説明

発育期の動物の生活の質を高めるための方法

本発明は、約10重量%の蛋白質;約4重量%の脂肪;および、約0.05重量%の少なくとも1種のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸を含む組成物の生活の質を高める量を動物に食餌させることによる、発育期の動物の生活の質を高めるための方法を提供する。生活の質の向上は、訓練性、認知機能、運動技能協応性もしくは機敏さ、網膜の発育、軟骨保護、筋肉の塊の維持ならびに皮膚および毛皮の質からなる群より選択される1つ以上の特性における改善によって立証される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロスリファレンス
本出願は、2004年12月30日に出願されたU.S.予備出願シリアルNo.60/640,567に対する優先権を主張し、その開示は、参考とすることによって本明細書に組み込む。
発明の背景
発明の分野
【0002】
本発明は、概して、動物の生活の質を高めるための方法に関し、特に、発育期の動物の生活の質を高めるためのオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸を含む食餌組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
ペット動物、例えば、イヌおよびネコは、それらの成長段階(年齢)、サイズ、体組成および品種に依存して異なる食餌を必要とすることが多い。イヌおよびネコの栄養分要求量とも、年齢に基づき3つの異なるカテゴリー:発育期のイヌ(またはネコ)、熟年期のイヌ(またはネコ)および高齢期のイヌ(またはネコ)に、分類することができる。イヌは、さらに、普通の品種のイヌ対大型品種のイヌについての異なるカテゴリーに分類される。
【0004】
必須脂肪酸は、オメガ-3およびオメガ-6ポリ不飽和脂肪酸からなり、動物の健康のために極めて重要な栄養分である。これらの栄養分は、しかし、動物によって生産することができないかまたは長所を引き出すに十分な量生産することができず、したがって、動物の食餌で摂取する必要がある。例えば、Hornstra,G.,et al.,“Essential fatty acids in pregnancy and early human development”,Eur.J.Obs.& Gyn and Reprod.Biology,61:57-62(1995)参照。ドコサヘキサエン酸(“DHA”)は、オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸であり、老齢のマウスにおける迷路学習能力および脳機能を高めるのに有効であると、従来、仮定されていた。Lim,S.-Y.,“Intakes of dietary docosahexaenoic acid ethyl ester and egg phosphatidylcholine improves maze-learning ability in young and old mice”,J.Nutr.,130:1629-1632(2000)参照。
【0005】
Rogersは、認知機能、特に、初老期における認知機能の衰えを遅延するための抗酸化剤の使用の可能性について理論的に考察している。Rogers,P.,“A health body,A healthy mind: long-term impact of diet on mood and cognitive function”,Proceedings of the Nutrition Society,60:135-143(2001)参照。
【0006】
Zieselは、コリン補給物の発育ラットの記憶に及ぼす効果を考察している。それらの発育の間に特定の期間コリンを与えられた胎および新生のラットは、記憶の改善を体験することが報告されている。Zeisel,S.,“Choline :needed for normal development of memory”,J.Am.Col.Nutrition,19:528S-531S(2000)参照。
【0007】
U.S.特許No.6,426,100は、発育期のイヌの骨格モデルと軟骨細胞機能とを改善するための方法を開示している。その方法は、DHAおよびエイコサペンタエン酸(“EPA”)を含めポリ不飽和脂肪酸を特定の量または比率で含むペットフードを発育期のイヌに食餌させる工程を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
認知能力の改善に関する研究および開発にもかかわらず、発育期のペット動物における訓練性および認知能力、機敏さ、筋肉および軟骨発育ならびに皮膚および毛皮の質を向上させるための新規な方法の必要性がなお継続して存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
本発明は、約10重量%の蛋白質;少なくとも約4重量%の脂肪;および、少なくとも約0.05重量%の少なくとも1種のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸を含む組成物をその発育期の動物に食餌させることによって発育期の動物の生活の質を改善するための方法を提供する。
【0010】
1つの実施態様にて、本方法は、動物の生活の質を高めるのに有効な組成物の量をその動物に食餌させる工程を含み、生活の質の向上が、訓練性、認知機能、運動技能協応性もしくは機敏さ、網膜の発育、軟骨保護、筋肉の塊の維持ならびに皮膚および毛皮の質からなる群より選択される1つ以上の特性における改善によって立証される。
【0011】
もう1つの実施態様にて、本方法は、ドコサヘキサエン酸(“DHA”)およびDHAとエイコサペンタエン酸(“EPA”)との混合物からなる群より選択される少なくとも1種のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸を含む組成物を動物に食餌させる工程を含む。さらなる実施態様にて、本方法は、ビタミンE、ビタミンC、タウリンおよびベータ-カロテンからなる群より選択される少なくとも1種の抗酸化剤;コリン、チアミン、卵粉、マンガン、メチオニン、システイン、L-カルニチン、リシンおよびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種の栄養分をさらに含む組成物をその動物に食餌させる工程を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のその他およびさらなる目的、特徴および長所は、当業者であれば、容易に明らかとなるであろう。
発明の詳細な説明
【0013】
