説明

皮膚抵抗値と連動する音声再生装置および音声再生プログラム

【課題】学習効率の高い音声再生システムを提供する。
【解決手段】入出力制御部4を介して、利用者の脳波を脳波測定器3で測定し、脳波測定値格納部5に格納する。窓関数処理部7は前記格納部の配列データから数値を切り出し、前記数値の範囲に基づきメイン制御部6は再生速度を変更する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
この発明は、学習システムに応用可能な音声再生プログラムおよび音声再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年技術の陳腐化が以前より速くなり、社員の再教育や受験準備のための学習システムが一般的になってきている。従来の学習システムは、利用者の身体的な状態をまったく反映しないか、あるいは利用者の皮膚電気抵抗を測定し、それに応じて再生、停止を制御するものだった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の音声再生装置および音声再生プログラムの一部は皮膚電気抵抗を測定し、再生停止の制御を行っていたが、それらはフィードバックとしては不十分であり、特に学習効率を高める効果がなかった。皮膚電気抵抗は筋肉の弛緩の度合い、リラックスの度合いを大まかに反映するもので、リラックスして学習に適した状態なのか、ただ注意散漫な状態なのか判別できない問題点、また皮膚電子抵抗などの測定値は急激に変化するため利用が難しいという問題点があった。この発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、利用者の脳波を測定することで、利用者の集中している度合い、また学習の適した状態なのかを正確に調べ学習内容、学習の方法に反映し、学習効率を高めることである。たとえば、利用者が講義の音声などを聞いている際に、利用者が集中している時には学習速度を速めることが出来る。また、窓関数を利用することで、皮膚電気抵抗や脳波の急激な変化が、再生速度の変更など再生の制御に反映されないようにした。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のある態様は、脳波の計測器を備えた音声再生装置10である。この音声再生装置は利用者の脳波を測定し、その値の範囲によって利用者が学習に適しているかどうかを判断し、音声を再生する速度を変更する。
【発明の効果】
【0005】
再生速度を脳波測定値と連動させることで、常に学習に適した状態で学習できる。学習速度の短縮も期待される。学生だけでなく社会人の研修などにも利用できる。社員教育のコストを下げることが出来るので、たとえば資金に余裕がない企業などでも高度な社員教育が可能になり、産業全体を活性化することが出来る。家庭用パソコンの場合は、脳波の計測器を接続するだけで実施できるので、低コストで学習効率を改善できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係る、音声再生装置10の機能ブロック図である。1表示部は現在再生している曲名、脳波の状態などを表示する。2音声再生部は8音声DBに格納された音声を再生する。3脳波測定器は、1秒間に20回など定められた時間間隔で脳波を測定し、それに対してA/D変換を行い数値としてデータを提供する。4入出力制御部は、利用者のボタン操作などを管理する。5脳波測定値格納部は3によって測定されたデータを格納する。6はメイン制御部であり、各制御部の同期、調整を行う。7窓関数処理部は5に格納されたデータに窓関数処理を行い、急激な変化をなだらかにする。8音声DBは音声を圧縮、あるいはそのままデータ形式で格納する。
【0007】
次にデータ構造について説明する。図3は脳波測定値格納部のデータ構造を示す図である。100測定範囲は脳波の測定範囲であり、アルファ、セータなど測定した範囲を示す。101測定値は脳波測定値にA/D変換を行った結果の整数を示す。102は計測を行った日時を示す。
【0008】
次に処理の流れについて説明する。図2は図1音声再生装置10の速度変更処理を示すフローチャートである。5脳波測定値格納部は測定された脳波測定値をデータ領域に保存する(S10)。7窓関数処理部はデータ領域から窓関数処理によって値を切り出す(S11)。6メイン制御部は前記値がN以上の場合(S12のN)再生速度を2倍にする(S15)。利用者が再生の停止を指示した場合、(S14のY)処理は終了する。
【0009】
本発明における音声再生装置10においては指導者がいない環境でも、利用者の状態を調べそれを学習内容に反映させることが出来る。今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。脳波を複数の箇所で計測するものなど、いろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】音声再生装置の機能ブロック図である
【図2】再生速度の変更をしながら再生を行う過程を示すフローチャートである
【図3】図1の脳波測定値格納部のデータ構造を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の間隔で測定された脳波測定値の配列を窓関数で切り出した値に応じて音声の再生、停止、再生速度の変更、再生する音声の変更および/又は音質を変化させる音声再生プログラム。
【請求項2】
前記脳波測定値の代わりに皮膚電気抵抗測定値を使用することを特徴とする請求項1記載の音声再生プログラム。
【請求項3】
一定の間隔で脳波の測定を行う脳波測定器を備えた音声再生装置において、前記測定値の配列を窓関数で切り出した値に応じて音声の再生、停止、再生速度の変更、再生する音声の変更および/又は音質を変化させる音声再生装置。
【請求項4】
前記脳波測定器の代わりに皮膚電気抵抗測定器を使用することを特徴とする請求項3記載の音声再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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