説明

白黒写真のカラー化装置及び、白黒写真のカラー化プログラム、並びに白黒写真のカラー化方法

【課題】 地表を撮影した白黒写真のカラー化装置、方法を提案する。
【解決手段】 地表を撮影した白黒写真から当該白黒写真の各座標における明暗情報を取得すると共に、前記白黒写真上に撮影されているものを判断し、地上を覆う植生や田畑などの土地利用の種類に応じて予め定めている複数の土地被覆分類項目の中から、白黒写真の各座標に割り当てられる土地被覆分類項目を決定し、前記予め定めている複数の土地被覆分類項目の中の各土地被覆分類項目に対して予め割り当てられているカラーサンプルを色彩情報と明暗情報とに分離することによって当該土地被覆分類項目に対して予め割り当てられている色彩情報を取得し、前記地表を撮影した白黒写真における各座標について取得した明暗情報と、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目について取得した色彩情報とを合成してカラー画像を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は白黒写真をカラー化する装置、白黒写真のカラー化プログラム、白黒写真のカラー化方法に関し、特に、地表を撮影した白黒写真をカラー化することに適した白黒写真をカラー化する装置、白黒写真のカラー化プログラム、白黒写真のカラー化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
白黒画像(例えば、白黒写真)は濃淡(明度)情報のみで表現されるものであるが、カラー画像(例えば、カラー写真)は明度情報の他に色彩情報(彩度情報と色相情報)が加わるものであるため、白黒画像に比較して非常に高い表現力を有するものになる。
【0003】
そこで従来から白黒画像をカラー化する方法、装置として種々の提案が行われている(例えば、特開平10−324025号公報)。
【特許文献1】特開平10−324025号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の白黒画像をカラー化する方法、装置は、例えば、白黒原稿から濃淡情報を取得し、この濃淡情報を当該濃淡情報を含んだカラー情報に変換するという擬似カラー化処理を行うものであった。
【0005】
ところで、白黒原稿からカラー化処理するにあたって、白黒原稿が、航空機から地表を撮影した白黒写真である場合、地上を覆う植生(雑木林、針葉樹)や田畑(田、畑、)などに適切に対応した色にカラー化することは難しかった。
【0006】
カラー写真が普通になっている今日、航空機から地表を撮影した白黒写真などは、往々にして数十年前に撮影されたものであるので、それのみでは一般的に重要な意味を持たないものとして取り扱われることが多い。しかし、例えば、その白黒写真を、地上を覆う植生(雑木林、針葉樹)や田畑(田、畑、)などに適切に対応した色にカラー化することによって、白黒写真が撮影された当時の景観、風景を復元することができれば、その白黒写真が撮影された当時から、カラー写真を撮影できる今日までの間における、景観、風景の変化に表れている土地の変遷を詳細に把握することができるようになる。これによって、白黒写真が撮影された当時から今日までの自然災害の状況を把握することができたり、谷の埋め立てや、山の取り崩しなどの変遷から新たな自然災害発生のおそれを予測し、対策を講じることも可能になる。
【0007】
また、今日では環境、その中でも土地の改変に伴う景観の劇変には目を見張るものがあり、全国的に画一化した景観、風景が目に付くようになってきているが、白黒写真を地上を覆う植生(雑木林、針葉樹)や田畑(田、畑、)などに適切に対応した色にカラー化することによって、白黒写真が撮影された当時の景観、風景を復元することができれば、カラー化された当時の景観、風景と、カラー写真を撮影できる今日の景観、風景とを比較することにより、今後の地域の景観、風景、環境の創造にあたって、白黒写真撮影当時における地域性豊かな環境を考慮することが可能になり、また、カラー化された当時の景観、風景を、郷土の歴史についての教育における貴重な資料に用いることも可能になる。
【0008】
そこで、本発明は、航空写真のように、地表を撮影した白黒写真、白黒画像から、地上を覆う植生(雑木林、針葉樹)や田畑(田、畑、)などに適切に対応した色にカラー化することを可能にする白黒写真のカラー化装置、これをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムと、白黒写真のカラー化方法を提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、地表を撮影した白黒写真から当該白黒写真の各座標(例えば、x軸とy軸とで特定される座標)における明暗情報を取得し(図3におけるステップ301)、前記白黒写真上に撮影されているもの(例えば、地上を覆う植生や田畑など)を判断し、地上を覆う植生や田畑などの土地利用の種類に応じて予め定めている複数の土地被覆分類項目の中から、白黒写真の各座標の領域に割り当てる土地被覆分類項目を決定し(図3におけるステップ302)、前記予め定めている複数の土地被