説明

白色ガラス粒子およびその製造方法

【課題】白色ガラス粒子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】白色ガラス粒子は、ガラス微粒子の凝集体に由来し、直径100μm以下の独立気泡を複数内包し、空隙率を1%〜50%とすることで得られる。平均粒子径200μm以下のガラス微粒子及び/または平均粒子径が該ガラス微粒子の5〜100倍であるガラス粒子と平均粒子径200μm以下の中空ガラス粒子を含む分散液を凝集させて、粒子径0.1mm〜50mmで成形し凝集体を得る工程、該凝集体を200℃〜1500℃で熱処理する工程を含む、白色ガラス粒子の製造方法で製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白色ガラス粒子およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、白色ガラスとしては、透明ガラス中に、屈折率の異なる粒子等を介在させ、光散乱を生じさせることにより、あるいは初めから不透明な微細粒子を一定量均一分散させることにより、光透過率を低減させたガラスが多くある。これらは、一般に乳白色ガラスと呼ばれ、美観や保存安定性が良好である点から、建築材料等広汎に使用されている。また、この乳白色ガラスを破砕または製造時に成形加工し、粒子化した白色骨材は、建築材料、土木材料、プラスチック材料、設備機器等の分野で、美観性を付与する目的で用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような乳白色ガラス粒子を、骨材として使用する場合、粒子の大きさや形状が均一であること、また比重が軽いことが望まれる。
前記のような乳白色ガラスは、一般に、弗化物系、硼酸系、リン酸系のものが知られている(例えば、特許文献1等)。しかしながら、これらを工業的に製造する場合、弗化物系はガラス溶融時に発生する、フッ素ガスが人体や環境へ有害であり、硼酸系、リン酸系では白色度のムラが大きいという問題があった。一方、アルカリ金属やアルカリ土類金属酸化物を混合し白色化させたガラスを作製した場合であっても、これらを破砕により作製した粒子は、粒子の大きさや形状を制御することが難しく、粒子を研磨する必要があった。また、溶融時に粒子状に成形する場合、特殊な設備が必要であった。
【0004】
【特許文献1】特開平8−277142
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述のような問題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、特定の構成からなる白色ガラス粒子およびその製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の白色ガラス粒子およびその製造方法に係る。
1.平均粒子径200μm以下のガラス微粒子(A)の凝集体に由来し、直径100μm以下の独立気泡を複数内包し、空隙率が1%〜50%であることを特徴とする白色ガラス粒子。
2.平均粒子径200μm以下のガラス微粒子(A)と平均粒子径が該ガラス微粒子(A)の5〜100倍であるガラス粒子(B)の凝集体に由来し、直径100μm以下の独立気泡を複数内包し、空隙率が1%〜50%であることを特徴とする白色ガラス粒子。
3.平均粒子径200μm以下のガラス微粒子(A)及び/または平均粒子径が該ガラス微粒子(A)の5〜100倍であるガラス粒子(B)と平均粒子径200μm以下の中空ガラス微粒子(C)の凝集体に由来し、直径100μm以下の独立気泡を複数内包し、空隙率が1%〜50%であることを特徴とする白色ガラス粒子。
4.平均粒子径200μm以下のガラス微粒子(A)を分散させた分散液を凝集させて、粒子径0.1mm〜50mmで成形し凝集体を得る工程、該凝集体を200℃〜1500℃で熱処理する工程を含む、1.に記載の白色ガラス粒子の製造方法。
5.平均粒子径200μm以下のガラス微粒子(A)と平均粒子径が該ガラス微粒子(A)の5〜100倍であるガラス粒子(B)を含む分散液を凝集させて、粒子径0.1mm〜50mmで成形し凝集体を得る工程、該凝集体を200℃〜1500℃で熱処理する工程を含む、2.に記載の白色ガラス粒子の製造方法。
