説明

目の周辺焦点ぼけの補正および屈折異常の進行の抑制

周辺網膜を十分に補正することにより近視の進行を低減するための眼科用レンズ系列で、系列を形成する一つより多くのレンズを含む系列。該系列の各々の眼科用レンズは系列に共通する一つの中心屈折力レベルを有する。該系列の眼科用レンズの各々は、さまざまな差分屈折力レベルから選択される一つの差分(周辺引く中心)屈折力を有する。さまざまな差分屈折力レベルを提供することは特定の目の周辺網膜の過剰補正または補正不足の危険性を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に眼科機器分野に関するものである。さらに具体的には、本発明は、目の周辺焦点ぼけの補正のためおよび屈折異常の進行の抑制のための眼科機器分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近視(近眼)の目は解剖学的に、赤道におけるよりも軸方向により引き伸ばされていて、正視眼より球状性が劣るものとして説明されてきた。最近になって、David Atchinsonによって「Eye Shape in Emmetropia and Myopia」の中で記載され、かつKrish Singhによって「Three Dimensional Modeling of the Human Eye Based on Magnetic Resonance Imaging」の中で記載されるように、磁気共鳴映像法による画像化で、生きている人間の目としてのこれらの調査結果が確認された。研究者は、自動屈折検査で、差分周辺屈折においても遠視眼、正視眼、および近視眼の間に違いがあることを発見した。このような研究は、Donald Muttiによって「Peripheral Refraction and Ocular Shape in Children」の中で例示される。
【0003】
これらの事例においては、差分周辺焦点ぼけは、近視の客観的な量を決定するために用いられる、中心(正常)屈折の関数としての、周辺屈折に対する中心屈折の変化である。周辺屈折が中心屈折より、より正の(より収束性でない)場合で、かつ網膜のさらに外側または後方に像を結ぶ場合、差分周辺焦点ぼけは遠視性であると言われる。反対に、差分周辺屈折が中心屈折より、より負の(より収束性である)場合で、かつ網膜のさらに内側または前方に像を結ぶ場合、差分周辺焦点ぼけは近視性であると言われる。
【0004】
Muttiのような研究者は自動屈折検査により、中心遠視屈折を有する目にとっては差分周辺焦点ぼけはより近視性で、中心近視屈折の目にとっては差分周辺焦点ぼけはより遠視性であることを発見した。近視性焦点ぼけは、より収束性のレンズを通過する光線により生じ、それ故に網膜の前方に像を結ぶ。これは、目の軸方向の長さ、およびさらに正確には網膜の位置、が目の屈折力の焦点距離を超える、未補正の近視眼に類似している。従って、近視性焦点ぼけは網膜の内部または前方で焦点を結ぶ光であるといえる。その逆の説明が遠視性焦点ぼけにあてはまる。遠視性焦点ぼけは、より収束性でない目の光学系を通過する光線により生じ、それ故に網膜の外側または後方に像を結ぶ。
【0005】
ソフトコンタクトレンズを含む眼科用レンズは、レンズの中心軸(またはゼロ軸)に位置する中心球面−円柱屈折力を含む。中心球面−円柱屈折力は、中心視力を最適化するために自覚的屈折検査に基づく視力補正に用いられる、眼科用レンズの標準的な仕様である。眼科用レンズはさらに、中心軸から決められた距離の位置での周辺屈折力値を示す、周辺屈折力特性を含む。従来、眼科用レンズの周辺屈折力特性は、そのままに維持されたか、または、メガネの歪を低減するように、あるいは中心視力を改善するように調整された。周辺網膜の視力がより低いため、周辺屈折の補正に関しては顕著な改善が見られなかった。
【0006】
近視眼は一般的に正視眼に比べてより細長い、扁長形状を示す。近視の進行に伴って眼球の扁長形状が増大するため、周辺網膜は遠視性焦点ぼけの進行を経験する。一方、同程度の中心屈折状況の小児および成人の両方について、差分(周辺屈折力レベル引く中心屈折力レベル)屈折における多数の個人差が観測された。結果として、平均的で単一の差分レンズ屈折力を有する対近視眼科用レンズ/コンタクトレンズの使用は、特定の目の個々の周辺焦点ぼけに応じて、いくつかの近視の周辺網膜には過剰補正となるが、ほかの近視の周辺網膜には補正不足となる
【0007】