覆分類項目の中の各土地被覆分類項目に対して予め割り当てているカラーサンプル(色)を色彩情報(彩度情報と色相情報)と明暗情報とに分離することによって当該土地被覆分類項目に対して予め割り当てられている色彩情報を取得し(図3におけるステップ303)、あるいは、前記予め定めている複数の土地被覆分類項目の中の各土地被覆分類項目に対して予め割り当てられているカラーサンプルにおける色彩情報(彩度情報と色相情報)を取得し、前記地表を撮影した白黒写真における各座標について取得した明暗情報と、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目について取得した色彩情報(彩度情報と色相情報)とを合成する(図3におけるステップ304)ことによってカラー画像を作成することにして課題を解決したのである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、航空写真のように、地表を撮影した白黒写真、白黒画像から、地上を覆う植生(雑木林、針葉樹)や田畑(田、畑、)などに適切に対応した色にカラー化したカラー写真、カラー画像を作成することができる。
【0011】
そこで、例えば、白黒の航空写真しか残っていないような過去の航空写真から、濃淡情報だけしかない白黒写真よりは格段に表現力が向上したカラー写真、カラー画像、しかも、地上を覆う植生(雑木林、針葉樹)や田畑(田、畑、)などに適切に対応した色にカラー化されたカラー写真、カラー画像を作成することができるので、その白黒写真撮影当時の地表の植生の状況、構造物の状況などをより詳しく把握することができる。
【0012】
本発明を利用することにより、例えば、今日、特定の地域を撮影した航空写真(カラー写真)と、過去に当該特定の地域を撮影していた白黒写真からカラー画像を作成したものとを比較することにより、植生、地形などの歴史的な変化をより具体的に把握することが可能になる。
【0013】
すなわち、何年か前に地表を撮影した白黒写真、例えば、航空機から地表を撮影した白黒写真を、地上を覆う植生(雑木林、針葉樹)や田畑(田、畑、)などに適切に対応した色にカラー化することによって、白黒写真が撮影された当時の景観、風景を復元し、その白黒写真が撮影された当時から、カラー写真を撮影できる今日までの間における、景観、風景の変化に表れている土地の変遷を詳細に把握して、白黒写真が撮影された当時から今日までの自然災害の状況を把握したり、谷の埋め立てや、山の取り崩しなどの変遷から今後の新たな自然災害を予測し、対策を講じることが可能になる。
【0014】
また、今日では全国的に画一化した景観、風景が目に付くようになってきているが、地上を覆う植生(雑木林、針葉樹)や田畑(田、畑、)などに適切に対応した色に白黒写真をカラー化することによって、白黒写真が撮影された当時の景観、風景を復元し、カラー化された当時の景観、風景と、カラー写真を撮影できる今日の景観、風景とを比較することにより、今後の地域の景観、風景、環境の創造にあたって、白黒写真撮影当時における地域性豊かな環境を考慮することが可能になり、また、カラー化された当時の景観、風景を、郷土の歴史についての教育における貴重な資料に用いることも可能になる。
【0015】
日本国では平成16年6月に景観法が成立し、同年12月から施行されている。この法律は、都市、農山漁村等における良好な景観の形成を図ることを目的にしており、本発明の技術はこの目的を達成する上で大いに活用することが期待されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の白黒写真のカラー化装置は、地表を撮影した白黒写真から当該白黒写真の各座標における明暗情報を取得する明暗情報取得手段と、当該明暗情報取得手段によって取得された白黒写真の各座標における明暗情報を、白黒写真の各座標によって特定される位置に関連づけて登録する明暗情報登録手段と、予め定められている複数の土地被覆分類項目の一覧を表示する土地被覆分類項目一覧表示手段と、前記白黒写真上に撮影されているものを判断し、前記白黒写真における各領域に前記複数の土地被覆分類項目の中の対応する土地被覆分類項目を選択する処理を促す土地被覆分類項目決定要求手段と、前記白黒写真における各領域に対して選択された土地被覆分類項目に関する情報を、前記白黒写真の各座標によって特定される位置に関連づけて登録する土地被覆分類項目登録手段と、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された前記の土地被覆分類項目に関連づけられて登録されているカラーサンプルにおける色彩情報を取得する色彩情報取得手段と、前記白黒写真における各座標について取得した明暗情報と、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された土地被覆分類項目について取得した色彩情報とを合成してカラー画像を作成するカラー画像作成手段とを備えてなるものである。
【0017】
ここで、地表を撮影した白黒写真から当該白黒写真の各座標における明暗情報を取得する明暗情報取得手段は、例えば、従来公知の走査光学機構と、白黒写真における明暗情報を検知するCCDイメージセンサとを備えてなる従来公知のスキャナーによって構成することができる。
