説明

皮膚疾患の治療のための組成物

様々な皮膚疾患の治療のための組成物であって、ここで、該組成物は、粉砕された軟体動物殻からなり直径が少なくとも1つの大きさである充填固体を含有するカラムを、少なくとも1回通過した溶液を含む。この溶液は、次いで、薬学的に許容される担体と混合される。この組成物は、清浄化剤として有効な用途を有し、皮膚病および体の他の病気の治療に有益であることもわかっている。さらに、殻は、粉砕して医療に有用な軟膏の製造に有効成分として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に、薬学的に許容される担体と混合された活性溶液を含む局所適用組成物に関し、該溶液は、粉砕された軟体動物殻粒子を収容したフィルタ/抽出カラムを通して繰り返し液体をろ過することによって製造される。この組成物は、様々な皮膚疾患の治療に使用され得る。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本発明は、カナダ特許出願第2,566,562号に改良を加えたものであり、該出願では皮膚病の治療に使用するための溶液の調製方法が開示されている。新たな組成物を製造するための上記の溶液の使用を概説したさらなる成果が明らかにされている。溶液そのものおよびその製造方法を容易に理解することができるように、読者にカナダ特許出願第2,556,562号の参照を請う。
【0003】
軟体動物由来の殻は、世界中の漁場から産業廃棄物として発生している。この殻廃棄物は、慣例的に海中に投下されている。しかし、殻は、カルシウム源として、また抗菌剤を得るために、さらに水の浄化のために有効利用されてきた。ホタテ貝、カキ、ハマグリその他の軟体動物の殻から得られる粉末や、このような粉末を含む溶液が、抗菌特性および抗ウイルス特性、ならびに浄水剤としての用途を有することが示されてきた。また、上記の粉末が、殺菌のための消臭剤として、防腐剤として、ならびに選択された医薬用途に適用された場合に、有用な特性を示したこともわかっている。
【0004】
軟体動物殻粉末および抽出物の薬理作用は、充分に証明され、試験されている。例えば、欧州特許出願第1676583号は、ホタテ貝殻材料を利用して調製され、歯周病を誘発する細菌に対して抗菌活性を有する歯周病のための治療薬を記載している。特に、殻は、高温での焼成によって当初の殻の炭酸カルシウムを酸化カルシウムに変換するために、粉砕された後に焼成に供される。次いで、新たに形成された酸化カルシウム粉末と当初の炭酸カルシウム粉末とで水溶液が形成される。
【0005】
米国特許出願第2004/0028748号は、結晶構造を有する殻をすり潰し、その生成物の水分散液を形成することによって形成される生成物から得られる皮膚糸状菌症の治療薬を記載している。特に、すり潰された殻は、粒子を1000℃超で加熱することによって焼成され、水溶液は、最初にすり潰された殻と焼成された殻の両方を使用して得られる。
【0006】
特願2004/256785号は、アトピー性皮膚炎および乾癬と関連する痒みを緩和する補助的治療効果を有する石鹸を記載している。この石鹸の主要な有効成分は、ホタテ貝殻、カキの殻、ハマグリの殻等の高温焼成によって調製される微粉である。
【0007】
米国特許第6,627,229号は、二枚貝、甲殻類の殻、骨、サンゴおよび真珠などの動物由来のカルシウム含有物質の粉砕された粉末に700〜1200℃での熱処理を適用することによって製造される抗ウイルス薬を記載している。
【0008】
Sasakiらによる米国特許第6,365,193号および米国特許第6,488,978号は、燃焼した殻を抗菌剤および浄水剤として使用できることを開示している。Sasakiらは、不活性ガス雰囲気下で殻を加熱し、殻を燃焼させることを開示している
。特に、抗菌剤は、不活性ガス雰囲気下でホッキ貝の殻由来の粉末を燃焼させて得られる。この粉末は、容易に水に溶解し得、抗菌溶液として使用される。
【0009】
上記のような殻の使用は、殻の特性が利用され得る広範囲な適用を示している。毎年生産される大量の殻廃棄物を管理し削減するために、殻材料の新たな使用を指向したさらなる開発が望まれ、必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の用途のほとんどは、軟体動物の殻から得られる殻の粉砕物または粉末の使用を必要とし、すべての場合に、殻粒子への焼成を行うために高温下での熱処理が採用される。これらの手順のいずれもが、殻粒子の固有の薬理作用を明らかにするために実際には焼成工程が必要ではない可能性がある場合に、このような高温を達成するための高価な設備や複雑な設定手順を必要とする。
【0011】
さらに、皮膚疾患のために医師が処方および/または推奨する治療薬の大部分が、きつい化学薬品、例えば低級一価アルコール、すなわちエタノールおよびイソプロパノールを含有する。しかし、これらのアルコールの治療薬中の含有量が多いために、該治療薬が適用された皮膚の乾燥および炎症が引き起こされることがよくある。本発明ではこれらの添加済および他の添加剤を使用しないため、これらの化学薬品に関連する副作用が最小限に抑えられる。
【0012】
発明の概要
本発明は、軟体動物の殻由来の抽出物からなり、主にカルシウムを含有し、人体に安全で環境に優しい組成物を提供することを目的とする。さらに、この組成物は、殻の抗菌特性、抗ウイルス特性および補助的な治癒特性を受け継ぎ、これまでに示されてきたように、皮膚病の治療に有効に利用され得る。さらに、組成物が、皮膚の重大な乾燥または炎症を引き起こさないことが望まれる。
