説明

白色光LED照明器のための集光器

白色光源は、白色光をある角度分布で放射する発光ダイオード(LED)を備える。白色光源は、導光部と、上記角度分布に亘って光を収集するように構成された集光装置をさらに備える。集光装置によって収集された光は、導光部内に結合された白色光の全光束に対して寄与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年12月22日に出願された米国仮出願シリアルNO.61/288,949に基づく優先権を主張するものである。この米国仮出願の内容は、この参照により本稿に含まれるものとする。
【0002】
本発明は、白色発光源に関し、特に、白色光LED照明器のための集光器に関する。
【背景技術】
【0003】
発光ダイオード(LED)は、対抗する光源よりも遥かに小さなエネルギーを消費することから、白色光を生成するために望ましいものである。しかしながら、例えば眼内照明器のような光ファイバー照明器の光源としてのLEDの使用には、好ましくない欠点もある。重大な欠点の一つとして、広範囲な光放射角が挙げられる。白色LEDは、典型的には、青色光を白色光に変換する黄色蛍光キャップと、殆どの場合、LEDから放射された白色光をコリメートするドームレンズとを備える。LEDの大きな領域のために、LEDは拡張光源として動作し、光のコリメーションの度合いが制限され、光が大きな立体角で放射される。このことは、光ファイバーまたは他の導光部材にLEDからの光を結合することを困難としてしまう。導光部材内に結合可能な光は、典型的には、適切な発光を供給するのには十分でない明るさとなる。したがって、LED光源のエネルギー効率特性を提供しつつ、光ファイバー内に結合可能な光源に対する需要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のある実施形態においては、白色光源は、ある角度分布で白色光を発光するように構成された発光ダイオード(LED)を備える。白色光源は、導光部と、上記角度分布に亘って光を収集するように構成された集光器とをさらに備える。集光器によって収集された光は、白色光の総光束が導光部内に結合されることに寄与する。
【0005】
本発明の特定の実施形態においては、集光器は、中央コリメータと、外側放物面リフレクタ(outer parabolic reflector)と、中央コリメータからのコリメートされた光を導光部上にフォーカスする集光レンズとを有する。
【0006】
本発明の特定の実施形態においては、集光器は、上記角度分布の第一の部分に亘って延在する中央コリメータと、上記第一の部分の外側の、角度分布の第二の部分において光を反射する、リング状の球面ミラーと、中央コリメータからのコリメートされた光を導光部内にフォーカスする集光レンズとを有する。
【0007】
本発明の特定の実施形態においては、導光部は末端導光部であり、集光器は、基端導光部を有する。この基端導光部は、LEDと隣接する基端部を含み、また、第二の導光部からの光をLEDに向けて反射する反射材料を、末端部に含む。
【0008】
本発明の他の目的、特徴、および利点は、図面、および以下に示す図面と特許請求の範囲の説明を参照して、明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の特定の実施形態に係る集光器を備えた白色光源を示す。
【図2】本発明の他の実施形態に係る集光器を備えた白色光源を示す。
【図3】本発明のさらなる他の実施形態に係る基端導光部および末端導光部を備えた白色光源を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の特定の実施形態に係る白色光源100を示す。この明細書の目的のために、「白色光」とは、連続した光波長、または、赤、緑、および青の波長を非限定的に含む特定の波長の複合による、実質的な可視光スペクトラム範囲に亘る波長の複合によって生成されるいずれの光をも意味する。白色光源100は、白色光を発光するように構成された発光ダイオード(LED)102を備える。LED102は、電力供給源によって電力を与えられると、白色光を形成するように結合する多数の波長の光を発光するダイオード材料であってもよい。代替として、LED102は、一以上の蛍光材料によって環囲された、ある波長の光を発光するダイオードであってもよく、蛍光体および/またはLEDは、結合して白色光となる多数の波長の光を発光する。
【0011】
LED102は、光放射側を集光器104によって環囲されている。図示された実施形態においては、集光器104は、中央コリメートレンズ106と、外側放物面リフレクタ108とを有する。LED102は、広範囲な角度分布に亘って白色光を放射するので、中央コリメートレンズ106は、角度分布の中央領域にて放射された光をコリメートする一方、放物面リフレクタ108は、中央でコリメートされた光ビームを囲む平行ビーム経路を生成するように、上記中央領域の外側に放射されたバックライト光を反射する。そして、中央コリメートレンズ106からのコリメートビームと、放物面リフレクタ108からの平行光は、ともに集光レンズ110に進行し、集光レンズ110は、進行した光を導光部112にフォーカスする。このように、LED102から広範な角度分布に亘って放射された白色光は、導光部112内に効果的に集光されて結合される。これにより、光ファイバーに結合された白色光の光束は、効果的な発光をもたらすのに十分に高いものとなる。
【0012】
図2は、本発明の他の実施形態に係る白色光源200を示す。図示された実施形態においては、白色光LED202は、光放射側を集光器204によって環囲されている。集光器204は、中央コリメートレンズ206と、湾曲ミラー208とを有する。湾曲ミラー208は、中央コリメートレンズ206によってカバーされている角度範囲の外側に放射された光を反射する。これにより、光のエネルギーがLED202によって再利用されることを可能とし、次いで、光を漏洩させる場合と比較して、中央コリメートレンズ206を通過する光束が全体的に増加することとなる。有利には、ミラー208の曲率は、例えばミラー208を球面状に形成することによって、光の最大部分をLED202に向けて反射させるように選択することができる。同様に、ミラー208は、反射光の強度を最大化し、吸収および干渉による光の損失を低減するために、ダイクロイックミラーであってもよい。集光レンズ210は、中央コリメートレンズ206から放射されたコリメート光を導光部212上にフォーカスする。