周辺網膜を重度に過剰補正した場合の視覚的効果は、周辺視力を妨害するのみならず周辺形態視力喪失を起こしえて、その結果さらなる軸方向眼球伸びおよび近視進行となる過剰量の近視性、周辺焦点ぼけになる可能性がある。補正不足の場合の視覚的効果は、同様に軸方向眼球伸びおよび近視の悪化の刺激を引き起こす、周辺網膜内での遠視性焦点ぼけの残存でありうる。大部分の進行中の近視において、周辺遠視が周辺近視に変換されるように、平均以上の単一の差分レンズ屈折力を有する対近視コンタクトレンズを使用することは、上記因果関係により、いくつかの近視における補正不足を防止するが、ほかの近視における重度の過剰補正を引き起こす。
【発明の概要】
【0008】
例示的実施形態においては、本発明は、近視の進行を低減するための眼科用レンズ系列で、複数(1を越える)の眼科用レンズを含む系列を提供する。レンズ系列は目の周辺焦点ぼけを補正し、かつ該眼科用レンズ系列の各々のレンズは系列に共通している中心屈折力レベルを有する。該系列の眼科用レンズの各々は、さまざまな差分屈折力レベル(周辺屈折力レベル引く中心屈折力レベル)から選択される一つの差分レンズ屈折力を有する。さまざまな周辺屈折力レベルを提供することは、特定の目の周辺焦点ぼけの過剰補正または補正不足の危険性を低減する。
【0009】
代替実施形態においては、さまざまな差分レンズ屈折力が、高差分レンズ屈折力、中差分レンズ屈折力、および低差分レンズ屈折力からなる群から選択される。追加的な代替実施形態においては、眼科用レンズ系列中のレンズは、中心レンズ屈折力と周辺レンズ屈折力の差分屈折力範囲約0.25ジオプターから約4ジオプターまでを有する。さらに追加的な実施形態においては、眼科用系列中のレンズは、負の差分レンズ屈折力範囲を有しうる(すなわち提供される周辺レンズ屈折力レベルが中心屈折力レベルより、より負でありうる)。レンズはソフトコンタクトレンズ材料でできていてもよいし、またはソフトコンタクトレンズ材料を含んでもよい。
【0010】
ほかの態様においては、本発明は近視眼の周辺焦点ぼけを十分に補正するための方法であり、眼科用レンズの系列中の各々のレンズが共通の中心屈折力を有し、かつ系列中の各々のレンズが、さまざまな差分レンズ屈折力から選択される一つの差分レンズ屈折力を有する、眼科用レンズの系列を提供することを含む方法である。方法はさらに、眼科用レンズ系列より第1眼科用レンズを選択し、かつ該第1レンズを目に装着させること、かつその後評価により周辺網膜が過剰補正されているのか、補正不足であるのかを決定することを特徴とする、該第1レンズを装着する目の視機能を評価することを含む。方法はさらに、該第1レンズで補正不足と決定される目のためには、目に装着する該第1レンズをより高い差分レンズ屈折力を有する系列からの代替レンズと交換すること、または該第1レンズで過剰補正と決定される目のためには、目に装着する該第1レンズをより低い差分レンズ屈折力を有する系列からの代替レンズと交換することを含む。
【0011】
態様においては、さまざまな差分レンズ屈折力が、高差分レンズ屈折力、中差分レンズ屈折力、および低差分レンズ屈折力からなる群から選択されえて、かつ差分レンズ屈折力範囲が約0.25ジオプターから約4ジオプターまででありうる。追加的な実施形態においては、眼科用系列中のレンズは、負の差分レンズ屈折力範囲を有しうる(すなわち提供される周辺レンズ屈折力レベルが中心屈折力レベルより、より負でありうる)。レンズはソフトコンタクトレンズ材料でできていてもよいし、またはソフトコンタクトレンズ材料を含んでもよい。
【0012】
本発明のこれらの態様、およびほかの態様、本発明の特徴および利点は、本明細書の図および詳細な説明を参照して理解され、かつ添付の請求項にて詳細に指摘されるさまざまな要素および組み合わせによって実現される。先述の全般的な説明および以下の図面の簡単な説明の両方、および本発明の詳細な説明は本発明の望ましい実施態様の例示および説明であり、特許請求された本発明を制限しないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】軸外15度において毛様体筋まひ中に、軸外固視標を用いてオープンフィールドオートレフラクトメータで測定された、小児の周辺差分(周辺引く中心)対中心球面補正の試験結果の表示。
【図2】軸外20度において毛様体筋まひ中に、軸外固視標を用いてオープンフィールドオートレフラクトメータで測定された、成人の周辺差分(周辺引く中心)対中心球面補正の試験結果の表示。
【図3A】中央近視約6ジオプターの被験者における均一屈折力を有する対照レンズと比較した、大きい周辺屈折力差分を有するレンズの周辺屈折に対する影響の表示。