本発明は、発育期の動物の生活の質を改善するための方法を提供する。本方法は、少なくとも約10重量%の蛋白質;少なくとも約4重量%の脂肪;および、少なくとも約0.05重量%の少なくとも1種のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸を含む組成物をその動物に食餌させる工程を含む。本方法は、発育期の動物にて、訓練性を高め、認知機能を改善し、運動機能協応性または機敏さを増進し、網膜の発育を高め、軟骨を保護し、筋肉の塊を維持し、消化性を高め、皮膚および毛皮の質を改善するのに有用である。何等かの理論と結びつけようとするつもりはないが、本発明の長所は、発育期の動物の食餌にオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸を添加することによる生理学的効果の結果であるようである。同様に、抗酸化剤、コリンおよびその他の栄養分は、発育期の動物の生活の質を高めるのに役割を果たすようである。
【0014】
本明細書で使用する場合、“生活の質の高まり(または向上)(enhanced quality of life)”とは、訓練性、認知機能、運動技能協応性もしくは機敏さ、網膜の発育、軟骨保護、筋肉の塊の維持ならびに皮膚および毛皮の質からなる群より選択される1つ以上の特性における改善を意味する。本発明の方法は、上記特性の全てを高めることによって動物の生活の質を改善することができるが、本明細書で定義する“生活の質の高まり(もしくは向上)”を達成するために、各特性における実質的な改善を立証する必要はないと考える。
【0015】
本組成物を発育期の動物に与える時、その動物は、生活の質の向上を体験し、例えば、訓練性の高まり;認知機能の改善;運動機能協応性または機敏さの増進;網膜の発育向上;軟骨の保護;筋肉の塊の維持;皮膚および毛皮の質の改善;消化性の高まりの1種以上を示すかまたは体験する。生活の質のこれらの測定値を決定するための方法は、当業者公知である。例えば、訓練性は、問題解決作業による認知試験、磁気共鳴イメージングおよび神経学検査を含め種々の手段によって測定することができ;認知機能は、問題解決作業による認知試験、磁気共鳴イメージングおよび神経学検査を含め種々の手段によって測定することができ;運動機能協応性または機敏さは、問題解決作業による認知試験、迷路検査運動神経誘発電位を含め種々の手段によって測定することができ;網膜の発育は、目視機能性を評価するための網膜電位図を含め種々の手段によって測定することができ;軟骨保護は、関節炎バイオマーカー、例えば、タイプIIのコラーゲン合成、マトリックスメタロプロテナーゼ、オステオカルシン、アルカリホスファターゼ活性、COMP、および、軟骨損傷の断片の分析を含め種々の手段によって測定することができ;筋肉の塊の維持は、体組成の分析を含め種々の手段によって測定することができ、皮膚および毛皮の質は、ペットオーナーの参加による追跡質問を含む臨床研究を含め種々の手段によって測定することができ;消化性は、ペットオーナーの参加による追跡質問を含む臨床研究および消化された栄養分のパーセンテージを決定するための動物の食餌を含め種々の手段によって測定することができる。
【0016】
本発明の方法は、非ヒト動物、例えば、非ヒト霊長類(例えば、サル、チンパンジー等)、ペット動物(例えば、イヌ、ネコ、ウマ等)、家畜動物(例えば、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシ等)、実験室動物(例えば、マウス、ラット等)、トリ(例えば、飼いならされたトリ、例として、カナリヤ、オウム等);および、商業化されたトリ、例えば、ニワトリ、アヒル、七面鳥等)、げっ歯類(例えば、ハムスター、モルモット、スナネズミ、ウサギ、ハリネズミ、フェレット、チンチラ等)、および、野生、外来および動物園の動物(例えば、オオカミ、クマ、シカ等)を含め、種々の動物の生活の質を高めるのに有用である。種々の実施態様にて、動物は、ネコ、イヌまたはウマである。
【0017】
本発明の組成物は、消化性を高め、噛み砕く能力を改善するように工夫されている。イヌおよびネコの食餌は、典型的には、成長段階(年齢)、サイズ、体組成および品種に基づき配合される。かくして、本発明の若干の実施態様は、普通もしくは小型の品種のイヌ、大型品種のイヌおよびネコの間の個々の栄養分の違いに応じて配合される組成物を含む。
【0018】
本明細書で使用する場合、“大型品種(large breed)””のイヌという用語は、成熟しきった時に、55ポンドより重い体重のイヌである。
【0019】
本明細書で使用する場合、“発育期の動物”とは、発育段階にある動物を意味する。小型または普通の品種のイヌについておよびネコについては、発育段階は、誕生〜1歳である。大型品種のイヌについては、発育段階は、誕生〜1もしくは1.5歳である。
【0020】
本発明は、オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸を含む多様な組成物を使用する方法を提供する。組成物としては、食餌、補給物、ちそう品およびおしゃぶり(典型的には、噛むことができかつ消費することのできるおしゃぶり)が挙げられる。本方法は、また、生活の質の改善を達成するのに十分長い長期間にわたって指示された動物に組成物を与える。
【0021】
本発明の組成物は、概して、重量により、オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸の含有量少なくとも約0.05%(もしくは約0.1%〜約6%または約0.2%〜約1%あるいは約0.2%〜約0.62%もしくは約0.1%〜約0.24%)を有する。若干の実施態様にて、オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(“DHA”)である。その他の実施態様にて、オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸は、DHAのエイコサペンタエン酸(“EPA”)との混合物である。なおその他の実施態様にて、オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸は、DHAおよびDHAとEPAとの混合物の両方を含む。
【0022】
若干の実施態様にて、オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸を含む組成物は、食餌である。液体および固形の食餌とも与えられうるが、固形の食餌が典型的には好ましい。食餌には、乾燥食餌および湿潤食餌の両方が含まれうる。食餌の非-ポリ不飽和脂肪酸成分の幾つかおよびそれらの好ましい比率は、表1に列挙した成分および比率が挙げられる。
【表1】

【0023】
1つの実施態様にて、本方法は、発育期の動物に、その動物の生活の質を高めるのに有効な量の組成物を食餌させる工程を含む。このような組成物は、概して、
(a) 少なくとも約0.05%(もしくは約0.1%〜約6%または約0.2%〜約1%あるいは約0.2%から約0.62%もしくは約0.1%〜約0.24%)の少なくとも1種のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸;および、
(b) 以下の:
