説明

皮脂洗浄具

【課題】 頭皮の洗髪などと同時に使用する事ができ、比較的簡単な構造で一人でも手軽に揉み出し洗いの様な皮脂の揉み出し洗浄をすることができる皮脂洗浄具を提供します。
【解決手段】 複数の洗浄突起部(2)を幅の有る楔状として任意の形状で配置し、洗浄突起部(2)の突起部頂点(3)を若干内側に傾けて頭皮に押し付ける上下移動と洗浄突起部(2)の柔軟性で、若干内側に傾むていた複数の突起部頂点(3)を更に内側に傾むけて移動させ、表皮(5)を摘む様に揉み出して皮脂の揉み出し洗浄を行います。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭皮等の洗髪時に効率よく余分な皮脂等を取り除く事ができる皮脂洗浄具に関するものです。
【背景技術】
【0002】
従来の頭皮等の皮脂の洗浄は、主にシャンプー等を用いて余分な皮脂を洗浄しておりましたが、頭皮は無数の毛髪に覆われて見え難く、また、洗浄作業は腕を頭上まで掲げての可也の不自由な体勢で一人で行うには十分な作業時間と洗浄効果は得難いものです。
【0003】
その為、少しでも効果を挙げるため、従来より多くの洗浄具が発明や開発等されております。その中でも皮脂の洗浄に重点をおいて発明なされたものは、特開2006−167396号公報、特開2006−136360号公報や特開平11−276250号公報等のブラシタイプのものや、特開2003−093134号公報、特開平10−192039号公報や特開平09−028448号公報等の洗浄機器を用いるもの等があります。
【0004】
しかし、ブラシタイプのものは皮脂洗浄と言うよりはマッサージ的なものが多く、表皮の洗浄には向いておりますが毛穴内部の皮脂洗浄には十分な効果が期待できず、更に、機器タイプのものは装置が大掛りなもので一般家庭では利用され難く、その中で特開2003−093134号公報の様に表皮内部の皮脂洗浄器具も発明されておりますが、一人で行うには可也無理な体勢で使用し難く、これもまた普及するに至っておりません。
【特許文献1】特開2006−167396号公報
【特許文献2】特開2006−136360号公報
【特許文献3】特開平11−276250号公報
【特許文献4】特開2003−093134号公報
【特許文献5】特開平10−192039号公報
【特許文献6】特開平09−028448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、従来のブラシタイプの様に手軽に使用でき、洗髪などと同時に使用して手軽に表皮内部の皮脂洗浄にも適する洗浄具を課題とします。
【課題を解決するための手段】
【0006】
任意の形状で複数の洗浄突起部(2)を頭皮に押し付ける上下移動で、洗浄突起部(2)の配置と形状で突起部頂点(3)を任意の方向に折り曲げて、柔軟な洗浄突起部(2)の突起部頂点(3)の移動で表皮を摘む様に揉み出す洗浄方法を主な特徴とします。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の本発明の皮脂洗浄具によれば、理想的な洗浄突起部(2)の大きさや配置によって洗浄具本体(1)を手にして頭皮に押し付ける上下移動により、従来の揉み出し洗いの様に頭皮の余分な皮脂を手軽に洗浄できるという利点があります。
【0008】
また、従来の指先の洗浄と違って指先に力を入れ過ぎて爪で表皮を傷付ける事も無く、爪の長い女性でも手軽に利用できる利点や、柔軟な洗浄突起部(2)の表皮との接触がマッサージ効果も高める利点も有りますし、更に、複数の洗浄突起部(2)を任意の形状に配置した複数の配置パターンを設け易く、表皮の広い面積や用途によって其々の洗浄具の形状に適する最適な形状の配置パターンに設置する事ができるという利点もあります。
【0009】
請求項2記載の本発明のブラシタイプの皮脂洗浄具によれば、頭皮の洗髪等に簡単なブラッシング等しながらブラシタイプの皮脂洗浄具を頭皮に押し付けたりする上下移動や、軽く叩いたりして広範囲の皮脂洗浄を手軽に行う事ができるという利点があります。
【0010】