【図3B】中央近視約1.5ジオプターの被験者における均一屈折力を有する対照レンズと比較した、大きい周辺屈折力差分を有するレンズの周辺屈折に対する影響の表示。
【図4A】中央近視約6ジオプターの被験者における均一屈折力を有する対照レンズと比較した、小さい周辺屈折力差分を有するレンズの周辺屈折に対する影響の表示。
【図4B】中央近視約1.5ジオプターの被験者における均一屈折力を有する対照レンズと比較した、小さい周辺屈折力差分を有するレンズの周辺屈折に対する影響の表示。
【図5】球面屈折および球面等価屈折に関して、周辺屈折の周辺視力品質評価に対する影響の表示。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、本開示の一部を形成する添付図と併せて、下記の本発明の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解されうる。本発明は、本明細書に記載されるおよび/または示される特定の機器、方法、状態、またはパラメーターに限定されないこと、および、本明細書に使用される用語は、特定の実施形態を、実施例のみを手段として記載することを目的としており、かつ特許請求された発明を限定することを意図しないことが理解されるべきである。本明細書にて特定される任意のおよび全ての特許、およびほかの公表文献は、完全に本明細書に記載のものとして参考として本明細書に組み込まれる。
【0015】
同様に、添付の請求項を含む本明細書で用いられるように、文脈が明確に別の指示をしていないかぎり、単数形の「a」、「an」、「the」は複数を含み、かつ特定の数値への言及は少なくとも当該特定数値を含む。本明細書において、範囲は、「約」または「おおよそ」ある特定の値から、および/または、「約」又は「おおよそ」他の特定の値までとして表される。このような範囲が表される場合、別の実施形態は、その一つの特定の値から、および/または、もう一つの特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」の使用により概算値として表される場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解される。
【0016】
任意の目において目的とする対近視像を生み出すために、各々の中心(距離補正)屈折力ごとにさまざまな差分(周辺引く中心)レンズ屈折力の対近視コンタクトレンズが提供されうる。「シン−ニッポン」K5001オープンフィールドオートレフラクトメータで、毛様体筋まひ中の右目について軸上および軸外15度で屈折が測定された、年齢が7〜15歳の63人の小児の調査において、所要の周辺差分レンズ屈折力(周辺球面屈折力引く中心球面屈折力)が任意の中心球面屈折力ごとに、すなわち任意の屈折力状況ごとに、大きく変化することが判明した(図1)。例えば、中心球面屈折力0.00ジオプターのプラスマイナス半ジオプターの範囲内(外枠)で、差分レンズ屈折力は約−2.20ジオプターから+1.40ジオプターの範囲をとった。この範囲は他の中心球面屈折力の周囲と同程度の範囲であった。6人の若い成人ボランティアの両眼についての調査でも、差分屈折について相当な個人差があることが明らかになった(図2)。軸上および軸外約20度での毛様体筋まひ中の両眼について屈折が測定された。例えば、中心球面約−1.00ジオプターの周辺(外枠)で、差分レンズ屈折力は約−0.50ジオプターから+1.80ジオプターの範囲をとった。
【0017】
これらの調査結果は、さまざまな差分レンズ屈折力を有する対近視レンズが、任意の目の周辺網膜の補正不足または重度の過剰補正を回避できること、および、多数の中心(距離補正)屈折力において、目的とする対近視像を作ることができることを証明する。さまざまな周辺屈折力レベルにおける例示的実施形態の効果は、CIBA Vision Research Clinicでの、Welch−Allyn SureSight手持ち式オートレフラクトメータによる、成人ボランティアの軸上および軸外の屈折測定によってさらに立証される。
【0018】
第1例は、被験者RPにおけるより大きな差分周辺焦点ぼけを補正する(図3A)が、被験者GSにおけるより小さな差分周辺焦点ぼけを非常に過剰補正する(図3B)、より高い差分レンズ屈折力を有する対近視レンズの設計を十分に示した。
【0019】
他方では、第2例は、被験者RPにおいて差分周辺焦点ぼけにほとんど影響しない(図4A)が、被験者GSにおける差分周辺焦点ぼけを若干過剰補正する(図4B)、より小さい差分レンズ屈折力を有する対近視レンズの設計を示した。