【0018】
また、前記における、明暗情報登録手段、土地被覆分類項目一覧表示手段、土地被覆分類項目決定要求手段、土地被覆分類項目登録手段、色彩情報取得手段、カラー画像作成手段は、コンピュータを、地表を撮影した白黒写真から当該白黒写真の各座標における明暗情報を取得する明暗情報取得手段によって取得された白黒写真の各座標における明暗情報を、白黒写真の各座標によって特定される位置に関連づけて登録する明暗情報登録手段、予め定められている複数の土地被覆分類項目の一覧を表示する土地被覆分類項目一覧表示手段、前記白黒写真上に撮影されているものを判断し、前記白黒写真における各領域に前記複数の土地被覆分類項目の中の対応する土地被覆分類項目を選択する処理を促す土地被覆分類項目決定要求手段、前記白黒写真における各領域に対して選択された土地被覆分類項目に関する情報を、前記白黒写真の各座標によって特定される位置に関連づけて登録する土地被覆分類項目登録手段、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された前記の土地被覆分類項目に関連づけられて登録されているカラーサンプルにおける色彩情報を取得する色彩情報取得手段、前記白黒写真における各座標について取得した明暗情報と、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された土地被覆分類項目について取得した色彩情報とを合成してカラー画像を作成するカラー画像作成手段として機能させるための白黒写真のカラー化プログラムに基づく処理動作がコンピュータにおいて実行されることによって実現されるものである。
【0019】
なお、前記において、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された前記の土地被覆分類項目に関連づけられて登録されているカラーサンプルにおける色彩情報を取得する色彩情報取得手段を、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された前記の土地被覆分類項目に関連づけられて登録されているカラーサンプルを取得するカラーサンプル取得手段と、当該取得したカラーサンプルを色彩情報と明暗情報とに分離して前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された土地被覆分類項目についての色彩情報を取得する色彩情報取得手段とからなる形態にすることもできる。
【0020】
これも、前述した白黒写真のカラー化プログラムにおける、コンピュータを、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された前記の土地被覆分類項目に関連づけられて登録されているカラーサンプルにおける色彩情報を取得する色彩情報取得手段として機能させるための部分を、コンピュータを、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された前記の土地被覆分類項目に関連づけられて登録されているカラーサンプルを取得するカラーサンプル取得手段、当該取得したカラーサンプルを色彩情報と明暗情報とに分離して前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された土地被覆分類項目についての色彩情報を取得する色彩情報取得手段として機能させるためのものに変更し、このように変更した後のカラー化プログラムに基づく処理動作をコンピュータにおいて実行させることによって実現できる。
【0021】
以上の本発明の白黒写真のカラー化装置を利用して行われる本発明の白黒写真のカラー化方法は、地表を撮影した白黒写真から当該白黒写真の各座標における明暗情報を取得し、当該白黒写真における各座標で特定される位置に対して、カラーサンプルデータベースに登録されている複数の土地被覆分類項目の中から、当該位置に割り当てられる土地被覆分類項目を選択し、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目に関連づけられて前記カラーサンプルデータベースに登録されているカラーサンプルの色彩情報を取得し、前記地表を撮影した白黒写真における各座標について取得した明暗情報と、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目について取得した色彩情報とを合成し、前記地表を撮影した白黒写真をカラー化するものである。
【0022】
この本発明の白黒写真のカラー化方法においても、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目に関連づけられて前記カラーサンプルデータベースに登録されているカラーサンプルの色彩情報を取得する工程を、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目に関連づけられて前記カラーサンプルデータベースに登録されているカラーサンプルを取得し、当該取得したカラーサンプルを色彩情報と明暗情報とに分離して前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目についての色彩情報を取得する工程に置き換えることができる。
