説明

皮膚添着用癒し具

【課題】人体の部位を癒すには、浸透性の金属材を皮膚に当接させる方法放射線療法、磁気的療法、電気的療法などがあるが、安全性が憂慮されたり、療法効果は低くて遅い。
【解決手段】 下面が開放する中空枠体2の内面に金、銀、銅、亜鉛、鉄、マグネシウム、ゲルマニウムを主要組成物とする癒し用金属層3を設けた反射枠体1を片面に貼着してなる粘着シート11をベースシート12の片面に貼設し、前記ベースシート12に開設した通孔13に上記反射枠体1を位置させるとともに、前記反射枠体1の開放部分1’を前記通孔13からベースシート12の他面に臨ませてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として人体の癒し効果をもたらせるために、金、銀、銅、亜鉛等を主要組成物とする癒し用金属層を下面が開放する中空枠体の内面に設け、これを人体皮膚の所望部位にあてがって用いるようにした新規な皮膚添着用癒し具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、人体の一部を外的に癒す方法としては、浸透性の金属材を皮膚に当接させる方法があるが、それ以外にも放射線療法、磁気的療法、電気的療法などがある。
上記した各療法のうち、放射線療法は、例えばある種の病原細胞等の消失や縮小に効果を有するが、一般にある種の病原細胞以外の正常な細胞にも多少に拘らず影響のないものはなく、その安全性が憂慮されるものであり、特殊な療法以外には利用されるものではない。また、磁気的療法は、血行を良好にする効果を有するが、一般にその療法効果は低く、且つ遅いものとして知られている。
【0003】
そして、電気的療法は、人体自体が電気の極超微小粒の凝集体であることからも効果的な方法と考えられている。即ち、人体の各部は、一定の電位を有するものであり、肩痛、腰痛、筋肉痛等の患部においては異常電位が生じ、内臓疾患における痛感も皮膚表面に異常電位が表出するので、この異常電位を調整することによりその疾患を治癒することができることが知られている。
このような電気的療法の実態は、リード線を連結した複数の電極を皮膚にあてがって、各リード線を電源に接続することにより、皮膚表面或いは筋肉中に微弱電流を流すようにしたものが一般的である。
【0004】
しかしながら、上記したような従来の電気的な治療具は、その構成上、電源とリード線と当接電極とを必須構成とするものであり、例えば電源として電池を使用して構成したとしても、携帯するには極めて不便なものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、癒し効果が高く、安全で且つ安全に携帯することができる構造を有する癒し具が嘱望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記に鑑み、鋭意検討の結果、癒し効果が著しく高く、しかも簡単に使用することができる皮膚添着用癒し具を提案するものであり、特に、下面が開放する中空枠体の内面に金、銀、銅、亜鉛、鉄、マグネシウム、ゲルマニウムを主要組成物とする癒し用金属層を設けた反射枠体を片面に貼着してなる粘着シートをベースシートの片面に貼設し、前記ベースシートに開設した通孔に上記反射枠体を位置させるとともに、前記反射枠体の開放部分を前記通孔からベースシートの他面に臨ませてなることを特徴とする皮膚添着用癒し具を提供するものである。
【0007】
上記した本発明の反射枠体を構成する中空枠体は、例えば、アルミニウム、銅、真鍮のような金属からなるものが好ましく、また、その形状も下面が開放する中空状であれば、略半球状でも、楕円球状でも、多角形状でもよく、特に形状を限定するものではない。
【0008】
上記した中空枠体の内面に設ける癒し用の金属層は、金属の微粉末によって構成するものであり、金属成分としては、金、銀、銅、亜鉛、鉄、マグネシウム、ゲルマニウムなどの混合物を主要組成物とするもので、また前記主要組成物以外に他の金属成分を含有していてもよい。そして、前記主要組成物の金属微粉末の混合率は特に限定されるものではなく、少なくとも前記7種類の金属微粉末が適当な配合率で混合されていればよい。
【発明の効果】
【0009】
前記皮膚添着用癒し具を人体の各部位や、経穴経路の所望部分にあてがって保持させると、人体から発散する生体エネルギーが反射枠体の癒し用の金属層により反射し、そのまま人体内に戻るので、きわめて有効に癒し効果を得ることができる。したがって、過労している場合、その他の症状が発生している場合に使用すると効果的である。
また、本発明の癒し具は、携帯にきわめて便利な構造であり、且つ保存中に起電力を生じることがないため、非常時などの使用に際して極めて実用的価値が高いものである。
さらに、本発明の癒し具を製造する場合に、特殊な原材料や部材を必要とするものでないので、安価に且つ容易に作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の癒し具の主要な構成部分である中空枠体は、例えば、下面が開放する直径が1mm程度のアルミニウム製の略半球状であって、その枠体の内面に上記したような癒し用の金属層を存在させてなる反射枠体を皮膚に添着すると、皮膚の表面の汗が毛細管現象により吸着するので、皮膚との当接部には金、銀、銅、亜鉛等の金属成分と汗水とが混合して存在することになる。
【0011】
したがって、皮膚との当接部においては、金属層をリード線と想定し、且つ汗水を電解液と想定することができるので、銅−亜鉛系の電池が形成されることになり、皮膚の表面の汗水により起電力が生じると認められる。また、特にこの場合、アルミニウム製の金属中空枠体であるため、銅−アルミニウム系の電池も形成されることになり、このようにして生じた起電力により、肩痛、腰痛、筋肉痛等の患部における異常電位を調整し、癒しの感触を与えることができる。しかも、人体の皮膚の一部に当接すると、人体の内部から発散する生体エネルギーが反射枠体の金属層により反射して人体内にそのまま戻るので、戻るエネルギーによってきわめて有効に癒し効果を得ることもできる。
【0012】