(i) 約10%〜約70%(もしくは約30%〜約45%または約22%〜約32%あるいは約43%〜約45%もしくは約30%〜約32%)の蛋白質;
(ii) 約4%〜約50%(もしくは約9%〜約30%または約8%〜約25%あるいは約8%〜約20%もしくは約14%〜約18%または約25%〜約28%あるいは約20%〜約23%)の脂肪;および、
(iii) 少なくとも約0.05ppm(もしくは約0.05ppm〜約7500ppmまたは約250ppm〜約3600ppmあるいは約250ppm〜約1650ppmもしくは約5ppm〜約225ppmまたは約0.05ppm〜約2.4ppm)の抗酸化剤;
の少なくとも1種;
を含む。
【0024】
もう1つの実施態様にて、本方法は、発育期の普通の品種のイヌに、そのイヌの生活の質を高めるのに有効な量の組成物を食餌させる工程を含む。その組成物は、
(a) 以下の:
(iv) 少なくとも約0.05重量%(もしくは約0.05%〜約0.40%または約0.1%〜約0.40%あるいは約0.1%〜約0.24%)のDHA;および
(v) 少なくとも約0.1重量%(もしくは約0.1%〜約1%または約0.2%〜約1%あるいは約0.2%〜約0.62%)のDHAとEPAとの混合物;
の少なくとも1種;
(a) 少なくとも約10%(もしくは約10%〜約50%または約22%〜約32%あるいは約22%〜約30%もしくは約30%〜約32%)の蛋白質;
(b) 少なくとも約4%(もしくは約4%〜約35%または約8%〜約23%あるいは約8%〜約20%もしくは約20%〜約23)の脂肪;および、
(c) 以下の:
(i) 少なくとも約250ppm(もしくは約250ppm〜約1500ppmまたは約500ppm〜約1500ppmあるいは約500ppm〜約1000ppm)のビタミンE;
(iv) 少なくとも約5ppm(もしくは約5ppm〜約225ppmまたは約10ppm〜約225ppmあるいは約10ppm〜約150ppm)のビタミンC;
(vii) 少なくとも約600ppm(もしくは約600ppm〜約3600ppmまたは約1260ppm〜約3600ppmあるいは約1260ppm〜約2400ppm)のタウリン;および、
(viii) 少なくとも約0.05ppm(もしくは約0.05ppm〜約3.0ppmまたは約0.1ppm〜約0.3ppmあるいは約0.1ppm〜約1.6ppm)のベータ-カロテン;
の少なくとも1種;
を含む。
【0025】
もう1つの実施態様にて、本方法は、発育期の大型品種のイヌにそのイヌの生活の質を高めるのに有効な量の組成物を食餌させる工程を含む。その組成物は、概して、
(a) 以下の:
(i) 少なくとも約0.05重量%(もしくは約0.05%〜約0.40%または約0.1%〜約0.40%あるいは約0.1%〜約0.24%)のDHA;および
(ii) 少なくとも約0.1重量%(もしくは約0.1%〜約1%または約0.2%〜約1%あるいは約0.2%〜約0.62%)のDHAとEPAとの混合物;
の少なくとも1種;
(b) 少なくとも約10%(もしくは約10%〜約50%または約22%〜約32%あるいは約22%〜約30%もしくは約30%〜約32%)の蛋白質;
(c) 少なくとも約4%(もしくは約4%〜約30%または約8%〜約18%あるいは約8%〜約14%もしくは約14%〜約18%)の脂肪;および、
(d) 以下の:
(i) 少なくとも約250ppm(もしくは約250ppm〜約1500ppmまたは約500ppm〜約1500ppmあるいは約500ppm〜約1000ppm)のビタミンE;
(ix) 少なくとも約5ppm(もしくは約5ppm〜約225ppmまたは約10ppm〜約225ppmあるいは約10ppm〜約150ppm)のビタミンC;
(x) 少なくとも約600ppm(もしくは約600ppm〜約3600ppmまたは約1260ppm〜約3600ppmあるいは約1260ppm〜約2400ppm)のタウリン;および、
(xi) 少なくとも約0.05ppm(もしくは約0.05ppm〜約3.0ppmまたは約0.1ppm〜約3.0ppmあるいは約0.1ppm〜約1.6ppm)のベータ-カロテン;
の少なくとも1種;
を含む。
【0026】
もう1つの実施態様にて、本方法は、発育期のネコにそのネコの生活の質を高めるのに有効な量の組成物を食餌させる工程を含む。その組成物は、概して、
(a) 以下の:
(i) 少なくとも約0.05%(もしくは約0.05%〜約0.40%または約0.1%〜約0.40%あるいは約0.1%〜約0.24%)のDHA;および、
(ii) 少なくとも約0.1%(もしくは約0.1%〜約1%または約0.2%〜約1%あるいは約0.2%〜約0.62%)のDPAとEPAとの混合物;
の少なくとも1種;
(b) 少なくとも約15%(もしくは約15%〜約70%または約30%〜約45%あるいは約30%〜約43%もしくは約43%〜約45%)の蛋白質;
(c) 少なくとも約4%(もしくは約4%〜約45%または約9%〜約28%あるいは約9%〜約25%もしくは約25%〜約28%)の脂肪;および、
(d) 以下の:
(i) 少なくとも約250ppm(もしくは約250ppm〜約1500ppmまたは約500ppm〜約1500ppmあるいは約500ppm〜約1100ppm)のビタミンE;
(xii) 少なくとも約5ppm(もしくは約5ppm〜約225ppmまたは約10ppm〜約225ppmあるいは約10ppm〜約150ppm)のビタミンC;
(xiii) 少なくとも約500ppm(もしくは約600ppm〜約3000ppmまたは約1000ppm〜約3000ppmあるいは約1000ppm〜約2150ppm)のタウリン;および、
(xiv) 少なくとも約0.05ppm(もしくは約0.05ppm〜約3.0ppmまたは約0.1ppm〜約3.0ppmあるいは約0.1ppm〜約1.6ppm)のベータ-カロテン;
の少なくとも1種;
を含む。
【0027】
もう1つの実施態様にて、本方法は、発育期の動物にその動物の訓練性および認知機能を高めるのに有効な量の組成物を食餌させる工程を含む。その組成物は、
(a) 0.05%(もしくは約0.1%〜約6%または約0.2%〜約1%あるいは約0.2%〜約0.62%もしくは約0.1%〜約0.24%)の少なくとも1種のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸;および、
(b) 以下の:
(i) 約10%〜約70%(もしくは約30%〜約45%または約22%〜約32%あるいは約43%〜約45%もしくは約30%〜約32%)の蛋白質;
(xv) 約4%〜約50%(もしくは約9%〜約30%または約8%〜約25%あるいは約8%〜約25%もしくは約8%〜約20%または約14%〜約18%あるいは約25%〜約28%もしくは約20%〜約23%)の脂肪;
(xvi) 少なくとも約0.05ppm(もしくは約0.05ppm〜約7500ppmまたは約250ppm〜約3600ppmまたは約250ppm〜約1650ppmあるいは約5ppm〜約225ppmもしくは約0.05ppm〜約2.4ppm)の抗酸化剤;および、