6.平均粒子径200μm以下のガラス微粒子(A)及び/または平均粒子径が該ガラス微粒子(A)の5〜100倍であるガラス粒子(B)と平均粒子径200μm以下の中空ガラス粒子(C)を含む分散液を凝集させて、粒子径0.1mm〜50mmで成形し凝集体を得る工程、該凝集体を200℃〜1500℃で熱処理する工程を含む、3.に記載の白色ガラス粒子の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の白色ガラス粒子は、直径100μm以下の独立気泡を複数内包し、空隙率が1%〜50%であることにより白色を有するものである。本発明の白色粒子は、粒子径200μm以下のガラス微粒子の凝集体に由来するものであるため、独立気泡および空隙率の設定が容易であり、白色度のムラを防ぎ、さらに、白色度を調節したガラス粒子を得ることができる。また、本発明の製造方法では、製造時の有害ガスの発生が少ないため環境負荷は小さく、ガラス微粒子凝集体を作製する工程において、粒子を予め成形するため、成形時に特別な装置等の必要はなく、目的とする形状の粒子を容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0008】
本発明の白色ガラス粒子は、粒子径200μm以下のガラス微粒子凝集体に由来し、直径100μm以下の独立気泡を複数内包し、空隙率が1%〜50%であることにより白色を有することを特徴とする。
【0009】
本発明では、粒子が複数の独立気泡を内包することにより、光の反射(乱反射)・屈折効果によって、粒子を白色化することができる。
本発明における独立気泡の必要個数は、白色粒子の粒子径や、独立気泡自体の大きさ等により異なるため、最低必要な個数を明確にすることは困難であるが、少なくとも、目視によりガラス粒子が白色と認識されるために必要な個数であり、本発明では、この個数を「複数」と表現している。このような粒子の独立気泡の割合は、空隙率が体積比率で1%〜50%(好ましくは2%〜40%、さらには3%〜30%)である。このような範囲であることによって、白色度にムラのない粒子を作製することができる。空隙率が1%より小さい場合、また、粒子内層部の独立気泡の数が不十分な場合粒子内層部の透明性が高くなり、光の反射・屈折効果が得られにくい。空隙率が50%より大きい場合、粒子の強度が低下する。
【0010】
このような独立気泡の直径としては、特に限定されないが、100μm以下、さらには0.1μm以上80μm以下、さらには0.2μm以上50μm以下であることが好ましい。このような直径100μm以下の独立気泡が空隙率1%〜50%にて存在していれば、本発明の効果を損なわない程度に直径100μm超の独立気泡が存在していてもよい。
【0011】
このような粒子の独立気泡は、ガラス微粒子の凝集体に由来するものであり、微粒子凝集体の粒子間に存在する空孔等により独立気泡が生成される。
【0012】
このような凝集体のガラス微粒子成分は、平均粒子径の上限が200μm以下で、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは80μm以下のガラス微粒子(A)である。このようなガラス微粒子(A)の平均粒子径の下限は、通常0.1μm以上で、好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。このような場合、粒子間の間隙等により独立気泡が生成しやすい。また、空隙率が高く、大きさ100μm以下の独立気泡が生成されやすい。また、本発明において、該微粒子(A)は、融点が650〜850℃、比重が2〜4の扁平状であることが好ましい。なお、本発明の粒子径とは、粒子の長径である。
【0013】
さらに、作製した白色ガラス粒子の、形状安定性や強度の向上、独立気泡の調整による白色度の制御の為に、ガラス微粒子(A)と、粒子径、融点、形状等の異なるガラス粒子を適宜混合することができる。
【0014】
例えば、該ガラス微粒子(A)に対して、粒子径が5〜100倍のガラス粒子(B)を混合することにより、成形時における粒子形状の安定性効果がある。特に、扁平状粒子の成形時における形状安定性に有効である。このときのガラス微粒子(A)とガラス粒子(B)の混合比は、重量比率で100:1〜100:200、好ましくは100:2〜100:150、さらに好ましくは100:5〜100:100である。100:200以上、(B)を過剰に混合した場合、白色度が低下する恐れがある。また、ガラス粒子(B)は、平均粒子径が100〜1500μm、融点が650〜850℃、比重が2〜4の扁平状であることが好ましい。
