブ内に上記乳濁液を添加し、ポリスチレン種粒子中に、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン及び重合開始剤が円滑に吸収されるように30分間にわたって保持し、しかる後、オートクレーブ内を80℃から118℃まで昇温した。118℃に到達した時点より、オートクレーブ内にスチレン22000g、α−メチルスチレン7500g、を540分かけて連続的に滴下し、次に、単量体の滴下が終了してから60分後に、1℃/分の昇温速度で140℃まで昇温して120分間に亘って保持してシード重合により樹脂粒子を得た。また、α−メチルスチレン、スチレン及びジビニルベンゼンは全て重合に用いられていた。
【0047】
次に、オートクレーブ内を1℃/分の降温速度にて90℃まで冷却した上で、オートクレーブ内に、難燃剤テトラブロモシクロオクタン(第一工業製薬社製商品名「ピロガードFR−200」)分解温度:167℃、融点:105℃)440gに流動化剤としてシリカ(日本アエロジル社製商品名「AEROSIL200」)を2.24g加えてヘンシェルミキサーで乾式混合した難燃剤Aを440g及び難燃助剤としてジクミルパーオキサイド(DCP、1時間半減期温度:136℃)140gを供給した。
【0048】
難燃剤A及びジクミルパーオキサイドをオートクレーブ内に供給してから30分経過後にオートクレーブを密閉し、しかる後、発泡剤としてペンタン(イソペンタン/ノルマルペンタン(重量比)=20/80)4000gとを窒素加圧によってオートクレーブ内に30分間で圧入し、オートクレーブ内を95℃に再度、昇温させ、その温度に保持した状態で4時間保持した。
しかる後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、オートクレーブ内から難燃性発泡性ポリスチレン粒子を取り出して、洗浄、脱水を複数回にわたって繰り返し行い、乾燥工程を経た後、難燃性発泡性ポリスチレン粒子を分級して粒子径が0.80〜1.2mm、平均粒子径が1.0mmの難燃性発泡性ポリスチレン粒子を得た。
【0049】
(3)表面処理
上記の要領で得られた、難燃性発泡性ポリスチレン粒子40000gと、表面処理剤としてポリエチレングリコール20g、ステアリン酸亜鉛60g、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド(川研ファインケミカル社製 商品名「K−3ワックス500」)40g及びステアリン酸モノグリセライド(理研ビタミン社製 商品名「リケマールS−100P」)20gとをタンブラーミキサーに投入し、30分間撹拌し、難燃性発泡性ポリスチレン樹脂粒子に表面処理剤を被覆した。
【0050】
(4)保管
上記のようにして表面処理された難燃性発泡性ポリスチレン粒子を500000gずつ、ポリエチレン内袋入りの500000gフレキシブルコンテナに充填し、15℃に設定した冷蔵庫で保管した。
【0051】
(5)予備発泡粒子の製造
上記のように表面処理された難燃性発泡性ポリスチレン粒子を上記の条件で360時間保管した後、撹拌機付き予備発泡機に難燃性発泡性ポリスチレン粒子500gを供給して水蒸気を用いて加熱することによって予備発泡させ、嵩倍率50倍の予備発泡粒子を得た。予備発泡時の発泡速度、予備発泡粒子の形状、及び、予備発泡機内における予備発泡粒子の状態を目視観察することで、予備発泡性を総合的に判断した。
【0052】
予備発泡粒子の嵩倍数は、次の方法で算出された値を意味する。即ち、予備発泡粒子3gを0.02Mpaの蒸気にて3分間加熱し、得られた予備発泡粒子の嵩体積をメスシリンダーにて測定する。測定された嵩体積を粒子重量で除して得られた値を、予備発泡粒子の嵩倍数とする。この嵩倍数が所望の発泡倍数に満たない場合、所望の発泡倍数の発泡粒が得られない場合や、発泡に時間が掛かり、成形時に粒子内部の発泡剤が不足し、成形品の外観や融着が悪化することがある。
【0053】
(6)発泡成形体の製造
上記の要領で得られた予備発泡粒子を発泡成形機(積水工機社製 商品名「ACE−3SP」)の金型内に充填し、水蒸気を用いて二次発泡させることによって、縦300mm×横400mm×高さ30mmの直方体形状の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の表面において、発泡粒子間に隙間が存在しているか否かを目視観察する。隙間が存在しない場合を合格、存在する場合を不合格とする。得られた発泡成形体の耐熱性、燃焼性試験、平均弦長、熱伝導率、撓み値を表1に示す。
【0054】
(実施例2)
ペンタンを3600g使用すること以外は実施例1と同様にして難燃性発泡性ポリスチレン粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の耐熱性、燃焼性試験、平均弦長、熱伝導率、撓み値を表1に示す。
【0055】
(実施例3)
ペンタンを3200g使用すること以外は実施例1と同様にして難燃性発泡性ポリスチレン粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の耐熱性、燃焼性試験、平均弦長、熱伝導率、撓み値を表1に示す。
【0056】
(比較例1)
ペンタンに代えて、ペンタン(イソペンタン/ノルマルペンタン(重量比)=20/80)1600gとブタン(イソブタン/ノルマルブタン(重量比)=30/70)3600gとの混合物を使用すること以外は実施例1と同様にして難燃性発泡性ポリスチレン粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の耐熱性、燃焼性試験、平均弦長、熱伝導率、撓み値を表1に示す。
【0057】
(比較例2)
ペンタンに代えて、ペンタン(イソペンタン/ノルマルペンタン(重量比)=20/80)1200gとブタン(イソブタン/ノルマルブタン(重量比)=30/70)4000gとの混合物を使用すること以外は実施例1と同様にして難燃性発泡性ポリスチレン粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の耐熱性、燃焼性試験、平均弦長、熱伝導率、撓み値を表1に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
表1から、ペンタンのみからなる揮発性発泡剤を使用することで、耐熱性、燃焼性試験及び熱伝導率を高い値に維持したまま、撓み値を向上できることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
α−メチルスチレン成分10〜30重量%、スチレン成分69〜89.995重量%及び架橋性単量体成分0.005〜1重量%を含む熱可塑性樹脂を含有する樹脂と、前記樹脂に含浸させたペンタンのみからなる揮発性発泡剤とを含むことを特徴とする発泡性樹脂粒子。
【請求項2】
前記ペンタンが、前記樹脂100重量部に対して、5〜10重量部含まれる請求項1に記載の発泡性樹脂粒子。
【請求項3】
前記発泡性樹脂粒子が、それから得られた50倍の発泡成形体から切り出した厚さ30mm×幅750mm×長さ300mmの試験片に、14〜17mmの撓み値を与える請求項1又は2に記載の発泡性樹脂粒子。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡性樹脂粒子を予備発泡させて得られた予備発泡粒子。
【請求項5】
請求項4に記載の予備発泡粒子を発泡成形させて得られた発泡成形体。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡性樹脂粒子の製造方法であり、
水性媒体中に、α−メチルスチレン、スチレン及び架橋性単量体を含有する単量体組成物を供給後又は供給しながら、単量体組成物を重合に付して樹脂粒子を得る工程と、
重合後又は重合しながら樹脂粒子にペンタンのみからなる揮発性発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得る工程と
を含むことを特徴とする発泡性樹脂粒子の製造方法。

【公開番号】特開2012−77149(P2012−77149A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222325(P2010−222325)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】