説明

発熱体収納箱冷却装置

【課題】屋外に設置され、精密な機器を有して冷却が必要な箱体構造物において、運転騒音が低く、振動を抑制した発熱体収納箱冷却装置を提供することを目的とする。
【解決手段】箱体の外気吸込口5から外気送風機3の間に、外気送風機3のオリフィス6と同心円かつ同等以上の直径の開口部を有する消音部材7を連通させる。さらに、空気を搬送する送風機として、インデューサー付送風機を主板が熱交換素子の長風路側に向くように配置することにより、運転騒音の低い発熱体収納箱冷却装置が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外に設置される箱体構造物で、内部に電子部品などの発熱体を有し、その発熱量が多く冬季においても冷却を要し、また、温度により性能、寿命に大きく影響を受けるような精密な機器を有する箱に関し、特にその冷却装置とその騒音低減方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品の高性能化と制御基板に対する電子部品の高密度化が進み、制御基板からの発熱量は飛躍的に増加している。これに伴い、箱内の温度は上昇する傾向にあり、制御基板上にある電子部品の動作保証、製品寿命は箱内の温度に大きな影響を受ける。このため、箱内の温度を一定以下に冷却しなければ信頼性の確保が出来なくなってきている。一方で、発熱体収納箱の市街地等への設置増加に伴い、機器の低騒音化が望まれている。
【0003】
従来、この種の箱を空気式熱交換により冷却する発熱体収容箱冷却装置は、箱に設置されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、その発熱体収納箱冷却装置の構成について、図14と図15を参照しながら説明する。図14に示すように発熱体収納箱冷却装置101は、ケース102の内部に、発熱体収納箱の空気を取込んで戻す内気風路107と、外気を取込み、また外気に排出する外気風路108を有し、内気風路107の空気を搬送する内気送風機103と、外気風路108の空気を搬送する外気送風機104と、両風路の交点に配され、薄板をコルゲート状に折り曲げ、多数の隔壁部が等間隔で形成され、その長手方向の両端部が交互に1つおきに橋絡部によって接続され、交互に位置する複数個の内気側矩形流路109と外気側矩形流路110を形成する外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子105と、発熱体収納箱を寒冷地の低温下で使用した場合においても発熱体収納箱内の電子部品が正常に動作する様、内気風路の空気を加熱する為のヒーター106を備えている。
【0005】
また、図15に示すように発熱体収納箱冷却装置101は、発熱体収納箱111の開閉式の扉112に内付けされる。
【特許文献1】特開2001−156478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の発熱体収納箱冷却装置では、外気送風機が外気吸気口と連通している為、主たる発生源である外気送風機から発せられる騒音が直接機外に放出される可能性がある。
【0007】
また、騒音発生の1つの要因として振動が挙げられるが、内気送風機、並びに外気送風機の固定方法や固定部材の強度により大きな振動発生につながる可能性がある。
【0008】
また、風量低下や、伝熱板への通風状態に偏りが発生した場合、冷却能力を確保する為に内気送風機もしくは外気送風機の回転数を上げざるを得ず、騒音増大につながる可能性がある。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、騒音抑制の為の消音装置を配し、また、振動の低減、風量の増加、熱交換素子への通風状態の均一化をはかり、騒音を抑制した冷却装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の熱交換器は上記目的を達成するために、発熱体収納箱の空気を取込み、また発熱体収納箱内に戻し循環させる内気風路と、外気を取込み、また外気に排出する外気風路を有し、外気風路の空気を搬送する外気送風機と、内気風路の空気を搬送する内気送風機と、外気風路と内気風路の交点に配され外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子と、前記内気送風機と熱交換素子間に配置されたヒーターと、箱体外気吸込口から外気送風機の間に、外気送風機のオリフィスと同心円かつ同等以上の直径の開口部を有するベルマウス形状の部材を連通させて、消音装置として備えたものである。