(xvii) 少なくとも約500ppm(もしくは約500ppm〜約7500ppmまたは約1200ppm〜約7500ppmあるいは約1200ppm〜約5000ppmもしくは約2400ppm〜約5000ppm)のコリン;
の少なくとも1種;
を含む。
【0028】
もう1つの実施態様にて、本方法は、発育期の普通の品種のイヌにそのイヌの訓練性および認知機能を高めるのに有効な量の組成物を食餌させる工程を含む。その組成物は、
(a) 以下の:
(i) 少なくとも約0.05%(もしくは約0.05%〜約0.40%または約0.1%〜約0.40%あるいは、約0.1%〜約0.24%)のDHA;および、
(ii) 少なくとも約0.1%(もしくは約0.1%〜約1%または約0.2%〜約1%あるいは約0.2%〜約0.62%)のDHAとEPAとの混合物;
の少なくとも1種;
(b) 少なくとも約10%(もしくは約10%〜約50%または約22%〜約32%あるいは約22%〜約30%もしくは約30%〜約32%)の蛋白質;
(c) 少なくとも約4%(もしくは約4%〜約35%または約8%〜約23%あるいは約8%〜約20%もしくは約20%〜約23%)の脂肪;
(d) 以下の:
(i) 少なくとも約250ppm(もしくは約250ppm〜約1500ppmまたは約500ppm〜約1500ppmあるいは約500ppm〜約1000ppm)のビタミンE;
(xviii) 少なくとも約5ppm(もしくは約5ppm〜約225ppmまたは約10ppm〜約225ppmあるいは約10ppm〜約150ppm)のビタミンC;
(xix) 少なくとも約600ppm(もしくは約600ppm〜約3600ppmまたは約1260ppm〜約3600ppmあるいは約1260ppm〜約2400ppm)のタウリン;および、
(xx) 少なくとも約0.05ppm(もしくは約0.05ppm〜約3.0ppmまたは約0.1ppm〜約3.0ppmあるいは約0.1ppm〜約1.6ppm)のベータ-カロテン;
の少なくとも1種;
(e) 少なくとも約500ppm(もしくは約500ppm〜約7500ppmまたは約1200ppm〜約7500ppmあるいは約1200ppm〜約5000ppmもしくは約2400ppm〜約5000ppm)のコリン;
(f) 少なくとも約0.5ppm(もしくは約0.5ppm〜約75ppmまたは約1.0ppm〜約75ppmあるいは約1.0ppm〜約50ppm)のチアミン;および、
(g) 少なくとも約0.5%(もしくは約0.5%〜約5%または約1%〜約5%あるいは約1%〜約3%)の卵粉;
を含む。
【0029】
もう1つの実施態様にて、本方法は、発育期の大型の品種のイヌにそのイヌの訓練性および認知機能を高めるのに有効な量の組成物を食餌させる工程を含む。その組成物は、
(a) 以下の:
(i) 少なくとも約0.05%(もしくは約0.05%〜約0.40%または約0.1%〜約0.40%あるいは約0.1%〜約0.24%)のDHA;および、
(ii) 少なくとも約0.1%(もしくは約0.1%〜約1%または約0.2%〜約1%あるいは約0.2%〜約0.62%)のDHAとEPAとの混合物;
の少なくとも1種;
(b) 少なくとも約10%(もしくは約10%〜約50%または約22%〜約32%あるいは約22%〜約30%もしくは約30%〜約32%))の蛋白質;
(c) 少なくとも約4%(もしくは約4%〜約30%または約8%〜約18%あるいは約8%〜約14%もしくは約14%〜約18%)の脂肪;
(d) 以下の:
(i) 少なくとも約250ppm(もしくは約250ppm〜約1500ppmまたは約500ppm〜約1500ppmあるいは約500ppm〜約1000ppm)のビタミンE;
(xxi) 少なくとも約5ppm(もしくは約5ppm〜約225ppmまたは約10ppm〜約225ppmあるいは約10ppm〜約150ppm)のビタミンC;
(xxii) 少なくとも約600ppm(もしくは約600ppm〜約3600ppmまたは約1260ppm〜約3600ppmあるいは約1260ppm〜約2400ppm)のタウリン;および、
(xxiii) 少なくとも約0.05ppm(もしくは約0.05ppm〜約3.0ppmまたは約0.1ppm〜約3.0ppmあるいは約0.1ppm〜約1.6ppm)のベータ-カロテン;
の少なくとも1種;
(e) 少なくとも約500ppm(もしくは約500ppm〜約7500ppmまたは約1200ppm〜約7500ppmあるいは約1200ppm〜約5000ppmもしくは約2400ppm〜約5000ppm)のコリン;
(f) 少なくとも約0.5ppm(もしくは約0.5ppm〜約75ppmまたは約1.0ppm〜約75ppmあるいは約1.0ppm〜約50ppm)のチアミン;および、
(g) 少なくとも約0.5%(もしくは約0.5%〜約5%または約1%〜約5%あるいは約1%〜約3%)の卵粉;
を含む。
【0030】
もう1つの実施態様にて、本方法は、発育期のネコにそのネコの訓練性および認知機能を高めるのに有効な量の組成物を食餌させる工程を含む。その組成物は、
(a) 以下の:
(i) 少なくとも約0.05%((もしくは約0.05%〜約0.40%または約0.1%〜約0.40%あるいは約0.1%〜約0.24%)のDHA;および、
(ii) 少なくとも約0.1%(もしくは約0.1%〜約1%または約0.2%〜約1%あるいは約0.2%〜約0.62%)のDHAとEPAとの混合物;
の少なくとも1種;
(b) 少なくとも約15%(もしくは約15%〜約70%または約30%〜約45%あるいは約30%〜約43%もしくは約43%〜約45%)の蛋白質;
(c) 少なくとも約4%(もしくは約4%〜約45%または約9%〜約28%あるいは約9%〜約28%もしくは約25%〜約28%)の脂肪;
(d) 以下の:
(i) 少なくとも約250ppm(もしくは約250ppm〜約1500ppmまたは約500ppm〜約1500ppmあるいは約500ppm〜約1100ppm)のビタミンE;
(xxiv) 少なくとも約5ppm(もしくは約5ppm〜約225ppmまたは約10ppm〜約225ppmあるいは約10ppm〜約150ppm)のビタミンC;
(xxv) 少なくとも約500ppm(もしくは約600ppm〜約3000ppmまたは約1000ppm〜約3000ppmあるいは約1000ppm〜約2150ppm)のタウリン;および、
(xxvi) 少なくとも約0.05ppm(もしくは約0.05ppm〜約3.0ppmまたは約0.1ppm〜約3.0ppmあるいは約0.1ppm〜約1.6ppm)のベータ-カロテンカルニチン;
の少なくとも1種
(e) 少なくとも約500ppm(もしくは約500ppm〜約7500ppmまたは約12000ppm〜約7500ppmあるいは約1200ppm〜約5000ppmもしくは約2400〜約5000ppm)のコリン;
(f) 少なくとも約0.5ppm(もしくは約0.5ppm〜約75ppmまたは約1.0ppm〜約75ppmあるいは約1.0ppm〜約50ppm)のチアミン;および、