【0015】
また、作製した白色ガラス粒子において、白色度を調整したい場合、ガラス微粒子(A)の一部を融点が約450〜650℃、比重が2〜4のガラス微粒子(A−2)で置換する。この場合のガラス微粒子(A)と(A−2)の混合比は重量比率で、100:1〜100:200、好ましくは100:5〜100:100である。(A−2)を過剰に混合した場合、白色度が低下する恐れがある。
【0016】
さらに、該ガラス微粒子(A)、(A−2)、(B)のうち任意に混合した混合物に対して、平均粒子径の上限が200μm以下、さらには150μm以下、さらには100μm以下の中空ガラス微粒子(C)を混合することにより、意図的に空隙を調整し白色度を制御することができる。このような中空ガラス微粒子(C)の平均粒子径の下限は、通常0.5μm以上、さらには1μm以上である。例えば、上記のような、該微粒子(A)、(A)+(A−2)の混合物、(A)+(B)の混合物に、該微粒子(C)を混合することで白色度を向上することができる。また、該微粒子(A−2)、(B)、(A−2)+(B)の混合物、(A)+(A−2)+(B)の混合物において、白色度を向上させることができる。このときの混合比は、(A)、(A−2)、(B)のうち任意に混合した混合物100重量部に対して、中空ガラス微粒子(C)を1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部、さらに好ましくは3〜30重量部である。このようなガラス微粒子(C)は、融点が650〜850℃、かさ比重が0.05〜1.5であることが好ましい。
【0017】
また、作製した白色ガラス粒子の形状は、例えば、球状や楕円状、りん片状、板状、円盤状、半球状、星型状、花弁状、リボン状、ヒトデ状、不定形状、多角板状、楕円板状等の扁平状、その他に、棒状、針状、紡錘状等があげられる。
【0018】
本発明の白色ガラス粒子の比重は、使用する成分にもよるが、0.5以上2.7以下であることが好ましい。通常の独立気泡を有さないガラス粒子の比重は、2.0以上4.5以下程度であるが、本発明の白色ガラス粒子は、独立気泡を有しているため、通常の独立気泡を有さないガラス粒子に比べて、軽量となっている。
よって、軽量であるが故、建築材料、土木材料、プラスチック材料、設備機器等として用いた場合、基材へかかる重量負荷を低減することができ、脱落やずれ落ち等を抑制することができる。また、輸送費用等のコストも低減することができる。
【0019】
なお、比重は、JIS Z 8807−1976 固体比重測定方法 「6.体積からの測定方法」に準じて測定した値である。
【0020】
また、必要に応じ、白色粒子表面に、着色層や、保護層が積層されていてもよい。保護層としては、例えば、耐水性、耐酸性、耐塩基性、耐光性、耐候性、耐摩耗性、抗菌性等の性能を付与することができ、保護層で用いる結合材としては、ガラス、水ガラス、低融点ガラス、シリコン樹脂、アルコキシシラン、シランカップリング材等の無機結合剤や、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等の有機結合剤等が挙げられ、必要に応じ、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、難燃剤、防虫剤、化学物質吸着剤、吸放湿性物質、香料、触媒、光触媒、蓄光剤、蛍光剤、光輝性顔料等の添加剤を混合することもできる。
【0021】
なお、粒子径、空隙率、独立気泡の直径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製:JSM5301LV)で観察し、算出した値である。
具体的に、独立気泡の直径は、粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(日本電子製:JSM5301LV)で観察した値であり、空隙率は、観察した顕微鏡写真における独立気泡の面積から算出した値である。但し、空隙率は、独立気泡の直径が0.1μm以上のものについて測定し、算出した値である。
【0022】
本発明では、上記のガラス微粒子を分散させた分散液を凝集し成形後、該凝集体を熱処理することにより、白色ガラス粒子を得ることができる。このときの焼成温度は、使用するガラス微粒子の融点に応じ適宜設定すればよいが、通常200℃以上1500℃以下、好ましくは300℃以上1200℃未満である。
【0023】