【0013】
さらに、本発明の組成物およびその製造方法は簡単であり、そのため、経済的に有利である。従って、本発明の組成物は、手ごろな価格で一般公衆に入手可能である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の1つの態様によれば、薬学的に許容される担体と混合された活性溶液を含む局所適用組成物であって、該溶液が、粉砕された軟体動物殻粒子を収容したフィルタ/抽出カラムを通して繰り返し液体をろ過することによって製造される、組成物が提供される。
【0015】
本発明の別の態様によれば、薬学的に許容される担体と混合された、粉砕された軟体動物殻微粒子を含む、局所適用組成物が提供される。
【0016】
本発明のさらなる態様によれば、粉砕された軟体動物殻微粒子を溶液に溶解させることを含む、局所適用組成物が提供される。
【0017】
本発明の上記および他の特徴は、添付の図面からさらに明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】注入口、排出口および筐体部材を含む抽出カラムの断面図である。
【図2a】抽出カラムの上半分の分解断面図であり、空のカラム設定を描いたものである。
【図2b】抽出カラムの上半分の分解断面図であり、充填部材で満たされたカラムを描いたものである。
【図3】抽出カラムの下半分の分解断面図であり、空のカラム設定を描いたものである。
【図4】2つの直列に配置された抽出カラムを含む装置の断面図を描いたものである。
【図5】活性溶液の測定濁度を曝露時間とともに示す図である。
【図6】活性溶液中で測定されたカルシウム量の増加を曝露時間とともに示す図である。
【図7】活性溶液のpHに生じた変化を曝露時間とともに示し、溶媒に対する割合が異なる殻粒子のpHに対する効果の比較も行う図である。
【図8】活性溶液の導電率に生じた変化を曝露時間とともに示し、溶媒に対する割合が異なる殻粒子の導電率に対する効果の比較も行う図である。
【図9】活性溶液中で回収されたカルシウムの量に生じた変化を曝露時間とともに示し、溶媒に対する割合が異なる殻粒子のカルシウムに対する効果の比較も行う図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の1つの実施形態の1つの構成要素は、薬学的に許容される担体と混合された活性溶液である。活性溶液の製造方法は、本出願の優先権書類であるカナダ特許出願第2,556,562号に開示されたものと類似しており、本明細書では図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、注入口(11)、排出口(13)、2つのスクリーン(14)および筐体部材(12)を含むフィルタ/抽出カラム(10)を描いたものである。筐体部材(12)は、粉砕された軟体動物殻で満たされ得る通路(12a)を画定する。
【0021】
図2aは、フィルタ/抽出カラム(10)の上半分の分解図を描いたものであり、該フィルタ/抽出カラム(10)は、上部カップリング(16)、ねじ込み式ストッパ(15)および該ストッパ(15)に配置された排出口(13)を含む。粉砕された軟体動物殻をフィルタ/抽出カラム(10)に収容するために、筐体部材(12)の上にスクリーン(14)を配置してもよい。上部カップリング(16)には、スクリーン(14)を筐体部材に取り付けることができるように、カップリング内側リップ(17)が装着されている。カラムの漏出を防ぐために、ケイ素などの交換可能なシール(18)を使用することができる。
【0022】
図2bは、抽出カラムの下半分の分解図を描いたものであり、該抽出カラムは、下部カップリング(16)、ストッパ(15)および該ストッパ(15)に配置された注入口(11)を含む。下部カップリングには、粉砕された軟体動物殻をフィルタ/抽出カラムに収容するためにスクリーン(14)を筐体部材(12)に取り付けることができるように、カップリング内側リップ(17)を装着することができる。注入口(11)は、プラスチック弁や、カラムに溶媒を供給するために使用されるポンプに接続するように設計されている。カラムの漏出を避けるために、交換可能なケイ素シール(18)を使用することができる。
【0023】
図3は、注入口(11)、排出口(13)、上下の全く同じスクリーン(14)および筐体部材(12)を含むフィルタ/抽出カラム(10)を描いたものである。筐体部材(12)は粉砕された軟体動物殻粒子を収容し、この粒子の大きさは等しくても異なっていてもよい。図3に示す1つの実施形態においては、筐体部材は、その底部に直径0.5〜1mmの粉砕された殻粒子(20)を収容し、その上部に直径3〜4mmの粉砕された殻粒子(21)を収容している。しかし、粉砕された軟体動物殻は、1つもしくは複数の区域においてフィルタ/抽出の必要性に応じて通路に沿って均一に分布した大体等しい大き
さの粒子を有し得る。1つの区域は、ほぼ同じ直径の粉砕された殻粒子を含むものと定義される。粉砕された殻粒子のカラムへの充填は、望ましい勾配に従った規則的な分布または不規則な分布に従い得る。
【0024】