【0011】
また、他の手段は、消音部材内部に緩衝材を配置したものである。
【0012】
また、他の手段は、消音部材の下部にU字切り欠きを設け、箱体外部へ通じる排水孔を形成したものである。
【0013】
また他の手段は、消音部材は、上部に設けた上部凸部で熱交換素子を配置する素子配置部材に有した切欠き部と接合し、下部に設けた下部凸部で箱体の底面に配置されたすり鉢状のドレンパンと嵌合し、前面開口部の周囲に設けた環状の突起部が箱体の外気吸込開口に嵌合するものである。
【0014】
また、他の手段は、内気送風機とヒーターを同一の板に固定し、一体部品として箱体の同一面でない垂直に隣接する面に着脱可能な手段で固定することを特徴としたものである。
【0015】
また、他の手段は、一体部品と、箱体内面との間に空間を設けたことを特徴としたものである。
【0016】
また、他の手段は、箱体の外気吹出口の内側上部に熱交換素子上面と接する、庇形状の部材を設けたことを特徴とするものである。
【0017】
また、他の手段により、外気送風機の左右両側に羽根の主板と平行となる開口のない面を有した外気送風機取付部材を配置したものである。
【0018】
また、他の手段は、ブレードの出口が回転方向に対し後向きで、かつブレード入り口部にブレードと共に回転するインデューサを有する外気送風機を備えたものである。
【0019】
また、他の手段は、ブレードの内径部または内径部より外径側の間の点より外径部までが軸方向の断面積が同一でなく、主板側に空気が多く流れ昇圧される状態にあわせて主板側出口角度が側板側出口角度に向かって順次小さくなるよう外周部に向かって捻られた形状を有するファンを備えたものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、箱体外気吸込口から外気送風機の間に、外気送風機のオリフィスと同心円かつ同等以上の直径の開口部を有するベルマウス形状の部材を連通させて、消音装置として備えることにより、騒音を抑制した発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0021】
また、ブレードの出口が回転方向に対し後向きで、かつブレード入り口部にブレードと共に回転するインデューサを有する外気送風機を備えることにより、冷却能力を向上させ、ファンの回転数を落とすことが可能になり、騒音を抑制した発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0022】
また、ブレードの内径部または内径部より外径側の間の点より外径部までが軸方向の断面積が同一でなく、主板側に空気が多く流れ昇圧される状態にあわせて主板側出口角度が側板側出口角度に向かって順次小さくなるよう外周部に向かって捻られた形状を有するファンを備えることにより、騒音を抑制した発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0023】
また、オリフィスとベルマウス形状の部材を箱体外気吸込口から外気送風機まで連通させて形成した消音装置に緩衝材を配置したことにより、騒音を抑制した発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0024】
また、下部にU字切り欠きを有し、外気送風機のオリフィスと接合することにより、箱体外部へ通じる排水穴を形成する消音装置を備えることにより、風量を維持しつつ、消音装置から水を排水できる機能を有した発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0025】
また、熱交換素子を配置する為の部材に備えた切欠き部と接合でき、下部で箱体の底面に配置されたすり鉢状のドレンパンと嵌合でき、前面で円形に配した突起部にて箱体の外気吸込開口と合致できる消音装置を備えることにより、消音装置を容易に位置決め、固定でき、吸入口エッジを保護することができる発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0026】
また、内気送風機とヒーターを同一の板に固定し、一体部品として箱体の同一面でない垂直に隣接する面に着脱可能な手段で固定することにより、振動を押さえ、騒音低減した発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0027】
