監視カメラ映像表示装置
【課題】 ある監視領域内の多数のカメラ映像の中から、適切な代表映像を選択的に表示することにより、ユーザの設定作業を不要にし、監視の効率を向上させる。
【解決手段】 複数の監視カメラの物理的な配置に基づいて前記監視カメラ同士の論理的な構成を示すカメラ管理構成を格納するカメラ管理構成データベースと、前記カメラ管理構成データベースに格納された前記カメラ管理構成に基づいて、前記監視カメラに評価値を与え、この評価値に従って、複数の監視カメラの中から表示対象とする監視カメラを代表カメラとして選出する代表カメラ選出部とを備える。
【解決手段】 複数の監視カメラの物理的な配置に基づいて前記監視カメラ同士の論理的な構成を示すカメラ管理構成を格納するカメラ管理構成データベースと、前記カメラ管理構成データベースに格納された前記カメラ管理構成に基づいて、前記監視カメラに評価値を与え、この評価値に従って、複数の監視カメラの中から表示対象とする監視カメラを代表カメラとして選出する代表カメラ選出部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の監視カメラの監視映像から、代表となる監視映像を動的に選出して表示する監視カメラ映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像監視システムは、ビルやマンションの入り口を監視するだけではなく、近年では、データセンターのフロア全体について、死角がないように多数設置したり、ビル全体をくまなく監視したり、全国規模の店舗を集中監視したり、街全体を監視したりするなど、日々ますます大規模化が進んでいる。しかしながら、監視員(ユーザ)1人が同時に監視できる映像の数は限られているため、監視対象となるエリアが拡大して監視カメラの台数が増える場合、その一部を優先的に監視する必要がある。
従来、一般的な監視画面の表示形態では、一画面を2×2で分割した4つの映像、3×3で分割した9つの映像、4×4で分割した16の映像などにより表示しており、監視可能な全ての映像ではなく、一部の限られた映像を一画面に表示している。このとき、多数のカメラについて、その一部のカメラを選び出す特定の基準はなく、単純に、監視カメラの登録番号順や、設定者の好みにより決められることが多い。例えば、特許文献1の従来技術では、監視の目的に応じて、監視対象をグループ分けし、監視の対象ごとにまとめて表示できるように予め設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−129999
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の通り、従来の映像監視では、複数台のカメラの監視映像を、ディスプレイ上の1画面内にサムネイル表示する場合、カメラの番号順か、予めグループ分けされた複数のカメラを表示していた。このため、グループ分けを行なう場合は、ユーザが監視対象を十分に理解していることが要求され、さらに監視カメラのグループ分けの経験を必要としていた。また、ユーザにグループ分けの経験があった場合も、グループ分けの設定作業には、多くの手間がかかり、サムネイル表示の数や、監視範囲を変更する場合などのように、あらゆる条件に対応した設定を予め準備することは、現実的ではなかった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、監視カメラの配置を考慮した論理的な階層構造で監視カメラを管理し、監視カメラに自動的に優先順位をつけることで、ある監視領域内の多数のカメラ映像の中から、適切な代表映像を選択的に表示することにより、ユーザの設定作業を不要にし、監視の効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記で述べた課題を解決するため、本発明の監視カメラ映像表示装置は、複数の監視カメラの物理的な配置に基づいて前記監視カメラ同士の論理的な構成を示すカメラ管理構成を格納するカメラ管理構成データベースと、前記カメラ管理構成データベースに格納された前記カメラ管理構成に基づいて、前記監視カメラに評価値を与え、この評価値に従って、複数の監視カメラの中から表示対象とする監視カメラを代表カメラとして選出する代表カメラ選出部とを備えることとしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、監視カメラの配置を考慮した論理的な階層構造で監視カメラを管理し、監視カメラに自動的に優先順位をつけることで、ある監視対象エリア内の多数のカメラ映像の中から、適切な代表映像を選択的に表示することにより、予め表示数分の監視カメラを事前にグループ分けする必要があったユーザの設定作業を不要にし、限られた数の監視カメラ映像で効率的な監視が可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1に係る監視カメラ映像表示装置の一例を示す構成図である。
【図2】代表カメラ選出部5の内部構成の一例を示す図である。
【図3】監視カメラの物理的な配置情報を示す論理的な意味付けに従った階層構造(カメラ管理構成)の一例を示す図である。
【図4】カメラ管理構成の各ノードを表現するノードテーブル10を示す図である。
【図5】カメラ管理構成の各リンクを表現するリンクテーブル20を示す図である。
【図6】代表カメラ選出部5におけるカメラ順位付け部503の動作を示すフローチャートである。
【図7】カメラ評価テーブル30の一例を示す図である。
【図8】図3に示すカメラ管理構成のグラフ構造に対して、各監視カメラの絞り込み条件1の評価値を記した例である。
【図9】図3に示すカメラ管理構成のグラフに対して、各監視カメラの絞り込み条件1と絞り込み条件2の評価値を記した例である。
【図10】カメラ順位テーブル40の一例を示す図である。
【図11】近隣度テーブル50の一例を示す図である。
【図12】カメラノードC4に対する近隣度を記した例の図である。
【図13】カメラノードC4に対する近隣度合計を記した例の図である。
【図14】カメラノードC4とC7の2台の選択済みカメラについて、それぞれの近隣度を合計した結果を示す図である。
【図15】異常発生時に、起点カメラ番号指定部501により起点カメラが指定された場合の、カメラ順位付け部503の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る監視カメラ映像表示装置の一例を示す構成図である。
図1において、複数台の監視カメラ1から送信される監視映像を、映像受信部2が受信し、映像表示部6により、受信した監視映像をディスプレイ上に表示する。映像受信部2により受信する監視映像のデータは、専用線で接続されたアナログデータでもよいし、LAN(Local Area Network)で接続されたデジタルデータでもよい。カメラ管理構成データベース3は、複数の監視カメラを論理的な階層構造で管理するための情報であるカメラ管理構成を格納するデータベースである。監視対象管理部4は、カメラ管理構成データベース3に格納されたカメラ管理構成を、監視対象として管理する。代表カメラ選出部5は、監視対象管理部5からカメラ管理構成を取得し、カメラ管理構成により管理された監視カメラの中から、映像表示部6で代表的に表示する監視カメラを代表カメラとして選出する。映像表示部6は、監視映像を表示する際、代表カメラ選出部5により選出された代表カメラの情報を取得して、この代表カメラの監視映像を表示する。
【0010】
図2は、代表カメラ選出部5の内部構成の一例を示す図である。
図2において、代表カメラ選出部5は、入力系の手段として、絞り込み指定部500、起点カメラ番号指定部501、及びカメラ管理構成入力部502を備えている。絞り込み指定部500は、代表カメラを選出する際に用いられる絞り込み条件を、ユーザが指定することができる手段である。起点カメラ番号指定部501は、最初に表示する起点カメラを、ユーザが指定することができる手段である。なお、これらのユーザによる指定は任意であり、必要に応じて取得すればよい。カメラ管理構成入力部502は、監視対象管理部4からカメラ管理構成を取得する。
【0011】
カメラ順位付け部503は、絞り込み指定部500から絞り込み条件を示す番号(絞り込み条件番号)を取得し、また、起点カメラ番号指定部501から起点カメラを示す番号(起点カメラ番号)を取得し、また、カメラ管理構成入力部502からカメラ管理構成を取得する。カメラ順位付け部503では、これらのユーザが指定した絞り込み条件とカメラ管理構成とを元に、代表カメラを選出するための優先順位を決定する。
【0012】