該ガラス微粒子凝集体の、成形方法としては、ガラス微粒子を、固着材、溶剤と混合した溶液を凝集させ成形する。その方法としては、造粒法、滴下法、型枠成形法等があげられる。特に、滴下法及び型枠成形法が好ましい。さらに、必要に応じて形成した凝集体を破砕、切断することもできる。このように作製した粒子の形状は、球状や楕円状、りん片状、板状、円盤状、半球状、星型状、花弁状、リボン状、ヒトデ状、不定形状、多角板状、楕円板状等の扁平状、その他に、棒状、針状、紡錘状等があげられ、所望の形状に調整することができる。
【0024】
このようなガラス微粒子凝集体を、乾燥後、熱処理すると、粒子間隙に入り込んだ、固着材、溶剤等により独立気泡を生成する場合と、粒子凝集体の粒子間に存在する空孔、中空粒子等により独立気泡が生成される場合がある。ガラス微粒子の大きさや、固着材、溶剤等の添加剤を適宜選定することにより、所望の白色ガラス粒子を製造することができる。
【0025】
固着材としては、例えば、澱粉、変性澱粉、カゼイン、大豆蛋白、セルロース誘導体、グァーガム、ガティガム、トラガントガム、キサンタンガム、プルラン、カシアガム、アラビノガラクタン、スクレロガム、カラギーナン、寒天、ローカストビーンガム、タラガム、アラビアガム、タマリンドガム、ジェランガム、寒天、ゼラチン、ペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アルギン酸、アルギン酸ソーダ、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、水、アルコール類、ポリオール類、ケトン類、ポリエーテル類、エステル類、カルボン酸類、ポリカルボン酸類、セルロース類、糖類、スルホン酸類、アミノ酸類、アミン類等が挙げられ、本発明では特に、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、グルセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコール等を用いることが好ましい。
【0026】
上記のような固着材及び溶剤に、ガラス微粒子を分散させ、成形、乾燥することで、所望の形状を有したガラス凝集体を得ることができる。さらに、ガラス微粒子、固着材、溶剤に加え、必要に応じ、融剤、硬化剤、凝集剤、酸化剤、還元剤、分散剤、錯化剤、着色成分等の添加剤を混合してもよい。また、この場合のガラス微粒子の濃度、分散液の粘度等は、上記の溶剤により適宜調整することができる。
【0027】
具体的に、以下に例示する方法で凝集体を成形することができる。
(1)ガラス微粒子(A)を、固着材、溶剤に分散した分散液を凝集させ、ガラス微粒子(A)由来の凝集体を成形する。
【0028】
(2)ガラス微粒子(A)と、粒子径が5〜100倍のガラス粒子(B)を固着材、溶剤に分散した分散液を凝集させ、ガラス微粒子(A)およびガラス(B)由来の凝集体を成形する。(A)と(B)の混合比率は、重量比率で100:1〜100:200、好ましくは100:2〜100:150、さらに好ましくは100:5〜100:100である。
【0029】
(3)該ガラス微粒子(A)と、融点が450〜650℃の粒状ガラス微粒子(A−2)を固着材、溶剤に分散した分散液を凝集させ、ガラス微粒子(A)およびガラス微粒子(A−2)由来の凝集体を成形する。(A)と(A−2)の混合比率は、重量比率で100:1〜100:200、好ましくは100:5〜100:100である。
【0030】
(4)該ガラス微粒子(A)、(A−2)、(B)から選ばれる1種以上と、粒子径200μm以下、さらには150μm以下、さらには100μm以下の中空ガラス微粒子(C)を固着剤、溶剤を分散した分散液を凝集させ、凝集体を成形する。このとき、該ガラス微粒子(A)、(A−2)、(B)を任意に混合した混合物100重量部に対して、中空ガラス微粒子(C)は1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部、さらに好ましくは3〜30重量部混合することが好ましい。
【0031】
上記のガラス微粒子凝集体を熱処理温度、通常200℃〜1500℃、さらには400℃〜1300℃で処理することが好ましく、処理時間は、通常1〜120分程度で処理することによって白色ガラス粒子を得ることができる。
【0032】