請求項3記載の本発明の洗髪具タイプの皮脂洗浄具によれば、洗髪時に手の平に装着して使用すると指先で簡単なマッサージや洗髪ができ、更に手の平に力を入れて皮脂洗浄具を頭皮に押し付けて同時に皮脂の洗浄も手軽に行う事ができるという利点があります。
【0011】
請求項4記載の本発明のスティック状の皮脂洗浄具によれば、部分的に細かい所の皮脂洗浄を行う事ができるので、頭皮以外の細かな部分でも集中して行うことができるという利点があり、また、他の商品との組み合わせがし易く携帯し易いという利点もあります。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1の基本洗浄部の斜視図で説明しますと、柔軟な素材のゴムや合成樹脂等で先端部を丸めて突起部頂点(3)とした楔状の洗浄突起部(2)を複数設けます。なお、洗浄突起部(2)に若干多めの幅を持たせて、幅の延長方向には折れ曲がり難い構造とします。
【0013】
洗浄突起部(2)の幅を一辺とした突起部内面(4)を下駄の歯の様に向かい合わせて、図1の様に互いの突起部頂点(3)を内側に向けて逆ハの字型(図1は説明用に反転させている為に上下が逆となりハの字型となっています)に若干傾けた基本洗浄部を洗浄具本体(1)に設定して、突起部頂点(3)を表皮(5)等に押し付けると柔軟な洗浄突起部(2)の突起部頂点(3)が傾けた内側方向に更に簡単に折れ曲がる構造とします。
【0014】
また、基本洗浄部を柔軟な素材のゴムや合成樹脂等で先端部を丸めた若干幅の有る板状として、図4の他の基本洗浄部の断面図の様に頂点部付近を若干内側に曲げて、突起部頂点(3)を内側に傾けた洗浄突起部(26)も基本的には同様なので、以下の実施例の説明は、前述説明の楔状の洗浄突起部(2)を基本洗浄部とした例で説明して行きます。
【実施例1】
【0015】
本例は本願の請求項1の一例で、洗髪などの際に洗浄具本体(1)に設定した基本洗浄部を図2の洗浄部の表皮接触断面図の様に、向かい合わせた逆ハの字型の洗浄突起部(2)で毛髪(10)を被せる様に基本洗浄部を頭部の表皮(5)に軽く押し当てます。
【0016】
更に、洗浄具本体(1)に力を入れて洗浄突起部(2)を表皮(5)に押し付けると、硬い頭蓋骨を備えた表皮(5)の反発を受けて行き場の無い柔軟な突起部頂点(3)が傾いた内側に更に折れ曲がって移動し、同時に柔軟な内側の表皮(5)を中央に押し集めて図3の洗浄部の皮脂洗浄断面図の様に、複数の突起部頂点(3)で中央部の表皮(5)を摘む様に挟み込んで圧迫し、同時に揉み出す様に圧迫表皮(6)を形成します。
【0017】
その時、圧迫表皮(6)の中の毛穴(8)の中に有る余分な皮脂も圧迫され、図3の様に圧迫された余分な皮脂が毛穴(8)から揉み出されて抽出皮脂(9)と成って、俗に言う従来の揉み出し洗いと同様な効果が得られる頭皮内部の余分な皮脂を揉み出す様な皮脂の洗浄(以下、単に皮脂の揉み出し洗浄と言う)を一人でも手軽に行う事ができます。
【0018】
図14の従来型指先の揉み出し洗い例の様に、指先(24)に力を入れ過ぎて爪で表皮を傷付ける事も無いので、最近の若い女性の様に付け爪や長い爪の人でも手軽に利用する事ができます。また、洗浄突起部(2)の形状を指より小さくすると指先で洗浄し難い細かな箇所や頭皮の薄い人も使え、更に、基本洗浄部の数を増やして広く分布させ、図14の両指先の隙間の圧迫表皮(27)以上の広い皮脂の揉み出し洗浄を効率良く行えます。
【0019】
また、突起部頂点(3)の表皮(5)に押し付ける上下移動で圧迫表皮(6)を形成したり元に戻したりする行為が表皮のマッサージ効果を高めます。その為、突起部頂点(3)は洗剤等でも滑り難く表皮(5)を押し集める摩擦力が必要で、突起部頂点(3)に凹凸や溝等を設けた構造とするか、又は、摩擦力の大きな材質を用いる事が理想的です。
【0020】
更に、洗浄突起部(2)の形状や柔軟さ、及び、配置パターンの形や大きさ等は頭皮の厚さや柔らかさ等によって効果的に圧迫表皮(6)を形成できる形状や配置等を考慮する必要があり、更には洗浄突起部(2)の傾斜角度や曲がり具合は、成形時の金型から柔軟な洗浄突起部(2)が容易に取り出せる事なども考慮して設定する必要があります。