図4は、本発明による装置(1)の断面図を描いたものであり、少なくとも2つの直列に配置されたフィルタ/抽出カラム(2、3)を含む。この2カラム装置(1)において、フィルタ/抽出カラムは、第1カラム(2)の排出口(13)が接続チューブ(23)によって第2カラム(3)の注入口(11)に接続されるように、線形に配置されている。第1カラム(2)の筐体部材(12)は、その底部に直径0.5〜1mmの粉砕された殻粒子(20)を収容し得、その後に直径3〜4mmの粉砕された殻粒子(21)を収容し得る。第2カラム(3)の筐体部材(12)は、酸化鉄またはヘマタイトでコーティングされた粉砕された殻粒子(24)を収容してもよい。粉砕された殻粒子を酸化鉄またはヘマタイトでコーティングすることは、装置(1)を通過する溶液中の金属含有量を低下させることによって、フィルタ/抽出カラムの浄化特性を実質的に改善し得ると考えられている。フィルタ/抽出カラム装置(1)を通過した水の分析によって、活性溶液中のアルミニウムおよび砒素の含有量がほぼゼロであることが示された。
【0025】
活性溶液を製造するための本発明の方法の実施において、殻は漁船を降りてすぐに回収され、製造工場への輸送のための運搬箱に入れられる。殻は次いで電気ドリルおよびワイヤブラシで清浄化され、高圧下で充分に水洗され、確実に有効に清浄化される。清浄化工程および洗浄工程に次いで、殻を周囲温度まで冷却するのに必要な長さの時間にわたって殻を金網台上に静置する冷却工程を設けてもよい。次の工程で、殻は次いで当業者に既知の何らかの手段、例えば煮沸または焼成によって、殻が約100℃〜約300℃の温度に到達するように熱処理に供される。熱処理の主な目的は、軟体動物の何らかの組織が残留していればそれを除去すること、殻に内在する細孔を強制的に開くこと、および保護層を取り除いて殻の内層をさらに曝露することである。この熱処理は、有効成分の大部分を含有する内層を、上記の設備で使用された際に浸出しやすくするものである。
【0026】
この時点で、殻全体が当業者に既知の何らかの手段で粉砕される。次いで、得られた粒子は、篩、フィルタ等を使用して大きさによって分類され、仕分けされる。好ましくは直径が約1〜6mmの大きさのホタテ貝殻粒子が選択され、より好ましくは直径が約2〜5mmの大きさであり、最も好ましくは直径が約3〜4mmの大きさである。大きさが約10μm〜約25mmの範囲の粒子を使用することができるが、これらの粒子は依然として本発明の範囲内に含まれている。次いで、これらの粒子はフィルタ/抽出カラムに導入される。また、直径がほぼ同じ粒子または様々に異なる直径を有する粒子の混合物を、本発明によるフィルタ/抽出カラムに使用することができる。
【0027】
活性溶液の有効性、ひいては組成物そのものの有効性は、使用される溶媒のpHや、抽出カラムの充填部材を形成する粉砕された殻の粒径などのいくつかの要素によって決まる。好ましくは、溶媒は水である。より好ましくは、溶媒は蒸留水または逆浸透浄水である。フィルタ/抽出カラム(10)に水を通過させることによって、特に活性溶液の濁度、pH、カルシウム含有量、導電率および浮遊固形分を制御することができる。通過の回数、水の流量およびカラム中の殻に対する水の割合は、活性溶液の特性、ひいては組成物そのものの特性を決定する。粉砕された殻の粒径は、組成物の有効性に相対的に反比例することが示されている。例えば、許容される担体と組み合わされた際に局所用組成物として有効な活性溶液を製造するために、粉砕された殻の粒径は1〜6mmであることが好ましく、より好ましくは2〜5mmであり、最も好ましくは3〜4mmである。
【0028】
図5は、以下に詳述する実施例1で測定された濁度対曝露時間を示す。活性溶液の測定濁度は、フィルタ/抽出カラムの曝露時間に従って低下することがわかるであろう。濁度
は、溶媒が抽出カラムを通過した後ごとに測定された。12時間の曝露時間の後、活性溶液の測定濁度は約2.2NTUであった。上記の濁度の各測定値は、各通過後の活性溶液中の浮遊固形分量の測定値と相関している。従って、実施例1の表1に示すように、溶媒がフィルタ/抽出カラムを初めて通過した後、浮遊固形分の量は時間の経過とともに6mg/Lから減少し、12時間後に約0mg/Lとなる。
【0029】
図6は、水が抽出カラムを通過した後ごとに測定されたカルシウムの量対曝露時間を示す。最終の活性溶液は、出発溶媒よりも約121倍多いカルシウムを含有している。活性溶液のカルシウム含有量は、14mg/Lを超えることが好ましく、20mg/Lを超えることがより好ましい。活性溶液、ひいては組成物の有効性に影響し得る他の要素は、活性溶液のpHおよび濁度である。活性溶液の有効性を最適化しながら依然として局所適用に耐え得るものとするためには、活性溶液のpHは好ましくは6.0〜10.0、より好ましくは6.5〜9.0、最も好ましくは7.0〜8.0である。濁度は6NTU単位未満でなくてはならない。
【0030】
本発明のある実施形態によると、活性溶液(ここで、活性溶液は、粉砕された軟体動物殻粒子を収容したフィルタ/抽出カラムを通して繰り返し液体をろ過することによって製造される)が、このろ過過程によってそのすべての望まれる特性を獲得した後で薬学的に許容される担体と混合されたときに、組成物が形成される。活性溶液を薬学的に許容される担体と組み合わせるのに使用される具体的な方法やプロセスは限定されず、本発明の範囲内で、あらゆる種類の既知の混合装置を利用するあらゆる種類の混合方法が考えられる。
【0031】