このように製造された白色ガラス粒子は、白色度のムラが少なく、さらに、白色度を調節したガラス粒子を得ることができる。また、ガラス微粒子凝集体を作製する工程において、粒子を予め成形するため、成形時に特別な装置等の必要はなく、目的とする形状の粒子を容易に製造することができるため好ましい。
【0033】
本発明の白色ガラス粒子は、建築材料、土木材料、プラスチック材料、設備機器等の分野で使用することが可能であり、例えば塗料、舗装材、シート建材、プラスチック成形物等を構成する成分として用いることができる。また、本発明の白色ガラス粒子は、強度に加えて、耐火性、防火性等にも優れており、このような性能が要求される材料にも使用することができる。
【実施例】
【0034】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0035】
(試験例1)粒子径15μmのりん片状ガラス微粒子(比重:2.6、融点750℃)50重量%とアルギン酸ナトリウム1重量%を含む水溶液を長径7mm、短径4mm、厚さ1mmの型枠に流し込み板状に成型後、5重量%の塩化カルシウムを含む溶液を噴霧し、50℃で3時間乾燥させ、りん片状ガラス微粒子の凝集成形物を得た。このガラス微粒子凝集物を800℃で15分間焼成し、ガラス粒子1を得た。得られたガラス粒子1は、粒子端にややソリのある板状の形状を有し、粒子全体が均一な白色を示していた。なお、空隙率が13%(平均サイズ2μmの複数の独立気泡)、比重が2.3、平均粒子径が長径5mm、短径3mm、厚さ0.7mmであった。
また、得られたガラス粒子1の強度を評価するため、得られたガラス粒子1を100個用意し、プレス機にて0.2kN/cmの加重を加え、10秒間加圧した。圧を取り除いた後、割れた粒子の数を求めることによって、その強度を評価した。その結果、ガラス粒子1では、割れた粒子は無く、初期の形状が保たれており、優れた強度を有していた。
【0036】
(試験例2)粒子径15μmのりん片状ガラス微粒子(比重:2.6、融点750℃)40重量%、粒子径160μmのりん片状ガラス微粒子(比重:2.6、融点750℃)10重量%、及びアルギン酸ナトリウム1重量%を含む水溶液を長径7mm、短径4mm、厚さ1mmの型枠に流し込み板状に成型後、5重量%の塩化カルシウムを含む溶液を噴霧し、50℃で3時間乾燥させ、りん片状ガラス微粒子の凝集成形物を得た。このガラス微粒子凝集物を800℃で15分間焼成し、ガラス粒子2を得た。
得られたガラス粒子2は、板状の形状を有し、粒子全体が均一な白色を示していた。なお、空隙率が12%(平均サイズ2μmの複数の独立気泡)、比重が2.3、平均粒子径が長径5.2mm、短径3.2mm、厚さ0.7mmであった。
また、ガラス粒子2について、実施例1と同様の強度試験を行った結果、ガラス粒子2は、割れた粒子は無く、全ての粒子で初期の形状が保たれており、優れた強度を有していた。
【0037】
(試験例3)粒子径15μmのりん片状ガラス微粒子(比重:2.6、融点:750℃)35重量%、粒子径80μmのガラス微粒子(比重:2.6、融点:600℃)15重量%、及びアルギン酸ナトリウム1重量%を含む水溶液を長径7mm、短径4mm、厚さ1mmの型枠に流し込み板状に成型後、5重量%の塩化カルシウムを含む溶液を噴霧し、50℃で3時間乾燥させ、りん片状ガラス微粒子の凝集成形物を得た。このガラス微粒子凝集物を800℃で15分間焼成し、ガラス粒子3を得た。
得られたガラス粒子3は、板状の形状を有し、やや透明な白色を示していた。なお、空隙率が10%(平均サイズ12μmの複数の独立気泡)、比重が2.4、平均粒子径が長径4.6mm、短径3.2mm、厚さ0.8mmであった。
また、ガラス粒子3について、実施例1と同様の強度試験を行った結果、ガラス粒子3は、割れた粒子は無く、全ての粒子で初期の形状が保たれており、優れた強度を有していた。
【0038】
(試験例4)粒子径15μmのりん片状ガラス微粒子(比重:2.6、融点:750℃)25重量%、粒子径160μmのりん片状ガラス微粒子(比重:2.6、融点:750℃)10重量%、粒子径80μmのガラス微粒子(比重:2.6、融点:600℃)10重量%、粒子径13μmの中空状ガラス微粒子(比重:0.4、融点:750℃)5重量%、及びアルギン酸ナトリウム1重量%を含む水溶液を長径7mm、短径4mm、厚さ1mmの型枠に流し込み板状に成型後、5重量%の塩化カルシウムを含む溶液を噴霧し、50℃で3時間乾燥させ、りん片状ガラス微粒子の凝集成形物を得た。このガラス微粒子凝集物を800℃で15分間焼成し、ガラス粒子4を得た。