(g) 少なくとも約0.5%(もしくは約0.5%〜約5%または約1%〜約5%あるいは約1%〜約3%)の卵粉;
を含む。
【0031】
本発明の方法に使用される組成物は、マンガン、メチオニン、システイン、メチオニンとシステインとの混合物、L-カルニチン、リシンおよびアルギニンからなる群より選択される少なくとも1種の栄養分を含む。組成物中の各成分の具体的な好ましい量は、例えば、組成物を消費する動物の種;組成物中に含まれる個々の成分;動物の年齢、体重、一般的な健康状態、性別および食餌;動物の消費速度等を含め種々の因子に依存するであろう。かくして、成分の量は、多種多様に変えることができ、本明細書に示す好ましい比率からなお逸脱していてもよい。
【0032】
オメガ-3脂肪酸は、種々の源から得ることができる。1つの便利な源は、例えば、ニシン、タイセイヨウサバ、北太平洋産のニシン、カタクチイワシおよびサケからの魚油である。DHAおよびEPAは、このような魚油中に存在する典型的な脂肪酸であり、一緒になって有意な比率のオイル、例えば、約25%〜約38%のオイルを構成することが多い。
【0033】
組成物が動物の食餌である時、ビタミン類およびミネラル類は、好ましくは、欠乏症を回避し、かつ、健康を維持するのに必要とされる量含まれる。これらの量は、当分野で容易に適用可能である。National Research Council(NRC)は、例えば、家畜動物に対してこのような成分の推奨量を定めている。例えば、ブタの栄養分要求量(10th Rev.Ed.,Nat’l Academy Press,Wash.D.C.,1998)、家禽の栄養分要求量(9thRev.Ed.,Nat’l Academy Press,Wash.D.C.,1994)、馬の栄養分要求量(5th Rev.Ed.,Nat’l Academy Press,Wash.D.C.,1989)等参照。American Feed Control Officials(AAFCO)は、例えば、イヌおよびネコについてのこのような成分の推奨量を定めている。American Feed Control Officials,Inc.,Official刊行物pp.126-140(2003)参照。食餌添加物として有用なビタミン類の例としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、H(ビオチン)、K、葉酸、イノシトール、ナイアシンおよびパントテン酸が挙げられる。食餌添加物として有用なミネラル類および微量元素の例としては、例えば、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、銅、亜鉛、塩化物および鉄塩が挙げられる。
【0034】
本発明の方法は、当分野公知のその他の添加剤をさらに含んでもよい組成物を含む。好ましくは、このような添加剤は、本発明の目的および本発明によって提供される効果を損なわない量存在するのがよい。添加剤の例としては、例えば、安定化効果を有する物質;加工助剤;風味を高める物質;着色物質;および、栄養分として有益な物質等が挙げられる。
【0035】
安定化物質としては、例えば、組成物の貯蔵寿命を伸ばす傾向のある物質が挙げられる。このような物質の潜在的に適した例としては、例えば、防腐剤、抗酸化剤、相乗剤および金属イオン封鎖剤、包装用のガス、安定剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤および湿潤剤が挙げられる。乳化剤および/または増粘剤の例としては、例えば、ゼラチン、セルロースエーテル類、澱粉、澱粉エステル類、澱粉エーテル類および改質された澱粉が挙げられる。
【0036】
着色、風味および栄養学的目的のための添加剤としては、例えば、着色剤(例えば、酸化鉄、例えば、赤色、黄色または褐色形);塩化ナトリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウムおよびその他の食用塩類;ビタミン類;ミネラル類;および、香辛料が挙げられる。このような添加剤は、当分野で公知である。例えば、U.S.特許No.3,202,514参照。また、U.S.特許No.4,997,671も参照。香辛料としては、例えば、乳製品香辛料(例えば、ミルクまたはチーズ)、食肉香辛料(例えば、ベーコン、レバー、牛肉、家禽または魚)、含油樹脂、ピナコール、FEMA(Flavor Extract Manufactures Association)会員による取引で特定されている種々の香辛料が挙げられる。香辛料助剤は、さらなる風味を提供し、当分野で公知である。例えば、U.S.特許No.4,997,672参照。また、U.S.特許No.5,04,624参照。また、U.S.特許No.5,114,704参照。また、U.S.特許No.5,532,010参照。また、U.S.特許No.6,379,727参照。組成物におけるこのような添加剤の濃度は、典型的には、約5重量%以下であるのがよい。若干の実施態様にて、このような添加剤(特に、このような添加剤が主として栄養分バランス剤、例えば、ビタミン類およびミネラル類である場合の)濃度は、約0重量%〜約2.0重量%である。若干の実施態様にて、このような添加剤(再度、このような添加剤が主として栄養バランス剤である場合)の濃度は、約0重量%〜約1.0重量%である。
【0037】
補給物としては、例えば、栄養バランスまたは合計パフォーマンスを改善するためのもう1つの食餌で使用される食餌が挙げられる。補給剤としては、他の食餌に対する補給物として希釈されずに食餌される組成物が挙げられ、完全飼料を製造するための動物の普通の食餌と別個に使用可能であるかまたは動物の普通の食餌と希釈混合される動物の1日分の飼料のその他の部分との自由な選択を提供する。AAFCOは、例えば、American Feed Control Officials,Inc.Publication,p.220(2003)にて補給物と関連した考察を提供している。補給物は、例えば、粉末、液体、シロップ、ピル、封入された組成物等を含め、種々の形態であってもよい。
【0038】
ちそう品としては、例えば、非食餌期間に動物に食べさせるように動物を誘うために動物に与えられる組成物が挙げられる。イヌについてのちそう品としては、例えば、イヌの骨(dog bones)が挙げられる。ちそう品は、その組成物が1種以上の栄養素を含み、例えば、食餌について上記した組成を有するのがよい。非栄養ちそう品としては、非毒性であるいずれのその他のちそう品も含まれる。
【0039】
おしゃぶりとしては、例えば、歯で噛み砕くことのできるおしゃぶりが挙げられる。イヌ用のおしゃぶりとしては、例えば、人工骨が挙げられる。広範囲な現在市販されている適当なおしゃぶりが存在する。例えば、U.S.特許No.5,339,771(およびU.S.特許No.5,339,771に開示されている参考文献)参照。また、例えば、U.S.特許No.5,419,283(およびU.S.特許No.5,419,283に開示されている参考文献)参照。本発明は、一部消費可能なおしゃぶり(例えば、プラスチック成分を含むおしゃぶり)および完全に消費可能なおしゃぶり(例えば、牛皮および種々の人工の骨類)の両方とも提供することも理解する必要がある。本発明がヒト用および非ヒト用使用のため、特に、ペット、家畜および動物園動物用使用のため、特に、イヌ、ネコおよびトリ用使用のためのおしゃぶりを提供することをさらに理解するべきである。