カメラ表示数指定部504は、表示する監視映像の数をユーザが指定することができる手段である。カメラ番号出力部505は、ディスプレイ上に監視映像を表示するために、カメラ表示数指定部504からカメラ表示数を取得し、カメラ順位付け部503により決定された優先順位の上位からカメラ表示数分の代表カメラ番号を出力する。
【0013】
次に、カメラ管理構成について説明する。
複数の監視カメラを用いる監視システムでは、複数の監視カメラをグループ分けして管理することが多い。グループ分けの方法として、監視カメラの物理的な配置に意味付けを行なってグループ分けをすること考えられる。物理的な配置の情報は、絶対座標や緯度経度などのような2次元(もしくは3次元)の情報として保持・管理する場合と、住所のように、国、県、市町村、番地などのような階層的な構造で保持・管理する場合とがある。屋内や敷地をメッシュ状に分割して、分割されたマスの単位で監視カメラをグループ分けすることも可能であるが、論理的な階層構造で管理する方が、人が理解しやすい。このため、本発明の実施の形態では、論理的な階層構造により監視カメラを管理する方法の一例として、カメラ管理構成を説明する。
【0014】
図3は、監視カメラの物理的な配置情報を示す論理的な意味付けに従った階層構造(カメラ管理構成)の一例を示す図である。
このカメラ管理構成の例では、最上位の階層に「第2棟」という建物を意味付けるノードをルートに持つ。監視対象とするエリアによっては、さらにその上に、区画や住所などの上位のノードがあってもよい。建物「第2棟」を表すノードの下位層には、「2F」や「3F」などのフロアを意味付けるノードを持つ。ノードとノードとはリンクで結ばれ、親子関係の構造となる。さらに、フロアを表すノードの下位層に、「マシン室」、「応接エリア」、「事務所」、「廊下」などの部屋やエリアの役割の種類を意味付けるノードを持つ。さらに、部屋やエリアの役割のノードの下位層に、「ラック前列」、「ラック後列」、「操作PC」、「A」、「B」、「第一課」、「第二課」、「第三課」、「部長室」、「東側」、「西側」などのように、直接、監視対象となるエリアを意味付けるノードを持つ。さらに、監視対象のエリアのノードの下位層に、「C1」〜「C14」の監視カメラの番号を意味付けるノードを持つ。下位層の構造は、グループ分けを簡略化して階層の数を少なくしてもよいし、さらに細分化して階層の数を多くしてグループ分けを行なってもよい。
【0015】
以下、カメラ管理構成の具体的な表現形式の一例を説明する。図4、及び図5は、図3に示す階層構造を、ノードとリンクにより表現されたグラフ構造として、カメラ管理構成データベース3に格納する際の表現形式である。
図4は、カメラ管理構成の各ノードを表現するノードテーブル10を示す図である。
図4において、ノードテーブル10は、「NodeID」11と「Name」12と「Level」13の3つのカラムからなる。「NodeID」11カラムには、グラフ構造のノードを識別するためのユニークな値を格納する。「Name」12カラムには、グラフ構造のノードを人が理解するための文字列を格納する。「Level」13カラムには、グラフ構造の階層の番号を格納する。この例では、最下位層のカメラ番号の層をレベル1としている。以下、レベル1のノードを、カメラノードと呼ぶこととする。なお、「Level」13カラムは、省略してもよい。
【0016】
図5は、カメラ管理構成の各リンクを表現するリンクテーブル20を示す図である。
図5において、リンクテーブル20は、「LinkID」21と「From Node」22と「To Node」23の3つのカラムからなる。「LinkID」21カラムには、グラフ構造のノード同士を接続するリンクを識別するためのユニークな値を格納する。「From Node」22カラムには、リンクにより接続される始点となるノードの「NodeID」11を格納する。「To Node」23カラムには、リンクにより接続される終点となるノードの「NodeID」11を格納する。
このように表現されたノードテーブル10とリンクテーブル20の情報を読み出すことで、図3に示すようなグラフ構造をメモリー上に展開することが可能である。
【0017】
次に、代表カメラ選出部5において、代表カメラを選出するために、各監視カメラに優先順位を付けるカメラ順位付け部503の動作の詳細を説明する。
図6は、代表カメラ選出部5におけるカメラ順位付け部503の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、カメラ順位付け部503は、カメラ管理構成入力部502からカメラ管理構成を取得し、メモリー上にグラフ構造で展開する。
【0018】
次に、ステップS2において、カメラ順位付け部503は、絞り込み指定部500から絞り込み条件を示す絞り込み条件番号を取得する。絞り込み条件は、例えば、以下に示す3条件である。
・絞り込み条件1:多くの領域をカバーする監視カメラを優先する。
・絞り込み条件2:離れた領域をカバーする監視カメラを優先する。
・絞り込み条件3:全体の監視エリアを均等に監視できる監視カメラを選択する。
取得する絞り込み条件番号は、複数、取得してもよいし、絞り込み条件なしでもよい。また、既定として、全ての絞り込み条件を適用するとしてもよい。
【0019】
次に、ステップS3において、カメラ順位付け部503は、カメラ評価テーブル30の初期化を行なう。カメラ評価テーブル30は、カメラの優先順位をつけるための一時的な作業テーブルである。
図7は、カメラ評価テーブル30の一例を示す図である。
図7において、カメラ評価テーブル30は、「CameraID」31と、「絞り込み1」32と、「絞り込み2」33と、「近隣度合計」34の3つのカラムからなる。「CameraID」31カラムは、カメラを一意に識別するためのユニークな番号を格納する。「絞り込み1」32カラムは、絞り込み条件1が適用された場合の評価値を格納する。「絞り込み2」33カラムは、絞り込み条件2が適用された場合の評価値を格納する。「近隣度合計」34カラムは、絞り込み条件3が適用された場合の評価値を格納する。カメラ評価テーブル30の初期化では、各カラムの値を全て0とする。
【0020】
次に、ステップS4において、カメラ順位付け部503は、絞り込み条件1が指定されているか否かを判定する。絞り込み条件1が指定されていない場合は、ステップS7へ進み、指定されている場合は、ステップS5に進む。
【0021】
次に、ステップS5において、カメラ順位付け部503は、全ての監視カメラについて、それぞれのカメラノードに接続されているリンクの数をカウントする。
カメラノードは、カメラ管理構成の階層グラフの最下位に位置するため、カメラノードに対するリンクは、全て終点として接続されている。カメラノードに接続されているリンクの数は、カメラノードの1階層上位のノード(親ノード)の数に等しく、あるカメラがいくつの監視対象を視野に含んでいるかに相当する。従って、カメラノードに接続されているリンクの数が、絞り込み条件1の「多くの領域をカバーする」度合いを表していると考えられる。
【0022】
次に、ステップS6において、カメラ順位付け部503は、それぞれのカメラノードのリンクの数をカウントした数を、カメラ評価テーブル30の「絞り込み1」32カラムに評価値として格納し、カメラ評価テーブル30を更新する。
図8は、図3に示すカメラ管理構成のグラフ構造に対して、各監視カメラの絞り込み条件1の評価値を記した例である。この例では、C3カメラとC4カメラの評価値が3であり、全ての監視カメラの中で最も評価値が大きく、絞り込み条件1の「多くの領域をカバーする」度合いの評価が高くなっていることを示している。
【0023】
次に、ステップS7において、カメラ順位付け部503は、絞り込み条件2が指定されているか否かを判定する。絞り込み条件2が指定されていない場合は、ステップS10へ進み、指定されている場合は、ステップS8に進む。
【0024】
次に、ステップS8において、カメラ順位付け部503は、それぞれのカメラノードに接続されている複数のリンクについて、各リンクをさらに上位階層にたどり、祖先として同じになる共通ノードにたどりつく場合に、たどりついた共通ノードとカメラノードとの間の階層数を取得する。あるカメラノードについて、異なるリンクの経路で複数の階層数が得られた場合は、その最大値を評価値とする。また、リンクが1つのカメラノードについては、階層数を0とする。
カメラノードの共通ノード(共通祖先)までの階層数は、監視管理の論理的な分類のレベルを示しており、論理的に、より離れた領域を監視するカメラは、共通の分類レベルが、より上位に位置することになる。従って、共通ノード(共通祖先)までの階層数が、絞り込み条件2の「離れた領域をカバーする」度合いを表していると考えられる。
【0025】