【0020】
正の差分レンズ屈折力を有するソフトコンタクトレンズの光学設計は、高い差分屈折/屈折力(遠視2.50ジオプター以上)の周辺網膜を十分に補正することが示された。しかしながら、より少ない差分レンズ屈折力を必要とする目に装着される同一設計品は周辺網膜を過剰補正して、装着者に重度の周辺近視および顕著な周辺ぼやけをもたらした。
【0021】
ある特定の中心(距離)屈折力のための差分レンズ屈折力レベルの望ましい数は、ある集団内での差分レンズ屈折力の範囲、周辺ぼやけに対する許容範囲、および、視覚誘導性眼球の成長を推進する機構の精度によって決まる。コンタクトレンズが網膜上に正確に像を結ぶことによって周辺を正しく補正することは必要条件ではなく、単に球面線画像を網膜の前面かつ近傍に動かすことが必要条件であるため、中心屈折力ごとに、一連の3つの異なる周辺屈折力レベル(例えば高、中、低)で十分でありうる。
【0022】
本発明によるレンズ系列の実施例において、さまざまな差分焦点ぼけを特別補正することが期待される差分レンズ屈折力は、軸外30度において+約0.25ジオプターから+約4.00ジオプターの範囲で、またはより望ましくは+約1.00ジオプターから+約3.00ジオプターの範囲で変動しえて、かつ高、中、低差分レンズ屈折力は各々+約3.00ジオプター、+約2.00ジオプター、および+約1.00ジオプターに設定しうる。
【0023】
本発明による一つの方法は、臨床診療において患者個々の周辺屈折に関する高度な情報なしで、「高」、「中」、または「低」差分レンズ屈折力を選択することを提供する。「高」差分レンズ屈折力から始めて、かつ視機能を評価することにより、周辺過剰補正の理由で当該レンズが許容できない患者が明白となり、かつ患者は次に低い「中」差分レンズ屈折力に移るように表明する。「低」差分レンズ屈折力が必要であれば、これがもう一度繰り返されうる。本発明によるこの方法の代替実施形態としては、「低」差分レンズ屈折力から始めて、かつ視機能を評価することにより、周辺補正不足の理由で当該レンズが許容できない患者が明白となり、かつ患者は次に高い「中」差分レンズ屈折力に移るように表明する。「高」差分レンズ屈折力が必要であれば、これがもう一度繰り返されうる。特定の球面屈折力(屈折状況)に対して必要な差分レンズ屈折力として、中央値での「中」差分レンズ屈折力を目標とすることにより、次のより高い差分レンズ屈折力に移るか、またはより低い差分レンズ屈折力に移るかの手順は、周辺屈折異常の過剰補正の客観的許容範囲により決定される。
【0024】
主観的な視力品質と、さまざまな差分レンズ屈折力のレンズの間で視力品質の差があると報告した患者の網膜周辺における客観的な自動屈折検査の相関分析により、それを越えると視力品質が許容できない過剰補正限界が存在することが明らかになった。図5になると、そこでは周辺屈折の、0から10の等級を用いたレンズに対する周辺視力品質評価への影響の表示が示される。記号は、レンズを常時装着するのに視力品質が十分であるかどうかの質問に対して、「いいえ」(丸印)または「はい」(三角印)と答えた患者被験者を示す。
【0025】
図5に示される表示は、耳側網膜(鼻側)30度(T30)においてオートレフラクトメータにより測定される、球面屈折(Sph、表示の左側)および球面等価屈折(M、表示の右側)に関する。もし、例えば耳側網膜(鼻側)30度において、レンズが球面屈折約+0.25ジオプター未満(すなわち網膜上または網膜の前面において)となるとすると、レンズを常時装着するのに視力品質が十分であるかどうかの質問に対して、「いいえ」と答える患者全員によって表明されるように、視力品質は許容できない。このことは、「T30 Sph」部分の影付きの左側に示される。同様に、約−2.50ジオプター未満(すなわち網膜の−2.50ジオプターよりさらに前方)の球面等価屈折に対しては、レンズを常時装着するのに視力品質が十分であるかどうかの質問に対して、「いいえ」と答える患者全員によって表明されるように、視力品質は許容できない(「T30 M」部分の影付きの左側)。相関分析は同様に、レンズの拒否が、中心視力とは対照的に主として周辺視力の減少に起因することを示した。これらの過剰補正限界の識別および適用は実質的にレンズ合わせ手順を容易にし、かつ、周辺焦点ぼけを補正し、かつ屈折異常の進行を抑制するときに、視力劣化および患者によるレンズの拒否を低減することに役立つ。
【0026】
代替実施形態においては、コンタクトレンズは、遠視の目における軸方向眼球伸びの刺激のために、中心部および網膜周辺部における遠視性焦点ぼけをもたらすように、負の屈折力差分を有するように設計されうる。