【実施例】
【0023】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0024】
図1は、本発明の白黒写真のカラー化装置の実施例における装置構成の概略を説明するものである。
【0025】
明暗情報取得手段であるスキャナー3は、例えば、走査光学機構4とCCDイメージセンサ5とを備えていて、本発明のコンピュータプログラムがインストールされているコンピュータ1に付設されている。
【0026】
コンピュータ1は、他のコンピュータ等とネットワークを介しての相互通信を可能にするインターフェース部10、CPUなどからなる処理動作部2、ROM11、RAM12などと、キーボード、ポインティングディバイスなどからなる入力部13、液晶画面などからなる表示部14を備えている。また本発明による白黒写真のカラー化処理を実行するために必要なデータの保持は、例えば、データベース30に備えられているカラー化画像作成データベース31、カラーサンプルデータベース32などによって行われる。
【0027】
本発明の方法は、例えば、以下のように実行される。
【0028】
まず、明暗情報取得手段であるスキャナー3などによって図2図示のような地表を撮影した白黒写真100から、当該白黒写真100の各座標(例えば、x軸とy軸とで特定される座標)における明暗情報を取得する処理が行われる。例えば、コンピュータ1に付属されているスキャナー3の走査光学機構4とCCDイメージセンサ5により白黒写真100を読みとり、CCDイメージセンサ5で白黒写真の各座標における明暗情報を検知する。
【0029】
こうしてCCDイメージセンサ5で検知された白黒写真100の各座標における明暗情報は、本発明のコンピュータプログラムがインストールされているコンピュータ1の処理動作部2が行う処理(明暗情報登録手段21が行う処理動作に相当する)により、白黒写真100の各座標によって特定される位置に関連づけられてカラー化画像作成データベース31に記憶される。ここまでが、図4におけるステップ401に相当する。
【0030】
次に、本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータ1の処理動作部2を介して、コンピュータ1の操作者に対し、白黒写真100上に撮影されているものを判断し、地上を覆う植生や田畑などの土地利用の種類に応じた土地被覆分類項目を決定するように促す(土地被覆分類項目決定要求手段23が行う処理動作に相当する)。
【0031】
コンピュータ1に備えられているデータベース30にはカラーサンプルデータベース32が格納されている。この、カラーサンプルデータベース32には、本発明の装置、コンピュータプログラムを提供する者が予め定めている土地被覆分類項目(例えば、雑木林、針葉樹、伐採跡地、裸地、川、礫川原、草川原、田、畑、道路、鉄道、建築物、民家などといった、地表を写真撮影した際に撮影される、地上を覆う植生や田畑などの土地利用の種類)と、本発明の装置、コンピュータプログラムを提供する者が、地表を撮影したカラー写真(前記の白黒写真100が撮影された時季と同一の時季に撮影され、前述したあらかじめ定められている土地被覆分類項目における各項目の当該時季における「色」情報を取得できるものであれば、前記の白黒写真100が撮影されている場所・地域と同一の地域であるか、異なる地域であるかを問わない)を参照して、当該カラー写真に撮影されている地上を覆う植生や田畑などの土地利用の種類(すなわち、土地被覆分類項目)を前記あらかじめ定めている土地被覆分類項目に従って区分けした上で(すなわち、土地被覆による領域の分割を行った上で)、前記あらかじめ定めている土地被覆分類項目の各土地被覆分類項目に対して割り当てた色(カラーサンプル)(すなわち、あらかじめ定めた色(カラーサンプル))とが関連づけられて登録されている。すなわち、あらかじめ定めている土地被覆分類項目ごとの色を、前記のように参照したカラー写真から取得して、各土地被覆分類項目と、当該土地被覆分類項目に割り当てる色(カラーサンプル)とを関連付けてカラーサンプルデータベース32に登録している。
【0032】
図5は、カラーサンプルデータベース32に登録されている情報の一例であり、ここでは、地表を写真撮影した際に撮影される、地上を覆う植生や田畑などの土地利用の種類、すなわち、土地被覆分類項目として、雑木林、針葉樹、伐採跡地、裸地、川、礫川原、草川原、田、畑、道路、鉄道、建築物、民家が予め定められており、それぞれの土地被覆分類項目ごとに色(カラーサンプル)があらかじめ定められている。
【0033】
この、各土地被覆分類項目に割り当てられている色(カラーサンプル)は、本発明の装置、コンピュータプログラムを提供する者が、予め、種々の地域をカラー写真撮影し、各カラー写真毎に、前記のように雑木林〜民家といったあらかじめ定めた土地被覆分類項目の分割を行い(すなわち、土地被覆分類項目による領域の分割を行い)、各土地被覆分類項目に対していかなる色(カラーサンプル)を割り当てるべきか検討した上で予め定めているものである。