次に、ステップS9において、カメラ順位付け部503は、それぞれのカメラノードについて取得した階層数を、カメラ評価テーブル30の「絞り込み2」33カラムに、評価値として格納し、カメラ評価テーブル30を更新する。
図9は、図3に示すカメラ管理構成のグラフに対して、各監視カメラの絞り込み条件1と絞り込み条件2の評価値を記した例である。この例では、C4カメラが、絞り込み条件2は最も値が大きく、絞り込み条件2の「離れた領域をカバーする」度合いの評価が高くなっていることを示している。
【0026】
次に、ステップS10において、カメラ順位付け部503は、絞り込み条件3が指定されているか否かを判定する。絞り込み条件3が指定されていない場合は、ステップS11へ進み、指定されている場合は、ステップS13に進む。
【0027】
次に、ステップS11で、カメラ順位付け部503は、カメラ評価テーブル30をソート(並びかえ)する。ソートのキー条件は、例えば、「絞り込み1」32カラム、「絞り込み2」33カラムの順で、共に降順でソートする。
【0028】
次に、ステップS12で、カメラ順位付け部503は、ソートしたカメラ評価テーブル30の全レコードを、カメラ順位テーブル40に頭から順に追加(コピー)する。
図10は、カメラ順位テーブル40の一例を示す図である。
図10において、カメラ順位テーブル40は、「CameraID」41の1つのカラムからなる。「CameraID」41カラムは、カメラを一意に識別する番号を、カメラの優先順位の順番で格納する。このカメラ順位テーブル40が、カメラ順位付け部503の出力結果となり、カメラ番号出力部505に渡されて、カメラ順位付け部503の処理は終了となる。
【0029】
次に、絞り込み条件3が指定された場合に進むステップS13において、カメラ順位付け部503は、近隣度テーブル50を初期化する。
図11は、近隣度テーブル50の一例を示す図である。
近隣度テーブル50は、「CameraID」51と、「近隣1」52、「近隣2」53のように、n個の「近隣n」カラムからなる。この場合、nは監視カメラの台数に等しい。「CameraID」51カラムには、カメラを一意に識別するための番号が格納される。「近隣1」52カラム、「近隣2」53カラム、・・・、「近隣n」カラムには、特定のカメラからの近隣度が格納される。特定のカメラは、ステップS14以降に順次決定される。近隣度については、ステップS17で説明する。
【0030】
次に、ステップS14において、カメラ順位付け部503は、カメラ評価テーブル30をソート(並びかえ)する。ソートのキー条件は、「近隣度合計」34カラム、「絞り込み1」32カラム、「絞り込み2」33カラム、の順で、共に降順でソートする。最初のループでは、「近隣度合計」34カラムには、初期化されたときの値0が格納されているので、ソートの結果は、「絞り込み1」32カラムと「絞り込み2」33カラムの値に依存する。
【0031】
次に、ステップS15において、カメラ順位付け部503は、ソートされたカメラ評価テーブル30の最上位カメラの「CameraID」31カラムの値(カメラ番号)を、カメラ順位テーブル40の最初のレコードから順に、空いている(値が0の)レコードに格納する。選択されたカメラ番号の監視カメラは、選択済みのフラグを立てるなどして、識別できるようにする。最初のループでは、1番目のレコードの「CameraID」31カラムにカメラ番号が格納される。
例えば、図9の例では、絞り込み1と絞り込み2の値から、ソート後に得られる最上位カメラは、C4カメラとなる。評価値が同じ場合は、カメラ番号順にソートされた結果が得られる。
【0032】
次に、ステップ16において、カメラ順位付け部503は、カメラ順位テーブル40の最終レコードに値があるか、もしくは選択済みフラグの有無を調べるなどで、未選択のカメラが残っているか否かを判定する。未選択のカメラがある場合は、ステップS17へ進み、未選択のカメラがない場合は、その時点のカメラ順位テーブル40をカメラ順位付け部503の出力結果として、処理を終了する。
【0033】
次に、ステップS17において、カメラ順位付け部503は、全てのカメラについて、選択したカメラに対する近隣度を取得する。近隣度とは、例えば、家系図の親戚関係の遠さ/近さに相当する。本人については、近隣度は無しとする。兄弟関係にあるノード、つまり親が同一であるノードは、近隣度を1とする。従兄関係にあるノード、つまり、祖父が同一であるノードは、近隣度2とする。以降、同一となる先祖までの階層の数を、近隣度の値とする。近隣度の最大値は、最上位のルートとなるノードまでの階層の数となり、必ず同一のノードにまでたどり着く。
図12は、カメラノードC4に対する近隣度を記した例の図である。例えば、カメラノードC2、C3は、「ラック後列」を親とする兄弟関係にあるので、近隣度は1となる。また、カメラノードC10では、「事務所」を祖父とする従兄関係にあるため、近隣度は2となっている。
【0034】
このような近隣度を利用すれば、なるべく近隣に存在しないように代表カメラを選出することにより、絞り込み条件3の「全体の監視エリアを均等に監視できる監視カメラを選択する。」ことができるようになる。例えば、上記のように、ノードが同一となる先祖までの階層の数を近隣度の値とした場合は、近隣度が大きいほど、近隣には存在しないことを意味するので、近隣度の大きい監視カメラを優先的に選出することにより、全体の監視エリアを網羅するように、均等に監視できる監視カメラを選択することができる。
【0035】
次に、ステップ18において、カメラ順位付け部503は、取得した近隣度を、近隣度テーブル50に「近隣n」カラムの番号順に格納して、近隣度テーブル50を更新する。最初のループでは、「近隣1」52カラムに格納することになる。本人の近隣度(近隣度なし)については、Null値を格納する。図11の例では、近隣度テーブル50の近隣2カラムまで、近隣度を格納している。
【0036】
次に、ステップ19において、カメラ順位付け部503は、近隣度の合計を取る。近隣度の合計とは、近隣度テーブル50の格納済みカラムの値を、レコードごとに横方向に和を取ることである。最初のループでは、「近隣1」52カラムの値が、そのまま近隣度合計となる。
【0037】
次に、ステップ20において、カメラ順位付け部503は、近隣度合計をカメラ評価テーブル30の「近隣度合計」34カラムに格納する。その後、ループにより、ステップS14へ進む。
【0038】
次に、ステップS14で前記の通り、カメラ順位付け部503は、カメラ評価テーブル30をソートし、ステップS15で最上位カメラをカメラ順位テーブル40に格納し、選択済みカメラとする。
図13は、カメラノードC4に対する近隣度合計を記した例の図である。図13の例では、ソートの順番から、近隣度合計が最大の3のカメラの中で、「絞り込み1」が大きいC7の監視カメラが、選択カメラとなる。
【0039】
次に、カメラ順位付け部503は、前記の通りステップS16で未選択カメラの判定を行なった後、ステップS17で選択したカメラの近隣度を取得し、ステップS18で近隣度テーブル50に格納して、ステップS19で近隣度合計を取る。
図14は、カメラノードC4とC7の2台の選択済みカメラについて、それぞれの近隣度(近隣1、近隣2)を合計した結果を示す図である。
このようにして、カメラ順位付け部503は、近隣度合計をカメラ評価テーブル30に格納し、以降、ステップS16の条件で、未選択カメラがなくなるまでループを繰り返す。
【0040】
上記のように、カメラ順位付け部503によりカメラの順位付けを行ない、さらに、図2におけるカメラ表示数指定部504により、ユーザがディスプレイ上に表示する監視映像の数を指定し、カメラ番号出力部505が、指定された表示数だけカメラ順位テーブル40の上位カメラ番号(CameraID)を出力することで、図1における映像表示部6が、代表的な監視カメラの監視映像をディスプレイに表示する。
【0041】
以上のように、本発明によれば、監視カメラの配置を考慮した論理的な階層構造で監視カメラを管理し、監視カメラに自動的に優先順位をつけることで、ある監視領域内の多数のカメラ映像の中から、適切な代表映像を選択的に表示することにより、予め表示数分の監視カメラを事前にグループ分けする必要があったユーザの設定作業を不要にし、限られた数の監視カメラ映像で効率的な監視が可能になるという効果がある。
また、カメラ表示数指定部504により、ユーザがディスプレイ上に表示する監視映像の数を指定できるようにしたことにより、監視カメラの表示台数を、自由自在に変更することができる。
さらに、建物全体、フロア、部屋、など、監視対象のエリアを変更した場合も、予め設定することなしに、最適な代表カメラを選出し、限られた数の監視カメラ映像で、効率的な監視を行なうことができる。
【0042】
実施の形態2.