【0027】
追加的な代替実施形態においては、本発明によるコンタクトレンズは乱視の補正のために球面円柱中心屈折力を含む。この場合は、差分レンズ屈折力を定義するための中心球面屈折力として、中心屈折力の球面部分か球面等価(球面+円柱の半分)のどちらかが用いられうる。
【0028】
レンズ系列における例示的レンズは、任意の適切な既知のコンタクトレンズ材料から成りうる。特定の例は、ヒドロゲルやシリコンヒドロゲル材料などのソフトレンズ材料を含む。
【0029】
本発明を望ましい実施形態および例示的な実施形態に関して説明してきたが、
さまざまな修正、追加、および削除が、下記の請求項によって定義される本発明の範囲内にあることが当業者によって理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の眼科用レンズが系列を構成すること、
該系列の各々の眼科用レンズが該系列に共通の中心屈折力レベルを有すること、
上記系列の各々の上記眼科用レンズが、さまざまな差分レンズ屈折力レベルから選択された一つの差分レンズ屈折力レベルを有すること、
を含む、目の周辺焦点ぼけを補正するための眼科用レンズ系列であって、特定の目の周辺焦点ぼけの過剰補正または補正不足の危険性を低減するために一つのレンズが該系列から選択されうることを特徴とする、目の周辺焦点ぼけを補正するための眼科用レンズ系列。
【請求項2】
さまざまな差分レンズ屈折力レベルが、高差分レンズ屈折力、中差分レンズ屈折力、および低差分レンズ屈折力から成る群から選択される、請求項1に記載の眼科用レンズ系列。
【請求項3】
眼科用レンズ系列中のレンズが約0.25ジオプターから約4ジオプターの差分レンズ屈折力範囲を有する、請求項1に記載の眼科用レンズ系列。
【請求項4】
眼科用レンズ系列中のレンズが負の差分レンズ屈折力範囲を有する、請求項1に記載の眼科用レンズ系列。
【請求項5】
上記レンズの各々がソフトレンズ材料を含む、請求項1に記載の眼科用レンズ系列。
【請求項6】
眼科用レンズ系列中の各々のレンズが一つの共通する中心屈折力を有し、かつ系列中の各々のレンズが、さまざまな差分レンズ屈折力レベルから選択される一つの差分レンズ屈折力レベルを有することを特徴とする眼科用レンズの系列を提供すること、
眼科用レンズ系列より第1眼科用レンズを選択し、かつ該第1レンズを目に装着させること、
評価により周辺網膜が過剰補正されているのか、補正不足であるのかを決定することを特徴とする、該第1レンズを装着する目の視機能を評価すること、および
該第1レンズで補正不足と決定される目のためには、目に装着する該第1レンズをより高い差分レンズ屈折力を有する系列からの代替レンズと交換すること、または該第1レンズで過剰補正と決定される目のためには、目に装着する該第1レンズをより低い差分レンズ屈折力を有する系列からの代替レンズと交換すること、
を含む、目の周辺焦点ぼけを補正する方法。
【請求項7】
さまざまな差分レンズ屈折力レベルが、高差分レンズ屈折力、中差分レンズ屈折力、および低差分レンズ屈折力からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
眼科用レンズ系列中のレンズが約0.25ジオプターから約4ジオプターの差分レンズ屈折力範囲を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
眼科用レンズ系列中のレンズが負の差分レンズ屈折力範囲を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
上記レンズの各々がソフトレンズ材料を含む、請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−513045(P2012−513045A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542354(P2011−542354)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/068154
【国際公開番号】WO2010/080413
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【出願人】(505408882)ビジョン・シーアールシー・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】VISION CRC LIMETED
【Fターム(参考)】