【0034】
そこで、本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータ1の処理動作部2を介して、カラーサンプルデータベース32に登録されている土地被覆分類項目の一覧(例えば、前記の雑木林〜民家)を、コンピュータ1の液晶画面などの表示部14に表示させ(これが土地被覆分類項目一覧表示手段22が行う具体的な処理動作に相当する)、白黒写真100における各座標で特定される位置に対して、カラーサンプルデータベース32に登録されている複数の土地被覆分類項目の中から、当該位置に割り当てられる土地被覆分類項目を選択するよう促す。すなわち、白黒写真100について土地被覆分類項目による領域の分割を行うように促す。これが土地被覆分類項目決定要求手段23が行うより具体的な処理動作に相当する。
【0035】
これを受けて、コンピュータ1を操作している者が、白黒写真100における各x−y座標で特定される位置に対して、例えば、各x−y座標で特定される特定の領域毎に、カラーサンプルデータベース32に登録されている複数の土地被覆分類項目の中から、当該位置に割り当てられる土地被覆分類項目を選択してコンピュータ1に入力する。すなわち、白黒写真100について土地被覆分類項目による領域の分割を行い(図4のステップ402)、これをコンピュータ1に入力する。
【0036】
キーボード、ポインティングディバイスなどの入力部13を介してコンピュータ1に入力された、白黒写真100における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目に関する情報(すなわち、白黒写真100についての土地被覆分類項目による領域の分割に関する情報)は、本発明のコンピュータプログラムが、コンピュータ1の処理動作部2を介して、白黒写真100の各座標(x−y座標)によって特定される位置に関連づけてカラー化画像作成データベース31に記憶させる処理を実行させることにより、当該入力された白黒写真100における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目(すなわち、白黒写真100についての土地被覆分類項目による領域の分割)が、カラー化画像作成データベース31の白黒写真100の各座標(x−y座標)によって特定される位置に関連づけられて記憶される。これが、土地被覆分類項目登録手段24が行う処理動作に相当する。
【0037】
次に、本発明のコンピュータプログラムにより、コンピュータ1の処理動作部2を介して、白黒写真100における各座標で特定される位置に対して割り当てられた前記の土地被覆分類項目に関連づけられてカラーサンプルデータベース32に登録されている色(カラーサンプル)を取得する処理が行われる。すなわち、カラーサンプルデータベース32には図5に例示されているように、各土地被覆分類項目に対してその色(カラーサンプル)が定めされているので、白黒写真100を土地被覆分類項目により領域分割したときの、各土地被覆分類項目の色(カラーサンプル)を、カラーサンプルデータベース32を参照して取得する処理が行われる(カラーサンプル取得手段25aが行う処理動作に相当する)。
【0038】
そして、引き続いて、本発明のコンピュータプログラムにより、コンピュータ1の処理動作部2を介して、当該取得したカラーサンプルを色彩情報と明暗情報とに分離し、前記白黒写真100における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目についての色彩情報を取得する処理が行われる(図4のステップ403であり、色彩情報取得手段25bが行う処理動作に相当する)。
【0039】
次いで、本発明のコンピュータプログラムにより、コンピュータ1の処理動作部2を介して、前記のステップ401において、地表を撮影した白黒写真100における各座標について取得した明暗情報と、前記のステップ403において、白黒写真100における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目について取得した色彩情報とを合成し、カラー画像を作成する処理が行われる(図4のステップ404であり、カラー画像作製手段26が行う処理動作に相当する)。
【0040】
なお、こうして作成されたカラー画像をコンピュータ1の液晶画面などの表示部14に表示させたり、不図示の印刷手段によって写真印刷することなどができる。
【0041】
図6は、図5図示のカラーサンプルデータ32において、図5図示のカラーサンプルデータ32に例示されている各カラーサンプル(色)のR値、G値、B値、H値、S値、I値の一例を表したものである。
【0042】
コンピュータやテレビジョンなどにおいては、色の表示は、例えば、図7(a)図示のように、RGBデータ(R値、G値、B値)を用いて行われる。そして、このRGBデータを、例えば、図7(c)図示のように、人間の感触に近い色相(H値)、彩度(S値)、明暗度(I値)に変換すること、図7(b)に例示するように、H値、S値、I値から色を表示すること、H値、S値、I値をRGBデータ(R値、G値、B値)に変換すること、RGBデータ(R値、G値、B値)から色を表示することは従来公知の事項である。