上記した反射枠体は、極めて容易に製造することができるものであり、例えばアルミニウム箔の片面に、金、銀、銅、亜鉛、鉄、マグネシウム、ゲルマニウムなどの金属を主要組成物とする微粉末を分散してなる水性接着剤層を塗布して乾燥させ、薄膜な金属層とした後に打ち抜き加工することにより中空枠体を成形することができる。
【0013】
前記した水性接着剤は、金、銀、銅、鉄、マグネシウム、ゲルマニウムなどの金属層を保持するとともに、乾燥しても皮膚の表面の汗水を吸着し易いという特性を有するものであり、凝集力が高く、且つ親水性の高い樹脂をバインダーであればどのような種類のものでも使用することができ、また水溶性の電解質を分散できるような特性を有すればよい。
【0014】
具体的には、上記した水性接着剤の水溶液に微細な粉末状の金−銀−銅−亜鉛合金を分散し、この水溶性接着剤を、層厚が50〜80μm程度になるようにアルミニウム箔に塗布して乾燥させる。この場合、塗布方法及び乾燥方法は特に限定するものでなく、ハケ塗りと自然乾燥とを繰り返してもよいし、ロールコーター塗工とオーブン乾燥と連続して行うようにしてもよい。
【0015】
次に、このアルミニウム箔を、水性接着剤層の塗布面側から所定の径、例えば直径が0.5〜2mm程度の略半球状、その他の形状になるように打ち抜き加工すればよい。この時、凹部の深さは0.1〜1.5mm程度にする。
【0016】
尚、上記した製造方法においては、水性接着剤層の強度及び可撓性が十分でない場合は、金属層が打ち抜き加工により破壊したりアルミニウム箔から剥離したりするので、水性接着剤中に酸化チタン顔料等の充填剤を添加することにより、水性接着剤層の強度や可撓性、及び金属層との一体化の向上を図ることが望ましい。
【0017】
以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説明する。
本発明で使用する反射枠体1は、図1に示すように、アルミニウム箔で形成した略半球状の中空枠体2の内面側に、金、銀、銅、鉄、マグネシウム、ゲルマニウムなどの微粉末を主要組成物とし、その微粉末を水性接着剤に混合して塗布、乾燥させた癒し用金属層3を設けてなるものである。
【0018】
そして、本発明の皮膚添着用癒し具100は、前記反射枠体1を粘着シート11に貼着し、前記粘着シート11をベースシート12の片面に貼設するとともに、前記ベースシート12に開設した通孔13に前記反射枠体1の開口部分1’を位置させ、開放部分1’をベースシート12の通孔13から他面に臨ませて構成するようにしたもので、前記ベースシート12の他面には保護シート14を設けてある。
前記した略半球状の中空枠体2の直径は0.5〜2mm程度、深さが0.1〜1.5mm程度である。
【0019】
この反射枠体1の製造方法の一例としては、以下の通りである。
まず、厚さ100μmのアルミニウム箔に、下記の組成の金属層3を、塗布厚が50μmになるようにハケ塗りし、常温で7日間乾燥する。
【0020】
金属層の組成
水性接着剤(コニシ(株)酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤) 40.0g
金属微粉末(Au 1wt%、Ag 2wt%、Cu 22wt%、Zn 32wt%、Fe 5wt%、Mg 35wt% 、
Ge 3wt%の混合物で粒径10〜50μm) 34.7g
酸化珪素(充填剤) 24.7g
酸化チタン顔料 40.6g
上記の組成物によって成形された金属層3をアルミニウム箔の片面にハケ塗りし、乾燥硬化させて前記アルミニウム箔を打ち抜き加工し、直径が1mm、深さが0.6mmの半球状の反射枠体1を成形した。
【0021】
そして、図2に示すように、前記反射枠体1を貼着した粘着シート11をベースシート12に貼設し、上記ベースシート12に開設した通孔13内に反射枠体1を収納し、シート6の下面に保護シート14を設けたものである。
【0022】
上記した粘着シート11には数個乃至数10個の反射枠体1を貼着するとともに、前記ベースシート12には反射枠体1に対応する数と位置に通孔13を開設し、各通孔13と各反射枠体1との位置が一致するようにして、粘着シート11をベースシート12に貼設して保護シート14を貼着する。
【0023】
この様に構成してなる癒し具100を使用するには、粘着シート11を反射枠体1とともにベースシート12から剥離し、粘着シート11を反射枠体1ごとに切断し、反射枠体1の開放部分1’が皮膚に接触するようにして粘着シート11を人体の部位に貼着すればよい。したがって、皮膚の患部に反射枠体1が当接するので、患部を金属層3により癒すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
したがって本発明によれば、人体の部位にあてがうことにより、その部位を癒すことができるので、人体の過労している部位、その他の症状が発生している部位に使用すると、顕著な癒し効果を有するのである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の反射枠体の拡大した断面図である。
【図2】本発明の癒し片の拡大した縦断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 反射枠体
2 中空枠体
3 癒し用金属層
11 粘着シート
12 ベースシート
13 通孔
14 保護シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面が開放する中空枠体の内面に金、銀、銅、亜鉛、鉄、マグネシウム、ゲルマニウムを主要組成物とする癒し用金属層を設けた反射枠体を片面に貼着してなる粘着シートをベースシートの片面に貼設し、前記ベースシートに開設した通孔に上記反射枠体を位置させるとともに、前記反射枠体の開放部分を前記通孔からベースシートの他面に臨ませてなることを特徴とする皮膚添着用癒し具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−81773(P2006−81773A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−270609(P2004−270609)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(504354553)
【出願人】(504352917)
【Fターム(参考)】