実施の形態1では、平常時の全体監視を想定して、複数台の監視カメラの中から、限られた数の表示用の監視映像を選択するために、監視カメラの優先順位付けを行ない、代表カメラを選出したが、異常発生時は、全く異なる基準で、表示する監視カメラの選択や、切り替えを行なわなければならない。異常発生時は、センサーにより検知されるイベントや、監視員の目視などで、まず初めに、特定の監視対象が決められる。続いて、その周辺の監視映像や、関連する監視映像に、順次、監視カメラを切り替える操作を行なう。実施の形態2では、このような特定の監視カメラから、順次、監視カメラを切り替えるための順位付けを行なう方法を示す。
【0043】
監視員の監視中に、何らかの異常が発生した場合、初めに、図2の起点カメラ番号指定部501により、監視対象として注視するカメラ番号を、起点カメラ番号として指定する。起点カメラ番号は、人の判断で指定してもよいし、センサーに連動して、監視対象をとらえるカメラ番号を自動的に指定してもよい。
【0044】
図15は、異常発生時に、起点カメラ番号指定部501により起点カメラが指定された場合の、カメラ順位付け部503の動作を示すフローチャートである。
以下、図15のフローチャートに従って、指定された起点カメラから、順次、監視カメラを切り替えるための順位付けの動作について説明する。
【0045】
まず、ステップS21において、カメラ順位付け部503は、カメラ管理構成入力部502からカメラ管理構成を取得し、メモリー上にグラフ構造で展開する。
【0046】
次に、ステップS22において、カメラ順位付け部503は、カメラ評価テーブル30の初期化を行なう。カメラ評価テーブル30は、実施の形態1と同様、監視カメラの優先順位をつけるための一時的な作業テーブルである。カメラ評価テーブル30の初期化は、各カラムの値を全て0とする。
【0047】
次に、ステップS23において、カメラ順位付け部503は、起点カメラ番号指定部501から起点カメラ番号を取得し、ステップS24において、カメラ評価テーブル30を参照して、取得した起点カメラ番号に対応する「CameraID」31のレコードにある「近隣度合計」34カラムに、起点カメラであることを示す情報、例えば、(−1)を格納する。
【0048】
次に、ステップS25において、カメラ順位付け部503は、近隣度テーブル50を初期化する。近隣度テーブル50は、実施の形態1と同様、カメラの近隣度を一時的に格納するテーブルである。
【0049】
次に、ステップS26において、カメラ順位付け部503は、カメラ評価テーブル30をソート(並びかえ)する。ソートのキー条件は、「近隣度合計」34カラム、「絞り込み1」32カラム、「絞り込み2」33カラム、の順で、「近隣度合計」34カラムは昇順で、「絞り込み1」32カラムと「絞り込み2」33カラムは降順でソートする。最初のループでは、「絞り込み1」32カラムと「絞り込み2」33カラムには、初期化されたときの値0が格納されており、「近隣度合計」34カラムには、起点カメラ番号の列のみ(−1)が格納されているので、ソートの結果は、起点カメラ番号を格納した監視カメラのレコードが最上位に来る。
【0050】
次に、ステップS27において、カメラ順位付け部503は、ソートされたカラム評価テーブル30の最上位カメラの「CameraID」31カラムの値(カメラ番号)を、カメラ順位テーブル40の最初のレコードから順に、空いている(値が0の)レコードに格納する。選択されたカメラ番号のカメラは、選択済みのフラグを立てるなどして、識別できるようにする。最初のループでは、1番目のレコードの「CameraID」31カラムにカメラ番号が格納される。
【0051】
次に、ステップS28において、カメラ順位付け部503は、選択済みフラグの有無を調べるなどで、未選択のカメラが残っているか否かを判定する。未選択のカメラがある場合は、ステップS29へ進み、未選択の起点カメラがない場合は、その時点のカメラ順位テーブル40をカメラ順位付け部503の結果として、処理を終了する。
【0052】
ステップS29で、カメラ順位付け部503は、全てのカメラについて、選択したカメラに対する近隣度を取得する。近隣度とは、実施形態1と同様、同一となる先祖までの階層の数を持って、近隣度の値とする。
【0053】
次に、ステップS30において、カメラ順位付け部503は、ステップS29で取得した近隣度を近隣度テーブル50に「近隣n」カラムの番号順に格納して、近隣度テーブル50を更新する。最初のループでは、「近隣1」52カラムに格納することになる。本人の近隣度(近隣度なし)については、Null値を格納する。
【0054】
次に、ステップ31において、カメラ順位付け部503は、近隣度の合計を取る。近隣度の合計とは、近隣度テーブル50の格納済みカラムの値を、レコードごとに横方向に和を取ることである。最初のループでは、「近隣1」52カラムの値が、そのまま近隣度合計となる。
【0055】
次に、ステップ32において、カメラ順位付け部503は、近隣度合計をカメラ評価テーブル30の「近隣度合計」34カラムに格納する。その後、ループによりステップS26へ進む。以降、実施の形態1と同様に、未選択カメラがなくなるまでループを繰り返す。
【0056】
本実施の形態2の処理と、実施の形態1の後半処理(近隣度による順位付け処理)との違いは、カメラ評価テーブル30のソートの方法で、近隣度を昇順にするか降順にするかの違いである。実施の形態1では、降順とすることで、できるだけ近隣にないカメラを、順次、選択するが、実施の形態2では、昇順とすることで、できるだけ近隣にあるカメラを、順次、選択するようにしている。
【0057】
以上のように、本発明によれば、指定された起点カメラをはじめとして、順次、近隣の周辺カメラの順に監視カメラの優先順位を決めるようにしたので、予め監視カメラに関連付けて表示数分のカメラをグループ分けすることなしに、監視対象として優先度の高い周辺カメラの順に、監視カメラ映像を適切に表示することが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
1 監視カメラ、2 映像受信部、3 カメラ管理構成データベース、4 監視対象管理部、5 監視対象管理部、500 絞り込み指定部、501 起点カメラ番号指定部、502 カメラ管理構成入力部、503 カメラ順位付け部、504 カメラ表示数指定部、505 カメラ番号出力部、6 映像表示部、10 ノードテーブル、20 リンクテーブル、30 カメラ評価テーブル、40 カメラ順位テーブル、50 近隣度テーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の監視カメラの監視映像から、代表となる監視映像を動的に選出して表示する監視カメラ映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像監視システムは、ビルやマンションの入り口を監視するだけではなく、近年では、データセンターのフロア全体について、死角がないように多数設置したり、ビル全体をくまなく監視したり、全国規模の店舗を集中監視したり、街全体を監視したりするなど、日々ますます大規模化が進んでいる。しかしながら、監視員(ユーザ)1人が同時に監視できる映像の数は限られているため、監視対象となるエリアが拡大して監視カメラの台数が増える場合、その一部を優先的に監視する必要がある。
従来、一般的な監視画面の表示形態では、一画面を2×2で分割した4つの映像、3×3で分割した9つの映像、4×4で分割した16の映像などにより表示しており、監視可能な全ての映像ではなく、一部の限られた映像を一画面に表示している。このとき、多数のカメラについて、その一部のカメラを選び出す特定の基準はなく、単純に、監視カメラの登録番号順や、設定者の好みにより決められることが多い。例えば、特許文献1の従来技術では、監視の目的に応じて、監視対象をグループ分けし、監視の対象ごとにまとめて表示できるように予め設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−129999