【0040】
“食餌(food)”は、意図する受容動物(例えば、家庭用のネコまたは家庭用のイヌ)についての栄養学的に完全な飼料である。“栄養学的に完全な飼料”は、健康な動物の普通の健康を飼料に維持するのに十分な栄養素を含む飼料である。本発明の方法は、蛋白質もしくは脂肪成分または製品の形をいずれも具体的に列挙した組成物を使用するが、列挙することによって制限する意図はない。組成物は、慣用的なペットフードプロセスを使用し、例えば、乾燥、缶入り、湿潤または中程度の湿潤形で調製することができる。若干の実施多様にて、水分含有率は、組成物の合計重量の約10%〜約90%である。その他の実施態様にて、水分含有率は、組成物の合計重量の約65%〜約75%である。
【0041】
本発明の方法で使用される組成物の調製にて、いずれかの成分(例えば、魚油)も、概して、例えば、配合加工の間、例えば、組成物のその他の成分の混合の間および/または混合後に、組成物に配合することができる。これら成分の組成物への分配は、慣用的な手段で達成することができる。1つの実施態様にて、ひき肉に挽いた動物および家禽の蛋白質組織は、魚油、食用穀粒、その他の栄養バランス成分、特定目的の添加剤(例えば、ビタミンおよびミネラル混合物、無機塩類、セルロースおよびビートパルプ、増量剤等)を含め;その他の成分と混合され、加工のための十分な水もまた加えられる。これら成分は、好ましくは、成分をブレンドしつつ、加熱するのに適した容器内で混合される。混合物の加熱は、直接的な水蒸気注入によるか、または、熱交換器を備えた容器を使用することにより、いずれかの適当な方法を使用して達成することができる。最後の成分の添加に続き、混合物は、約50°F(10℃)〜約212°F(100℃)の温度範囲まで加熱される。若干の実施態様にて、混合物は、約70°F(21℃)〜約140°F(60℃)の温度範囲まで加熱される。これらの範囲を逸脱した温度でも、概して、許容可能であるが、その他の加工助剤を使用することなしでは商業的に実施不能である。適当な温度に加熱する時、材料は、典型的には、粘着性の液体の形であろう。粘着性の液体は、缶に充填される。蓋をして、容器を密封シールする。シールした缶は、ついで、内容物を滅菌するように工夫された慣用的な装置に入れることができる。これは、例えば、使用される温度および組成物に依存するが、通常、約230°F(110℃)より高い温度に、適当な時間、加熱することによって、達成される。
【0042】
本発明の方法は、慣用的な方法を使用する乾燥形態で調製される組成物を含む工程を含む。1つの実施態様にて、例えば、動物蛋白質源、植物蛋白質源、穀粒等を含め、乾燥成分を挽き一緒に混合する。脂肪、オイル、動物蛋白質源、水等を含め、水分または液体成分をついで添加し、乾燥ミックスと混合する。混合物は、ついで、荒挽きまたは同等の乾燥小片に加工する。乾燥および湿潤成分を高圧高温で機械的作業に賦し、小さな開口を通して押出し、回転ナイフで荒挽きにカットする押出プロセスを使用して、荒挽き片を形成することが多い。湿潤した荒挽き片をついで乾燥させ、場合によっては、例えば、香辛料、脂肪、オイル、粉末等を含む1種以上の塗膜で塗被する。荒挽き片は、生地を乾燥加熱加工前に型内に置く押出というよりもベーキング工程を使用し、生地から製造することができる。
【0043】
前述した通り、本発明は、動物の生活の質を高めるための方法を提供する。本方法は、発育期の動物における訓練性および認知機能、機敏さ、筋肉および軟骨の発育および皮膚および毛皮の質を高めるのに有効な量の組成物を発育期の動物に食餌させる工程を含む。組成物はまた、消化性を高め、噛み砕きやすいように工夫される。イヌおよびネコの食餌は、典型的には、成長段階(年齢)、サイズ、体組成および品種に基づき配合する。本発明の方法にて、組成物の若干の実施態様は、普通の品種のイヌ、大型の品種のイヌおよびネコの間の個々の栄養分の違いに応じて配合する。
【0044】
さらなる態様にて、本発明は、発育期の動物の生活の質を改善するのに適したキットを提供する。そのキットは、キット構成部分に適した単一包装内の別個の容器またはバーチャル包装内の別個の容器内に、少なくとも1種のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸と;(1) 1種以上の異なるオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸、(2) 少なくとも約10重量%の蛋白質と少なくとも約4重量%の脂肪とを含む組成物を生成するために使用することのできる動物の食餌に適した1種以上の成分および(3) 発育期の動物の生活の質を改善するのに適した組成物を生成させるためのオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸およびその他のキット構成部分の組み合わせの仕方についての明細の1つ以上とを含む。キットがバーチャル包装を含む時、そのキットは、1つ以上の物理的キット構成部分と組み合わさったバーチャル環境内での明細に限定される。そのキットは、発育期の動物の生活の質を改善するのに十分な量のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸とその他の構成部分とを含む。典型的には、オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸とその他の適したキット構成部分とは、動物の食餌直前に混合される。キットは、種々の組み合わせおよび/または混合物のいずれかにてキット構成部分を含むのがよい。1つの実施態様にて、キットは、1種以上のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸および動物の食餌用の本発明に従う食餌容器を含むパケットを含む。キットは、さらなる品目、例えば、オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸およびその他の成分を混合するための装置または混合物を入れるための装置、例えば、食餌用のボ−ルを含んでいてもよい。もう1つの実施態様にて、オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸は、さらなる栄養補給物、例えば、動物の健康を増進するビタミン類およびミネラル類と混合される。
【0045】