活性溶液を許容される担体と混合する好ましいプロセスは、一般的な台所用の混合装置を利用することを含む。活性溶液はその全部が、プロセスの始めに、許容される担体の総重量の半分に、徐々に量を増加させながら添加される。充分に混合が行われた後に、残りの担体が組成物に添加され、組み込まれる。このプロセスの利点は、組成物中の気泡の発生が大幅に減少し、また、生成物の一定の稠度が保証されやすくなることである。
【0032】
本発明の薬学的に許容される担体は、クリーム、ローション、ゲル、軟膏およびペーストであり得るが、これらに限定されない。好ましくは、担体は、ワセリン、基剤乳化軟膏(base emulsifying ointment)またはユーセリン(登録商標)である。より好ましくは、担体は基剤乳化軟膏またはユーセリン(登録商標)である。本発明の他の実施形態では、担体は、上記の化合物のいかなる組み合わせを含んでもよい。
【0033】
本発明の1つの実施形態によると、許容される担体がユーセリン(登録商標)である場合、活性溶液は、重量で約1:1〜約7:1の割合でユーセリン(登録商標)と混合される。好ましくは、ユーセリン(登録商標)に対する活性溶液の割合は、重量で7:1である。これらの割合の上限は、活性溶液がユーセリン(登録商標)に組み込まれる能力によって決まる。規定した割合の上限、すなわち7:1でユーセリン(登録商標)は飽和し、その後に活性溶液を添加してもそれ以上組み込まれない。従って、活性溶液でのユーセリン(登録商標)の過飽和を可能にする活性溶液対ユーセリン(登録商標)のあらゆる割合が、本発明の範囲内に含まれる。これらの割合は、皮膚に容易に適用できるクリームを生じる。
【0034】
本発明の1つの実施形態によると、許容される担体が基剤乳化軟膏である場合、活性溶液は、重量で約0.5:1〜約7:1の割合で基剤乳化軟膏と混合される。好ましくは、基剤乳化軟膏に対する活性溶液の割合は、重量で5:1である。これらの割合の上限は、活性溶液が基剤乳化軟膏に組み込まれる能力によって決まる。規定した割合の上限、すな
わち7:1で基剤乳化軟膏は飽和し、その後に活性溶液を添加してもそれ以上組み込まれない。従って、活性溶液での基剤乳化軟膏の過飽和を可能にする活性溶液対基剤乳化軟膏のあらゆる割合が、本発明の範囲内に含まれる。これらの割合は、滑らかで皮膚に容易に適用でき、皮膚の毛穴を通って容易に吸収されると思われるクリームを生じる。
【0035】
本発明の別の実施形態によると、粉砕された軟体動物殻微粒子が薬学的に許容される担体に添加された場合に組成物が形成される。本発明において、「粉砕された軟体動物殻微粒子」は、直径が250μm以下の粉砕された軟体動物殻粒子であると定義される。より好ましくは、粉砕された軟体動物殻微粒子は、直径が150μm以下である。薬学的に許容される担体は、先に定義したとおりである。
【0036】
粉砕された軟体動物殻微粒子は、本発明の粉砕された軟体動物殻粒子に従って調製される。すなわち、殻を充分に清浄化した後、当業者に既知の何らかの手段、例えば煮沸または焼成によって、殻が約100℃〜約300℃の範囲の温度に到達するように、殻を熱処理に供する。次いで、殻を当業者に既知の何らかの手段で粉砕する。得られる粒子は、次いで、篩、フィルタ等を使用して大きさによって分類されて仕分けされる。粉砕された軟体動物殻微粒子が確認されるのは、この仕分け工程の間である。これらの粉砕された軟体動物殻微粒子は、次いで、薬学的に許容される担体を含有する組成物に組み込まれる。好ましくは、微粒子は約0.01重量%〜0.5重量%で組成物に組み込まれる。より好ましくは、微粒子は約0.03重量%で組成物に組み込まれる。微粒子の組成物への添加に関する制限は、粒子が微細でありながらも依然として本来的に非常に粗いことである。従って、微粒子が上記の範囲よりも高い重量%で組成物に組み込まれた場合、組成物の使用が制限されることがわかっている。なぜなら、組成物が過度にざらついて破壊的な傾向を持ち、皮膚に適用されると皮膚をひどく乾燥させるからである。
【0037】
本発明の好ましい実施形態によると、本発明の活性溶液が薬学的に許容される担体と混合された場合に組成物が形成され、ここで、粉砕された軟体動物殻微粒子は、続いてこの組成物に添加される。上記のパラメータと同様に、担体がユーセリン(登録商標)である場合、活性溶液の担体に対する割合は重量で約1:1〜約7:1である。好ましくは、活性溶液のユーセリン(登録商標)に対する割合は重量で7:1である。担体が基剤乳化軟膏である場合、活性溶液の担体に対する割合は重量で約0.5:1〜約7:1である。好ましくは、活性溶液の基剤乳化軟膏に対する割合は重量で5:1である。微粒子は、上記のものと同一である。好ましくは、微粒子は約0.01重量%〜0.5重量%で本実施形態の組成物に組み込まれる。より好ましくは、微粒子は約0.03重量%で組成物に組み込まれる。微粒子の組成物への添加に関する制限は、粒子が微細でありながらも依然として本来的に非常に粗いことである。従って、微粒子が上記の範囲よりも高い重量%で組成物に組み込まれた場合、組成物の使用が制限されることがわかっている。なぜなら、組成物が過度にざらついて破壊的な傾向を持ち、皮膚に適用されると皮膚をひどく乾燥させるからである。
【0038】
本発明のさらなる実施形態は、上記の組成物のいずれかの局所適用のための使用である。好ましくは、本発明による組成物のいずれかの使用は、少なくとも1つの皮膚疾患を治療するためのものである。より好ましくは、本発明による組成物の使用は、少なくとも1つの皮膚疾患を治療するためのものであり、少なくとも1つの皮膚疾患は、乾癬、にきび、帯状疱疹、水痘帯状疱疹ウイルスに関連する皮膚病、昆虫咬傷、昆虫刺傷、水疱、乾皮症、熱傷、日焼け、発疹、水虫、湿疹および皮膚炎(接触性皮膚炎およびアトピー性皮膚炎を含む)からなる群から選択される。