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の通り、従来の映像監視では、複数台のカメラの監視映像を、ディスプレイ上の1画面内にサムネイル表示する場合、カメラの番号順か、予めグループ分けされた複数のカメラを表示していた。このため、グループ分けを行なう場合は、ユーザが監視対象を十分に理解していることが要求され、さらに監視カメラのグループ分けの経験を必要としていた。また、ユーザにグループ分けの経験があった場合も、グループ分けの設定作業には、多くの手間がかかり、サムネイル表示の数や、監視範囲を変更する場合などのように、あらゆる条件に対応した設定を予め準備することは、現実的ではなかった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、監視カメラの配置を考慮した論理的な階層構造で監視カメラを管理し、監視カメラに自動的に優先順位をつけることで、ある監視領域内の多数のカメラ映像の中から、適切な代表映像を選択的に表示することにより、ユーザの設定作業を不要にし、監視の効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記で述べた課題を解決するため、本発明の監視カメラ映像表示装置は、複数の監視カメラの物理的な配置に基づいて前記監視カメラ同士の論理的な構成を示すカメラ管理構成を格納するカメラ管理構成データベースと、前記カメラ管理構成データベースに格納された前記カメラ管理構成に基づいて、前記監視カメラに評価値を与え、この評価値に従って、複数の監視カメラの中から表示対象とする監視カメラを代表カメラとして選出する代表カメラ選出部とを備えることとしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、監視カメラの配置を考慮した論理的な階層構造で監視カメラを管理し、監視カメラに自動的に優先順位をつけることで、ある監視対象エリア内の多数のカメラ映像の中から、適切な代表映像を選択的に表示することにより、予め表示数分の監視カメラを事前にグループ分けする必要があったユーザの設定作業を不要にし、限られた数の監視カメラ映像で効率的な監視が可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1に係る監視カメラ映像表示装置の一例を示す構成図である。
【図2】代表カメラ選出部5の内部構成の一例を示す図である。
【図3】監視カメラの物理的な配置情報を示す論理的な意味付けに従った階層構造(カメラ管理構成)の一例を示す図である。
【図4】カメラ管理構成の各ノードを表現するノードテーブル10を示す図である。
【図5】カメラ管理構成の各リンクを表現するリンクテーブル20を示す図である。
【図6】代表カメラ選出部5におけるカメラ順位付け部503の動作を示すフローチャートである。
【図7】カメラ評価テーブル30の一例を示す図である。
【図8】図3に示すカメラ管理構成のグラフ構造に対して、各監視カメラの絞り込み条件1の評価値を記した例である。
【図9】図3に示すカメラ管理構成のグラフに対して、各監視カメラの絞り込み条件1と絞り込み条件2の評価値を記した例である。
【図10】カメラ順位テーブル40の一例を示す図である。
【図11】近隣度テーブル50の一例を示す図である。
【図12】カメラノードC4に対する近隣度を記した例の図である。
【図13】カメラノードC4に対する近隣度合計を記した例の図である。
【図14】カメラノードC4とC7の2台の選択済みカメラについて、それぞれの近隣度を合計した結果を示す図である。
【図15】異常発生時に、起点カメラ番号指定部501により起点カメラが指定された場合の、カメラ順位付け部503の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る監視カメラ映像表示装置の一例を示す構成図である。
図1において、複数台の監視カメラ1から送信される監視映像を、映像受信部2が受信し、映像表示部6により、受信した監視映像をディスプレイ上に表示する。映像受信部2により受信する監視映像のデータは、専用線で接続されたアナログデータでもよいし、LAN(Local Area Network)で接続されたデジタルデータでもよい。カメラ管理構成データベース3は、複数の監視カメラを論理的な階層構造で管理するための情報であるカメラ管理構成を格納するデータベースである。監視対象管理部4は、カメラ管理構成データベース3に格納されたカメラ管理構成を、監視対象として管理する。代表カメラ選出部5は、監視対象管理部5からカメラ管理構成を取得し、カメラ管理構成により管理された監視カメラの中から、映像表示部6で代表的に表示する監視カメラを代表カメラとして選出する。映像表示部6は、監視映像を表示する際、代表カメラ選出部5により選出された代表カメラの情報を取得して、この代表カメラの監視映像を表示する。
【0010】
図2は、代表カメラ選出部5の内部構成の一例を示す図である。
図2において、代表カメラ選出部5は、入力系の手段として、絞り込み指定部500、起点カメラ番号指定部501、及びカメラ管理構成入力部502を備えている。絞り込み指定部500は、代表カメラを選出する際に用いられる絞り込み条件を、ユーザが指定することができる手段である。起点カメラ番号指定部501は、最初に表示する起点カメラを、ユーザが指定することができる手段である。なお、これらのユーザによる指定は任意であり、必要に応じて取得すればよい。カメラ管理構成入力部502は、監視対象管理部4からカメラ管理構成を取得する。
【0011】
カメラ順位付け部503は、絞り込み指定部500から絞り込み条件を示す番号(絞り込み条件番号)を取得し、また、起点カメラ番号指定部501から起点カメラを示す番号(起点カメラ番号)を取得し、また、カメラ管理構成入力部502からカメラ管理構成を取得する。カメラ順位付け部503では、これらのユーザが指定した絞り込み条件とカメラ管理構成とを元に、代表カメラを選出するための優先順位を決定する。
【0012】
カメラ表示数指定部504は、表示する監視映像の数をユーザが指定することができる手段である。カメラ番号出力部505は、ディスプレイ上に監視映像を表示するために、カメラ表示数指定部504からカメラ表示数を取得し、カメラ順位付け部503により決定された優先順位の上位からカメラ表示数分の代表カメラ番号を出力する。
【0013】
次に、カメラ管理構成について説明する。
複数の監視カメラを用いる監視システムでは、複数の監視カメラをグループ分けして管理することが多い。グループ分けの方法として、監視カメラの物理的な配置に意味付けを行なってグループ分けをすること考えられる。物理的な配置の情報は、絶対座標や緯度経度などのような2次元(もしくは3次元)の情報として保持・管理する場合と、住所のように、国、県、市町村、番地などのような階層的な構造で保持・管理する場合とがある。屋内や敷地をメッシュ状に分割して、分割されたマスの単位で監視カメラをグループ分けすることも可能であるが、論理的な階層構造で管理する方が、人が理解しやすい。このため、本発明の実施の形態では、論理的な階層構造により監視カメラを管理する方法の一例として、カメラ管理構成を説明する。
【0014】
図3は、監視カメラの物理的な配置情報を示す論理的な意味付けに従った階層構造(カメラ管理構成)の一例を示す図である。
このカメラ管理構成の例では、最上位の階層に「第2棟」という建物を意味付けるノードをルートに持つ。監視対象とするエリアによっては、さらにその上に、区画や住所などの上位のノードがあってもよい。建物「第2棟」を表すノードの下位層には、「2F」や「3F」などのフロアを意味付けるノードを持つ。ノードとノードとはリンクで結ばれ、親子関係の構造となる。さらに、フロアを表すノードの下位層に、「マシン室」、「応接エリア」、「事務所」、「廊下」などの部屋やエリアの役割の種類を意味付けるノードを持つ。さらに、部屋やエリアの役割のノードの下位層に、「ラック前列」、「ラック後列」、「操作PC」、「A」、「B」、「第一課」、「第二課」、「第三課」、「部長室」、「東側」、「西側」などのように、直接、監視対象となるエリアを意味付けるノードを持つ。さらに、監視対象のエリアのノードの下位層に、「C1」〜「C14」の監視カメラの番号を意味付けるノードを持つ。下位層の構造は、グループ分けを簡略化して階層の数を少なくしてもよいし、さらに細分化して階層の数を多くしてグループ分けを行なってもよい。
【0015】
以下、カメラ管理構成の具体的な表現形式の一例を説明する。図4、及び図5は、図3に示す階層構造を、ノードとリンクにより表現されたグラフ構造として、カメラ管理構成データベース3に格納する際の表現形式である。
図4は、カメラ管理構成の各ノードを表現するノードテーブル10を示す図である。
図4において、ノードテーブル10は、「NodeID」11と「Name」12と「Level」13の3つのカラムからなる。「NodeID」11カラムには、グラフ構造のノードを識別するためのユニークな値を格納する。「Name」12カラムには、グラフ構造のノードを人が理解するための文字列を格納する。「Level」13カラムには、グラフ構造の階層の番号を格納する。この例では、最下位層のカメラ番号の層をレベル1としている。以下、レベル1のノードを、カメラノードと呼ぶこととする。なお、「Level」13カラムは、省略してもよい。
【0016】
図5は、カメラ管理構成の各リンクを表現するリンクテーブル20を示す図である。
図5において、リンクテーブル20は、「LinkID」21と「From Node」22と「To Node」23の3つのカラムからなる。「LinkID」21カラムには、グラフ構造のノード同士を接続するリンクを識別するためのユニークな値を格納する。「From Node」22カラムには、リンクにより接続される始点となるノードの「NodeID」11を格納する。「To Node」23カラムには、リンクにより接続される終点となるノードの「NodeID」11を格納する。