【0043】
本発明においては、前記のように、図4のステップ403の工程で、色彩情報取得手段25bが行う処理により、カラーサンプルデータベース32に登録されている色(カラーサンプル)であって、カラーサンプル取得手段25aが行った処理によって白黒写真100における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目に関連づけて取得した色(カラーサンプル)(すなわち、白黒写真100を土地被覆分類項目により領域分割したときの各土地被覆分類項目の色(カラーサンプル))を、色彩情報(H値及びS値)と明暗情報(I値)とに分離し、白黒写真100における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目についての色彩情報(H値及びS値)が取得される(すなわち、白黒写真100を土地被覆分類項目により領域分割したときの各土地被覆分類項目の色彩情報(H値及びS値)が取得される)。
【0044】
一方、前述したように、図4におけるステップ401で、明暗情報取得手段であるスキャナー3によって白黒写真100から取得された当該白黒写真100の各座標(例えば、x軸とy軸とで特定される座標)における明暗情報(I値)は、カラー化画像作成データベース31に記憶されている。
【0045】
そこで、カラー画像作製手段26が行う前述した処理動作により、白黒写真100の各座標(例えば、x軸とy軸とで特定される座標)における色彩情報(H値及びS値)と、明暗情報(I値)とが融合され、白黒写真100をカラー化したカラー画像を作成することができる。
【0046】
本発明においては、航空写真のような地表を撮影した写真において、雑木林、針葉樹、伐採跡地、裸地、川、礫川原、草川原、田、畑、道路、鉄道、建築物、民家などといった、地表を写真撮影した際に撮影される、地上を覆う植生や田畑などの土地利用の種類、すなわち複数の土地被覆分類項目を定めておくとともに、地表を撮影したカラー写真(カラー画像)を参照して、この複数の土地被覆分類項目の中の各土地被覆分類項目に与えられる色をあらかじめ定めておく。
【0047】
そして、カラー化する白黒写真100から、当該白黒写真100の各座標位置における明暗情報を取得する一方で、白黒写真100を前記のあらかじめ定めている複数の土地被覆分類項目にしたがって領域分割する。
【0048】
その上で、この分割された各領域をカラー化するために、前記のあらかじめ定めていた各土地被覆分類項目の色を色彩情報と明暗情報とに分割して色彩情報のみを取得し、これを、白黒写真100の各座標位置について取得していた明暗情報と融合させることによって白黒写真100をカラー化したカラー画像を作成している。
【0049】
そこで、白黒原稿から濃淡情報を読みとって、この読み取った濃淡情報を含んだカラー画像を作成する等といった従来のカラー化の手法に比較すれば、地表の写真に特有の、雑木林、針葉樹、伐採跡地、裸地、川、礫川原、草川原、田、畑、道路、鉄道、建築物、民家などといった、地表を写真撮影した際に撮影される、地上を覆う植生や田畑などの土地利用の種類に即した色でカラー化を行うことができる。
【0050】
これによって、航空写真のように、地表を撮影した白黒写真、白黒画像から、地上を覆う植生(雑木林、針葉樹)や田畑(田、畑、)などに適切に対応した色にカラー化したカラー写真、カラー画像を作成することができる。
【0051】
なお、前述した実施形態においては、本発明のコンピュータプログラムがコンピュータ1の処理動作部2に、カラーサンプル取得手段25aが実行する処理である、白黒写真100における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目に関連づけられてカラーサンプルデータベース32に登録されている色(カラーサンプル)を取得する(白黒写真100を土地被覆分類項目により領域分割したときの各土地被覆分類項目の色(カラーサンプル)をカラーサンプルデータベース32を参照して取得する)処理と、色彩情報取得手段25bが実行する処理である、当該取得したカラーサンプルを色彩情報と明暗情報とに分離し、白黒写真100における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目についての色彩情報を取得する処理とを行わせるようになっていた。
【0052】
しかし、カラーサンプルデータベース32に、あらかじめ定められている複数の土地被覆分類項目と、この複数の土地被覆分類項目における各土地被覆分類項目の色とが図5図示のように関連図けられて登録されているだけでなく、更に、図6図示のように、各色における色相(H値)、彩度(S値)、明暗度(I値)も関連付けられて登録されていれば、前記のカラーサンプル取得手段25a、色彩情報取得手段25bが実行する処理動作に替えて、本発明のコンピュータプログラムがコンピュータ1の処理動作部2に実行させる処理を、白黒写真100における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目に関連づけられて登録されているカラーサンプルにおける色彩情報をカラーサンプルデータベース32からを取得する(白黒写真100を土地被覆分類項目により領域分割したときの各土地被覆分類項目の色彩情報をカラーサンプルデータベース32を参照して取得する)という、色彩情報取得手段25が行う処理動作にすることができる。