【0039】
本発明のさらに別の実施形態によると、粉砕された軟体動物殻微粒子は水溶液に溶解させられる。好ましくは、微粒子は約5重量%〜20重量%で溶液に組み込まれる。水溶液
は、局所適用についても安全であれば、上記の量の粉砕された軟体動物殻微粒子を溶解させることができるいかなる溶液であってもよい。好ましくは、水溶液は水または活性溶液である。本発明の1つの実施形態において、溶解した粉砕された軟体動物殻微粒子を含有するこの溶液は、少なくとも1つの皮膚疾患の治療に使用され得ることが考えられる。好ましくは、少なくとも1つの皮膚疾患は、多汗症および陥凹性角質溶解からなる群から選択される。
【0040】
本発明のさらに別の実施形態によると、活性溶液は、水酸化ナトリウム(NaOH)で処理される。好ましくは、NaOHは約0.1重量%〜4重量%で活性溶液に導入される。好ましくは、活性溶液のカルシウム濃度は約30mg/L〜1000mg/L以下である。NaOHの添加は、溶液に充分に分散した際に溶液のpHの上昇を来たし、結果的にカルシウムの一部の析出を伴う。析出したカルシウムを含むこの活性溶液は、本発明の組成物に従って上記したいずれの活性溶液とも交換可能に使用され得る。
【実施例1】
【0041】
図1に示すように、両端を閉じる2つのカップリング(16)を有する直径6インチ、長さ4フィートのPVC管で、抽出カラム(10)を構成した。上部カップリング(16)は、そこに接続された3/4インチのプラスチック製チューブがねじ込まれた90°の肘部を有していた。上部カップリング(16)およびそこに接続されたプラスチック製チューブは、本発明による排出口(13)を表す。
【0042】
構成された下部カップリング(16)は、カップリングストッパにねじ込まれた直線アダプタを有しており、本発明による注入口(11)を表すプラスチック製チューブに接続されていた。カラム(10)の注入口に12V、360ガロン/時のポンプを接続し、カラム(10)に蒸留水を通すために使用した。カラム(10)の上部と下部とは、下部カップリング(16)がプラスチック弁に接続された3/4のプラスチック製チューブを有する3/4のニップルと12Vのポンプとを有していたことを除いて、同じように設計された。図1に示す2つのスクリーン(14)は、粉砕されたホタテ貝の殻を通路(12a)内に保持するために使用した。
【0043】
粉砕された殻の組成物は、直径0.5および1mmのホタテ貝の殻粒子の混合物からなっていた。小さい方の粒子の質量は約10kgであり、カラム(10)は、上部カップリングのスクリーン(14)から2インチ以内まで満たされた。カラム(10)の残りの部分を、3および4mmの直径が大きい方の粒子で満たした。
【0044】
蒸留水の初回の通過後に、活性溶液は高い浮遊固形分濃度を有していた。浮遊固形分濃度は、曝露時間とともに小さくなることがわかった。表1は、Hach CompanyのDR−2400分光計で測定した溶液中の浮遊固形分濃度を示す。この浮遊固形分の測定方法は、重量分析手順が必要としているようなろ過または点火/計量工程を必要としない簡単で直接的な測定である。米国環境保護庁は固形分の測定のために重量分析法を指定しているが、この方法は、しばしば工場内での過程の確認に使用される。試験結果は810nmで測定される。この方法は、Hach Water Analysis Handbook、方法8006、963ページに記録されている。
【0045】
浮遊固形分濃度を測定する分光法の精度を、Hach Water Analysis
Handbook、方法8271、947ページに記載されている重量分析法と比較した。アルミニウム皿の質量を、Scientech 120分析用天秤で直近の1mgまで測定した。溶液から100mLの試料をインサイチュで採取して、アルミニウム皿に載せた。試料を載せた皿を予熱したオーブンに入れ、約6時間にわたって103〜105℃で蒸発させた。この皿を次いでオーブンから取り出し、デシケータ内で室温で放冷した。
試料を載せた皿を次いでデシケータから取り出し、Scientech 120分析用天秤で直近の0.1mgまで質量測定を行った。これは、試料の初回の質量測定であった。この皿と試料とを再び1時間にわたって予熱したオーブンに入れ、結果の相違が0.4mgを超えなくなるまで質量測定を行った。質量の2回目の測定を上記と同様にして行った。以下の表2は、重量分析法によって測定された溶液中の浮遊固形分濃度を示す。
【0046】
【表1】

【0047】
【数1】

【0048】
式中:
A=試料+トレーの重量(mg)
B=皿の重量(mg)
【0049】
【数2】

【0050】
式中:
Dh=得られたデータ結果の最高の数値
D1=得られたデータ結果の最低の数値
【実施例2】
【0051】
実施例1に上記したように、2つの抽出カラム(10)を構成した(図4参照)。2つのカラム(10)を、第1カラム(10)の排出口を第2カラム(10)の注入口に直接接続して、直列に配置した。第1カラム(10)の注入口に12V、360ガロン/時のポンプを接続し、第1および第2カラム(10)に蒸留水を通すために使用した。
【0052】
第1カラム(10)の充填部材は、小さい方の直径0.5および1mmのホタテ貝の殻粒子の混合物から製造されたものであった。小さい方の粒子の質量は約10kgであった