このように表現されたノードテーブル10とリンクテーブル20の情報を読み出すことで、図3に示すようなグラフ構造をメモリー上に展開することが可能である。
【0017】
次に、代表カメラ選出部5において、代表カメラを選出するために、各監視カメラに優先順位を付けるカメラ順位付け部503の動作の詳細を説明する。
図6は、代表カメラ選出部5におけるカメラ順位付け部503の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、カメラ順位付け部503は、カメラ管理構成入力部502からカメラ管理構成を取得し、メモリー上にグラフ構造で展開する。
【0018】
次に、ステップS2において、カメラ順位付け部503は、絞り込み指定部500から絞り込み条件を示す絞り込み条件番号を取得する。絞り込み条件は、例えば、以下に示す3条件である。
・絞り込み条件1:多くの領域をカバーする監視カメラを優先する。
・絞り込み条件2:離れた領域をカバーする監視カメラを優先する。
・絞り込み条件3:全体の監視エリアを均等に監視できる監視カメラを選択する。
取得する絞り込み条件番号は、複数、取得してもよいし、絞り込み条件なしでもよい。また、既定として、全ての絞り込み条件を適用するとしてもよい。
【0019】
次に、ステップS3において、カメラ順位付け部503は、カメラ評価テーブル30の初期化を行なう。カメラ評価テーブル30は、カメラの優先順位をつけるための一時的な作業テーブルである。
図7は、カメラ評価テーブル30の一例を示す図である。
図7において、カメラ評価テーブル30は、「CameraID」31と、「絞り込み1」32と、「絞り込み2」33と、「近隣度合計」34の3つのカラムからなる。「CameraID」31カラムは、カメラを一意に識別するためのユニークな番号を格納する。「絞り込み1」32カラムは、絞り込み条件1が適用された場合の評価値を格納する。「絞り込み2」33カラムは、絞り込み条件2が適用された場合の評価値を格納する。「近隣度合計」34カラムは、絞り込み条件3が適用された場合の評価値を格納する。カメラ評価テーブル30の初期化では、各カラムの値を全て0とする。
【0020】
次に、ステップS4において、カメラ順位付け部503は、絞り込み条件1が指定されているか否かを判定する。絞り込み条件1が指定されていない場合は、ステップS7へ進み、指定されている場合は、ステップS5に進む。
【0021】
次に、ステップS5において、カメラ順位付け部503は、全ての監視カメラについて、それぞれのカメラノードに接続されているリンクの数をカウントする。
カメラノードは、カメラ管理構成の階層グラフの最下位に位置するため、カメラノードに対するリンクは、全て終点として接続されている。カメラノードに接続されているリンクの数は、カメラノードの1階層上位のノード(親ノード)の数に等しく、あるカメラがいくつの監視対象を視野に含んでいるかに相当する。従って、カメラノードに接続されているリンクの数が、絞り込み条件1の「多くの領域をカバーする」度合いを表していると考えられる。
【0022】
次に、ステップS6において、カメラ順位付け部503は、それぞれのカメラノードのリンクの数をカウントした数を、カメラ評価テーブル30の「絞り込み1」32カラムに評価値として格納し、カメラ評価テーブル30を更新する。
図8は、図3に示すカメラ管理構成のグラフ構造に対して、各監視カメラの絞り込み条件1の評価値を記した例である。この例では、C3カメラとC4カメラの評価値が3であり、全ての監視カメラの中で最も評価値が大きく、絞り込み条件1の「多くの領域をカバーする」度合いの評価が高くなっていることを示している。
【0023】
次に、ステップS7において、カメラ順位付け部503は、絞り込み条件2が指定されているか否かを判定する。絞り込み条件2が指定されていない場合は、ステップS10へ進み、指定されている場合は、ステップS8に進む。
【0024】
次に、ステップS8において、カメラ順位付け部503は、それぞれのカメラノードに接続されている複数のリンクについて、各リンクをさらに上位階層にたどり、祖先として同じになる共通ノードにたどりつく場合に、たどりついた共通ノードとカメラノードとの間の階層数を取得する。あるカメラノードについて、異なるリンクの経路で複数の階層数が得られた場合は、その最大値を評価値とする。また、リンクが1つのカメラノードについては、階層数を0とする。
カメラノードの共通ノード(共通祖先)までの階層数は、監視管理の論理的な分類のレベルを示しており、論理的に、より離れた領域を監視するカメラは、共通の分類レベルが、より上位に位置することになる。従って、共通ノード(共通祖先)までの階層数が、絞り込み条件2の「離れた領域をカバーする」度合いを表していると考えられる。
【0025】
次に、ステップS9において、カメラ順位付け部503は、それぞれのカメラノードについて取得した階層数を、カメラ評価テーブル30の「絞り込み2」33カラムに、評価値として格納し、カメラ評価テーブル30を更新する。
図9は、図3に示すカメラ管理構成のグラフに対して、各監視カメラの絞り込み条件1と絞り込み条件2の評価値を記した例である。この例では、C4カメラが、絞り込み条件2は最も値が大きく、絞り込み条件2の「離れた領域をカバーする」度合いの評価が高くなっていることを示している。
【0026】
次に、ステップS10において、カメラ順位付け部503は、絞り込み条件3が指定されているか否かを判定する。絞り込み条件3が指定されていない場合は、ステップS11へ進み、指定されている場合は、ステップS13に進む。
【0027】
次に、ステップS11で、カメラ順位付け部503は、カメラ評価テーブル30をソート(並びかえ)する。ソートのキー条件は、例えば、「絞り込み1」32カラム、「絞り込み2」33カラムの順で、共に降順でソートする。
【0028】
次に、ステップS12で、カメラ順位付け部503は、ソートしたカメラ評価テーブル30の全レコードを、カメラ順位テーブル40に頭から順に追加(コピー)する。
図10は、カメラ順位テーブル40の一例を示す図である。
図10において、カメラ順位テーブル40は、「CameraID」41の1つのカラムからなる。「CameraID」41カラムは、カメラを一意に識別する番号を、カメラの優先順位の順番で格納する。このカメラ順位テーブル40が、カメラ順位付け部503の出力結果となり、カメラ番号出力部505に渡されて、カメラ順位付け部503の処理は終了となる。
【0029】
次に、絞り込み条件3が指定された場合に進むステップS13において、カメラ順位付け部503は、近隣度テーブル50を初期化する。
図11は、近隣度テーブル50の一例を示す図である。
近隣度テーブル50は、「CameraID」51と、「近隣1」52、「近隣2」53のように、n個の「近隣n」カラムからなる。この場合、nは監視カメラの台数に等しい。「CameraID」51カラムには、カメラを一意に識別するための番号が格納される。「近隣1」52カラム、「近隣2」53カラム、・・・、「近隣n」カラムには、特定のカメラからの近隣度が格納される。特定のカメラは、ステップS14以降に順次決定される。近隣度については、ステップS17で説明する。
【0030】
次に、ステップS14において、カメラ順位付け部503は、カメラ評価テーブル30をソート(並びかえ)する。ソートのキー条件は、「近隣度合計」34カラム、「絞り込み1」32カラム、「絞り込み2」33カラム、の順で、共に降順でソートする。最初のループでは、「近隣度合計」34カラムには、初期化されたときの値0が格納されているので、ソートの結果は、「絞り込み1」32カラムと「絞り込み2」33カラムの値に依存する。
【0031】
次に、ステップS15において、カメラ順位付け部503は、ソートされたカメラ評価テーブル30の最上位カメラの「CameraID」31カラムの値(カメラ番号)を、カメラ順位テーブル40の最初のレコードから順に、空いている(値が0の)レコードに格納する。選択されたカメラ番号の監視カメラは、選択済みのフラグを立てるなどして、識別できるようにする。最初のループでは、1番目のレコードの「CameraID」31カラムにカメラ番号が格納される。
例えば、図9の例では、絞り込み1と絞り込み2の値から、ソート後に得られる最上位カメラは、C4カメラとなる。評価値が同じ場合は、カメラ番号順にソートされた結果が得られる。
【0032】
次に、ステップ16において、カメラ順位付け部503は、カメラ順位テーブル40の最終レコードに値があるか、もしくは選択済みフラグの有無を調べるなどで、未選択のカメラが残っているか否かを判定する。未選択のカメラがある場合は、ステップS17へ進み、未選択のカメラがない場合は、その時点のカメラ順位テーブル40をカメラ順位付け部503の出力結果として、処理を終了する。
【0033】