また、一体部品と、箱体内面との間に空間を設けたことを特徴とすることにより、騒音を抑制した発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0028】
また、外気送風機の左右両側に羽根の主板と平行となる開口のない面を有した外気送風機取付け部材を備えることにより、整流作用により冷却能力が向上し、ファンの回転数を落とすことが可能になり、騒音を抑制した発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
発明の請求項1記載の冷却装置は、箱体外気吸込口から外気送風機の間に、外気送風機のオリフィスと同心円かつ同等以上の直径の開口部を有するベルマウス形状の部材を連通させて、消音装置として備えたものであり、ベルマウス形状の部材の開口がオリフィスの開口と同等以上であることから風量の低減を抑えつつ、外気送風機から放出される騒音を外気送風機のオリフィスとベルマウス形状の部材を箱体外気吸込口から外気送風機まで連通させることで共鳴消音することができ、また、外気送風機が熱交換素子の長風路側に配置されることにより、短風路側に比べ圧力損失の高い長風路側への送風量を増やすことが可能になり、熱交換素子の各風路を流れる空気の風速を均一に近づけ、冷却能力の向上が可能となり回転数を下げることができるという作用を有する。
【0030】
また、請求項2記載の冷却装置は、消音部材内部に緩衝材を配置したものであり、緩衝材により共鳴消音を高めることができるという作用を有する。
【0031】
また、請求項3記載の冷却装置は、消音部材の下部にU字切り欠きを設け、箱体外部へ通じる排水孔を形成したことにより、外気送風機の風量を維持し、消音装置に外気送風機のオリフィスを接合することにより形成された排水穴を通して消音装置内に滞留した水を外部に排出することができるという作用を有する。
【0032】
また、請求項4記載の冷却装置は、消音部材は、上部に設けた上部凸部で熱交換素子を配置する素子配置部材に有した切欠き部と接合し、下部に設けた下部凸部で箱体の底面に配置されたすり鉢状のドレンパンと嵌合し、前面開口部の周囲に設けた環状の突起部が箱体の外気吸込開口に嵌合することにより、容易に位置決め、固定が可能であると共に、箱体の外気吸込開口のエッジを保護することができるという作用を有する。
【0033】
また、請求項5記載の冷却装置は、内気送風機とヒーターを同一の板に固定し、一体部品として箱体の同一面でない垂直に隣接する面に着脱可能な手段で固定することにより、内気送風機の軸方向振動と水平振動を低減でき、各主要部品の取付板が不要となるため部品点数の削減が可能となり、かつ、一体部品として着脱することにより、内側送風機とヒーターを同時にメンテナンスすることができるという作用を有する。
【0034】
また、請求項6記載の冷却装置は、一体部品と、箱体内面との間に空間を設けたことにより、二重壁面となる為遮音効果を高め、内気送風機から放出される騒音の低減をはかることができ、かつ、空間にヒーターと送風機の配線を引き回すことにより、発熱部であるヒーターや稼動部である送風機への配線の接触を回避することができ、安全性を高めることができるという作用を有する。
【0035】
また、請求項7記載の冷却装置は、箱体の外気吹出口の内側上部に熱交換素子上面と接する、庇形状の部材を設けたことにより、箱体の補強となる為振動が低減され、かつ、熱交換素子上面と接することで熱交換素子を確実に固定することができるという作用を有する。
【0036】
また、請求項8記載の冷却装置は、外気送風機の左右両側に羽根の主板と平行となる開口のない面を有した外気送風機取付け部材を配置したものであり、外気送風機の吐出風が取付け部材の平面に沿って流れることによる整流作用により、騒音低減をはかることが可能になり、また、整流作用により冷却能力が向上し、ファンの回転数を落とすことが可能になるという作用を有する。
【0037】
また、請求項9記載の冷却装置は、ブレードの出口が回転方向に対し後向きで、かつブレード入り口部にブレードと共に回転するインデューサを有する外気送風機を配置したものであり、主板側、すなわち熱交換素子の短風路側に比べ圧力損失の高い長風路側への送風作用を高めることができ、熱交換素子の各風路を流れる空気の風速を均一に近づけ、冷却能力の向上が可能となり回転数を下げることができるという作用を有する。
【0038】
また、請求項10記載の冷却装置は、ブレードの内径部または内径部より外径側の間の点より外径部までが軸方向の断面積が同一でなく、主板側に空気が多く流れ昇圧される状態にあわせて主板側出口角度が側板側出口角度に向かって順次小さくなるよう外周部に向かって捻られた形状を有するファンを備えることにより、空気の流れに抵抗なく送風昇圧作用を行うことができ、また乱流渦の発生が小さくなる為、風量を低減することなく、騒音を低減をはかることができるという作用を有する。