もう1つの態様にて、本発明は、(1) 発育期の動物の生活の質を改善するための個々の量の蛋白質および脂肪と組み合わせたオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸を使用し;(2) オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸と本発明のその他の構成部分とを混合し、(3) 発育期の動物の生活の質を改善するための本発明のキットを使用する1つ以上についての情報または明細を伝達するための手段を提供する。その手段としては、情報または明細の入っている文書、デジタルストレージメディア、オプチカルストレージメディア、オーディオプレゼンテーションまたはビジュアルディスプレーが挙げられる。ある種の実施態様にて、伝達手段としては、情報または明細の入っている文書、デジタルストレージメディア、オプチカルストレージメディア、オーディオプレゼンテーションまたはビジュアルディスプレーが挙げられる。好ましくは、伝達手段は、このような情報または明細の入っている表示されるウェブサイトもしくはパンフレット、製品表示、包装挿入物、広告またはビジュアルディスプレーである。有用な情報としては、(1)オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸およびその他の成分を合わせかつ混合するための方法および技術;および、(2)動物または飼育係りが本発明およびその使用について疑問を有する場合に使用するための動物飼育係り用のコンタクト情報が挙げられる。有用な明細としては、混合するための量および供与量ならびに頻度が挙げられる。伝達手段は、本発明を使用する利点について指示し、かつ、本発明を動物に施すための是認される方法を伝達するのに有用である。
【0046】
さらなる態様にて、本発明は、少なくとも約10重量%の蛋白質;少なくとも約4重量%の脂肪;および、少なくとも約0.05重量%の少なくとも1種のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸を含む組成物の薬を調剤するための使用を提供する。もう1つの実施態様にて、本発明は、発育期の動物の生活の質を改善するための薬を調剤するためのこのような組成物の使用を提供する。概して、薬は、動物に投与するのに適した製剤および配合製剤を製造するために有用である当業者公知の賦形剤、緩衝剤、結合剤、可塑剤、着色剤、希釈剤、圧縮剤、滑剤、香辛料、湿潤剤およびその他の成分と、化合物または組成物を混ぜ合わせることによって調剤される。
【0047】
本明細書で表す全てのパーセンテージは、特に断らない限り、乾燥物質基準による重量に基づく。
【0048】
本発明は、個々の方法、プロトコルおよび試薬を変更することができるので、本明細書に記載する個々の方法、プロトコルおよび試薬に限定されるものではない。さらに、本明細書にて使用する用語は、単に、個々の実施態様を説明するのが目的であり、本発明の範囲を限定する意図は何等ない。本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、単数形“a”、“an”および“the”は、文脈により明瞭に示されない限り、複数の参照をも含む。同様に、“comprise”、“comprises”および“comprising”という語は、それだけに限定するというよりもむしろそれを包括するという意味に理解するべきである。
【0049】
特に断らない限り、本明細書にて使用する全ての技術的および科学的用語および全ての頭字語は、本発明の分野で当業者よって一般に理解されるのと同様の意味を有する。本明細書に記載する方法および材料と同様または等価ないずれの方法および材料も、本発明の実施にて使用することができるが、好ましい方法、装置および材料を本明細書にて記載する。
【0050】
本明細書にて挙げる全ての特許、特許出願および刊行物は、本発明で使用することのできるその中に開示された化合物、プロセス、技術、処理方法、科学技術、物品ならびにその他の組成物および方法を記載かつ開示する目的のための原則によって許容される程度に参考とすることによって本明細書に組み込む。しかし、本発明が従来の発明によりこのような開示に対して権利を与えられないと解釈すべき理由は、本明細書には、何等存在しない。
【実施例】
【0051】
本発明は、その好ましい実施態様の以下の実施例によってさらに例示することができるが、これらの実施例は、特に断らない限り、単に例示する目的のみであり、本発明の範囲を何等限定する意図はないものと理解されるであろう。
実施例1
【0052】
発育期の普通の品種のイヌのために配合された組成物を表1に示す。
【表2】

実施例2
【0053】
発育期の大型の品種のイヌのために配合された組成物を表2に示す。
【表3】

実施例3
【0054】
発育期のネコのために配合された組成物を表3に示す。
【表4】

【0055】
本明細書にて、本発明の典型的な好ましい実施態様を開示し、具体的な用語を使用したが、それらの用語は、一般的かつ説明する意味においてのみ使用し、本発明を何等限定する意図はなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲の請求項に記載する。明らかなように、本発明の多くの変更および変形が、上記教示に照らして可能である。したがって、具体的な記載というよりもむしろ特許請求の範囲の請求項の範囲内で、本発明を実施することができることを理解するべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発育期の動物の生活の質を改善するための方法であって、
少なくとも約10重量%の蛋白質;
少なくとも約4重量%の脂肪;および、
少なくとも約0.05重量%の少なくとも1種のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸;
を含む組成物をその動物に食餌させる工程を含む方法。
【請求項2】
その方法が、発育期の動物の生活の質を高めるのに有効な組成物の量をその発育期の動物に食餌させる工程を含み、生活の質の向上が、訓練性、認知機能、運動技能協応性もしくは機敏さ、網膜の発育、軟骨保護、筋肉の塊の維持ならびに皮膚および毛皮の質からなる群より選択される1つ以上の特性における改善によって立証される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
その方法が、訓練性を高めるのに有効な量の組成物をその発育期の動物に食餌させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
その方法が、認知機能を改善するのに有効な量の組成物をその発育期の動物に食餌させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
その方法が、運動技能協応性もしくは機敏さを増進するのに有効な量の組成物をその発育期の動物に食餌させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
その方法が、網膜の発育を高めるのに有効な量の組成物をその発育期の動物に食餌させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