次に、ステップS17において、カメラ順位付け部503は、全てのカメラについて、選択したカメラに対する近隣度を取得する。近隣度とは、例えば、家系図の親戚関係の遠さ/近さに相当する。本人については、近隣度は無しとする。兄弟関係にあるノード、つまり親が同一であるノードは、近隣度を1とする。従兄関係にあるノード、つまり、祖父が同一であるノードは、近隣度2とする。以降、同一となる先祖までの階層の数を、近隣度の値とする。近隣度の最大値は、最上位のルートとなるノードまでの階層の数となり、必ず同一のノードにまでたどり着く。
図12は、カメラノードC4に対する近隣度を記した例の図である。例えば、カメラノードC2、C3は、「ラック後列」を親とする兄弟関係にあるので、近隣度は1となる。また、カメラノードC10では、「事務所」を祖父とする従兄関係にあるため、近隣度は2となっている。
【0034】
このような近隣度を利用すれば、なるべく近隣に存在しないように代表カメラを選出することにより、絞り込み条件3の「全体の監視エリアを均等に監視できる監視カメラを選択する。」ことができるようになる。例えば、上記のように、ノードが同一となる先祖までの階層の数を近隣度の値とした場合は、近隣度が大きいほど、近隣には存在しないことを意味するので、近隣度の大きい監視カメラを優先的に選出することにより、全体の監視エリアを網羅するように、均等に監視できる監視カメラを選択することができる。
【0035】
次に、ステップ18において、カメラ順位付け部503は、取得した近隣度を、近隣度テーブル50に「近隣n」カラムの番号順に格納して、近隣度テーブル50を更新する。最初のループでは、「近隣1」52カラムに格納することになる。本人の近隣度(近隣度なし)については、Null値を格納する。図11の例では、近隣度テーブル50の近隣2カラムまで、近隣度を格納している。
【0036】
次に、ステップ19において、カメラ順位付け部503は、近隣度の合計を取る。近隣度の合計とは、近隣度テーブル50の格納済みカラムの値を、レコードごとに横方向に和を取ることである。最初のループでは、「近隣1」52カラムの値が、そのまま近隣度合計となる。
【0037】
次に、ステップ20において、カメラ順位付け部503は、近隣度合計をカメラ評価テーブル30の「近隣度合計」34カラムに格納する。その後、ループにより、ステップS14へ進む。
【0038】
次に、ステップS14で前記の通り、カメラ順位付け部503は、カメラ評価テーブル30をソートし、ステップS15で最上位カメラをカメラ順位テーブル40に格納し、選択済みカメラとする。
図13は、カメラノードC4に対する近隣度合計を記した例の図である。図13の例では、ソートの順番から、近隣度合計が最大の3のカメラの中で、「絞り込み1」が大きいC7の監視カメラが、選択カメラとなる。
【0039】
次に、カメラ順位付け部503は、前記の通りステップS16で未選択カメラの判定を行なった後、ステップS17で選択したカメラの近隣度を取得し、ステップS18で近隣度テーブル50に格納して、ステップS19で近隣度合計を取る。
図14は、カメラノードC4とC7の2台の選択済みカメラについて、それぞれの近隣度(近隣1、近隣2)を合計した結果を示す図である。
このようにして、カメラ順位付け部503は、近隣度合計をカメラ評価テーブル30に格納し、以降、ステップS16の条件で、未選択カメラがなくなるまでループを繰り返す。
【0040】
上記のように、カメラ順位付け部503によりカメラの順位付けを行ない、さらに、図2におけるカメラ表示数指定部504により、ユーザがディスプレイ上に表示する監視映像の数を指定し、カメラ番号出力部505が、指定された表示数だけカメラ順位テーブル40の上位カメラ番号(CameraID)を出力することで、図1における映像表示部6が、代表的な監視カメラの監視映像をディスプレイに表示する。
【0041】
以上のように、本発明によれば、監視カメラの配置を考慮した論理的な階層構造で監視カメラを管理し、監視カメラに自動的に優先順位をつけることで、ある監視領域内の多数のカメラ映像の中から、適切な代表映像を選択的に表示することにより、予め表示数分の監視カメラを事前にグループ分けする必要があったユーザの設定作業を不要にし、限られた数の監視カメラ映像で効率的な監視が可能になるという効果がある。
また、カメラ表示数指定部504により、ユーザがディスプレイ上に表示する監視映像の数を指定できるようにしたことにより、監視カメラの表示台数を、自由自在に変更することができる。
さらに、建物全体、フロア、部屋、など、監視対象のエリアを変更した場合も、予め設定することなしに、最適な代表カメラを選出し、限られた数の監視カメラ映像で、効率的な監視を行なうことができる。
【0042】
実施の形態2.
実施の形態1では、平常時の全体監視を想定して、複数台の監視カメラの中から、限られた数の表示用の監視映像を選択するために、監視カメラの優先順位付けを行ない、代表カメラを選出したが、異常発生時は、全く異なる基準で、表示する監視カメラの選択や、切り替えを行なわなければならない。異常発生時は、センサーにより検知されるイベントや、監視員の目視などで、まず初めに、特定の監視対象が決められる。続いて、その周辺の監視映像や、関連する監視映像に、順次、監視カメラを切り替える操作を行なう。実施の形態2では、このような特定の監視カメラから、順次、監視カメラを切り替えるための順位付けを行なう方法を示す。
【0043】
監視員の監視中に、何らかの異常が発生した場合、初めに、図2の起点カメラ番号指定部501により、監視対象として注視するカメラ番号を、起点カメラ番号として指定する。起点カメラ番号は、人の判断で指定してもよいし、センサーに連動して、監視対象をとらえるカメラ番号を自動的に指定してもよい。
【0044】
図15は、異常発生時に、起点カメラ番号指定部501により起点カメラが指定された場合の、カメラ順位付け部503の動作を示すフローチャートである。
以下、図15のフローチャートに従って、指定された起点カメラから、順次、監視カメラを切り替えるための順位付けの動作について説明する。
【0045】
まず、ステップS21において、カメラ順位付け部503は、カメラ管理構成入力部502からカメラ管理構成を取得し、メモリー上にグラフ構造で展開する。
【0046】
次に、ステップS22において、カメラ順位付け部503は、カメラ評価テーブル30の初期化を行なう。カメラ評価テーブル30は、実施の形態1と同様、監視カメラの優先順位をつけるための一時的な作業テーブルである。カメラ評価テーブル30の初期化は、各カラムの値を全て0とする。
【0047】
次に、ステップS23において、カメラ順位付け部503は、起点カメラ番号指定部501から起点カメラ番号を取得し、ステップS24において、カメラ評価テーブル30を参照して、取得した起点カメラ番号に対応する「CameraID」31のレコードにある「近隣度合計」34カラムに、起点カメラであることを示す情報、例えば、(−1)を格納する。
【0048】
次に、ステップS25において、カメラ順位付け部503は、近隣度テーブル50を初期化する。近隣度テーブル50は、実施の形態1と同様、カメラの近隣度を一時的に格納するテーブルである。
【0049】
次に、ステップS26において、カメラ順位付け部503は、カメラ評価テーブル30をソート(並びかえ)する。ソートのキー条件は、「近隣度合計」34カラム、「絞り込み1」32カラム、「絞り込み2」33カラム、の順で、「近隣度合計」34カラムは昇順で、「絞り込み1」32カラムと「絞り込み2」33カラムは降順でソートする。最初のループでは、「絞り込み1」32カラムと「絞り込み2」33カラムには、初期化されたときの値0が格納されており、「近隣度合計」34カラムには、起点カメラ番号の列のみ(−1)が格納されているので、ソートの結果は、起点カメラ番号を格納した監視カメラのレコードが最上位に来る。
【0050】
次に、ステップS27において、カメラ順位付け部503は、ソートされたカラム評価テーブル30の最上位カメラの「CameraID」31カラムの値(カメラ番号)を、カメラ順位テーブル40の最初のレコードから順に、空いている(値が0の)レコードに格納する。選択されたカメラ番号のカメラは、選択済みのフラグを立てるなどして、識別できるようにする。最初のループでは、1番目のレコードの「CameraID」31カラムにカメラ番号が格納される。
【0051】
次に、ステップS28において、カメラ順位付け部503は、選択済みフラグの有無を調べるなどで、未選択のカメラが残っているか否かを判定する。未選択のカメラがある場合は、ステップS29へ進み、未選択の起点カメラがない場合は、その時点のカメラ順位テーブル40をカメラ順位付け部503の結果として、処理を終了する。
【0052】
ステップS29で、カメラ順位付け部503は、全てのカメラについて、選択したカメラに対する近隣度を取得する。近隣度とは、実施形態1と同様、同一となる先祖までの階層の数を持って、近隣度の値とする。
【0053】
次に、ステップS30において、カメラ順位付け部503は、ステップS29で取得した近隣度を近隣度テーブル50に「近隣n」カラムの番号順に格納して、近隣度テーブル50を更新する。最初のループでは、「近隣1」52カラムに格納することになる。本人の近隣度(近隣度なし)については、Null値を格納する。