【0039】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0040】
(実施の形態1)
図1に示すように、ケース1内の上部には内気送風機2を配置し、発熱体収納箱内の空気を取込み、また箱内に戻して内気を循環させる内気風路を形成する。また、ケース1内の下部には、外気送風機3を配置し、外気を取込み、また外気に排出する外気風路を形成する。内気風路と外気風路の交点には、外気と内気の顕熱を交換する為の熱交換素子4が設けられる。外気送風機3は、ケース1に有した外気吸込口5から空気を吸込むようにその吸込口を向けて取り付けられる。その外気吸込口5と外気送風機3の間に、オリフィス6と同心円でかつオリフィス6の開口部と同等以上の直径の開口部を有する消音部材7が設けられる。消音部材7は、オリフィス6の開口部の直径以上の筒部と中心に開口部を有した環状平板を接合した形状をしていて、平板側がケース1の外気吸込口5と合わさる形で配置される。外気吸込口5の入口部分では、消音部材7とオリフィス6とでコの字状の空間(コの字形状空間41)を形成することとなる(図3)。
【0041】
このような構成によれば、外気送風機3から放射され、消音部材7とオリフィス6とで形成されるコの字形状空間41に入射した音波が、コの字形状空間41の壁面から反射した音波と共鳴消音を起こすことにより、騒音低減をはかることができる。
【0042】
また、図2に示すように、消音部材7の内面に緩衝材21を設けても良い。緩衝材21の材料としては、ウレタンを用いる。この構成によれば、緩衝材21による吸音効果と、コの字形状空間41の共鳴消音効果によって、全体として消音効果を高め、騒音低減をはかることができる。また、緩衝材はウレタンでなくても構わない。
【0043】
また、図3に示すように、消音部材7の下部には、U字切り欠き22を設ける。U字切り欠き22は、下部で箱体の底面に配置されたすり鉢状のドレンパン23に備えた穴と接続し、箱体外部へ通じる排水路24を形成する。この構成により、発熱体収納箱が屋外に設置され、雨水が外気吸込口5より消音部材7内に浸入した場合、排水路24を通じて容易に機外に排出することができる。
【0044】
図4、図5に示すように、消音部材7に上部固定用の上部凸部42と下部固定用の下部凸部43と前部には開口部の周囲に外気吸込口5側に膨らんだ環状突起部26を有している。上部凸部42は、熱交換素子を配置する為の素子配置部材27に有した切欠き部28に嵌合する。下部凸部43は、箱体の底面に配置されたすり鉢状のドレンパン23に備えた凹部29と嵌合する。環状突起部26は、外気吸込口5の端部と合致して嵌り込むことができる。このような構成により、容易に消音部材7の位置決めを行い、固定することができる。さらに、環状突起部26が外気吸込口5にはまりこむように設置される為、外気吸込口5のエッジ部が直接雨水にさらされることがない為、防錆の役割を果たすことができる。
【0045】
(実施の形態2)
図6はインデューサー付送風機8の概略図、図7は熱交換素子4を示す概略分解図、図8はインデューサー付送風機8設置の概略断面図である。
【0046】
図6に示すように、インデューサー付送風機8は、吸込口9であるベルマウスを有する側板10と出口角が90度より小さい後ろ向きでかつ、入口付近にインデューサー13を備えたブレード11と主板12により構成されている。吸込口9より吸込まれた空気は、ブレード11に沿って外周側に流れるが、インデューサー13を取り付けることにより入口空気は更に誘引昇圧され主板12側への送風作用を高めることができる。このようなインデューサー付送風機8は、主板12側に多くの風量が供給される。
【0047】
図7に示すように、熱交換素子4はポリスチレンシートの真空成型によりL字状の風路が形成された伝熱板A14および伝熱板B15を多数枚積層して形成される。この積層された多数の伝熱板により、それぞれ独立した室内側風路16と室外側風路17が形成され、その外面を熱溶着することで一体化されている。(本図では簡略のため4つの伝熱板のみを分解図として示している。)また、L字状の風路(室内側風路16、室外側風路17)は、熱交換素子の吐出口面に近い程風路長が短く、離れるに従って順次風路長が長くなる構造の為、各風路での圧力損失に差が生じる。
【0048】