【0021】
尚、この基本洗浄部は機能説明的な要素が強く、実際は図2の様に基本洗浄部で無数に有る毛髪(10)を一つ一つ被せて使用するには効率性に欠けて現実的ではありません。その為、より多くの洗浄突起部(2)を理想的に多数配置し、多くの毛穴(8)を覆う様にして効果的に皮脂を揉み出す事ができる様に実施例2以降は、用途に合った洗浄具の形状に合わせた最適な洗浄部の配置パターンを分布させた実施例として説明します。
【実施例2】
【0022】
本例は本願の請求項2の一例で、実施例1と同様の基本洗浄部を図5のブラシタイプの皮脂洗浄具の斜視図の様に、ブラッシング時に毛髪の抵抗が少ない様に洗浄突起部(2)の幅の一辺が一直線上に複数設置し、且つ、ブラシ部本体(14)の中心軸に対して直角に成る様にし、更に、縦に多数櫛状にブラシ部本体(14)の表面全体的に設定します。
【0023】
この状態で、洗髪時にブラシの柄(13)を手にしてブラシ部本体(14)上の洗浄突起部(2)の突起部頂点(3)を頭皮に押し付けたり、また、軽く叩いたりして実施例1よりも効率良く皮脂を揉み出せて、更に、簡単なブラッシングも行う事ができます。
【0024】
また、防水化したブラシ部本体(14)の内部に携帯電話のバイブレーターの様に中心軸より外れたアンバランスな重りを軸に設けたモーターか、又は、簡単なギァとクランクやカムを組み合せたモーターを内蔵し、乾電池等の電力を用いてモーターを回転させて小刻みな振動や上下移動を洗浄突起部(2)に伝えて、ブラシの柄(13)を手にして洗浄突起部(2)を頭皮に押し付けているだけで皮脂の揉み出し洗浄を行う事ができます。
【実施例3】
【0025】
本例は本願の請求項3の一例で、複数の洗浄突起部(2)の幅を一辺とする面を内側に向けて円形状に配置し、更に、突起部頂点(3)を内側に若干傾けて円形洗浄部とし、図7の洗髪具タイプの皮脂洗浄具の底面図の様に円形洗浄部とした配置パターンを洗髪具低面(17)の大きさに合わせて効率良く多数分布させて表面全体的に設置します。
【0026】
尚、図6は洗髪具タイプの皮脂洗浄具の平面図で、図7は図6の底部から見た底面図、図8の洗髪具タイプの皮脂洗浄具の断面図は、図7の線分ABの断面を表したものです。
【0027】
洗髪具タイプの皮脂洗浄具の保持部(15)に中指を挿入して、図9の洗髪具タイプの皮脂洗浄具の装着例の様に手の平で洗髪具平面(16)を覆う様にして本体を装着し、従来の洗髪具タイプの洗浄具の様に洗髪時に使用して、指の先で軽くマッサージしながら手の平を頭皮に押し付ける様にして効率良く皮脂の揉み出し洗浄をする事ができます。
【0028】
その為、洗髪具平面(16)の大きさは、図9の様に手に装着した時に手の平に自然に収まって洗髪具低面(17)から見た時に指の先が少し出る位の大きさが理想的です。更に、洗髪具平面(16)に柔軟な素材を用いると丸い頭部の形状に合わせて洗髪具低面(17)の中央部が窪み、より多くの突起部頂点(3)が頭皮に接触し易くなります。
【0029】
また、洗髪具低面(17)の洗浄突起部(2)の配置パターンを実施例2の様に直線的な配置パターンとすると指先マッサージや簡単なブラッシングも行えますし、他の例として洗髪具平面(16)をやや大きくして保持部(15)に代わって吸盤等を用いて浴室の壁や浴槽の縁などに固定すると、指の不自由な人や五十肩等で腕が頭上まで上がらない人でも固定した洗髪具低面(17)に頭部を押し付けて皮脂の揉み出し洗浄を行えます。
【0030】
更に他の例として、図10の洗髪具タイプの他の活用例の正面図や図11の洗髪具タイプの他の活用例の側面図の様に、洗髪具タイプの柄(20)の様な柄を設けて実施例2と同様に洗髪具タイプの柄(20)を持って軽く叩く皮脂の揉み出し洗浄や、又は、防水化して洗髪具タイプ本体(19)にモーター等を内蔵した電動化とする事も可能です。
【実施例4】
【0031】