【0013】
図3は、本発明のさらなる他の実施形態に係る白色光源300を示す。図示された実施形態においては、白色光LED302は、LED半導体チップである。LED半導体チップは、例えば、黄色蛍光層によって覆われた、青色光を発光する半導体接合体であってもよい。これにより、半導体接合体によって放射された青色光と、蛍光層からの黄色光とが結合して、白色光に見える。図示された実施形態においては、LED302と隣接する基端部を備えた基端導光部304は、集光器として機能する。基端部は、例えば、光学接着剤、および/または機械的なガイドによって、LED302に固定される。基端導光部304からの光は、末端導光部306内に結合される。末端導光部306は、白色光源300からの光を、照明されるべき領域に送るために用いられる。基端導光部304は、反射材料308含んでもよく、反射材料308は、LED302から放射された光を、空気以外の材料と接触する基端導光部304の領域で補足する。このことは、光が全内部反射によって阻止されない導光部304の境界部における光の漏洩を防止し、反射光をLED302によって再利用することが可能となる。好ましくは、反射材料は、LED302からの実質全ての白色光が収集されるように、少なくとも97%の反射率を有し得る。例えば、反射材料308は、高度に研磨された銀であってもよい。
【0014】
基端導光部304は、LED302を該基端導光部304に末端導光部306よりも容易に結合可能とするように、有利に構成される。図示された実施形態においては、基端導光部304と末端導光部306との間の光学結合接合部310は、導光部304と306の異なる寸法の間に亘って延在している。特定の実施形態においては、この領域が、例えば基端導光部304の基端部に用いられた反射材料308のような反射材料に包まれていてもよい。これにより、末端導光部306に入射しない光を、LED302によって再利用されるように、基端導光部304内に戻すことができる。このような実施形態において、反射材料は、基端導光部304の全長に沿って延在していてもよく、これにより、例えば、基端導光部304は、内側を銀で覆われた中空ガラスの導光部になり得る。白色光源300の効率をさらに改善するために、中央開口を含むミラー310が、LED302を覆うように配置されてもよい。これにより、基端導光部304内に入射しない光を、LED302に反射して戻すことが可能となり、他の漏洩する光のエネルギーは、LED302によって再利用される。
【0015】
本発明は、本稿において例示的に示されており、種々の修正が当業者によって加えられ得る。本発明は、詳細に説明されているが、種々の変更、置換、代替を、請求された本発明の範囲を逸脱することなく本発明に施しうることが、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色光をある角度分布で放射するように構成された発光ダイオード(LED)と、
導光部と、
前記角度分布に亘って光を収集するように構成された集光器であって、前記集光器による集光によって、白色光の全光束が前記導光部内に結合されるようになっている、集光器と、を備える、白色光源。
【請求項2】
前記集光器は、中央コリメータと、外側放物面リフレクタと、前記中央コリメータからのコリメートされた光を前記導光部上にフォーカスする集光レンズと、を有する、請求項1に記載の白色光源。
【請求項3】
前記集光器は、
前記角度分布の第一の部分に亘って延在する中央コリメータと、
前記第一の部分の外側の、前記角度分布の第二の部分において光を反射する、リング状の球面ミラーと、
前記中央コリメータからのコリメートされた光を前記導光部内にフォーカスする集光レンズと、を有する、請求項1に記載の白色光源。
【請求項4】
前記導光部は、末端導光部であり、
前記集光器は、基端導光部を有し、
前記基端導光部は、前記LEDと隣接する基端部を含むとともに、末端部に、第二の導光部からの光を前記LEDに向けて反射する反射材料をさらに含む、請求項1に記載の白色光源。
【請求項5】
前記LEDは、方形のLEDチップを有し、
第一の前記導光部は、光ファイバーを含み、
前記第二の導光部は、方形の導光部を含む、請求項4に記載の白色光源。
【請求項6】
前記反射材料は、少なくとも97%の反射率を有する、請求項4に記載の白色光源。
【請求項7】
前記反射材料は、銀である、請求項4に記載の白色光源。
【請求項8】
前記第二の導光部の前記基端部は、光学接着剤を用いて前記LEDに結合される、請求項4に記載の白色光源。
【請求項9】
前記第二の導光部の前記基端部は、中央開口を含むミラーをさらに有し、
前記中央開口は、前記角度分布の第一の部分において光を通過させ、
前記ミラーは、前記LEDによって、前記第一の部分の外側の、前記角度分布の第二の部分に放射された白色光を反射する、請求項4に記載の白色光源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−515346(P2013−515346A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545997(P2012−545997)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/059264
【国際公開番号】WO2011/078963
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(508185074)アルコン リサーチ, リミテッド (160)
【Fターム(参考)】