が、カラムは、上部カップリング(16)のスクリーン(14)より2インチ低いところに満たされなくてはならなかった。カラム(10)の残りの部分を、実施例1に記載のとおり、3および4mmの直径が大きい方の粒子で満たした。
【0053】
第2カラム(10)の充填部材は、酸化鉄またはヘマタイト(Fe)でコーティングされた粉砕されたホタテ貝の殻粒子から製造されたものであった。粉砕された殻粒子の酸化鉄でのコーティングは、当業者に既知のいかなる方法によっても行うことができる。本発明では、ホタテ貝殻のコーティングは、殻を酸化鉄またはヘマタイトに4時間浸漬し、次いで殻と溶液とを200℃で4時間焼成することによって行われる。次いで、殻を蒸留水で洗浄し、200℃のオーブンで3時間乾燥させなくてはならない。
【0054】
アルミニウムおよび砒素の含有量が高い汚染水を、直列に配置された2つの抽出カラムを含む装置を通過させた。得られた活性溶液のアルミニウムおよび砒素含有量が0mg/Lまで減少したことが、実際に見出された。
【実施例3】
【0055】
図1に示すように、両端を閉じる2つのカップリング(16)を有する直径5.08cm、長さ79cmの透明アクリル管で、抽出カラム(10)を構成した。上部カップリング(16)は、そこに接続された3/4インチのプラスチック製チューブがねじ込まれた90°の肘部を有していた。上部カップリング(16)およびそこに接続されたプラスチック製チューブは、本発明による排出口(13)を表す。
【0056】
構成された下部カップリング(16)は、カップリング(16)ストッパにねじ込まれた直線アダプタを有しており、本発明による注入口(11)を表すプラスチック製チューブに接続されていた。カラム(10)の注入口に12V、360ガロン/時のポンプを接続し、カラム(10)に蒸留水または逆浸透生成水を通すために使用した。カラム(10)の上部と下部とは、下部カップリング(16)がプラスチック弁に接続された3/4のプラスチック製チューブを有する3/4のニップルと12Vのポンプとを有していたことを除いて、同じように設計された。図1に示す2つのスクリーン(14)は、粉砕されたホタテ貝の殻を通路(12a)内に保持するために使用した。
【0057】
ホタテ貝殻を、蒸留水で洗浄および清浄化し、次いで、殻の温度が100℃に到達するように乾燥させた。次いで殻を粉砕し、大きさによって仕分けした後に、直径が3および4mmのホタテ貝殻粒子の混合物からなる組成物を使用した。カラム(10)に充填された溶媒の容量および種類は、1Lの水であった。
【0058】
運転条件を最適化するために、粉砕された殻の量に関して2つの異なる条件を試験した。使用された殻の量は、A)約1対0.35(w/w)の水対ホタテ貝殻の割合を与える約0.35lb、またはB)約1対1(w/w)の水対ホタテ貝殻の割合を与える約1lbのいずれかであった。カラムは、上部カップリング(16)のスクリーン(14)から2インチ以内まで満たされた。次いで、水を連続的にカラムに通した。どちらの条件においても、溶媒の流出量は約2.16L/分であった。
【0059】
得られた活性溶液を分析すると、どちらのホタテ貝殻対水の割合を使用するかによって、測定されたパラメータにはいくらかの変動があった。図7からわかるように、溶液のpHは値が非常に近似している。
【0060】
ここで図8を参照すると、マイクロシーメンスで測定された導電率が、上記の両方の条件について示されている。使用した殻の割合が大きかった後者の条件(B)の方が、高い導電率を生じた。両方の条件について観察された時間枠にわたって達成された最大導電率
は、(A)58.9μs/cmおよび(B)95.8μs/cmであった。
【0061】
2つの異なる条件と導電率との関係を理解するために、カルシウム濃度を測定した。図9からわかるように、後者の条件(B)は前者の条件(A)よりもかなり高いカルシウム濃度を有していた。条件(A)の溶液が最後にカラムを通過した後、この溶液は当初の溶液よりも20.83倍多いカルシウムを含有しており、一方、条件Bからの溶液が最後にカラム(10)を通過した後、この溶液は当初の溶液よりも32.5倍多いカルシウムを含有していた。
【0062】
ここで図10を参照すると、NTU単位で測定した濁度が、上記の両方の条件について提示されている。測定濁度は概して、全体的に経時的に低下するが、溶媒に対して異なる割合の殻粒子を用いて製造された溶液間の比較を行った場合、その相違はあるにしても非常に小さい。両方の条件とも、1NTU単位未満の値を達成することができた。
【0063】
この一連の実施例は、粉砕された殻粒子からのカルシウムの抽出が、粉砕された殻粒子の溶媒に対する割合が増加するに従って一層効率的になり続けることを示している。本明細書に記載するもの以外の粉砕された殻粒子対溶媒の割合が、すべて本明細書の範囲内で考えられ、得られる活性溶液の所望の特性に基づくものであることに留意されたい。
【0064】
本明細書に記載した本発明の実施形態は例示的なものであり、数々の修正、変形および再構成が、実質的に等しい結果を達成するために容易に想定され得、それらのすべてが本発明の精神および範囲内に包含されることが意図される。
【0065】
産業上の利用可能性