図8に示すように、内気送風機と外気送風機にインデューサー付送風機8を用い、送風機を、送風機吸込口18が連通する熱交換素子の素子吐出口側19になるように配置する。
【0049】
このような構成により、熱交換素子の短風路側に比べ圧力損失の高い長風路側20(送風機の主板12側)への搬送風量を増やし(図中矢印A)、熱交換素子の各風路を流れる空気の風速を均一に近づけることにより冷却能力の向上が可能となり結果として送風機の回転数を下げることができる。
【0050】
また、図9に示すように、内気送風機2、外気送風機3のブレード11の内径部または内径部より外径側の間の点より外径部までが軸方向の断面積が同一でなく、主板側に空気が多く流れ昇圧される状態にあわせて主板側出口角αが側板側出口角βに向かって順次小さくなるよう外周部に向かって捻られた形状を有するファンを備えることにより、空気の流れに抵抗なく送風昇圧作用を行うことができ、また乱流渦の発生が小さくすることが出来る為、騒音の低減をはかることができる。
【0051】
(実施の形態3)
図10に示すように、内気送風機2の両端に配される固定部30を、一体固定部品31の2か所のコの字部先端に配される固定穴32にて接続し、内気送風機2と一体固定部品31にて四角形状の剛体を構成し、かつ、箱体の同一でない隣接面、すなわち、側面33aと内気側壁面33bに、くの字形状をした補強部材を有したヒーター34を取り付けることにより、騒音増加の一因である内気送風機2の軸方向振動と水平振動を低減できる。また、部品点数の削減が可能となると共に、一体部品として着脱することにより、内気送風機2とヒーター34を同時にメンテナンスすることができる。
【0052】
図11に示すように、一体固定部品31は断面をハット形状(凸型)に構成しており、箱体内面と平行に空間35を設けた2重構造となるよう配置する。これにより内気送風機2からの騒音がケース背面より放出される際、2重の壁面を通じて放出される為、騒音の遮音効果を高めることができる。また、空間35にヒーターと送風機の配線36を引き回すことにより、発熱部であるヒーターや稼動部である内気送風機2への配線の接触を回避することができ、安全性を高めることができる。
【0053】
(実施の形態4)
図12に示すように、内気吹出口下部に配された熱交換素子の位置決め用、かつパネル固定用のパネル固定部材37に庇形状の補強部38を設けることにより、熱交換素子を確実に固定すると共に、面積が広い為に振動が生じやすいパネル39を強固に固定でき、騒音発生の一因となる振動を低減することができる。
【0054】
(実施の形態5)
図13に示すように、外気送風機3の左右両側に羽根の主板と平行となる開口のない面を有した外気送風機取付け部材44を配置するものである。本構造により、外気送風機3の吐出風が取付け部材の平面に沿って流れ、整流作用が生じて騒音低減をはかることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、移動電話基地局、簡易無線局等の屋外に設置される箱体構造物で、内部に通信機器等の発熱体を有し、その発熱量が多いため冬季においても冷却を要し、温度、湿度、粉塵、雨水などが性能、寿命に影響を与えるような精密機器を有する発熱体収納箱の冷却装置に関するものに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態1における冷却装置の構造図
【図2】同実施形態1における消音装置の設置概略断面図
【図3】同実施形態1における消音装置の下部接合設置概略断面図
【図4】同実施形態1における消音装置の設置図
【図5】同実施形態1における消音装置の組立図
【図6】同実施形態2におけるインデューサー付送風機の斜視図
【図7】同実施形態2における熱交換素子を示す概略分解図
【図8】同実施形態2におけるインデューサー付送風機の設置概略断面図
【図9】同実施形態2における遠心送風機の正面図
【図10】同実施形態3における内気送風機の固定部材設置図
【図11】同実施形態3における内気送風機の固定部材形状図
【図12】同実施形態4におけるパネル固定用部材の配置図
【図13】同実施形態5における外気送風機取付け部材の配置図
【図14】従来の発熱体収容箱冷却装置構造図
【図15】従来の発熱体収納箱冷却装置の設置図
【符号の説明】
【0057】
1 ケース
2 内気送風機
3 外気送風機
4 熱交換素子
5 外気吸込口
6 オリフィス
7 消音部材
8 インデューサー付送風機
9 吸込口
10 側板
11 ブレード
12 主板
13 インデューサー
14 伝熱板A
15 伝熱板B