【0053】
このように変更しても本発明の作用、効果には変わりがない。
【0054】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明のカラー化装置の構成の概略を説明する図
【図2】地表を撮影した白黒写真の一例を表す図
【図3】本発明の工程の一例を説明するフロー図
【図4】本発明の工程の一例を説明する他のフロー図
【図5】カラーサンプルデータベースに格納されるデータの一例を説明する図
【図6】カラーサンプルデータベースに格納されるデータの他の一例を説明する図
【図7】(a)、(b)、(c)は、色を表示するときのR値、G値、B値と、色相(H値)、彩度(S値)、明暗度(I値)との関係を説明する図
【符号の説明】
【0056】
1 コンピュータ
2 処理動作部
3 スキャナー
4 走査光学機構
5 CCDイメージセンサ
10 インターフェース部
11 ROM
12 RAM
13 入力部
14 表示部
30 データベース
31 カラー化画像作成データベース
32 カラーサンプルデータベース
21 明暗情報登録手段
22 土地被覆分類項目一覧表示手段
23 土地被覆分類項目決定要求手段
24 土地被覆分類項目登録手段
25 色彩情報取得手段
25a カラーサンプル取得手段
25b 色彩情報取得手段
26 カラー画像作製手段
100 白黒写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表を撮影した白黒写真から当該白黒写真の各座標における明暗情報を取得する明暗情報取得手段と、
当該明暗情報取得手段によって取得された白黒写真の各座標における明暗情報を、白黒写真の各座標によって特定される位置に関連づけて登録する明暗情報登録手段と、
予め定められている複数の土地被覆分類項目の一覧を表示する土地被覆分類項目一覧表示手段と、
前記白黒写真上に撮影されているものを判断し、前記白黒写真における各領域に前記複数の土地被覆分類項目の中の対応する土地被覆分類項目を選択する処理を促す土地被覆分類項目決定要求手段と、
前記白黒写真における各領域に対して選択された土地被覆分類項目に関する情報を、前記白黒写真の各座標によって特定される位置に関連づけて登録する土地被覆分類項目登録手段と、
前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された前記の土地被覆分類項目に関連づけられて登録されているカラーサンプルにおける色彩情報を取得する色彩情報取得手段と、
前記白黒写真における各座標について取得した明暗情報と、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された土地被覆分類項目について取得した色彩情報とを合成してカラー画像を作成するカラー画像作成手段と
を備えてなる白黒写真のカラー化装置。
【請求項2】
地表を撮影した白黒写真から当該白黒写真の各座標における明暗情報を取得する明暗情報取得手段と、
当該明暗情報取得手段によって取得された白黒写真の各座標における明暗情報を、白黒写真の各座標によって特定される位置に関連づけて登録する明暗情報登録手段と、
予め定められている複数の土地被覆分類項目の一覧を表示する土地被覆分類項目一覧表示手段と、
前記白黒写真上に撮影されているものを判断し、前記白黒写真における各領域に前記複数の土地被覆分類項目の中の対応する土地被覆分類項目を選択する処理を促す土地被覆分類項目決定要求手段と、
前記白黒写真における各領域に対して選択された土地被覆分類項目に関する情報を、前記白黒写真の各座標によって特定される位置に関連づけて登録する土地被覆分類項目登録手段と、
前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された前記の土地被覆分類項目に関連づけられて登録されているカラーサンプルを取得するカラーサンプル取得手段と、
当該取得したカラーサンプルを色彩情報と明暗情報とに分離して前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された土地被覆分類項目についての色彩情報を取得する色彩情報取得手段と、
前記白黒写真における各座標について取得した明暗情報と、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された土地被覆分類項目について取得した色彩情報とを合成してカラー画像を作成するカラー画像作成手段と
を備えてなる白黒写真のカラー化装置。
【請求項3】
コンピュータを、
地表を撮影した白黒写真から当該白黒写真の各座標における明暗情報を取得する明暗情報取得手段によって取得された白黒写真の各座標における明暗情報を、白黒写真の各座標によって特定される位置に関連づけて登録する明暗情報登録手段、