得られたガラス粒子4は、板状の形状を有し、粒子全体が均一な白色を示していた。なお、空隙率が22%(平均サイズ11μmの複数の独立気泡)、比重が1.7、平均粒子径が長径5.3mm、短径3.2mm、厚さ0.7mmであった。
また、ガラス粒子4について、実施例1と同様の強度試験を行った結果、ガラス粒子4は、割れた粒子は無く、全ての粒子で初期の形状が保たれており、優れた強度を有していた。
【0039】
(試験例5)粒子径15μmのりん片状ガラス微粒子(比重:2.6、融点:750℃)5重量%、粒子径80μmのガラス微粒子(比重:2.6、融点:600℃)45重量%、及びアルギン酸ナトリウム1重量%を含む水溶液を長径7mm、短径4mm、厚さ1mmの型枠に流し込み板状に成型後、5重量%の塩化カルシウムを含む溶液を噴霧し、50℃で3時間乾燥させ、りん片状ガラス微粒子の凝集成形物を得た。このガラス微粒子凝集物を800℃で15分間焼成し、ガラス粒子5を得た。
得られたガラス粒子5は、形状が半球状であり、透明であった。なお、空隙率が1%(平均サイズ1μmの複数の独立気泡)、比重が2.6、平均粒子径が長径3.2mm、短径2.2mm、厚さ1.4mmであった。
また、ガラス粒子5について、実施例1と同様の強度試験を行った結果、ガラス粒子5は、割れた粒子は無く、全ての粒子で初期の形状が保たれており、優れた強度を有していた。
【0040】
(試験例6)粒子径15μmのりん片状ガラス微粒子(比重:2.6、融点:750℃)5重量%、粒子径160μmのりん片状ガラス微粒子(比重:2.6、融点:750℃)5重量%、粒子径80μmのガラス微粒子(比重:2.6、融点:600℃)5重量%、粒子径13μmの中空状ガラス微粒子(比重:0.4、融点:750℃)35重量%、及びアルギン酸ナトリウム1重量%を含む水溶液を長径7mm、短径4mm、厚さ1mmの型枠に流し込み板状に成型後、5重量%の塩化カルシウムを含む溶液を噴霧し、50℃で3時間乾燥させ、りん片状ガラス微粒子の凝集成形物を得た。このガラス微粒子凝集物を800℃で15分間焼成し、ガラス粒子6を得た。
得られたガラス粒子6は、板状の形状を有し、粒子全体が均一な白色であった。なお、空隙率が70%(平均サイズ11μmの複数の独立気泡)、比重が0.5、平均粒子径が長径6.0mm、短径3.5mm、厚さ0.8mmであった。しかしながら、ガラス粒子6について、実施例1と同様の強度試験を行った結果、ガラス粒子6は、空隙が過剰に存在するため強度が低下し、64個の粒子が割れており、初期の形状は保持されていなかった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径200μm以下のガラス微粒子(A)の凝集体に由来し、直径100μm以下の独立気泡を複数内包し、空隙率が1%〜50%であることを特徴とする白色ガラス粒子。
【請求項2】
平均粒子径200μm以下のガラス微粒子(A)と平均粒子径が該ガラス微粒子(A)の5〜100倍であるガラス粒子(B)の凝集体に由来し、直径100μm以下の独立気泡を複数内包し、空隙率が1%〜50%であることを特徴とする白色ガラス粒子。
【請求項3】
平均粒子径200μm以下のガラス微粒子(A)及び/または平均粒子径が該ガラス微粒子(A)の5〜100倍であるガラス粒子(B)と平均粒子径200μm以下の中空ガラス微粒子(C)の凝集体に由来し、直径100μm以下の独立気泡を複数内包し、空隙率が1%〜50%であることを特徴とする白色ガラス粒子。
【請求項4】
平均粒子径200μm以下のガラス微粒子(A)を分散させた分散液を凝集させて、粒子径0.1mm〜50mmで成形し凝集体を得る工程、該凝集体を200℃〜1500℃で熱処理する工程を含む、白色ガラス粒子の製造方法。
【請求項5】
平均粒子径200μm以下のガラス微粒子(A)と平均粒子径が該ガラス微粒子(A)の5〜100倍であるガラス粒子(B)を含む分散液を凝集させて、粒子径0.1mm〜50mmで成形し凝集体を得る工程、該凝集体を200℃〜1500℃で熱処理する工程を含む、白色ガラス粒子の製造方法。
【請求項6】
平均粒子径200μm以下のガラス微粒子(A)及び/または平均粒子径が該ガラス微粒子(A)の5〜100倍であるガラス粒子(B)と平均粒子径200μm以下の中空ガラス粒子(C)を含む分散液を凝集させて、粒子径0.1mm〜50mmで成形し凝集体を得る工程、該凝集体を200℃〜1500℃で熱処理する工程を含む、白色ガラス粒子の製造方法。