16 室内側風路
17 室外側風路
18 送風機吸込口
19 素子吐出口側
20 長風路側
21 緩衝材
22 U字切り欠き
23 ドレンパン
24 排水路
26 環状突起部
27 素子配置部材
28 切欠き部
29 凹部
30 固定部
31 一体固定部品
32 固定穴
33a 側面
33b 内気側壁面
34 ヒーター
35 空間
36 配線
37 パネル固定部材
38 補強部
39 パネル
41 コの字形状空間
42 上部凸部
43 下部凸部
44 外気送風機取付け部材
α 主板側出口角
β 側板側出口角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体収納箱の空気を取込み、また発熱体収納箱内に戻し循環させる内気風路と、外気を取込み、また外気に排出する外気風路を有し、外気風路の空気を搬送する外気送風機と、内気風路の空気を搬送する内気送風機と、外気風路と内気風路の交点に配され外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子と、箱体外気吸込口から外気送風機の間に、外気送風機のオリフィスと同心円かつ同等以上の直径の開口部を有するベルマウス形状の消音部材を連通させて備えたことを特徴とする発熱体収納箱冷却装置。
【請求項2】
前記消音部材内部に緩衝材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項3】
前記消音部材の下部にU字切り欠きを設け、箱体外部へ通じる排水孔を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項4】
前記消音部材は、上部に設けた上部凸部で熱交換素子を配置する素子配置部材に有した切欠き部と接合し、下部に設けた下部凸部で箱体の底面に配置されたすり鉢状のドレンパンと嵌合し、前面開口部の周囲に設けた環状突起部が箱体の外気吸込開口に嵌合することを特徴とした請求項1〜3いずれかに記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項5】
内気送風機とヒーターを同一の部材に固定し、一体部品として箱体の同一面でない垂直に隣接する面に着脱可能な手段で固定することを特徴とした請求項1〜4のいずれかに記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項6】
前記一体部品と箱体内面との間に空間を設けたことを特徴とする請求項5記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項7】
箱体の外気吹出口の内側上部に熱交換素子上面と接するように庇形状の部材を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項8】
外気送風機の左右両側に羽根の主板と平行となる開口のない面を有した外気送風機取付部材を配置したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項9】
発熱体収納箱の空気を取込み、また発熱体収納箱内に戻し循環させる内気風路と、外気を取込み、また外気に排出する外気風路を有し、外気風路の空気を搬送する外気送風機と、内気風路の空気を搬送する内気送風機と、外気風路と内気風路の交点に配され外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子とを備えた発熱体収納箱冷却装置であって、前記外気送風機、前記内気送風機のどちらかまたは両方に、ブレードの出口が回転方向に対し後向きで、かつブレード入り口部にブレードと共に回転するインデューサを有する送風機を用い、前記熱交換素子は、各風路長が異なるL字型風路を有し、送風機の主板側に熱交換素子の長風路側を配置したことを特徴とする請求項1記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項10】
ブレードの内径部または内径部より外径側の間の点より外径部までが軸方向の断面積が同一でなく、主板側に空気が多く流れ昇圧される状態にあわせて主板側出口角度が側板側出口角度に向かって順次小さくなるよう外周部に向かって捻られた形状を有するファンを備えたことを特徴とする請求項9に記載の発熱体収納箱冷却装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図1】
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