本発明は、様々な皮膚疾患の治療のための局所的に適用される組成物を提供し、ここで、粉砕された軟体動物殻粒子を収容したフィルタ/抽出カラムを通して繰り返し液体をろ過することによって活性溶液が調製され、次いで薬学的に許容される担体と混合される。得られる組成物は、数々の特性を有する。特に、この組成物は、手に負えない皮膚関連疾患の治療として有効に実施することができる。さらに、本発明は、世界中の漁場から大量に発生する産業廃棄物である軟体動物殻に用途を提供し、公衆にとって有益なこの廃棄物の使用を実施することは財政面でも環境面でも適切であろうと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的に許容される担体と混合された活性溶液を含む局所適用組成物であって、該溶液が、粉砕された軟体動物殻粒子を収容したフィルタ/抽出カラムを通して繰り返し液体をろ過することによって製造される、組成物。
【請求項2】
該液体が水である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
該水が蒸留水または逆浸透浄水である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
該粉砕された軟体動物殻が、粒子状に粉砕される前に、約100℃以上の温度で約15分間にわたって煮沸され、フィルタ/抽出カラムに配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
該粉砕された軟体動物殻が、粒子状に粉砕される前に、約300℃以上の温度で約15分間にわたって焼成され、フィルタ/抽出カラムに配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
該粉砕された軟体動物殻粒子が、フィルタ/抽出カラムへの配置の前に、約100℃以上の温度で約15分間にわたって煮沸される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
該粉砕された軟体動物殻粒子が、フィルタ/抽出カラムへの配置の前に、約300℃以上の温度で約15分間にわたって焼成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
該活性溶液中のカルシウムの濃度が14mg/Lを超える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
該活性溶液中のカルシウムの濃度が20mg/Lを超える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
該活性溶液のpHが6〜10である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
該活性溶液のpHが6.5〜9.0である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
該活性溶液のpHが7.0〜8.0である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
該活性溶液の濁度が6NTU未満である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
粉砕された軟体動物殻微粒子をさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
該粉砕された軟体動物殻微粒子が、250μM以下の粒径を有する、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
粒径が150μM以下である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
該粉砕された軟体動物殻微粒子が、組成物への添加の前に、約100℃以上の温度で約15分間にわたって煮沸される、請求項14〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
該粉砕された軟体動物殻微粒子が、組成物への添加の前に、約300℃以上の温度で約15分間にわたって焼成される、請求項14〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
該活性溶液が、担体との混合の前に、溶液の約0.1重量%〜4重量%の水酸化ナトリウムで処理される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
該担体がクリームである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
該担体がローションである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
該担体が軟膏である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
該担体がペーストである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
該担体がゲルである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
該担体がワセリンである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
該担体が基剤乳化軟膏である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