本例は本願の請求項4の一例で、図12のスティックタイプ皮脂洗浄具の正面図の様に複数の洗浄突起部(2)の幅を一辺とする面を内側にして、実施例3の様に円形状に配置した円形洗浄部を印鑑の様なスティック状本体(21)一端のスティック状洗浄具低面(22)に設置します。尚、図13のスティックタイプ皮脂洗浄具の底面図のスティック状洗浄具低面(22)は、図12のスティック状の皮脂洗浄具の底部から見た低面図です。
【0032】
この形状ですと顳莵や額等の生え際部分の細かい所の洗浄を集中的に行う事ができ、携帯し易く洗面所等の洗顔時に手軽に使用できる他、例えば女性化粧品の化粧筆の柄の上部設置の様に他の用品に手軽に組み合わせる事ができ、更に携帯し易くする事ができます。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上の様に実施例2から実施例4の本発明の皮脂洗浄具の様に、洗浄具の形状が変わっても其々の形状に合った配置が可能で、用途に合った洗浄具を選択する事ができます。その為、これからの高齢化社会で一人暮らしも多くなり、若い頃に比べて思い通りの手の動きのでき難い高齢者でも用途に合った洗浄具を選択して手軽に使用する事ができます。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】基本洗浄部の斜視図
【図2】洗浄部の表皮接触断面図
【図3】洗浄部の皮脂洗浄断面図
【図4】他の基本洗浄部の断面図
【図5】ブラシタイプの皮脂洗浄具の斜視図
【図6】洗髪具タイプの皮脂洗浄具の平面図
【図7】洗髪具タイプの皮脂洗浄具の底面図
【図8】洗髪具タイプの皮脂洗浄具の断面図
【図9】洗髪具タイプの皮脂洗浄具の装着例
【図10】洗髪具タイプの他の活用例の正面図
【図11】洗髪具タイプの他の活用例の側面図
【図12】スティックタイプ皮脂洗浄具の正面図
【図13】スティックタイプ皮脂洗浄具の底面図
【図14】従来型指先の揉み出し洗い例
【符号の説明】
【0035】
1 洗浄具本体
2 洗浄突起部
3 突起部頂点
4 突起部内面
5 表皮
6 圧迫表皮
7 皮脂腺
8 毛穴
9 抽出皮脂
10 毛髪
11 毛乳頭
12 毛母細胞
13 ブラシの柄
14 ブラシ部本体
15 保持部
16 洗髪具平面
17 洗髪具低面
18 洗髪具断面
19 洗髪具タイプ本体
20 洗髪具タイプの柄
21 スティック状本体
22 スティック状洗浄具低面
23 頭部
24 指先
25 手
26 洗浄突起部
27 圧迫表皮

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟な素材で頂点部を若干内側に傾けた任意の形状の洗浄突起部を洗浄具本体に任意の形状で配置し、頭部等の表皮に洗浄突起部の頂点部を押し付けた時、内側に傾いていた洗浄突起部が表皮等によって更に内側に折れ曲がり、同時に内側の表皮を中央部に押し集めて洗浄突起部の頂点部で表皮を摘む様に挟み込むことを特徴とした皮脂洗浄具。
【請求項2】
洗浄具本体のブラシ部に、頂点部を丸めた若干幅の有る柔軟な楔状の洗浄突起部の幅を一辺とした一面を向かい合わせて頂点部を若干内側に傾けて、髪を梳かす時に抵抗が少ない様にブラシの中心軸に対して洗浄突起部の幅の一辺が直角になる様に複数配置して、更に、縦に多数櫛状に設置したことを特徴とした請求項1記載の皮脂洗浄具。
【請求項3】
洗浄具本体のブラシ部に、洗浄突起部複数を其々若干内側に傾けて、複数の洗浄突起部を任意の形状で配置したパターンを多数ブラシ部の表面に設置したことを特徴とした請求項1記載の皮脂洗浄具。
【請求項4】
スティック状の洗浄具本体の一端に、任意の形状の洗浄突起部複数を其々若干内側に傾けた洗浄突起部複数を円形状に設置したことを特徴とした請求項1記載の皮脂洗浄具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−22552(P2009−22552A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189288(P2007−189288)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(593082841)
【Fターム(参考)】