予め定められている複数の土地被覆分類項目の一覧を表示する土地被覆分類項目一覧表示手段、
前記白黒写真上に撮影されているものを判断し、前記白黒写真における各領域に前記複数の土地被覆分類項目の中の対応する土地被覆分類項目を選択する処理を促す土地被覆分類項目決定要求手段、
前記白黒写真における各領域に対して選択された土地被覆分類項目に関する情報を、前記白黒写真の各座標によって特定される位置に関連づけて登録する土地被覆分類項目登録手段、
前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された前記の土地被覆分類項目に関連づけられて登録されているカラーサンプルにおける色彩情報を取得する色彩情報取得手段、
前記白黒写真における各座標について取得した明暗情報と、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された土地被覆分類項目について取得した色彩情報とを合成してカラー画像を作成するカラー画像作成手段
として機能させるための白黒写真のカラー化プログラム。
【請求項4】
コンピュータを
地表を撮影した白黒写真から当該白黒写真の各座標における明暗情報を取得する明暗情報取得手段によって取得された白黒写真の各座標における明暗情報を、白黒写真の各座標によって特定される位置に関連づけて登録する明暗情報登録手段、
予め定められている複数の土地被覆分類項目の一覧を表示する土地被覆分類項目一覧表示手段、
前記白黒写真上に撮影されているものを判断し、前記白黒写真における各領域に前記複数の土地被覆分類項目の中の対応する土地被覆分類項目を選択する処理を促す土地被覆分類項目決定要求手段、
前記白黒写真における各領域に対して選択された土地被覆分類項目に関する情報を、前記白黒写真の各座標によって特定される位置に関連づけて登録する土地被覆分類項目登録手段、
前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された前記の土地被覆分類項目に関連づけられて登録されているカラーサンプルを取得するカラーサンプル取得手段、
当該取得したカラーサンプルを色彩情報と明暗情報とに分離して前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された土地被覆分類項目についての色彩情報を取得する色彩情報取得手段、
前記白黒写真における各座標について取得した明暗情報と、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して選択された土地被覆分類項目について取得した色彩情報とを合成してカラー画像を作成するカラー画像作成手段
として機能させるための白黒写真のカラー化プログラム。
【請求項5】
地表を撮影した白黒写真から当該白黒写真の各座標における明暗情報を取得し、
当該白黒写真における各座標で特定される位置に対して、カラーサンプルデータベースに登録されている複数の土地被覆分類項目の中から、当該位置に割り当てられる土地被覆分類項目を選択し、
前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目に関連づけられて前記カラーサンプルデータベースに登録されているカラーサンプルの色彩情報を取得し、
前記地表を撮影した白黒写真における各座標について取得した明暗情報と、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目について取得した色彩情報とを合成し、
前記地表を撮影した白黒写真をカラー化することを特徴とする白黒写真のカラー化方法。
【請求項6】
地表を撮影した白黒写真から当該白黒写真の各座標における明暗情報を取得し、
当該白黒写真における各座標で特定される位置に対して、カラーサンプルデータベースに登録されている複数の土地被覆分類項目の中から、当該位置に割り当てられる土地被覆分類項目を選択し、
前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目に関連づけられて前記カラーサンプルデータベースに登録されているカラーサンプルを取得し、
当該取得したカラーサンプルを色彩情報と明暗情報とに分離して前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目についての色彩情報を取得し、
前記地表を撮影した白黒写真における各座標について取得した明暗情報と、前記白黒写真における各座標で特定される位置に対して割り当てられた土地被覆分類項目について取得した色彩情報とを合成し、
前記地表を撮影した白黒写真をカラー化することを特徴とする白黒写真のカラー化方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−350407(P2006−350407A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−171974(P2005−171974)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(301042480)国土交通省国土地理院長 (12)
【Fターム(参考)】