該活性溶液が、重量で約0.5:1〜約7:1の割合で基剤乳化軟膏と混合される、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
該割合が約5:1〜約6:1である、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
該担体がユーセリン(商標)である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
該活性溶液が、重量で約1:1〜約7:1の割合でユーセリンと混合される、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
該割合が約6:1〜約7:1である、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
薬学的に許容される担体と混合された、粉砕された軟体動物殻微粒子を含む、局所適用組成物。
【請求項33】
該粉砕された軟体動物殻微粒子が、250μM以下の粒径を有する、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
粒径が150μM以下である、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
該粉砕された軟体動物殻微粒子が、薬学的に許容される担体と混合される前に、約100℃以上の温度で約15分間にわたって煮沸される、請求項32〜34のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
該粉砕された軟体動物殻微粒子が、薬学的に許容される担体と混合される前に、約300℃以上の温度で約15分間にわたって焼成される、請求項32〜35のいずれか1項に
記載の組成物。
【請求項37】
該薬学的に許容される担体が、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、ユーセリン、ワセリンおよび基剤乳化軟膏からなる群から選択される、請求項32〜36のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
該粉砕された軟体動物殻微粒子が、約0.01重量%〜約0.5重量%で担体と混合される、請求項32〜37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
該粉砕された軟体動物殻微粒子が、約0.03%で担体と混合される、請求項32〜38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
少なくとも1つの皮膚疾患の治療のための、請求項1〜39のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項41】
該少なくとも1つの皮膚疾患が、乾癬、にきび、帯状疱疹、水痘帯状疱疹ウイルスに関連する皮膚病、昆虫咬傷、昆虫刺傷、熱傷、日焼け、水疱、発疹、乾皮症、水虫および皮膚炎からなる群から選択される、請求項40に記載の組成物の使用。
【請求項42】
粉砕された軟体動物殻微粒子を溶液に溶解させることを含む、局所適用組成物。
【請求項43】
該溶液が水である、請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
該粉砕された軟体動物殻粒子が、250μM以下の粒径を有する、請求項42または43に記載の組成物。
【請求項45】
粒径が150μM以下である、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
該粉砕された軟体動物殻微粒子が、溶液に溶解される前に、約100℃以上の温度で約15分間にわたって煮沸される、請求項42〜45のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項47】
該粉砕された軟体動物殻微粒子が、溶液に溶解される前に、約300℃以上の温度で約15分間にわたって焼成される、請求項42〜46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項48】
少なくとも1つの皮膚疾患の治療のための、請求項42〜47のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項49】
該少なくとも1つの皮膚疾患が、多汗症および陥凹性角質溶解からなる群から選択される、請求項48に記載の組成物の使用。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−508309(P2010−508309A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534967(P2009−534967)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【国際出願番号】PCT/CA2007/001932
【国際公開番号】WO2008/052326
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(509123851)スカラップ・シェル・ポリューション・ソリューション・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】SCALLOP SHELL POLLUTION SOLUTION LTD.
【Fターム(参考)】