【0054】
次に、ステップ31において、カメラ順位付け部503は、近隣度の合計を取る。近隣度の合計とは、近隣度テーブル50の格納済みカラムの値を、レコードごとに横方向に和を取ることである。最初のループでは、「近隣1」52カラムの値が、そのまま近隣度合計となる。
【0055】
次に、ステップ32において、カメラ順位付け部503は、近隣度合計をカメラ評価テーブル30の「近隣度合計」34カラムに格納する。その後、ループによりステップS26へ進む。以降、実施の形態1と同様に、未選択カメラがなくなるまでループを繰り返す。
【0056】
本実施の形態2の処理と、実施の形態1の後半処理(近隣度による順位付け処理)との違いは、カメラ評価テーブル30のソートの方法で、近隣度を昇順にするか降順にするかの違いである。実施の形態1では、降順とすることで、できるだけ近隣にないカメラを、順次、選択するが、実施の形態2では、昇順とすることで、できるだけ近隣にあるカメラを、順次、選択するようにしている。
【0057】
以上のように、本発明によれば、指定された起点カメラをはじめとして、順次、近隣の周辺カメラの順に監視カメラの優先順位を決めるようにしたので、予め監視カメラに関連付けて表示数分のカメラをグループ分けすることなしに、監視対象として優先度の高い周辺カメラの順に、監視カメラ映像を適切に表示することが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
1 監視カメラ、2 映像受信部、3 カメラ管理構成データベース、4 監視対象管理部、5 監視対象管理部、500 絞り込み指定部、501 起点カメラ番号指定部、502 カメラ管理構成入力部、503 カメラ順位付け部、504 カメラ表示数指定部、505 カメラ番号出力部、6 映像表示部、10 ノードテーブル、20 リンクテーブル、30 カメラ評価テーブル、40 カメラ順位テーブル、50 近隣度テーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の監視カメラの物理的な配置に基づいて前記監視カメラ同士の論理的な構成を示すカメラ管理構成を格納するカメラ管理構成データベースと、
前記カメラ管理構成データベースに格納された前記カメラ管理構成に基づいて、前記監視カメラに評価値を与え、この評価値に従って、複数の監視カメラの中から表示対象とする監視カメラを代表カメラとして選出する代表カメラ選出部とを備える監視カメラ映像表示装置。
【請求項2】
前記カメラ管理構成は、グループ分けされた監視対象エリアのノードが上位/下位関係のリンクにより階層化され、前記監視カメラに対応するカメラノードを最下位層に持つ階層構造であり、
前記代表カメラ選出部は、前記カメラ管理構成の前記階層構造を参照し、前記監視カメラが監視する監視対象エリアの上位/下位関係に基づいて、前記評価値を前記監視カメラに与える請求項1記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項3】
前記代表カメラ選出部は、前記カメラ管理構成の前記カメラノードに接続されたリンクの数を評価値として前記監視カメラに与える請求項2記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項4】
前記代表カメラ選出部は、前記カメラ管理構成の前記カメラノードに接続された複数のリンクを前記カメラノード毎に上位階層にたどり、祖先のノードとして同じになる共通ノードと前記カメラノードとの間の階層数を評価値として前記監視カメラに与える請求項2記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項5】
前記代表カメラ選出部は、前記カメラ管理構成の第1のカメラノードと第2のカメラノードとから上位階層にたどり、前記第1及び第2のカメラノードから、祖先のノードとして同じになる共通ノードまでの階層数を近隣度として取得し、この近隣度に基づいて、前記評価値を前記監視カメラに与える請求項2記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項6】
前記代表カメラ選出部は、前記監視カメラに評価値を与える条件を示す絞り込み条件をユーザが指定する絞り込み指定部を備え、
ユーザにより指定された前記絞り込み条件と前記カメラ管理構成とに基づいて、前記代表カメラを選出する請求項1から請求項5のいずれかに記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項7】
前記代表カメラ選出部は、最初に表示する前記監視カメラを起点カメラとしてユーザが指定する起点カメラ番号指定部を備え、
前記近隣度に基づいて、前記起点カメラの近隣にある前記監視カメラを、順次、選出する請求項5記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項8】
前記代表カメラ選出部は、表示する監視映像の数をユーザが指定するカメラ表示数指定部を備え、
ユーザにより指定された前記監視映像の数の前記代表カメラを選出する請求項1から請求項7のいずれかに記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項1】
複数の監視カメラの物理的な配置に基づいて前記監視カメラ同士の論理的な構成を示すカメラ管理構成を格納するカメラ管理構成データベースと、
前記カメラ管理構成データベースに格納された前記カメラ管理構成に基づいて、前記監視カメラに評価値を与え、この評価値に従って、複数の監視カメラの中から表示対象とする監視カメラを代表カメラとして選出する代表カメラ選出部とを備える監視カメラ映像表示装置。
【請求項2】
前記カメラ管理構成は、グループ分けされた監視対象エリアのノードが上位/下位関係のリンクにより階層化され、前記監視カメラに対応するカメラノードを最下位層に持つ階層構造であり、
前記代表カメラ選出部は、前記カメラ管理構成の前記階層構造を参照し、前記監視カメラが監視する監視対象エリアの上位/下位関係に基づいて、前記評価値を前記監視カメラに与える請求項1記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項3】
前記代表カメラ選出部は、前記カメラ管理構成の前記カメラノードに接続されたリンクの数を評価値として前記監視カメラに与える請求項2記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項4】
前記代表カメラ選出部は、前記カメラ管理構成の前記カメラノードに接続された複数のリンクを前記カメラノード毎に上位階層にたどり、祖先のノードとして同じになる共通ノードと前記カメラノードとの間の階層数を評価値として前記監視カメラに与える請求項2記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項5】
前記代表カメラ選出部は、前記カメラ管理構成の第1のカメラノードと第2のカメラノードとから上位階層にたどり、前記第1及び第2のカメラノードから、祖先のノードとして同じになる共通ノードまでの階層数を近隣度として取得し、この近隣度に基づいて、前記評価値を前記監視カメラに与える請求項2記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項6】
前記代表カメラ選出部は、前記監視カメラに評価値を与える条件を示す絞り込み条件をユーザが指定する絞り込み指定部を備え、
ユーザにより指定された前記絞り込み条件と前記カメラ管理構成とに基づいて、前記代表カメラを選出する請求項1から請求項5のいずれかに記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項7】
前記代表カメラ選出部は、最初に表示する前記監視カメラを起点カメラとしてユーザが指定する起点カメラ番号指定部を備え、
前記近隣度に基づいて、前記起点カメラの近隣にある前記監視カメラを、順次、選出する請求項5記載の監視カメラ映像表示装置。
【請求項8】
前記代表カメラ選出部は、表示する監視映像の数をユーザが指定するカメラ表示数指定部を備え、
ユーザにより指定された前記監視映像の数の前記代表カメラを選出する請求項1から請求項7のいずれかに記載の監視カメラ映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−51486(P2013−51486A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187183(P2011−187183)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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