その方法が、軟骨保護を高めるのに有効な量の組成物をその動物に食餌させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
その方法が、筋肉の塊を維持するのに有効な量の組成物をその発育期の動物に食餌させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
その方法が、皮膚および毛皮の質を改善するのに有効な量の組成物をその発育期の動物に食餌させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
発育期の動物の生活の質を改善するための方法であって、
ドコサヘキサエン酸(“DHA”)およびDHAとエイコサペンタエン酸(“EPA”)との混合物からなる群より選択される少なくとも1種のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸;ビタミンE、ビタミンC、タウリンおよびベータ-カロテンからなる群より選択される少なくとも1種の抗酸化剤;コリン、チアミン、卵粉、マンガン、メチオニン、システイン、L-カルニチン、リシンおよびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種の栄養分を含む組成物をその動物に食餌させる工程を含む方法。
【請求項11】
組成物中のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸が、DHAであり、DHA含有量が、少なくとも約0.05重量%である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
組成物中のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸が、DHAであり、DHA含有量が、約0.05重量%〜約0.40重量%である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
組成物中のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸が、DHAとEPAとの混合物であり、DHAとEPAとの混合物の含有量が、少なくとも約0.05重量%である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
組成物中のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸が、DHAとEPAとの混合物であり、DHAとEPAとの混合物の含有量が、約0.1重量%〜約1重量%である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
組成物中のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸が、DHAおよびDHAとEPAとの混合物の両方であり、DHA含有量が少なくとも約0.05重量%であり、DHAおよびDHAとEPAとの混合物の含有量が、少なくとも約0.1重量%である、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
組成物中の抗酸化剤が、ビタミンEの含有量が少なくとも約250ppmであるビタミンE;ビタミンCの含有量が少なくとも約5ppmであるビタミンC;タウリンの含有量が少なくとも約250ppmであるタウリン;ベータ-カロテンの含有量が少なくとも約0.05ppmであるベータ-カロテンからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
組成物中の抗酸化剤が、ビタミンE、ビタミンC、タウリンおよびベータ-カロテンからなる、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
コリン組成物が、少なくとも約500ppmである、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
発育期の動物に食餌される組成物が、動物のちそう品、動物のおしゃぶりまたは栄養補給物である、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
発育期の動物の生活の質を改善するのに適したキットであって、キット構成部分に適した単一包装内の別個の容器またはバーチャル包装内の別個の容器内に、少なくとも1種のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸と;(1) 1種以上の異なるオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸、(2) 少なくとも約10重量%の蛋白質と少なくとも約4重量%の脂肪とを含む組成物を生成するために使用することのできる動物の食餌に適した1種以上の成分および(3) 発育期の動物の生活の質を改善するのに適した組成物を生成させるためのオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸およびその他のキット構成部分の組み合わせの仕方についての明細の1つ以上とを含むキット。
【請求項21】
(1) 発育期の動物の生活の質を改善するための個々の量の蛋白質および脂肪と組み合わせたオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸を使用し;(2) オメガ-3ポリ不飽和脂肪酸と本発明のその他の構成部分とを混合し、(3) 発育期の動物の生活の質を改善するための本発明のキットを使用する1つ以上についての情報または明細を伝達するための手段。
【請求項22】
表示されるウェブサイト、パンフレット、製品表示、包装挿入物、広告またはビジュアルディスプレーからなる群より選択される、請求項21に記載の手段。
【請求項23】
少なくとも約10重量%の蛋白質;少なくとも約4重量%の脂肪;および、少なくとも約0.05重量%の少なくとも1種のオメガ-3ポリ不飽和脂肪酸を含む組成物の発育期の動物の質を改善するための製剤を調剤するための使用。

【公表番号】特表2008−526214(P2008−526214A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549692(P2007−549692)
【出願日】平成17年12月30日(2005.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/047629
【国際公開番号】WO2006/072084
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(502329223)ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】